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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127479
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】回転電機、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20230906BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
H02K5/22
H01R13/52 301H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031298
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】ニデックモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】服部 隆志
(72)【発明者】
【氏名】荒尾 慶宣
(72)【発明者】
【氏名】関 健太
(72)【発明者】
【氏名】小野 有矢
(72)【発明者】
【氏名】砥川 真一
(72)【発明者】
【氏名】安田 武史
【テーマコード(参考)】
5E087
5H605
【Fターム(参考)】
5E087EE11
5E087FF02
5E087GG02
5E087LL04
5E087LL14
5E087MM02
5E087MM08
5E087MM13
5E087QQ04
5E087RR06
5E087RR12
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB17
5H605CC02
5H605CC06
5H605EA09
5H605EC05
5H605EC08
5H605EC18
5H605GG01
5H605GG06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コネクタ端子と基板との接続に不具合が生じることを抑制できる構造を有する回転電機、および電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の回転電機の一つの態様は、回転電機本体部と、基板と、貫通孔24aを有し、回転電機本体部および基板を内部に収容するハウジング20と、貫通孔24aに通され、ハウジング20の内部からハウジング20の外部に所定方向に突出するコネクタ41と、コネクタ41を囲み、貫通孔24aを封止する第1シール部51aと、コネクタ41に接触する弾性部材60aと、を備える。コネクタ41は、基板に電気的に接続されたコネクタ端子と、コネクタ端子を保持する端子保持部43と、を有する。端子保持部43は、弾性部材60aを介してハウジング20と接触している。弾性部材60aは、第1シール部51aと異なる位置に設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機本体部と、
基板と、
貫通孔を有し、前記回転電機本体部および前記基板を内部に収容するハウジングと、
前記貫通孔に通され、前記ハウジングの内部から前記ハウジングの外部に所定方向に突出するコネクタと、
前記コネクタを囲み、前記貫通孔を封止する第1シール部と、
前記コネクタに接触する弾性部材と、
を備え、
前記コネクタは、
前記基板に電気的に接続されたコネクタ端子と、
前記コネクタ端子を保持する端子保持部と、
を有し、
前記端子保持部は、前記弾性部材を介して前記ハウジングと接触し、
前記弾性部材は、前記第1シール部と異なる位置に設けられている、回転電機。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記所定方向と直交する方向において、前記コネクタのうち前記ハウジングの外部に突出した部分から前記第1シール部よりも離れた位置に配置されている、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記弾性部材は、第1の接着剤を含む、請求項1または2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記第1シール部は、第2の接着剤を含み、
前記第1の接着剤と前記第2の接着剤とは、互いに同じ成分を含む接着剤である、請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記ハウジングは、
開口部を有し、前記回転電機本体部を収容するケース部材と、
前記貫通孔を有し、前記開口部を塞ぐ蓋部材と、
を有し、
前記蓋部材と前記ケース部材との間には、第2シール部が設けられ、
前記第2シール部は、第3の接着剤を含み、
前記第1の接着剤と前記第3の接着剤とは、互いに同じ成分を含む接着剤である、請求項3または4に記載の回転電機。
【請求項6】
前記蓋部材と前記端子保持部との一方は、第1凹部を有し、
前記蓋部材と前記端子保持部との他方は、前記第1凹部内に挿入された第1凸部を有し、
前記弾性部材は、前記第1凹部の内面と前記第1凸部の外面とに接触し、
前記蓋部材と前記ケース部材との一方は、第2凹部を有し、
前記蓋部材と前記ケース部材との他方は、前記第2凹部内に挿入された第2凸部を有し、
前記第2シール部は、前記第2凹部の内面と前記第2凸部の外面とに接触し、
前記第1凸部が突出する向きと前記第2凸部が突出する向きとは、互いに同じである、請求項5に記載の回転電機。
【請求項7】
前記第1凸部は、前記端子保持部に設けられ、
前記第2凸部は、前記ケース部材に設けられ、
前記第1凹部および前記第2凹部は、前記蓋部材に設けられている、請求項6に記載の回転電機。
【請求項8】
前記ハウジングと前記端子保持部との一方は、第1凹部を有し、
前記ハウジングと前記端子保持部との他方は、前記第1凹部内に挿入された第1凸部を有し、
前記弾性部材は、前記第1凹部の内面と前記第1凸部の外面とに接触している、請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項9】
前記第1凹部の内径は、前記第1凹部が窪む向きに向かうに従って小さくなっており、
前記第1凸部の外径は、前記第1凸部が突出する向きに向かうに従って小さくなっている、請求項6から8のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項10】
前記弾性部材は、少なくとも一対設けられており、
前記一対の弾性部材は、前記所定方向から見て、前記コネクタのうち前記ハウジングの外部に突出した部分を挟んで配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項11】
前記基板は、前記ハウジングに固定された第1固定部を有し、
前記弾性部材は、前記所定方向から見て、前記第1固定部と異なる位置に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項12】
前記コネクタは、前記ハウジングまたは前記基板に固定された第2固定部を有し、
前記弾性部材は、前記所定方向から見て、前記第2固定部と異なる位置に配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項13】
前記コネクタ端子は、
前記ハウジングの外部に露出する外端部と、
前記基板に接続された内端部と、
を有し、
前記弾性部材の前記所定方向の位置は、前記外端部の前記所定方向の位置と前記内端部の前記所定方向の位置との間である、請求項1から12のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項14】
基板と、
貫通孔を有し、基板を内部に収容するハウジングと、
前記基板に電気的に接続されたコネクタ端子を有し、前記貫通孔に挿入されるコネクタと、
前記貫通孔を封止するシール部材と、
を備え、
前記コネクタは、前記シール部材が設けられた位置と異なる位置で弾性部材を介して前記ハウジングと接触する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタ部とコネクタ部の端子が接続された基板とを備える駆動装置が知られている。例えば、特許文献1には、車両の電動パワーステアリング装置に適用される駆動装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-187079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような駆動装置においては、コネクタ部に対して外部コネクタが接続される際などにコネクタ部に外力が加えられ、コネクタ部の端子と基板との接続部分に応力が生じる場合がある。そのため、コネクタ部の端子と基板との接続に不具合が生じる恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、コネクタ端子と基板との接続に不具合が生じることを抑制できる構造を有する回転電機、および電子機器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回転電機の一つの態様は、回転電機本体部と、基板と、貫通孔を有し、前記回転電機本体部および前記基板を内部に収容するハウジングと、前記貫通孔に通され、前記ハウジングの内部から前記ハウジングの外部に所定方向に突出するコネクタと、前記コネクタを囲み、前記貫通孔を封止する第1シール部と、前記コネクタに接触する弾性部材と、を備える。前記コネクタは、前記基板に電気的に接続されたコネクタ端子と、前記コネクタ端子を保持する端子保持部と、を有する。前記端子保持部は、前記弾性部材を介して前記ハウジングと接触している。前記弾性部材は、前記第1シール部と異なる位置に設けられている。
【0007】
本発明の電子機器の一つの態様は、基板と、貫通孔を有し、基板を内部に収容するハウジングと、前記基板に電気的に接続されたコネクタ端子を有し、前記貫通孔に挿入されるコネクタと、前記貫通孔を封止するシール部材と、を備える。前記コネクタは、前記シール部材が設けられた位置と異なる位置で弾性部材を介して前記ハウジングと接触する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、回転電機および電子機器において、コネクタ端子と基板との接続に不具合が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の回転電機の一部を示す部分断面図である。
図2図2は、第1実施形態の回転電機の一部を示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態の回転電機の一部を示す斜視図であって、蓋部材が外された状態を示す図である。
図4図4は、第1実施形態の回転電機を上側から見た図であって、蓋部材が外された状態を示す図である。
図5図5は、第1実施形態の蓋部材を示す斜視図である。
図6図6は、第1実施形態の回転電機の一部を示す断面図である。
図7図7は、第1実施形態のコネクタの一部と制御基板とを示す斜視図である。
図8図8は、第1実施形態の第1コネクタを示す斜視図である。
図9図9は、第2実施形態の回転電機の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各図には、以下に説明する実施形態の回転電機における中心軸線Jを仮想的に示している。以下の説明においては、中心軸線Jの軸方向を単に「軸方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図に示すZ軸は、中心軸線Jが延びる方向を示している。以下の説明においては、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼び、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。なお、以下の実施形態において、軸方向は「所定方向」に相当する。また、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。また、以下の実施形態で説明する回転電機は、電子機器の一態様である。
【0011】
また、各図に示すX軸は、軸方向と直交する一方向を示している。以下の説明においては、X軸に平行な方向を「第1方向X」と呼ぶ。第1方向XのうちX軸の矢印が向く側(+X側)を「第1方向Xの一方側」と呼び、第1方向XのうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を「第1方向Xの他方側」と呼ぶ。各図に示すY軸は、軸方向および第1方向Xの両方と直交する方向を示している。以下の説明においては、Y軸に平行な方向を「第2方向Y」と呼ぶ。第2方向YのうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を「第2方向Yの一方側」と呼び、第2方向YのうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を「第2方向Yの他方側」と呼ぶ。
【0012】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の回転電機100は、例えば、車両の電動パワーステアリングシステムに搭載されるモータである。図1に示すように、回転電機100は、機電一体型のモータである。図1に示すように、回転電機100は、回転電機本体部10と、ハウジング20と、制御部30と、コネクタ40と、を備える。回転電機本体部10は、ロータ11と、ステータ12と、を有する。ロータ11は、中心軸線J回りに回転可能である。ロータ11は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びるシャフト11aと、シャフト11aに固定されたロータ本体11bと、を有する。シャフト11aの上端部には、センサマグネット11cが取り付けられている。図示は省略するが、ロータ本体11bは、ロータコアと、ロータマグネットと、を有する。ステータ12は、ロータ11の径方向外側に位置する。ステータ12は、ロータ11を囲む環状である。
【0013】
なお、本明細書において“環状”とは、一周に亘って連続して延びる形状であれば、どのような形状であってもよく、円環状であってもよいし、角環状であってもよいし、曲線状に延びる部分と直線状に延びる部分とを有する形状であってもよい。
【0014】
ハウジング20は、回転電機本体部10および制御部30を内部に収容している。ハウジング20は、ケース部材21と、蓋部材22と、カバー部材23と、を有する。ケース部材21は、回転電機本体部10を収容している。ケース部材21は、上側に開口する開口部21gを有する筒状である。ケース部材21は、中心軸線Jを囲んでいる。ケース部材21の内部には、回転電機本体部10が収容されている。ケース部材21の内周面には、ステータ12が固定されている。図2に示すように、本実施形態においてケース部材21のうち第1方向Xの一方側(+X側)の部分は、軸方向から見て、第1方向Xの一方側に凸となる略半円状である。ケース部材21のうち第1方向Xの他方側(-X側)の部分は、軸方向から見て、第2方向Yに長い略長方形状である。
【0015】
図3に示すように、ケース部材21は、中心軸線Jを囲む筒状の筒部21aと、筒部21aの上端部から上側に突出する第2凸部21bと、筒部21aの径方向内側面から径方向内側に突出する複数の蓋固定部21cと、を有する。
【0016】
第2凸部21bは、中心軸線Jを囲む環状である。本実施形態において第2凸部21bは、円弧部21dと、一対の第1直線部21eと、第2直線部21fと、を有する。円弧部21dは、第1方向Xの一方側(+X側)に凸となる半円弧状である。一対の第1直線部21eは、円弧部21dの周方向両端部のそれぞれから第1方向Xの他方側(-X側)に直線状に延びている。図4に示すように、一対の第1直線部21eは、第1方向Xに対して、第1方向Xの他方側に向かうに従って互いに近づく向きに僅かに斜めに傾いている。第2直線部21fは、第2方向Yに直線状に延びている。第2直線部21fは、一方の第1直線部21eにおける第1方向Xの他方側の端部と、他方の第1直線部21eにおける第1方向Xの他方側の端部とを繋いでいる。本実施形態においてケース部材21の開口部21gは、第2凸部21bによって構成されている。
【0017】
複数の蓋固定部21cは、周方向に間隔を空けて配置されている。蓋固定部21cは、軸方向に延びている。蓋固定部21cの上面には、雌ねじ穴21hが設けられている。蓋固定部21cは、例えば、3つ設けられている。
【0018】
図1に示すように、蓋部材22は、ケース部材21の上側の端部に固定されている。蓋部材22は、蓋部材22を軸方向に貫通するボルト70が複数の蓋固定部21cの雌ねじ穴21hにそれぞれ締め込まれることによって、ケース部材21に固定されている。蓋部材22は、開口部21gを塞いでいる。図5に示すように、蓋部材22は、軸方向に扁平で、軸方向と直交する平面に沿って広がる部材である。軸方向から見た蓋部材22の形状は、軸方向から見たケース部材21の形状と同様である。蓋部材22は、蓋板部22aと、外枠部22bと、内枠部22cと、突出部22dと、を有する。
【0019】
蓋板部22aは、軸方向と直交する平面に沿って広がる板状である。蓋板部22aには、蓋板部22aを軸方向に貫通する貫通孔24が設けられている。貫通孔24は、蓋部材22を軸方向に貫通している。本実施形態において貫通孔24は、第1貫通孔24aと第2貫通孔24bとの2つ設けられている。第1貫通孔24aと第2貫通孔24bとは、第2方向Yに延びている。第1貫通孔24aと第2貫通孔24bとは、第1方向Xに並んで配置されている。第1貫通孔24aは、第2貫通孔24bの第1方向Xの一方側(+X側)に位置する。第1貫通孔24aの第2方向Yの寸法は、第2貫通孔24bの第2方向Yの寸法よりも大きい。第1貫通孔24aは、第2貫通孔24bよりも第2方向Yの両側に突出している。
【0020】
外枠部22bは、蓋板部22aの径方向外縁部から下側に突出している。外枠部22bは、中心軸線Jを囲む環状である。内枠部22cは、蓋板部22aのうち外枠部22bよりも径方向内側の部分から下側に突出している。内枠部22cは、外枠部22bの径方向内側に隙間を空けて対向して配置されている。外枠部22bの軸方向から見た形状および内枠部22cの軸方向から見た形状は、第2凸部21bを軸方向から見た形状と同様の形状である。
【0021】
突出部22dは、蓋板部22aから下側に突出している。突出部22dの下端部は、外枠部22bの下端部および内枠部22cの下端部よりも下側に位置する。突出部22dには、突出部22dの下面から上側に窪む第1凹部22fが設けられている。突出部22dは、第1凹部22fが設けられることで筒状となっている。第1凹部22fの内縁は、軸方向から見て円形状である。図6に示すように、第1凹部22fの内径は、上側に向かうに従って小さくなっている。つまり、第1凹部22fの内径は、第1凹部22fが窪む向き(+Z向き)に向かうに従って小さくなっている。本実施形態において第1凹部22fの内周面22mは、上側に向かうに従って外径が小さくなる円錐台の外周面と同様の形状である。本実施形態において第1凹部22fの内面のうち上側に位置する面は、蓋板部22aの下面の一部である。
【0022】
図5に示すように、突出部22dは、複数設けられている。つまり、第1凹部22fは、複数設けられている。本実施形態において第1凹部22fは、6つ設けられている。6つの第1凹部22fのうち2つの第1凹部22fは、第1貫通孔24aの第1方向Xの一方側(+X側)に、第2方向Yに並んで配置されている。6つの第1凹部22fのうち他の2つの第1凹部22fは、蓋板部22aのうち第1貫通孔24aと第2貫通孔24bとの第1方向Xの間に位置する部分を第2方向Yに挟んで配置されている。6つの第1凹部22fのうち残りの2つの第1凹部22fは、第2貫通孔24bを第2方向Yに挟んで配置されている。当該残りの2つの第1凹部22fは、上述した他の2つの第1凹部22fの第1方向Xの他方側(-X側)にそれぞれ並んで配置されている。第1凹部22fが設けられた各突出部22dも、上述した第1凹部22fと同様に6つ配置されている。
【0023】
蓋部材22は、第2凹部22eを有する。本実施形態において第2凹部22eは、外枠部22bと内枠部22cとの間に設けられている。第2凹部22eは、蓋板部22aと外枠部22bと内枠部22cとによって構成されている。第2凹部22eは、蓋部材22の下面から上側に窪んでいる。第2凹部22eは、蓋部材22の下面の径方向外縁部に設けられている。第2凹部22eは、蓋部材22の径方向外縁部に沿って延びる環状の溝である。図1に示すように、第2凹部22e内には、第2凸部21bが挿入されている。第2凹部22eの内面のうち上側に位置する面は、第2凸部21bの上端部から上側に離れて配置されている。第2凹部22eの径方向両側の面は、第2凸部21bの径方向両側の面から離れて配置されている。
【0024】
第2凹部22eの内面と第2凸部21bの外面との間には、第2シール部52が設けられている。つまり、蓋部材22とケース部材21との間には、第2シール部52が設けられている。第2シール部52は、第2凹部22eの内面と第2凸部21bの外面とに接触している。これにより、第2シール部52は、蓋部材22とケース部材21との間を封止している。第2シール部52は、第2凹部22e内のうち第2凸部21bが配置されている領域以外の部分に充填されている。第2シール部52は、例えば、第2凹部22eの内面全体と第2凸部21bの外面全体とに接触している。図4および図5に示すように、第2シール部52は、中心軸線Jを囲む環状である。第2シール部52は、第2凹部22eおよび第2凸部21bに沿って延びている。
【0025】
本実施形態において第2シール部52は、接着剤によって構成されている。これにより、第2シール部52によって、蓋部材22とケース部材21とが互いに接着されている。第2シール部52を構成する接着剤は、第3の接着剤である。つまり、本実施形態において第2シール部52は、第3の接着剤を含む。本実施形態において第2シール部52を構成する第3の接着剤は、硬化した後に弾性変形可能な接着剤である。つまり、本実施形態において第2シール部52は、弾性変形可能な弾性体である。第2シール部52を構成する第3の接着剤としては、例えば、シリコーン系接着剤および変成シリコーン系接着剤などの弾性接着剤が挙げられる。
【0026】
図1に示すように、カバー部材23は、ケース部材21の外周面に取り付けられている。カバー部材23は、第1方向Xと直交する平面に沿って広がっている。カバー部材23は、ケース部材21の第1方向Xの他方側(-X側)に位置する。カバー部材23は、後述するパワー基板32を第1方向Xの他方側から覆っている。
【0027】
制御部30は、回転電機本体部10を制御する。制御部30は、制御基板31と、パワー基板32と、複数の電子部品33と、回転センサ34と、を有する。制御基板31およびパワー基板32は、回転電機本体部10に電気的に接続された基板である。制御基板31およびパワー基板32は、ハウジング20の内部に収容されている。
【0028】
制御基板31の板面は、軸方向を向いている。制御基板31は、軸方向と直交する平面に沿って広がっている。制御基板31は、ケース部材21の内部に位置する。制御基板31は、回転電機本体部10の上側に位置する。制御基板31の上面および制御基板31の下面には、複数の電子部品33が取り付けられている。
【0029】
制御基板31の径方向外縁部は、ケース部材21の内周面から径方向内側に突出する基板固定部21iによって下側から支持されている。基板固定部21iは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において基板固定部21iは、3つ設けられている。制御基板31は、3つのボルト73によって3つの基板固定部21iにそれぞれ固定されている。各ボルト73は、制御基板31に設けられた各ボルト穴31cに上側から通されて、基板固定部21iに設けられた雌ねじ穴21mに締め込まれている。これにより、制御基板31は、ハウジング20に固定されている。本実施形態において制御基板31のうちボルト穴31cの周縁部は、ボルト73によってハウジング20に固定された第1固定部31bである。図7に示すように、本実施形態において第1固定部31bは、3つ設けられている。
【0030】
図1に示すように、パワー基板32は、ケース部材21とカバー部材23との間に配置されている。パワー基板32の板面は、第1方向Xを向いている。パワー基板32は、第1方向Xと直交する平面に沿って広がっている。パワー基板32における第1方向Xの一方側の面および第1方向Xの他方側の面には、複数の電子部品33が取り付けられている。パワー基板32に取り付けられた電子部品33は、インバータ回路を構成する複数のトランジスタを含む。パワー基板32に設けられたインバータ回路は、ステータ12に電力を供給する。パワー基板32は、ステータ12の図示しないコイルと電気的に接続されている。これにより、パワー基板32は、回転電機本体部10と電気的に接続されている。パワー基板32は、筒部21aのうち第1方向Xの他方側(-X側)に位置する部分に設けられた孔部21kを通る図示しない接続端子によって、制御基板31と電気的に接続されている。これにより、制御基板31は、パワー基板32を介して、回転電機本体部10と電気的に接続されている。パワー基板32は、図示しないボルトによってケース部材21に固定されている。
【0031】
回転センサ34は、制御基板31の下面に取り付けられている。回転センサ34は、センサマグネット11cの上側に隙間を介して対向して配置されている。回転センサ34は、センサマグネット11cの磁界を検出することによってロータ11の回転を検出可能な磁気センサである。
【0032】
コネクタ40は、貫通孔24に通され、ハウジング20の内部からハウジング20の外部に軸方向に突出している。本実施形態においてコネクタ40は、第1コネクタ41と第2コネクタ42との2つ設けられている。第1コネクタ41と第2コネクタ42とは、第1方向Xに並んで配置されている。第1コネクタ41は、第1貫通孔24aに軸方向に通されている。第2コネクタ42は、第2貫通孔24bに軸方向に通されている。第1コネクタ41は、第2コネクタ42の第1方向Xの一方側(+X側)に位置する。第1コネクタ41および第2コネクタ42は、制御基板31の上側に位置する。
【0033】
図8に示すように、第1コネクタ41は、端子保持部43と、コネクタ端子45と、を有する。端子保持部43は、絶縁性を有する。本実施形態において端子保持部43は、樹脂製である。端子保持部43は、コネクタ端子45を保持している。本実施形態において端子保持部43は、コネクタ端子45をインサート部材とするインサート成形によって作られている。端子保持部43は、基部43aと、被挿入部43iと、第1コネクタ筒部43bと、第2コネクタ筒部43cと、突出壁部43gと、位置決め部43eと、腕部43dと、第1凸部43hと、を有する。
【0034】
基部43aは、第2方向Yに長く下側に開口する略直方体箱状である。図1に示すように、軸方向と直交する方向における基部43aの外縁部は、蓋板部22aの下面のうち第1貫通孔24aの周縁部の下側に隙間を介して対向して配置されている。
【0035】
被挿入部43iは、基部43aから上側に突出している。図3に示すように、被挿入部43iは、第2方向Yに延びている。被挿入部43iの第1方向Xの寸法は、基部43aの第1方向Xの寸法よりも小さい。被挿入部43iの第2方向Yの寸法は、基部43aの第2方向Yの寸法よりも小さい。被挿入部43iの軸方向の寸法は、基部43aの軸方向の寸法よりも小さい。図1に示すように、被挿入部43iは、第1貫通孔24a内に挿入されている。被挿入部43iは、第1貫通孔24aの内周縁から内側に離れて配置されている。被挿入部43iの上端部は、第1貫通孔24aよりも上側に位置する。
【0036】
被挿入部43iの側面と第1貫通孔24aの内面との間には、第1シール部51aが設けられている。図4に示すように、第1シール部51aは、第1コネクタ41を囲む環状である。第1シール部51aは、第2方向Yに長い略長方形環状である。本実施形態において第1シール部51aは、被挿入部43iを囲んでいる。図6に示すように、第1シール部51aは、被挿入部43iの側面と第1貫通孔24aの内面との間に位置し各面に接触する部分と、基部43aの上面の外縁部と蓋板部22aの下面における第1貫通孔24aの周縁部との間に位置し各面に接触する部分と、を有する。第1シール部51aは、第1コネクタ41とハウジング20とに接触して第1貫通孔24aを封止するシール部材である。第1シール部51aによって、ハウジング20の外部からハウジング20の内部に第1貫通孔24aを介して液体などの異物が侵入することが抑制されている。
【0037】
なお、本明細書において「第1シール部が貫通孔を封止する」とは、第1シール部によって、貫通孔を介したハウジングの内部と外部との間の液体などの異物の移動を抑制できればよく、第1シール部が、貫通孔の内面とコネクタとの間に配置される部分を有しなくてもよい。具体的には、例えば、本実施形態において、第1シール部51aが、基部43aの上面の外縁部と蓋板部22aの下面における第1貫通孔24aの周縁部との間のみに設けられてもよい。
【0038】
本実施形態において第1シール部51aは、接着剤によって構成されている。これにより、第1シール部51aによって、第1コネクタ41と蓋部材22とが互いに接着されている。第1シール部51aを構成する接着剤は、第2の接着剤である。つまり、本実施形態において第1シール部51aは、第2の接着剤を含む。本実施形態において第1シール部51aを構成する第2の接着剤は、硬化した後に弾性変形可能な接着剤である。つまり、本実施形態において第1シール部51aは、弾性変形可能な弾性体である。第1シール部51aを構成する第2の接着剤としては、例えば、シリコーン系接着剤および変成シリコーン系接着剤などの弾性接着剤が挙げられる。本実施形態において第1シール部51aを構成する第2の接着剤と第2シール部52を構成する第3の接着剤とは、互いに同じ成分を含む接着剤である。第2の接着剤に含まれる成分の比率と第3の接着剤に含まれる成分の比率とは、例えば、互いに同じである。なお、第2の接着剤に含まれる成分の比率と第3の接着剤に含まれる成分の比率とは、互いに異なっていてもよい。
【0039】
図2に示すように、第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cは、被挿入部43iから上側に突出している。第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cは、ハウジング20の外部に位置する。第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cは、第1コネクタ41のうちハウジング20の外部に突出した部分である。第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cは、上側に開口し、第2方向Yに長い略四角筒状である。第1コネクタ筒部43bと第2コネクタ筒部43cとは、第2方向Yに並んで配置されている。第1コネクタ筒部43bは、第2コネクタ筒部43cの第2方向Yの他方側(-Y側)に位置する。第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cには、図示しない外部装置の外部コネクタがそれぞれ接続される。
【0040】
図8に示すように、突出壁部43gは、基部43aのうち第1方向Xの一方側(+X側)の部分から下側に突出している。突出壁部43gの下面には、雌ねじ穴43fが設けられている。雌ねじ穴43fは、第2方向Yに間隔を空けて2つ設けられている。2つの雌ねじ穴43fは、突出壁部43gの下面における第2方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。図7に示すように、各雌ねじ穴43fには、制御基板31に設けられたボルト穴31aに下側から通されたボルト71が締め込まれている。これにより、突出壁部43gは、制御基板31にボルト71で固定されている。突出壁部43gのうち雌ねじ穴43fが設けられた部分は、制御基板31に固定された第2固定部43kである。第2固定部43kは、第2方向Yに間隔を空けて2つ設けられている。2つの第2固定部43kは、突出壁部43gの第2方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。図4に示すように、2つの第2固定部43kは、軸方向から見て、第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cを第2方向Yに挟んで配置されている。突出壁部43gの下面は、制御基板31の上面に接触している。
【0041】
図8に示すように、突出壁部43gの下面には、下側に突出する位置決め部43eが設けられている。位置決め部43eは、第2方向Yに間隔を空けて2つ設けられている。2つの位置決め部43eは、突出壁部43gの下面における第2方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。図7に示すように、各位置決め部43eは、制御基板31に設けられた穴に上側から通されている。これにより、第1コネクタ41を制御基板31に対して位置決めしている。
【0042】
図8に示すように、腕部43dは、基部43aの下端部から軸方向と直交する方向に突出している。腕部43dは、複数設けられている。図4に示すように、本実施形態において腕部43dは、4つ設けられている。4つの腕部43dのうち2つの腕部43dは、基部43aから第1方向Xの一方側(+X側)に突出している。当該2つの腕部43dは、第2方向Yに並んで配置されている。当該2つの腕部43dのうち一方の腕部43dは、基部43aのうち第2方向Yの位置が第1コネクタ筒部43bと第2コネクタ筒部43cとの間の位置である部分から第1方向Xの一方側に突出している。4つの腕部43dのうち残りの2つの腕部43dは、基部43aの第2方向Yの両端部のそれぞれから第1方向Xの他方側(-X側)に突出している。当該残りの腕部43dは、第1方向Xに対して、第1方向Xの他方側に向かうに従って互いに第2方向Yに離れる向きに斜めに傾いて基部43aから突出している。
【0043】
図7に示すように、第1凸部43hは、複数の腕部43dのそれぞれから上側に突出している。第1凸部43hが突出する向き(+Z向き)と第2凸部21bが突出する向き(+Z向き)とは、互いに同じである。第1凸部43hは、軸方向に延びる円錐台状である。第1凸部43hの外径は、上側に向かうに従って小さくなっている。つまり、第1凸部43hの外径は、第1凸部43hが腕部43dから突出する向き(+Z向き)に向かうに従って小さくなっている。
【0044】
図6に示すように、第1凸部43hは、第1凹部22f内に挿入されている。第1凸部43hの外周面43mは、第1凹部22fの内周面22mと隙間を介して対向している。第1凸部43hの外周面43mは、第1凹部22fの内周面22mに沿って配置されている。第1凸部43hの上端部は、第1凹部22fの内面のうち上側に位置する面から下側に離れて配置されている。第1凸部43hの外面の全体は、第1凹部22fの内面から離れて配置されている。
【0045】
第1凹部22fの内面と第1凸部43hの外面との間には、第1コネクタ41に接触する弾性部材60aが設けられている。弾性部材60aは、第1凹部22fの内面と第1凸部43hの外面とに接触している。これにより、端子保持部43は、弾性部材60aを介してハウジング20と接触している。
【0046】
弾性部材60aは、第1凹部22fの内周面22mと第1凸部43hの外周面43mとに接触し第1凸部43hを囲む筒状の第1部分61と、第1凹部22fの内面のうち上側に位置する面と第1凸部43hとの間に位置する第2部分62と、を有する。第2部分62は、第1部分61の上端部に繋がっている。弾性部材60aは、第1凹部22f内のうち第1凸部43hが配置されている領域以外の部分に充填されている。
【0047】
弾性部材60aは、第1シール部51aと異なる位置に設けられている。このように、第1シール部51aと異なる位置に設けられた弾性部材60aを介して端子保持部43がハウジング20と接触しているため、外部コネクタが接続される際などに端子保持部43に加えられる力を、弾性部材60aによって受けることができる。これにより、端子保持部43に加えられた力によってコネクタ端子45と制御基板31との接続部分に応力が生じることを抑制できる。したがって、コネクタ端子45と制御基板31との接続に不具合が生じることを抑制できる。
【0048】
また、例えば、第1シール部51aが弾性を有する場合、第1シール部51aによっても端子保持部43に加えられた力を受けることができる。しかしながら、第1シール部51aは第1貫通孔24aを封止する必要があるため、第1コネクタ41のうちハウジング20の外部に突出している部分、つまり第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cに比較的近い位置に設けられる。そのため、第1シール部51aで力を受ける際のモーメントアームを大きくしにくく、第1シール部51aだけでは、端子保持部43に加えられた力を十分に受けにくい。本実施形態では第1シール部51aとは異なる位置に弾性部材60aを別途設けることで、弾性部材60aの位置を、モーメントアームを大きくできる位置にすることができる。これにより、弾性部材60aによって、端子保持部43に加えられた力を好適に受けることができる。したがって、コネクタ端子45と制御基板31との接続に不具合が生じることを好適に抑制できる。
【0049】
また、例えば、端子保持部43をハウジング20に対してボルトなどで強固に固定すれば、端子保持部43に加えられた力をハウジング20で直接受けることができ、コネクタ端子45と制御基板31との接続部分に応力が生じることを抑制できる。しかしながら、第1コネクタ41に外部コネクタが接続される際には、第1コネクタ41に、軸方向、および軸方向と直交する方向など、複数の方向の力が加えられる場合がある。そのため、これらの複数の方向の力を好適にハウジング20で受けるためには、端子保持部43とハウジング20との固定箇所を比較的多く設ける必要がある。この場合、ハウジング20に対して端子保持部43を固定する部分を多く設ける必要があるため、当該固定する部分を設ける分だけ、ハウジング20の内部が狭くなる。これにより、ハウジング20の内部に配置される制御基板31の大きさを十分に確保しにくい。具体的には、例えば、ケース部材21の内周面に雌ねじ穴が設けられた固定部を多く設ける必要があり、制御基板31を軸方向と直交する方向に大きくしにくい。したがって、この場合、制御基板31を大きくするためにはハウジング20を大きくする必要があり、回転電機100全体が大型化してしまう問題がある。これに対して、本実施形態では、端子保持部43を、弾性部材60aを介してハウジング20に接触させる構成としたため、端子保持部43をハウジング20に対して強固に固定する部分を多く設ける必要がない。これにより、ハウジング20の内部が狭くなることを抑制して制御基板31の大きさを確保しつつ、コネクタ端子45と制御基板31との接続部分に応力が生じることを抑制できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、弾性部材60aは、第1凹部22fの内面と第1凸部43hの外面とに接触している。そのため、弾性部材60aを第1凹部22f内に保持しやすい。これにより、弾性部材60aを介して端子保持部43とハウジング20とを好適に接触させることができる。したがって、端子保持部43に加えられた力を弾性部材60aによって、より好適に受けることができる。また、軸方向と直交する方向において第1凹部22fの内面と第1凸部43hの外面との間に弾性部材60aを配置できるため、軸方向と直交する方向に端子保持部43に加えられた力を弾性部材60aによって好適に受けることができる。これにより、第1コネクタ41を軸方向に対して傾ける向きに抉る力が第1コネクタ41に加えられた場合であっても、第1コネクタ41に生じた応力を弾性部材60aによって好適に受けやすい。また、第1凹部22f内に第1凸部43hを挿入することで、端子保持部43をハウジング20に対して位置決めしやすい。
【0051】
本実施形態において弾性部材60aは、軸方向と直交する方向において、第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cから第1シール部51aよりも離れた位置に配置されている。つまり、弾性部材60aは、軸方向と直交する方向において、第1コネクタ41のうちハウジング20の外部に突出した部分から第1シール部51aよりも離れた位置に配置されている。そのため、第1コネクタ41のうちハウジング20の外部に突出した部分、すなわち第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cから弾性部材60aまでの距離を比較的大きくできる。これにより、弾性部材60aによって力を受ける際のモーメントアームを大きくでき、端子保持部43に加えられた力を弾性部材60aによってより好適に受けることができる。
【0052】
本実施形態において弾性部材60aは、第1シール部51aと軸方向位置が同じ部分、および第2シール部52と軸方向位置が同じ部分を有する。第2部分62の軸方向位置は、第1シール部51aの一部の軸方向位置、および第2シール部52の一部の軸方向位置と同じである。
【0053】
本実施形態において弾性部材60aは、接着剤によって構成されている。弾性部材60aを構成する接着剤は、第1の接着剤である。つまり、弾性部材60aは、第1の接着剤を含む。そのため、回転電機100を組み立てる際に、端子保持部43またはハウジング20に未硬化の第1の接着剤を塗布することで、容易に弾性部材60aを作ることができる。また、例えば弾性部材60aをゴムシートなどにする場合、回転電機100を組み立てる際に、端子保持部43とハウジング20との組み付け公差によって当該ゴムシートが弾性変形し、当該ゴムシートの弾性力によって端子保持部43とハウジング20とを組み付けにくい場合がある。また、当該ゴムシートが弾性変形した状態のまま端子保持部43とハウジング20とが組み付けられると、当該ゴムシートの弾性力が、常時、コネクタ端子45と制御基板31との接続部分に加わる恐れもある。これに対して、弾性部材60aを接着剤で構成する場合、接着剤が未硬化の状態で端子保持部43とハウジング20とを組み付けることで、弾性力を生じさせることなく端子保持部43とハウジング20との組み付け公差を吸収することができる。したがって、端子保持部43とハウジング20とを組み立てやすくできる。また、未硬化の接着剤が硬化して弾性部材60aが作られることで、弾性部材60aが弾性変形した状態で端子保持部43とハウジング20とが組み付けられることがない。そのため、弾性部材60aの弾性力がコネクタ端子45と制御基板31との接続部分に加わることを抑制できる。したがって、コネクタ端子45と制御基板31との接続に不具合が生じることをより抑制できる。
【0054】
弾性部材60aが接着剤で構成されているため、弾性部材60aによって、第1凸部43hと蓋部材22とが互いに接着されている。本実施形態において弾性部材60aを構成する第1の接着剤としては、例えば、シリコーン系接着剤および変成シリコーン系接着剤などの弾性接着剤が挙げられる。本実施形態において弾性部材60aに含まれる第1の接着剤と第1シール部51aに含まれる第2の接着剤とは、互いに同じ成分を含む接着剤である。そのため、弾性部材60aと第1シール部51aとを、同じ接着剤を用いて作ることができる。これにより、弾性部材60aと第1シール部51aとを異なる接着剤をそれぞれ用いて作る場合に比べて、回転電機100を製造する工数および回転電機100の製造コストを低減できる。また、第1シール部51aも弾性体にすることができ、第1シール部51aによっても端子保持部43に加えられた力を受けることができる。これにより、コネクタ端子45と制御基板31との接続に不具合が生じることをより抑制できる。
【0055】
本実施形態において弾性部材60aに含まれる第1の接着剤と第2シール部52に含まれる第3の接着剤とは、互いに同じ成分を含む接着剤である。そのため、弾性部材60aと第2シール部52とを、同じ接着剤を用いて作ることができる。これにより、弾性部材60aと第2シール部52とを異なる接着剤をそれぞれ用いて作る場合に比べて、回転電機100を製造する工数および回転電機100の製造コストを低減できる。
【0056】
本実施形態において弾性部材60aを構成する第1の接着剤に含まれる成分の比率は、例えば、第1シール部51aを構成する第2の接着剤に含まれる成分の比率、および第2シール部52を構成する第3の接着剤に含まれる成分の比率と同じである。なお、第1の接着剤に含まれる成分の比率は、第2の接着剤に含まれる成分の比率および第3の接着剤に含まれる成分の比率と異なっていてもよい。
【0057】
上述したように、本実施形態によれば、第1凹部22fの内径は、第1凹部22fが窪む向き(+Z向き)に向かうに従って小さくなっている。第1凸部43hの外径は、第1凸部43hが突出する向き(+Z向き)に向かうに従って小さくなっている。そのため、例えば、弾性部材60aを構成する第1の接着剤を未硬化の状態で第1凹部22f内に塗布した後に、第1凹部22f内に第1凸部43hを挿入する際に、第1凸部43hによって未硬化の第1の接着剤を押し広げやすい。これにより、未硬化の第1の接着剤を第1凹部22fの内面と第1凸部43hの外面との間に好適に配置することができ、当該未硬化の第1の接着剤を硬化させることで弾性部材60aを容易かつ好適に作ることができる。
【0058】
本実施形態において弾性部材60aは、第1凹部22fの内面と第1凸部43hの外面との間ごとに設けられている。つまり、弾性部材60aは、複数設けられている。図4に示すように、本実施形態では、弾性部材60aは、4つ設けられている。4つの弾性部材60aのうち2つの弾性部材60aは、第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cよりも第1方向Xの一方側(+X側)に位置する。4つの弾性部材60aのうち残りの2つの弾性部材60aは、第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cよりも第1方向Xの他方側(-X側)に位置する。当該残りの2つの弾性部材60aの一方は、第1コネクタ筒部43bよりも第2方向Yの他方側(-Y側)に位置する。当該残りの2つの弾性部材60aの他方は、第2コネクタ筒部43cよりも第2方向Yの一方側(+Y側)に位置する。
【0059】
4つの弾性部材60aは、軸方向から見て第1コネクタ筒部43bを挟んで配置された一対の弾性部材60aと、軸方向から見て第2コネクタ筒部43cを挟んで配置された一対の弾性部材60aと、を含む。つまり、本実施形態においては、軸方向から見て第1コネクタ41のうちハウジング20の外部に突出した部分を挟んで配置された一対の弾性部材60aが、少なくとも一対設けられている。そのため、第1コネクタ41のうちハウジング20の外部に突出した部分に対して軸方向と直交する方向に加えられた力を、一対の弾性部材60aによって、より好適に受けやすい。本実施形態では、第1コネクタ筒部43bおよび第2コネクタ筒部43cに対して軸方向と直交する方向にそれぞれ加えられた力を、二対の弾性部材60aのそれぞれによって、好適に受けることができる。当該二対の弾性部材60aは、軸方向から見て、それぞれ被挿入部43iを挟んで配置されている。本実施形態において、当該各一対の弾性部材60aは、軸方向から見て、第1方向Xおよび第2方向Yの両方に対して傾く方向に、各コネクタ筒部を挟んで配置されている。
【0060】
弾性部材60aは、軸方向から見て、制御基板31のうちハウジング20に固定された第1固定部31bと異なる位置に配置されている。言い換えると、弾性部材60aは、所定方向から見て、第1固定部31bと異なる位置に配置されている。そのため、弾性部材60aが軸方向から見て第1固定部31bと重なる位置に配置される場合に比べて、制御基板31の第1固定部31bをハウジング20に固定しやすい。これにより、回転電機100の組立性を向上できる。
【0061】
弾性部材60aは、軸方向から見て、第1コネクタ41のうち制御基板31に固定された第2固定部43kと異なる位置に配置されている。言い換えると、弾性部材60aは、所定方向から見て、第2固定部43kと異なる位置に配置されている。そのため、弾性部材60aが軸方向から見て第2固定部43kと重なる位置に配置される場合に比べて、第1コネクタ41に第2固定部43kを設けやすい。また、軸方向から見て異なる位置において、弾性部材60aと第2固定部43kとによってそれぞれ第1コネクタ41に加えられた力を受けることができるため、軸方向と直交する複数の方向において第1コネクタ41に対して加えられる力を好適に受けやすくできる。
【0062】
図1に示すように、コネクタ端子45は、金属製の細長の部材である。本実施形態においてコネクタ端子45は、一部が端子保持部43に埋め込まれて保持されている。コネクタ端子45は、端子保持部43の基部43aおよび被挿入部43iを軸方向に貫通している。コネクタ端子45のうち基部43aおよび被挿入部43iを軸方向に貫通して被挿入部43iよりも上側に突出した部分は、ハウジング20の外部に露出する外端部45aである。外端部45aは、第1コネクタ筒部43b内または第2コネクタ筒部43c内に露出することで、ハウジング20の外部に露出している。本実施形態において外端部45aは、コネクタ端子45の上側の端部である。本実施形態においてコネクタ端子45は、外端部45aが第1コネクタ筒部43b内に露出する複数のコネクタ端子45と、外端部45aが第2コネクタ筒部43c内に露出する複数のコネクタ端子45と、を含む。
【0063】
コネクタ端子45のうち、外端部45aおよび端子保持部43に埋め込まれた部分以外の部分は、ハウジング20の内部に位置する。コネクタ端子45のうちハウジング20の内部に位置する部分は、制御基板31に接続された内端部45bを有する。本実施形態において内端部45bは、コネクタ端子45の下側の端部である。内端部45bは、制御基板31の上側から制御基板31を軸方向に貫通している。内端部45bは、例えば、はんだ付けによって制御基板31と電気的に接続されている。これにより、コネクタ端子45は、制御基板31に電気的に接続されている。本実施形態においてコネクタ端子45のうちハウジング20の内部に位置する部分は、基部43aの上側の壁部から下側に突出した後に、第1方向Xの一方側(+X側)に屈曲して延び、さらに下側に屈曲して延びて制御基板31に接続されている。
【0064】
本実施形態において、外端部45aは弾性部材60aよりも上側に位置し、内端部45bは弾性部材60aよりも下側に位置する。つまり、弾性部材60aの軸方向の位置は、外端部45aの軸方向の位置と内端部45bの軸方向の位置との間である。言い換えると、弾性部材60aの所定方向の位置は、外端部45aの所定方向の位置と内端部45bの所定方向の位置との間である。ここで、弾性部材60aの位置が内端部45bに近いほど、弾性部材60aで力を受ける際の軸方向のモーメントアームを大きくしやすい。しかしながら、一方で、端子保持部43のうち弾性部材60aを介してハウジング20と接触する部分を制御基板31に近づける必要があり、第1コネクタ41が全体的に軸方向に大きくなりやすい。そのため、第1コネクタ41の強度が低下しやすい。これに対して、本実施形態のように、弾性部材60aの軸方向の位置を外端部45aの軸方向の位置と内端部45bの軸方向の位置との間とすることで、第1コネクタ41の強度を確保しつつ、弾性部材60aによって好適に力を受けることができる。
【0065】
図3に示すように、第2コネクタ42は、端子保持部44と、コネクタ端子46と、を有する。なお、以下の説明において第2コネクタ42の構成のうち、第1コネクタ41と同様の構成については、説明を省略する場合がある。端子保持部44は、基部44aと、被挿入部44iと、コネクタ筒部44bと、第2固定部44gと、腕部44dと、第1凸部44hと、を有する。図1に示すように、被挿入部44iは、第2貫通孔24b内に挿入されている。被挿入部44iの側面と第2貫通孔24bの内面との間には、第1シール部51bが設けられている。第1シール部51bは、第2コネクタ42とハウジング20とに接触して第2貫通孔24bを封止している。第1シール部51bによって、ハウジング20の外部からハウジング20の内部に第2貫通孔24bを介して液体などが浸入することが抑制されている。
【0066】
本実施形態において第1シール部51bは、接着剤によって構成されている。これにより、第1シール部51bによって、第2コネクタ42と蓋部材22とが互いに接着されている。本実施形態において第1シール部51bを構成する接着剤は、第1シール部51aを構成する接着剤と同じ接着剤である。
【0067】
コネクタ筒部44bは、被挿入部44iから上側に突出している。コネクタ筒部44bは、ハウジング20の外部に位置する。コネクタ筒部44bは、ハウジング20の外部に露出している。コネクタ筒部44bには、図示しない外部装置の外部コネクタが接続される。
【0068】
図3に示すように、第2固定部44gは、基部44aの下端部から軸方向と直交する方向に突出している。第2固定部44gは、ボルト72によって、ハウジング20に設けられたコネクタ固定部21jに固定されている。つまり、第2コネクタ42は、ハウジング20に固定された第2固定部44gを有する。コネクタ固定部21jは、ケース部材21の径方向内側面から径方向内側に突出している。ボルト72は、第2固定部44gを軸方向に貫通し、コネクタ固定部21jの上面に設けられた雌ねじ穴に締め込まれている。図4に示すように、本実施形態において第2固定部44gは、軸方向から見て、コネクタ筒部44bを挟んで一対設けられている。一対の第2固定部44gは、基部44aから、第2方向Yにおいて互いに離れる向きに突出している。
【0069】
本実施形態において腕部44dは、軸方向から見て、コネクタ筒部44bを第2方向Yに挟んで一対設けられている。一対の腕部44dは、基部44aから、第2方向Yにおいて互いに離れる向きに突出している。一対の腕部44dは、一対の第2固定部44gの第1方向Xの一方側(+X側)にそれぞれ並んで配置されている。
【0070】
第1凸部44hは、一対の腕部44dのそれぞれから上側に突出している。第1凸部44hは、第1凹部22f内に挿入されている。第1凹部22fの内面と第1凸部44hの外面との間には、第2コネクタ42に接触する弾性部材60bが設けられている。弾性部材60bは、第1凹部22fの内面と第1凸部44hの外面とに接触している。これにより、端子保持部44は、弾性部材60bを介してハウジング20と接触している。弾性部材60bは、被挿入部44iを第2方向Yに挟んで一対設けられている。本実施形態において弾性部材60bは、接着剤によって構成されている。本実施形態において弾性部材60bを構成する接着剤は、弾性部材60aを構成する接着剤と同じ接着剤である。
【0071】
弾性部材60bによっても、上述した弾性部材60aと同様の効果が得られる。つまり、第2コネクタ42の端子保持部44に加えられた力を弾性部材60bによって好適に受けることができる。これにより、端子保持部44に加えられた力によってコネクタ端子46とパワー基板32との接続部分に応力が生じることを抑制できる。したがって、コネクタ端子46とパワー基板32との接続に不具合が生じることを抑制できる。
【0072】
図1に示すように、コネクタ端子46は、金属製の細長の部材である。本実施形態においてコネクタ端子46は、一部が端子保持部44に埋め込まれて保持されている。コネクタ端子46は、端子保持部44の基部44aおよび被挿入部44iを軸方向に貫通している。コネクタ端子46のうち基部44aおよび被挿入部44iを軸方向に貫通して被挿入部44iよりも上側に突出した部分は、ハウジング20の外部に露出する外端部46aである。外端部46aは、コネクタ筒部44b内に露出することで、ハウジング20の外部に露出している。本実施形態において外端部46aは、コネクタ端子46の上側の端部である。コネクタ端子46は、複数設けられている。
【0073】
コネクタ端子46のうち、外端部46aおよび端子保持部44に埋め込まれた部分以外の部分は、ハウジング20の内部に位置する。コネクタ端子46のうちハウジング20の内部に位置する部分は、パワー基板32に接続された内端部46bを有する。本実施形態において内端部46bは、コネクタ端子46の下側の端部のうち、第1方向Xの他方側(-X側)の端部である。内端部46bは、パワー基板32の第1方向Xの一方側(+X側)からパワー基板32を第1方向Xに貫通している。内端部46bは、例えば、はんだ付けによってパワー基板32と電気的に接続されている。これにより、コネクタ端子46は、パワー基板32に電気的に接続されている。本実施形態においてコネクタ端子46のうちハウジング20の内部に位置する部分は、基部44aの上側の壁部から下側に突出した後に、第1方向Xの他方側に屈曲して延び、孔部21kを通ってパワー基板32に接続されている。
【0074】
回転電機100を組み立てる作業者等は、回転電機本体部10が収容されたケース部材21内に、制御基板31、第1コネクタ41、および第2コネクタ42を取り付けて図3に示す状態にした後に、第1コネクタ41の被挿入部43iおよび第2コネクタ42の被挿入部44iに未硬化の接着剤を塗布する。このとき、被挿入部43i,44iに塗布される未硬化の接着剤は、軸方向から見て被挿入部43i,44iを囲む環状にそれぞれ塗布される。作業者等は、蓋部材22の第1凹部22f内および第2凹部22e内に未硬化の接着剤を塗布し、未硬化の接着剤が塗布された状態の蓋部材22をケース部材21に上側から近づけて、蓋部材22をケース部材21に固定する。このとき、第1貫通孔24aには第1コネクタ筒部43bが通され、第2貫通孔24bには第2コネクタ筒部43cが通され、第1凹部22f内には第1凸部43hが挿入され、かつ、第2凹部22e内には第2凸部21bが挿入される。その後、上述したようにして各部に塗布された未硬化の接着剤がそれぞれ硬化することで、弾性部材60a、第1シール部51a,51b、および第2シール部52が作られる。
【0075】
本実施形態によれば、第1凸部43hが突出する向きと第2凸部21bが突出する向きとは、互いに同じである。そのため、同じ側から未硬化の接着剤を塗布することで、第1凸部43hの外面と第1凹部22fの内面との間に位置する弾性部材60aと、第2凸部21bと第2凹部22eの内面との間に位置する第2シール部52と、を作ることができる。具体的に本実施形態では、上述したように、蓋部材22の下側から第1凹部22f内および第2凹部22e内に未硬化の接着剤を塗布すればよい。このように、第1凸部43hが突出する向きと第2凸部21bが突出する向きとが互いに同じであることで、弾性部材60aと第2シール部52とを作るために未硬化の接着剤を塗布する塗布工程を、別工程に分ける必要がなく、1工程で弾性部材60aを構成する未硬化の接着剤と第2シール部52を構成する未硬化の接着剤とを塗布することができる。したがって、回転電機100を製造する工程の工数をより低減することができる。
【0076】
また、本実施形態によれば、第1凸部43h,44hは、端子保持部43,44に設けられ、第2凸部21bは、ケース部材21に設けられている。第1凹部22fおよび第2凹部22eは、蓋部材22に設けられている。そのため、上述したように、未硬化の接着剤の塗布工程を、端子保持部43,44に未硬化の接着剤を塗布する工程と、蓋部材22に未硬化の接着剤を塗布する工程との2工程とすることができる。ここで、例えば、第1凹部22fおよび第2凹部22eを蓋部材22ではなく、端子保持部43,44およびケース部材21に設ける場合には、端子保持部43,44およびハウジング20に上側から未硬化の接着剤を1工程で塗布することも可能である。しかしながら、その場合には、未硬化の接着剤が塗布される部分同士が比較的近くなり、未硬化の接着剤を塗布しにくくなる。これに対して、未硬化の接着剤を塗布する箇所を端子保持部43,44と蓋部材22とに分けることで、各部に未硬化の接着剤を塗布しやすくできる。また、例えばケース部材21の上端部に第2凹部22eを設ける構成とする場合、ケース部材21の上端部に第2凸部21bを設ける構成とするよりもケース部材21の外径が大きくなりやすい。そのため、第2凹部22eをケース部材21ではなく蓋部材22に設けることで、回転電機100を径方向に小型化しやすい。
【0077】
<第2実施形態>
以下の実施形態において上述した実施形態と同様の構成については適宜同一の符号を付すなどにより、説明を省略する場合がある。図9に示すように、本実施形態の回転電機200のハウジング220において、ケース部材221の内周面には、軸方向に延びる柱部221kが設けられている。柱部221kの上面には、下側に窪む第1凹部221mが設けられている。第1凹部221mの内径は、軸方向の全体に亘って同じである。
【0078】
第1コネクタ241における端子保持部243の第1凸部243hは、腕部43dから下側に突出している。本実施形態において、第1凸部243hが突出する向きと第2凸部21bが突出する向きとは、互いに逆向きである。第1凸部243hは、第1凹部221m内に挿入されている。第1コネクタ241の各部におけるその他の構成は、第1実施形態の第1コネクタ41の各部におけるその他の構成と同様である。
【0079】
なお、本実施形態において第2コネクタは、第1実施形態の第2コネクタ42と同様の構成であってもよいし、本実施形態の第1コネクタ241のように、第1凸部が突出する向きが第1実施形態の第2コネクタ42と逆向きとなる構成であってもよい。
【0080】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および方法を採用することもできる。弾性部材は、第1シール部が設けられた位置と異なる位置でコネクタとハウジングとに接触していれば、特に限定されない。弾性部材の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。弾性部材を構成する材料は、どのような材料であってもよい。弾性部材は、接着剤で構成されなくてもよい。弾性部材を構成する材料は、ゴムなどのエラストマーであってもよい。弾性部材は、ゴムシートなどであってもよい。弾性部材が複数設けられている場合、複数の弾性部材は、異なる材料で作られ弾性部材を含んでもよい。
【0081】
端子保持部のうち弾性部材と接触する箇所は、特に限定されない。ハウジングのうち弾性部材と接触する箇所は、特に限定されない。第1凹部および第1凸部が設けられる場合、第1凹部と第1凸部とは端子保持部とハウジングの蓋部材とのうちのいずれに設けられていてもよい。例えば、上述した第1実施形態において、端子保持部43が第1凹部22fを有し、かつ、蓋部材22が第1凸部43hを有してもよい。第1凹部および第1凸部は、設けられなくてもよい。
【0082】
第1シール部は、コネクタを囲み、コネクタとハウジングとに接触してハウジングに設けられた貫通孔を封止するならば、どのような構成であってもよい。第1シール部は、Oリングであってもよいし、液状のガスケットが硬化して作られていてもよい。第1シール部は、弾性を有しなくてもよい。弾性部材および第1シール部が接着剤で構成される場合、第1シール部を構成する第2の接着剤は、弾性部材を構成する第1の接着剤と異なる成分を含む接着剤であってもよい。
【0083】
第2シール部は、蓋部材とケース部材との間に設けられるならば、蓋部材およびケース部材に対してどのように接触していてもよい。第2凹部および第2凸部が設けられる場合、第2凹部と第2凸部とは、ケース部材と蓋部材とのうちのいずれに設けられていてもよい。例えば、上述した第1実施形態において、ケース部材21が第2凹部22eを有し、蓋部材22が第2凸部21bを有してもよい。第2凹部および第2凸部は、設けられなくてもよい。弾性部材および第2シール部が接着剤で構成される場合、第2シール部を構成する第3の接着剤は、弾性部材を構成する第1の接着剤と異なる成分を含む接着剤であってもよい。
【0084】
コネクタの数、およびコネクタが挿入される貫通孔の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。貫通孔は、コネクタを所定方向に挿入させられるならば、ハウジングを構成する部材のうちのいずれに設けられていてもよい。貫通孔は、ケース部材に設けられてもよい。貫通孔は、ハウジングを所定方向に貫通すれば、どのような形状であってもよい。貫通孔は、例えば、上述した第1実施形態において、蓋部材22の径方向外縁部から径方向内側に向かって切り欠かれた切り欠きであってもよい。基板の数は、1つ以上であれば、特に限定されない。基板は、コネクタに対して、どのような姿勢で配置されてもよい。コネクタがハウジングの内部からハウジングの外部に突出する所定方向は、どのような方向であってもよく、回転電機本体部の軸方向と交差する方向であってもよい。
【0085】
本発明が適用される回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、どのような機器に搭載されてもよい。回転電機は、車両に搭載されなくてもよい。本発明が適用される電子機器は、回転電機以外の機器であってもよい。なお、以上に、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0086】
10…回転電機本体部、20,220…ハウジング、21,221…ケース部材、21a…筒部、21b…第2凸部、21g…開口部、22…蓋部材、22e…第2凹部、22f,221m…第1凹部、24…貫通孔、24a…第1貫通孔(貫通孔)、24b…第2貫通孔(貫通孔)、31…制御基板(基板)、31b…第1固定部、32…パワー基板(基板)、40…コネクタ、41…第1コネクタ(コネクタ)、42…第2コネクタ(コネクタ)、43,44,243…端子保持部、43h,44h,243h…第1凸部、43k,44g…第2固定部、45,46…コネクタ端子、45a,46a…外端部、45b,46b…内端部、51a,51b…第1シール部(シール部材)、52…第2シール部、60a,60b…弾性部材、100,200…回転電機(電子機器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9