IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニチカ株式会社の特許一覧

特開2023-127596共重合ポリエステル樹脂およびそれを含有する積層体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127596
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】共重合ポリエステル樹脂およびそれを含有する積層体
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/668 20060101AFI20230907BHJP
   C08G 63/672 20060101ALI20230907BHJP
   C08G 18/42 20060101ALI20230907BHJP
   C08L 67/02 20060101ALI20230907BHJP
   C09D 167/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
C08G63/668
C08G63/672
C08G18/42 044
C08L67/02
C09D167/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031357
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北口 貴之
【テーマコード(参考)】
4J002
4J029
4J034
4J038
【Fターム(参考)】
4J002CF101
4J002ER006
4J002FD146
4J002GH01
4J002GJ01
4J029AA03
4J029AB01
4J029AB07
4J029AC03
4J029AD07
4J029AE11
4J029AE13
4J029AE17
4J029BA03
4J029BA10
4J029BF25
4J029CB05A
4J029CB06A
4J029HA01
4J029HB01
4J029JE042
4J029JE182
4J029KB02
4J029KB03
4J034DA01
4J034DB04
4J034DB07
4J034DC02
4J034DH02
4J034DH06
4J034DH07
4J034DH10
4J034HA01
4J034HA07
4J034HB12
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA01
4J034KA01
4J034KB01
4J034KC16
4J034KD04
4J034KE02
4J034QB03
4J034QB11
4J034RA07
4J034RA08
4J038DD071
4J038DG232
4J038KA03
4J038MA09
4J038MA13
4J038NA01
4J038NA04
4J038NA12
4J038PA18
4J038PC08
(57)【要約】
【課題】高温高湿下に晒された場合でも、粘着特性の変化が少なく、かつポリオレフィン基材への密着性に優れ、溶剤溶解性にも優れる共重合ポリエステル樹脂を提供する。
【解決手段】多価カルボン酸成分とポリオール成分とを含む共重合ポリエステル樹脂であって、多価カルボン酸成分は、芳香族カルボン酸からなり、ポリオール成分は、ポリアルキレングリコールの含有量が15モル%以上であり、ポリオレフィンポリオールの含有量が0.1~20モル%であり、エステル結合濃度が5mmol/g以下であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多価カルボン酸成分とポリオール成分とを含む共重合ポリエステル樹脂であって、
多価カルボン酸成分は、芳香族カルボン酸からなり、
ポリオール成分は、ポリアルキレングリコールの含有量が15モル%以上であり、ポリオレフィンポリオールの含有量が0.1~20モル%であり、
エステル結合濃度が5mmol/g以下であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
【請求項2】
ガラス転移温度が-45℃以下であることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂。
【請求項3】
ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項1または2記載の共重合ポリエステル樹脂。
【請求項4】
芳香族カルボン酸が、テレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂。
【請求項5】
ポリオレフィンポリオールが水素添加されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂を含有する共重合ポリエステル樹脂組成物。
【請求項7】
硬化剤を含有することを特徴とする請求項6記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
【請求項8】
硬化剤がイソシアネート系硬化剤であることを特徴とする請求項7記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
【請求項9】
請求項6~8のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂組成物よりなる塗膜。
【請求項10】
請求項9記載の塗膜を有する積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共重合ポリエステル樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエステル樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れていることから、繊維、ボトル、フィルム、シート、成型品など様々な製品に使用されている。またこれらの優れた特徴を活かし、ポリエステル樹脂に溶剤溶解性や水分散性などを付与することにより、接着剤や粘着剤、コーティング剤としても汎用的に利用されている。
ポリエステル樹脂を用いた粘接着剤は、ポリエステルフィルムや塩ビフィルムなどのプラスチックフィルムにおいて、また、アルミニウム箔などの金属箔などにおいて、同種・異種間での接合剤として多用されている。
【0003】
一方、ポリオレフィンフィルムは、引張強さや透明性、耐薬品性など各種物性に優れていることから、自動車用途や電子・電気用途、建材用途など多種多様な分野で使用されている。そのため、ポリオレフィンフィルム用の粘接着剤としては、接着力だけではなく、耐湿熱性などの耐久性も求められている。しかしながら、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルムは、樹脂の極性が低く、従来のポリエステル樹脂を用いた粘接着剤では、十分な接着強度が得られないことがあった。
【0004】
そこで、上記問題点を解決するため、例えば特許文献1には、水添ポリブタジエン構造を0.01~35質量%含有するポリエステル系粘着剤が開示されている。しかしながら特許文献1の粘着剤は、ポリオレフィン基材への密着性は得られるものの、耐湿熱性については全く考慮されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-73685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような問題点を解決し、高温高湿下に晒された場合でも、粘着特性の変化が少なく、かつポリオレフィン基材への密着性に優れ、溶剤溶解性にも優れる共重合ポリエステル樹脂を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造を有する共重合ポリエステル樹脂が、前記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
【0008】
(1)多価カルボン酸成分とポリオール成分とを含む共重合ポリエステル樹脂であって、
多価カルボン酸成分は、芳香族カルボン酸からなり、
ポリオール成分は、ポリアルキレングリコールの含有量が15モル%以上であり、ポリオレフィンポリオールの含有量が0.1~20モル%であり、
エステル結合濃度が5mmol/g以下であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
(2)ガラス転移温度が-45℃以下であることを特徴とする(1)記載の共重合ポリエステル樹脂。
(3)ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする(1)または(2)記載の共重合ポリエステル樹脂。
(4)芳香族カルボン酸が、テレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂。
(5)ポリオレフィンポリオールが水素添加されていることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂。
(6)上記(1)~(5)のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂を含有する共重合ポリエステル樹脂組成物。
(7)硬化剤を含有することを特徴とする(6)記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
(8)硬化剤がイソシアネート系硬化剤であることを特徴とする(7)記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
(9)上記(6)~(8)のいずれかに記載の共重合ポリエステル樹脂組成物よりなる塗膜。
(10)上記(9)記載の塗膜を有する積層体。
【発明の効果】
【0009】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、特定構造を有するため、ポリエステル樹脂が本来有している粘着特性を損なうことなく、優れた耐湿熱性と、ポリオレフィン基材への密着性とを有するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
<共重合ポリエステル樹脂>
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、構成成分として、多価カルボン酸成分とポリオール成分とを含むものである。
【0011】
本発明の共重合ポリエステル樹脂を構成する多価カルボン酸成分は、芳香族カルボン酸からなり、芳香族カルボン酸を100モル%含有するものである。共重合ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分における芳香族カルボン酸の含有量が100モル%未満では、凝集力が低下し、耐湿熱性や保持力が劣るものとなる。
芳香族カルボン酸としては、被着体への粘着力の観点からテレフタル酸が好ましく、また、溶剤溶解性の観点からイソフタル酸が好ましく、テレフタル酸とイソフタル酸とを併用してもよい。
【0012】
本発明において、テレフタル酸やイソフタル酸以外に用いることのできる多価カルボン酸成分としては、特に制限はされないが、例えば、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4、4′-ジカルボキシジフェニルエーテル、4、4′-ジカルボキシジフェニルスルホン、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-メチルイソフタル酸、5-ヒドロキシイソフタル酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸、2,2′-ビフェニルジカルボン酸などや、またはその無水物が挙げられる。
【0013】
共重合ポリエステル樹脂を構成するポリオール成分は、ポリアルキレングリコールとポリオレフィンポリオールとを含むことが必要である。
【0014】
ポリオール成分におけるポリアルキレングリコールの含有量は、15モル%以上であることが必要であり、15~60モル%であることが好ましく、30~50モル%であることがより好ましい。共重合ポリエステル樹脂は、ポリアルキレングリコール含有量が15モル%未満では、溶剤溶解性に劣るものとなる。
【0015】
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリヘキシレングリコール、ポリノナンジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンタン)ジオール等が挙げられ、これらの中でも極性基材に対する粘着力の観点で、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
【0016】
ポリアルキレングリコールの数平均分子量は、500~3000であることが好ましく、500~2000であることがより好ましい。数平均分子量が500未満であると、得られる共重合ポリエステル樹脂は、溶剤溶解性や耐湿熱性に劣ることがあり、数平均分子量が3000を超えると、極性基材に対する粘着力が劣ることがある。
【0017】
またポリオール成分におけるポリオレフィンポリオールの含有量は、0.1~20モル%であることが必要であり、1~15モル%であることが好ましい。共重合ポリエステル樹脂は、ポリオレフィンポリオールの含有量が20モル%を超えると、溶剤溶解性が劣るものとなる。
【0018】
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、ポリクロロプレンポリオール、水添ポリクロロプレンポリオール、ポリイソブテンポリオール、水添ポリイソブテンポリオール等が挙げられ、これらの中でも耐湿熱性の観点から、水素化反応により得られる水添ブタジエンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、水添ポリクロロプレンポリオール、水添ポリイソブテンポリオールが好ましい。
【0019】
ポリオレフィンポリオールの数平均分子量は、500~7000であることが好ましく、500~6000であることがより好ましく、500~5000であることがさらに好ましい。数平均分子量が500未満であると、得られる共重合ポリエステル樹脂は、ポリオレフィン基材に対する密着性が劣ることがある。数平均分子量が7000を超えるポリオレフィンポリオールは、重合時の相溶性が低く、共重合ポリエステル樹脂が得られないことがある。
【0020】
共重合ポリエステル樹脂を構成するポリオール成分として、ポリアルキレングリコール、ポリオレフィンポリオール以外に用いることのできるポリオール成分は、特に制限はされないが、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2,2-ブチルエチルプロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3プロパンジオール、3-メチル-1,5ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどが挙げられる。
【0021】
共重合ポリエステル樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲において、多価カルボン酸成分およびポリオール成分以外の他の成分が共重合されてもよい。他の成分の共重合割合は、共重合ポリエステル樹脂の全成分の50モル%未満であることが好ましい。
【0022】
他の成分として、例えば、テトラヒドロフタル酸、乳酸、オキシラン、グリコール酸、2-ヒドロキシ酪酸、3-ヒドロキシ酪酸、4-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシイソ酪酸、2-ヒドロキシ-2-メチル酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、3-ヒドロキシ吉草酸、4-ヒドロキシ吉草酸、5-ヒドロキシ吉草酸、6-ヒドロキシカプロン酸、10-ヒドロキシステアリン酸、4-(β-ヒドロキシ)エトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンなどが挙げられる。
【0023】
また、共重合ポリエステル樹脂は、モノカルボン酸、モノアルコールなどを構成成分として含有してもよい。
モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4-ヒドロキシフェニルステアリン酸などが挙げられる。
モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2-フェノキシエタノールなどが挙げられる。
【0024】
<共重合ポリエステル樹脂の特性>
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、後述する方法により算出されるエステル結合濃度が5mmol/g以下であることが必要であり、1.0~4.5mmol/gであることが好ましく、1.5~4.0mmol/gであることがより好ましい。
共重合ポリエステル樹脂は、エステル結合濃度が5mmol/g以下であることにより、加水分解が抑制され、耐湿熱性に優れたものとなり、エステル結合濃度が1mmol/未満であると、溶剤溶解性が得られないことがある。
【0025】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が-45℃以下であることが好ましく、-50~-100℃であることがより好ましく、-50~-90℃であることがさらに好ましい。共重合ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が-45℃を超えると、粘着力や溶剤溶解性が劣ることがあり、ガラス転移温度が-100℃未満であると、凝集力が低下し保持力、粘着力が劣ることがある。
【0026】
本発明の共重合ポリエステル樹脂の数平均分子量は、5000~35000であることが好ましく、8000~30000であることがより好ましく、10000~25000であることがさらに好ましい。共重合ポリエステル樹脂は、数平均分子量が5000未満であると、粘着力が劣ることがあり、数平均分子量が35000を超えると、溶融粘度、溶液粘度が高くなり、取扱性が劣ることがある。
【0027】
本発明において共重合ポリエステル樹脂の分子量を制御する方法としては、重縮合時において、所定の溶融粘度でポリエステルの重合を終了する方法や、一旦分子量の高いポリエステルを製造した後、解重合剤を添加する方法や、さらに単官能カルボン酸や単官能アルコールを予め添加する方法などが挙げられる。本発明では、上記のいかなる方法によって分子量を制御してもよいが、3官能以上の成分がポリエステルの末端だけではなく、分子鎖の中に配列していることが好ましい。なお、解重合剤としてポリオール成分を用いる場合は、ポリエステル末端に水酸基を付与することができ、酸成分を用いる場合は、ポリエステル末端に酸価を付与することができる。このような解重合剤成分としては、エチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパン、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸無水物、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸などが挙げられる。
【0028】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、必要に応じて、また本発明の効果を損なわない範囲において、リン酸等の熱安定剤、ヒンダードフェノール化合物のような酸化防止剤、タルクやシリカ等の結晶核剤、滑剤、酸化チタン等の顔料、充填剤、帯電防止剤、発泡剤、架橋剤等の従来公知の添加剤を含有していてもよい。また、難燃性を付与するため、臭素系難燃剤、金属水酸化物、三酸化アンチモン等の金属酸化物、リン酸塩、硼酸塩、金属硫化物、アンモニウム塩、有機窒素系難燃剤、ケイ素系難燃剤、リン系難燃剤等を含有していてもよい。
【0029】
<共重合ポリエステル樹脂の製造方法>
次に、本発明の共重合ポリエステル樹脂の製造方法について説明する。
まず、多価カルボン酸およびポリオールなどのモノマーの組み合わせを適宜選択し、これらを公知の重合法で重合して、共重合ポリエステル樹脂を得ることができる。つまり、原料モノマーを反応缶に投入した後、エステル化反応をおこなった後、公知の方法で所望の分子量に達するまで重縮合させることにより、共重合ポリエステル樹脂を製造することができる。エステル化反応は、例えば、180℃以上の温度において4時間以上行なわれる。
【0030】
重縮合反応は、一般的には、130Pa以下の減圧下、200~280℃の温度下で、重合触媒を用いて行なわれる。重合触媒は、テトラブチルチタネ-トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物などが挙げられる。なお、重合触媒量は、少量では反応が遅く、過多では分解反応により所望の分子量が得られないことがあるため、酸成分1モルに対し、0.1~20×10-4モルであることが好ましい。
【0031】
<共重合ポリエステル樹脂組成物>
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物は、共重合ポリエステル樹脂を含有するものであり、さらに硬化剤を含有することが好ましい。
(硬化剤)
本発明の樹脂組成物は、硬化剤を含有することで、得られる粘着剤において粘着力と耐湿熱性をバランスよく高めることができる。
硬化剤としては、公知のものを用いることができ、共重合ポリエステル樹脂が有する官能基、または共重合ポリエステル樹脂が反応して形成される官能基(例えば、カルボキシル基やその無水物、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基など)との反応性を有する化合物であれば、特に限定されないが、低温での反応性の観点からは、イソシアネート系硬化剤が特に好ましい。
【0032】
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4′-ジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。凝集力、粘着力の観点から、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートが好ましく、さらに芳香族ジイソシアネートの中でも、トリレンジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートの中でも、イソホロンジイソシアネート、およびこれらを2価または3価の多価アルコールと反応させたアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体が特に好ましい。
【0033】
硬化剤の含有量は、共重合ポリエステル樹脂100質量部に対し、1~15質量部であることが好ましく、1~12質量部であることがより好ましく、1~10質量部であることがさらに好ましい。硬化剤の含有量が15質量部を超えると、共重合ポリエステル樹脂組成物は、粘着力が不十分となることがある。
【0034】
<粘着剤>
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、溶剤に溶解することによって粘着剤として使用することができる。
(溶剤)
溶剤としては有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、特に限定はされず、例えば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ソルベッソなどの芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチルなどのエステル系溶剤、セロソルブアセテート、メトキシアセテートなどのアセテート系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0035】
粘着剤の固形分濃度は、5~60質量%であることが好ましく、10~50質量%であることがより好ましく、20~40質量%であることがさらに好ましい。粘着剤は、固形分濃度が5質量%未満であると、基材に塗工した際に、十分な塗工量で塗布することができないことがある。一方、粘着剤は、固形分濃度が60質量%を超えると、溶液粘度が高くなり過ぎるため、基材に塗工した際に、厚さ精度が低下することがある。
【0036】
(粘着付与樹脂)
粘着剤には、必要に応じて、粘着付与樹脂を組み合わせることができる。
粘着付与樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができ、例えば、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂などが挙げられ、特に植物由来のロジン系やテルペン系粘着付与樹脂を用いることが好ましい。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0037】
テルペン系樹脂として、具体的には、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、ジペンテン重合体や、これらをフェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性したテルペン系樹脂を使用することができる。
【0038】
フェノール系粘着付与樹脂としては、具体的には、フェノール、m-クレゾール、3,5-キシレノール、p-アルキルフェノール、レゾルシンなどの各種フェノール類と、ホルムアルデヒドとの縮合物を使用することができる。さらに、前記フェノール類とホルムアルデヒドを、アルカリ触媒下で付加反応させて得られるレゾールや、前記フェノール類とホルムアルデヒドとを、酸触媒下で縮合反応させて得られるノボラック、未変性や変性ロジンやこれらの誘導体などのロジン類に、フェノールを酸触媒下で付加させ、熱重合することにより得られるロジン変性フェノール樹脂などを使用することができる。
【0039】
ロジン系粘着付与樹脂としては、具体的には、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらをエステル化、水添化、不均化、重合、その他の化学的に修飾された変性ロジン、これらの誘導体を使用することができる。
【0040】
粘着付与樹脂の添加量は、共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して、10~100質量部であることが好ましく、15~80質量部であることがより好ましく、20~60質量部であることがさらに好ましい。粘着剤は、粘着付与樹脂の添加量が10質量部未満であると、粘着力の向上など添加による効果が得られず、粘着付与樹脂の添加量が100質量部を超えると、樹脂の凝集力が低下し、保持力や粘着力の低下を引き起こすことがある。
【0041】
(添加剤)
また粘着剤には、必要に応じて、酸化防止剤、加水分解抑制剤、顔料などを添加することができる。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤が挙げられる。また加水分解抑制剤としては、イソシアネート由来のカルボジイミドが挙げられる。また顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。
【0042】
<塗膜>
本発明の塗膜は、共重合ポリエステル樹脂組成物よりなるものであり、例えば、上記粘着剤を、各種の基材に対してコーティングし、必要に応じて乾燥させて有機溶媒の除去をおこなうことで、基材上に形成することができる。
粘着剤を基材にコーティングする方法としては、特に限定されるものではなく、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法またはスプレーコート法などの公知の方法を用いることができる。
【0043】
<積層体>
本発明の積層体は、上記塗膜を有するものであり、例えば、基材に上記塗膜が形成された積層フィルムや、基材に粘着剤がコーティングされた積層フィルムである。
基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ1,4-シクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)から選ばれるポリエステル基材、ポリカーボネート系基材、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)から選ばれるフッ素系基材、あるいはアクリル系基材、環状オレフィン(COC)、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系基材、ポリ塩化ビニル系基材、ポリスチレン系基材、ポリ塩化ビニリデン系基材、エチレン-酢酸ビニル共重合体系基材、ポリビニルアルコール系基材、ポリ酢酸ビニル系基材、アセタール系基材、ポリアミド系基材、ポリアリレート系基材から選択され、それらの基材は同一でも異なっていてもよい。
【0044】
<用途>
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、粘着特性に優れるため、各種接着、粘着用途での使用が可能である。特に、優れた耐湿熱性とポリオレフィン基材への密着性を有するものであるため、自動車部材や電気・電子部品の実装等で用いることができる。また、建材等屋外使用においても好適に用いることができる。
【実施例0045】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0046】
1.評価方法
(1)共重合ポリエステル樹脂の構成
NMR測定装置(日本電子社製JNM-LA400型)にて、H-NMR測定を行い、得られたチャートの共重合成分のピークの積分強度から樹脂組成を求めた。なお、測定溶媒としては、重水素化トリフルオロ酢酸を用いた。
【0047】
(2)共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度
入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、DiamondDSC、検出範囲:-50~200℃)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
【0048】
(3)エステル結合濃度
共重合ポリエステル樹脂1g中に含有するエステル結合のモル数であるエステル結合濃度は、下記式より求めた。
エステル結合濃度(mmol/g)=[{(A1/a1×m1)+(A2/a2×m2)+(A3/a3×m3)・・・}/Z]×1000
An:多価カルボン酸nの仕込み量(g)
an:多価カルボン酸nの分子量
mn:多価カルボン酸nの価数
Z:共重合ポリエステル重量(g)
【0049】
(4)粘着力
実施例、比較例で得られた積層フィルムを25mm幅に切り出し、積層フィルムの塗膜面(粘着面)とポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製FOS、厚さ60μm)とを重ね合わせ、小型卓上テストラミネーター(テスター産業社製SA-1010)を用い、温度23℃、圧力13.5N/cm、速度1.0m/分の条件下で圧着させ、23℃にて24時間エージングしたものを試験片とした。この試験片において、小型卓上引張試験機(島津製作所社製EZ-SX)を用い、温度23℃、引張速度300mm/分、引張角度180度の条件下で粘着力を測定し、下記の基準で評価した。
<ポリプロピレンフィルムに対する粘着力>
◎:12N/25mm以上
○:7N/25mm以上、12N/25mm未満
△:3N/25mm以上、7N/25mm未満
×:3N/25mm未満
また、ポリプロピレンフィルムに代えて、ステンレス板(SUS304、日本テストパネル社製、厚さ0.5mm)を使用して、同様に粘着力を測定し、下記の基準で評価した。
<ステンレス板に対する粘着力>
◎:20N/25mm以上
○:10N/25mm以上、20N/25mm未満
△:5N/25mm以上、10N/25mm未満
×:5N/25mm未満
【0050】
(5)保持力
実施例、比較例で得られた積層フィルムを25mm幅に切り出し、積層フィルムの塗膜面(粘着面)とポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製FOS、厚さ60μm)とを重ね合わせ、小型卓上テストラミネーター(テスター産業社製SA-1010)を用い、温度23℃、圧力13.5N/cm、速度1.0m/分、接着面積25mm×25mmの条件下で圧着させ、23℃にて24時間エージングしたものを試験片とした。この試験片において、23℃の条件で荷重を1kgかけ、1時間後のずれが生じた距離(mm)を測定し、下記の基準で評価した。
◎:ずれが1mm未満
○:ずれが1mm以上、2mm未満
△:ずれが2mm以上、3mm未満
×:ずれが3mm以上
【0051】
(6)耐湿熱性
上記(4)で得られた粘着力を初期粘着力とした。また、上記(4)と同じ条件で作製した試験片について、60℃×90%RH条件下、1000時間湿熱処理を行った後に、上記(4)と同じ条件で粘着力を測定し、得られた粘着力を処理後粘着力とした。下記式より保持率を求め、下記基準で評価した。
保持率(%)=処理後粘着力/初期粘着力×100
◎:保持率が90%以上
○:保持率が80%以上、90%未満
△:保持率が70%以上、80%未満
×:保持率が70%未満
【0052】
(7)溶解性
共重合ポリエステル樹脂組成物をトルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤[(トルエン)/(メチルエチルケトン)=8/2、質量比]に常温で溶解し、固形分濃度が30質量%である粘着剤を得た。その際の溶解性および外観を目視で判断した。
○:均一で透明であった。
△:白濁するも均一であった。
×:層分離または不溶であり、不均一であった。
【0053】
2.原料
共重合ポリエステル樹脂を製造するための原料として、下記のものを使用した。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
NDA:2,6-ナフタレンジカルボン酸
SEA:セバシン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PTMG1000:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量:1000)
PEG1000:ポリエチレングリコール(数平均分子量:1000)
HLBH-P2000:水添ポリブタジエンポリオール(数平均分子量:2000、Cray Valley社製Kraol)
LBH-P2000:ポリブタジエンポリオール(数平均分子量:2000、Cray Valley社製Kraol)
【0054】
実施例1
(共重合ポリエステル樹脂の製造)
テレフタル酸76g(50モル%)、イソフタル酸76g(50モル%)、エチレングリコール23g(40モル%)、ネオペンチルグリコール67g(70モル%)、数平均分子量が1000であるポリテトラメチレングリコール137g(15モル%)、数平均分子量が2000である水添ポリブタジエンポリオール183g(10モル%)を反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。そして、これらの原料を1000rpmで撹拌しながら、反応器を250℃で加熱し、溶融させた。反応器内温度が250℃に到達してから、3時間エステル化反応を進行させた。3時間経過後、重合触媒としてテトラブチルチタネート0.2gを加え、系内を減圧した。系内が高真空(圧力:20Pa)に到達してから、さらに3時間重合反応を行って、共重合ポリエステル樹脂(A)を得た。
(積層フィルムの製造)
共重合ポリエステル樹脂(A)をトルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤[(トルエン)/(メチルエチルケトン)=8/2、質量比]で固形分濃度30%に溶解し樹脂溶液を作製した。二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケーターNo.542-AB型、バーコータ装着)を用いて、乾燥後の膜厚が25μmとなるように樹脂溶液をコーティングし、熱風乾燥機で100℃、1分間乾燥することで、共重合ポリエステル樹脂塗膜が形成された積層フィルムを得た。
【0055】
実施例2~11、比較例1~5
使用するモノマーの種類と仕込み量を表1、2のように変更した以外は、実施例1と同様に、共重合ポリエステル樹脂を製造した。
得られた共重合ポリエステル樹脂を用いて、実施例1と同様に、樹脂溶液、積層フィルムを得た。
【0056】
実施例12、13
実施例2、7で得られた共重合ポリエステル樹脂(B)、(G)の樹脂溶液に共重合ポリエステル樹脂の固形分100質量部に対し、イソシアネート系硬化剤(東ソー社製コロネートL)を4質量部含有させて得られた樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の乾燥塗膜を形成した後、50℃で4日間エージング処理を行い、積層フィルムを得た。
【0057】
共重合ポリエステル樹脂の製造条件、組成、評価を表1、2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
実施例1~11の樹脂は、本発明で規定する共重合ポリエステル樹脂であるたため、溶解性が良好であり、また粘着力、保持力、耐湿熱性にも優れていた。
実施例12、13の樹脂組成物は、硬化剤を含有するため、共重合ポリエステル樹脂を単独で含有する場合よりも、粘着力、保持力、耐湿熱性が向上した。
【0061】
比較例1の共重合ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分が芳香族カルボン酸のみからなるものでないため、保持力、耐湿熱性が劣った。
比較例2の共重合ポリエステル樹脂は、ポリオール成分におけるポリアルキレングリコールの含有量が15モル%未満であったため、溶剤溶解性が得られなかった。
比較例3の共重合ポリエステル樹脂は、ポリオール成分がポリオレフィンポリオールを含有しないものであったため、ポリプロピレンフィルムに対する粘着力が低く、また保持力や耐湿熱性も大きく劣った。
比較例4の共重合ポリエステル樹脂は、ポリオール成分におけるポリオレフィンポリオールの含有量が20モル%を超えていたため、溶剤溶解性が得られなかった。
比較例5の共重合ポリエステル樹脂は、エステル結合濃度が5mmol/gを超えていたため、共重合ポリエステル樹脂の加水分解により、耐湿熱性が劣った。