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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127553
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】駆動機構、および、車両
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/55 20100101AFI20230906BHJP
   B62M 6/70 20100101ALI20230906BHJP
   B62K 19/34 20060101ALI20230906BHJP
   B62K 25/28 20060101ALN20230906BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M6/70
B62K19/34
B62K25/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023026790
(22)【出願日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】10 2022 202 102.9
(32)【優先日】2022-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2022 206 431.3
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェンク ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ディルマン アドルフ
(72)【発明者】
【氏名】エルター アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ツィンマーマン クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハー クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘッティンガー ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フント ハラルト
(72)【発明者】
【氏名】ビンダー ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】キミッヒ ペーター
(72)【発明者】
【氏名】グエン クオク ダット
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ジグムント
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ランデンベルガー トビアス
【テーマコード(参考)】
3D014
3D212
【Fターム(参考)】
3D014DD05
3D014DF12
3D212BK00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ハウジングの内部での駆動ユニットの負荷技術的に好ましい保持が可能になる駆動機構を提供する。
【解決手段】本発明は、筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両の駆動機構(1)に関し、駆動ユニット(2)と、フレームインターフェース(3)とを含み、駆動ユニット(2)は少なくとも部分的にフレームインターフェース(3)の第1の壁部(31)と第2の壁部(32)との間に配置され、駆動ユニット(2)は貫通孔(20)を有し、駆動ユニット(2)の貫通孔(20)に両側で差し込まれた2つのスリーブ(41,42)と、貫通孔(20)および両方のスリーブ(41,42)に挿通され、駆動ユニット(2)を両方の壁部(31,32)の各々で保持する貫通ボルト(5)とを含んでいる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両(100)の駆動機構において、
駆動ユニット(2)と、
フレームインターフェース(3)とを含み、
前記駆動ユニット(2)は少なくとも部分的に前記フレームインターフェース(3)の第1の壁部(31)と第2の壁部(32)との間に配置され、
前記駆動ユニット(2)は貫通孔(20)を有し、
前記駆動ユニット(2)の前記貫通孔(20)に両側で差し込まれた2つのスリーブ(41,42)と、
前記貫通孔(20)および前記両方のスリーブ(41,42)に挿通され、前記駆動ユニット(2)を前記両方の壁部(31,32)の各々で保持する貫通ボルト(5)と、
を含んでいる駆動機構。
【請求項2】
前記両方のスリーブ(41,42)は前記貫通孔(20)の内部で互いに接触し、
前記貫通ボルト(5)は前記両方のスリーブ(41,42)に相互に応力をかける、請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
各々のスリーブ(41,42)はシャフト(43)とフランジ(44)とを有し、
前記シャフト(43)は少なくとも部分的に前記貫通孔(20)の内部に配置され、
前記フランジ(44)は前記貫通孔(20)の外部に配置される、請求項1または2に記載の駆動機構。
【請求項4】
各々のスリーブ(41,42)は、前記駆動ユニット(2)のほうを向いている前記フランジ(44)の側に配置された緩衝部材(45)を有し、
前記緩衝部材(45)は振動吸収性の材料で形成される、請求項3に記載の駆動機構。
【請求項5】
前記緩衝部材(45)は追加的に前記シャフト(43)を少なくとも部分的に取り囲む、請求項4に記載の駆動機構。
【請求項6】
前記緩衝部材(45)は前記フランジ(44)と向かい合う軸方向端部に軸方向と径方向で前記シャフト(43)から突出するシールビード(45a)を有する、請求項5に記載の駆動機構。
【請求項7】
前記シールビード(45a)は軸方向で前記スリーブ(41,42)の前記シャフト(43)の端面(43c)を越えて突出する、請求項6に記載の駆動機構。
【請求項8】
前記両方のスリーブ(41,42)は、前記貫通孔(20)の中へ完全に差し込まれた状態のとき、かつ応力のかかっていない状態のとき、前記貫通孔(20)の内部で前記両方のスリーブ(41,42)の間に事前定義された軸方向間隔(27)が存在するように設計される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項9】
事前定義される前記軸方向間隔(27)は、応力をかけられた状態にあるとき、前記貫通ボルト(5)により前記両方のスリーブ(41,42)に応力がかけられることによって、および前記緩衝部材(45)が弾性変形することによって、前記軸方向間隔(27)が補償されるように設計される、請求項8に記載の駆動機構。
【請求項10】
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は対応する前記壁部(31,32)のほうを向く側に多数の突出する形状接合部材(41c)を有し、
前記形状接合部材(41c)は、対応する前記壁部(31,32)とのねじ止めによって前記壁部(31,32)に圧入されるように構成される、請求項3から9までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項11】
前記フランジ(44)は2部分で構成され、フランジ本体(44a)と挿入リング(44b)とを含み、
前記フランジ本体(44a)は前記シャフト(43)とともに一体的なコンポーネントとして構成され、
前記形状接合部材(41c)は前記挿入リング(44b)に配置される、請求項10に記載の駆動機構。
【請求項12】
前記挿入リング(44b)は前記フランジ本体(44a)の溝(44c)の中に配置され、特に、前記挿入リング(44b)は軸方向の形状接合によって前記溝(44c)の中で保持される、請求項11に記載の駆動機構。
【請求項13】
前記フランジ本体(44a)と前記挿入リング(44b)はそれぞれ異なる材料で形成され、特に、前記挿入リング(44b)は前記フランジ本体(44a)よりも高い硬度を有する、請求項11または12に記載の駆動機構。
【請求項14】
各々の形状接合部材(41c)は前記フランジ(44)の表面(41f)から突出する角錐(41d)または円錐を有する、請求項10から13のいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項15】
各々の形状接合部材(41c)は前記角錐(41d)に隣接する凹部(41e)を前記フランジ(44)の前記表面(41f)に有する、請求項14に記載の駆動機構。
【請求項16】
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は径方向外側の端部に前記シャフト(43)のほうを向く側で先細部(41g)を有し、
前記先細部(41g)は前記緩衝部材(45)によって補償される、請求項3から15までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項17】
前記駆動ユニット(2)は、前記開口部(20a,20b)のうちの一方に対して同心的に配置された少なくとも1つの突出する環状リブ(2g)を有し、
特に、突出する前記環状リブ(2g)と前記スリーブ(41)の前記フランジ(44)の前記先細部(41g)とは前記貫通孔(20)の穴軸(20g)に関して同一の半径上に配置される、請求項16に記載の駆動機構。
【請求項18】
前記貫通ボルト(5)は前記第2の壁部(32)に取り付けられ、
前記貫通ボルト(5)は前記第1の壁部(31)で軸方向へ可動なように保持される、請求項1から17までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項19】
許容差補償部材(7)をさらに含み、
前記第1の壁部(31)は第1の壁開口部(31a)を有し、
前記許容差補償部材(7)はスリーブ状に構成され、前記第1の壁開口部(31a)の内部に配置され、
前記貫通ボルト(5)のボルト頭(53)またはボルトシャフト(53d)が前記許容差補償部材(7)の内部に配置される、請求項18に記載の駆動機構。
【請求項20】
前記許容差補償部材(7)は、すべり軸受ブッシュ(71)と、前記すべり軸受ブッシュ(71)を取り囲む緩衝カバー(72)とを有する、請求項19に記載の駆動機構。
【請求項21】
すべり軸受ブッシュ(71)とボルト頭(53)は、前記ボルト頭(53)が前記許容差補償部材(7)の内部に配置されたときに、前記ボルト頭(53)が前記すべり軸受ブッシュ(71)を径方向に拡張するように設計される、請求項20に記載の駆動機構。
【請求項22】
前記すべり軸受ブッシュ(71)はスリットを有するように構成される、請求項21に記載の駆動機構。
【請求項23】
前記すべり軸受ブッシュ(71)の前記スリット(77)は前記すべり軸受ブッシュ(71)の軸方向に関して斜めに構成される、請求項22に記載の駆動機構。
【請求項24】
前記緩衝カバー(72)は少なくとも1つのシールリップ(72a)を径方向外面に有し、
少なくとも1つの前記シールリップ(72a)は、前記許容差補償部材(7)が前記第1の壁開口部(31a)の中に配置されたときに、緩衝カバー(72)と第1の壁部(31)との間で軸方向の形状接合が成立するように構成される、請求項20から23までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項25】
前記緩衝カバー(72)は、前記貫通ボルト(5)の前記ボルト頭(53)が前記許容差補償部材(7)の内部に配置されたときに、少なくとも1つの前記シールリップ(72a)が径方向外側に向かって押し除けられるように構成される、請求項24に記載の駆動機構。
【請求項26】
前記すべり軸受ブッシュ(71)は少なくとも1つの軸方向端部に径方向外側に向かって突出する係止ラグ(78)を有する、請求項20から25までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項27】
前記貫通ボルト(5)は前記第2の壁部(32)に取り付けられ、
前記貫通ボルト(5)は前記両方のスリーブ(41,42)および前記第2の壁部(32)に相互に応力をかけ、
前記貫通ボルト(5)は保持部材(55)によって前記第1の壁部(31)で保持され、
前記保持部材(55)は前記貫通ボルト(5)を前記第1の壁部(31)で径方向に固定する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項28】
前記保持部材(55)は雄ねじ(55a)によって前記第1の壁部(31)の前記壁開口部(31a)の雌ねじ(31f)にねじ込まれ、
前記保持部材(55)は前記貫通ボルト(5)のボルト頭(53)が中で保持される保持開口部(55c)を有し、
前記保持開口部(55c)は前記第2の壁部(32)に向かう方向で拡張するように構成され、および/または、
前記貫通ボルト(5)の前記ボルト頭(53)は前記第1の壁部(31)に向かう方向で先細になるように構成される、請求項27に記載の駆動機構。
【請求項29】
前記保持部材(55)は前記第1の壁部(31)の前記壁開口部(31a)の中に配置され、
前記貫通ボルト(5)の前記ボルト頭(53)は雄ねじ(53c)を有し、
前記保持部材(55)は前記ボルト頭(53)の前記雄ねじ(53c)にねじ嵌めされ、
前記保持部材(55)は前記第2の壁部(32)に向かう方向で先細になる外套面(55b)を有し、および/または、
前記第1の壁部(31)の前記壁開口部(31a)は前記第2の壁部(32)に向かう方向で先細になるように構成される、請求項27に記載の駆動機構。
【請求項30】
各々のスリーブ(41,42)はプレス領域(43a)を有し、
前記プレス領域(43a)と前記貫通孔(20)の間にプレス嵌めが形成される、請求項1から29までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項31】
前記貫通孔(20)は前記貫通孔(20)の残りの部分よりも小さい内径を有するセンタリング領域(20a)を前記両方のスリーブ(41,42)のセンタリングのために中央に有する、請求項1から30までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項32】
前記貫通ボルト(5)はねじとして構成され、前記貫通ボルトは前記第2の壁部(32)の雌ねじ(32a)にねじ込まれる、請求項1から31までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項33】
前記貫通ボルト(5)はねじとして構成され、
前記貫通ボルト(5)は前記第2の壁部(32)に配置されたナット(51)にねじ込まれる、請求項1から31までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項34】
前記ナット(51)は前記第2の壁部(32)の切欠き(32b)の中で回り止めされて配置される、請求項33に記載の駆動機構。
【請求項35】
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は前記スリーブ(41,42)の前記シャフト(43)の壁厚(43h)に実質的に相当する厚み(41h)を有し、または、
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は前記スリーブ(41,42)の前記シャフト(43)の壁厚(43h)の少なくとも1.5倍に相当する厚み(41h)を有する、請求項3から34までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項36】
請求項1から35までのいずれか1項に記載の駆動機構(1)を含んでいる車両、特に筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両、好ましくは電動自転車。
【請求項37】
前記駆動ユニット(2)の従動軸(108)と結合されたチェーンホイール(106)をさらに含み、前記駆動機構(1)の前記第2の壁部(32)は前記チェーンホイール(106)の側に配置される、請求項36に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動機構に関し、および、駆動機構を含んでいる車両に関する。
【背景技術】
【0002】
フレームインターフェースの2つの壁部の間に保持された駆動ユニットを備えた駆動機構が知られている。駆動ユニットは、両方の向かい合う壁部とねじ止めされる。このとき通常、駆動ユニットと壁部のうちの一方との間の間隙が橋渡しされる。このことを可能にするために、たとえば間隙を橋渡しするために弾性的に変形する保持板が駆動ユニットに設けられていてよい。しかしこのことは、機械的負荷や駆動機構の密閉性に不都合な影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【0003】
それに対して、請求項1の構成要件を有する本発明による駆動機構は、ハウジングの内部での駆動ユニットの負荷技術的に好ましい保持が可能になるという特徴がある。これに加えて、特別に簡易で低コストな駆動機構の製造と組立が可能となる。このことは、駆動ユニットと、フレームインターフェースとを含む駆動機構によって実現される。駆動ユニットは、少なくとも部分的にフレームインターフェースの第1の壁部と第2の壁部との間に配置される。第1の壁部と第2の壁部は結合壁によって互いに結合されるのが好ましく、特に、それにより第1の壁部、第2の壁部、および結合壁が共同で一体的なU字型のフレームを形成する。駆動ユニットは貫通孔を有する。さらに駆動機構は、駆動ユニットの貫通孔に両側で、すなわち貫通孔の両方の端部で、差し込まれた2つのスリーブと、貫通孔および両方のスリーブに挿通される貫通ボルトとを含む。このとき貫通ボルトは、特に両方のスリーブを介して間接的に、両方の壁部の各々で駆動ユニットを保持する。
【0004】
換言するとこの駆動機構では、貫通ボルトが駆動ユニットに挿通されることによって駆動ユニットをフレームインターフェースで保持する挿通結合が意図される。それによって数多くの利点がもたらされる。第1に、それによってフレームインターフェースへの、またはこれからの、特別に簡易な駆動機構の組立と取外しを行うことができる。たとえば貫通ボルトを両方の壁部のうちの一方の側で操作することができ、すなわち、たとえば差し込んで回したり、引き出したりすることができる。このことは、電動自転車で適用される場合に制約される、チェーンホイールの側でのアクセス性に基づいて特別に好ましい。それに応じて貫通ボルトの操作性は、これと向かい合う側で意図されていてよい。さらに、比較的大きい直径を有する貫通ボルトを利用することで、特に横荷重に対して特別にロバストな結合を実現することができる。たとえば、それによってねじ結合のすべりも回避することができる。さらにスリーブによって、駆動ユニットの所望の負荷状態を最適に調整することができる。たとえばスリーブを相応に設計することで、特に貫通ボルトの長軸に関して駆動ユニットに軸方向力が作用しない、駆動ユニットのニュートラルな取付状態を提供することができる。その代替としてスリーブは、たとえば貫通ボルトにより応力がかけられることによって、駆動ユニットの弱い圧力負荷または強い圧力負荷が軸方向に作用するように設計されていてよく、このことは、流体侵入に対する駆動ユニットの密閉性に好ましく影響を及ぼすことができる。さらにスリーブは、特に駆動ユニットと、駆動ユニットをフレームインターフェースで保持する取付部材との拡大される接触面によって、駆動ユニットに対して作用する機械的な力の好ましい分配を可能にする。このことが特別に好ましいのは、駆動ユニットまたは駆動ユニットのハウジングがアルミニウムまたはマグネシウムで形成されている場合である。このときスリーブはたとえばこれよりも硬質の材料で、たとえば鋼材で、形成されていてよい。それにより、駆動ユニットまたはそのハウジングの損傷の危険性が低減された、特別に安定的な取付を提供することができる。さらにスリーブは、たとえばさまざまなフレームインターフェースおよび/またはフレームインターフェースのさまざまな許容度に合わせた、特別に簡易な適合性を提供する。
【0005】
従属請求項は、本発明の好ましい発展例を内容としている。
【0006】
両方のスリーブは貫通孔の内部で互いに接触するのが好ましい。このとき貫通ボルトによって、両方のスリーブが相互に応力をかけられる。スリーブが貫通孔の中で互いに接触することで、フレームインターフェースへの取付に起因して発生する可能性がある軸方向力をスリーブで受け止めることができ、それにより、駆動ユニットの機械的負荷が低減される。
【0007】
各々のスリーブは、シャフトとフランジとを有するのが好ましい。シャフトは中空円筒状に構成されるのが好ましく、フランジはシャフトの軸方向端部に配置され、シャフトよりも大きい外径を有するのが好ましい。このときシャフトは少なくとも部分的に貫通孔の内部に配置され、フランジは貫通孔の外部に配置される。特にフランジは、貫通孔を取り囲む駆動ユニットの端面に当接可能なように構成され、スリーブのシャフトの差込深さを正確に定義することができる。それにより、所望の機械的負荷を特別に簡易かつ正確に調整することができる。
【0008】
スリーブのフランジを、特にスリーブの軸方向に関して、さまざまに異なる厚みで提供可能であると特別に好ましい。たとえば第1の実施形態のスリーブのフランジは第1の厚みを有することができ、第2の実施形態のスリーブのフランジは第1の厚みの少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、特に少なくとも3倍である第2の厚みを有することができる。それにより、好ましくは貫通孔の軸方向に沿って測定される駆動機構の幅が、特別に簡易かつ低コストな方式で可変であるという利点がもたらされる。たとえばこのとき駆動機構の幅を、スリーブのフランジの厚みを変えることで、さまざまに異なる幅のフレームインターフェースに合わせて適合化することができ、それにより、駆動機構を特別にフレキシブルかつ低コストに利用することができる。
【0009】
各々のスリーブは、駆動ユニットのほうを向いているフランジの側に配置された緩衝部材を有するのが特別に好ましい。このとき緩衝部材は、振動吸収性の材料で形成される。緩衝部材はエラストマーで形成されるのが好ましい。このとき緩衝部材は弾性的な変形可能性によって、フランジと駆動ユニットの間である程度の緩衝作用を生成する。それにより駆動機構を簡易かつ低コストな方式で、緩衝部材が変形することによって、ないしは圧縮されるように部分的に押圧されることによって、駆動ユニットがたとえば貫通孔の軸方向でクリアランスなしに保持されるように設計することができる。これに加えて緩衝部材は、駆動ユニットとフレームインターフェースの間での振動や揺れの伝達を低減することができる。さらに緩衝部材は、スリーブと駆動ユニットの間でシール作用を惹起するという利点がある。
【0010】
緩衝部材は、追加的にシャフトを少なくとも部分的に、好ましくは全面的に、円周方向で取り囲むのが好ましい。このように特に緩衝部材は、シャフトおよびシャフトのほうを向いているフランジの側の押出被覆として構成される。このように緩衝部材は、フレームインターフェースへの駆動ユニットの振動工学的に最適化された取付という利点を提供する。このことは、ねじ止めの耐久性に特別に好ましく影響を及ぼす。特に振動吸収作用により、振動や揺れの伝達ならびに変化する動的負荷が、緩衝部材のばね作用による緩衝特性によって低減されるからである。このようにして、ねじ結合の変化する機械的負荷も低減もしくは防止され、それにより、高い耐久性を提供することができる。さらに、それによってたとえば不慮の騒音の発生も低減することができる。さらに緩衝部材はある程度の許容差補償も可能にする。さらに、たとえば駆動ユニットがマグネシウムからなるハウジングを有していて、スリーブがたとえばアルミニウムで形成される場合に、特に電解腐食などの腐食に対する追加的な保護という利点が得られる。さらに、駆動ユニットで軸方向と径方向のシール作用を提供することができる。
【0011】
緩衝部材は、フランジと向かい合う軸方向端部に、軸方向と径方向でシャフトから突出する、突出するシールビードを有するのが特別に好ましい。特に、シールビードは緩衝部材の残りの領域から軸方向と径方向に突出する。たとえば緩衝部材の軸方向端部の周りを環状に周回する緩衝部材の肉厚部が、シールビードであるとみなされる。特に両方のスリーブでそれぞれ緩衝部材に、1つの突出するシールビードが設けられる。このときシールビードは、流体侵入に対する改善された封止という利点を提供する。特にこのようにして、貫通孔の内部で互いに接触する2つのスリーブのシャフトの接触平面で、およびスリーブのシャフトの径方向外部で、スリーブの両方のシールビードが軸方向で相互に押圧されることによって封止が行われる。これに加えてシールビードは、貫通孔の内側円周によって径方向に押圧が行われるように設計されるのが好ましい。特にこのようにして、たとえばOリングなどの追加のシール部材を、貫通ねじとスリーブとの間で省略することができる。それによってコスト削減などの数多くの利点がもたらされる。スリーブの内面での厳密なシール輪郭が必要ないからである。さらに、駆動機構の簡易な組立が可能である。
【0012】
シールビードは軸方向で、フランジと向かい合うシャフトの端面を越えて突出するのが好ましい。特に、このような軸方向の突出は、確実な押圧およびこれに伴って封止を提供できるようにするために、シャフトの壁厚の少なくとも20%である。
【0013】
両方のスリーブは、貫通孔の中へ完全に差し込まれた状態のとき、かつ同時に応力のかかっていない状態のとき、貫通孔の内部で事前定義された軸方向間隔を相互において配置されるように設計されるのがさらに好ましい。換言すると、スリーブが応力をかけずに貫通孔に差し込まれたとき、これらの軸方向長さの合計は貫通孔の軸方向長さ全体よりも小さい。
【0014】
事前定義される軸方向間隔は、貫通ボルトによって惹起される、両方のスリーブが応力をかけられた状態にあるとき、緩衝部材の弾性変形に基づいて軸方向間隔が補償されるように設計されるのが好ましい。すなわち、スリーブが貫通孔の内部で互いに接触する。換言すると両方のスリーブは、応力をかけられた状態で、両方のスリーブが貫通孔の内部で互いに接触したときに、両方のスリーブのそれぞれの緩衝部材が弾性変形するように、特にフランジと駆動ユニットとの間で押圧されるように、設計される。それによって特に、駆動ユニットの事前定義された負荷状態を、事前定義された低い圧力負荷をもって容易に調整することができる。さらに、変形ないし押圧される緩衝部材による封止が確実に保証される。さらに、スリーブが互いに接触することによって、軸方向の機械的な力がスリーブを介して受け止められることが保証され、それにより、たとえば高いトルクでの貫通ボルトのねじ止めを、駆動ユニットの高すぎる機械的負荷が生じることなく可能にすることができる。それと同時に、それによって特別に安定したねじ止めを行うことができる。
【0015】
両方のスリーブのうちの少なくとも一方のフランジは、対応する壁部のほうを向く側に、多数の突出する形状接合部材を有するのが好ましい。これらの形状接合部材は、対応する壁部とのスリーブのねじ止めによって当該壁部に圧入されるために構成される。特に、形状接合部材は壁部に圧入されることで壁部の可塑変形を惹起し、特に、形状接合部材と可塑変形した壁部の領域とが、ねじ止め軸に対して垂直の平面で形状接合部を形成するようになっている。すなわちスリーブはフランジの表面に突出する形状接合部材を有し、これらの形状接合部材は、特に壁部表面の平面でマイクロ形状接合を生起するために、スリーブと壁部が相互にねじ止めされるとき部分的に壁部に食い込む。それにより、フレームインターフェースと駆動ユニットとの特別に固定的な結合を提供することができる。スリーブと壁部との間のすべりを、簡易な方式で確実に防止することができるからである。
【0016】
スリーブのフランジが2部分で構成され、フランジ本体と挿入リングとを含むのが特別に好ましい。このときフランジ本体は、スリーブのシャフトとともに共同で一体的なコンポーネントとして構成される。このとき形状接合部材は挿入リングに配置され、好ましくはこれにのみ配置される。すなわち形状接合部材を有する挿入リングは、残りのスリーブに対して別個のコンポーネントとして提供される。それにより、特に製造工学上の利点がもたらされる。スリーブと形状接合部材のジオメトリーや材料選択の点で、有意に向上するフレキシビリティが可能となるからである。挿入リングはフランジ本体に不動に固定されるのが好ましい。
【0017】
挿入リングは、フランジ本体の特に環状の溝の中に配置されるのが好ましい。それにより、形状接合部材を最善に位置決めするための、挿入リングとフランジ本体の簡易かつ正確に定義された相対的な配置がもたらされる。このとき挿入リングは、軸方向の形状接合によって溝の中で保持されるのが好ましい。すなわちスリーブの軸方向で、挿入リングとフランジ本体の少なくとも部分領域が互いにアンダーカットで係合して、挿入リングが溝の中で確実に保持されるようになる。たとえば軸方向の形状接合はフランジ本体のかしめの形態で、たとえば可塑変形した部分領域によって、形成されていてよい。このようにして、スリーブの簡易かつ低コストな製造を可能にすることができる。
【0018】
フランジ本体と挿入リングはそれぞれ異なる材料で形成されるのが好ましい。挿入リングがフランジ本体よりも高い硬度を有していると特別に好ましい。フランジ本体は、ならびに好ましくはスリーブのシャフトも、冷間成形に良好に適している鋼材で形成されるのが好ましい。
【0019】
それにより、スリーブの簡易かつ低コストな製造を可能にすることができる。挿入リングは硬化された鋼材で形成されるのがさらに好ましい。それにより、形状接合部材の特別に強固なジオメトリーを提供することができ、それによってその機能が特別に確実に実現される。
【0020】
各々の形状接合部材は、スリーブのフランジの表面から突出する角錐を有するのが好ましい。その代替として各々の形状接合部材は、たとえばスリーブのフランジの表面から突出する円錐を有する。換言すると、フランジの表面から突出する多数の角錐先端が形状接合部材として意図される。このとき角錐は先鋭に構成されるのが特別に好ましく、特に60°よりも小さい、好ましくは45°よりも小さい開口角を有し、それにより特別に容易に壁部へ食い込むことができる。形状接合部材としての先鋭な角錐を有するこのような種類の実施形態は、カーボンフレームに、すなわち繊維強化された、好ましくは炭素繊維強化された、プラスチックから少なくとも部分的に構成されるフレームインターフェースに、駆動ユニットがねじ止めされる場合に特別に好ましい。この場合、先鋭な角錐をカーボンの網目構造に、これを傷つけることなく食い込ませることができるという利点がもたらされる。特に、角錐が食い込むときに繊維が分断されるのではなく、これから逸れて、それぞれの角錐の周囲に位置することができる。
【0021】
各々の形状接合部材は、角錐に隣接する、たとえば角錐を包囲する凹部をフランジの表面に有するのがさらに好ましい。凹部は環状の溝として構成されるのが好ましい。単一の凹部がフランジの表面に構成されていてよく、これらの径方向の内面および/または外面に角錐が配置されるのが特別に好ましい。その代替として、角錐ごとに別個の凹部が構成されていてもよく、特に、凹部は角錐に直接的に隣接するように配置される。凹部によって、たとえば壁部に角錐が食い込むことによって押し除けられる壁部の材料を収容し、フランジの表面の壁部への確実かつ定義された当接を可能にすることができる。
【0022】
両方のスリーブのうちの少なくとも一方のフランジは、径方向外側の端部に先細部を有するのが好ましい。フランジは円板状に構成されるのが好ましい。このとき先細部は、シャフトのほうを向いているフランジの側に配置される。特に、特にスリーブの軸方向でのフランジの厚みの減少を、先細部とみなすことができる。特に先細部はフランジの最小の厚みと最大の厚みとの間の差異に相当し、この差異はスリーブのシャフトの壁厚の好ましくは少なくとも50%、好ましくは最大で150%に相当する。このときフランジの先細部は緩衝部材によって補償される。換言すると緩衝部材の厚みは、先細部の領域ではフランジの残りの領域よりも大きくなっている。軸方向での緩衝スリーブの全体厚みは、フランジの領域で一定であるのが好ましい。その代替として緩衝部材は径方向外側の端部に、シャフトのほうを向いている側に肉厚部を有することができるのが好ましい。フランジの先細部によって、およびこの領域で厚みを増す緩衝部材によって、緩衝スリーブと駆動ユニットの間で特別に良好なシール作用を可能にする、緩衝スリーブの比較的軟質のゾーンを当該領域で提供することができる。
【0023】
駆動ユニットは、両方の開口部に対して同心的に配置された少なくとも1つの突出する環状リブを有するのがさらに好ましい。環状リブは、円錐状または台形状の断面を有するのが好ましい。突出する環状リブと、スリーブのフランジの先細部とは、駆動ユニットの開口部の開口軸に関して同一の半径上に配置されるのが特別に好ましい。換言すると、突出する環状リブと、スリーブのフランジの先細部とは、駆動ユニットの開口部の径方向に関して同一の高さに配置される。このようにして突出する環状リブが、駆動機構の組立時に緩衝部材の比較的厚い領域へと最善に入り込むことができ、それにより、緩衝スリーブと駆動ユニットの間で特別に良好なシール作用を提供することができる。
【0024】
貫通ボルトは第2の壁部に取り付けられるのが好ましい。このとき貫通ボルトは、両方のスリーブと第2の壁部へ相互に応力をかける。特に貫通ボルトは、両方のスリーブをボルト頭と第2の壁部との間に挟み込む。このとき貫通ボルトは第1の壁部に軸方向へ可動なように保持される。貫通ボルトは第1の壁部に径方向で、特に実質的に不動に保持され、それは、たとえばこれが少なくとも部分的に第1の壁部の貫通開口部の内部に配置されることによる。それにより特別に簡易な方式で、両方の壁部を有するフレームインターフェースと駆動ユニットとの間での許容差補償を行うことができる。貫通ボルトの軸方向へ可動の保持は第1の壁部で浮動軸受として作用するのに対して、第2の壁部での取付は固定軸受として作用するからである。
【0025】
さらに、駆動機構は許容差補償部材を含むのがさらに好ましい。このとき、さらに第1の壁部は壁開口部を有する。許容差補償部材はスリーブ状に構成され、第1の壁開口部の内部に配置される。このとき貫通ボルトは、許容差補償部材の内部に配置されるボルト頭を有する。特に許容差補償部材は、壁開口部の径方向で、ボルト頭と第1の壁部との間にクリアランスなしの配置を可能にするために設けられる。その代替として好ましくは、貫通ボルトのボルトシャフトが許容差補償部材の内部に配置されていてよく、このケースでは、貫通ボルトは許容差補償部材とともに第1の壁部に対して相対的に軸方向へ可動であるのが好ましい。許容差補償部材が追加のコンポーネントとして提供されることで、許容差補償を特別に簡易な方式で正確に、そのつどの許容差状況に合わせて適合化して実行することができる。
【0026】
許容差補償部材はすべり軸受ブッシュと緩衝カバーとを有するのが特別に好ましく、緩衝カバーはすべり軸受ブッシュを取り囲む。たとえば緩衝カバーは、すべり軸受ブッシュを周方向で完全に取り囲む。その代替として好ましくは、緩衝カバーが1つまたは複数の切欠きを有することができる。このように、すべり軸受ブッシュは径方向内側に配置されるのが好ましい。それにより、ボルト頭と許容差補償部材との間の摩擦の少ないすべり接触が提供され、それにより、貫通ボルトと第1の壁部との間で意図されない軸方向の応力がかかるのを特別に高い信頼度で回避することができる。このとき緩衝カバーは、一方では第1の壁部とボルト頭との間の振動伝達を防止または低減し、他方では、壁開口部での許容差補償部材の確実な取付を保証する。緩衝カバーはエラストマーで形成されるのが好ましい。
【0027】
すべり軸受ブッシュとボルト頭は、ボルト頭が許容差補償部材の内部に配置されたとき、特に完全に応力がかかった状態のとき、ボルト頭がすべり軸受ブッシュを径方向に拡張するように設計されるのが好ましい。たとえばこのことは、ボルト頭とすべり軸受ブッシュとの間の相応の嵌め合いによって実現することができる。このときすべり軸受ブッシュは、駆動ユニットに向かう方向へと内側の円周で先細になるように構成されるのが好ましく、ボルト頭はこれよりも大きい直径を有する。それにより、許容差補償部材がボルト頭によって、第1の壁部の壁開口部の中へと径方向に圧入されることが実現され、それにより、特別に確実で固定的な保持が可能となる。さらに、それによって径方向の許容差をゼロまで低減することができる。
【0028】
すべり軸受ブッシュはスリットを有するように構成されるのが好ましい。それにより、径方向の拡張を特別に簡易かつ的確に惹起することができる。さらに、それによって壁開口部への許容差補償部材の圧入を容易にすることができる。
【0029】
すべり軸受ブッシュのスリットは、すべり軸受ブッシュの軸方向に関して、特に径方向からスリットを見たときに、斜めに配置されるのが好ましい。それにより、最善の均等な機械的支持を円周全体の周囲で、およびすべり軸受ブッシュの軸方向の長さ全体にわたって、提供することができる。
【0030】
緩衝カバーは少なくとも1つのシールリップを径方向外面に有するのが特別に好ましい。少なくとも1つのシールリップは、緩衝カバーの軸方向端部に配置されるのが好ましい。両方の軸方向端部に、それぞれ1つのシールリップが配置されるのが好ましい。このとき少なくとも1つのシールリップは、許容差補償部材が第1の壁開口部の内部に配置されたときに、緩衝カバーと第1の壁部との間で軸方向の形状接合が成立するように構成される。換言すると許容差補償部材は、シールリップによって第1の壁開口部の中へクリップ嵌めすることができる。それにより、許容差補償部材の特別に簡易で確実な保持を実現することができる。さらに、特別に信頼度の高いシール作用が第1の壁開口部で提供される。
【0031】
緩衝カバーは、貫通ボルトのボルト頭が許容差補償部材の内部にあるときに、少なくとも1つのシールリップがボルト頭によって径方向外側に向かって押し除けられるように構成されるのが特別に好ましい。このとき別のシールリップが許容差補償部材の径方向内側で突き出すのが好ましく、これがボルト頭によって径方向外側に向かって押圧され、そのようにして径方向外側のシールリップも外方に向かって押し除ける。これら両方のシールリップは、駆動ユニットのほうを向いている許容差補償部材の側に配置されるのが好ましい。それにより、シールリップが常に駆動ユニットの方向へ径方向外側に向かって位置することが保証される。たとえば、それによってシールリップの一部が摩擦力により内方に向かってすべり軸受ブッシュの方向に動くことがさらに防止される。
【0032】
すべり軸受ブッシュは少なくとも1つの軸方向端部に、好ましくは両方の軸方向端部に、径方向外側に向かって突出する係止ラグを有するのが好ましい。特に係止ラグは、すべり軸受ブッシュの円筒状の本体から径方向外側に向かって突出する。係止ラグにより、特にすべり軸受ブッシュの係止ラグと第1の壁部との間の形状接合によって、第1の壁部の壁開口部での許容差補償部材の確実な取付を可能にすることができる。すべり軸受ブッシュは、簡易な組立を可能にするために、組立時にスリットによって圧縮することができるのが好ましい。係止ラグは、すべり軸受ブッシュの円周全体の周りに延びることができるのが好ましく、またはその代替として、円周の一部にわたってのみ延びるのが好ましい。
【0033】
貫通ボルトは、特にねじ結合によって、第2の壁部に取り付けられるのが好ましい。このとき貫通ボルトは、両方のスリーブおよび第2の壁部へ相互に応力をかける。さらに貫通ボルトは第1の壁部で、保持部材によって保持される。このとき保持部材は貫通ボルトを第1の壁部で径方向に固定する。特に保持部材は、第1の壁部の壁開口部に対して相対的に貫通ボルトをセンタリングする。換言すると保持部材によって、第1の壁部での貫通ボルトのための径方向の許容差補償を提供する追加のコンポーネントが設けられる。それにより、特別に正確な取付を最小の許容差をもって可能にすることができる。
【0034】
保持部材は雄ねじを有するのが好ましく、この雄ねじによって保持部材が、第1の壁部の壁開口部の雌ねじにねじ込まれる。さらに保持部材は、貫通ボルトのボルト頭が中で保持される保持開口部を有する。このとき保持開口部は、第2の壁部に向かう方向に拡張していくように構成される。その代替または追加として貫通ボルトのボルト頭は、第1の壁部に向かう方向に先細になるように構成される。壁開口部の拡張部および/またはボルト頭の先細部は円錐状に構成されるのが好ましい。壁開口部とボルト頭が両方とも拡張ないし先細になるように構成されるケースについては、これらが同一の円錐角を有するのが好ましい。拡張部ないし先細部によって、第1の壁部での貫通ボルトの径方向の固定を特別に簡易な方式で正確に行うことができ、特に、第1の壁開口部に対して相対的に正確なセンタリングが追加的に実現されるようになる。
【0035】
貫通ボルトのボルト頭は第1の壁部の壁開口部の中に配置されるのが好ましい。このときボルト頭は雄ねじを有するのが特別に好ましく、この雄ねじの上に保持部材が、特に保持部材の雌ねじによって、ねじ嵌めされる。このとき保持部材は、第2の壁部に向かう方向で先細になるように外套面を有する。その代替または追加として第1の壁部の壁開口部は、第2の壁部に向かう方向で先細になるように構成される。外套面および/または壁開口部の先細部は、円錐状の先細部として構成されるのが好ましい。保持部材の外套面と壁開口部とがいずれも先細になるように構成されるケースについては、相応の円錐状の先細部が同一の円錐角を有するのが好ましい。(複数の)先細部によって、第1の壁部での貫通ボルトの径方向の固定を、ボルト頭への保持部材のねじ嵌めによって特別に簡易な方式で正確に行うことができ、特に、壁開口部に対して相対的なボルトの正確なセンタリングが保持部材によって追加的に実現されるようになる。
【0036】
保持部材はプラスチックで形成され、および/またはボルト頭との接触面にゴム部材および/またはプラスチック部材を有するのが好ましい。それにより、駆動機構が作動するときの騒音発生、たとえばきしみ音を防止することができる。
【0037】
各々のスリーブはプレス領域を有するのがさらに好ましい。このときプレス領域と貫通孔との間に、プレス嵌めが形成される。このようにして、特別に高い信頼度で定義された保持と力伝達がスリーブと駆動ユニットの間で可能となる。
【0038】
プレス領域は、特に直接的に、フランジに隣接するように配置されるのが好ましい。このとき各々のスリーブのシャフトは、プレス領域よりも小さい外径を有する先細領域を追加的に有する。このように、特に先細領域はフランジと向かい合うほうのプレス領域の側に配置される。それにより、貫通孔の中へのスリーブの簡易な差込を可能にするために、先細領域を駆動ユニットの貫通孔の中へ簡易に軽い動作で挿入できることが可能となる。
【0039】
貫通孔は、貫通孔の中央に配置され、貫通孔の残りの部分よりも小さい内径を有するセンタリング領域を有するのが好ましい。センタリング領域は、特にそれぞれの先細領域によって、貫通孔の内部で両方のスリーブをセンタリングするために意図される。このとき各々の先細領域とセンタリング領域との間で遊び嵌めが形成されるのが好ましく、それにより、軽い動作でのスリーブの差込が可能であり、その一方で、両方のスリーブの最善のアライメントのために、センタリング領域が貫通孔の中で正確に中央にアライメントされる。
【0040】
貫通ボルトがねじとして構成されて、第2の壁部の雌ねじにねじ込まれるのが特別に好ましい。それにより、特別に簡易で低コストな、かつ少ないコンポーネントに基づいて軽量である駆動機構を提供することができる。
【0041】
貫通ボルトがねじとして構成されて、第2の壁部に配置されたナットにねじ込まれるのが好ましい。それにより、特別にロバストなねじ止めを提供することができる。たとえば貫通ボルトとナットを、フレームインターフェースよりも硬質の材料で構成することができるからである。たとえば鋼材からなる貫通ボルトとナットを利用することで、特別に高いトルクをねじ止めのために適用することができる。さらに、雌ねじが損傷したケースではナットの容易な交換を行うことができる。さらにナットの利用は、それが径方向で設定されるクリアランスによって、第1の壁部の壁開口部に対して相対的な許容差補償となり、そのようにして常に正確に一直線上に並ぶという別の利点がある。
【0042】
ナットは第2の壁部の切欠きの中で回り止めされて配置されるのが好ましい。このときたとえばナットと切欠きは、たとえば特に第2の壁部を通る貫通開口部の軸に関して接線上の面取りの形態で、非円形のジオメトリーを有することができる。それにより、駆動機構の特別に簡易な組立を可能にすることができる。
【0043】
少なくとも1つのスリーブのフランジは、特にスリーブの長手方向に対して平行の方向で、特に径方向でのシャフトの壁厚に実質的に等しい、事前決定された厚みを有するのがさらに好ましい。その代替として、少なくとも1つのスリーブのフランジは、特にスリーブの長手方向に対して平行の方向で、特に径方向でのシャフトの壁厚の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、特別に好ましくは少なくとも3倍である、事前決定された厚みを有するのが好ましい。そのようにして、さまざまに異なる幅のフレームインターフェースに合わせた適合化を特別に簡易かつ低コストな方式で可能にする、駆動機構の可変の幅を提供することができる。
【0044】
駆動ユニットは、モータおよび/または伝動装置を有するのが好ましい。このときフレームインターフェースの各壁部の間での特別な配置と保持によって、駆動ユニットの長期の耐用寿命を可能にするために、好ましい機械的な力配分をもって最善の確実な結合を提供することができる。さらに、駆動機構の少ない重量を簡易かつ低コストな方式で可能にすることができる。
【0045】
さらに本発明は、上述した駆動機構を含んでいる車両、好ましくは筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両、好ましくは電動自転車へとつながる。フレームインターフェースは、たとえば車両の車両フレームの一部であってよい。
【0046】
車両は車両フレームを含むのが好ましい。このとき駆動機構のフレームインターフェースは車両フレームの一体化された構成要素であり、すなわち、車両フレームはフレームインターフェースとともに一体的なコンポーネントとして構成され、駆動ユニットは好ましくは直接的に、すなわち特に間に介在する追加のコンポーネントなしに、フレームインターフェースと結合される。その代替として好ましくは駆動機構のフレームインターフェースは、および/またはフレームインターフェースの壁部のうちの一方もしくは両方は、車両フレームに対して別個のコンポーネントとして構成されて、車両フレームと結合され、好ましくはねじ止めされる。このように、たとえばフレームインターフェースへの駆動ユニットの間接的な取付を行うことができる。
【0047】
さらに車両は、駆動ユニットの従動軸と結合されたチェーンホイールを含むのが特別に好ましい。このとき駆動機構の第2の壁部はチェーンホイールの側に配置される。特に、第2の壁部では取付部が固定軸受として構成され、第1の壁部では取付部が浮動軸受として構成される場合、それによって最善の直接的な力伝達を駆動ユニットとチェーンホイールとの間で行うことができる。さらに、チェーンホイールの正確な位置決め、すなわち正確なチェーンラインが保証される。
【0048】
次に、図面との関連で実施例を参照しながら本発明について説明する。以下において、機能的に同じコンポーネントはそれぞれ同じ符号で表されている。図面は次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の第1の実施例に基づく駆動機構を有する車両を示す簡略化した模式図である。
図2A図1の駆動機構を完全にねじ止めされた状態で示す断面図である。
図2B】ねじ止めされる前の図1の駆動機構を示す断面図である。
図3図2Aの詳細図である。
図4図2Aの駆動機構の組立を示す斜視詳細図である。
図5】本発明の第2の実施例に基づく駆動機構の許容差補償部材を示す斜視詳細図である。
図6】本発明の第3の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図7】本発明の第4の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図8】本発明の第5の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図9】本発明の第6の実施例に基づく駆動機構の詳細図である。
図10図9の詳細断面図である。
図11】本発明の第7の実施例に基づく駆動機構を示す詳細断面図である。
図12図11の駆動機構を示す別の詳細断面図である。
図13】本発明の第8の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図14】本発明の第9の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図15】本発明の第10の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図16】本発明の第11の実施例に基づく駆動機構を示す断面図である。
図17】本発明の第12の実施例に基づく駆動機構を示す詳細断面図である。
図18】本発明の第12の実施例に基づく駆動機構を示す別の詳細断面図である。
図19】本発明の第13の実施例に基づく駆動機構を示す詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1は、本発明の第1の実施例に基づく駆動機構1を含む、筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両100の簡略化した模式図を示している。この車両100は電動自転車である。駆動機構1はボトムブラケットの領域に配置されており、駆動ユニット2を含んでいる。駆動ユニット2は電気モータと伝動装置とを含んでおり、電気モータで生成されるトルクによって、筋力で生成される運転者の踏力をアシストするために意図される。ここでは駆動ユニット2は、電気エネルギー蓄積器109から電気エネルギーの供給を受ける。
【0051】
第1の実施例の駆動機構1が、図2Aの断面図に示されている。駆動機構1はU字型のフレームインターフェース3を含んでいて、その内部に駆動ユニット2が部分的に収容されている。フレームインターフェース3は、車両100の車両フレーム105の一体的な構成要素である(図1参照)。ここではフレームインターフェース3は第1の壁部31と第2の壁部32とを有していて、これらの間に駆動ユニット2が配置されている。第1の壁部31と第2の壁部32は結合壁部33を介して互いに結合されており、それに伴って共通の一体的なコンポーネントを形成する。
【0052】
駆動ユニット2は、以下に詳しく説明するとおり、挿通ねじ止めによってフレームインターフェース3に取り付けられる。
【0053】
詳細には駆動ユニット2は、駆動ユニット2を横方向で完全に貫通する貫通孔20を有している。特に貫通孔20は、好ましくはアルミニウムまたはマグネシウムで形成される、駆動ユニット2のハウジングに構成される。駆動ユニット2のハウジングは2部分で構成されていてよく、ハウジングシール材2cが両方のハウジング半体2a,2bの間に配置される。
【0054】
貫通孔20には2つのスリーブ41,42が差し込まれている。ここでは両方のスリーブ41,42はそれぞれ一方の側を起点として、すなわち貫通孔20の1つの軸方向端部で、貫通孔20に差し込まれている。スリーブ41,42は、アルミニウムまたは鋼材で形成されるのが好ましい。
【0055】
各々のスリーブ41,42は、実質的に中空円筒状に構成された、貫通孔20に差し込まれるシャフト43と、フランジ44とを有している。フランジ44は貫通孔20の外部に配置され、シャフト43よりも大きい外径を有している。
【0056】
ここではシャフト43は、フランジ44に直接的に隣接して配置されたプレス領域43aを有している。ここではプレス領域43aは、プレス領域43aと貫通孔20との間でプレスフィットすなわちプレス嵌めが形成されるように構成されている。
【0057】
貫通孔20の中央部に、貫通孔20の内径が先細になる先細領域20aが形成されている。先細領域20aとスリーブ41,42との間では、好ましくは遊び嵌めが形成される。それにより、先細領域20aがスリーブ41,42のセンタリングを惹起し、そのようにして、スリーブ41,42の特別に正確な配置を惹起する。
【0058】
両方のスリーブ41,42は、簡易かつ低コストな製造のために、同一に構成されるのが好ましい。
【0059】
スリーブ41,42の、特にそれぞれシャフト43の、軸方向の長さは、スリーブ41,42が(あとで説明するとおり)差し込まれて完全にねじ止めされた状態にあるとき、貫通孔20の内部で互いに接触するように設計される。
【0060】
さらに駆動機構1は、貫通孔20および両方のスリーブ41,42に挿通された貫通ボルト5を含んでいる。貫通ボルト5はねじとして構成されており、一方の軸方向端部にボルト頭53を有するとともに他方の軸方向端部に雄ねじ54を有しており、雄ねじ54は貫通ボルト5の部分領域にわたってのみ延びている。
【0061】
雄ねじ54により、第2の壁部32にあるナット51に貫通ボルト5がねじ込まれている。ここではボルト頭53は第1の壁部31の側にあり、特に、第1の壁部31の外面に当接する。
【0062】
貫通ボルト5と、スリーブ41,42の内側の貫通開口部との間で、簡易な挿通を可能にするために、それぞれ遊び嵌めが形成されるのが好ましい。各々のスリーブ41,42の内部の貫通ボルト5の領域には、スリーブ41,42の内部への、および貫通孔20の内部への、流体侵入を回避するために、それぞれシール材が、たとえばOリングシール材56が、貫通ボルト5とスリーブ41ないし42との間に配置されるのが好ましい。
【0063】
ここでは貫通ボルト5は、貫通ボルト5の軸方向で第2の壁部32に向かって両方のスリーブ41,42に応力をかけるようにねじ込まれている。このとき、このように応力がかかることが、両方のスリーブ41,42のフランジ44の間で軸方向に駆動ユニット2への圧力負荷につながらないことが、または厳密に定義された圧力負荷にしかつながらないことが、スリーブ41,42により保証される。特に、両方のスリーブ41,42によって駆動ユニット2の引張負荷が回避される。
【0064】
このとき駆動機構1の特別な挿通ねじ止めが数多くの利点を提供する。たとえば貫通ボルト5の利用は、駆動ユニット2の特別にロバストな取付を可能にする。特に、ねじ止めを高いトルクで行うことができる。このときスリーブ41,42によって高い圧縮力が受け止められることで、駆動ユニット2の許容されない高い機械的負荷を特別に高い信頼度で回避することができる。さらに、たとえばスリーブ41,42が適合化されることで、駆動機構1の許容差状況を定義されたとおりに簡易かつ低コストに調整することができる。さらに、挿通ねじ止めにより特別に簡易な駆動機構1の組立が可能となる。貫通ボルト5の差込とねじ込みのための貫通ボルト5の操作を一方の側からだけで、すなわち第1の壁部31の側からだけで、実行することができるからである。このことは特に、第2の壁部32の側でアクセス性に制約がある場合に、たとえばこの側にチェーンホイール106(図1参照)がある場合に、好ましい。
【0065】
これに加えて各々のスリーブ41,42は、弾性的で振動吸収性の材料で形成された緩衝部材45を含んでいる。特に、緩衝部材45はエラストマーで形成される。ここでは詳細にはシャフト43とフランジ44のそれぞれ径方向外側の外面と、駆動ユニット2のほうを向いているフランジ44の側とが、緩衝部材45で覆われ、ないしは被覆される。このように緩衝部材45は、スリーブ41,42の押出被覆の形態で構成されるのが好ましい。
【0066】
さらに、スリーブ41,42のシャフト43の軸方向の長さは、貫通孔20へ完全に差し込まれて、貫通ボルト5でまだ応力をかけられていない状態のとき、図2Bに示すように、事前定義された軸方向間隔27すなわち間隙が、貫通孔20の内部で両方のスリーブ41,42の間に生じるように構成されている。ここで着目しているのは、両方のスリーブ41,42が応力をかけられてはいないが、各々のスリーブ41,42の各々のフランジ44の領域で緩衝部材45が駆動ユニット2に当接している状態である。特にこのとき、両方のシャフト43の軸方向の長さは、貫通孔20の軸方向の長さの半分よりも、事前決定された差異の分だけ小さくなっており、事前決定されるこの差異は、フランジ44の領域における緩衝部材45のうちの1つの厚みの2倍よりも小さい。
【0067】
図2Aに示す完全にねじ止めされた状態では、第1の壁部31と第1のスリーブ41との間に事前定義された間隙29が存在する。
【0068】
両方のスリーブ41,42および貫通孔20の長さがこのように特別に調整されることで、フランジ44と駆動ユニット2との間にそのつど位置する、各々のスリーブ41,42の緩衝部材45の部分が、フランジ44と駆動ユニット2との間で貫通ボルト5によって応力をかけられることで部分的に押圧され、ないしは挟み込まれ、それによって弾性変形することが実現される。
【0069】
緩衝部材45は、および、応力をかけられていない状態で軸方向間隔を有するスリーブ41,42の相応の設計は、応力をかけられた状態のとき駆動ユニット2に対して僅少な圧力負荷が及ぼされることにつながる。このことは、駆動ユニット2そのものの密閉性に好ましく影響し得る。さらに、緩衝部材45が弾性変形することで、スリーブ41,42と駆動ユニット2との間で特別に高い信頼度の封止が可能となる。
【0070】
さらに図1には、チェーンホイール106と回転不能に結合された従動軸108が示されている。ここでは従動軸108は、一方では運転者の筋力によって、および他方では駆動ユニット2のモータ力によって、駆動可能である。ここではチェーンホイール106は第2の壁部32の側にある。それにより、すでに上で述べたとおり、好ましいアクセス性と簡易化された駆動機構1の組立がもたらされる。さらにそれにより、従動軸108とフレームインターフェース3の間での直接的な力伝達という利点が得られ、チェーンホイール側では機械的な力が高くなることから、直接的でロバストな結合によって、第2の壁部32で特別に良好にこれを受け止めることができる。さらに、それにより従動軸108の軸方向に関して、フレームインターフェース3に対して相対的に、チェーンホイール106の定義された姿勢が保証され、このことは、チェーンラインが高い信頼度で正確に配置されるという利点をもたらす。
【0071】
さらに、駆動ユニット2とフレームインターフェース3が緩衝部材45を介して結合されることで、駆動ユニット2が車両100に振動遮断式に保持されるという利点が得られる。車両100の作動時の騒音の低減に好ましく影響する、音響振動の伝達の防止または低減に加えて、機械的な振動の伝達も低減または防止される。それにより、このような種類の振動がねじ止めに及ぼす有害な作用を防止または低減することができる。すなわち、ねじ止めの緩みや締め直しを防止または低減することができる。さらに、緩衝部材45そのものの弾性によって、たとえば穴や開口部などの同軸性の観点から、ある程度の許容差補償を行うことができる。
【0072】
これに加えて第1の壁部31では、軸方向へ可動の貫通ボルト5の保持が意図される。ここでは貫通ボルト5のボルト頭53は、第1の壁部31の壁開口部31aの内部にある。このように第1の壁部31の変形が意図されるのではなく、特別に剛性が高くロバストなフレームインターフェース3を提供することができる。
【0073】
軸方向へ可動の保持は、許容差補償部材7によって実現される。許容差補償部材7によるこのような保持が、図3に拡大して示されている。ここでは許容差補償部材7は、中空円筒状のすべり軸受ブッシュ71と緩衝カバー72とを含んでいる。緩衝カバー72は特に弾性材料で、好ましくはエラストマーで、構成される。ここでは緩衝カバー72は、すべり軸受ブッシュ71の径方向外側を実質的に完全に取り囲んでおり、たとえば(図示しない)切欠きが緩衝カバー72に設けられていてもよい。これに加えて緩衝カバーは、すべり軸受ブッシュ71の両方の軸方向の端面を少なくとも部分的に覆う。すべり軸受ブッシュ71は径方向内側では露出しており、それにより、ボルト頭53が許容差補償部材7に対して相対的に少ない摩擦をもって軽い動作で動くことができる。
【0074】
すべり軸受ブッシュ71は、円周方向に沿って中実材料で構成されていてよいのが好ましく、またはその代替としてスリットを入れて構成されていてよく、すなわち軸方向に長手方向スリットを有する。これら両方のケースにおいてすべり軸受ブッシュ71は、貫通ボルト5がねじ込まれ、それによりボルト頭53がすべり軸受ブッシュ71に食い込むことですべり軸受ブッシュ71が径方向で拡張され、それによって許容差補償部材7と壁開口部31aとの間でプレス嵌めが生じるように構成されるのが好ましい。それにより、径方向でクリアランスのないボルト頭53の保持を壁開口部31aの内部で可能にすることができる。
【0075】
ここでは第1の壁部31と第1のスリーブ41との間の間隙29は、ねじ止めされていない状態のときにも完全にねじ止めされた状態のときにも存在する(図2Aおよび3を参照)。
【0076】
ボルト頭53は、スリーブ41のほうを向く側に、貫通ボルト5の差込とねじ込みを容易にする挿入斜面53a(図3参照)を有するのが好ましい。
【0077】
緩衝カバー72は両方の軸方向端部に、径方向内側に向かっても径方向外側に向かっても突出するリップとして構成されたシールリップ72aをそれぞれ有している。このとき緩衝カバー72の弾性により、貫通ボルト5がねじ込まれるときに、シールリップ72aがボルト頭53によって径方向外側に向かって押し除けられる。それにより、確実で定義された封止が第1の壁部31と許容差補償部材7との間で、ならびにボルト頭53と許容差補償部材7との間で、もたらされる。さらにシールリップ72aは、第1の壁部31と許容差補償部材7との軸方向の形状接合を惹起する。それにより、第1の壁部31に対して相対的に許容差補償部材7の確実で定義された配置が保証される。
【0078】
許容差補償部材7は、図4に示すように、第1の壁部31の壁開口部31aの中へ駆動ユニット2が配置される前に、外から、すなわちフレームインターフェース3の外部から、特にシールリップ72aによる僅少な形状接合によってクリップ嵌めされて、差し込むことができるのが好ましい。
【0079】
これに加えて第1の実施例では貫通ボルト5のねじ止めは、第2の壁部32でナット51によって構成される。ここでは貫通ボルト5は、第2の壁部32でナット51にねじ込まれる。ナット51は、高いトルクでの特別に固定的なねじ止めを可能にするために、好ましくは貫通孔5と同じく、鋼材で形成されていてよいのが好ましい。
【0080】
ここではナット51は、第2の壁部32の切欠き32bの中に回り止めされて配置されている。切欠き32bは、第2の壁部32を貫通する円形の第2の壁開口部32cの、外側に位置する径方向の拡張部であるのが好ましい。図4に見られるとおり、切欠き32bは向かい合う2つの面取り32dを有しており、すなわち、接線方向に配置された直線状の平行の2つの壁部を有している。ナット51は、2つの向かい合う面取り51aを含む対応するジオメトリーを有している。ここでは面取り32d,51aは、たとえば貫通ボルト5がねじ込まれるときにナット51が第2の壁部32の中で回転できないことを惹起し、それにより、駆動機構1の特別に簡易で迅速な組立が可能となる。
【0081】
さらにナット51は、断面で見てT字型に構成されている。それにより、貫通ボルト5との固定的で確実なねじ止めを可能にするために、駆動機構1全体の最善のコンパクト性のもとで、最大のねじ山長さを提供することができる。
【0082】
図5は、本発明の第2の実施例に基づく駆動機構1の許容差補償部材7の斜視詳細図を示している。第2の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、許容差補償部材7のすべり軸受ブッシュ71が代替的な構成を有するという相違がある。ここではすべり軸受ブッシュ71が図5の斜視図に示されている。
【0083】
このすべり軸受ブッシュ71は、実質的に中空円筒状のすべり軸受ブッシュ71を軸方向と径方向で完全に貫通する長手方向スリット77を有している。長手方向スリット77は、すべり軸受ブッシュ71の長軸70に関して斜めに配置されており、すなわち、長軸70の平面に対して径方向に投影したときに長軸70に対して好ましくは少なくとも5°、好ましくは最大で45°の角度で配置される線に沿って延びている。それにより、すべり軸受ブッシュ71の円周全体の周りで最善の機械的な支持を提供することができる。たとえばボルト頭53と第1の壁部31との間に投影された載置面の断絶がなく、もしくは僅少な断絶しかないからである。このことは、たとえばフレームインターフェース3に対して相対的な駆動ユニット2の改善された同軸の位置精度を可能にすることができる。
【0084】
さらに、図5のすべり軸受ブッシュ71は各々の軸方向端部の外側円周に、それぞれ係止ラグ78を有している。係止ラグ78は、すべり軸受ブッシュ71の外側円周から突出する部材として構成されており、第1の壁部31とのいっそう強力な形状接合を惹起する(これに関しては図3も参照)。図5に見られるとおり、図示している両方の係止ラグ78のそれぞれが長手方向スリット77に直接的に隣接しており、両方の係止ラグ78は周方向に関して、長手方向スリット77の互いに向かい合う側に配置されている。両方の係止ラグ78の各々は、すべり軸受ブッシュ71の円周の一部にわたってのみ延びている。さらに別の(図示しない)係止ラグ78がすべり軸受ブッシュ71の円周の周りに配分されて設けられていてよいのが好ましい。
【0085】
さらに、図5のすべり軸受ブッシュ71は各々の軸方向端部に、実質的にU字型に構成されてすべり軸受ブッシュ71を径方向で完全に貫通する、円周の周りで配分された複数の切欠き79を有している。これらの切欠き79により、すべり軸受ブッシュ71の外側円周にある緩衝部材72の層を径方向内側の層と結合する、緩衝部材72の材料をいっそう多く利用することができる。それにより、すべり軸受ブッシュ71と緩衝部材72との最善の結合を成立させることができる。
【0086】
すべり軸受ブッシュ71の内側円周にある段部71bによって、すべり軸受ブッシュ71と緩衝部材72との結合がいっそう最適化される。ここでは段部71bは、摺動面71aを起点とするすべり軸受ブッシュ71の内径の拡大部として設けられている。すなわち、すべり軸受ブッシュ71の軸方向端部にそれぞれ1つがある段部71bに、緩衝部材72の径方向内側の領域が配置されていてよい。
【0087】
図6は、本発明の第3の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第3の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、緩衝部材45がそれぞれのスリーブ41,42のフランジ44にのみ配置されているという相違がある。すなわち緩衝部材45はそれぞれ円板状に構成されており、駆動ユニット2のほうを向いているフランジ44の側と、駆動ユニット2との間にのみ配置されている。
【0088】
図7は、本発明の第4の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第4の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、許容差補償部材に代えて保持部材55が第1の壁部31に設けられるという相違がある。保持部材55は、図1から4の許容差補償部材とは異なり、軸方向での不動のボルト頭53の保持を惹起する。さらに保持部材55は、径方向で全面的にクリアランスのない第1の壁部31でのボルト頭53の固定を惹起する。
【0089】
ここでは保持部材55は、第1の壁部31の壁開口部31aの雌ねじ31fにねじ込み可能なナットとして構成されている。保持部材55は、貫通ボルト5のボルト頭53が中で保持される保持開口部55cを有している。ここでは保持開口部55cは、第2の壁部32の方向に向かって円錐状に拡張するように構成されている。
【0090】
これに加えてボルト頭53は、保持開口部55cの円錐状のジオメトリーに対応する円錐状の外套面53bを有している。すなわちボルト頭53は、詳細にはその外套面53bは、第1の壁部31の方向に向かって先細になるように構成されている。保持開口部55cと外套面53bとの対応する円錐角は同一である。
【0091】
このとき図7の駆動機構1の組立時には、図1から4の駆動機構1に準じて、まず第2の壁部32との応力固定を成立させ、すなわち貫通ボルト5によって第2の壁部32と駆動ユニット2がねじ止めされる。次いで、ボルト頭53の追加の応力固定が第2の壁部32の方向に行われる程度まで、保持部材55のねじ止めを行うことができる。保持開口部55cと外套面53bとの円錐状の各面により、ボルト頭53が壁開口部31aの中で径方向にセンタリングされ、それにより、径方向のクリアランスがゼロまで低減される。このようにして特に、両方の壁開口部31a,32cが上に位置する開口軸37に対して同軸に、ボルト軸50の正確なアライメントが行われる。
【0092】
このとき保持部材55による取付は、第1の壁部31での大きい許容差も簡易な方式で効率的に補償することができるという追加の利点を提供する。
【0093】
図8は、本発明の第5の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第5の実施例は、図7の第4の実施例に実質的に相当しているが、保持部材55とボルト頭53の代替的な構成という相違がある。図8の第5の実施例では、ボルト頭53と保持部材55の間で雌ねじと雄ねじ53cによるねじ止めが意図される。詳細には、保持部材55がボルト頭53の雄ねじ53にねじ嵌めされる。
【0094】
さらに図8の第5の実施例では、保持部材55の外側の外套面55bが第2の壁部32に向かう方向で円錐状に先細になるように構成されている。さらに壁開口部31aの内側の外套面は、第2の壁部32に向かう方向で円錐状に先細になるように構成されている。ここでは両方の外套面の円錐角は同一である。それにより、壁開口部31aに対するボルト頭53の径方向のセンタリングという図7の第4の実施例と実質的に同一の効果が得られるが、ボルト頭53とねじ止めされた保持部材55も、追加的に同じくセンタリングされるという相違がある。さらに、図7の第4の実施例とは異なり第5の実施例では、保持部材5によるセンタリングによって、貫通ボルト5に対する逆向きの力導入が行われる。
【0095】
図9は、本発明の第6の実施例に基づく駆動機構1の詳細図を示している。第6の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、代替的なスリーブ41,42という相違がある。
【0096】
図9では両方のスリーブ41,42のうちの一方だけが図示されており、両方のスリーブ41,42は同一に構成されるのが好ましい。スリーブ41が図10に斜視図として示されている。
【0097】
スリーブ41はシャフト43とフランジ44を含んでいる。シャフト43が、駆動ユニット2の貫通孔20に差し込まれる。フランジ44は、フレームインターフェース3の第2の壁部32の内面に当接するために意図される(たとえば図2A参照)。スリーブ41のフランジ44は、壁部32に付属する側に、多数の突出する形状接合部材41cを有している。形状接合部材41cは、1つまたは複数の、好ましくは図9に示すように2つの、スリーブ41の貫通開口部に対して同心的な円に配置されるのが好ましい。
【0098】
図9のスリーブ41のただ1つの形状接合部材41cが、図10に詳細断面図として示されている。各々の形状接合部材41cは、フランジ44の表面41fから突出する角錐41dを有している。その代替として好ましくは、各々の形状接合部材41cが突出する円錐を有することもできる。角錐41dは直角錐として構成されており、好ましくは60°よりも小さい開口角41kを有する。このとき角錐41dは、スリーブ41が壁部32とねじ止めされたときに壁部32の表面に圧入し、すなわち表面を可塑変形させることを惹起する。それにより、ねじ軸に対して垂直の平面でスリーブ41と壁部32の間にマイクロ形状接合が生起され、それにより、駆動ユニット2とフレームインターフェース3との特別に固定的な相互の結合を可能にすることができる。フレームインターフェース3に対して相対的な駆動ユニット2のすべりを、それに伴って確実に防止することができる。
【0099】
ここでは各々の形状接合部材41cは、角錐41dに追加して、角錐41dの外周でフランジ44の表面41fに構成された凹部41eをそれぞれ有している。凹部41eは、たとえば角錐41dが壁部32に食い込むことによって押し除けられる壁部32の材料を収容することができ、それにより、壁部32とフランジ44を高い信頼度で正確に平坦に相互に載置することができる。たとえば1つの角錐41dごとに、角錐41dを部分的または全面的に取り囲むそれぞれ別個の凹部51eが設けられていてよい。その代替として好ましくは、径方向の内側および/または外側に角錐41dが配置される、ただ1つの凹部41eがフランジ44の表面41fに構成されていてよい。
【0100】
図11は、本発明の第7の実施例に基づく駆動機構1の詳細断面図を示している。ここで図11に図示されているのはスリーブ41,42のうちの一方だけであり、すなわち、第2の壁部32の側にあるスリーブ42である。第1の壁部31にある第1のスリーブ41も同一に構成されるのが好ましい。第7の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、フランジ44の領域におけるスリーブ42の代替的な構成という相違がある。ここではスリーブ42は、フランジ44の径方向外側の端部に、シャフト43のほうを向いているフランジ44の側で先細部41gを有している。ここでは先細部41gは、フランジ44の最大の厚み41hと最小の厚み41iとの差異が、スリーブ42のシャフト43の壁厚43hの少なくとも50%、好ましくは最大で150%に相当するように構成されている。このとき厚みは、スリーブ42の長軸に対して平行の方向に沿って観察される。
【0101】
ここでは緩衝部材45は、フランジ44の先細部41gを補償するように構成されている。これに加えて緩衝部材45は、径方向でもっとも外側の端部に肉厚部42gを有している。それにより、フランジ44の径方向で外側の端部に特別に厚い緩衝部材42が存在する。このことは、スリーブ42と駆動ユニット2の間の最善の封止に好ましい影響を与える。
【0102】
さらに、図12に示すように第7の実施例で設けられる、駆動ユニット2の突出する環状リブ2gによって、このような封止が補助される。突出する環状リブ2gは台形状の断面を有しており、駆動ユニット2の貫通孔20に対して同心的に配置されている。ここではスリーブ42が貫通孔20に圧入された状態にあるとき、突出する環状リブ2gとスリーブ42の先細部41gが、貫通孔20の穴軸20gに関して同一の半径上に位置する。それにより、スリーブ42と駆動ユニット2が完全にねじ止めされた状態で相互に押圧されたときに、突出する環状リブ2gが先細部41gの領域で緩衝部材45の軟質のゾーンに入り込む。このように緩衝部材45の弾性により、駆動ユニット2で最善に封止をすることができる。
【0103】
図13は、本発明の第8の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第8の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、駆動ユニット2がフレームインターフェース3と間接的にねじ止めされるという相違がある。ここでは詳細には、駆動ユニット2がねじ止めされる両方の壁部31,32が、フレームインターフェース3に対して別個のコンポーネントとして構成されている。たとえば壁部31,32は、保持板として構成されていてよい。このとき壁部31,32は追加のねじ結合部30および/または(図示しない)溶接結合部によって、フレームインターフェース3のフレーム壁31e,32eと結合されていてよい。それにより、駆動機構1の特別に高いフレキシビリティを提供することができる。
【0104】
図14は、本発明の第9の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第9の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、スリーブ41,42の代替的な構成という相違がある。図14の第9の実施例では両方のスリーブ41,42は、特別に簡易かつ低コストに製造可能な短縮された金属スリーブとして構成されている。ここではスリーブ41,42は、貫通孔20の内部で互いに接触しないように構成される。さらに両方のスリーブ41,42は、たとえば貫通孔20の内径よりも短い、短い軸方向の長さ41gを有している。それによって材料を削減することができ、さらには、わずかな押圧長さしか存在しないので、貫通孔20へのスリーブ41,42の容易な圧入を可能にすることができる。このように、第9の実施例の駆動機構1は特別に簡易かつ低コストな構造を可能にする。
【0105】
図15は、本発明の第10の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第10の実施例は、図11および12の第7の実施例に実質的に相当しているが、代替的なスリーブ41,42が使用されるという相違がある。詳細には、図15の第10の実施例のスリーブ41,42のフランジ44は、第7の実施例におけるよりも肉厚に製作されている。詳細には、第10の実施例ではフランジ44の厚み41hは、それぞれのスリーブ41,42の対応するシャフト43の壁厚43hの数倍であり、好ましくは少なくとも3倍である。それにより、フランジ44の厚み41hがたとえばシャフト43の壁厚43hにほぼ等しい第7の実施例と比較して、駆動機構1の全幅1hを大きく構成することができる。このように図15の第10の実施例は、スリーブ41,42を変更することで、種々の車両100に合わせた駆動機構1の適合化が特別に簡易かつ低コストに可能であることを明確にする。
【0106】
図16は、本発明の第11の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第11の実施例は、図1から4の第1の実施例に実質的に相当しているが、第1の壁部31での浮動支承部の代替的な構成という相違がある。図16の第11の実施例では、貫通ボルト5と許容差補償部材7が第1の壁部31に対して相対的に、共同で軸方向へ可動なように支承されている。ここでは第1の実施例とは異なり、ボルト頭53ではなく、貫通ボルト5のボルトシャフト53dが許容差補償部材7の内部に配置される。このとき第11の実施例では貫通ボルト5は、第1のスリーブ41に向かって許容差補償部材7に追加的に応力をかける。このように貫通ボルト5と許容差補償部材7は、第1の壁部31の壁開口部31aの中で共同で摺動することができる。さらに、壁開口部31aは外面に拡大された直径31bを有しており、それにより、ボルト頭53が部分的に壁開口部31aの内部に配置され得る。その代替として、ボルト頭53が完全に壁開口部31aの外部に配置されていてもよい。
【0107】
図17は、本発明の第12の実施例に基づく駆動機構1の詳細断面図を示している。第12の実施例は、図11および12の第7の実施例に実質的に相当しているが、緩衝部材45の代替的な構成という相違がある。図17の第12の実施例では緩衝部材45は、フランジ44に向かい合うスリーブ41の軸方向端部に、シールビード45aを有している。シールビード45aは、軸方向でスリーブ41のシャフト43の端面43cから突出する。さらにシールビード45aは径方向で、外方に向かって緩衝部材45から突出する。
【0108】
ここではシールビード45aの軸方向の突出45fは、シャフト43の壁厚43hの少なくとも20%であるのが好ましい。さらに径方向の突出45gは、シャフト43の壁厚43hの少なくとも30%であるのが好ましい。
【0109】
このときスリーブ41,42の緩衝部材45にあるシールビード45aは、流体侵入に対して特別に高い信頼度の封止を惹起する。このことは、図18に示すように、各々のシールビード45aの軸方向の押圧によっても径方向の押圧によっても実現される。軸方向でスリーブ41,42が相互に応力をかけられることで、両方のシールビード45aが軸方向へ相互に押圧される。たとえば追加的に、貫通孔20の内側円周20gに対するシールビード45aの径方向の過剰寸法によって、各々のシールビード45aを貫通孔20の内側円周20gで追加的に径方向に押圧することができる。このようにして、スリーブ41,42のシャフト43の径方向外部で互いに接触するスリーブ41,42の端面43cの平面で、高い信頼度の封止がシールビード45aによってもたらされる。
【0110】
図19は、本発明の第13の実施例に基づく駆動機構1の詳細断面図を示している。第13の実施例は、図17および18の第12の実施例に実質的に相当しているが、スリーブ41,42のフランジ44の代替的な構成という相違がある。図19の第13の実施例では、スリーブ42のフランジ44は2部分で構成されており、フランジ本体44aと挿入リング44bとを含んでいる。フランジ本体44aは、スリーブ42のシャフト43とともに一体的なコンポーネントとして構成されている。挿入リング44aは、スリーブ42のスリーブ開口部に対して同心的に構成されていて、フランジ本体44aの溝44gの中に配置される。このとき挿入リング44bは軸方向の形状接合部44fによって、溝44gの中で保持される。軸方向の形状接合部44fは、たとえばフランジ本体44aの部分領域のかしめによって、すなわち成形によって、製作されていてよい。ここでは形状接合部材41cは、第13の実施例では挿入リング44aにのみ配置されており、その一部として構成されている。
【0111】
このとき挿入リング44bは、フランジ本体44aやシャフト43の材料よりも有意に高い硬度を有する、硬化された鋼材で構成されている。それに伴い、形状接合部材41cの特別に高いロバスト性およびこれに伴って恒常的に確実な機能を保証することができる。さらに、フランジ44の2部分からなる構成により、フランジ本体44aとシャフト43が、冷間成形に良く適した鋼材で形成されることが可能となる。それにより、スリーブ41,42を特別に簡易かつ低コストな方式で製作することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 駆動機構
2 駆動ユニット
2g 環状リブ
3 フレームインターフェース
5 貫通ボルト
7 許容差補償部材
20 貫通孔
20a センタリング領域
20g 穴軸
27 軸方向間隔
31 第1の壁部
31a 壁開口部
31f 雌ねじ
32 第2の壁部
32a 雌ねじ
32b 切欠き
41,42 スリーブ
41c 形状接合部材
41d 角錐
41e 凹部
41f 表面
41g 先細部
41h 厚み
43 シャフト
43a プレス領域
43c 端面
43h 壁厚
44 フランジ
44a フランジ本体
44b 挿入リング
44g 溝
45 緩衝部材
45a シールビード
51 ナット
53 ボルト頭
53c 雄ねじ
53d ボルトシャフト
55 保持部材
55a 雄ねじ
55b 外套面
55c 保持開口部
71 すべり軸受ブッシュ
72 緩衝カバー
72a シールリップ
77 スリット
78 係止ラグ
100 車両
106 チェーンホイール
108 従動軸
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-06-30
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
図8は、本発明の第5の実施例に基づく駆動機構1の断面図を示している。第5の実施例は、図7の第4の実施例に実質的に相当しているが、保持部材55とボルト頭53の代替的な構成という相違がある。図8の第5の実施例では、ボルト頭53と保持部材55の間で雌ねじと雄ねじ53cによるねじ止めが意図される。詳細には、保持部材55がボルト頭53の雄ねじ53にねじ嵌めされる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
さらに図8の第5の実施例では、保持部材55の外側の外套面55bが第2の壁部32に向かう方向で円錐状に先細になるように構成されている。さらに壁開口部31aの内側の外套面は、第2の壁部32に向かう方向で円錐状に先細になるように構成されている。ここでは両方の外套面の円錐角は同一である。それにより、壁開口部31aに対するボルト頭53の径方向のセンタリングという図7の第4の実施例と実質的に同一の効果が得られるが、ボルト頭53とねじ止めされた保持部材55も、追加的に同じくセンタリングされるという相違がある。さらに、図7の第4の実施例とは異なり第5の実施例では、保持部材5によるセンタリングによって、貫通ボルト5に対する逆向きの力導入が行われる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
ここでは各々の形状接合部材41cは、角錐41dに追加して、角錐41dの外周でフランジ44の表面41fに構成された凹部41eをそれぞれ有している。凹部41eは、たとえば角錐41dが壁部32に食い込むことによって押し除けられる壁部32の材料を収容することができ、それにより、壁部32とフランジ44を高い信頼度で正確に平坦に相互に載置することができる。たとえば1つの角錐41dごとに、角錐41dを部分的または全面的に取り囲むそれぞれ別個の凹部1eが設けられていてよい。その代替として好ましくは、径方向の内側および/または外側に角錐41dが配置される、ただ1つの凹部41eがフランジ44の表面41fに構成されていてよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0110】
図19は、本発明の第13の実施例に基づく駆動機構1の詳細断面図を示している。第13の実施例は、図17および18の第12の実施例に実質的に相当しているが、スリーブ41,42のフランジ44の代替的な構成という相違がある。図19の第13の実施例では、スリーブ42のフランジ44は2部分で構成されており、フランジ本体44aと挿入リング44bとを含んでいる。フランジ本体44aは、スリーブ42のシャフト43とともに一体的なコンポーネントとして構成されている。挿入リング44は、スリーブ42のスリーブ開口部に対して同心的に構成されていて、フランジ本体44aの溝44gの中に配置される。このとき挿入リング44bは軸方向の形状接合部44fによって、溝44gの中で保持される。軸方向の形状接合部44fは、たとえばフランジ本体44aの部分領域のかしめによって、すなわち成形によって、製作されていてよい。ここでは形状接合部材41cは、第13の実施例では挿入リング44にのみ配置されており、その一部として構成されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両(100)の駆動機構において、
駆動ユニット(2)と、
フレームインターフェース(3)とを含み、
前記駆動ユニット(2)は少なくとも部分的に前記フレームインターフェース(3)の第1の壁部(31)と第2の壁部(32)との間に配置され、
前記駆動ユニット(2)は貫通孔(20)を有し、
前記駆動ユニット(2)の前記貫通孔(20)に両側で差し込まれた2つのスリーブ(41,42)と、
前記貫通孔(20)および前記両方のスリーブ(41,42)に挿通され、前記駆動ユニット(2)を前記両方の壁部(31,32)の各々で保持する貫通ボルト(5)と、
を含んでいる駆動機構。
【請求項2】
前記両方のスリーブ(41,42)は前記貫通孔(20)の内部で互いに接触し、
前記貫通ボルト(5)は前記両方のスリーブ(41,42)に相互に応力をかける、請求項1に記載の駆動機構。
【請求項3】
各々のスリーブ(41,42)はシャフト(43)とフランジ(44)とを有し、
前記シャフト(43)は少なくとも部分的に前記貫通孔(20)の内部に配置され、
前記フランジ(44)は前記貫通孔(20)の外部に配置される、請求項1に記載の駆動機構。
【請求項4】
各々のスリーブ(41,42)は、前記駆動ユニット(2)のほうを向いている前記フランジ(44)の側に配置された緩衝部材(45)を有し、
前記緩衝部材(45)は振動吸収性の材料で形成される、請求項3に記載の駆動機構。
【請求項5】
前記緩衝部材(45)は追加的に前記シャフト(43)を少なくとも部分的に取り囲む、請求項4に記載の駆動機構。
【請求項6】
前記緩衝部材(45)は前記フランジ(44)と向かい合う軸方向端部に軸方向と径方向で前記シャフト(43)から突出するシールビード(45a)を有する、請求項5に記載の駆動機構。
【請求項7】
前記シールビード(45a)は軸方向で前記スリーブ(41,42)の前記シャフト(43)の端面(43c)を越えて突出する、請求項6に記載の駆動機構。
【請求項8】
前記両方のスリーブ(41,42)は、前記貫通孔(20)の中へ完全に差し込まれた状態のとき、かつ応力のかかっていない状態のとき、前記貫通孔(20)の内部で前記両方のスリーブ(41,42)の間に事前定義された軸方向間隔(27)が存在するように設計される、請求項1に記載の駆動機構。
【請求項9】
事前定義される前記軸方向間隔(27)は、応力をかけられた状態にあるとき、前記貫通ボルト(5)により前記両方のスリーブ(41,42)に応力がかけられることによって、および前記緩衝部材(45)が弾性変形することによって、前記軸方向間隔(27)が補償されるように設計される、請求項8に記載の駆動機構。
【請求項10】
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は対応する前記壁部(31,32)のほうを向く側に多数の突出する形状接合部材(41c)を有し、
前記形状接合部材(41c)は、対応する前記壁部(31,32)とのねじ止めによって前記壁部(31,32)に圧入されるように構成される、請求項3から9までのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項11】
前記フランジ(44)は2部分で構成され、フランジ本体(44a)と挿入リング(44b)とを含み、
前記フランジ本体(44a)は前記シャフト(43)とともに一体的なコンポーネントとして構成され、
前記形状接合部材(41c)は前記挿入リング(44b)に配置される、請求項10に記載の駆動機構。
【請求項12】
前記挿入リング(44b)は前記フランジ本体(44a)の溝(44)の中に配置され、特に、前記挿入リング(44b)は軸方向の形状接合によって前記溝(44)の中で保持される、請求項11に記載の駆動機構。
【請求項13】
前記フランジ本体(44a)と前記挿入リング(44b)はそれぞれ異なる材料で形成され、特に、前記挿入リング(44b)は前記フランジ本体(44a)よりも高い硬度を有する、請求項11に記載の駆動機構。
【請求項14】
各々の形状接合部材(41c)は前記フランジ(44)の表面(41f)から突出する角錐(41d)または円錐を有する、請求項10に記載の駆動機構。
【請求項15】
各々の形状接合部材(41c)は前記角錐(41d)に隣接する凹部(41e)を前記フランジ(44)の前記表面(41f)に有する、請求項14に記載の駆動機構。
【請求項16】
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は径方向外側の端部に前記シャフト(43)のほうを向く側で先細部(41g)を有し、
前記先細部(41g)は前記緩衝部材(45)によって補償される、請求項3からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項17】
前記駆動ユニット(2)は、前記開口部(20a,20b)のうちの一方に対して同心的に配置された少なくとも1つの突出する環状リブ(2g)を有し、
特に、突出する前記環状リブ(2g)と前記スリーブ(41)の前記フランジ(44)の前記先細部(41g)とは前記貫通孔(20)の穴軸(20g)に関して同一の半径上に配置される、請求項16に記載の駆動機構。
【請求項18】
前記貫通ボルト(5)は前記第2の壁部(32)に取り付けられ、
前記貫通ボルト(5)は前記第1の壁部(31)で軸方向へ可動なように保持される、請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項19】
許容差補償部材(7)をさらに含み、
前記第1の壁部(31)は第1の壁開口部(31a)を有し、
前記許容差補償部材(7)はスリーブ状に構成され、前記第1の壁開口部(31a)の内部に配置され、
前記貫通ボルト(5)のボルト頭(53)またはボルトシャフト(53d)が前記許容差補償部材(7)の内部に配置される、請求項18に記載の駆動機構。
【請求項20】
前記許容差補償部材(7)は、すべり軸受ブッシュ(71)と、前記すべり軸受ブッシュ(71)を取り囲む緩衝カバー(72)とを有する、請求項19に記載の駆動機構。
【請求項21】
すべり軸受ブッシュ(71)とボルト頭(53)は、前記ボルト頭(53)が前記許容差補償部材(7)の内部に配置されたときに、前記ボルト頭(53)が前記すべり軸受ブッシュ(71)を径方向に拡張するように設計される、請求項20に記載の駆動機構。
【請求項22】
前記すべり軸受ブッシュ(71)はスリットを有するように構成される、請求項21に記載の駆動機構。
【請求項23】
前記すべり軸受ブッシュ(71)の前記スリット(77)は前記すべり軸受ブッシュ(71)の軸方向に関して斜めに構成される、請求項22に記載の駆動機構。
【請求項24】
前記緩衝カバー(72)は少なくとも1つのシールリップ(72a)を径方向外面に有し、
少なくとも1つの前記シールリップ(72a)は、前記許容差補償部材(7)が前記第1の壁開口部(31a)の中に配置されたときに、緩衝カバー(72)と第1の壁部(31)との間で軸方向の形状接合が成立するように構成される、請求項20に記載の駆動機構。
【請求項25】
前記緩衝カバー(72)は、前記貫通ボルト(5)の前記ボルト頭(53)が前記許容差補償部材(7)の内部に配置されたときに、少なくとも1つの前記シールリップ(72a)が径方向外側に向かって押し除けられるように構成される、請求項24に記載の駆動機構。
【請求項26】
前記すべり軸受ブッシュ(71)は少なくとも1つの軸方向端部に径方向外側に向かって突出する係止ラグ(78)を有する、請求項20に記載の駆動機構。
【請求項27】
前記貫通ボルト(5)は前記第2の壁部(32)に取り付けられ、
前記貫通ボルト(5)は前記両方のスリーブ(41,42)および前記第2の壁部(32)に相互に応力をかけ、
前記貫通ボルト(5)は保持部材(55)によって前記第1の壁部(31)で保持され、
前記保持部材(55)は前記貫通ボルト(5)を前記第1の壁部(31)で径方向に固定する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項28】
前記保持部材(55)は雄ねじ(55a)によって前記第1の壁部(31)の前記壁開口部(31a)の雌ねじ(31f)にねじ込まれ、
前記保持部材(55)は前記貫通ボルト(5)のボルト頭(53)が中で保持される保持開口部(55c)を有し、
前記保持開口部(55c)は前記第2の壁部(32)に向かう方向で拡張するように構成され、および/または、
前記貫通ボルト(5)の前記ボルト頭(53)は前記第1の壁部(31)に向かう方向で先細になるように構成される、請求項27に記載の駆動機構。
【請求項29】
前記保持部材(55)は前記第1の壁部(31)の前記壁開口部(31a)の中に配置され、
前記貫通ボルト(5)の前記ボルト頭(53)は雄ねじ(53c)を有し、
前記保持部材(55)は前記ボルト頭(53)の前記雄ねじ(53c)にねじ嵌めされ、
前記保持部材(55)は前記第2の壁部(32)に向かう方向で先細になる外套面(55b)を有し、および/または、
前記第1の壁部(31)の前記壁開口部(31a)は前記第2の壁部(32)に向かう方向で先細になるように構成される、請求項27に記載の駆動機構。
【請求項30】
各々のスリーブ(41,42)はプレス領域(43a)を有し、
前記プレス領域(43a)と前記貫通孔(20)の間にプレス嵌めが形成される、請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項31】
前記貫通孔(20)は前記貫通孔(20)の残りの部分よりも小さい内径を有するセンタリング領域(20a)を前記両方のスリーブ(41,42)のセンタリングのために中央に有する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項32】
前記貫通ボルト(5)はねじとして構成され、前記貫通ボルトは前記第2の壁部(32)の雌ねじ(32a)にねじ込まれる、請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項33】
前記貫通ボルト(5)はねじとして構成され、
前記貫通ボルト(5)は前記第2の壁部(32)に配置されたナット(51)にねじ込まれる、請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項34】
前記ナット(51)は前記第2の壁部(32)の切欠き(32b)の中で回り止めされて配置される、請求項33に記載の駆動機構。
【請求項35】
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は前記スリーブ(41,42)の前記シャフト(43)の壁厚(43h)に実質的に相当する厚み(41h)を有し、または、
少なくとも1つのスリーブ(41,42)の前記フランジ(44)は前記スリーブ(41,42)の前記シャフト(43)の壁厚(43h)の少なくとも1.5倍に相当する厚み(41h)を有する、請求項3からまでのいずれか1項に記載の駆動機構。
【請求項36】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の駆動機構(1)を含んでいる車両、特に筋力および/またはモータ力によって作動可能な車両、好ましくは電動自転車。
【請求項37】
前記駆動ユニット(2)の従動軸(108)と結合されたチェーンホイール(106)をさらに含み、前記駆動機構(1)の前記第2の壁部(32)は前記チェーンホイール(106)の側に配置される、請求項36に記載の車両。
【外国語明細書】