(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127516
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】車載レーダー装置用レドーム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20230906BHJP
G01S 7/40 20060101ALI20230906BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
G01S7/03 246
G01S7/40 143
H01Q1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031353
(22)【出願日】2022-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000175766
【氏名又は名称】三恵技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109243
【弁理士】
【氏名又は名称】元井 成幸
(72)【発明者】
【氏名】杵鞭 孝広
(72)【発明者】
【氏名】古林 宏之
【テーマコード(参考)】
5J046
5J070
【Fターム(参考)】
5J046AA19
5J046RA03
5J070AF03
5J070AK40
(57)【要約】
【課題】ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子との接合を容易且つ確実に行うことができると共に、製造コストを低減することができる。
【解決手段】第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4を積層配置して固着して基体2が構成され、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4との間に溝31に沿うように配線されるヒーター線5が埋設され、ヒーター線5の接続端部51、52が、ヒーター線5が近接するように配線された近接配線領域53で構成され、接続端部51、52にワイヤーハーネス接続端子61、62がそれぞれ載置されて導電性接合材からなる接合部71、72で固着され、接合部71、72が基体2に埋設される車載レーダー装置用レドーム1。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波透過性の基体の面方向に配線されるヒーター線を備え、
第1の樹脂基材と第2の樹脂基材を積層配置して固着されることにより前記基体が構成され、
前記第1の樹脂基材と前記第2の樹脂基材との間に溝に沿うように配線される前記ヒーター線が埋設され、
前記ヒーター線の少なくとも一方の接続端部が、前記ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成され、
前記ヒーター線の一方の接続端部にワイヤーハーネス接続端子が載置され、
前記ヒーター線の一方の接続端部と前記ワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる接合部で固着され、
前記接合部が前記基体に埋設されていることを特徴とする車載レーダー装置用レドーム。
【請求項2】
前記ヒーター線の一方の接続端部と他方の接続端部のそれぞれが、前記ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成され、
前記ヒーター線の一方の接続端部に一のワイヤーハーネス接続端子が載置され、
前記ヒーター線の他方の接続端部に他のワイヤーハーネス接続端子が載置され、
前記ヒーター線の一方の接続端部と前記一のワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる第1の接合部で固着され、
前記ヒーター線の他方の接続端部と前記他のワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる第2の接合部で固着され、
前記第1の接合部と前記第2の接合部とが前記基体に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の車載レーダー装置用レドーム。
【請求項3】
前記近接配線領域が、前記ヒーター線を蛇行状に近接配線して形成されている、若しくは前記ヒーター線を渦巻状に近接配線して形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車載レーダー装置用レドーム。
【請求項4】
前記接合部を覆うように被覆樹脂が形成され、
前記被覆樹脂が前記基体に埋設されていることを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の車載レーダー装置用レドーム。
【請求項5】
請求項2記載の車載レーダー装置用レドームの製造方法であって、
前記第1の樹脂基材の前記第2の樹脂基材が積層される側の面に所定パターンで溝を形成して、前記近接配線領域に対応する箇所に近接する溝を形成する第1工程と、
前記溝に沿うようにヒーター線を配線して、前記ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成される前記ヒーター線の一方の接続端部と他方の接続端部とを形成する第2工程と、
前記ヒーター線の一方の接続端部に一のワイヤーハーネス接続端子を載置して、前記一方の接続端部と前記一のワイヤーハーネス接続端子とを導電性接合材で固着して第1の接合部を形成すると共に、前記ヒーター線の他方の接続端部に他のワイヤーハーネス接続端子を載置して、前記他方の接続端部と前記他のワイヤーハーネス接続端子とを導電性接合材で固着して第2の接合部を形成する第3工程と、
前記第2の樹脂基材を射出成形で形成して前記第1の樹脂基材に固着すると共に、前記第1の樹脂基材と前記第2の樹脂基材との間に、前記ヒーター線、前記一のワイヤーハーネス接続端子、前記第1の接合部、前記他のワイヤーハーネス接続端子、前記第2の接合部を埋設する第4工程を備えることを特徴とする車載レーダー装置用レドームの製造方法。
【請求項6】
前記第3工程において、加熱されて溶融状態の導電性接合材で前記ヒーター線の一方の接続端部の絶縁被覆と他方の接続端部の絶縁被覆を除去し、温度が低下した導電性接合材により、前記一方の接続端部と前記一のワイヤーハーネス接続端子とを固着し、前記他方の接続端部と前記他のワイヤーハーネス接続端子とを固着することを特徴とする請求項5記載の車載レーダー装置用レドームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載レーダー装置の前側に設けられる車載レーダー装置用レドームに係り、特に融雪機能を有する車載レーダー装置用レドーム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、融雪機能を有する車載レーダー装置用レドームとして、ミリ波の透過性能低下を抑制するようにヒーター線が配置されるレドームが知られており、このようなレドームとして特許文献1に開示されているレドームがある。
【0003】
このレドームは、樹脂製の前基材と樹脂製の後基材とから構成され、前基材の表面に溝が形成され、この溝にヒーター線が嵌めこまれてヒーター線の全体が溝に収納されるように配線されているものである。そして、溝に収納されたヒーター線を覆うようにして前基材の表面に透明フィルムが設けられ、前基材に圧着されており、この透明フィルムでヒーター線を覆うことにより、ヒーター線の耐候性、耐食性、耐傷性が高められている(特許文献1の
図6、段落[0042]、[0044]~[0046]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車載レーダー装置用レドームの樹脂基材に形成した溝に沿うようにヒーター線を配線し、ヒーター線の耐候性、耐食性、耐傷性を確保する別の構造として、一方の樹脂基材に形成した溝に沿うようにヒーター線を配線し、一方の樹脂基材のヒーター線配線側の面に他方の樹脂基材を積層して固着し、ヒーター線を一方の樹脂基材と他方の樹脂基材との間に埋設する構造が考えられる。
【0006】
この構造のレドームとする場合、他方の樹脂基材を固着する前に、一方の樹脂基材に配線したヒーター線の接続端部をワイヤーハーネス接続端子と接合して導通接続することが必要となる。そして、このレドームは、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子との接合を容易且つ確実に行うことができる構造であることが望ましい。
【0007】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであり、一方の樹脂基材のヒーター線配線側の面に他方の樹脂基材が積層されて固着されるレドーム構造において、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子との接合を容易且つ確実に行うことができると共に、製造コストを低減することができる車載レーダー装置用レドーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車載レーダー装置用レドームは、電磁波透過性の基体の面方向に配線されるヒーター線を備え、第1の樹脂基材と第2の樹脂基材を積層配置して固着されることにより前記基体が構成され、前記第1の樹脂基材と前記第2の樹脂基材との間に溝に沿うように配線される前記ヒーター線が埋設され、前記ヒーター線の少なくとも一方の接続端部が、前記ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成され、前記ヒーター線の一方の接続端部にワイヤーハーネス接続端子が載置され、前記ヒーター線の一方の接続端部と前記ワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる接合部で固着され、前記接合部が前記基体に埋設されていることを特徴とする。
これによれば、第2の樹脂基材又は第1の樹脂基材を固着する前に、第1の樹脂基材又は第2の樹脂基材に配線したヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子とを接合して導通接続する際、ヒーター線が近接するように配線されて電気的な接続範囲が広げられた近接配線領域にワイヤーハーネス接続端子を載置して接合することができ、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子との接合、電気的接続を容易且つ確実に行うことができる。また、例えばヒーター線の電気的な接続範囲を広げるための金属板等の別部材を用いずに、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子とを導通して接合できることから、製造コストを低減することができる。また、配線されるヒーター線、ヒーター線の接続端部、ワイヤーハーネス接続端子が第1の樹脂基材と第2の樹脂基材で構成される基体の内部に封止されることになるから、配線されたヒーター線や、ヒーター線の接続部分の防水性、耐候性、耐食性、耐傷性を確保することができる。
【0009】
本発明の車載レーダー装置用レドームは、前記ヒーター線の一方の接続端部と他方の接続端部のそれぞれが、前記ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成され、前記ヒーター線の一方の接続端部に一のワイヤーハーネス接続端子が載置され、前記ヒーター線の他方の接続端部に他のワイヤーハーネス接続端子が載置され、前記ヒーター線の一方の接続端部と前記一のワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる第1の接合部で固着され、前記ヒーター線の他方の接続端部と前記他のワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる第2の接合部で固着され、前記第1の接合部と前記第2の接合部とが前記基体に埋設されていることを特徴とする。
これによれば、ヒーター線の一方の接続端部と一のワイヤーハーネス接続端子との接合と、ヒーター線の他方の接続端部と他のワイヤーハーネス接続端子との接合の双方を容易且つ確実に行うことができる。また、ヒーター線の両方の接続端部とワイヤーハーネス接続端子とを導通して接合できることから、製造コストをより低減することができる。また、配線されたヒーター線や、両方のヒーター線の接続部分の防水性、耐候性、耐食性、耐傷性を確保することができる。
【0010】
本発明の車載レーダー装置用レドームは、前記近接配線領域が、前記ヒーター線を蛇行状に近接配線して形成されている、若しくは前記ヒーター線を渦巻状に近接配線して形成されていることを特徴とする。
これによれば、ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成される近接配線領域の電気的な接続範囲をより確実に広げることができ、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子との接合、電気的接続をより確実に行うことができる。
【0011】
本発明の車載レーダー装置用レドームは、前記接合部を覆うように被覆樹脂が形成され、前記被覆樹脂が前記基体に埋設されていることを特徴とする。
これによれば、ヒーター線が配線された第1の樹脂基材又は第2の樹脂基材に対して、第2の樹脂基材又は第1の樹脂基材を例えば射出成形して形成する際に、被覆樹脂で接合箇所を保護することができ、射出成形時の樹脂圧で接合箇所に剥離や断線が生ずることを防止することができる。
【0012】
本発明の車載レーダー装置用レドームの製造方法は、本発明の車載レーダー装置用レドームを製造する方法であって、前記第1の樹脂基材の前記第2の樹脂基材が積層される側の面に所定パターンで溝を形成して、前記近接配線領域に対応する箇所に近接する溝を形成する第1工程と、前記溝に沿うようにヒーター線を配線して、前記ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成される前記ヒーター線の一方の接続端部と他方の接続端部とを形成する第2工程と、前記ヒーター線の一方の接続端部に一のワイヤーハーネス接続端子を載置して、前記一方の接続端部と前記一のワイヤーハーネス接続端子とを導電性接合材で固着して第1の接合部を形成すると共に、前記ヒーター線の他方の接続端部に他のワイヤーハーネス接続端子を載置して、前記他方の接続端部と前記他のワイヤーハーネス接続端子とを導電性接合材で固着して第2の接合部を形成する第3工程と、前記第2の樹脂基材を射出成形で形成して前記第1の樹脂基材に固着すると共に、前記第1の樹脂基材と前記第2の樹脂基材との間に、前記ヒーター線、前記一のワイヤーハーネス接続端子、前記第1の接合部、前記他のワイヤーハーネス接続端子、前記第2の接合部を埋設する第4工程を備えることを特徴とする。
これによれば、第1の樹脂基材の面に、近接配線領域に対応する箇所に近接する溝を有する所定パターンの溝を形成し、この溝に沿ってヒーター線を配線することにより、容易に近接配線領域で構成されるヒーター線の一方の接続端部と他方の接続端部とを形成することができる。
【0013】
本発明の車載レーダー装置用レドームの製造方法は、前記第3工程において、加熱されて溶融状態の導電性接合材で前記ヒーター線の一方の接続端部の絶縁被覆と他方の接続端部の絶縁被覆を除去し、温度が低下した導電性接合材により、前記一方の接続端部と前記一のワイヤーハーネス接続端子とを固着し、前記他方の接続端部と前記他のワイヤーハーネス接続端子とを固着することを特徴とする。
これによれば、絶縁被覆されたヒーター線を用いて配線する場合にも、溶融状態の導電性接合材でヒーター線の接続端部の絶縁被覆を除去することができ、ヒーター線の配線前に予め絶縁被覆を除去せずとも、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子の接合、電気的接続を行うことができる。従って、車載レーダー装置用レドームの製造工程を効率化することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、一方の樹脂基材のヒーター線配線側の面に他方の樹脂基材が積層されて固着される車載レーダー装置用レドームにおいて、ヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子との接合を容易且つ確実に行うことができると共に、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による実施形態の車載レーダー装置用レドームの正面図。
【
図4】実施形態の車載レーダー装置用レドームにおける第1の樹脂基材とヒーター線の近接配線領域の周辺を示す部分拡大正面図。
【
図5】実施形態の車載レーダー装置用レドームの縦断面図。
【
図6】(a)~(d)は実施形態の車載レーダー装置用レドームにおけるヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子を接合する工程を説明する工程説明図。
【
図7】実施形態の車載レーダー装置用レドームにおける第1の樹脂基材、ヒーター線、ワイヤーハーネス接続端子、接合部を金型の内部に配置した状態を示す説明図。
【
図8】(a)~(c)は絶縁被覆されたヒーター線を用いる変形例のヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子を接合する工程を説明する工程説明図。
【
図9】(a)、(b)はヒーター線の接続端部とワイヤーハーネス接続端子を接合する接合部を絶縁被覆する変形例の製造工程を説明する工程説明図。
【
図10】変形例の近接配線領域を有する車載レーダー装置用レドームの部分拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔実施形態の車載レーダー装置用レドーム〕
本発明による実施形態の車載レーダー装置用レドーム1は、例えば車両のバンパーに取り付けられるバンパーカバー等として用いられるものであり、
図1~
図5に示すように、電磁波透過性の基体2を備える。基体2は、例えば視認側と逆側に配置される第1の樹脂基材3と、第1の樹脂基材3の前側である視認側に配置される第2の樹脂基材4とから構成され、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4は積層配置して固着されている。尚、必要に応じて、第2の樹脂基材4を視認側と逆側に配置し、第1の樹脂基材3を視認側に配置する構成としてもよい。第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4はそれぞれ絶縁性で電磁波透過性の合成樹脂で形成されている。
【0017】
第1の樹脂基材3と、第2の樹脂基材4には、異種の合成樹脂又は同種の合成樹脂を用いることができ、複素誘電率に基づき定義される屈折率nが相互に整合する、又は、屈折率nが略同一或いは近接する材料で第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4を形成すると、電磁波の透過性能向上の観点から好適である。第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4の近接する屈折率の数値範囲としては、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4の屈折率の相違が0~10%の範囲内とすると良好である。
【0018】
ここでの屈折率nは比誘電率実数部εr'と比誘電率虚数部εr"から数式1として定義される量である。 透過性の観点から適用周波数における虚数部と実数部の比から数式2として定義される誘電正接(ロスタンジェント)tanδの大きさは0.1以下とすると好適である。また比誘電率実部の大きさは3以下とすると好適である。誘電正接と非誘電率実部の大きさをこれらの数値以下とすることにより、レドームに必要とされる反射率と内部損失の低減を確実にすることが可能となる。
【0019】
【0020】
【0021】
第1の樹脂基材3の合成樹脂と、第2の樹脂基材4の合成樹脂には、本発明の趣旨の範囲内で適宜の合成樹脂を用いることが可能であり、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合(ASA)、アクリロニトリル-エチレンプロピルラバー-スチレン共重合体(AES)、ポリプロピレン(PP)等の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いると良好であり、又、添加剤を含有させてもよい。又、これらの合成樹脂には発泡体を用いても良い。また、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4の電磁波透過方向における厚さに関し、第1の樹脂基材3の厚さと第2の樹脂基材4の厚さの比や、第1の基材樹脂3の厚さや、第2の樹脂基材4の厚さや、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4で構成される基体2の総厚は、車載レーダー装置用レドーム1として所要の電磁波透過性を確保できる範囲で適宜である。
【0022】
車載レーダー装置用レドーム1には、ヒーター線5が電磁波透過性の基体2の面方向に配線されている。ヒーター線3を構成する導電性材料には、本発明の趣旨の範囲内で適宜の導電性材料を用いることが可能であり、例えば銅、銀、銀メッキ銅、銅銀合金、銅ニッケル合金、ニッケルクロム合金、鉄クロム合金、ITO膜のような透明導電膜、又はカーボン繊維等とすると良好である。又、ヒーター線の形態は問わず、線材、導電インク、導電フィラー等を利用することができる。
【0023】
図示例のヒーター線5は、板状の基体2の主要部において基体2が拡がる方向に沿って蛇行し、折り返すように配線されて一連で延びて形成されており、基体2の車載レーダー装置による電磁波照射領域Rとその外側においてヒーター線5の直線部が基体2の面方向に沿って間隔を開けて並設されていると共に、隣り合うヒーター線5の直線部に流れる電流の方向が互いに略反平行或いは反平行となるように設定されている。
【0024】
また、ヒーター線5は、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4との間に埋設されており、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4とで挟持されるようにして、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4とで構成される基体2に埋設されて封止されている。本実施形態では、第1の樹脂基材3の第2の樹脂基材4との固着面側に溝31が形成され、第2の樹脂基材4の第1の樹脂基材3との固着面側に溝31と対向するように別の溝41が形成されており、ヒーター線5は、第1の樹脂基材3の溝31と第2の樹脂基材4の別の溝41とに嵌められて溝31及び溝41に沿って配線されている(
図5参照)。尚、ヒーター線5は、第1の樹脂基材3の溝31又は第2の樹脂基材4の溝41だけに沿うように配線し、第2の樹脂基材4又は第1の樹脂基材3にはヒーター線を配線する溝を形成しない構成としてもよい。
【0025】
そして、基体2の電磁波透過領域R以外の領域、本実施形態では側方に突出形成されているタブ21の領域には、ヒーター線5の両方の端部が延設されて、ヒーター線5の一方の接続端部51と他方の接続端部52が設けられている。ヒーター線5の一方の接続端部51と他方の接続端部52のそれぞれは、ヒーター線5が近接するように配線された近接配線領域53で構成されており、本実施形態における近接配線領域53は、ヒーター線5を蛇行状に近接配線して形成されている。尚、近接配線領域53におけるヒーター線5も、第1の樹脂基材3の溝31と第2の樹脂基材4の別の溝41とに嵌められて溝31及び溝41に沿って配線されている。
【0026】
ヒーター線5の一方の接続端部51には一のワイヤーハーネス接続端子61が載置され、ヒーター線5の導電性の一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61が接触するように配置されている。そして、ヒーター線5の一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61とが導電性接合材からなる第1の接合部71で固着されて、ヒーター線5の一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61と第1の接合部71とが一定化するように接合され、ヒーター線5の導電性の一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61が導通接続されている。第1の接合部71を構成する導電性接合材には、はんだ、ろう材、導電性接着剤(ECA)、又は異方性導電ペースト(ACP)等を用いると好適である。
【0027】
ヒーター線5の他方の接続端部52には他のワイヤーハーネス接続端子62が載置され、ヒーター線5の導電性の他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62が接触するように配置されている。そして、ヒーター線5の他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62とが導電性接合材からなる第2の接合部72で固着されて、ヒーター線5の他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62と第2の接合部72とが一定化するように接合され、ヒーター線5の導電性の他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62が導通接続されている。第2の接合部72を構成する導電性接合材にも、はんだ、ろう材、導電性接着剤(ECA)、又は異方性導電ペースト(ACP)等を用いると好適である。
【0028】
製品の安定した品質確保と、ヒーター線5の接続端部51、52とワイヤーハーネス接続端子61、62の安定した導通接続の確保の観点からは、ヒーター線5の一方の接続端部51や他方の接続端部52を構成する近接配線領域53において、近接配線されるヒーター線5の線幅を好ましくは0.03mm~3mm、より好ましくは0.03mm~0.5mmとすると良く、又、近接配線されるヒーター線5の相互間の間隔を好ましくは0mm~5mm、若しくは近接配線されるヒーター線5の相互間の間隔を好ましくはヒーター線5の半径以下とすると良く、又、近接配線されるヒーター線5の面占有率を好ましくは100%~10%、より好ましくは100%~66%とすると良い。
【0029】
更に、近接配線されるヒーター線5の面占有率を前述のように設定する等で配線密度を高めることにより、ヒーター線5の接続端部51、52とワイヤーハーネス接続端子61、62の導通接続の安定性を高めることができると同時に、加熱された導電性接合材で接合部71、72を形成する際にヒーター線5が溝31に既に配線されている第1の樹脂基材3(又は第2の樹脂基材4)が熱で損傷することを抑制することができる。
【0030】
ヒーター線5の一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61とこれらを固着して導通接続している第1の接合部71、及びヒーター線5の他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62とこれらを固着して導通接続している第2の接合部72は、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4とで挟持されるようにして、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4とで構成される基体2に埋設されて封止され、本実施形態の車載レーダー装置用レドーム1が構成されている。
【0031】
本実施形態の車載レーダー装置用レドーム1を製造する際には、第1の樹脂基材3の第2の樹脂基材4が積層される側の面に所定パターンで溝31を形成して、近接配線領域53に対応する箇所には近接する溝31を形成する(
図6(a)参照)。溝31の形成は、例えば第1の樹脂基材3を射出形成で形成する際に、金型内における溝31と対応する形状の凸部や突条によって第1の樹脂基材3の形成と同時に形成すると好適であり、又、射出成形等で既に形成されている第1の樹脂基材3の片面に切削加工等で形成しても好適である。
【0032】
そして、第1の樹脂基材3に形成された溝31に沿うように所定パターンでヒーター線5を配線して、近接配線領域53に対応する箇所ではヒーター線5を溝31に沿って近接配線し、ヒーター線5が近接するように配線された近接配線領域53で構成されるヒーター線5の一方の接続端部51と他方の接続端部52を形成する(
図6(b)参照)。本実施形態におけるヒーター線5は、溝31の外側に一部が突出するようにして溝31に嵌め、例えば溶着或いは接着で第1の樹脂基材3に固着して配線する。
【0033】
更に、ヒーター線5の一方の接続端部51に一のワイヤーハーネス接続端子61を載置して、一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61とを導電性接合材で固着して第1の接合部71を形成し、一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61とを導通接続すると共に、ヒーター線5の他方の接続端部52に他のワイヤーハーネス接続端子62を載置して、他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62とを導電性接合材で固着して第2の接合部72を形成し、他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62とを導通接続する(
図6(c)、(d)参照)。
【0034】
その後、
図7に示すように、ヒーター線5、ワイヤーハーネス接続端子61、62、接合部71、72が取り付けられた第1の樹脂基材3を割型で構成される金型100の内部に配置する。この際、ワイヤーハーネス接続端子61、62が引き出されるワイヤーハーネス接続部6は、金型100の一部に形成された導出口102から金型100の外部に導出される。
【0035】
そして、金型100の注入口101から金型100の内部に溶融樹脂MRを流し込んで射出成形を行い、第1の樹脂基材3の接合部71、72が形成されている面側に射出成形して第2の樹脂基材4を形成し、第2の樹脂基材4を第1の樹脂基材3に固着する。第2の樹脂基材4は射出成形によって積層される界面が第1の樹脂基材3、ヒーター線5、一方の接続端部51、一のワイヤーハーネス接続端子61、第1の接合部71、他方の接続端部52、他のワイヤーハーネス接続端子62、第2の接合部72に成形溶着され、第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4との間に、ヒーター線5、一方の接続端部51、一のワイヤーハーネス接続端子61、第1の接合部71、他方の接続端部52、他のワイヤーハーネス接続端子62、第2の接合部72が埋設される。
【0036】
また、第2の樹脂基材4は、ヒーター線5の溝31の外側に突出する部分を覆うように形成されることから、ヒーター線5の溝31の外側に突出する部分が第2の樹脂基材4にインサート成形されるようにして成形固着され、第2の樹脂基材4の別の溝41にヒーター線5が嵌まった状態となる。尚、第2の樹脂基材4は、射出成形で形成される構成に限定されず、必要に応じて第1の樹脂基材3に接着等で固着しても良好である。第2の樹脂基材4の形成後には、金型100を脱型して本実施形態の車載レーダー装置用レドーム1が得られる。
【0037】
本実施形態によれば、第2の樹脂基材4(又は第1の樹脂基材3)を固着する前に、第1の樹脂基材3(又は第2の樹脂基材4)に配線したヒーター線5の接続端部51、52とワイヤーハーネス接続端子61、62とを接合して導通接続する際、ヒーター線5が近接するように配線されて電気的な接続範囲が広げられた近接配線領域53にワイヤーハーネス接続端子61、62を載置して接合することができ、ヒーター線5の接続端部51、52とワイヤーハーネス接続端子61、62との接合、電気的接続を容易且つ確実に行うことができる。
【0038】
また、例えばヒーター線5の電気的な接続範囲を広げるための金属板等の別部材を用いずに、ヒーター線5の接続端部51、52とワイヤーハーネス接続端子61、62とを導通して接合できることから、製造コストを低減することができる。また、配線されるヒーター線5、ヒーター線5の接続端部51、52、ワイヤーハーネス接続端子61、62が第1の樹脂基材3と第2の樹脂基材4で構成される基体2の内部に封止されることになるから、配線されたヒーター線5や、ヒーター線5の接続部分の防水性、耐候性、耐食性、耐傷性を確保することができる。
【0039】
また、近接配線領域53をヒーター線5を蛇行状に近接配線して形成することにより、近接配線領域53の電気的な接続範囲をより確実に広げることができ、ヒーター線5の接続端部51、52とワイヤーハーネス接続端子61、62との接合、電気的接続をより確実に行うことができる。
【0040】
また、本実施形態の車載レーダー装置用レドーム1を製造する際に、第1の樹脂基材3の面に、近接配線領域53に対応する箇所に近接する溝51を有する所定パターンの溝31を形成し、この溝31に沿ってヒーター線5を配線することにより、容易に近接配線領域53で構成されるヒーター線5の一方の接続端部51と他方の接続端部52とを形成することができる。
【0041】
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
【0042】
例えば本発明の車載レーダー装置用レドームで配線されるヒーター線は全体に絶縁被覆がないヒーター線に限定されず、ワイヤーハーネス接続端子と導通接続される部分以外が絶縁被覆されているヒーター線としてもよい。この変形例では、例えば
図8に示すように、第1の樹脂基材3に形成された溝31に沿うように所定パターンで絶縁被覆されたヒーター線5aを配線して、近接配線領域53に対応する箇所ではヒーター線5aを溝31に沿って近接配線し、ヒーター線5aが近接するように配線された近接配線領域53で構成される絶縁被覆状態の一方の接続端部51iと他方の接続端部52iを形成する(
図8(a)参照)。
【0043】
そして、
図8(b)、(c)に示すように、ヒーター線5aの絶縁被覆状態の一方の接続端部51iに一のワイヤーハーネス接続端子61を載置して、加熱されて溶融状態の導電性接合材で一方の接続端部51iの絶縁被覆を除去し、温度が低下した導電性接合材により、絶縁被覆から導通材が露出した一方の接続端部51aと一のワイヤーハーネス接続端子61とを固着して第1の接合部71を形成し、一方の接続端部51aと一のワイヤーハーネス接続端子61とを導通接続する。また、ヒーター線5aの絶縁被覆状態の他方の接続端部52iに他のワイヤーハーネス接続端子62を載置して、加熱されて溶融状態の導電性接合材で他方の接続端部52iの絶縁被覆を除去し、温度が低下した導電性接合材により、絶縁被覆から導通材が露出した他方の接続端部52aと他のワイヤーハーネス接続端子62とを固着して第2の接合部72を形成し、他方の接続端部52aと他のワイヤーハーネス接続端子62とを導通接続する。その後は、例えば上記実施形態と同様の製造工程を行って車載レーダー装置用レドーム1を得る。
【0044】
絶縁被覆されたヒーター線5aを用いて配線する変形例において上記製造工程を用いることにより、溶融状態の導電性接合材でヒーター線5aの接続端部51i、52iの絶縁被覆を除去することができ、ヒーター線5aの配線前に予め絶縁被覆を除去せずとも、ヒーター線5aの接続端部51a、52aとワイヤーハーネス接続端子61、62の接合、電気的接続を行うことができる。従って、絶縁被覆されたヒーター線5aが配線される車載レーダー装置用レドーム1の製造工程を効率化することができる。
【0045】
また、車載レーダー装置用レドーム1の別の変形例として、
図9に示すように、ヒーター線5の一方の接続端部51と一のワイヤーハーネス接続端子61を接合する第1の接合部71を覆うように保護する第1の被覆樹脂81bを形成し、ヒーター線5の他方の接続端部52と他のワイヤーハーネス接続端子62を接合する第2の接合部72を覆うように保護する第2の被覆樹脂82bを形成し、第1の被覆樹脂81bと第2の被覆樹脂82bを基体2に埋設する構成としても良好である。この構成とする場合、第1の樹脂基材3に形成された接合部71・72を第1の被覆樹脂81bと第2の被覆樹脂82bで被覆した後に、第2の樹脂基材4を射出成形或いは接着等の固着によって設けるとよい。
【0046】
この被覆樹脂81b、82bを用いる変形例によれば、ヒーター線5が配線された第1の樹脂基材3(又は第2の樹脂基材4)に対して、第2の樹脂基材4(又は第1の樹脂基材3)を例えば射出成形して形成する際に、被覆樹脂81b、82bで接合箇所を保護することができ、射出成形時の樹脂圧で接合箇所に剥離や断線が生ずることを防止することができる。
【0047】
また、車載レーダー装置用レドーム1の別の変形例として、上記実施形態の近接配線領域53をヒーター線5を蛇行状に近接配線して形成する構成に代え、
図10に示すように、近接配線領域53cを、ヒーター線5を渦巻状に近接配線して形成する構成としても好適である。この変形例では、基体2の電磁波透過領域R以外の領域である側方に突出形成されているタブ21の領域に、それぞれ渦巻状の近接配線領域53cで構成されるヒーター線5の一方の接続端部51cと他方の接続端部52cが設けられている。
【0048】
この変形例でも、ヒーター線5の一方の接続端部51cと一のワイヤーハーネス接続端子61とが第1の接合部71で固着されて導通接続され、ヒーター線5の他方の接続端部52cと他のワイヤーハーネス接続端子62とが第2の接合部72で固着されて導通接続される。近接配線領域53cにおける、近接配線されるヒーター線5の線幅、近接配線されるヒーター線5の相互間の間隔、近接配線されるヒーター線5の面占有率は、上記実施形態の近接配線領域53と同様に設定すると好適である。尚、近接配線領域53cの渦巻状は、全体が略円形の渦巻状以外に、全体が略方形の渦巻状や、全体が略三角形の渦巻状としてもよい。
【0049】
また、車載レーダー装置用レドーム1における接続端部51、52等を構成する近接配線領域53、53c等は、第1の樹脂基材3(又は第2の樹脂基材4)の平面の部分に形成する以外に、第1の樹脂基材3(又は第2の樹脂基材4)の曲面の部分に形成する構成としてもよく、更には、第1の樹脂基材3(又は第2の樹脂基材4)の屈曲した部分に形成する構成とすることも可能である。
【0050】
また、本発明の車載レーダー装置用レドームには、ヒーター線の少なくとも一方の接続端部が、ヒーター線が近接するように配線された近接配線領域で構成され、ヒーター線の一方の接続端部にワイヤーハーネス接続端子が載置され、ヒーター線の一方の接続端部とワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材からなる接合部で固着される適宜の構成が含まれ、例えばヒーター線の他方の接続端部が単に線状に形成されて、他方の接続端部と他のワイヤーハーネス接続端子とが導電性の金属板に載置され、金属板上で他方の接続端部と他のワイヤーハーネス接続端子とが導電性接合材の接合部で固着され、導通接続される構成も含まれる。
【0051】
また、上記実施形態では、レドーム正面視で側方に突出形成されているタブ21の領域でヒーター線5の接続端部51、52等とワイヤーハーネス接続端子61、62との導通接続を行う構成としたが、例えばタブ21を有しないレドームの場合など、タブ21の領域以外でも、電磁波透過領域R以外の所要の領域にこの構成を設置することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、車載レーダー装置用レドームに利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…車載レーダー装置用レドーム 2…基体 21…タブ 3…第1の樹脂基材 31…溝 4…第2の樹脂基材 41…溝 5、5a…ヒーター線 51、51a、51c…一方の接続端部 52、52a、52c…他方の接続端部 53、53c…近接配線領域 51i、52i…絶縁被覆状態の接続端部 6…ワイヤーハーネス接続部 61…一のワイヤーハーネス接続端子 62…他のワイヤーハーネス接続端子 71…第1の接合部 72…第2の接合部 81b…第1の被覆樹脂 82b…第2の被覆樹脂 100…金型 101…注入口 102…導出口 R…電磁波照射領域 MR…溶融樹脂