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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012753
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】吊り足場および吊り足場設置方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 3/24 20060101AFI20230119BHJP
   E04G 5/08 20060101ALI20230119BHJP
   E04G 7/34 20060101ALI20230119BHJP
   E01D 21/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
E04G3/24 302H
E04G5/08 B
E04G5/08 R
E04G7/34 305C
E01D21/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116412
(22)【出願日】2021-07-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】520358645
【氏名又は名称】株式会社SysaPlanning
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】弁理士法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 澄雄
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059EE10
(57)【要約】
【課題】軽量な吊り足場およびその設置方法を提供することである。
【解決手段】本発明の吊り足場は、矩形状の第1支持部と、矩形状であって、長辺方向における両端部が互いに近づくように折り畳み可能な第2支持部と、第1、第2支持部を互いに直交するように連結可能な支柱と、第1、第2支持部のそれぞれの上に配置される足場板と、支柱に取り付けられる吊り金具と、をそれぞれ複数備える。支柱は、吊り金具を取り付け可能な筒状の支柱本体と、支柱本体の外周面に接続されており、第1支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な筒状の第1取付部と、支柱本体の外周面に接続されており、第2支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な筒状の第2取付部と、を有する。本発明の吊り足場設置方法は、上記した本発明の吊り足場を用いた方法である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の第1支持部と、
矩形状であって、長辺方向における両端部が互いに近づくように折り畳み可能な第2支持部と、
前記第1支持部および前記第2支持部を互いに直交するように連結可能な支柱と、
前記第1支持部および前記第2支持部のそれぞれの上に配置される足場板と、
前記支柱に取り付けられる吊り金具と、をそれぞれ複数備え、
前記支柱は、
前記吊り金具を取り付け可能な筒状の支柱本体と、
前記支柱本体の外周面に接続されており、前記第1支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な筒状の第1取付部と、
前記支柱本体の外周面に接続されており、前記第2支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な筒状の第2取付部と、を有する、吊り足場。
【請求項2】
前記支柱は、アルミニウム製である、請求項1に記載の吊り足場。
【請求項3】
前記第1取付部は、前記第1支持部の長辺方向における端部を蝶番構造によって取り付け可能であり、
前記第2取付部は、前記第2支持部の長辺方向における端部を蝶番構造によって取り付け可能である、請求項1または2に記載の吊り足場。
【請求項4】
前記支柱本体、前記第1取付部および前記第2取付部のそれぞれの内周面は、周方向に沿って位置する複数の凸部を有する、請求項1~3のいずれかに記載の吊り足場。
【請求項5】
前記吊り金具は、
リング部と、
前記リング部に接続し、前記支柱本体に挿入可能な芯棒と、
前記芯棒が挿通される環状のストッパーと、を有し、
前記芯棒の外周面は、突起を有し、
前記ストッパーは、ストッパーの穴に開口して前記突起を挿通可能な切り欠きを有するとともに、前記突起よりも下方において前記切り欠きと前記突起の位置を互いにずらした状態で、前記足場板の上に配置される、請求項1~4のいずれかに記載の吊り足場。
【請求項6】
前記足場板は、矩形状であり、
前記第2支持部は、前記足場板の短辺方向に沿って位置する、請求項1~5のいずれかに記載の吊り足場。
【請求項7】
矩形状であって、長辺方向における両端部が互いに近づくように折り畳み可能な第3支持部をさらに備え、
前記第1支持部の側部は、前記第3支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な第3取付部を有し、
前記足場板は、前記第3支持部の上にも配置される、請求項1~6のいずれかに記載の吊り足場。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の吊り足場を用いた吊り足場設置方法であって、
前記第2支持部を折り畳んだ状態から伸ばした状態にする工程と、
伸ばした第2支持部と、この第2支持部に隣り合う前記第1支持部の上に、前記足場板を配置する工程と、を備える、吊り足場設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架高速道路、橋梁等の建設工事や補修工事等に使用される吊り足場およびその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高架高速道路、橋梁等の下部の建設工事や補修工事等では、吊り足場を設けている。吊り足場としては、橋桁に複数のチェーンを固定し、これらのチェーンの下端に足場板を接続し、複数の足場板を水平方向に順次連結して形成されるものがある(例えば、特許文献1参照)。吊り足場を形成する作業の負担を考慮すると、吊り足場は軽量であるのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6685630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、軽量な吊り足場およびその設置方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の吊り足場は、矩形状の第1支持部と、矩形状であって、長辺方向における両端部が互いに近づくように折り畳み可能な第2支持部と、前記第1支持部および前記第2支持部を互いに直交するように連結可能な支柱と、前記第1支持部および前記第2支持部のそれぞれの上に配置される足場板と、前記支柱に取り付けられる吊り金具と、をそれぞれ複数備える。前記支柱は、前記吊り金具を取り付け可能な筒状の支柱本体と、前記支柱本体の外周面に接続されており、前記第1支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な筒状の第1取付部と、前記支柱本体の外周面に接続されており、前記第2支持部の長辺方向における端部を取り付け可能な筒状の第2取付部と、を有する。
【0006】
本発明の吊り足場設置方法は、上記した本発明の吊り足場を用いた方法であって、前記第2支持部を折り畳んだ状態から伸ばした状態にする工程と、伸ばした第2支持部と、この第2支持部に隣り合う前記第1支持部の上に、前記足場板を配置する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吊り足場によれば、軽量であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る吊り足場を高速道路の下に設置した状態を示す概略説明図である。
図2図1に示す吊り足場の概略斜視図である。
図3】(a)は、図1に示す吊り足場における第2支持部を折り畳んだ状態の平面図であり、(b)は、(a)の第2支持部を伸ばした状態の平面図である。
図4】(a)は、図1に示す吊り足場における第1支持部を第1取付部に取り付けた状態の部分拡大図であり、(b)は、第2支持部を第2取付部に取り付けた状態の部分拡大図である。
図5図1に示す吊り足場から足場板等を除いた状態の分解斜視図である。
図6】(a)は、図1に示す吊り足場における支柱、ジョイント棒および吊り金具の側面図であり、(b)は、(a)から吊り金具を除いた状態の拡大平面図である。
図7】(a)は、図1に示す吊り足場における足場板の部分拡大断面図であり、(b)は、第2支持部と足場板の部分拡大断面図である。
図8図1に示す吊り足場における第3支持部を第1支持部に取り付けた状態の部分拡大図である。
図9】(a)は、図1に示す吊り足場における第1支持部の側面図であり、(b)は、(a)の平面図である。
図10】(a)は、図1に示す吊り足場における第2支持部の側面図であり、(b)は、(a)の平面図であり、(c)は、(b)の第2支持部を折り畳んだ状態の平面図である。
図11】(d)は、図10(a)の部分拡大図であり、(e)は、(d)の蝶番構造におけるジョイントリングの斜視図である。
図12】(a)は、図1に示す吊り足場における支柱の側面図であり、(b)は、(a)の拡大平面図である。
図13】(a)は、図1に示す吊り足場における足場板の平面図であり、(b)は、(a)のa-a断面図であり、(c)は、(a)のb-b断面図であり、(d)は、(a)のc-c断面図である。
図14】(e)は、図13(a)に示す足場板における手架の概略説明図であり、(f)は、図13(a)のd-d断面図であり、(g)は、(f)の表面の部分拡大図である。
図15図1に示す吊り足場における吊り金具の斜視図である。
図16】(a)は、図1に示す吊り足場における第3支持部の側面図であり、(b)は、(a)の平面図であり、(c)は、(b)の第3支持部を折り畳んだ状態の平面図であり、(d)は、(a)の部分拡大図である。
図17】(a)は、図1に示す吊り足場における取付金具の部分拡大図であり、(b)~(d)は、(a)の取付金具におけるジョイントを矢印A方向から見た図であって、ジョイントの説明図である。
図18図1に示す吊り足場における支え棒の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<吊り足場>
以下、本発明の一実施形態に係る吊り足場について、図面を参照して詳細に説明する。
図1図18に示す本実施形態の吊り足場1は、高架高速道路、橋梁等の下部の建設工事や補修工事等に使用できる。例えば、図1に示すように、高速道路の高架橋100の下に吊り足場1を設置してもよい。
【0010】
吊り足場1は、上方から吊り下げられる。本実施形態の吊り足場1は、高架橋100の下から吊り具101で吊り下げられる。吊り具101としては、例えば、チェーン、ワイヤー等が挙げられる。
【0011】
本実施形態の吊り足場1は、高架橋100の下に取り付けられた桁102から吊り下げられる。桁102としては、例えば、I形鋼、H形鋼等が挙げられる。なお、吊り足場1は、桁102以外の部材から吊り下げられてもよく、また、高架橋100の下から直接吊り下げられてもよい。
【0012】
図2に示すように、吊り足場1は、第1支持部2、第2支持部3、支柱4、足場板5および吊り金具6をそれぞれ複数備える。
【0013】
第1支持部2および第2支持部3は、足場板5を下方から支持する部材である。また、第1支持部2および第2支持部3は、矩形状の部材である。より具体的には、図9および図10に示すように、第1支持部2および第2支持部3は、長辺2a、3aおよび短辺2b、3bを有する矩形状の部材である。第1支持部2および第2支持部3は、長辺2a、3aに沿った上部2c、3c(上面)で足場板5を支持する。
【0014】
第1支持部2および第2支持部3のそれぞれの数は、複数であればよく、特定の数に限定されない。第1支持部2および第2支持部3のそれぞれの数は、形成する吊り足場1の大きさに応じて所望の数に設定すればよい。
【0015】
第2支持部3は、図10に示すように、長辺方向3Aにおける両端部3dが互いに近づくように折り畳み可能である。言い換えれば、第2支持部3は、短辺3bに沿った両端部3dが互いに近づくように折り畳み可能である。
【0016】
第2支持部3は、図10および図11に示すように、蝶番構造3H1(ヒンジ構造)によって折り畳み可能に構成されてもよい。蝶番構造3H1は、ジョイントリング32、筒部31aおよびジョイント棒33で構成される。具体的に説明すると、本実施形態では、第2支持部3が、矩形状の2つの支持片31と、2つの支持片31を連結するジョイントリング32と、を有する。ジョイントリング32は、外周面同士が互いに接続された一対の筒状の部材からなる。また、支持片31の短辺に沿った端部は、ジョイントリング32を挟むことが可能なように間隔をあけて向かい合う一対の筒部31aを有する。筒部31aの穴は、ジョイントリング32の穴と連通可能である。そして、第2支持部3は、筒部31aおよびジョイントリング32のそれぞれの穴に挿通されるジョイント棒33(連結棒)を2つ有する。
【0017】
これらの構成によれば、まず、一対の筒部31aの間にジョイントリング32を位置させて、筒部31aおよびジョイントリング32のそれぞれの穴を連通状態にし、次に、これらの穴にジョイント棒33を挿通させると、2つの支持片31がジョイントリング32で連結される。連結された2つの支持片31は、ジョイントリング32を中心に回動可能となる。それゆえ、第2支持部3は、長辺方向3Aにおける両端部3dが互いに近づくように折り畳み可能となる。
【0018】
なお、筒部31aおよびジョイントリング32の間にワッシャー等を介在させてもよい。また、ジョイント棒33が筒部31aから抜け出すことをボルトおよびナット等で防止してもよい。
【0019】
支柱4は、図3図5に示すように、第1支持部2および第2支持部3を互いに直交するように連結可能な部材である。「直交」は、実質的に直交であればよい。また、支柱4の数は、複数であればよく、特定の数に限定されない。支柱4の数は、連結する第1支持部2および第2支持部3の数に応じて設定すればよい。
【0020】
なお、第1支持部2および第2支持部3を互いに直交するように支柱4で連結し、その状態を平面視すると、第1支持部2および第2支持部3は格子状に位置する。そのため、例えば、第1支持部2を横格子、第2支持部3を縦格子と便宜的に言い換えてもよい。
【0021】
足場板5は、図7図13に示すように、吊り足場1における床面を構成する部材である。足場板5は、第1支持部2および第2支持部3のそれぞれの上に配置される。より具体的には、足場板5は、第1支持部2および第2支持部3のそれぞれの長辺2a、3aに沿った上部2c、3cの上に配置される。足場板5は、天板と言い換えてもよい。
【0022】
足場板5の数は、複数であればよく、特定の数に限定されない。足場板5の数は、形成する吊り足場1の大きさに応じて所望の数に設定すればよい。
【0023】
吊り金具6は、図5に示すように、吊り具101を取り付けるための部材である。吊り金具6は、支柱4に取り付けられる。また、吊り金具6は、吊り具101を取り付けるための部位としてリング部61を有してもよい。リング部61としては、例えば、Iナット等が挙げられる。なお、吊り金具6の数は、複数であればよく、特定の数に限定されない。吊り金具6の数は、支柱4の数と同じであってもよい。
【0024】
ここで、図5に示すように、支柱4は、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43を有する。支柱本体41は、吊り金具6を取り付け可能な筒状の部位である。また、第1取付部42は、支柱本体41の外周面に接続されており、第1支持部2の長辺方向2Aにおける端部2dを取り付け可能な筒状の部位である。第2取付部43は、支柱本体41の外周面に接続されており、第2支持部3の長辺方向3Aにおける端部3dを取り付け可能な筒状の部位である。
【0025】
支柱4が上記の構成を有する場合には、筒状の部位で支柱4が構成されることから、吊り足場1が軽量になる。そのため、吊り足場1を形成する作業の負担を軽減できる。また、第2支持部3が折り畳み可能であることから、吊り足場1を形成する作業状況に応じて、第2支持部3を折り畳んでコンパクトな状態するか、または、直線状に伸ばした状態にするかを選択できる。また、吊り金具6を介してバランスよく支柱4を吊り下げることができる。さらに、第1支持部2および第2支持部3を比較的簡単な構造で支柱4に連結できる。
【0026】
支柱4は、アルミニウム製であってもよい。この場合には、吊り足場1がさらに軽量になる。「アルミニウム製」とは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されること意味する。また、支柱4がアルミニウム製である場合には、支柱4は実質的にアルミニウム製であればよい。「実質的にアルミニウム製」とは、構成要素の大部分がアルミニウム製であることを意味する。なお、支柱4は、スチール製、ステンレス製等であってもよい。
【0027】
第1取付部42は、図4(a)に示すように、第1支持部2の長辺方向2Aにおける端部2dを、蝶番構造2Hによって取り付け可能であってもよい。蝶番構造2Hは、第1取付部42、第1筒部2d1および第1ジョイント棒71で構成される。具体的に説明すると、本実施形態では、端部2dが第1筒部2d1を有する(図5参照)。第1筒部2d1の穴は、第1取付部42の穴と連通可能である。吊り足場1は、第1筒部2d1および第1取付部42のそれぞれの穴に挿通される第1ジョイント棒71を有する。
【0028】
これらの構成によれば、まず、第1筒部2d1および第1取付部42のそれぞれの穴を連通状態にし、次に、これらの穴に第1ジョイント棒71を挿通させると、第1支持部2が第1取付部42に取り付けられる。第1取付部42に取り付けられた第1支持部2は、第1取付部42を中心に回動可能となる。これにより、第1支持部2と支柱4の連結箇所に加わる負荷が吸収されやすくなり、連結状態が安定する。
【0029】
なお、第1筒部2d1は、一対であってもよい。一対の第1筒部2d1は、第1取付部42を挟むことが可能なように間隔をあけて向かい合ってもよい。第1筒部2d1および第1取付部42の間には、若干の隙間が形成されてもよい。第1ジョイント棒71は、スチール製、アルミニウム製、ステンレス製等であってもよい。
【0030】
第2取付部43は、第1取付部42と同様に、第2支持部3の長辺方向3Aにおける端部3dを、図4(b)に示す蝶番構造3H2によって取り付け可能であってもよい。蝶番構造3H2は、第2取付部43、第2筒部3d1および第2ジョイント棒72で構成される。具体的に説明すると、本実施形態では、端部3dが第2筒部3d1を有する(図5参照)。第2筒部3d1の穴は、第2取付部43の穴と連通可能である。吊り足場1は、第2筒部3d1および第2取付部43のそれぞれの穴に挿通される第2ジョイント棒72を有する。
【0031】
これらの構成によれば、まず、第2筒部3d1および第2取付部43のそれぞれの穴を連通状態にし、次に、これらの穴に第2ジョイント棒72を挿通させると、第2支持部3が第2取付部43に取り付けられる。第2取付部43に取り付けられた第2支持部3は、第2取付部43を中心に回動可能となる。これにより、第2支持部3と支柱4の連結箇所に加わる負荷が吸収されやすくなり、連結状態が安定する。また、第2支持部3をスムーズに伸ばしやすくなる。
【0032】
なお、第2筒部3d1は、第1筒部2d1と同様に、一対であってもよい。一対の第2筒部3d1は、第2取付部43を挟むことが可能なように間隔をあけて向かい合ってもよい。第2筒部3d1および第2取付部43の間には、若干の隙間が形成されてもよい。第2ジョイント棒72は、スチール製、アルミニウム製、ステンレス製等であってもよい。
【0033】
支柱4は、第1取付部42および第2取付部43をそれぞれ2つ有してもよい。第1取付部42および第2取付部43は、支柱本体41の外周面の周方向に沿って等間隔で交互に位置してもよい。「等間隔」は、実質的に等しい間隔であればよい。本実施形態の支柱4は、第1取付部42および第2取付部43をそれぞれ2つ有する。そのため、吊り足場1は、第1ジョイント棒71および第2ジョイント棒72をそれぞれ2つ有する。
【0034】
第1ジョイント棒71は、ワイヤー74を介して支柱4に取り付けられてもよい。同様に、第2ジョイント棒72は、ワイヤー74を介して支柱4に取り付けられてもよい。これらの場合には、第1ジョイント棒71および第2ジョイント棒72の落下を防止できる。なお、ワイヤー74の一端は、後述する第1接続部42a、第2接続部43aにリング75を介して取り付けられてもよい(図6参照)。
【0035】
支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43は、アルミニウム製の押出形材(押出型材)であってもよい。この場合には、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43が、一体に成形されるので、支柱4の強度が高くなる。また、第1取付部42および第2取付部43が、支柱本体41から脱落しにくくなる。なお、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43は、スチールパイプ、ステンレスパイプ等で構成されてもよい。
【0036】
図12に示すように、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43のそれぞれの内周面は、周方向に沿って位置する複数の凸部44を有してもよい。この場合には、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43の強度を凸部44によって維持しつつ、支柱4を軽量化できる。また、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43に軸状の部材を挿入する場合には、接触面積が小さくなるので、軸状の部材が回転しやすくなる。
【0037】
凸部44の数は、3以上15以下であってもよい。凸部44は、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43の長手方向4Aに沿って延びている。なお、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43のそれぞれの長手方向は、互いに平行であるため、同じ符号4Aを用いて説明する。
【0038】
第1取付部42の外周面は、第1取付部42の長手方向4Aに沿って延びる第1接続部42aを有してもよい。第1取付部42は、第1接続部42aを介して支柱本体41の外周面に接続されてもよい。支柱4を平面視した場合に、支柱本体41の中心41aと第1取付部42の中心42bとを結ぶ線分に対して直交する方向における第1接続部42aの幅W42aは、支柱本体41の外径D41および第1取付部42の外径D42よりも小さくてもよい。
【0039】
第2取付部43の外周面は、第1取付部42と同様に、第2取付部43の長手方向4Aに沿って延びる第2接続部43aを有してもよい。第2取付部43は、第2接続部43aを介して支柱本体41の外周面に接続されてもよい。支柱4を平面視した場合に、支柱本体41の中心41aと第2取付部43の中心43bとを結ぶ線分に対して直交する方向における第2接続部43aの幅W43aは、支柱本体41の外径D41および第2取付部43の外径D43よりも小さくてもよい。
【0040】
なお、第1接続部42aおよび第2接続部43aの幅W42a、W43aは、それぞれ4mm以上12mm以下であってもよい。また、支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43の外径D41、D42、D43は、それぞれ20mm以上60mm以下であってもよい。本実施形態では、幅W42a、W43aが同じである。また、外径D41、D42、D43も同じである。「同じ」は、実質的に同じであればよい。
【0041】
支柱本体41、第1取付部42および第2取付部43は、円筒状または多角筒状であってもよい。また、支柱本体41の長手方向4Aの長さは、第1取付部42および第2取付部43の長手方向4Aの長さよりも長くてもよい。
【0042】
吊り金具6は、図15に示すように、リング部61と、リング部61に接続し、支柱本体41に挿入可能な芯棒62と、芯棒62が挿通される環状のストッパー63と、を有してもよい。芯棒62の外周面は、突起62a(枝)を有してもよい。ストッパー63は、ストッパー63の穴に開口して突起62aを挿通可能な切り欠き63aを有してもよい。ストッパー63は、突起62aよりも下方において、切り欠き63aと突起62aの位置を互いにずらした状態で、足場板5の上に配置されてもよい(図4参照)。これらの場合には、足場板5の浮き上がりを防止できる。より具体的には、足場板5が突起62aよりも上方に浮き上がることをストッパー63で防止できる。
【0043】
なお、ストッパー63の内径は、リング部61の外径よりも小さい。言い換えれば、リング部61は、ストッパー63に挿通されない。また、ストッパー63の外径は、支柱本体41の内径よりも大きい。ストッパー63は、円環状または多角環状であってもよい。芯棒62は、支柱本体41に吊り金具6を取り付けるための部位としても機能する。芯棒62は、ボルトおよびナット等で支柱本体41に取り付けられてもよい。芯棒62は、スチール製、アルミニウム製、ステンレス製等であってもよい。
【0044】
ストッパー63の上面は、ツマミ63bを有してもよい。この場合には、作業員の手指でツマミ63bをつまんでストッパー63を操作できるため、ストッパー63を操作しやすくなる。
【0045】
足場板5は、矩形状の部材であってもよい。より具体的には、図13に示すように、足場板5は、長辺5aおよび短辺5bを有する矩形状の部材であってもよい。
【0046】
第2支持部3は、足場板5の短辺方向5Bに沿って位置してもよい(図2参照)。言い換えれば、第1支持部2は、足場板5の長辺方向5Aに沿って位置してもよい。この場合には、足場板5を配置する際の安全性が高くなる。すなわち、上記の位置関係の場合には、足場板5の長辺5aに沿った部分を作業員が把持しやすく、足場板5をバランスよく把持した状態で配置できるため、安全性が高い。
【0047】
本実施形態では、足場板5が複数配置される(図2参照)。足場板5は、1~6枚を1セットとしてもよく、そのセットを複数準備して作業現場に搬入してもよい。そして、足場板5を連結させて、ストッパー63で足場板5の浮き上がりを防止する。
【0048】
隣り合う足場板5同士は、ジョイント構造5Hで連結させてもよい(図7(a)参照)。具体的に説明すると、図13に示すように、足場板5は、一方の長辺5aに沿った側面5cから外方に向かって突出した一対の第1爪部51を有してもよい。また、足場板5は、他方の長辺5aに沿った側面5cから外方に向かって突出した一対の第2爪部52を有してもよい。一対の第1爪部51は、一対の第2爪部52の間に嵌合可能である。これらの場合には、短辺方向5Bに配列した複数の足場板5が、相対する第1爪部51および第2爪部52によって互いに連結される。なお、第1爪部51および第2爪部52は、長辺方向5Aに沿って延びてもよい。
【0049】
足場板5は、短辺5bに沿った側面5dの下端から下方に向かって突出した第3爪部53を有してもよい。また、第2支持部3の長辺3aに沿った上部3cは、第3爪部53を係合可能な凹部3c1を有してもよい(図7(b)参照)。これらの場合には、第3爪部53を凹部3c1に係合させて、足場板5の長辺方向5Aの移動(横ズレ)を防止できる。
【0050】
なお、第3爪部53が突出する「側面5dの下端」は、側面5dの下端のみならず、その周辺の領域を含んでもよい。また、第3爪部53は、断面が鉤状であってもよい。第3爪部53は、足場板5の短辺方向5Bに沿って延びてもよい。凹部3c1は、第2支持部3の長辺方向3Aに沿って延びてもよい。
【0051】
図13および図14に示すように、足場板5の側面は、外方に向かって突出可能な手架54を有してもよい。手架54は、作業員の手指を掛けることが可能な部位である。足場板5の側面が手架54を有する場合には、足場板5を配置する際の作業性が高くなる。なお、手架54は、長辺5aに沿った側面5cに位置してもよい。また、手架54は、ジョイント構造5Hに内蔵されてもよい。
【0052】
足場板5の表面は、長辺方向5Aに沿って延びる複数の凹凸55を有してもよい(図14(g)参照)。この場合には、複数の凹凸55が滑り止めとして機能するため、足場板5の表面で作業員が滑るのを防止できる。
【0053】
足場板5は、アルミニウム製であってもよい。この場合には、吊り足場1がさらに軽量になる。なお、足場板5がアルミニウム製である場合には、足場板5は実質的にアルミニウム製であればよい。
【0054】
足場板5は、足場本体56およびカバー材57を有してもよい(図13(a)参照)。足場本体56は、アルミニウム製の押出形材からなる複数のホロー材56a(中空形材)で形成される。ホロー材56aは、長辺方向5Aに延びており、上記した第1爪部51および第2爪部52を有する。足場本体56は、複数のホロー材56aを短辺方向5Bに配列し、且つ、互いに嵌合して形成される。また、カバー材57は、足場本体56の長辺方向5Aにおける両端部に取り付けられる。カバー材57は、上記した第3爪部53を有する。カバー材57は、アルミニウム製である。
【0055】
本実施形態では、4枚のホロー材56aで足場本体56が形成される。また、足場本体56の長辺方向5Aにおける両端部にタッピングビスでカバー材57が取り付けられる。
【0056】
図9に示すように、第1支持部2は、矩形状の支持枠21と、支持枠21が有する4つの辺のうち2つの辺に架け渡される柱状の支持材22と、を有してもよい。また、図10に示すように、第2支持部3は、矩形状の支持枠34と、支持枠34が有する4つの辺のうち2つの辺に架け渡される柱状の支持材35と、を有してもよい。これらの場合には、第1支持部2および第2支持部3の強度を維持しつつ、第1支持部2および第2支持部3を軽量にできるため、吊り足場1がさらに軽量になる。また、第1支持部2および第2支持部3を作業員が把持しやすくなる。
【0057】
図9に示すように、支持枠21は、4つの辺として2つの長辺21a(上枠および下枠)と、2つの短辺21b(縦枠)を有する。支持材22は、2つの長辺21aの間、2つの短辺21bの間、長辺21aおよび短辺21bの間に架け渡されてもよい。例えば、2つの長辺21aの間に支持材22が架け渡される場合には、支持材22は、短辺21bと平行であってもよく、また、短辺21bに対して傾斜してもよい。支持材22は、トラス構造を形成するように、2つの長辺21aの間に架け渡されてもよい。
【0058】
図10に示すように、支持枠34も、支持枠21と同様に、4つの辺として2つの長辺34aおよび2つの短辺34bを有する。この支持枠34に対する支持材35の関係は、上記した支持枠21と支持材22の関係と同様である。
【0059】
支持材22、35の数は、1つであってもよく、また、複数であってもよい。支持材22、35の数が複数の場合には、支持材22、35のそれぞれの数は、2以上20以下であってもよい。
【0060】
なお、第1支持部2および第2支持部3は、足場板5を下方から支持する部材として機能する限り、例示した形状に限定されない。第1支持部2および第2支持部3は、例えば、矩形板状であってもよい。
【0061】
第1支持部2および第2支持部3は、アルミニウム製であってもよい。この場合には、吊り足場1がさらに軽量になる。なお、第1支持部2および第2支持部3がアルミニウム製である場合には、第1支持部2および第2支持部3は実質的にアルミニウム製であればよい。例えば、支持枠21、34および支持材22、35が、アルミニウム製の押出形材からなるホロー材で形成されてもよい。また、ジョイントリング32および筒部31aは、アルミニウム製であってもよい。ジョイント棒33は、スチール製、アルミニウム製、ステンレス製等であってもよい。第1筒部2d1および第2筒部3d1は、アルミニウム製、ステンレス製、スチール製等であってもよい。
【0062】
吊り足場1は、図2に示すように、第3支持部8をさらに備えてもよい。第3支持部8は、矩形状の部材である。より具体的には、図16に示すように、第3支持部8は、長辺8aおよび短辺8bを有する矩形状の部材である。第3支持部8は、長辺8aに沿った上部8c(上面)で足場板5を支持する。
【0063】
第3支持部8は、長辺方向8Aにおける両端部8dが互いに近づくように折り畳み可能である。また、第1支持部2の側部2e(側面)は、第3支持部8の長辺方向8Aにおける端部8dを取り付け可能な第3取付部2e1を有する(図9参照)。そして、足場板5は、第3支持部8の上にも配置される(図2参照)。
【0064】
これらの場合には、足場板5が、第1支持部2および第2支持部3に加えて第3支持部8の上にも配置されることから、足場板5の安定性が向上する。また、吊り足場1の強度も高くなる。
【0065】
第3支持部8は、図16に示すように、蝶番構造8H1によって折り畳み可能に構成されてもよい。この蝶番構造8H1としては、上記した蝶番構造3H1と同じ構造が挙げられる。すなわち、本実施形態では、第3支持部8が、矩形状の2つの支持片81と、2つの支持片81を連結するジョイントリング82と、を有する。ジョイントリング82は、外周面同士が互いに接続された一対の筒状の部材からなる。また、支持片81の短辺に沿った端部は、ジョイントリング82を挟むことが可能なように間隔をあけて向かい合う一対の筒部81aを有する。筒部81aの穴は、ジョイントリング82の穴と連通可能である。そして、第3支持部8は、筒部81aおよびジョイントリング82のそれぞれの穴に挿通されるジョイント棒83を2つ有する。
【0066】
第3取付部2e1の構成としては、第1取付部42および第2取付部43と同じ構成が挙げられる。すなわち、本実施形態の第3取付部2e1は、第3支持部8の長辺方向8Aにおける端部8dを取り付け可能な筒状の部位である(図9参照)。
【0067】
第3取付部2e1は、図8に示すように、第3支持部8の長辺方向8Aにおける端部8dを、蝶番構造8H2によって取り付け可能であってもよい。この蝶番構造8H2としては、上記した蝶番構造2H、3H2と同じ構造が挙げられる。すなわち、本実施形態では、端部8dが第3筒部8d1を有する。第3筒部8d1の穴は、第3取付部2e1の穴と連通可能である。吊り足場1は、第3筒部8d1および第3取付部2e1のそれぞれの穴に挿通される第3ジョイント棒73を有する。
【0068】
第3支持部8の数は、1つであってもよく、また、複数であってもよい。第3支持部8の数が複数の場合には、第3支持部8の数は、形成する吊り足場1の大きさに応じて所望の数に設定すればよい。
【0069】
第3支持部8の構成は、第2支持部3の構成と同じであってもよく、また、異なってもよい。本実施形態の第3支持部8の構成は、第2支持部3の構成と同じである。
【0070】
図9図10および図16に示すように、第1支持部2、第2支持部3および第3支持部8の長辺方向2A、3A、8Aにおける最大幅W2、W3、W8は、それぞれ800mm以上3000mm以下であってもよい。また、第1支持部2、第2支持部3および第3支持部8の短辺方向2B、3B、8Bにおける最大高さH2、H3、H8は、それぞれ250mm以上800mm以下であってもよい。第1支持部2、第2支持部3および第3支持部8の厚みD2、D3、D8は、それぞれ20mm以上70mm以下であってもよい。なお、第1支持部2の厚みD2は、第3取付部2e1を除いた値である。第1支持部2、第2支持部3および第3支持部8のそれぞれの寸法は、同じであってもよい。
【0071】
図13に示すように、足場板5の長辺方向5Aの最大長さL5は、800mm以上3000mm以下であってもよい。また、足場板5の短辺方向5Bの最大幅W5は、350mm以上1000mm以下であってもよい。足場板5の厚みD5は、20mm以上70mm以下であってもよい。なお、最大幅W5は、手架54を除いた値である。厚みD5は、カバー材57を除いた値である。
【0072】
図1に示すように、吊り足場1の側部には、側部足場103を立設してもよい。言い換えれば、吊り足場1は、側部に立設される側部足場103を備えてもよい。側部足場103は、吊り足場1の上で作業する作業員の安全を確保するとともに、作業足場104(作業棚)を取り付けることによって、作業員がこの作業足場104に上がって高架橋100の側面の補修工事等を行うことが可能となる。
【0073】
側部足場103は、支柱4を介して吊り足場1の側部に立設されてもよい。具体的に説明すると、側部足場103は、管状の柱105と、柱105を支柱4に取り付けるための取付金具106と、を有してもよい。柱105としては、例えば、単管等が挙げられる。取付金具106は、支柱4の第1取付部42に取り付けられてもよい。また、取付金具106は、蝶番構造によって第1取付部42に取り付けられてもよい。
【0074】
取付金具106は、図17に示すように、柱105を接続するためのジョイント107を有してもよい。ジョイント107は、棒状のジョイント本体108と、ジョイント本体108の上端に位置する棒状の柱外挿部109と、略J字形のピン110と、コイルばね111と、を有する。
【0075】
ジョイント本体108は、径方向に貫通する2つの貫通孔108a、108bを有する。柱外挿部109は、貫通孔108aから軸方向に沿った位置に開口する穴109aを有する。略J字形のピン110は、長軸部分がジョイント本体108の貫通孔108a、108bに挿通され、短軸部分が柱外挿部109の穴109aに挿入される。
【0076】
コイルばね111は、図17(b)に示すように、ジョイント本体108の内部に位置するピン110の長軸部分に外挿されており、ピン110を貫通孔108bの側(矢印B方向)に付勢する。この状態では、ピン110の長軸部分の先端部110aがジョイント本体108から突出し、短軸部分の先端部110bが柱外挿部109の穴109aに挿入される。
【0077】
ジョイント107に柱105を接続する場合には、図17(c)に示すように、コイルばね111の付勢力に抗してピン110の長軸部分の先端部110aを作業員の手指等で押し込んでピン110を矢印C方向にスライドさせ、短軸部分の先端部110bを柱外挿部109の穴109aから抜き出す。この状態で、柱外挿部109の外周面に柱105を外挿させる。このとき、柱105に形成された図示しない貫通孔を柱外挿部109の穴109aと一致させる。そして、図17(d)に示すように、ピン110を元の位置に復帰させる。これにより、ジョイント107に柱105を接続できる。柱105を取り外す場合は、ピン110を再びスライドさせて柱外挿部109から柱105を抜き出せばよい。
【0078】
側部足場103は、図1に示すように、足場板5から斜めに架け渡した支え棒112で補強されてもよい。言い換えれば、吊り足場1は、足場板5から側部足場103に斜めに架け渡される支え棒112を備えてもよい。
【0079】
支え棒112は、図18に示すように、クランプ113で固定されてもよい。クランプ113は、支え棒112を2つの挟持片で挟持した状態で、ボルトおよびナット等で締め付けるように構成されてもよい。
【0080】
吊り足場1は、クランプ113を足場板5に取り付ける基台114を備えてもよい。基台114は、吊り金具6を介して足場板5に取り付けられてもよい。また、クランプ113は、基台114の板部115に回動可能に取り付けられてもよい。これにより、支え棒112の傾斜角度を調整できる。
【0081】
<吊り足場設置方法>
次に、本発明の一実施形態に係る吊り足場設置方法について、詳細に説明する。
本実施形態の吊り足場設置方法は、上記した吊り足場1を用いた方法であって、第2支持部3を折り畳んだ状態から伸ばした状態にする工程と、伸ばした第2支持部3と、この第2支持部3に隣り合う第1支持部2の上に、足場板5を配置する工程と、を備える(図2および図3参照)。
【0082】
これらの場合には、第2支持部3を折り畳んだ状態から伸ばした状態にし、その上に足場板5を配置すれば吊り足場1を形成できることから、吊り足場1を簡単に設置できる。
【0083】
以上、本発明に係る実施形態について例示したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0084】
1・・・吊り足場
2・・・第1支持部
2a・・・長辺
2b・・・短辺
2c・・・上部
2d・・・端部
2d1・・・第1筒部
2e・・・側部
2e1・・・第3取付部
21・・・支持枠
21a・・・長辺
21b・・・短辺
22・・・支持材
2A・・・長辺方向
2B・・・短辺方向
2H・・・蝶番構造
3・・・第2支持部
3a・・・長辺
3b・・・短辺
3c・・・上部
3c1・・・凹部
3d・・・端部
3d1・・・第2筒部
31・・・支持片
31a・・・筒部
32・・・ジョイントリング
33・・・ジョイント棒
34・・・支持枠
34a・・・長辺
34b・・・短辺
35・・・支持材
3A・・・長辺方向
3B・・・短辺方向
3H1・・・蝶番構造
3H2・・・蝶番構造
4・・・支柱
41・・・支柱本体
41a・・・中心
42・・・第1取付部
42a・・・第1接続部
42b・・・中心
43・・・第2取付部
43a・・・第2接続部
43b・・・中心
44・・・凸部
4A・・・長手方向
5・・・足場板
5a・・・長辺
5b・・・短辺
5c・・・長辺に沿った側面
5d・・・短辺に沿った側面
51・・・第1爪部
52・・・第2爪部
53・・・第3爪部
54・・・手架
55・・・凹凸
56・・・足場本体
56a・・・ホロー材
57・・・カバー材
5A・・・長辺方向
5B・・・短辺方向
5H・・・ジョイント構造
6・・・吊り金具
61・・・リング部
62・・・芯棒
62a・・・突起
63・・・ストッパー
63a・・・切り欠き
63b・・・ツマミ
71・・・第1ジョイント棒
72・・・第2ジョイント棒
73・・・第3ジョイント棒
74・・・ワイヤー
75・・・リング
8・・・第3支持部
8a・・・長辺
8b・・・短辺
8c・・・上部
8d・・・端部
8d1・・・第3筒部
81・・・支持片
81a・・・筒部
82・・・ジョイントリング
83・・・ジョイント棒
8A・・・長辺方向
8B・・・短辺方向
8H1・・・蝶番構造
8H2・・・蝶番構造
100・・・高架橋
101・・・吊り具
102・・・桁
103・・・側部足場
104・・・作業足場
105・・・柱
106・・・取付金具
107・・・ジョイント
108・・・ジョイント本体
108a・・・貫通孔
108b・・・貫通孔
109・・・柱外挿部
109a・・・穴
110・・・ピン
110a・・・長軸部分の先端部
110b・・・短軸部分の先端部
111・・・コイルばね
112・・・支え棒
113・・・クランプ
114・・・基台
115・・・板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18