(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127455
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】ランドリー機器
(51)【国際特許分類】
D06F 33/74 20200101AFI20230906BHJP
D06F 37/42 20060101ALI20230906BHJP
D06F 33/47 20200101ALI20230906BHJP
D06F 103/40 20200101ALN20230906BHJP
【FI】
D06F33/74
D06F37/42 A
D06F33/47
D06F103:40
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031259
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 利隆
(72)【発明者】
【氏名】佐野 巧馬
(72)【発明者】
【氏名】中島 英新
【テーマコード(参考)】
3B165
3B167
【Fターム(参考)】
3B165AA02
3B165AC21
3B165AE02
3B165AE04
3B165AE05
3B165BA40
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3B165BA91
3B165CA01
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3B165JM01
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3B167AA02
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3B167AE02
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3B167BA40
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3B167BA76
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3B167HA11
3B167HA21
3B167HA34
3B167HA56
3B167KA18
3B167KA32
3B167KA83
3B167KA84
3B167LA23
3B167LA38
3B167LC02
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC20
3B167LC25
3B167LG11
3B167MA01
3B167MA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロック装置の規制部の破損を検知する
【解決手段】ランドリー機器は、ドラムへの投入口を閉塞可能な開閉部と、開閉部を施錠するロック装置と、制御装置とを備え、ロック装置は、係止位置に移動されることにより開閉部が閉状態を維持するように開閉部を係止する係止部と、係止部が係止位置にあることを検知する係止センサと、ロック装置において可動に設けられ、規制位置に移動されることにより係止位置にある係止部の移動を規制する規制部と、規制部を規制位置に移動させるように駆動する規制駆動部と、規制部が規制位置にあることを検知する規制センサとを備え、制御装置は、係止部が係止位置にあるか否かを判定する係止判定部302と、規制部が規制位置にあるか否かを判定する規制判定部304と、係止部が係止位置にないと判定され、且つ、規制部が規制位置にあると判定された場合、ロック装置が異常であると判定する状態判定部305とを備えた。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも洗浄または乾燥がなされる対象物を収容可能なドラムと、該ドラムへの投入口を閉塞可能な開閉部と、該開閉部が前記投入口を閉塞する閉状態で該開閉部を施錠するロック装置と、制御装置とを備えるランドリー機器であって、
前記ロック装置は、
前記ロック装置において前記ランドリー機器のユーザにより可動に設けられ、係止位置に移動されることにより前記開閉部が閉状態を維持するように前記開閉部を係止する係止部と、
前記係止部が前記係止位置にあることを検知する係止センサと、
前記ロック装置において可動に設けられ、規制位置に移動されることにより前記係止位置にある係止部の移動を規制する規制部と、
前記規制部を規制位置に移動させるように駆動する規制駆動部と、
前記規制部が前記規制位置にあることを検知する規制センサとを備え、
前記制御装置は、
前記係止センサによる検知結果に基づき、前記係止部が前記係止位置にあるか否かを判定する係止判定部と、
前記規制センサによる検知結果に基づき、前記規制部が前記規制位置にあるか否かを判定する規制判定部と、
前記係止判定部により前記係止部が前記係止位置にないと判定され、且つ、前記規制判定部により前記規制部が前記規制位置にあると判定された場合、前記ロック装置が異常であると判定する状態判定部とを備えるランドリー機器。
【請求項2】
前記制御装置は、前記規制駆動部を作動させる規制制御部とを更に備え、
前記状態判定部は、前記ランドリー機器の運転が停止された後に前記係止判定部により前記係止部が前記係止位置にないと判定された場合、前記規制制御部に前記規制駆動部を作動させた状態において、前記規制判定部により前記規制部が前記規制位置にあると判定された場合、前記ロック装置が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載のランドリー機器。
【請求項3】
前記制御装置は、前記状態判定部により前記ロック装置が異常であると判定された場合、前記ランドリー機器に異常が生じている旨を報知する報知部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のランドリー機器。
【請求項4】
前記状態判定部は、前記ロック装置の異常として、前記規制部が破損していると判定することを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のランドリー機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、少なくとも洗濯または乾燥を行うランドリー機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ランドリー機器には、洗濯や乾燥がなされる対象物を収容するドラムへの投入口に、扉や蓋として構成され、投入口を閉塞可能な開閉部が設けられるとともに、回転するドラムへの接触を防止するために開閉部を施錠するロック装置が設けられていた。
【0003】
一般的に、ロック装置は、係止部と規制部とを備え、規制部が投入口を閉塞した状態で開閉部を係止し、規制部が開閉部を係止する係止部を不動に規制することによって、開閉部を施錠する。また、ロック装置には、規制部が係止部を規制していることを検知するセンサが設けられており、ランドリー機器の制御装置は、規制部が係止部を規制している場合にのみ、洗濯や乾燥を行う運転制御を行う。
【0004】
このようなロック装置において、例えば、開閉部が施錠された状態で開閉部に過度な力が掛かることによって、規制部において係止部を規制している箇所が破損する。上述のセンサは、規制部が係止部を規制する位置にあることを検知しているため、制御装置は開閉部が施錠されない状態で運転制御を開始することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平03-284296
【特許文献2】特開2003-326087
【特許文献3】特開2007-229515
【特許文献4】特開2014-113187
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明が解決しようとする課題は、ロック装置の規制部の破損を検知することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のランドリー機器は、少なくとも洗浄または乾燥がなされる対象物を収容可能なドラムと、該ドラムへの投入口を閉塞可能な開閉部と、該開閉部が前記投入口を閉塞する閉状態で該開閉部を施錠するロック装置と、制御装置とを備えるランドリー機器であって、前記ロック装置は、前記ロック装置において前記ランドリー機器のユーザにより可動に設けられ、係止位置に移動されることにより前記開閉部が閉状態を維持するように前記開閉部を係止する係止部と、前記係止部が前記係止位置にあることを検知する係止センサと、前記ロック装置において可動に設けられ、規制位置に移動されることにより前記係止位置にある係止部の移動を規制する規制部と、前記規制部を規制位置に移動させるように駆動する規制駆動部と、前記規制部が前記規制位置にあることを検知する規制センサとを備え、前記制御装置は、前記係止センサによる検知結果に基づき、前記係止部が前記係止位置にあるか否かを判定する係止判定部と、前記規制センサによる検知結果に基づき、前記規制部が前記規制位置にあるか否かを判定する規制判定部と、前記係止判定部により前記係止部が前記係止位置にないと判定され、且つ、前記規制判定部により前記規制部が前記規制位置にあると判定された場合、前記ロック装置が異常であると判定する状態判定部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ランドリー機器の概略構成を示す正面図である。
【
図2】ランドリー機器の概略構成を示す斜視図である。
【
図10】ランドリー機器における制御系の構成を示すブロック図である。
【
図11】制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図12】状態判定処理の動作を示すフローチャートである。
【
図14】規制部が破損したロック装置を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の詳細について説明する。なお、以降の説明においては、ランドリー機器において投入口が設けられた側を正面側とする。
【0010】
(ランドリー機器の構成)
本実施形態に係るランドリー機器の構成について説明する。
図1、
図2は、それぞれ、ランドリー機器の概略構成を示す正面図、斜視図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るランドリー機器1は、筐体10と、ドラム12と、開閉扉13と、レバーハンドル14と、操作パネル15と、ロック装置2とを備え、衣類やシーツなどを含む対象物を洗浄、乾燥する洗濯乾燥機である。なお、ランドリー機器1は、対象物の洗浄のみを行う洗濯機、または、対象物の乾燥のみを行う乾燥機として構成されても良い。
【0012】
筐体10は、全体として、内部に収容空間を画成する略直方体状に形成され、筐体10における正面側の面には収容空間と外部とを連通する略円形状の開口である投入口OPが形成される。ドラム12は、一端部が開放された略円筒状に形成され、投入口OPから対象物をドラム12内に出し入れ可能に、筐体10の内部に配置される。
【0013】
開閉扉13は、投入口OPを閉塞可能な略円盤状に形成され、不図示のヒンジ機構を介して、筐体10における投入口OPの右側端部近傍(
図1中右側)に接続される。レバーハンドル14は、開閉扉13の左側端部に取り付けられ、ランドリー機器1のユーザによる開閉扉13の開閉に用いられる。ロック装置2は、筐体10における投入口OPの左側縁部近傍(
図1中左側)に設けられ、後に詳述するように、レバーハンドル14と協働して開閉扉13を施錠する。
【0014】
操作パネル15は、ランドリー機器1の運転に係る操作を行うためのユーザインターフェイスであり、筐体10の正面側の面の上部に設けられる。操作パネル15は、ボタン群151と表示部152とを有する。ボタン群151は、ランドリー機器1に複数設定された運転種別をユーザが選択するための入力装置であり、複数の押ボタンにより構成される。表示部152は、ランドリー機器1の状態をユーザに提示するための出力装置であり、ディスプレイとして構成される。なお、ボタン群151及び表示部152は、例えば、集中精算機のような、複数のランドリー機器1に接続された装置に設けられても良い。
【0015】
(ロック装置の構成)
ロック装置の構成について説明する。
図3、
図4は、それぞれ、レバーハンドルの構成を示す正面図、側面図である。
図5、
図6は、それぞれ、ロック装置の構成を示す正面図、背面図である。
図7、
図8、
図9は、それぞれ、係止部の構成を示す正面図、背面図、側面図である。なお、
図4は、右側(
図3中右側)側面から見たレバーハンドルを示し、
図8は、左側(
図7中左側)側面から見たレバーハンドルを示す。
【0016】
まず、ロック装置2の説明に先立って、レバーハンドル14の構成について説明する。
図3、
図4に示すように、レバーハンドル14は、軸部141と、把持部142と、被係止部143とを有する。軸部141は、一方向に延在する長尺な略円柱状に形成される。把持部142は、軸部141の一端部に設けられ、軸部141の径方向、即ち軸部141の延在方向に直行する方向に延在する。被係止部143は、軸部141の他端部に設けられ、軸部141の延在方向及び把持部142の延在方向に直行する方向に延在する。
【0017】
軸部141は、開閉扉13が投入口OPを閉塞した状態において、その延在方向が前後方向を向くとともに、把持部142が前方側に位置し、被係止部143が後方側に位置するように開閉扉13に挿通される。また、軸部141は、開閉扉13に対して、少なくとも、把持部142の延在方向が右側(
図1中右側)を向く回転位置から把持部142の延在方向が下方を向く回転位置までの角度範囲において回転可能に設けられる。
【0018】
図5及び
図6に示すように、ロック装置2は、筐体20、係止部21、連動部22、係止センサ23、規制部24、伝達部25、規制駆動部26、規制センサ27を備える。筐体20は、全体として背面が開放された略箱状に形成され、ランドリー機器1の筐体10の前面に取り付けられることによって、収容空間を画成する。筐体20の収容空間には、係止部21、連動部22、係止センサ23、規制部24、伝達部25、規制駆動部26、規制センサ27が収容される。
【0019】
筐体20の前面には、軸部141と被係止部143とが挿入可能な貫通孔である挿入孔201が形成される。また、筐体20の収容空間には、係止部21を案内する係止案内部202、連動部22を案内する連動案内部203、規制部24を案内する規制案内部204、伝達部25を支持する伝達支持部205が形成される。
【0020】
係止部21は、
図7~
図9に示すように、正面視で中心角が90°以上180°未満である略扇状に形成される部材である。係止部21には、係止穴211、規制穴212、突出部213が形成される。係止穴211は、係止部21の前面において挿入孔201と略同形状に形成された穴であり、係止部21の扇形状の中心から径外方向端部近傍に亘って後方に凹むように形成される。規制穴212は、係止部21の周面における係止穴211の径外側端部近傍位置において、規制部24を挿入可能に形成された穴であり、係止部21内において係止穴211と連通する。突出部213は、係止部21の正面に設けられ、前方に突出するように形成される。
【0021】
係止部21は、扇形状としての中心点周りに回転可能に係止案内部202により案内される。また、係止案内部202は、係止部21の回転角度を、規制穴212が左側(
図5中左側)を向く回転位置である非係止位置から規制穴212が下方を向く回転位置である係止位置までの角度範囲に規制する。なお、
図5、
図6においては、係止位置にある係止部21が示される。
【0022】
レバーハンドル14の被係止部143は、係止部21が非係止位置に位置づけられ、筐体20の挿入孔201と係止部21の係止穴211とが重なる状態において、係止穴211内に挿入される。レバーハンドル14が係止穴211内に挿入された状態においてレバーハンドル14が正面視で時計回りに回転されると、係止部21が被係止部143によって時計回りに回転される。この際、被係止部143は、筐体20によって前方に移動不能に係止される。このように、レバーハンドル14を介して、開閉扉13が閉状態に維持される。
【0023】
連動部22は、全体として、略環状に形成された部材であり、連動案内部203によって、所定距離だけ直線運動するように案内される。係止センサ23は、押しボタンスイッチとして構成され、連動部22を介して、係止部21が係止位置にあることを検知する。連動部22は、その内周側面に係止部21の突出部213が係合するように筐体20に設けられており、これによって、係止部21が係止位置にある場合に係止センサ23におけるボタンを押下するように直線移動される。
【0024】
規制部24は、全体として、一方向に延在する略棒状の長尺部材であり、係止部21の左側(
図6中右側)において、その長手方向が左右方向を向くように設けられ、規制案内部204により左右方向に移動可能に案内される。規制部24には、被係合部241と2つの突出部242とが形成される。被係合部241は、後に詳述する伝達部25の一端が係合可能に形成される。2つの突出部242は、いずれも被係合部241の左側(
図6中右側)に設けられ、それぞれ、上方、下方に突出するように形成される。
【0025】
規制駆動部26は、リニアソレノイドとして構成され、棒状に形成された可動鉄心が左右方向を向くように筐体20に設けられる。可動鉄心の左側(
図6中右側)端部には、伝達部25の他端が係合可能に形成された被係合部261が取り付けられる。伝達部25は、長尺の略板状に形成された部材であり、長手方向が上下方向を向くように筐体20に設けられる。伝達部25の上端部は規制部24の被係合部241に係合し、下端部は規制駆動部26の被係合部261に係合する。伝達支持部205は、上下方向において被係合部241と被係合部261との間に位置するように設けられ、左右方向から挟み込むように伝達部25を支持する。
【0026】
被係合部261を左側(
図6中右側)に移動させるように規制駆動部26が作動されると、伝達部25の下端部が左側へ移動し、伝達支持部205を支点として上端部が右側に移動される。これによって、規制部24が右側へ移動するように規制駆動部26により駆動される。係止部21が係止位置にある場合に規制駆動部26が駆動されると、規制部24の右側端部が係止部21の規制穴212に挿入される。これによって、係止部21の回転が規制部24により規制され、開閉扉13がロック装置2によって施錠される。
【0027】
(制御系の構成)
ランドリー機器の制御系の構成について説明する。
図10は、ランドリー機器における制御系の構成を示すブロック図である。
【0028】
図10に示すように、ランドリー機器1は、更に、制御装置30、温度センサ41、水位センサ42、駆動モータ51、給水弁52、排水弁53、ファン54、加熱ユニット55を備える。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33を有し、CPU31、ROM32、RAM33が協働することによって、後述する各種機能が実現される。制御装置30は、温度センサ41、水位センサ42、係止センサ23、規制センサ27による検知結果を取得し、駆動モータ51、給水弁52、排水弁53、ファン54、加熱ユニット55を制御する。また、制御装置30は、操作パネル15への操作により、ランドリー機器1の運転に係る指示を取得するとともに、ランドリー機器1の運転に係る情報をユーザに提示する。
【0029】
温度センサ41は、ランドリー機器1内の温度を検知する。水位センサ42は、ドラム12内の水位を検知する。駆動モータ51は、ドラム12を回転させる。給水弁52は、ドラム12に給水するための給水路を開閉する。排水弁53は、ドラム12から排水するための排水路を開閉する。ファン54は、ドラム12内に空気を流入させる。加熱ユニット55は、ファン54によりドラム12内に流入される空気を加熱する。
【0030】
制御装置30は、水位センサ42に検知された水位が設定水位となるように給水弁52を開放し、給水されたドラム12を駆動モータ51により回転させることにより対象物を洗浄し、洗浄後の汚水がドラム12から排出されるように排水弁53を開放する洗濯運転制御を行う。また、制御装置30は、温度センサ41による検知温度が設定温度となるようにファン54及び加熱ユニット55を制御するとともに駆動モータ51によりドラム12を回転させる乾燥運転制御を行う。なお、以降の説明においては、洗濯運転制御と乾燥運転制御を区別せず、これらを運転制御と総称する。更に、制御装置30は、後に詳述するように、運転制御に際して、係止センサ23による検知結果に基づいて規制駆動部26を作動させ、開閉扉13を施錠する。
【0031】
(機能構成)
制御装置の機能構成について説明する。
図11は、制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
図11に示すように、制御装置30は、機能として、指示取得部301、係止判定部302、規制制御部303、規制判定部304、状態判定部305、運転制御部306、報知部307を備える。指示取得部301は、操作パネル15を介して、ランドリー機器1の運転制御に係る指示を取得する。係止判定部302は、ロック装置2が係止状態にあるか否かを判定する。規制制御部303は、規制駆動部26を作動させる。規制判定部304は、ロック装置2が規制状態にあるか否かを判定する。状態判定部305は、係止判定部302及び規制判定部304による判定結果に基づいて、ロック装置2が正常であるか否かを判定する。運転制御部306は、指示取得部301により取得された指示に基づくランドリー機器1の運転制御を行う。報知部307は、操作パネル15を介して、ロック装置2の状態に係る報知を行う。
【0033】
(状態判定処理)
ロック装置の状態を判定する状態判定処理について説明する。
図12は、状態判定処理の動作を示すフローチャートである。
図13、
図14は、それぞれ、正常なロック装置、規制部が破損したロック装置を示す背面図である。なお、
図12において、ランドリー機器は運転制御されている状態にあるものとする。
【0034】
図12に示すように、まず、状態判定部305は、運転制御部306によるランドリー機器1の運転制御が停止されたか否かを判定する(S101)。ここで、運転制御の停止は、ユーザ操作による運転制御の一時停止、運転制御の終了を含むものとする。
【0035】
運転制御が停止された場合(S101,YES)、係止判定部302は、ロック装置2が係止状態であるか否か、即ち、係止部21が係止位置にあるか否かを判定する(S102)。
【0036】
ロック装置2が係止状態ではない場合(S102,NO)、状態判定部305は、規制制御部303に規制駆動部26を作動させ(S103)、規制判定部304は、ロック装置2が規制状態であるか否か、即ち、規制部24が規制位置にあるか否かを判定する(S104)。なお、ユーザによるレバーハンドル14の回転速度や、係止センサ23と規制穴212との位置関係によっては、係止部21が係止位置にない状態、即ち係止センサ23が押下されない状態から、規制穴212に規制部24が挿入可能な状態となるまでに時間的な遅れが生じる可能性がある。よって、ステップS104の判定は、係止判定部302による判定から所定時間後、例えば数秒経過後になされても良い。
【0037】
ロック装置2が規制状態である場合(S104,YES)、より具体的には、
図13に示すように、規制部24の移動が係止部21に阻害される場合、状態判定部305は、ロック装置2が正常であると判定する(S105)。
【0038】
一方、ロック装置2が規制状態ではない場合(S104,NO)、より具体的には、
図14に示すように、規制部24の移動が係止部21に阻害されない場合、状態判定部305は、ロック装置2の異常として、規制部24の破損を判定し(S106)、報知部307が操作パネル15を介してロック装置2の異常をユーザに報知する(S107)。ここで、報知部307は、操作パネル15の表示部152に、少なくとも異常が発生した旨を表示させるとともに、更には異常の種別を表示させる。なお、ロック装置2の異常の報知は、スピーカーによる音声出力、ランプの点灯/点滅などを含む他の報知手段よりなされても良い。また、ランドリー機器1がネットワークに接続されている場合、報知部307は、ネットワークを介して、ランドリー機器1の管理者に報知を行っても良い。なお、規制部24の移動が係止部21に阻害されない状態は、係止部21の破損や、係止センサ23の誤検知、規制センサ27の誤検知に起因する可能性もある。よって、状態判定部305は、ステップS106において、ロック装置2の異常として、係止部21の破損や、係止センサ23の誤検知または故障、規制センサ27の誤検知または故障が生じたものと判定しても良い。
【0039】
また、ステップS102において、ロック装置2が係止状態である場合(S102,YES)、係止判定部302は、再度、ロック装置2が係止状態であるか否かを判定する(S102)。
【0040】
また、ステップS101において、運転制御が停止されない場合(S101,NO)、状態判定部305は、再度、運転制御部306によるランドリー機器1の運転制御が停止されたか否かを判定する(S101)。
【0041】
以上に説明したように、本実施形態に制御装置30によれば、運転制御が停止され、ユーザが開閉扉13を開けるようにレバーハンドル14を操作した後に規制駆動部26を作動させることによって、ロック装置2が正常であれば規制部24が移動しない状態となる。これによって、制御装置30は、係止部21が係止位置になく、規制部24が規制位置にある場合に、規制部24の破損を検出することが可能となる。
【0042】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 ランドリー機器
2 ロック装置
21 係止部
23 係止センサ
24 規制部
27 規制センサ
30 制御装置
302 係止判定部
304 規制判定部
305 状態判定部