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特開2023-127579撮像システム、イメージセンサ画素、及びイメージセンサ画素を構築する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127579
(43)【公開日】2023-09-13
(54)【発明の名称】撮像システム、イメージセンサ画素、及びイメージセンサ画素を構築する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20230906BHJP
【FI】
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023030763
(22)【出願日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】63/268,736
(32)【優先日】2022-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/148,558
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】300057230
【氏名又は名称】セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】テクリーブ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】バナチョヴィッチ, バルトシュ ピョートル
(72)【発明者】
【氏名】イノサン, マニュエル エイチ.
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA04
4M118BA14
4M118CA02
4M118DD04
4M118FA06
4M118FA24
4M118FA38
4M118GC07
4M118GD03
4M118HA30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オーバーフローブルーミングに対処するイメージセンサ画素を提供する。
【解決手段】イメージセンサ画素212は、半導体基板502内に配置された光検出器302と、半導体基板上に配置されたゲート酸化物層504と、拡散容量310と、ゲート酸化物層上に配置された転送ゲート550と、半導体基板内に配置され、光検出器から拡散容量にブルーミング電荷を流すための経路を提供するN型ドープ領域を含む第1のブルーミング防止インプラント508と、半導体基板内に配置され、光検出器から第2のノード領域506へブルーミング電荷を流すための敬老を提供するN型ドープ領域を含む第2のブルーミング防止インプラント510と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサピクセルであって、
半導体基板内に配置され、入射光に応答して電荷を生成する光検出器と、
前記半導体基板上に配置されたゲート酸化物層と、
拡散容量と、
前記ゲート酸化物層の前記半導体基板とは反対側に配置された転送ゲートを有しており、前記光検出器によって生成された電荷を前記拡散容量へと転送する転送トランジスタと、
前記半導体基板内に配置され、前記光検出器及び前記拡散容量に結合し、前記光検出器によって生成されたブルーミング電荷を前記拡散容量へと転送する第1のブルーミング防止インプラントと、
前記半導体基板内に配置され、前記光検出器及び電圧ソースコンタクトに結合し、前記光検出器によって生成されたブルーミング電荷を前記電圧ソースコンタクトへと転送する第2のブルーミング防止インプラントと
を備えるイメージセンサ画素。
【請求項2】
前記第2のブルーミング防止インプラントは、前記第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が前記第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように更に構成される、請求項1に記載のイメージセンサ画素。
【請求項3】
前記第1のブルーミング防止インプラントは、第1のマスクで前記半導体基板内に形成され、前記第2のブルーミング防止インプラントは、第2のマスクで前記半導体基板内に形成される、請求項2に記載のイメージセンサ画素。
【請求項4】
前記第1のブルーミング防止インプラントおよび前記第2のブルーミング防止インプラントは、単一のマスクで形成され、前記第2のブルーミング防止インプラントは、前記第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が前記第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように、前記第1のブルーミング防止インプラントよりも狭くなるように構成される、請求項1に記載のイメージセンサ画素。
【請求項5】
前記第2のブルーミング防止インプラントのドープ水準は、前記第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁を前記第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくするように構成される、請求項3に記載のイメージセンサ画素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ONS04633JP
76230-16304
日本国特許庁
特許出願
撮像システム、イメージセンサ画素、及びイメージセンサ画素を構築する方法
発明者:
Daniel Tekleab
San Jose,CA 95136
Bartosz Piotr Banachowicz
San Jose,CA 95123
Manuel H.Innocent
WezemaAl 3111
Belgium

本出願は、撮像システムの技術分野に関し、特には、撮像システムの一部であるイメージセンサ画素に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサが、携帯電話機、カメラ、及びコンピュータなどの電子デバイスにおいて画像をキャプチャするために使用される。特に、電子デバイスは、格子パターンに配置されたイメージセンサ画素のアレイを備える。各々のイメージセンサ画素が、光などの入射光子を受け取り、光子を電気信号に変換する。列回路が、各々のイメージセンサ画素からセンサ信号を読み出すために、各々の列に結合する。
【0003】
特定の用途において、イメージセンサ画素のフォトダイオードが、電子の形態の電荷で一杯になる可能性があり、過剰に生成された電子が、隣接するイメージセンサ画素のフォトダイオードへと「あふれ」、すなわち移動することがある。ブルーミング電荷(blooming charge)と呼ばれることもあるこれらの過剰な電子は、イメージセンサが明るい光に露出されるときに生じる可能性がある。これらの状況において、ブルーミング電荷は、結果として得られる画像に種々の望ましくないアーチファクトを生じさせる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
ブルーミング性能は、とりわけオーバーフローモードの画素において、重要な画素評価基準である。オーバーフロー画素において、ブルーミング電荷を、ブルーミング防止インプラントを使用して転送ゲートを通って流れるように導くことができる。このようなブルーミング防止インプラントは、転送ゲートの下方の電位を下げる役に立ち、ブルーミングの懸念を緩和する。しかしながら、極端な光条件下では、このようなブルーミング防止インプラントは、オーバーフローブルーミングへの対処に充分ではない。
【0005】
オーバーフローブルーミングに対処するために、専用のブルーミング防止ゲートを使用することができる。しかしながら、ブルーミング防止ゲートを追加することで、面積のオーバーヘッドがかなり増え、光検出器の暗信号不均一性(DSNU)の悪化が生じる可能性がある。したがって、本開示は、とりわけ、光検出器と電圧ソースコンタクトとの間の電位障壁を低くするブルーミング防止インプラントを使用してオーバーフローブルーミングに対処する方法、撮像システム、及びイメージセンサ画素を提供する。
【0006】
一例は、半導体基板内に配置され、入射光に応答して電荷を生成する光検出器と、半導体基板上に配置されたゲート酸化物層と、拡散容量(floating diffusion)と、ゲート酸化物層上に配置された転送ゲートを有しており、光検出器によって生成された電荷を拡散容量へと転送する転送トランジスタと、半導体基板内に配置され、光検出器及び拡散容量に結合し、光検出器によって生成されたブルーミング電荷を拡散容量へと転送し、転送ゲートに少なくとも部分的に重なっている第1のブルーミング防止インプラントと、半導体基板内に配置され、光検出器及び電圧ソースコンタクトに結合し、光検出器によって生成されたブルーミング電荷を電圧ソースコンタクトへと転送する第2のブルーミング防止インプラントと、を備えるイメージセンサ画素である。
【0007】
例示的なイメージセンサ画素において、第2のブルーミング防止インプラントは、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように更に構成されてよい。第1のブルーミング防止インプラントを、第1のマスクで半導体基板内に形成することができ、第2のブルーミング防止インプラントを、第2のマスクで半導体基板内に形成することができる。第2のブルーミング防止インプラントのドープ水準は、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁を第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくするように構成されてよい。
【0008】
例示的なイメージセンサ画素において、第1のブルーミング防止インプラントおよび第2のブルーミング防止インプラントは、単一のマスクで形成され、第2のブルーミング防止インプラントは、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように、第1のブルーミング防止インプラントよりも狭くなるように構成されてよい。
【0009】
例示的なイメージセンサ画素は、ゲート酸化物層と光検出器との間に配置されたピン留めインプラントを更に備えることができ、電圧ソースコンタクトにおいて印加されるバイアス電圧は、光検出器のピン留め電圧よりも大きい。電圧ソースコンタクトを、独立した制御ラインまたは独立したノードに結合させることができる。
【0010】
別の例は、レンズシステムと、撮像コントローラと、レンズシステムと動作上の関係にあり、撮像コントローラに電気的に結合し、イメージセンサ画素のアレイを含んでいるイメージセンサと、を備える撮像システムである。各々のイメージセンサ画素は、入射光に応答して電荷を生成する光検出器と、ゲート酸化物層と、拡散容量と、光検出器によって生成された電荷を拡散容量へと転送する転送トランジスタと、光検出器によって生成されたブルーミング電荷を拡散容量へと転送するために光検出器及び拡散容量に結合した第1のブルーミング防止インプラントと、光検出器によって生成されたブルーミング電荷を電圧ソースコンタクトへと転送するために光検出器及び電圧ソースコンタクトに結合した第2のブルーミング防止インプラントとを含むことができる。
【0011】
例示的な撮像システムにおいて、第2のブルーミング防止インプラントは、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように更に構成されてよい。第1のブルーミング防止インプラントは、第1のマスクで形成されてよく、第2のブルーミング防止インプラントは、第2のマスクで形成されてよい。第2のブルーミング防止インプラントは、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように、第1のブルーミング防止インプラントよりも狭くてよい。第2のブルーミング防止インプラントのドープ水準は、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁を第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくするように構成されてよい。
【0012】
例示的な撮像システムは、ピン留めインプラントを更に備えることができ、電圧ソースコンタクトにおいて印加されるバイアス電圧は、光検出器のピン留め電圧よりも大きくてよい。電圧ソースコンタクトは、正の電源端子又は独立した制御ラインに結合してよい。
【0013】
撮像システムは、自動車、車両、カメラ、携帯電話機、タブレットコンピューティング、ウェブカメラ、ビデオカメラ、ビデオ監視システム、及びビデオゲームシステムからなる群から選択される少なくとも1つであってよい。
【0014】
更に別の例は、イメージセンサ画素を構築するための方法であり、この方法は、入射光に応答して電荷を生成する光検出器を半導体基板内に形成するステップと、半導体基板上にゲート酸化物層を形成するステップと、拡散容量を形成するステップと、ゲート酸化物層上に転送ゲートを形成するステップと、光検出器及び拡散容量に結合し、光検出器によって生成されたブルーミング電荷を拡散容量へと転送し、転送ゲートに少なくとも部分的に重なっている第1のブルーミング防止インプラントを、半導体基板内に形成するステップと、光検出器及びソースコンタクトに結合し、光検出器によって生成されたブルーミング電荷を電圧ソースコンタクトへと転送する第2のブルーミング防止インプラントを、半導体基板内に形成するステップとを含む。
【0015】
例示的な方法において、第2のブルーミング防止インプラントを半導体基板内に形成するステップは、第2のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁が第1のブルーミング防止インプラントにおける電位障壁よりも大きくなるように第2のブルーミング防止インプラントを構成するステップを更に含むことができる。第1のブルーミング防止インプラントを、第1のマスクで半導体基板内に形成することができ、第2のブルーミング防止インプラントを、第2のマスクで半導体基板内に形成することができる。
【0016】
例示的な方法は、ゲート酸化物層と光検出器との間にピン留めインプラントを形成するステップと、電圧ソースコンタクトにおいてバイアス電圧を印加するステップとを更に含むことができ、バイアス電圧は、光検出器のピン留め電圧よりも大きい。例示的な方法は、電圧ソースコンタクトを独立した制御ラインまたは独立したノードに結合させるステップを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
次に、添付の図面を参照して、例示的な実装形態を詳細に説明する。
図1A】いくつかの実装形態による撮像システムの一例のブロック図である。
図1B】いくつかの実装形態による車両に組み込まれた撮像システムの一例の図である。
図2】いくつかの実装形態によるイメージセンサの一例の部分概略図及び部分ブロック図である。
図3】いくつかの実装形態によるイメージセンサ画素の一例の概略図である。
図4】いくつかの実装形態による光検出器の電荷容量を表すバケツの図である。
図5】いくつかの実装形態によるイメージセンサ画素の部分断面図である。
図6】いくつかの実装形態による浅いドープ領域及び深いドープ領域を備えて形成された光検出器を含むイメージセンサ画素の部分断面図である。
図7】いくつかの実装形態による軽くドープされたN型インプラントの一部分を拡散させることによって形成されたブルーミング防止インプラントを含むイメージセンサ画素の部分断面図である。
図8】いくつかの実装形態によるイメージセンサ画素を構築するための方法の一例のフロー図である。
【0018】
定義
さまざまな用語が、特定のシステム構成要素を指して使用される。或る構成要素を、異なる企業は異なる名称で呼ぶかもしれないが、本明細書は、名称が異なるが機能は異ならない構成要素を区別することを意図していない。以下の説明及び特許請求の範囲において、用語「...を含む(including)」及び「...を備える(comprising)」は、非限定用法にて使用され、したがって「...~を含むが、...に限られない(including, but not limited to...)」を意味すると解釈されるべきである。また、用語「結合(couple又はcouples)」は、間接的な接続又は直接的な接続のどちらかを意味するように意図される。したがって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合する場合、その接続は、直接接続によるものであっても、他のデバイス及び接続を介した間接接続によるものであってもよい。
【0019】
スタンドアロンであるか、或いは集積回路の一部であるかにかかわらず、電気デバイスに関連して、用語「入力」及び「出力」は、電気デバイスへの電気的接続を指し、動作を必要とする動詞として理解されるべきではない。例えば、演算増幅器などの差動増幅器は、第1の差動入力及び第2の差動入力を有することができ、これらの「入力」は、演算増幅器への電気的接続を定めるが、演算増幅器への信号の入力を必要と理解されるべきではない。
【0020】
「アサート」は、ブール信号の状態を変更することを意味する。回路設計者の裁量で、ブール信号を、ハイ(high)とアサート、又はより高い電圧でアサートすることができ、ブール信号を、ロー(low)とアサート、又はより低い電圧でアサートすることができる。同様に、「デアサート」は、ブール信号の状態をアサート状態と反対の電圧レベルに変更することを意味する。
【0021】
「コントローラ」は、単独で、或いは組み合わせにて、個々の回路構成要素、特定用途向け集積回路(ASIC)、制御ソフトウェアを有するマイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、制御ソフトウェアを有するプロセッサ、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は入力を読み取り、入力に応答して出力を駆動するように構成されたプログラマブルシステムオンチップ(PSOC)を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願は、2022年3月1日に出願された「METHOD TO IMPROVE BLOOMING IN OVERFLOW MODE PIXEL」という名称の米国仮出願第63/268,736号の優先権及び利益を主張する。
【0023】
以下の説明は、本発明のさまざまな実装形態に関する。これらの実装形態のうちの1つ以上が好ましいかもしれないが、開示される実装形態は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈又は他のやり方で使用されるべきではない。加えて、以下の説明が広範な用途を有しており、いずれの実装形態の説明も、単にその実装形態の例示であるように意図されているにすぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実装形態に限定されることを暗示するようには意図されていないことを、当業者であれば理解できるであろう。
【0024】
さまざまな例が、電子のためのブルーミング防止経路を有するイメージセンサ画素に関し、ブルーミング防止経路は、インプラントによって生成される。より具体的には、種々の実施例は、強い光強度に対してブルーミング防止経路を提供する撮像システム及び関連のブルーミング防止インプラントに関する。次に、本明細書において、読者を案内するために例示的なシステムに目を向ける。
【0025】
図1Aが、撮像システム100の一例を示している。特に、撮像システム100は、カメラ、携帯電話機、タブレットコンピュータ、ウェブカメラ、ビデオカメラ、ビデオ監視システム、又は撮像機能を有するビデオゲームシステム、などの携帯電子デバイスであってよい。他の場合に、撮像システム100は、自動車用の撮像システムであってよい。図1Aに示される撮像システム100は、入射光をデジタル画像データに変換するために使用することができるカメラモジュール102を含む。カメラモジュール102は、1つ以上のレンズ104及び1つ以上の対応するイメージセンサ106を含んでよい。レンズ104は、固定レンズ及び/又は調整可能レンズを含んでよい。画像キャプチャ動作中、シーンからの光を、レンズ104によって画像センサ106上に集束させることができる。イメージセンサ106は、アナログ画素データを、撮像コントローラ108へともたらされる対応するデジタル画像データに変換するための回路を備えることができる。必要に応じて、カメラモジュール102は、レンズ104のアレイ及び対応するイメージセンサ106のアレイを備えてもよい。
【0026】
撮像コントローラ108は、1つ以上の集積回路を含んでよい。撮像回路は、画像処理回路、マイクロプロセッサ、並びにランダムアクセスメモリ及び不揮発性メモリなどの記憶装置を含むことができる。撮像コントローラ108は、カメラモジュール102とは別個の構成要素、及び/又は例えばイメージセンサ106の一部を形成する回路などのカメラモジュール102の一部を形成する構成要素、を使用して実装されてよい。カメラモジュール102によってキャプチャされたデジタル画像データを、撮像コントローラ108を使用して処理及び記憶することができる。処理された画像データを、所望であれば、撮像コントローラ108に結合した有線及び/又は無線の通信経路を使用して、コンピュータ、外部ディスプレイ、又は他のデバイスなどの外部機器に提供することができる。
【0027】
図1Bが、撮像システム100の別の例を示している。図1Bに示される撮像システム100は、自動車又は車両110を含む。車両110は、乗用車として例示的に示されているが、撮像システム100は、商用車、オンロード車両、及びオフロード車両を含む他のタイプの車両であってもよい。商用車は、バス及びトラクタートレーラー車を含み得る。オフロード車両は、トラクター及び作物収穫設備を含み得る。図1Bの例において、車両110は、車両110の前方のシーンの画像をキャプチャするように構成された前方監視カメラモジュール102を含む。そのような前方監視カメラモジュール102を、車線維持支援、衝突警告システム、距離維持クルーズコントロールシステム、自律運転システム、及び近接検出などの任意の適切な目的のために使用することができる。車両110は、車両110の後方のシーンの画像をキャプチャするように構成された後方監視カメラモジュール102を更に備える。そのような後方監視カメラモジュール102を、衝突警告システム、逆方向ビデオ、自律運転システム、近接検出、追い越し車両の位置監視、及び後退などの任意の適切な目的のために使用することができる。車両110は、車両110の傍らのシーンの画像をキャプチャするように構成された側方監視カメラモジュール102を更に備える。そのような側方監視カメラモジュールを、死角監視、衝突警告システム、自律運転システム、追い越し車両の位置監視、車線変更検出、及び近接検出などの任意の適切な目的のために使用することができる。撮像システム100が車両である状況において、撮像コントローラ108は、車両110のコントローラであってもよい。次に、カメラモジュール102のイメージセンサ106について詳細に説明する。
【0028】
図2が、イメージセンサ106の一例を示している。特に、図2は、イメージセンサ106が、パッケージ化半導体デバイス又はパッケージ化半導体製品を生成するようにパッケージング内に封入された半導体材料(例えば、シリコン)の基板200を備えてよいことを示している。一つ以上の端子204に結合したシリアル通信チャネル202及び端子208に結合したキャプチャ入力206など、基板200のボンドパッド又は他の接続点が、イメージセンサ106の端子に結合する。接地、共通、又は電力などの追加の端子が存在すると考えられるが、図を過度に複雑にすることがないように、追加の端子は省略されている。基板200が単一の事例が図示されているが、他の場合には、複数の基板を組み合わせてイメージセンサ106を形成し、マルチチップモジュールを形成することができる。
【0029】
イメージセンサ106は、行及び列に配置された複数のイメージセンサ画素212を含む画素アレイ210を備える。「画素のアレイ」の一例である画素アレイ210は、例えば、イメージセンサ画素212の数百又は数千の行及び列を備え得る。画素アレイ210の制御及び読み出しは、行コントローラ216及び列コントローラ218に結合したイメージセンサコントローラ214によって実施され得る。行コントローラ216は、イメージセンサコントローラ214から行アドレスを受信し、リセット、行選択、電荷転送、デュアル変換ゲイン、及び読み出し制御信号などの対応する行制御信号をイメージセンサ画素212に供給することができる。行制御信号は、行制御経路220などの1つ以上の導体を介して通信されてよい。
【0030】
列コントローラ218は、列ライン222などの1つ以上の導体によって画素アレイ210に結合できる。列コントローラは、列制御回路、読み出し回路、又は列デコーダと呼ばれることもある。列ライン222は、イメージセンサ画素212からの画像信号の読み出し、及びイメージセンサ画素212へのバイアス電流及び/又はバイアス電圧の供給に使用され得る。所望であれば、画素の読み出し動作において、行コントローラ216を使用して画素アレイ210内の画素行を選択することができ、その画素行内のイメージセンサ画素212によって生成された画像信号を、列ライン222に沿って読み出すことができる。列コントローラ218は、画素アレイ210から読み出される画像信号をサンプリングして一時的に記憶するためのサンプルホールド回路、増幅器回路、アナログデジタル変換(ADC)回路、バイアス回路、列メモリ、列回路を選択的に有効又は無効にするためのラッチ回路、又はイメージセンサ画素212を動作させ、イメージセンサ画素212から画像信号を読み出すために、画素アレイ210内の画素の1つ以上の列に結合した他の回路を含むことができる。列コントローラ218内のADC回路は、画素アレイ210から受信したアナログ画素値を対応するデジタル画像データに変換することができる。列コントローラ218は、例えば、シリアル通信チャネル202を介して、イメージセンサコントローラ214及び/又は撮像コントローラ108(図1)にデジタル画像データを供給することができる。
【0031】
図3が、イメージセンサ画素212における回路の一例を示している。イメージセンサ画素212は、図3に示されるものと比べ、より少数の構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を、異なる構成にて有してもよい。特に、図3は、イメージセンサ画素212が光検出器302(例えば、フォトダイオード)を備えてよいことを示している。電圧VAAPIXなどの正の画素電源電圧が、正の電源端子304に供給され得る。接地電源電圧(Vss)が、接地端子306に供給され得る。入射光が、場合によっては光がカラーフィルタ構造(図示せず)を通過した後に、光検出器302によって集められる。光検出器302は、光を電荷に変換する。
【0032】
画像が取得される前に、リセット制御信号RSTがアサートされてよい。リセット制御信号RSTは、リセットトランジスタ308を導通状態又はオンにし、拡散容量(floating diffusion)(FD)310などの電荷蓄積ノードを、電圧VAAPIXに等しい電圧又は近い電圧にリセットする。次いで、リセット制御信号RSTをデアサートして、リセットトランジスタ308を非導電状態又はオフにすることができる。リセット処理の完了後に、転送ゲート制御信号TXをアサートして、転送トランジスタ312をオンにすることができる。転送トランジスタ312がオンにされると、入射光に応答して光検出器302によって生成された電荷は、拡散容量310のノードに転送される。特に、伝統的な電流の流れは、実際には電子の流れとは反対の正孔の流れである。リセットトランジスタ308を導通状態にすることで、拡散容量310のノードからの電子の排出により、拡散容量310のノードは正になる。転送トランジスタ312を導通状態にすることで、光検出器302に蓄積された電子を、拡散容量310のノードに流すことができる。
【0033】
拡散容量310のノードは、ドープされた半導体の領域を使用して実装され得る。例えば、ドープされた半導体の領域は、イオン注入、不純物拡散、又は他のドーピング技術によってシリコン基板内に形成されたドープされたシリコン領域であってよい。拡散容量310のノードなどのドープされた半導体領域は、光検出器302から転送された電荷を蓄積するために使用されるコンデンサを呈することができる。拡散容量310上の蓄積された電荷に関連する信号は、ソースフォロワトランジスタ314によってバッファされる。行選択トランジスタ316が、ソースフォロワトランジスタ314を列出力ライン318に接続する。
【0034】
蓄積された電荷の値を読み出すことが望まれるとき、制御信号RSがアサートされる。読み出される値は、例えば、ソースフォロワトランジスタ314のソース端子Sにおける信号によって表される蓄積された電荷の値であってよい。制御信号RSがアサートされると、行選択トランジスタ316がオンになり、拡散容量310のノード上の電荷の大きさを表す信号Voutが、出力経路320上に生成される。制御信号RSがアサートされると、列出力ライン318を使用して、信号Voutをイメージセンサ画素212から図2の列コントローラ218などの読み出し回路へと送ることができる。
【0035】
光検出器302が入射光に曝されると、フォトダイオードのウェルに電荷(電子)が蓄積し始める。いくつかの状況においては、イメージセンサ画素212がきわめて明るい光に曝される場合など、光検出器302が保持することができる電荷よりも多くの電荷が生成され得る。換言すると、光検出器302のウェルの最大容量を超える可能性がある。例えば、図4が、光検出器302のウェルの最大容量を表すバケツ402を示している。入射光から光検出器302上又は光検出器内に電子が生成されるにつれて、バケツ402が電子で満たされる。バケツ402が満たされすぎると、電子が上部から「あふれ」、隣接するフォトダイオードに流れ込む可能性がある。この電子のオーバーフローは、本明細書においてブルーミング又はブルーミング電荷と呼ばれることもあるが、結果として得られる画像に望ましくない画像アーチファクトを引き起こす可能性がある。
【0036】
ブルーミングを防止するために、イメージセンサ画素212は、ブルーミング防止機構を含む。例えば、電子のあふれを防止するために、図4に示されるバケツ402は、第1のブルーミング防止タップ404を含む。第1のブルーミング防止タップ404は、ブルーミング電荷のバケツ402からの流出を可能にし、ブルーミングの回避に役立つ。その設計に基づいて、第1のブルーミング防止タップ404は、設定された量のブルーミング電荷をバケツ402から流出させることを可能にする。いくつかの状況において、第1のブルーミング防止タップ404の流量は、ブルーミングの防止に不充分であるかもしれない。第1のブルーミング防止タップ404の設計が、第1のブルーミング防止タップ404の流量を増やすように変更される場合、概念的には、バケツ402上の第1のブルーミング防止タップ404の位置が下げられる。第1のブルーミング防止タップ404の流量が大きすぎる場合、光検出器302を表すバケツ402が保持することができる電荷の量が、制限される可能性がある。したがって、第1のブルーミング防止タップ404を通って流れることができるブルーミング電荷の量には、実用上の制限が存在する。バケツ402の電荷容量を過度に制限することなくバケツ402から除去することができるブルーミング電荷の量を増加させるために、バケツ402は、第2のブルーミング防止タップ406を含む。ブルーミング防止タップ406は、バケツ402が保持することができる電荷の総量を過度に制限することなく、追加のブルーミング電荷をバケツ402から流出させることを可能にする。以下で説明されるように、複数のブルーミング防止機構からなる同様の方法を、イメージセンサ画素212に実装することができる。
【0037】
図4の例えは、ブルーミング防止タップの使用を概念的に表すうえで有用であるが、実際のブルーミング防止タップの使用を充分に教示するものではない。特に、図4は、第1の量の電荷がバケツ内に蓄積されるまで、電子がブルーミング防止タップ404を通って流れ始めることがないことを意味する。同様に、図4は、第2のより大量の電荷がバケツ内に蓄積されるまで、電子がブルーミング防止タップ406を通って流れ始めることがないことを意味する。ブルーミング防止タップ404及び406は、ブルーミング防止タップ404及び406を通るブルーミング電荷の量又は電子の流量が、良好な画像品質を保証するために充分に少ないが、ブルーミングの可能性を低減するために充分に多いように設計及び構築される。
【0038】
図5が、イメージセンサ画素212の一例の概略の断面図である。図5に示されるイメージセンサ画素212は、光検出器302、拡散容量310のノード、転送トランジスタ312、半導体基板502、酸化物層504、第2のノード506の領域、第1のブルーミング防止インプラント508、及び第2のブルーミング防止インプラント510を含む。N型及びP型ドープ領域などのさらなるドープ領域が存在すると考えられるが、図を過度に複雑にしてしまわないように、さらなるドープ領域は省略されている。更に、イメージセンサ画素212は、図5に示されるものと比べ、より少数の構成要素、追加の構成要素、又は異なる構成要素を、異なる構成にて有してもよい。図5は、必ずしも縮尺どおりではない。
【0039】
転送トランジスタ312は、転送ゲート550、酸化物層504の一部分、及びチャネル領域552を備える。チャネル領域552は、第1の端部において光検出器302に結合し、第2の端部において拡散容量310のノードに結合する。転送ゲート550がアサートされると、チャネル領域552内の電位障壁が下げられ、電荷を拡散容量310ノードへと転送することを可能にする。
【0040】
少なくとも部分的に転送トランジスタ312の下方に、第1のブルーミング防止インプラント508が位置する。特に、第1のブルーミング防止インプラント508は、半導体基板502内に形成され、光検出器302と拡散容量310のノードとの間に延在する。第1のブルーミング防止インプラント508は、ブルーミング電荷を光検出器302から拡散容量310のノードへと流すための経路を提供するN型ドープ領域を含むことができる。図5において、第1のブルーミング防止インプラント508は、転送トランジスタ312の下方に位置し、転送トランジスタ312と同様の距離に及ぶ。しかしながら、他の場合に、第1のブルーミング防止インプラント508は、転送トランジスタ312に部分的に重なり合うだけでもよい。
【0041】
第1のブルーミング防止インプラント508は、ブルーミング電荷を光検出器302から拡散容量310のノードへと流すことを可能にするように設計及び構築される。光検出器302から拡散容量310のノードへのブルーミング電荷の流量は、第1のブルーミング防止インプラント508のいくつかのパラメータに基づく。例えば、第1のブルーミング防止インプラント508の長さ、幅、及び深さが、ブルーミング電荷の流量において役割を果たし、流れの断面積がより大きく、長さがより短いほど、ブルーミング電荷の流れは大きくなり、流れの断面積がより小さく、長さがより長いほど、ブルーミング電荷の流れは小さくなる。更に、第1のブルーミング防止インプラント508のドープも役割を果たし、ドープが重いほど、ブルーミング電荷の流れは大きくなり、ドープが軽いほど、ブルーミング電荷の流れは小さくなる。上述のパラメータのいずれか、又は全てを、ブルーミング電荷の所定の流れを達成するように、設計段階において選択することができる。換言すると、ブルーミング防止インプラント508は、ブルーミング防止インプラント508が存在しない場合と比べて、電子の流れに対する電位障壁を下げ、電位障壁の大きさは、設計段階において、ブルーミング防止インプラント508の長さ、幅、深さ、及びドープ濃度によって決定される。
【0042】
第2のブルーミング防止インプラント510は、半導体基板502内に形成され、光検出器302と第2のノード領域506との間に延在する。第2のブルーミング防止インプラント510は、ブルーミング電荷を光検出器302から第2のノード領域506へと流すための経路を提供するN型ドープ領域を含むことができる。いくつかの実装形態において、第2のノード506の領域は、VAAPIXなどの正の電源端子304に結合する。正の画素電源電圧は、一般に、イメージセンサ画素212において利用可能な最高電圧である。代替的に、第2のノード506の領域を、イメージセンサ画素212内の独立した制御ライン又は独立したノードに結合させてもよい。例えば、第2のノード領域506を、固定のバイアス電圧又は調整可能なバイアス電圧を印加する独立した制御ラインに結合させることができる。
【0043】
第2のブルーミング防止インプラント510も、ブルーミング電荷を光検出器302から第2のノード506の領域へと流すことを可能にするように設計及び構築される。光検出器302から第2のノード506の領域へのブルーミング電荷の流量も、第2のブルーミング防止インプラント510のパラメータに基づく。流れの断面積がより大きく、長さがより短いほど、ブルーミング電荷の流れは大きくなり、流れの断面積がより小さく、長さがより長いほど、ブルーミング電荷の流れは小さくなる。やはり、ドープが重いほど、ブルーミング電荷の流れは大きくなり、ドープが軽いほど、ブルーミング電荷の流れは小さくなる。上述のパラメータのいずれか、又は全てを、ブルーミング電荷の所定の流れを達成するように、設計段階において選択することができる。このように、第1のブルーミング防止インプラント508とほとんど同じように、第2のブルーミング防止インプラント510は、ブルーミング防止インプラント510が存在しない場合と比べて、電子の流れに対する電位障壁を下げ、電位障壁の大きさは、設計段階において、ブルーミング防止インプラント510の長さ、幅、深さ、及びドープ濃度によって決定される。1つの例示的な場合において、第2のブルーミング防止インプラント510は、第2のブルーミング防止インプラント510が呈する電位障壁が、第1のブルーミング防止インプラント508が呈する電位障壁よりも大きくなるように構成される。換言すると、第2のブルーミング防止経路510を通るブルーミング電荷の流量は、第1のブルーミング防止インプラント508を通るブルーミング電荷の流量よりも小さい。このようにして、第1のブルーミング防止インプラント508が過剰電荷を処理することができないときに、第2のブルーミング防止インプラント510は、過剰な電荷を第2のノード506の領域に流すことを可能にする。
【0044】
いくつかの実装形態においては、第1のブルーミング防止インプラント508と第2のブルーミング防止インプラント510の両方を形成するために、単一のマスクが使用される。そのような場合、ブルーミング防止インプラント508及び510は、同時の注入によって形成される。同時の注入は、同じドーピング濃度を有するブルーミング防止インプラントを形成することができる。単一のマスクを使用してブルーミング防止インプラント508及び510の両方を形成する場合、長さ及び/又は幅などの相対的なサイズを、所望の電位障壁を生むように選択することができる。
【0045】
代替の実装形態においては、第1のブルーミング防止インプラント508及び第2のブルーミング防止インプラント510を形成するために、別個のマスクが使用される。例えば、第1のマスクを使用して、半導体基板502内に第1のブルーミング防止インプラント508を形成することができ、第2のマスクを使用して、半導体基板502内に第2のブルーミング防止インプラント510を形成することができる。ブルーミング防止インプラント508及び510を形成するために別個のマスクを使用することで、それぞれの注入を異なる時点において行うことが可能になる。したがって、別個のマスクが使用される場合、第2のブルーミング防止インプラント510の物理的寸法を、第1のブルーミング防止インプラント508とは異なる電位障壁を生じるように構成することができる。加えて、別個のマスクを使用することで、ドープを、濃度及び/又は深さに基づいて、第1のブルーミング防止インプラント508のドープとは異なるドープにすることも可能にできる。
【0046】
いくつかの実装形態において、イメージセンサ画素212は、図5に示されるように2つのブルーミング防止インプラントを含む。代替の注入において、イメージセンサ画素212は、3つ以上のブルーミング防止インプラントを含んでもよい。例えば、イメージセンサ画素212は、電圧ノードコンタクト(図示せず)と、光検出器302及び電圧ノードコンタクトに結合した第3のブルーミング防止インプラント(図示せず)とを含んでもよい。
【0047】
図6が、イメージセンサ画素の部分断面図を更に詳細に示している。図6のイメージセンサ画素212は、図5と同じ要素の多くを有するが、説明をむやみに長くすることがないように、重複する要素を再び紹介することはしない。図6は、必ずしも縮尺どおりではない。図6の例示的なイメージセンサ画素212は、浅いドープ領域及び深いドープ領域を備えて形成された光検出器を含む。例えば、図6に示される光検出器302は、浅いN型インプラント602と、深いN型インプラント604と、1対の浅いP型インプラント606及び608と、1対の深いP型インプラント610及び612とを含む。いくつかの実装形態において、浅いN型インプラント602の深さは、約0.1ミクロンである。更に、いくつかの実装形態において、浅いP型インプラント606及び608の深さは、約0.5ミクロンである。図6に示される光検出器302は、裏面酸化物層614に隣接して配置される。
【0048】
図6に示される第1のブルーミング防止インプラント508は、第1の軽くドープされたN型インプラント618によって、浅いN型インプラント602からN+領域などの拡散容量310のノードへの流れの経路を提供する。図6は、拡散容量310のノードに物理的及び電気的に接触したメタライゼーションなどの拡散容量コンタクト616を更に示している。更に、図6に示される第2のブルーミング防止インプラント510は、軽くドープされたN型インプラント622によって、浅いN型インプラント602からN+領域などの第2のノード506への流路を提供する。図6は、第2のノード領域506のノードに物理的及び電気的に接触したメタライゼーションなどの第2のコンタクト620を更に示している。更に、図6に示されるイメージセンサ画素212は、おそらくは酸化物層504と光検出器302との間に配置されたP領域であるピン留めインプラント624を含む。
【0049】
これまでに説明した種々の例において、第2のブルーミング防止インプラント510は、浅いN型インプラント602などの光検出器302と第2のノード506の領域との間に延在する専用領域として示されている。しかしながら、また更に別の例において、ブルーミング防止経路は、既存の構造の延長及び拡張によって作成されてもよい。図7が、別の例示的なイメージセンサ画素の部分断面図を示している。図7のイメージセンサ画素212は、図5及び図6と同じ要素の多くを有するが、説明をむやみに長くすることがないように、重複する要素を再び紹介することはしない。図7は、必ずしも縮尺どおりではない。図7の例においては、図6の浅いP型インプラント608に相当し得る深いP型インプラント612の直上の浅いP型インプラントの少なくとも一部分が省略されている。浅いP型注入が存在しない場合、軽くドープされたN型インプラント622が、第2のノード506の領域から外側に拡散する。したがって、これらの例において、拡散した軽くドープされたN型インプラント622は、イメージセンサ画素212のための第2のブルーミング防止インプラント510を形成する。
【0050】
図8が、いくつかの実装形態によるイメージセンサ画素を構築するための方法の一例のフロー図である。ブロック802において、光検出器302が、半導体基板502内に形成される。ブロック804において、第1のブルーミング防止インプラント508が、半導体基板502内に形成される。ブロック806において、第2のブルーミング防止インプラント510が、半導体基板502内に形成される。ブロック808において、ゲート酸化物層504が、半導体基板502上に形成される。ブロック810において、転送ゲート550が、ゲート酸化物層504上に形成される。ブロック812において、拡散容量310が形成される。ブロック814において、第2のノード506の領域が形成される。
【0051】
図面における電気的接続の多くは、介在するデバイスを有さない直接的な結合として示されているが、上記の説明において、そのようには明示的に述べられていない。それにもかかわらず、この段落は、あらゆる電気的接続を、介在するデバイス(複数可)を有さない図面に示された電気的接続に関する「直接的な結合」と言及するための特許請求の範囲における先行の根拠として役立つものとする。
【0052】
以上の説明は、本発明の原理及び種々の実施態様の例示として意図されている。以上の開示を充分に理解することで、多数の変種及び変形物が当業者にとって明らかであろう。例えば、ブルーミング防止インプラントを介した電荷の移動をもたらす照明は、画素アレイ212の前面照明に基づいても、画素アレイ212の背面照明に基づいてもよい。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような変種及び変形例を包含するように解釈されることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】