(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127599
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】運動支援システム
(51)【国際特許分類】
A63B 22/06 20060101AFI20230907BHJP
A63B 26/00 20060101ALI20230907BHJP
A63B 23/04 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A63B22/06 L
A63B26/00
A63B23/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031363
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】須藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】末広 善文
(72)【発明者】
【氏名】吉川 翔太
(72)【発明者】
【氏名】矢野 宏
(57)【要約】
【課題】運動器具と運動器具へ向けて気流を吹き出すノズルとの間の距離の変化に対応して、運動器具に向けて吹き出す気流の風速を調整可能な運動支援システムを提供する。
【解決手段】運動支援システムは、運動器具と、第一ノズル及び第二ノズルと、第一送風機と、第二送風機と、第一回動部と、第二回動部と、コントローラと、を備える。運動器具は、第一ノズルと第二ノズルとに対して等距離に配置される。コントローラは、運動器具と第一ノズルとの間の距離を特定し、特定した距離が所定距離以下であると判定した場合、水平角が第一角度となるように第一回動部および第二回動部を制御し、第一送風機および第二送風機を第一出力で制御する。コントローラは、特定した距離が所定距離より大きいと判定した場合、水平角が第二角度となるように第一回動部および第二回動部を制御し、第一送風機および第二送風機を第二出力で制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に負荷を与えて運動を行わせる運動器具と、
前記運動器具に開口が向けられた第一ノズル及び第二ノズルと、
前記第一ノズルを介して前記運動器具へ向けて吹き出す気流を生成する第一送風機と、
前記第二ノズルを介して前記運動器具へ向けて吹き出す気流を生成する第二送風機と、
前記第一ノズルを水平方向に回動させる第一回動部と、
前記第二ノズルを水平方向に回動させる第二回動部と、
前記第一送風機、前記第二送風機、前記第一回動部および前記第二回動部の動作を制御するコントローラと、を備え、
前記運動器具は、
前記第一ノズルと前記第二ノズルとに対して等距離に配置され、
前記コントローラは、
前記運動器具と前記第一ノズルとの間の距離を特定し、
特定した前記距離が所定距離以下であると判定した場合、
前記運動器具と前記第一ノズルとを結ぶ一辺と前記運動器具と前記第二ノズルとを結ぶ一辺とが成す水平角が第一角度となるように前記第一回動部および前記第二回動部を制御し、
前記第一送風機および前記第二送風機を第一出力で制御し、
特定した前記距離が前記所定距離より大きいと判定した場合、
前記水平角が前記第一角度より小さい第二角度となるように前記第一回動部および前記第二回動部を制御し、
前記第一送風機および前記第二送風機を前記第一出力より大きい第二出力で制御する、運動支援システム。
【請求項2】
前記距離を特定する距離センサを備えた、請求項1記載の運動支援システム。
【請求項3】
前記距離を入力により特定するための操作パネルを備えた、請求項1記載の運動支援システム。
【請求項4】
前記第一ノズルから吹出す気流を水平に対して仰角または俯角の吹出方向となるように整流する第一整流板と、
前記第二ノズルから吹出す気流を水平に対して仰角または俯角の吹出方向となるように整流する第二整流板と、を備えた、請求項1乃至3のいずれかに記載の運動支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運動支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、臨場感のあふれた変化の多い環境の中で運動を行うことができる健康増進ルームを開示する。この健康増進ルームは、室内に設置された健康増進運動具と、健康増進運動具の設置面の傾斜角度を可変としている架台と、健康増進運動具の少なくとも前方壁面に設置された映像・音声装置と、を備えるとともに、送風手段と温湿度の調整用の空調装置(送風装置)と、室内の照度および色調を可変とした照明手段と、芳香を発する芳香手段と、で構成されて室内の環境を可変としている環境創造装置と、健康増進運動具や映像・音声装置や環境創造装置並びに架台を連動制御する制御装置と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置と運動器具との間の距離は、運動器具を用いる使用者の好みによって調節できることが好ましい。しかし、表示装置と運動器具との間の距離が変化すると、運動器具と運動器具へ向けて気流を吹き出すノズルとの間の距離が変化するため、目的とする風速を有する気流を運動器具まで届けることができない場合がある。特許文献1に開示された技術は、運動器具と運動器具へ向けて気流を吹き出すノズルとの間の距離の変化に対応して、気流の風速を調整する点で改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的のひとつは、運動器具と運動器具へ向けて気流を吹き出すノズルとの間の距離の変化に対応して、運動器具へ向けて吹き出す気流の風速を調整可能な運動支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における運動支援システムは、使用者に負荷を与えて運動を行わせる運動器具と、運動器具に開口が向けられた第一ノズル及び第二ノズルと、第一ノズルを介して運動器具へ向けて吹き出す気流を生成する第一送風機と、第二ノズルを介して運動器具へ向けて吹き出す気流を生成する第二送風機と、第一ノズルを水平方向に回動させる第一回動部と、第二ノズルを水平方向に回動させる第二回動部と、第一送風機、第二送風機、第一回動部および第二回動部の動作を制御するコントローラと、を備える。運動器具は、第一ノズルと第二ノズルとに対して等距離に配置される。コントローラは、運動器具と第一ノズルとの間の距離を特定し、特定した距離が所定距離以下であると判定した場合、運動器具と第一ノズルとを結ぶ一辺と運動器具と第二ノズルとを結ぶ一辺とが成す水平角が第一角度となるように第一回動部および第二回動部を制御し、第一送風機および第二送風機を第一出力で制御する。コントローラは、特定した距離が所定距離より大きいと判定した場合、水平角が第一角度より小さい第二角度となるように第一回動部および第二回動部を制御し、第一送風機および第二送風機を第一出力より大きい第二出力で制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示における運動支援システムは、第一ノズルと運動器具との間の距離を特定し、特定した距離に応じて第一ノズル及び第二ノズルの向きと第一送風機及び第二送風機の出力とを制御することができるので、第一ノズルと運動器具との間の距離の変化に対応して、運動器具に向けて吹き出す気流の風速を調整することができる。そのため、運動器具を用いる利用者は、好みの運動器具の設置場所において、目的とする気流を体感しつつ、運動器具を用いて運動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1における運動支援システムの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1における運動支援システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1におけるコントローラの構成を示す回路ブロック図である。
【
図4】
図4(a)は、実施の形態1における第一ノズル及び第二ノズルと運動器具との位置を示す模式図である。
図4(b)は、実施の形態1における第一ノズル及び第二ノズルと運動器具との位置を示す他の模式図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1における第一回動部、第二回動部、第一送風機及び第二送風機の動作制御を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態2における運動支援システムの構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2における運動支援システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2におけるコントローラの構成を示す回路ブロック図である。
【
図9】
図9(a)は、実施の形態2における第一ノズル及び第二ノズルと運動器具との位置を示す模式図である。
図9(b)は、実施の形態2における第一ノズル及び第二ノズルと運動器具との位置を示す他の模式図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2における第一回動部、第二回動部、第一送風機及び第二送風機の動作制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面も参照して説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0010】
(実施の形態1)
以下、
図1~5を用いて、実施の形態1を説明する。
【0011】
[1-1.構成]
図1~2において、運動支援システム1は、ディスプレイ10と、運動器具20と、送風装置30と、距離センサ40と、コントローラ50と、トラバーサ60と、を備える。
【0012】
ディスプレイ10は、動画、静止画などの映像情報や、運動器具20の動作情報などを表示する。ディスプレイ10は、送風装置30と一体に設けられる。ディスプレイ10は、運動器具20に正対して配置される。ディスプレイ10は、液晶ディスプレイや有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、公知の表示技術が採用可能である。
【0013】
運動器具20は、固定された(疑似)自転車に類する装置のペダルに抵抗をつけ、定量的な負荷をかけて運動を行うエルゴメータである。運動器具20は、利用者Uが運動器具20を使用する際に正面となる面を送風装置30に対向して配置される。運動器具20は、トラバーサ60の上に配置される。運動器具20は、距離測定対象物21を有する。
【0014】
距離測定対象物21は、距離センサ40から出力された光を距離センサ40へ向けて反射する部材である。距離測定対象物21は、エルゴメータのハンドル部分に配置される。距離測定対象物21は、距離センサ40の距離測定方式に応じて推奨される部材を選定する。
【0015】
トラバーサ60は、運動器具20を水平方向に平行移動するための装置である。トラバーサ60は、運動器具20と送風装置30との距離を調節することができる。
【0016】
送風装置30は、運動器具20へ向けて気流AF1及び気流AF2を吹き出す。送風装置30は、第一ノズル31と、第二ノズル32と、第一送風機33と、第二送風機34と、第一回動部35と、第二回動部36と、を有する。
【0017】
第一ノズル31は、気流AF1を吹き出す。第一ノズル31は、ディスプレイ10の一端側に配置される。第一ノズル31は、運動器具20を中心として第二ノズル32と対称に設けられる。第一ノズル31は、第二ノズル32と同一の部材とすることが好ましい。第一ノズル31は、開口31aと、第一整流板31bと、を有する。
【0018】
開口31aは、気流AF1を吹き出すための開口である。開口31aは、鉛直方向を長手方向とする矩形に形成される。開口31aは、運動器具20へ向けられる。
【0019】
第一整流板31bは、開口31aから吹き出す気流AF1の俯角または仰角の方向を制御する。第一整流板31bは、開口31aの長手方向において等間隔に3つが設けられる。第一整流板31bは、平板状に形成され、面方向に立設する図示しない回転軸を有する。第一整流板31bは、回転軸を第一ノズル31に勘合することで、回転軸を中心に回動する。
【0020】
第二ノズル32は、気流AF2を吹き出す。第二ノズル32は、ディスプレイ10の他端側に配置される。第二ノズル32は、運動器具20を中心として第一ノズル31と対称に設けられる。第二ノズル32は、第一ノズル31と同一の部材とすることが好ましい。第二ノズル32は、開口32aと、第二整流板32bと、を有する。
【0021】
開口32aは、気流AF2を吹き出すための開口である。開口32aは、鉛直方向を長手方向とする矩形に形成される。開口32aは、運動器具20へ向けられる。
【0022】
第二整流板32bは、開口32aから吹き出す気流AF2の俯角または仰角の方向を制御する。第二整流板32bは、開口32aの長手方向において等間隔に3つが設けられる。第二整流板32bは、平板状に形成され、面方向に立設する図示しない回転軸を有する。第二整流板32bは、回転軸を第二ノズル32に勘合することで、回転軸を中心に回動する。
【0023】
第一送風機33は、気流AF1を生成する。第一送風機33は、図示しないダクトを介して第一ノズル31と連通する。第一送風機33は、公知の遠心送風機を採用可能である。
【0024】
第二送風機34は、気流AF2を生成する。第二送風機34は、図示しないダクトを介して第二ノズル32と連通する。第二送風機34は、公知の遠心送風機を採用可能である。
【0025】
第一回動部35は、第一ノズル31を水平方向に回動可能に軸支するモータである。
【0026】
第二回動部36は、第二ノズル32を水平方向に回動可能に軸支するモータである。
【0027】
距離センサ40は、光センサのひとつであり、距離測定対象物21へ向けて出力した光と距離測定対象物21から反射されて距離センサ40へ戻ってきた光とに基づき、運動器具20に設けた距離測定対象物21と距離センサ40との距離を測定する。距離センサ40は、第一ノズル31の上方であって、運動器具20と正対して配置される。距離センサ40は、送風装置30の一体に設けられる。
【0028】
図3に示すように、コントローラ50は、送風装置30、距離センサ40と電気的に通信可能に接続し、運動支援システム1を統括的に制御する。各機能ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。コントローラ50は、送風装置30と一体に設けられる。コントローラ50は、距離情報受信部51と、距離演算部52と、比較部53と、処理部54と、第一動作制御部55と、第二動作制御部56と、第三動作制御部57と、第四動作制御部58と、を有する。
【0029】
距離情報受信部51は、距離センサ40が測定した運動器具20と距離センサ40との距離に係る情報を受信する。運動器具20と距離センサ40との距離に係る情報は、距離の数値そのものでもよいし、距離とは異なる別の数値へ変換したものであってもよい。距離情報受信部51は、受信した運動器具20と距離センサ40との距離に係る情報を距離演算部52へ送信する。
【0030】
距離演算部52は、距離情報受信部51から受信した運動器具20と距離センサ40との距離に係る情報に基づき、運動器具20と第一ノズル31との距離Lを演算する。距離演算部52は、演算した運動器具20と第一ノズル31との距離の数値を比較部53へ送信する。
【0031】
比較部53は、距離演算部52が演算した距離Lと所定距離との大小関係を比較し、比較した判定結果を処理部54へ送信する。
【0032】
処理部54は、比較部53から受信した所定距離に対する距離Lの大小の判定結果に基づく処理を実行する。処理部54は、処理の結果を第一動作制御部55、第二動作制御部56、第三動作制御部57、第四動作制御部58及び第六動作制御部59のいずれか、または複数に対して出力する。
【0033】
第一動作制御部55は、処理部54から出力される情報に基づき第一送風機33の動作を制御する。処理部54から出力される情報は、第一送風機33の運転出力に係る情報を含む。
【0034】
第二動作制御部56は、処理部54から出力される情報に基づき第二送風機34の動作を制御する。処理部54から出力される情報は、第二送風機34の運転出力に係る情報を含む。
【0035】
第三動作制御部57は、処理部54から出力される情報に基づき第一回動部35の動作を制御する。処理部54から出力される情報は、第一回動部35の回動角度に係る情報を含む。第一回動部35の回動角度に係る情報は、原点位置からの回転角度(例えば、0~90度)に係る情報である。
【0036】
第四動作制御部58は、処理部54から出力される情報に基づき第二回動部36の動作を制御する。処理部54から出力される情報は、第二回動部36の回動角度に係る情報を含む。第二回動部36の回動角度に係る情報は、原点位置からの回転角度(例えば、0~90度)に係る情報である。
【0037】
[1-2.動作]
以上のように構成された運動支援システム1について、その動作を以下説明する。
【0038】
運動支援システム1を利用する利用者Uは、エルゴメータ(運動器具20)を用いてディスプレイ10に表示される映像等を視聴しながら運動を行うことができる。利用者Uは、はじめにトラバーサ60を用いてディスプレイ10と運動器具20との間の距離を任意に設定する。利用者Uは、ディスプレイ10と運動器具20との距離を設定した後、距離測定対象物21に対して距離センサ40を向けるように調整する。また、利用者Uは、第一整流板31b及び第二整流板32bを把持して、それぞれの俯仰角度を任意に調節することができる。運動支援システム1は、ディスプレイ10と運動器具20との間の距離に基づき、第一送風機33、第二送風機34、第一回動部35及び第二回動部36の動作を制御する。ディスプレイ10と運動器具20との間の距離に基づく第一送風機33、第二送風機34、第一回動部35及び第二回動部36の動作制御について
図4~5を用いて説明する。
図4(a)は、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第一角度Deg1である場合の第一ノズル31及び第二ノズル32と運動器具20との位置を示す模式図である。
図4(b)は、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第二角度Deg2である場合の第一ノズル31及び第二ノズル32と運動器具20との位置を示す模式図である。
【0039】
(ステップS1)
運動支援システム1に対して通電が開始されると、コントローラ50は、運動器具20と距離センサ40との間の距離に係る情報を距離センサ40から距離情報受信部51を介して受信する。コントローラ50は、受信した運動器具20と距離センサ40との間の距離に係る情報に基づき、距離演算部52を用いて運動器具20と第一ノズル31との間の距離Lを算出する。言い換えると、コントローラ50は、利用者Uが任意に設定したディスプレイ10と運動器具20との間の距離に基づき、運動器具20と距離センサ40との間の距離を介して運動器具20と第一ノズル31との間の距離Lを特定する。コントローラ50は、距離Lの算出を実行した後、ステップS2へ移行する。
【0040】
(ステップS2)
コントローラ50は、比較部53を用いて距離Lと所定距離との大小関係の比較を実行する。コントローラ50は、距離Lと所定距離との大小関係の比較の比較の結果、距離Lが所定距離以下であると判定した場合(ステップS2のY)、ステップS3へ移行する。コントローラ50は、距離Lと所定距離との大小関係の比較の比較の結果、距離Lが所定距離より大きいと判定した場合(ステップS2のN)、ステップS4へ移行する。
【0041】
(ステップS3)
図5(a)に示すように、コントローラ50は、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第一角度Deg1となるように第一回動部35および第二回動部36を制御する動作と、第一送風機33及び第二送風機34を第一出力W1で制御する動作と、を実行する。
【0042】
(ステップS4)
図5(b)に示すように、コントローラ50は、水平角θが第一角度Deg1より小さい第二角度Deg2となるように第一回動部35及び第二回動部36を制御する動作と、第一送風機33及び第二送風機34を第一出力W1より大きい第二出力W2で制御する動作と、を実行する。第一角度Deg1と第二角度Deg2の大小関係は、Deg1>Deg2である。第一出力W1と第二出力W2の大小関係は、W1<W2である。
【0043】
[1-3.効果等]
運動支援システム1は、運動器具20と第一ノズル31との間の距離に応じて、運動器具20に対する開口31a及び開口32aの向きと、気流AF1及び気流AF2の風速を調節することができる。そのため、運動支援システム1は、距離Lが所定距離以下または所定距離より大きい場合であっても運動器具20に対して気流AF1及び気流AF2を提供可能であると共に、運動器具20に到達する気流AF1及び気流AF2の風速が距離Lにより変化することを抑制することができる。つまり、利用者Uは、好みの運動器具20の設置場所において、目的とする気流AF1及び気流AF2を体感しつつ、運動器具20を用いて運動を行うことができる。
【0044】
運動支援システム1は、距離センサ40を用いて、運動器具20と距離センサ40との距離に基づき距離Lを算出することができる。そのため、運動支援システム1は、距離センサ40を用いて容易に距離Lを特定することができる。
【0045】
運動支援システム1は、第一整流板31b及び第二整流板32bを用いて、開口31a及び開口32aのそれぞれから吹き出す気流AF1及び気流AF2を水平方向に対して仰角または俯角へ向けて吹き出すことができる。そのため、運動支援システム1は、運動器具20に到達する気流AF1及び気流AF2の高さを調節することができる。つまり、利用者Uは、第一整流板31b及び第二整流板32bを調整することにより、好みの高さで気流AF1及び気流AF2を体感しつつ、運動器具20を用いて運動を行うことができる。
【0046】
(実施の形態2)
以下、
図6~10を用いて、実施の形態2を説明する。
【0047】
図6~7に示すように、実施の形態2に係る運動支援システム101は、少なくとも、距離センサ40ではなく操作パネル121を備える点で、実施の形態1に係る運動支援システム1と異なる。また、これに伴い、運動器具20と第一ノズル31との間の距離の特定方法が実施の形態1におけるそれとは異なるため、運動支援システム1は、コントローラ50ではなく、コントローラ150を備える。
【0048】
[2-1.構成]
操作パネル121は、ディスプレイ10と運動器具20との間の距離を入力するための機器である。操作パネル121は、物理ボタンにより操作を実行する機械方式、または画面上に表示される仮想ボタンにより操作を実行する静電容量方式など、公知の入力方式記述を採用可能である。操作パネル121は、エルゴメータ(運動器具20)のハンドル部分に配置される。
【0049】
図8に示すように、コントローラ150は、送風装置30、操作パネル121と電気的に通信可能に接続し、運動支援システム101を統括的に制御する。コントローラ150は、距離情報受信部151を有する。
【0050】
距離情報受信部151は、操作パネル121を介して入力されたディスプレイ10と運動器具20との距離に係る情報を受信する。ディスプレイ10と運動器具20との距離に係る情報は、距離の数値そのものでもよいし、距離とは異なる別の数値へ変換したものであってもよい。距離情報受信部151は、受信したディスプレイ10と運動器具20との距離に係る情報を距離演算部52へ送信する。
【0051】
距離演算部152は、距離情報受信部151から受信したディスプレイ10と運動器具20との距離に係る情報に基づき、運動器具20と第一ノズル31との距離Lを演算する。距離演算部52は、演算した運動器具20と第一ノズル31との距離の数値を比較部53へ送信する。
【0052】
[2-2.動作]
以上のように構成された運動支援システム101について、その動作を以下説明する。
【0053】
運動支援システム101を利用する利用者Uは、エルゴメータ(運動器具20)を用いてディスプレイ10に表示される映像等を視聴しながら運動を行うことができる。利用者Uは、はじめにトラバーサ60を用いてディスプレイ10と運動器具20との間の距離を任意に設定する。運動支援システム101に対する通電を開始したあと、利用者Uは、設定したディスプレイ10と運動器具20との間の距離を操作パネル121に入力する。また、利用者Uは、第一整流板31b及び第二整流板32bを把持して、それぞれの俯仰角度を任意に調節することができる。運動支援システム101は、ディスプレイ10と運動器具20との距離に基づき、第一送風機33、第二送風機34、第一回動部35及び第二回動部36の動作を制御する。ディスプレイ10と運動器具20との距離に基づく第一送風機33、第二送風機34、第一回動部35及び第二回動部36の動作制御について
図9~
図10を用いて説明する。
図9(a)は、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第一角度Deg1である場合の第一ノズル31及び第二ノズル32と運動器具20との位置を示す模式図である。
図9(b)は、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第二角度Deg2である場合の第一ノズル31及び第二ノズル32と運動器具20との位置を示す模式図である。
【0054】
(ステップS101)
コントローラ50は、操作パネル121において入力されたディスプレイ10と運動器具20との間の距離に係る情報を受信すると、受信したディスプレイ10と運動器具20との間の距離に係る情報に基づき、距離演算部152を用いて運動器具20と第一ノズル31との間の距離Lを算出する。言い換えると、コントローラ50は、利用者Uが任意に設定したディスプレイ10と運動器具20との間の距離に基づき、運動器具20と第一ノズル31との間の距離Lを特定する。コントローラ50は、距離Lの算出を実行した後、ステップS102へ移行する。
【0055】
(ステップS102)
コントローラ150は、比較部53を用いて距離Lと所定距離との大小関係の比較を実行する。コントローラ150は、距離Lと所定距離との大小関係の比較の比較の結果、距離Lが所定距離以下であると判定した場合(ステップS102のY)、ステップS103へ移行する。コントローラ150は、距離Lと所定距離との大小関係の比較の比較の結果、距離Lが所定距離より大きいと判定した場合(ステップS102のN)、ステップS104へ移行する。
【0056】
(ステップS103)
図10(a)に示すように、コントローラ150は、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第一角度Deg1となるように第一回動部35および第二回動部36を制御する動作と、第一送風機33及び第二送風機34を第一出力W1で制御する動作と、を実行する。
【0057】
(ステップS104)
図5(b)に示すように、コントローラ150は、水平角θが第一角度Deg1より小さい第二角度Deg2となるように第一回動部35及び第二回動部36を制御する動作と、第一送風機33及び第二送風機34を第一出力W1より大きい第二出力W2で制御する動作と、を実行する。第一角度Deg1と第二角度Deg2の大小関係は、Deg1>Deg2である。第一出力W1と第二出力W2の大小関係は、W1<W2である。
【0058】
[2-3.効果等]
運動支援システム101は、操作パネル121に入力されるディスプレイ10と運動器具20との距離に基づき距離Lを算出することができる。そのため、運動支援システム1は、操作パネル121を用いて容易に距離Lを特定することができる。
【0059】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0060】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0061】
運動支援システム1及び運動支援システム101は、運動器具20と第一ノズル31との距離Lを特定したが、これに限定されない。運動支援システム1及び運動支援システム101は、運動器具20と第二ノズル32と距離を特定し、その特定した距離に応じて第一送風機33、第二送風機34、第一回動部35及び第二回動部36の動作を制御してもよい。
【0062】
コントローラ50及びコントローラ150は、送風装置30と一体に設けたが、送風装置30と別体として設けてもよい。例えば、コントローラ50及びコントローラ150は、運動器具20が配置される居室空間の壁面に設置してもよいし、運動器具20と一体に設けてもよい。
【0063】
ディスプレイ10は、プロジェクターから出力される情報を投映するスクリーンを用いてもよい。また、ディスプレイ10は、送風装置30と別体として設けてもよい。
【0064】
運動支援システム1及び運動支援システム101は、気流AF1及び気流AF2の温度及び湿度を調節するための空調部を備えてもよい。
【0065】
距離センサ40は、光センサだけでなく、超音波センサやミリ波センサなど、センサと目標物(距離測定対象物21)との間の距離を測定するためのセンサであればよい。
【0066】
(発明の概要)
以下、発明の概要について記載する。
【0067】
実施の形態1において、運動支援システム1は、使用者(利用者U)に負荷を与えて運動を行わせる運動器具20と、運動器具20に開口(開口31a、開口32a)が向けられた第一ノズル31及び第二ノズル32と、第一ノズル31を介して運動器具20へ向けて吹き出す気流AF1を生成する第一送風機33と、第二ノズル32を介して運動器具20へ向けて吹き出す気流AF2を生成する第二送風機34と、第一ノズル31を水平方向に回動させる第一回動部35と、第二ノズル32を水平方向に回動させる第二回動部36と、第一送風機33、第二送風機34、第一回動部35及び第二回動部36の動作を制御するコントローラ50と、を備える。運動器具20は、第一ノズル31と第二ノズル32とに対して等距離に配置される。コントローラ50は、運動器具20と第一ノズル31との間の距離を特定する。コントローラ50は、特定した距離Lが所定距離以下であると判定した場合、運動器具20と第一ノズル31とを結ぶ一辺と運動器具20と第二ノズル32とを結ぶ一辺とが成す水平角θが第一角度Deg1となるように第一回動部35及び第二回動部36を制御し、第一送風機33及び第二送風機34を第一出力W1で制御する。コントローラ50は、特定した距離Lが所定距離より大きいと判定した場合、水平角θが第一角度Deg1より小さい第二角度Deg2となるように第一回動部35及び第二回動部36を制御し、第一送風機33及び第二送風機34を第一出力W1より大きい第二出力W2で制御する。
【0068】
実施の形態1において、運動支援システム1は、距離Lを特定する距離センサ40を備える。
【0069】
実施の形態1において、運動支援システム1は、第一ノズル31から吹出す気流AF1を水平に対して仰角または俯角の吹出方向となるように整流する第一整流板31bと、第二ノズル32から吹出す気流を水平に対して仰角または俯角の吹出方向となるように整流する第二整流板32bと、を備える。
【0070】
実施の形態2において、運動支援システム101は、距離Lを入力により特定するための操作パネル121を備える。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示は、運動器具と運動器具へ向けて気流を吹き出すノズルとの距離を調節し得る運動支援システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 運動支援システム
10 ディスプレイ
20 運動器具
21 距離測定対象物
30 送風装置
31 第一ノズル
31a 開口
31b 第一整流板
32 第二ノズル
32a 開口
32b 第二整流板
33 第一送風機
34 第二送風機
35 第一回動部
36 第二回動部
40 距離センサ
50 コントローラ
51 距離情報受信部
52 距離演算部
53 比較部
54 処理部
55 第一動作制御部
56 第二動作制御部
57 第三動作制御部
58 第四動作制御部
60 トラバーサ
101 運動支援システム
121 操作パネル
150 コントローラ
151 距離情報受信部
152 距離演算部