(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012761
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
A46B 5/00 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
A46B5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116424
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】ピヤパコーン パッサモン
(72)【発明者】
【氏名】林田 咲穂
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB00
3B202CA01
(57)【要約】
【課題】把持部よりも先端側が設置面に接することなく、小さな設置面積で安定して設置できる歯ブラシを提供する。
【解決手段】長軸方向の先端側に植毛面を有するヘッド部と、ヘッド部より後端側に設けられた把持部と、ヘッド部と把持部とを接続するネック部とを備えるハンドル体と、植毛面と逆側の背面側に凸に設けられ、植毛面が上側に向くハンドル体を背面側に位置する設置面に設置した際に、設置面に当接する複数の当接部とを備え、当接部は長軸方向で把持部における先端側の第1位置に配置された第1当接部と、長軸方向で把持部における第1位置より後端側の第2位置に配置された第2当接部と、を有し、植毛面と平行で長軸方向と直交する方向を幅方向とし、当接部が設置面に当接する幅方向の最も一方側の端部の位置と、幅方向の最も他方側の端部の位置との距離を最大当接距離とすると、第2当接部の最大当接距離は、第1当接部の最大当接距離よりも大きい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸方向の先端側に位置し、植毛面を有するヘッド部と、前記ヘッド部より後端側に設けられた把持部と、前記ヘッド部と前記把持部とを接続するネック部と、を備えるハンドル体と、
前記植毛面と逆側の背面側に凸に設けられ、前記植毛面が上側に向く前記ハンドル体を前記背面側に位置する設置面に設置した際に、前記設置面に当接する複数の当接部と、
を備え、
前記当接部は、
前記長軸方向で前記把持部における前記先端側の第1位置に配置された第1当接部と、
前記長軸方向で前記把持部における前記第1位置より後端側の第2位置に配置された第2当接部と、
を有し、
前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する方向を幅方向とし、
前記当接部が前記設置面に当接する前記幅方向の最も一方側の端部の位置と、前記幅方向の最も他方側の端部の位置との距離を最大当接距離とすると、
前記第2当接部の前記最大当接距離は、前記第1当接部の前記最大当接距離よりも大きいことを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記第2当接部は、前記把持部から前記背面側に突出する突起を含む、
請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記第1当接部は、一箇所で前記設置面に当接し、
前記第2当接部は、前記幅方向に離間した二つの前記突起を有し、
前記第1当接部と前記第2当接部は、前記植毛面と対向する正面視で三角形の頂点を形成する三箇所で前記設置面に当接する、
請求項2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記ハンドル体の前記長軸方向の最大長さをL1とし、
前記第1位置と前記第2位置との距離をL2とすると、
前記距離L2は、前記最大長さL1の50%以上、60%以下であり、
前記第2位置は、前記把持部の前記後端側の端部よりも前記先端側に位置する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記第1位置における前記ハンドル体の前記幅方向の最大長さをWaとし、
前記第2位置における前記ハンドル体の前記幅方向の最大長さをWbとすると、
Wb/Waで表される値は、1.3以上、2.1以下である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記第1当接部につながる前記先端側の面および前記後端側の面は、いずれも前記幅方向に視た側面視で前記背面側に中心を有する曲線または直線である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記幅方向に視た側面視で、前記ネック部の前記背面側における前記先端側の端部位置と前記設置面との前記設置面の法線方向の距離をH1とし、
前記側面視で前記把持部の前記背面側と前記設置面との前記法線方向の最大距離をH2とすると、
前記距離H1および前記距離H2は、いずれも4.5mm以上、8.0mm以下であり、
前記距離H2となる前記長軸方向の位置は、前記把持部における前記長軸方向の中央の位置よりも前記先端側である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記幅方向に視た側面視で、前記把持部の前記背面側は、前記先端側から前記後端側に延び、中心位置が前記背面側に位置し前記植毛面側に凸となる曲線領域を有し、
前記植毛面側に凸となる曲線領域は、前記把持部における前記長軸方向の中央の位置よりも前記先端側において、中心位置が前記植毛面側に位置し前記植毛面側に凹となる曲線領域と繋がる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
不特定多数の人が共有する洗面台などに置かれる歯ブラシは、不衛生にならないように台との接触は最小限に抑えることが好ましい。歯ブラシは、通常水場で使われ、且つ、歯ブラシ自体も使用後は濡れた状態となるため、カビ等の発生を考慮すると、台との接触を最小限に抑えることは、特に重要である。
【0003】
特許文献1には、水平面に置いたときに設置状態を安定にする設置安定部がハンドル部に形成され、設置安定部を下にして水平面に置いたときに、ヘッド部、毛束および毛束以外の払拭部材が水平面から離間する口腔内清掃具が開示されている。
【0004】
特許文献2には、植毛面を構成する平面に対してハンドル部が植毛面よりも上側に向けて延びる歯ブラシが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-126819号公報
【特許文献2】国際公開第2018/079114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の口腔内清掃具では、ヘッド部およびネック部が設置面から離れているが、ハンドル部の背面側が全面的に設置面に接しており、衛生的とは言えない。
特許文献2の歯ブラシは、設置した際にネック部が設置面にする。ネック部は使用時に口腔内に挿入されるため、衛生的とは言えない。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、把持部よりも先端側が設置面に接することなく、小さな設置面積で安定して設置できる歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に従えば、長軸方向の先端側に位置し、植毛面を有するヘッド部と、前記ヘッド部より後端側に設けられた把持部と、前記ヘッド部と前記把持部とを接続するネック部と、を備えるハンドル体と、前記植毛面と逆側の背面側に凸に設けられ、前記植毛面が上側に向く前記ハンドル体を前記背面側に位置する設置面に設置した際に、前記設置面に当接する複数の当接部と、を備え、前記当接部は、前記長軸方向で前記把持部における前記先端側の第1位置に配置された第1当接部と、前記長軸方向で前記把持部における前記第1位置より後端側の第2位置に配置された第2当接部と、を有し、前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する方向を幅方向とし、前記当接部が前記設置面に当接する前記幅方向の最も一方側の端部の位置と、前記幅方向の最も他方側の端部の位置との距離を最大当接距離とすると、前記第2当接部の前記最大当接距離は、前記第1当接部の前記最大当接距離よりも大きいことを特徴とする歯ブラシが提供される。
【0009】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第2当接部は、前記把持部から前記背面側に突出する突起を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1当接部は、一箇所で前記設置面に当接し、前記第2当接部は、前記幅方向に離間した二つの前記突起を有し、前記第1当接部と前記第2当接部は、前記植毛面と対向する正面視で三角形の頂点を形成する三箇所で前記設置面に当接することを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記ハンドル体の前記長軸方向の最大長さをL1とし、前記第1位置と前記第2位置との距離をL2とすると、前記距離L2は、前記最大長さL1の50%以上、60%以下であり、前記第2位置は、前記把持部の前記後端側の端部よりも前記先端側に位置することを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1位置における前記ハンドル体の前記幅方向の最大長さをWaとし、前記第2位置における前記ハンドル体の前記幅方向の最大長さをWbとすると、Wb/Waで表される値は、1.3以上、2.1以下であることを特徴とする。
【0013】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記第1当接部につながる前記先端側の面および前記後端側の面は、いずれも前記幅方向に視た側面視で前記背面側に中心を有する曲線または直線であることを特徴とする。
【0014】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記幅方向に視た側面視で、前記ネック部の前記背面側における前記先端側の端部位置と前記設置面との前記設置面の法線方向の距離をH1とし、前記側面視で前記把持部の前記背面側と前記設置面との前記法線方向の最大距離をH2とすると、前記距離H1および前記距離H2は、いずれも4.5mm以上、8.0mm以下であり、前記距離H2となる前記長軸方向の位置は、前記把持部における前記長軸方向の中央の位置よりも前記先端側であることを特徴とする。
【0015】
また、上記本発明の一態様に係る歯ブラシにおいて、前記幅方向に視た側面視で、前記把持部の前記背面側は、前記先端側から前記後端側に延び、中心位置が前記背面側に位置し前記植毛面側に凸となる曲線領域を有し、前記植毛面側に凸となる曲線領域は、前記把持部における前記長軸方向の中央の位置よりも前記先端側において、中心位置が前記植毛面側に位置し前記植毛面側に凹となる曲線領域と繋がることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、把持部よりも先端側が設置面に接することなく、小さな設置面積で安定して設置できる歯ブラシを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態を示す図であって、歯ブラシ1の構成を示す側面図である。
【
図2】歯ブラシ1を植毛面3a側から見た正面図である。
【
図3】歯ブラシ1(ハンドル体2)が水平面と平行な設置面Sに設置された状態を示す側面図である。
【
図4】ハンドル体2の第1位置Aにおける長軸方向と直交する断面図である。
【
図5】ハンドル体2の第2位置Bにおける長軸方向と直交する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の歯ブラシの実施の形態を、
図1乃至
図6を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0019】
また、以下の説明では、後述するヘッド部3の植毛面3aが設けられた側(植毛面と対向する側)を歯ブラシ1の正面側とし、ヘッド部3の植毛面3aが臨む側とは逆側を歯ブラシ1の背面側とする。加えて、ハンドル体2が延びる方向を長軸方向とし、植毛面3aと平行、且つ、長軸方向に直交する方向を歯ブラシ1の幅方向とし、植毛面3aに直交する方向を歯ブラシ1の厚さ方向として説明する。また、長軸方向でヘッド部3が設けられる側(ヘッド部側)を先端側とし、把持部5が設けられる側(把持部側)を後端側として適宜説明する。
【0020】
図1は、歯ブラシ1の構成を示す側面図である。
図2は、歯ブラシ1を植毛面3a側から見た正面図である。なお、
図2においては、ブラシ40の図示を省略している。
【0021】
図1乃至
図3に示すように、本実施形態の歯ブラシ1は、全体として長尺状に形成された樹脂成形体からなるハンドル体2とブラシ40と複数の当接部80とを備えている。歯ブラシ1の全長としては、一例として、180mm以上、200mm以下である。
【0022】
ハンドル体2は、先端側に位置し植毛面3aを有するヘッド部3と、ヘッド部3より後端側に配置された把持部5と、ヘッド部3と把持部5とを接続するネック部4と有している。歯ブラシ1は、ヘッド部3の植毛面3aに植設された複数の毛束(図示せず)を有するブラシ40により口腔内を清掃することが可能となっている。
【0023】
ハンドル体2は硬質樹脂で形成された硬質部60と、軟質樹脂で形成された軟質部70とをそれぞれ有している。硬質部60は、長軸方向に延びている。硬質部60は、ヘッド部3、ネック部4および把持部5の少なくとも一部を形成している。
【0024】
軟質部70は、ネック部4および把持部5において、それぞれ硬質部60の少なくとも一部を被覆している。
【0025】
硬質樹脂としては、一例として、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上、2800MPa以下である樹脂が挙げられ、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などを強度面を考慮して用いることが好ましい。
【0026】
軟質樹脂としては、ショア硬度Aが30以上、80以下がより好ましい。軟質樹脂としては、例えば、エラストマー(例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等)、シリコーンが挙げられる。
【0027】
(ハンドル体の正面側の外形輪郭線形状)
図1に示すように、本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を側面視したときに、ハンドル体2の正面側の外形輪郭線において、ヘッド部3の後端側から把持部5側に向けて、ヘッド部3の植毛面3aから連続して後端側に直線状に延びる第1直線領域M1と、正面側に曲率中心を有し第1直線領域M1の後端から凸形状の頂点51まで後端側に円弧状に延びる第1曲線領域E1と、正面側に曲率中心を有し頂点51から後端側に円弧状に延びる第2曲線領域E2とを有している。また、歯ブラシ1は、側面視における正面側に、背面側に曲率中心を有し第2曲線領域E2の後端から後端側に円弧状に延びる第3曲線領域E3とを有している。頂点51から後端側に延びる第2曲線領域E2は、使用者が把持部5を把持した際の指当て部である。
【0028】
(ハンドル体の背面側の外形輪郭線形状)
本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を側面視したときに、ハンドル体2の背面側の外形輪郭線において、ヘッド部3の後端側から把持部5側に向けて、背面側への凸形状の頂点52まで後端側に直線状に延びる第2直線領域M2と、背面側に曲率中心を有し把持部5の背面側の先端部となる頂点52から後端側に円弧状に延びる植毛面側に凸となる第4曲線領域E4と、正面側に曲率中心を有し第4曲線領域E4の後端から後端側に円弧状に延びる第5曲線領域E5とを有している。
【0029】
(ハンドル体の幅方向両側の外形輪郭線形状)
図2に示すように、本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を正面視したときに、幅方向の中心に位置し長軸方向に延びる中心線に対してハンドル体2の幅方向両側の外形輪郭線が線対称に形成されている。そのため、以下の説明では、幅方向の一方側(
図2中、下側)の外形輪郭線について説明する。また、円弧状に延びる曲線領域の曲率中心の位置については、外形輪郭線に対して幅方向の中心側の場合を内側とし、幅方向の中心と逆側の場合を外側と称する。
【0030】
本実施形態の歯ブラシ1は、ハンドル体2を正面視したときに、ハンドル体2の幅方向の外形輪郭線において、ヘッド部3とネック部4との境界(詳細は後述)から把持部5側に向けて後端側に直線状に延びる第3直線領域M3と、外側に曲率中心を有し第3直線領域M3の後端から後端側に円弧状に延びる第6曲線領域E6と、内側に曲率中心を有し第6曲線領域E6の後端から後端側に円弧状に延びる第7曲線領域E7と、外側に曲率中心を有し第7曲線領域E7の後端から後端側に円弧状に延びる第8曲線領域E8と、内側に曲率中心を有し第8曲線領域E8との交差部から後端側に円弧状に延びる第9曲線領域E9とを有している。
【0031】
(ヘッド部)
ヘッド部3は、複数の毛束により口腔内を刷掃する部分であり、
図2に示すように、略直方体状を為すと共に、角部が丸みを帯びた形状を有している。ヘッド部3は、正面視において4つの頂部が曲線で隅切りされた略四角形の平板状の形状を有している。本実施形態において、ヘッド部3とネック部4との境界は、ヘッド部3の正面視形状における、ネック部4側の隅切を形成する曲線の終点、すなわち、隅切を形成する曲線の曲がり方向が変化する位置である。
【0032】
ヘッド部3は、正面側に植毛面3aを有している。植毛面3aには、植毛穴6が複数並んで配置されている。植毛穴6の形状、穴径は特に限定されず、
図2では一例として、正面視円形で同一径の植毛穴6が示されている。植毛穴6は、ヘッド部3の幅方向の長さに応じて幅方向に間隔をあけて複数個(
図2では、2~4個)配列された列が長軸方向に間隔をあけて複数列設けられている。植毛穴6には、ブラシ40を構成する毛束がそれぞれ植毛されている。
【0033】
毛束は、複数本の刷毛(フィラメント)を束ねて二つ折りにし、その間に平線と呼ばれる金属製の抜止め具(図示せず)を挟んで植毛穴6に打ち込むことによって、各植毛穴6に植設されている。ヘッド部3は、その形状について特に限定されるものではなく、例えば、正面側の植毛面3aと背面側の面とが互いに平坦で平行な面を形成している。
【0034】
ヘッド部3は、口腔内を刷掃し易い形状や大きさであればよく、その形状について特に限定されるものではなく、例えば、その基端側から先端側に向かって漸次幅が狭くなる形状としてもよい。また、ヘッド部3は、その基端側から先端側に向かって漸次厚さが薄くなるテーパー形状であってもよく、ヘッド部3の背面側の中央部が盛り上がった丸みのある形状であってもよい。
【0035】
ヘッド部3の幅は、特に限定されず、例えば、7mm以上、16mm以下が好ましい。上記下限値以上であれば、毛束を植設する面積を十分に確保でき、上記上限値以下であれば、口腔内での操作性をより高められる。
【0036】
ヘッド部3の長軸方向の長さは、特に限定されず、例えば、10mm以上、40mm以下が好ましい。ヘッド部3の長さが上記下限値以上であれば、毛束を植設する面積を十分に確保でき、上記上限値以下であれば、口腔内での操作性をより高められる。
【0037】
ヘッド部3の全領域における厚さは特に限定されないが、一例として、2.5mm以上、6.0mm以下が好ましい。ヘッド部3の厚さが上記下限値以上であれば、ヘッド部3の強度をより高められる。ヘッド部3の厚さが上記上限値以下であれば、奥歯の奥への到達性を高められるとともに、口腔内での操作性をより高められる。
【0038】
(ネック部)
ネック部4は、把持部5とヘッド部3との間に配置され把持部5とヘッド部3とを連結する部分である。ネック部4と把持部5との境界は、正面視における第6曲線領域E6と第7曲線領域E7とが交わる位置である。すなわち、外側に曲率中心を有する第6曲線領域E6が、内側に曲率中心を有する第7曲線領域E7へ繋がる時に、曲線方向の変化が開始する位置である。ヘッド部3の先端からネック部4と把持部5との境界までの長軸方向の距離は、65mm以上、85mm以下であることが好ましい。
【0039】
ネック部4は、ヘッド部3との境界から把持部5に向けて、
図2の正面視で外形輪郭線が第3直線領域M3で形成される領域が一定の最小幅である。ネック部4は、外形輪郭線が第6曲線領域E6で形成される領域が最小幅から幅が漸次広くなる。ネック部4の最小幅としては、使用性の観点から3.5mm以上、5.0mm以下であることが好ましい。ネック部4の最大幅としては、使用性の観点から6.5mm以上、10.0mm以下であることが好ましい。
【0040】
ネック部4は、
図1の側面視でヘッド部3との境界から把持部5に向けて頂点52まで、厚さが漸次広くなる。側面視におけるネック部4と把持部5との境界は、頂点51、52である(適宜、境界51、52と称する)。ネック部4の最小厚さとしては、使用性の観点から3.5mm以上、6.0mm以下であることが好ましい。ネック部4の最大厚さとしては、使用性の観点から7.0mm以上、9.0mm以下であることが好ましい。
【0041】
(把持部)
把持部5は、使用者が把持する部分であり、長尺柱状に形成されている。
把持部5は、ネック部4との境界の位置から後端側に向けて、正面視で外形輪郭線が第7曲線領域E7の極大値を示す位置まで幅が漸次広くなる。正面視で第7曲線領域E7が極大値を示す位置から後端側の外形輪郭線は、第8曲線領域E8と第9曲線領域E9との交差部まで幅が漸次狭くなる。正面視で第9曲線領域E9が極大値を示す位置から後端側の外形輪郭線は、後端側の端部まで幅が漸次狭くなる。
【0042】
把持部5は、
図1の側面視においてネック部4との境界51の位置から後端側に向けて、側面視で外形輪郭線が、第2曲線領域E2が極小値で把持部5が最小厚さとなる位置まで厚さが漸次小さくなる。把持部5が最小厚さとなる位置は、ヘッド部3の先端から70~100mmであることが好ましい。側面視で第2曲線領域E2が極小値を示す位置から後端側の外形輪郭線は、第5曲線領域E5が極大値を示す位置まで厚さが漸次大きくなる。本実施形態の把持部5は、第5曲線領域E5が極大値を示す位置で最大厚さとなる。第5曲線領域E5の極大値の位置から後端側の外形輪郭線は、後端側の端部まで厚さが漸次小さくなる。
【0043】
(当接部)
当接部80は、
図1に示すように、背面側に凸に設けられている。
図3は、植毛面3aを上側に向けて歯ブラシ1(ハンドル体2)が水平面と平行な設置面Sに設置された状態を示す側面図である。
【0044】
図3に示すように、当接部80は、第1当接部81と、第2当接部82とを有する。第1当接部81と、第2当接部82とは、軟質部70で被覆されていてもよい。
第1当接部81は、長軸方向で把持部5における先端側の第1位置Aに配置されている。第1位置Aは、頂点52が配置された位置である。第2当接部82は、長軸方向で把持部5における第1位置Aより後端側の第2位置Bに配置されている。第2位置Bは、把持部5における後端側の端部よりも先端側の位置である。
【0045】
第1位置Aは、ハンドル体2における重心の長軸方向の位置よりも先端側に位置する。第2位置Bは、ハンドル体2における重心の長軸方向の位置よりも後端側に位置する。すなわち、ハンドル体2における重心の長軸方向の位置は、第1位置Aと第2位置Bとの間である。従って、ハンドル体2を設置面Sに載置した際には、第1当接部81と、第2当接部82とが設置面Sに当接し、第1位置Aより先端側に位置するヘッド部3およびネック部4は、設置面Sの上側に離れた状態となる。
【0046】
図4は、ハンドル体2の第1位置Aにおける長軸方向と直交する断面図である。
図4に示すように、第1当接部81は、正面側に曲率中心を有し背面側に凸となる曲線の断面形状である。背面側に凸となる曲線とは、正面側に曲率中心を有し半径が10mm以下の円弧状の曲線である。
【0047】
図3に示すように、長軸方向で第1位置Aより先端側に位置する第2直線領域M2は、設置面Sに対して正面側に離れている。長軸方向で第1位置Aより後端側に位置する第4曲線領域E4は、設置面Sに対して正面側に離れている。従って、第1当接部81は、把持部5の幅方向の中央の一箇所で設置面Sに点接触にて当接する。
第1当接部81につながる先端側の面および後端側の面が、いずれも側面視で背面側に中心を有する曲線または直線であることで、側面視でより尖った点接触となる。
【0048】
図5は、ハンドル体2の第2位置Bにおける長軸方向と直交する断面図である。
図6は、歯ブラシ1を背面側から見た背面図である。
図5および
図6に示すように、第2当接部82は、幅方向に離れて配置され背面側に凸となる曲線(定義は、第1当接部81と同様)を有する二つの突起を備えている。二つの突起は、把持部5から背面側に突出し、把持部5の幅方向の中央を中心として線対称に配置されている。第2当接部82の各突起は、先端が半球状である。そのため、第2当接部82の各突起は、設置面Sに対して点接触で当接する。
【0049】
従って、各当接部81、82が設置面Sに当接する幅方向の最も一方側の端部の位置と、幅方向の最も他方側の端部の位置との距離を最大当接距離とすると、第2当接部82の最大当接距離は、第1当接部の最大当接距離よりも大きい。そのため、第1当接部81と第2当接部82とは、正面視において三角形の頂点を形成する三箇所で設置面Sに当接することになり、ハンドル体2は幅方向に倒れることを抑制され安定した姿勢で設置面Sに設置される。また、第1当接部81と第2当接部82とは、設置面Sに点接触するため、接触面積を最小限に抑えることができ、設置面Sの表面形状に起因する影響を軽減することができる。
【0050】
なお、第2当接部82としては、幅方向に離れた二つの突起を設ける構成の他に、幅方向と直交する断面形状が、正面側に曲率中心を有し背面側に凸となる曲線を有し、当該断面形状で幅方向に延びるリブ状である構成であってもよい。この構成においても、第2当接部82の最大当接距離を、第1当接部の最大当接距離よりも大きくすることで、第1当接部81と第2当接部82とは、正面視において三角形の頂点を形成する三箇所を含む領域で設置面Sに当接することになり、ハンドル体2は安定した姿勢で設置面Sに設置される。
【0051】
ハンドル体2において、ハンドル体2の長軸方向の最大長さをL1とし、第1位置Aと第2位置Bとの距離をL2とすると、距離L2は、最大長さL1の50%以上、60%以下であることが好ましい。距離L2は、最大長さL1の50%以上が好ましく、52%以上がより好ましい。距離L2は、最大長さL1の60%以下が好ましく、58%以下がより好ましい。
なお、
図1に示したように、植毛面3aと平行に長軸方向を設定した場合と、
図6に示したように、設置面Sと平行に長軸方向を設定した場合とでは、ハンドル体2の長軸方向の最大長さL1および第1位置Aと第2位置Bとの長軸方向の距離L2はそれぞれ異なる値となるが、両者の割合は同一となるため、以下では長軸方向を設置面Sと平行な方向として説明する。
【0052】
距離L2が最大長さL1の50%未満の場合には、最大長さL1に対して把持部5における短い距離間でハンドル体2を支持することになり、設置されたハンドル体2が不安定となる。距離L2が最大長さL1の60%を上回った場合には、最大長さL1に近い距離間でハンドル体2を支持することになり、設置されたハンドル体2が不安定となる。
距離L2を最大長さL1の50%以上、60%以下とすることで、ハンドル体2を安定した状態で設置面Sに設置することができる。また、第2当接部82を把持部5の後端側の端部よりも先端側に位置させることで、ハンドル体2の重心がより後端側となり安定する。
【0053】
第1位置Aと第2位置Bとの距離L2としては、90mm以上が好ましく、93mm以上がより好ましく、95mm以上がさらに好ましい。第1位置Aと第2位置Bとの距離L2としては、120mm以下が好ましく、116mm以下がより好ましく、113mm以下がさらに好ましい。
また、第2位置Bと把持部5の後端側端部の距離としては、少なくとも8mm以上であることが好ましい。
【0054】
図6に示すように、第1位置Aにおけるハンドル体2の幅方向の最大長さ(アウトライン)をWaとし、第2位置Bにおけるハンドル体2の幅方向の最大長さ(アウトライン)をWbとすると、Wb/Waで表される値は、1.3以上、2.1以下であることが好ましい。Wb/Waで表される値は、1.3以上が好ましく、1.4以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。Wb/Waで表される値は、2.1以下が好ましく、2.0以下がより好ましく、1.9以下がさらに好ましい。
Wb/Waで表される値が1.3未満の場合、幅方向の最大長さが細い領域が全長に対して多くなるため、不安定となる。Wb/Waで表される値が2.1を上回る場合、歯ブラシ1の中心付近に重心がくるため、不安定な領域が歯ブラシ1の先端と後端の二カ所になるため不適となる。
Wb/Waで表される値を、1.3以上、2.1以下とすることで、長軸方向の二箇所でハンドル体2を支えつつ、アウトラインに関しても把持部5の後端側に重心を置くことで更に安定化を図ることができる。
【0055】
第1位置Aにおけるハンドル体2の幅方向の最大長さWaは、7.0mm以上が好ましく、7.5mm以上がより好ましい。また、最大長さWaは、8.5mm以下が好ましく、8.0mm以下がより好ましい。
第2位置Bにおけるハンドル体2の幅方向の最大長さWbは、11.0mm以上が好ましく、12.0mm以上がより好ましい。また、最大長さWbは、15.0mm以下が好ましく、13.0mm以下がより好ましい。
【0056】
図3に示すように、側面視で、ネック部4の背面側における先端側の端部位置と設置面Sとの設置面Sの法線方向の距離をH1とし、把持部5の背面側と設置面Sとの上記法線方向の最大距離をH2とすると、距離H1および最大距離H2は、いずれも4.5mm以上、8.0mm以下であり、最大距離H2となる長軸方向の位置は、把持部5における長軸方向の中央の位置Cよりも先端側であることが好ましい。
距離H1は、4.5mm以上が好ましく、5.0mm以上がより好ましい。また、距離H1は、8.0mm以下が好ましく、7.0mm以下がより好ましい。
最大距離H2は、4.5mm以上が好ましく、6.0mm以上がより好ましい。また、最大距離H2は、8.0mm以下が好ましく、7.5mm以下がより好ましい。
距離H1および最大距離H2が4.5mm未満の場合、設置面Sとの距離が衛生面上十分とは言えない。距離H1および最大距離H2が8.0mmを上回る場合、ハンドル体2の重心が高くなるため、安定性が低下する。
距離H1および最大距離H2を、いずれも4.5mm以上、8.0mm以下とすることで、衛生面上十分な距離を確保しつつ、設置時の安定性を得ることができる。
また、最大距離H2となる長軸方向の位置を、把持部5における長軸方向の中央の位置Cよりも先端側とすることで、重心が把持部5の後端側となり安定性が向上する。
【0057】
側面視で、把持部5の背面側は、先端側から後端側に延び、中心位置が背面側に位置し植毛面3a側に凸となる第4曲線領域E4を有し、植毛面3a側に凸となる第4曲線領域E4は、把持部5における長軸方向の中央の位置Cよりも先端側において、中心位置が植毛面3a側に位置し植毛面3a側に凹となる第5曲線領域E5と繋がることが好ましい。
把持部5の先端側に第4曲線領域E4を有し、把持部5の中央の位置Cよりも先端側において第4曲線領域E4が第5曲線領域E5と繋がることで、長軸方向の二箇所で把持部5を支えつつ、把持部5の後端側の厚さが増すことで重心がより後端側に位置することになり、ハンドル体2をより安定して設置することができる。
【0058】
第1当接部および第2当接部82の最大当接距離で形成される三角形の面積としては、300mm2以上が好ましく、350mm2以上がより好ましく、380mm2以上がさらに好ましい。第1当接部および第2当接部82の最大当接距離で形成される三角形の面積としては、500mm2以下であることが好ましく、450mm2以下であることがより好ましく、420mm2以下であることがさらに好ましい。
ハンドル体2の最大長さL1に対して第1位置Aと第2位置Bとの距離L2の関係が上述した好ましい範囲であり、第1当接部81の最大当接距離と第2当接部82の最大当接距離が上述した好ましい範囲である場合、上記三角形の面積の範囲とすることで、重心位置が安定する。
【0059】
図3に示すように3,側面視で、第1位置Aから先端側に向けて10mmの地点における、設置面Sからの法線方向の高さをH3とし、第1位置Aから後端側に向けて10mmの地点における、設置面Sからの法線方向の高さをH4とすると、H3<H4であり、高さH3および高さH4は、いずれも2.0mm以上、4.0mm以下であることが好ましい。
【0060】
側面視で、ヘッド部3の先端における、設置面Sからの法線方向の高さは、9.0mm以上であり、12.0mm以下であることが好ましい。
側面視で、第1位置Aにおける、ハンドル体2の設置面Sの法線方向の厚さをHaとし、第2位置Bにおける、ハンドル体2の設置面Sの法線方向の厚さをHbとすると、厚さをHa、Hbは、いずれも9.0mm以上、11.0mm以下であることが好ましい。
最大距離H2は、厚さHa、Hbの50%以上、90%以下であることが好ましい。
【0061】
以上のように、本実施形態の歯ブラシ1では、把持部5よりも先端側が設置面Sに接することなく、小さな設置面積で安定して設置することができる。
【0062】
[実施例]
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
【0063】
(実施例1~4、比較例1~4)
本実施例では、下記[表1]に示す仕様に従って、実施例1~4、比較例1~4の歯ブラシのサンプルを作製した。
[表1]においては、理解を容易にするために、第1位置Aに配置された第1当接部を「A」と表記し、第2位置Bに配置された第2当接部を「B」と表記している。また、設置面に対する各当接部の当接箇所数についても「当接部の種類」と「当接する当接部の数」とを併記している。当接箇所の形状については、先端が半球状の当接部を突起としている。
【0064】
[評価方法]
(1)衛生的に安定して静置できる感じ
[試験方法]
「評価A:衛生の評価」と「評価B:安定性の評価」の結果に基づき総合評価した。
「評価A:衛生の評価」については、専門家パネル10人が植毛面を上側に向けて歯ブラシのハンドル体を平らな場所に置き、ハンドル体の下側に空気流れのための空間のレベルを目視で観察し、下記の評価基準で判定した。
<判定基準>
5点:空気流れの空間がとても広い。
4点:空気流れの空間が広い。
3点:空気流れの空間がある。
2点:空気流れの空間が狭い。
1点:空気流れの空間がとても狭い。
【0065】
「評価B:安定性の評価」については、専門家パネル10人が歯ブラシの把持部を把持し、置く際の力と設置面との距離をコントロールしながら植毛面を上側に向けてハンドル体を平らな場所に置いた。ハンドル体が安定状態になるまで揺れたときに、安定状態となるまでの時間をストップウォッチにて計時し、下記の評価基準で判定した。
<判定基準>
5点:全く揺れなかった。
4点:1~2秒程度の小さな揺れ。
3点:3~5秒程度の揺れ。
2点:6秒以上の大きな揺れ。
1点:揺れて倒れた。
【0066】
「評価A:衛生の評価」と「評価B:安定性の評価」の総合評価は、各評価の平均点を合計した点数を下記の評価基準で評価した。
<判定基準>
平均点が9.0点以上、10.0点以下を「●」(Very good)。
平均点が7.0点以上、9.0点未満を「◎」(Good)。
平均点が5.0点以上、7.0点未満を「〇」(Medium)。
平均点が3.0点以上、5.0未満を「△」(Bad)。
平均点が3.0未満を「×」(Very bad)。
【0067】
(2)湿気がこもらないこと
[試験方法]
歯ブラシを計量し、Wbefore(g)0.000ポイントスケールとして記録し、浸漬速度を制御し、ハンドル体(ハンドル体のみを下から120mm浸漬)を室温の水に10秒間浸漬する。その後、速度を調整しながら歯ブラシを水中から取り出し、ハンドルから水を除去せずに5時間平らな場所に歯ブラシを設置する。そして、歯ブラシを計量し、Wafter(g)0.000ポイントスケールとして記録し、Wbefore(g)-Wafter(g)から残水(R)を算出する。その後に、ハンドル体に触れて、ウェット/ドライ感を下記の評価基準で評価した。
「●」触れても濡れない: R = 0.001 g未満。
「◎」触れても濡れない: R = 0.001 g以上 ~ 0.005 g未満。
「〇」触れると少し濡れていると感じる: R = 0.005 g以上 ~ 0.01 g未満。
「△」触れている間濡れていると感じる: R = 0.01 g以上 ~ 0.1 g未満。
「×」触れている間濡れていると感じる: R = 0.1 g以上。
【0068】
【0069】
[表1]に示されるように、第2当接部の最大当接距離が第1当接部の最大当接距離よりも大きい実施例1~4については、「衛生的に安定して静置できる感じ」と「湿気がこもらないこと」の両方で良好な結果が得られた。また、第2当接部については、一つの凸部を有する実施例4よりも二つの突起を有する実施例1~3の方が良好な結果が得られた。距離H1、H2が実施例3よりも大きい実施例1~2では、実施例3よりも「湿気がこもらないこと」について良好な評価が得られた。距離H2となる位置が位置Cよりも後端側にある実施例2に対して、位置Cよりも先端側にある実施例1の方が良好な結果が得られた。
【0070】
一方、当接部を有さない比較例1は、「湿気がこもらないこと」について良好な評価が得られなかった。第2当接部の凸部の半径が10mmを超える比較例2については、「湿気がこもらないこと」について良好な評価が得られなかった。第1当接部が把持部ではなくネック部に設けられた比較例3については、「衛生的に安定して静置できる感じ」と「湿気がこもらないこと」の両方で良好な結果が得られなかった。幅方向の最大当接距離に関し、第2当接部の最大当接距離が第1当接部の最大当接距離よりも小さい比較例4については、「衛生的に安定して静置できる感じ」について良好な評価が得られなかった。
【0071】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…歯ブラシ、 2…ハンドル体、 3…ヘッド部、 3a…植毛面、 4…ネック部、 5…把持部、 80…当接部、 81…第1当接部、 82…第2当接部、 E4…第4曲線領域(曲線領域)、 E5…第5曲線領域(曲線領域)、 S…設置面