(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127443
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】情報端末の制御プログラム、情報端末、無線装置、無線装置の制御方法及び通信制御システム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/22 20090101AFI20230906BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20230906BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20230906BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20230906BHJP
H04L 45/851 20220101ALI20230906BHJP
【FI】
H04W28/22
H04W16/26
H04W24/08
H04W48/16 130
H04L45/851
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031242
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】杉村 和彦
【テーマコード(参考)】
5K030
5K067
【Fターム(参考)】
5K030GA19
5K030HC09
5K030JL01
5K030JT02
5K030JT09
5K030LB08
5K030MB06
5K067AA11
5K067AA43
5K067BB04
5K067BB21
5K067DD11
5K067DD17
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067HH22
5K067JJ12
5K067JJ13
5K067JJ76
(57)【要約】
【課題】無線装置の電力消費を削減すること。
【解決手段】切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置のLAN側に接続可能な情報端末の制御プログラム。該制御プログラムは、所定のタイミングで、前記情報端末が接続された前記無線装置を介したスループットを特定する処理、前記情報端末に記憶された複数のスループット範囲から、特定したスループットを含むスループット範囲を選択する処理、前記複数のスループット範囲に対応付けて前記情報端末に記憶された複数のWAN側接続モードから、特定したスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択する処理、前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切替可能な複数のWAN(Wide Area Network)側接続モードを有する無線装置のLAN(Local Area Network)側に接続可能な情報端末の制御プログラムであって、
所定のタイミングで、前記情報端末が接続された前記無線装置を介したスループットを特定する処理、
前記情報端末に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループットを含むスループット範囲を選択する処理、
前記複数のスループット範囲に対応付けて前記情報端末に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択する処理、
前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する処理
をコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の制御プログラムにおいて、
前記所定のタイミングは予め定められた間隔の各時点であること、
前記所定のタイミングで特定されるスループットは前記各時点で測定されるスループットであること
を特徴とする、制御プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載の制御プログラムにおいて、
前記制御プログラムは、更に、
予め定められた間隔の各時点において、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記各時点における前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する処理
をコンピュータに実行させることを含むこと、
前記所定のタイミングは、前記各時点であること、
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記各時点において選択されるスループットであること
を特徴とする、制御プログラム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の制御プログラムにおいて、
前記予め定められた間隔は、一定の間隔であること
を特徴とする、制御プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載の制御プログラムにおいて、
前記制御プログラムは、更に、
前記情報端末の位置情報に予め定められた変化が生じたとき、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記変化が生じたときにおける前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する処理
をコンピュータに実行させることを含むこと、
前記所定のタイミングは、前記変化が生じたときであること、
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記変化が生じたときに選択されるスループットであること
を特徴とする、制御プログラム。
【請求項6】
切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置のLAN側に接続可能な情報端末であって、
前記情報端末が接続された無線装置を介したスループットを測定するスループット測定部、
前記複数のWAN側接続モードと複数のスループット範囲を対応付けて記憶する記憶部、及び、
所定のタイミングでスループットを特定し、前記記憶部に記憶された複数のスループット範囲から特定されたスループットを含むスループット範囲を選択し、前記記憶部に記憶された複数のWAN側接続モードから選択したスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択し、前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する無線装置制御部
を含む、情報端末。
【請求項7】
請求項6に記載の情報端末において、
前記情報端末は、更に、
前記スループット測定部によるスループットの測定時における前記情報端末の位置情報及び時間情報を取得する位置時間情報取得部、及び、
測定されたスループット、当該スループットの測定時に取得された位置情報及び時間情報を対応付けて記憶する学習用メモリ
を含むこと
を特徴とする情報端末。
【請求項8】
切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置であって、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信し、WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから当該WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替える装置制御部を含む
無線装置。
【請求項9】
切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置の制御方法であって、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信すること、
WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから前記WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替えること
を含む、制御方法。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の情報端末と請求項8に記載の無線装置を含む通信制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報端末の制御プログラム、情報端末、無線装置、無線装置の制御方法及び通信制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在一般的なモバイルルータ等の無線装置は、高速モード/中速モード/低速モード等の複数のWAN(Wide Area Network)側接続モードを有する。一般的に、WAN側接続モードと消費電力との間には、データ通信が高速な接続モードほど消費電力が大きくなるという関係がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は本発明者によってなされたものである。
【0005】
上記先行技術文献は、引用により本書に繰り込み記載されているものとする。
無線装置のWAN側接続モードは、通常は、ユーザが無線装置において所定の操作を行うことによって選択されているが(特許文献1の段落0004参照)、この選択は、ネットワーク側の混雑状況に拘わらず、行われることがある。一方、実際のデータ通信速度は、ネットワーク側の混雑状況の影響を受けることが多い(
図11参照)。
【0006】
このため、WAN側接続モードを高速モードに設定してもネットワーク側の混雑状況がボトルネックとなって実際の通信速度は低速になることがあり、この場合、無線装置は無駄に電力を消費することになる。
【0007】
本開示の課題は、とりわけ、無線装置の電力消費の削減に貢献する、情報端末の制御プログラム、情報端末、無線装置、無線装置の制御方法及び通信制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の第1の視点により、切替可能な複数のWAN(Wide Area Network)側接続モードを有する無線装置のLAN(Local Area Network)側に接続可能な情報端末の制御プログラムが提供される。該制御プログラムは、
所定のタイミングで、スループットを特定する処理、
前記情報端末に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループットを含むスループット範囲を選択する処理、
前記複数のスループット範囲に対応付けて前記情報端末に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択する処理、
前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する処理
をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする(形態1)。
(2)本開示の第2の視点により、切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置のLAN側に接続可能な情報端末が提供される。該情報端末は、
スループットを測定するスループット測定部、
前記複数のWAN側接続モードと複数のスループット範囲を対応付けて記憶する記憶部、及び、
所定のタイミングでスループットを特定し、前記記憶部に記憶された複数のスループット範囲から特定されたスループットを含むスループット範囲を選択し、前記記憶部に記憶された複数のWAN側接続モードから選択したスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択し、前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する無線装置制御部
を含む、ことを特徴とする(形態6)。
(3)本開示の第3の視点により、切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置が提供される。該無線装置は、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信し、WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから当該WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替える装置制御部を含む、
ことを特徴とする(形態8)。
(4)本開示の第4の視点により、切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置の制御方法が提供される。該制御方法は、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信すること、
WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから前記WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替えること
を含む、ことを特徴とする(形態9)。
(5)本開示の第5の視点により、本開示に係る情報端末と本開示に係る無線装置を含む通信制御システムが提供される(形態10)。
【0009】
上記形態1の制御プログラムにおいて、
前記所定のタイミングは予め定められた間隔の各時点であること、
前記所定のタイミングで特定されるスループットは前記各時点で測定されるスループットであることが好ましい(形態2)。
上記形態1の制御プログラムにおいて、
前記制御プログラムは、更に、
予め定められた間隔の各時点において、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記各時点における前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する処理
をコンピュータに実行させることを含むこと、
前記所定のタイミングは、前記各時点であること、
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記各時点において選択されるスループットであることが好ましい(形態3)。
上記形態2又は3の制御プログラムにおいて、
前記予め定められた間隔は、一定の(時間)間隔であることが好ましい(形態4)。
上記形態1の制御プログラムにおいて、
前記制御プログラムは、更に、
前記情報端末の位置情報に予め定められた変化が生じたとき、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記変化が生じたときにおける前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する処理
をコンピュータに実行させることを含むこと、
前記所定のタイミングは、前記変化が生じたときであること、
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記変化が生じたときに選択されるスループットであることが好ましい(形態5)。
上記形態6の情報端末において、
前記情報端末は、更に、
前記スループット測定部によるスループットの測定時における前記情報端末の位置情報及び時間情報を取得する位置時間情報取得部、及び、
測定されたスループット、当該スループットの測定時に取得された位置情報及び時間情報を対応付けて記憶する学習用メモリ
を含むことが好ましい(形態7)。
【0010】
なお、上記のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジエントな)記憶媒体に記録することができる。即ち、本開示は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示ないしその各視点は、とりわけ、無線装置の電力消費の削減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の第1実施形態に応じた情報端末の一例。
【
図2】本開示の第1実施形態に応じた選択テーブルのデータ構造の一例。
【
図3】本開示の第1実施形態に応じた情報端末の動作の一例のフローチャート。
【
図4】本開示の第2実施形態に応じた情報端末の一例。
【
図5】本開示の第2実施形態に応じた学習用テーブルのデータ構造の一例。
【
図6】本開示の第2実施形態に応じた情報端末の動作の一例のフローチャート。
【
図7】本開示の第3実施形態に応じた情報端末の動作の一例のフローチャート。
【
図8】本開示の一実施形態に応じた無線装置の一例。
【
図9】本開示の一実施形態に応じた通信制御システムの一例。
【
図10】ハードウェア資源の構成の一例を模式的に示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、専ら本開示の理解を助けるためのものであり、本開示を図示の態様に限定することは意図していない。また、各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印は、信号、情報、データ等の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。更に、各図におけるブロック間の接続は有線又は無線方式の何れでも可能である。更に、プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0014】
更に、本開示において、「情報端末」は、とりわけスマートフォンであるが、これに限定されない。例えば、PC(personal computer)、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)等のような、有線、無線を問わず、インターネットを介して相互に接続されて情報通信可能な任意の端末が「情報端末」に含まれ得る。
【0015】
更に、本開示において、「無線装置」は、とりわけモバイルルータであるが、これに限定されず、切替可能な複数のWAN側接続モードを有するWAN側通信部とLAN側通信部を有し、少なくともWAN側が無線方式で通信する任意の装置が「無線装置」に含まれ得る。従って、「無線装置」のLAN側における通信即ち「情報端末」との接続は無線方式に限られず、有線方式も可能である。また、LAN側に接続される「情報端末」は1台に限られず、複数台の「情報端末」も接続可能であり、更に、LAN側における無線方式及び有線方式の接続も夫々一種類に限らない。なお、WAN側接続モードに対応可能な通信方式としては、例えば5G、4G、3G等がある。
【0016】
更に、本開示において、「接続」は、無線方式及び有線方式の何れも含み得る。
【0017】
更に、以下の説明及び図面において、同一の又は共通の機能を有する要素には同一の図面参照符号が付記されている。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に応じた情報端末10の一例を示す。情報端末10は、スループット測定部11、記憶部12、無線装置制御部13、通信部14及び制御部15を含む。
【0019】
なお、情報端末10の制御は情報端末10ないし無線装置制御部13にインストールされた無線装置制御アプリケーションによって実現され、無線装置制御アプリケーションは情報端末10における各処理をコンピュータに実行させるプログラムで構成されている。なお、以下の説明及び図面においては、「無線装置制御アプリケーション」は「無線装置制御アプリ」と略称する。
【0020】
スループット測定部11は、無線装置制御部13からの指令に応じて、情報端末10が接続された無線装置30(
図8参照)を介したスループットを測定するよう構成されている。
【0021】
記憶部12は、無線装置制御アプリを介して予め設定される、複数のWAN側接続モードと複数のスループット範囲を対応付けて、とりわけ「選択テーブル」(
図2参照)の形で、記憶している。なお、スループット範囲は、無線装置制御アプリを介して、変更可能である。
【0022】
無線装置制御部13は、所定のタイミングで、情報端末10が接続された無線装置30を介したスループットを特定するよう構成されている。なお、本実施形態において、所定のタイミングとは、とりわけ情報端末のユーザによって、無線装置制御アプリを介して、予め定められた間隔の各時点、即ち予め定められた一定の又は任意の間隔の各時点である。また、本実施形態において、この所定のタイミングで特定されるスループットとは、無線装置制御部13からの指令によって、上記の各時点においてスループット測定部11によって測定されるスループットである。
【0023】
無線装置制御部13は、更に、記憶部12に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループット即ちスループット測定部11によって測定されたスループットを含むスループット範囲を選択するよう構成されている。
【0024】
無線装置制御部13は、更に、記憶部12に記憶された複数のスループット範囲に対応付けて記憶部12に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択するよう構成されている。
【0025】
無線装置制御部13は、更に、無線装置30のWAN側接続モードを、選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を、通信部14を介して、無線装置30へ送信するよう構成されている。
【0026】
通信部14は、無線装置30のLAN側に接続され、無線装置30と通信するよう構成されている。
【0027】
制御部15は、上記の各部の動作を制御するよう構成されている。
【0028】
図2は、記憶部12に記憶される選択テーブルのデータ構造の一例を示す。選択テーブルにおいては、複数のスループット範囲と複数のWAN側接続モードが対応付けられている。複数のスループット範囲と複数のWAN側接続モードを含む選択テーブルは、本開示による制御の前に、予め記憶部12に記憶されている。
【0029】
図3は、本開示の第1実施形態に応じた情報端末10の動作の一例のフローチャートを示す。なお、以下において、「ステップ」は「S」で表す。
【0030】
まず、所定の時点において、無線装置制御部13ないし無線装置制御アプリからの指令に応じて、情報端末10が接続された無線装置30を介したスループットが測定される(S11)。
【0031】
次に、選択テーブルに記録された複数のスループット範囲の中から、S11において測定したスループットが含まれるスループット範囲が選択される(S12)。
【0032】
次に、S12において選択したスループット範囲に対応するWAN側接続モードが選択テーブルから選択される(S13)。
【0033】
最後に、無線装置30のWAN側接続モードをS13において選択されたWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を無線装置30へ送信する(S14)。なお、この切替指令信号を受信した無線装置30の装置制御部31(
図8参照)は、無線装置30の実際のWAN側接続モードがこの選択されたWAN側接続モードと異なる場合、無線装置30のWAN側接続モードをこの選択されたWAN側接続モードへと切替える。
【0034】
このようにして、ネットワークの混雑等により実際のスループットが小さいにも拘らず、消費電力が大きい高速なWAN側接続モードで無線装置が動作することを回避することができるため、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0035】
(第2実施形態)
図4は、本開示の第2実施形態に応じた情報端末の一例を示す。
【0036】
本実施形態に応じた情報端末20は、第1実施形態に応じた情報端末20の構成要素に加えて、位置時間情報取得部26及び学習用メモリ27を含む。
【0037】
位置時間情報取得部26は、情報端末20の位置情報及び時間情報を取得するよう構成されている。なお、情報端末20の位置情報及び時間情報は、典型的には、情報端末20のGPS機能によって取得されるが(この場合、位置時間情報取得部26はGPS機能部として構成可能である)、これに限定されない。例えば、位置時間情報取得部26は、公衆無線LANの無線LANスポットを介して情報端末20の位置情報及び時間情報を取得することも可能である。
【0038】
学習用メモリ27は、スループット測定部21によって測定されたスループット、このスループットの測定時に位置時間情報取得部26によって取得された位置情報及び時間情報を対応付けて、とりわけ「学習用テーブル」(
図5参照)の形で、記憶している。
【0039】
無線装置制御部23は、所定のタイミングで、情報端末20が接続された無線装置30を介したスループットを特定するよう構成されている。なお、本実施形態において、所定のタイミングとは、第1実施形態の場合と同様に、とりわけ情報端末のユーザによって、無線装置制御アプリを介して、予め定められた間隔の各時点、即ち予め定められた一定の又は任意の間隔の各時点である。他方、本実施形態における所定のタイミングで特定されるスループットとは、無線装置制御部23からの指令によって、上記の各時点において学習用メモリ27から選択されるスループットである。
【0040】
無線装置制御部23は、更に、学習用メモリ27において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、上記各時点における情報端末20の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、学習用メモリ27において当該複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、当該選択された組に対応するスループットを選択するよう構成されている。なお、この学習用メモリ27に記憶された複数のスループットから選択されるスループットが、本実施形態における所定のタイミングで特定されるスループットである。
【0041】
無線装置制御部23は、更に、第1実施形態の場合と同様に、記憶部22に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループット即ち学習用メモリ27から選択されたスループットを含むスループット範囲を選択するよう構成されている。
【0042】
無線装置制御部23は、更に、第1実施形態の場合と同様に、記憶部22に記憶された複数のスループット範囲に対応付けて記憶部22に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択するよう構成されている。
【0043】
無線装置制御部23は、更に、第1実施形態の場合と同様に、無線装置30のWAN側接続モードを、選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を、通信部24を介して、無線装置30へ送信するよう構成されている。
【0044】
スループット測定部21、記憶部22及び通信部24は、夫々、第1実施形態のスループット測定部11、記憶部12及び通信部14と同様に構成されている。また、制御部25は、第1実施形態の場合と同様に、情報端末20の各部の動作を制御するよう構成されている。
【0045】
図5は、学習用メモリ27に記憶された学習用テーブルのデータ構造の一例を示す。学習用テーブルにおいては、測定したスループット(の結果)と、このスループットの測定時点における情報端末20の位置情報及び時間情報が対応付けられて記録されている。なお、図示の学習用テーブルの時間情報のフィールドには、スループットの測定を行った「曜日」と「時刻」が記録されているが、これに限定されない。例えば、時間情報のフィールドは、時刻のみを含むことや、時刻に加えて、曜日、日、月等や朝、午前、昼、午後、夜、深夜等の特定の時間帯(及びこれらの適切な任意の組み合わせ)のような時間に関連する任意の情報を含み得る。また、上記位置情報のフィールドに記録される情報端末20の位置情報は、例えば、緯度、経度及び高度等のxyz座標等で記述される。
【0046】
なお、各時点における情報端末20の(実際の)位置(情報)は学習用メモリ27ないし学習用テーブルに予め記録された位置(情報)と完全に一致しないこともある。従って、各時点における情報端末20の(実際の)位置(情報)が学習用メモリ27ないし学習用テーブルに予め記録された位置(情報)を含む所定の範囲内に含まれる場合、各時点における情報端末20の(実際の)位置(情報)は学習用メモリ27ないし学習用テーブルに予め記録された位置(情報)に対応すると判断することも可能である。
【0047】
図6は、本開示の第2実施形態に応じた情報端末20の動作の一例のフローチャートを示す。
【0048】
まず、所定の時点において、無線装置制御部23ないし無線装置制御アプリからの指令に応じて、位置時間情報取得部26によって情報端末20の位置情報及び時間情報が取得される(S21)。
【0049】
次に、学習用テーブルに記録された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、S21において取得した位置情報及び時間情報に対応する組が選択される(S22)。
【0050】
次に、学習用テーブルにおいて複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、S22において選択された組に対応するスループットが選択される(S23)。
【0051】
次に、選択テーブルに記録された複数のスループット範囲の中から、S23において選択したスループットが含まれるスループット範囲が選択される(S24)。
【0052】
次に、S24において選択したスループット範囲に対応するWAN側接続モードが選択テーブルから選択される(S25)。
【0053】
最後に、無線装置30のWAN側接続モードをS25において選択されたWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を無線装置30へ送信する(S26)。なお、この切替指令信号を受信した無線装置30の装置制御部31(
図8参照)は、無線装置30の実際のWAN側接続モードがこの選択されたWAN側接続モードと異なる場合、無線装置30のWAN側接続モードをこの選択されたWAN側接続モードへと切替える。
【0054】
このようにして、位置情報、時間情報及びスループットを学習しておくことにより、以降、同じ位置及び時間において無線装置を使用する場合、以前に学習したスループットを使用することにより、再度、スループットを測定する必要がなくなるため、スループット測定に要する時間や電力消費を更に抑制することができる。なお、この学習の機能は無線装置制御アプリによって実現することも可能であるが、情報端末に記憶された専用のアプリケーションによって実現することも可能である。
【0055】
(第3実施形態)
本開示の第3実施形態に応じた情報端末の構成は、本開示の第2実施形態に応じた情報端末の構成と実質的に同様である。
【0056】
無線装置制御部23は、第2実施形態と同様に、所定のタイミングで、情報端末20が接続された無線装置30を介したスループットを特定するよう構成されている。但し、本実施形態において、所定のタイミングとは、第2実施形態とは異なり、位置時間情報取得部26によって取得される情報端末20の位置情報に予め定められた変化が生じたとき(即ち情報端末20が予め定められた距離以上移動したとき)である。また、本実施形態における所定のタイミングで特定されるスループットとは、この変化が生じたときに学習用メモリ27から選択されるスループットである。
【0057】
従って、無線装置制御部23は、更に、学習用メモリ27において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、上記変化が生じたときにおける情報端末20の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、学習用メモリ27において当該複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、当該選択された組に対応するスループットを選択するよう;記憶部22に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループット即ち学習用メモリ27から選択されたスループットを含むスループット範囲を選択するよう;記憶部22に記憶された複数のスループット範囲に対応付けて記憶部22に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択するよう;及び、無線装置30のWAN側接続モードを、選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を、通信部24を介して、無線装置30へ送信するよう構成されている。
【0058】
図7は、本開示の第3実施形態に応じた情報端末20の動作の一例のフローチャートを示す。
【0059】
まず、情報端末20の位置情報に予め定められた変化が生じたときに、位置時間情報取得部26によってその時点における情報端末20の位置情報及び時間情報が取得される(S31)。
【0060】
次に、学習用テーブルに記録された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、S31において取得した位置情報及び時間情報に対応する組が選択される(S32)。
【0061】
次に、学習用テーブルにおいて複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、S32において選択された組に対応するスループットが選択される(S33)。
【0062】
次に、選択テーブルに記録された複数のスループット範囲の中から、S33において選択したスループットが含まれるスループット範囲が選択される(S34)。
【0063】
次に、S34において選択したスループット範囲に対応するWAN側接続モードが選択テーブルから選択される(S35)。
【0064】
最後に、無線装置30のWAN側接続モードをS35において選択されたWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を無線装置30へ送信する(S36)。なお、この切替指令信号を受信した無線装置30の装置制御部31(
図8参照)は、無線装置30の実際のWAN側接続モードがこの選択されたWAN側接続モードと異なる場合、無線装置30のWAN側接続モードをこの選択されたWAN側接続モードへと切替える。
【0065】
このようにして、所定の時間ごとにではなく、情報端末の位置情報に所定の変化が生じたときに、無線装置のWAN側接続モードを見直すことにより、ユーザの使用環境(移動が多い/少ない、通信する時間帯等)に合わせてより細かくWAN側接続モードを制御することが可能になり、その結果として、無線装置の無駄な電力消費をさらに抑制することができる。この第3実施形態は位置とスループットの関係が深いRF(Radio Frequency)方式により適切である。
【0066】
図8は、本開示の一実施形態に応じた切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置30の一例を示す。
【0067】
無線装置30は、装置制御部31、無線LAN通信部32及び無線WAN通信部33を含む。
【0068】
装置制御部31は、無線装置30の無線LAN通信部32に接続された情報端末10、20からのWAN側接続モード切替指令信号を受信し、WAN側接続モードを複数のWAN側接続モードからWAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替える装置制御部を含む。
【0069】
無線LAN通信部32は、情報端末10、20の通信部14、24と通信を行う無線装置30のLAN側の通信部である。なお、図示の例では、無線装置30のLAN側の通信部は、情報端末10、20の通信部14、24と、無線方式で、通信を行うよう構成されているが、部分的に又は全部的に有線方式で通信を行うようにも構成可能である。
【0070】
無線WAN通信部33は、インターネット50(
図9参照)に接続された無線WAN側基地局(
図9参照)と無線方式で通信を行う無線装置30のWAN側の通信部である。
【0071】
図9は、本開示の一実施形態に応じた通信制御システムの一例を示す。
【0072】
本開示に係る通信制御システムは、本開示に係る情報端末10、20と本開示に係る無線装置30を含む。なお、
図9において、情報端末10、20及び無線装置30の構成要素の図面参照符号の記載は省略した。また、従来の通信制御システム(
図11参照)との対比のために、情報端末10、20においては、従来の情報端末10’(
図11参照)には含まれない構成要素である記憶部、無線装置制御部及び学習用メモリのうち共通に有する記憶部及び無線装置制御部と、通信部のみが示されている。他方、
図11に示した従来の通信制御システムにおいては、無線装置30’は、本開示の情報端末10、20と連携して動作する無線装置30の装置制御部31に相当する構成要素を含んでいないことに留意すべきである。
【0073】
なお、上記実施形態に係る制御部は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、
図10に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源200は、内部バス204により相互に接続される、プロセッサ201、メモリ202、ネットワークインタフェイス203等を備える。
【0074】
但し、
図10に示す構成は、ハードウェア資源200のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源200は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。プロセッサ201には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0075】
また、メモリ202には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0076】
更に、ネットワークインタフェイス203には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0077】
更に、ハードウェア資源200の機能は、処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ202に格納されたプログラムをプロセッサ201が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0078】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]切替可能な複数のWAN(Wide Area Network)側接続モードを有する無線装置のLAN(Local Area Network)側に接続可能な情報端末の制御プログラム。
該制御プログラムは、
所定のタイミングで、前記情報端末が接続された前記無線装置を介したスループットを特定する処理、
前記情報端末に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループットを含むスループット範囲を選択する処理、
前記複数のスループット範囲に対応付けて前記情報端末に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択する処理、
前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する処理
をコンピュータに実行させる。
[付記2]上記の制御プログラムにおいて、
前記所定のタイミングは予め定められた間隔の各時点である;
前記所定のタイミングで特定されるスループットは前記各時点で測定されるスループットである。
[付記3]上記の制御プログラムは、更に、
予め定められた間隔の各時点において、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記各時点における前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する処理
をコンピュータに実行させることを含む;
前記所定のタイミングは、前記各時点である;
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記各時点において選択されるスループットである。
[付記4]上記の制御プログラムにおいて、
前記予め定められた間隔は、一定の間隔である。
[付記5]上記の制御プログラムは、更に、
前記情報端末の位置情報に予め定められた変化が生じたとき、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記変化が生じたときにおける前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する処理
をコンピュータに実行させることを含む;
前記所定のタイミングは、前記変化が生じたときである;
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記変化が生じたときに選択されるスループットである。
[付記6]切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置のLAN側に接続可能な情報端末。
該情報端末は、
前記情報端末が接続された無線装置を介したスループットを測定するスループット測定部、
前記複数のWAN側接続モードと複数のスループット範囲を対応付けて記憶する記憶部、及び、
所定のタイミングでスループットを特定し、前記記憶部に記憶された複数のスループット範囲から特定されたスループットを含むスループット範囲を選択し、前記記憶部に記憶された複数のWAN側接続モードから選択したスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択し、前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する無線装置制御部
を含む。
[付記7]上記の情報端末は、更に、
前記スループット測定部によるスループットの測定時における前記情報端末の位置情報及び時間情報を取得する位置時間情報取得部、及び、
測定されたスループット、当該スループットの測定時に取得された位置情報及び時間情報を対応付けて記憶する学習用メモリ
を含む。
[付記8]切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置。
該無線装置は、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信し、WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから当該WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替える装置制御部を含む。
[付記9]切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置の制御方法。
該制御方法は、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信すること、
WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから前記WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替えること
を含む。
[付記10]
上記の情報端末と上記の無線装置を含む通信制御システム。
[付記11]切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置のLAN側に接続可能な情報端末の制御方法。
該制御方法は、
所定のタイミングで、前記情報端末が接続された前記無線装置を介したスループットを特定する工程、
前記情報端末に記憶された複数のスループット範囲から、特定されたスループットを含むスループット範囲を選択する工程、
前記複数のスループット範囲に対応付けて前記情報端末に記憶された複数のWAN側接続モードから、選択されたスループット範囲に対応するWAN側接続モードを選択する工程、
前記無線装置のWAN側接続モードを選択したWAN側接続モードへ切替えることを指令する切替指令信号を前記無線装置へ送信する工程
を含む。
[付記12]上記の制御方法において、
前記所定のタイミングは予め定められた間隔の各時点である;
前記所定のタイミングで特定されるスループットは前記各時点で測定されるスループットである。
[付記13]上記の制御方法は、更に、
予め定められた間隔の各時点において、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記各時点における前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する工程を含む;
前記所定のタイミングは、前記各時点である;
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記各時点において選択されるスループットである。
[付記14]上記の制御方法において、
前記予め定められた間隔は、一定の間隔である。
[付記15]上記の制御方法は、更に、
前記情報端末の位置情報に予め定められた変化が生じたとき、前記情報端末において対応付けて記憶された複数の位置情報及び複数の時間情報からなる複数の組から、前記変化が生じたときにおける前記情報端末の位置情報及び時間情報に対応する組を選択し、
前記情報端末において前記複数の組に対応付けて記憶された複数のスループットから、選択された組に対応するスループットを選択する工程を含む;
前記所定のタイミングは、前記変化が生じたときである;
前記所定のタイミングで特定されるスループットは、前記変化が生じたときに選択されるスループットである。
[付記16]切替可能な複数のWAN側接続モードを有する無線装置の制御プログラム。
該制御プログラムは、
前記無線装置のLAN側に接続された情報端末からのWAN側接続モード切替指令信号を受信する処理、
WAN側接続モードを前記複数のWAN側接続モードから前記WAN側接続モード切替指令信号によって指定されたWAN側接続モードへ切替える処理
をコンピュータに実行させる。
【0079】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0080】
10、20 情報端末
11、21 スループット測定部
12、22 記憶部
13、23 無線装置制御部(無線装置制御アプリケーション)
14、24 通信部
15、25 制御部
26 位置時間情報取得部
27 学習用メモリ
30 無線装置
31 装置制御部
32 無線LAN通信部
33 無線WAN通信部
40 無線WAN基地局
50 インターネット
10’ 従来の情報端末
30’ 従来の無線装置
200 ハードウェア資源
201 プロセッサ
202 メモリ
203 ネットワークインタフェイス
204 内部バス