IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

特開2023-1276データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体
<>
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図1
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図2
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図3
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図4
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図5
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図6
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図7
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図8
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図9
  • 特開-データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001276
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】データ構造、端末装置、データ通信方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20221222BHJP
   G08G 1/0965 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/0965
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022179282
(22)【出願日】2022-11-09
(62)【分割の表示】P 2018057058の分割
【原出願日】2018-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】下野 泰裕
(72)【発明者】
【氏名】浜田 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】堀川 邦彦
(57)【要約】
【課題】ユーザ操作に基づく衝撃を検知した場合であっても、不要に走行情報を生成するのを好適に抑制することが可能な情報生成装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、車両に搭載され、基準対象移動判定部16と、制御部19とを備える。基準対象移動判定部16は、搭乗者によるナビゲーション装置1への接触の有無を判定する。制御部19は、車両に加わる加速度を検出する加速度センサ6により検出された加速度と、基準対象移動判定部16の判定結果とに基づき、車両の走行状態に関連する事故情報Iaを生成してサーバ装置7へ送信する。この場合、制御部19は、基準対象移動判定部16によりナビゲーション装置1への接触があると判定された際に加速度センサ6により検出された加速度に基づく事故情報Iaの生成及び送信を行わない。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部と、
前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部と、
前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部と、を備え、
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止状態を終了すべき停止終了時刻情報を含む情報処理装置。
【請求項2】
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間を更に含む請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部と、
前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部と、
前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部と、を備え、
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間情報を含む情報処理装置。
【請求項4】
前記停止リクエスト情報は、前記緊急車両の種別と、前記緊急車両の現在位置と、前記緊急車両の走行予定経路と、前記緊急車両の速度と、の少なくとも1つを含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止してはいけないエリアを更に含む請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記一般車両が停止すべきリンクに対応する道路の幅と、前記緊急車両の車両サイズとを考慮して、前記停止位置を決定する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得工程と、
前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成工程と、
前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信工程と、を備え、
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止状態を終了すべき停止終了時刻情報を含む情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置により実行される情報処理方法であって、
緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得工程と、
前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成工程と、
前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信工程と、を備え、
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間情報を含む情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部、
前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部、及び、
前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部、として前記コンピュータを機能させ、
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止状態を終了すべき停止終了時刻情報を含むプログラム。
【請求項10】
コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、
緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部、
前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部、及び、
前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部、として前記コンピュータを機能させ、
前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間情報を含むプログラム。
【請求項11】
請求項9または10に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急車両の情報を収集し利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に設置されたセンサの出力に基づき地図データを更新する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車両等の移動体に設置されたセンサの出力に基づいて部分地図の変化点を検出した場合に、当該変化点に関する変化点情報をサーバ装置に送信する運転支援装置が開示されている。また、非特許文献1には、車両側のセンサが検出したデータをクラウドサーバで収集するためのデータフォーマットに関する仕様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-156973号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】here社ホームページ、Vehicle Sensor Data Cloud Ingestion Interface Specification(v2.0.2),[平成29年10月27日検索]、インターネット<URL:https://lts.cms.here.com/static-cloud-content/Company_Site/2015_06/Vehicle_Sensor_Data_Cloud_Ingestion_Interface_Specification.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動運転車などの一般車両が走行している際に、救急車などの緊急車両が接近してきた場合、一般車両は緊急車両に進路を譲る必要がある。この場合、サーバ装置は、緊急車両の位置や走行予定経路など、緊急車両に道を譲るために必要な情報を、緊急車両の走行予定経路上にいる一般車両に通知することが求められる。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、目的地へ向かって走行中の緊急車両に関する情報を収集し、走行予定経路にいる一般車両に通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項に記載の発明は、車両に搭載される情報生成装置であって、緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部と、前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部と、前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部と、を備え、前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止状態を終了すべき停止終了時刻情報を含む。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、車両に搭載される情報生成装置であって、緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部と、前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部と、前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部と、を備え、前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間情報を含む。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、情報処理装置により実行される情報処理方法であって、緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得工程と、前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成工程と、前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信工程と、を備え、前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止状態を終了すべき停止終了時刻情報を含む。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、情報処理装置により実行される情報処理方法であって、緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得工程と、前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成工程と、前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信工程と、を備え、前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間情報を含む。
【0011】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部、前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部、及び、前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部、として前記コンピュータを機能させ、前記停止リクエスト情報は、前記一般車両が停止状態を終了すべき停止終了時刻情報を含む。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータを備える情報処理装置により実行されるプログラムであって、緊急車両に搭載された端末装置から、前記緊急車両の走行に関する緊急車両情報を取得する取得部、前記緊急車両情報に基づいて、自動運転車である一般車両に停止を求める停止リクエスト情報を生成する生成部、及び、前記停止リクエスト情報を、前記一般車両に搭載された端末装置へ送信する送信部、として前記コンピュータを機能させ、前記停止リクエスト情報は、前記一般車両の停止状態の開始時刻から終了時刻までの期間である停止期間情報を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】データ収集システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】端末装置の構成を示すブロック図である。
図3】端末装置が実行する処理概要を示したブロック図である。
図4】サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図5】緊急車両が走行する様子を示す。
図6】緊急車両に関する情報を含むアップロードデータのフォーマットを示す。
図7】緊急車両情報を含むアップロードデータのアップロード処理を示す。
図8】一般車両が作った進路を緊急車両が走行する様子を示す。
図9】一般車両に停止を求めるリクエストデータのフォーマットを示す。
図10】停止リクエスト処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の1つの好適な実施形態は、緊急車両に搭載された端末装置から、情報処理装置へ送信される送信データのデータ構造であって、前記緊急車両の種別データと、前記緊急車両の位置データと、前記緊急車両の走行予定経路又は走行予定方向と、前記緊急車両の走行速度と、を含み、前記情報処理装置が前記緊急車両の走行予定位置及び当該走行予定位置に到達する時間を推定するために用いられる。
【0015】
上記の送信データは、緊急車両に搭載された端末装置から、情報処理装置へ送信される。そのデータ構造は、緊急車両の種別データと、緊急車両の位置データと、緊急車両の走行予定経路又は走行予定方向と、緊急車両の走行速度と、を含む。このデータ構造は、情報処理装置が緊急車両の走行予定位置及び当該走行予定位置に到達する時間を推定するために用いられる。
【0016】
好適な例では、上記のデータ構造は、前記緊急車両のサイズを示すサイズデータを含む。さらに他の例では、上記のデータ構造は、前記緊急車両の目的地を含む。
【0017】
本発明の他の好適な実施形態は、緊急車両に搭載される端末装置であって、前記緊急車両の種別データと、位置データと、走行予定経路又は走行予定方向と、走行速度とを含む送信データを生成する生成手段と、前記送信データを情報処理装置へ送信する送信手段と、を備える。
【0018】
上記の端末装置は、前記緊急車両の種別データと、位置データと、走行予定経路又は走行予定方向と、走行速度とを含む送信データを生成し、その送信データを情報処理装置へ送信する。これにより、情報処理装置は、緊急車両の走行予定位置及び当該走行予定位置に到達する時間を推定することができる。
【0019】
本発明の他の好適な実施形態は、緊急車両に搭載される端末装置により実行されるデータ通信方法であって、前記緊急車両の種別データと、位置データと、走行予定経路又は走行予定方向と、走行速度とを含む送信データを生成する生成工程と、前記送信データを情報処理装置へ送信する送信工程と、を備える。この方法によれば、情報処理装置は、緊急車両の走行予定位置及び当該走行予定位置に到達する時間を推定することができる。
【0020】
本発明の他の好適な実施形態は、コンピュータを備え、緊急車両に搭載される端末装置により実行されるプログラムであって、前記緊急車両の種別データと、位置データと、走行予定経路又は走行予定方向と、走行速度とを含む送信データを生成する生成手段、前記送信データを情報処理装置へ送信する送信手段、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の端末装置を実現することができる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
【実施例0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[データ収集システム]
(全体構成)
図1は、実施例に係るデータ収集システムの概略構成である。データ収集システムは、移動体である車両Vと共に移動する端末装置1と、各端末装置1とネットワークを介して通信を行うサーバ装置2とを備える。なお、以下の説明では、車両Vのうち、特に緊急車両を「Vx」で示し、緊急車両Vxには端末装置1xが搭載されているものとする。データ収集システムは、各端末装置1から送信された情報に基づき、サーバ装置2が保有する地図やその他の情報を更新する。なお、以後において、「地図」とは、従来の経路案内用の車載機が参照するデータに加えて、ADAS(Advanced Driver Assistance System)や自動運転に用いられるデータも含むものとする。
【0022】
サーバ装置2は、各車両の端末装置1と通信セッションを確立し、車両の周辺環境に関するデータ(以下、「周辺環境データ」と呼ぶ。)をサーバ装置2へ送信することを要求するリクエストDrを端末装置1へ送信する。端末装置1は、要求された周辺環境データを含むアップロードデータDuをサーバ装置2に送信する。具体的には、端末装置1は、サーバ装置2と通信セッションを確立した場合に、端末装置1が搭載された車両の属性情報等をアップロードデータDuに含めてサーバ装置2へ送信する。また、端末装置1は、カメラやライダ(LIDAR:Laser Illuminated Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging又はLiDAR:Light Detection and Ranging)などから構成されるセンサ部7の出力に基づき周辺環境データを生成し、アップロードデータDuに含めてサーバ装置2へ送信する。
【0023】
サーバ装置2は、各端末装置1からアップロードデータDuを受信して記憶する。サーバ装置2は、例えば、収集したアップロードデータDuに基づき、地図データの作成基準時点からの変化部分(変化点)を検出し、検出した変化点を反映するための地図データの更新などを行う。
【0024】
なお、端末装置1は、車両に取り付けられた車載機又は車載機の一部であってもよく、車両の一部であってもよい。あるいは、センサ部7を接続することができれば、端末装置1はノート型PC等の可搬性のある端末機器であってもよい。
【0025】
(端末装置の構成)
図2は、端末装置1の機能的構成を表すブロック図を示す。図2に示すように、端末装置1は、主に通信部11と、記憶部12と、入力部13と、制御部14と、インターフェース15と、出力部16とを有する。端末装置1内の各要素は、バスライン98を介して相互に接続されている。
【0026】
通信部11は、制御部14の制御に基づき、アップロードデータDuをサーバ装置2へ送信したり、地図DB4を更新するための地図データをサーバ装置2から受信したりする。また、通信部11は、車両を制御するための信号を車両に送信する処理、車両の状態に関する信号を車両から受信する処理を行ってもよい。
【0027】
記憶部12は、制御部14が実行するプログラムや、制御部14が所定の処理を実行する為に必要な情報を記憶する。本実施例では、記憶部12は、複数の地図DB4と、センサデータキャッシュ6と、車両属性情報IVとを記憶する。
【0028】
図DB4は、例えば、道路データ、施設データ、及び、道路周辺の地物データなどを含むデータベースである。道路データには、経路探索用の車線ネットワークデータ、道路形状データ、交通法規データなどが含まれる。地物データは、道路標識等の看板や停止線等の道路標示、センターライン等の道路区画線や道路沿いの構造物等の情報を含む。また、地物データは、自車位置推定に用いるための地物の高精度な点群情報などを含んでもよい。その他、地図DB4には、位置推定に必要な種々のデータが記憶されてもよい。なお、記憶部12は、データの種類(道路データ、施設データ、地物データ)ごとに分けられた複数の地図DB4を記憶してもよく、用途(案内用、自動運転用、障害検知用)等に分けられた複数の地図DB4を記憶してもよい。
【0029】
センサデータキャッシュ6は、センサ部7の出力データ(いわゆる生データ)を一時的に保持するキャッシュメモリである。車両属性情報IVは、車両の種別、車両ID、車両長さ、車幅、車高などの車両サイズ、車両の燃料タイプなど、端末装置1を搭載した車両の属性に関する情報を示す。なお、緊急車両Vxの端末装置1xは、車両属性情報IVとして、救急車、パトカー、消防車などの緊急車両の種別も記憶している。
【0030】
入力部13は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ、音声入力装置等であり、例えば、経路探索のための目的地を指定する入力、自動運転のオン及びオフを指定する入力などを受け付け、生成した入力信号を制御部14へ供給する。出力部16は、例えば、制御部14の制御に基づき出力を行うディスプレイやスピーカ等である。
【0031】
インターフェース15は、センサ部7の出力データを制御部14やセンサデータキャッシュ6に供給するためのインターフェース動作を行う。センサ部7は、ライダ31やカメラ32などの車両の周辺環境を認識するための複数の外界センサと、GPS受信機33、ジャイロセンサ34、ポジションセンサ35、3軸センサ36などの内界センサを含む。ライダ31は、外界に存在する物体までの距離を離散的に測定し、当該物体の表面を3次元の点群として認識し、点群データを生成する。カメラ32は、車両から撮影した画像データを生成する。ポジションセンサ35は、各外界センサの位置を検出するために設けられ、3軸センサ36は、各外界センサの姿勢を検出するために設けられている。なお、センサ部7は、図2に示した外界センサ及び内界センサ以外の任意の外界センサ及び内界センサを有してもよい。例えば、センサ部7は、外界センサとして、超音波センサ、赤外線センサ、マイクなどを含んでもよい。
【0032】
制御部14は、1または複数のプラットフォーム上で所定のプログラムを実行するCPUなどを含み、端末装置1の全体を制御する。制御部14は、機能的には、位置推定部17と、オブジェクト検出部18と、アップロードデータ生成部19とを含む。図3は、端末装置1の位置推定部17、オブジェクト検出部18、及びアップロードデータ生成部19の処理概要を示したブロック図である。
【0033】
位置推定部17は、センサデータキャッシュ6に保持されているセンサ部7の出力データ及び地図DB4に基づき、自車位置(車両の姿勢も含む)を推定する。位置推定部17は、種々の位置推定方法を実行可能となっている。位置推定部17は、例えば、GPS受信機33及びジャイロセンサ34等の自立測位センサの出力に基づくデッドレコニング(自律航法)による自車位置推定方法、自律航法に地図DB4の道路データなどをさらに照合する処理(マップマッチング)を行う自車位置推定方法、周囲に存在する所定のオブジェクト(ランドマーク)を基準としてライダ31やカメラ32などの外界センサの出力データと地図DB4の地物情報が示すランドマークの位置情報とに基づく自車位置推定方法などを実行する。そして、位置推定部17は、現在実行可能な位置推定方法の中から最も高い推定精度となる位置推定方法を実行し、実行した位置推定方法に基づき得られた自車位置等を示した自車位置情報を、アップロードデータ生成部19へ供給する。位置推定部17は、実行した位置推定方法を特定する情報を自車位置情報に含めてアップロードデータ生成部19へ供給する。
【0034】
オブジェクト検出部18は、センサ部7が出力する点群情報、画像データ、音声データ等に基づき、所定のオブジェクトを検出する。この場合、例えば、オブジェクト検出部18は、位置推定部17が推定した自車位置に基づき、センサ部7により検出したオブジェクトに対応する地物データを地図DB4から抽出する。そして、オブジェクト検出部18は、センサ部7により検出したオブジェクトの位置及び形状等と、地図DB4から抽出した地物データが示すオブジェクトの位置及び形状等とに違いがある場合、又は、地図DB4に該当する地物データが存在しない場合などに、センサ部7により検出したオブジェクトに関する情報(「オブジェクトデータ」とも呼ぶ。)を、アップロードデータ生成部19へ供給する。
【0035】
なお、オブジェクト検出部18は、センサ部7により検出したオブジェクトと地図DB4の地物情報が示すオブジェクトとに形状や位置等に違いがあるか否かに関わらず、特定のオブジェクトを検出した場合に、当該オブジェクトに関するオブジェクトデータをアップロードデータ生成部19へ供給してもよい。例えば、オブジェクト検出部18は、センサ部7の出力に基づき、道路標識の内容、形状、位置等を認識した場合、又は、車線境界(即ち区画線等)の位置、形状等を認識した場合に、これらの認識結果をオブジェクトデータとしてアップロードデータ生成部19へ供給してもよい。
【0036】
アップロードデータ生成部19は、位置推定部17から供給される自車位置情報と、オブジェクト検出部18から供給されるオブジェクトデータと、センサデータキャッシュ6から供給されるセンサ部6の出力データ(いわゆる生データ)とに基づき、アップロードデータDuを生成する。そして、アップロードデータ生成部19は、生成したアップロードデータDuを、通信部11によりサーバ装置2へ送信する。例えば、アップロードデータ生成部19は、サーバ装置2との通信セッションを確立した場合に、車両属性情報IVを含むアップロードデータDuを生成し、生成したアップロードデータDuを通信部11によりサーバ装置2へ送信する。
【0037】
(サーバ装置)
図4は、サーバ装置2の機能的構成を示すブロック図を示す。図4に示すように、サーバ装置2は、主に通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。サーバ装置2内の各要素は、バスライン99を介して相互に接続されている。
【0038】
通信部21は、制御部23の制御に基づき、各端末装置1からアップロードデータDuを受信したり、地図DB4を更新するための地図データを各端末装置1へ送信したりする。
【0039】
記憶部22は、制御部23が実行するプログラムや、制御部23が所定の処理を実行する為に必要な情報を記憶する。本実施例では、記憶部22は、配信地図DB5を記憶する。
【0040】
配信地図DB5は、各端末装置1に配信するための地図データであり、各端末装置1から受信するアップロードデータDuに基づき更新が行われる。配信地図DB5は、地図DB4と同様に、道路データ、施設データ、道路周辺の地物データなど、自動運転やADASなどで使用される種々のデータを記憶している。
【0041】
制御部23は、所定のプログラムを実行するCPUなどを含み、サーバ装置2の全体を制御する。本実施例では、制御部23は、通信部21によりアップロードデータDuを端末装置1から受信した場合に、アップロードデータDuに含まれる周辺環境データに基づいて配信地図DB内の地図データを更新する。
【0042】
また、本実施例では、サーバ装置2は、緊急車両Vxの端末装置1xから緊急車両に関するアップロードデータを受信し、それに基づいて将来の各時刻における緊急車両の位置を推定する。そして、サーバ装置2は、走行予定経路上にいる一般車両Vの端末装置1に対して、緊急車両に停止を求めるリクエストデータを送信する。
【0043】
上記の構成において、サーバ装置2は本発明の情報処理装置の一例であり、アップロードデータ生成部19は本発明の生成手段の一例であり、通信部11は本発明の送信手段の一例である。
【0044】
[緊急車両情報のアップロード]
まず、緊急車両Vxに関する情報をサーバ装置2へアップロードする方法について説明する。図5は、緊急車両Vxが走行する様子を示す。緊急車両Vxが走行する際、一般車両Vは緊急車両Vxに進路を譲る必要がある。緊急車両Vxは、走行予定経路上にいる一般車両Vが緊急車両Vxに円滑に進路を譲ることができるように、緊急車両Vxに関する情報をサーバ装置2にアップロードする。
【0045】
図6は、緊急車両Vxに関する情報(以下、「緊急車両情報」とも呼ぶ。)を含むアップロードデータのフォーマットを示す。このアップロードデータは、緊急車両Vxの端末装置1xからサーバ装置2へ所定時間毎に送信される。図示のように、アップロードデータは、「基本情報部」と、「特有情報部」とを含む。基本情報部は、端末装置1xからサーバ装置2へのアップロードデータにおいて必要な基本的な情報を含む部分であり、「ヘッダ」、「車両メタデータ」、「車両位置」を含む。
【0046】
「ヘッダ」は、サーバ装置2と端末装置1xとの間で行われる通信で使用されるデータフォーマットのバージョンと、そのアップロードデータが送信された時刻を示すタイムスタンプとを含む。「車両メタデータ」は、その端末装置1xが搭載された緊急車両Vxに関する情報であり、車両ID、車両サイズ、緊急車両の種別などを含む。緊急車両の種別とは、例えば、救急車、パトカー、消防車などである。「車両位置」は、端末装置1xがアップロードデータをサーバ装置2へ送信するときの緊急車両Vxの位置を示す情報であり、例えば緊急車両Vxが存在する道路の道路リンクIDや位置座標である。
【0047】
アップロードデータの特有情報部は、「目的地」、「走行予定経路」、「速度」を含む。「目的地」は、緊急車両Vxが向かっている目的地である。例えば、緊急車両Vxが救急車の場合には目的地は救急患者のいる場所などであり、緊急車両Vxが消防車の場合には目的地は火災現場などである。なお、目的地は、施設や建物のID、又は、位置座標などにより示される。
【0048】
「走行予定経路」は、緊急車両Vxが走行する予定の経路、即ち、目的地までの経路である。走行予定経路は、例えば、目的地までに通過すべき道路を示すリンクIDや交差点を示すノードIDなどにより示される。また、走行予定経路に、目的地への到着予定時刻や、主要な交差点などの経由地点の通過予定時刻を含めても良い。なお、緊急車両Vxが出動直後であり、未だ詳細な走行予定経路が決まっていない場合には、走行予定経路の代わりに走行予定方向を含めても良い。走行予定方向は、例えば、南西、北東などの方位とすることができる。
【0049】
「速度」は、緊急車両Vxの速度であり、具体的には、端末装置1xがアップロードデータをサーバ装置2へ送信する時点における緊急車両Vxの速度である。端末装置1xは、緊急車両Vxの速度計や、端末装置1xが有するGPS33などのセンサ部7の出力に基づいて、速度を検出することができる。
【0050】
上記のアップロードデータにおいて、緊急車両の種別は本発明の種別データの一例であり、車両位置は本発明の位置データの一例であり、車両サイズは本発明のサイズデータの一例である。
【0051】
図7は、緊急車両情報を含むアップロードデータのアップロード処理を示す。この処理は、緊急車両Vxの端末装置1xの制御部14が予め用意されたプログラムを実行することにより行われる。また、この処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0052】
まず、端末装置1xは、緊急車両Vxに設定されている目的地を取得する(ステップS10)。緊急車両Vxが出動する場合、緊急車両Vxのナビゲーション装置などに目的地が設定されるので、端末装置1xはその目的地を取得する。次に、端末装置1xは、設定されている走行予定経路を取得する(ステップS11)。緊急車両Vxのナビゲーション装置は、目的地が設定されると、目的地までの走行予定経路を算出する。よって、端末装置1xは、ナビゲーション装置から、設定された走行予定経路を取得する。なお、端末装置1xがナビゲーション装置の機能を有している場合には、端末装置1xは、ステップS10及びS11で、内部に記憶されている目的地及び走行予定経路を取得すればよい。
【0053】
次に、端末装置1xは、緊急車両Vxの現在位置及び速度を取得する(ステップS13)。具体的には、端末装置1xは、センサ部7の出力に基づいて、現在位置及び速度を取得する。
【0054】
次に、端末装置1xは、図6に示すフォーマットのアップロードデータを生成する(ステップS14)。この際、端末装置1xは、記憶部12の車両属性情報IVに記憶されている車両ID、車両サイズ、緊急車両の種別などを「車両メタデータ」に設定し、ステップS13で取得した現在位置を「車両位置」に設定する。また、端末装置1xは、ステップS10で取得した目的地を「目的地」に設定し、ステップS11で取得した走行予定経路を「走行予定経路」に設定し、ステップS13で取得した速度を「速度」に設定する。
【0055】
そして、端末装置1xは、生成したアップロードデータを、サーバ装置2へ送信する(ステップS15)。緊急車両情報を含むアップロードデータは、所定時間毎に繰り返しサーバ装置2へ送信されるので、サーバ装置2は、緊急車両Vxの位置や今後の走行予定経路などを把握することができる。
【0056】
[一般車両に停止を求めるリクエストの送信]
次に、一般車両に停止を求めるリクエストの送信について説明する。サーバ装置2は、緊急車両Vxからアップロードデータを受信することにより緊急車両Vxの現在位置や速度、今後の走行予定経路などを知ることができるので、走行予定経路上に存在する一般車両Vに対して、緊急車両Vxに進路を譲るために停止することを求めるリクエストを送信する。
【0057】
図8は、一般車両Vが停止することにより作った進路を緊急車両Vxが走行する様子を示す。図示のように、一般車両Vは、道路の左右の端に停止することにより道路の中央付近を空け、緊急車両Vxが通過できるスペースを作ることが望ましい。また特に、道幅が狭く左右に退避スペースがないような道路においては、対向車線に存在する車両が左右端に並ぶ形で停車した場合に、中央を通過出来ない可能性がある。そのような場合、図8のように車両が左右交互に停止することで緊急車両の通過スぺースを作ることができる。このため、サーバ装置2は、緊急車両Vxの走行予定経路上にいる一般車両Vの各々に対して、道路の端で停止することを求めるリクエストを送信する。
【0058】
図9は、一般車両に停止を求めるリクエスト(以下、「停止リクエスト」とも呼ぶ。)に用いられるリクエストデータのフォーマットを示す。このリクエストデータは、サーバ装置2から、緊急車両Vxの走行予定経路上にいる一般車両Vの端末装置1に送信される。
【0059】
図9に示すように、リクエストデータは、「基本情報部」と、「特有情報部」とを含む。基本情報部は、サーバ装置2から端末装置1へのリクエストにおいて必要な基本的な情報を含む部分であり、「ヘッダ」、「対象車両情報」、「対象エリア情報」を含む。
【0060】
「ヘッダ」は、サーバ装置2と端末装置1との間で行われる通信で使用されるデータフォーマットのバージョンと、そのリクエストが送信された時刻を示すタイムスタンプとを含む。「対象車両情報」は、リクエストの送信先の車両を特定する情報であり、例えば車両IDなどである。「対象エリア情報」は、そのリクエストの送信対象エリアを特定する情報であり、例えば地図データにおけるリンクIDやエリアIDなどである。よって、サーバ装置2から端末装置1へ送信されるリクエストは、対象エリア情報が示す対象エリアに存在し、対象車両情報により特定される車両の端末装置1へ送信されることになる。なお、停止リクエストにおける対象エリア情報は、緊急車両Vxの走行予定経路上のエリアを示す情報となる。
【0061】
特有情報部は、「緊急車両情報」と「停止情報」を含む。「緊急車両情報」は、緊急車両Vxに関する情報であり、「緊急車両種別」、「緊急車両位置」、「緊急車両経路」、「緊急車両速度」を含む。ここで、「緊急車両種別」は、緊急車両の種別であり、例えば、救急車、パトカーなどである。サーバ装置2は、緊急車両Vxの端末装置1xから受信したアップロードデータに含まれる緊急車両の種別を「緊急車両種別」に設定する。
【0062】
「緊急車両位置」は緊急車両Vxの現在位置であり、「緊急車両経路」は緊急車両Vxの走行予定経路であり、「緊急車両速度」は緊急車両Vxの現在の速度である。サーバ装置2は、アップロードデータに含まれる車両位置を「緊急車両位置」に設定し、アップロードデータに含まれる走行予定経路を「緊急車両経路」に設定し、アップロードデータに含まれる速度を「緊急車両速度」に設定する。
【0063】
一方、「停止情報」は、停止リクエストの送信先の一般車両Vの停止状態を示す情報であり、「停止リンクID]、「停止位置」、「停止開始時刻」、「停止終了時刻」、「停止期間」、「停止禁止エリア」を含む。
【0064】
「停止リンクID」は一般車両Vが停止すべきリンクのIDであり、「停止位置」は一般車両Vが停止すべき位置である。なお、停止位置は、位置座標で示してもよく、停止リンクIDが示すリンクの両端のノードのうちの一方からの距離で示してもよい。停止リンクID及び停止位置は、サーバ装置2が、アップロードデータに含まれる車両位置、走行予定経路、速度などに基づいて決定する。具体的には、サーバ装置2は、緊急車両Vxの車両位置、速度、走行予定経路などに基づいて、緊急車両Vxの将来の各時刻における位置、即ち、緊急車両Vxがいつ頃どの位置を通過するかを推定する。そして、サーバ装置2は、緊急車両Vxが通過する道路リンクのリンクIDを停止リンクIDに設定し、その道路において一般車両Vが停止すべき位置、具体的には、走行中の道路の左端などの位置を停止位置に設定する。なお、サーバ装置2は、停止リンクIDが示す道路の幅と、緊急車両Vxの車両サイズ(特に車幅)を考慮して、一般車両Vの停止位置を決定してもよい。また、停止する一般車両の車幅や、道路幅、道路端の退避スペースの有無等をさらに考慮してもよい。
【0065】
「停止開始時刻」は一般車両Vが緊急車両Vxを通過させるために停止状態を開始すべき時刻を示し、「停止終了時刻」は一般車両が停止状態を終了すべき時刻を示す。「停止期間」は、停止開始時刻から停止終了時刻までの期間である。前述のように、サーバ装置2は、緊急車両Vxの車両位置、速度、走行予定経路などに基づいて緊急車両Vxの将来の各時刻における位置を推定する。そして、サーバ装置2は、緊急車両Vxが各一般車両Vの近くを通過すると予測される時刻を推定し、その時刻の前後の所定時間にわたり、その一般車両Vを停止させるように停止開始時刻、停止終了時刻、停止期間を決定する。なお、停止終了時刻と停止期間はいずれか一方のみを含めることとしてもよい。
【0066】
「停止禁止エリア」は、緊急車両Vxを通過させるにあたり、一般車両が停止してはいけないエリアを示す。例えば、緊急車両Vxが走行予定の道路の一部が工事で片側通行になっているような場合、サーバ装置2はその片側通行の範囲を停止禁止エリアに設定する。
【0067】
図10は、停止リクエスト処理のフローチャートである。この処理は、緊急車両Vxの端末装置1xからアップロードデータを受信したサーバ装置2が、一般車両Vに前述のリクエストデータを送信する処理である。なお、サーバ装置2は、緊急車両Vxの端末装置1xから送信されるアップロードデータの内容が変化するたびに、停止リクエストを繰り返し行ってもよい。なお、図10のフローチャートは、緊急車両Vxの走行予定経路上にいる1台の一般車両Vに対して停止リクエストを行う処理を示している。
【0068】
まず、サーバ装置2は、緊急車両Vxの端末装置1xから送信されたアップロードデータから、緊急車両情報を取得する(ステップS20)。具体的には、サーバ装置2は、アップロードデータから、緊急車両Vxの種別、現在位置、走行予定経路、速度などを取得する。次に、サーバ装置2は、取得した情報に基づいて緊急車両Vxが一般車両Vの近傍を通過する道路及び時刻を推定し、停止情報を決定する(ステップS21)。具体的には、サーバ装置2は、停止リンクID、停止位置、停止開始時刻、停止終了時刻、停止期間、停止禁止エリアなどを決定する。
【0069】
そして、サーバ装置2は、図9に示すリクエストデータを生成する(ステップS22)。具体的には、サーバ装置2は、ステップS20で取得した緊急車両Vxの種別、現在位置、走行予定経路、速度などをリクエストデータの緊急車両情報に設定し、ステップS21で決定した停止リンクID、停止位置、停止開始時刻、停止終了時刻、停止期間、停止禁止エリアなどを、リクエストデータの停止情報に設定する。そして、サーバ装置2は、生成したリクエストデータを一般車両Vへ送信する(ステップS23)。こうして、停止リクエスト処理は終了する。なお、サーバ装置2は、この停止リクエスト処理を、緊急車両Vxの走行予定経路上にいる一般車両Vの各々に対して行う。
【0070】
以上のように、緊急車両Vxの走行予定経路上にいる各一般車両Vに対してサーバ装置2から停止リクエストを行うことにより、緊急車両Vxの走行の妨げにならない位置に各一般車両Vを停止させることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 端末装置
2 サーバ装置
4 地図DB
5 配信地図DB
6 センサデータキャッシュ
7 センサ部
14、23 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10