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特開2023-127650航空標識灯洗浄支援システム及び航空標識灯洗浄支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127650
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】航空標識灯洗浄支援システム及び航空標識灯洗浄支援方法
(51)【国際特許分類】
   E01H 1/00 20060101AFI20230907BHJP
   E01F 9/00 20160101ALI20230907BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
E01H1/00 Z
E01F9/00
G01N21/88 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031462
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】石田 康史
【テーマコード(参考)】
2D026
2D064
2G051
【Fターム(参考)】
2D026AA00
2D026AC03
2D064AA01
2D064HA01
2G051AA90
2G051AB01
2G051AC16
2G051AC21
2G051CA04
(57)【要約】
【課題】空港の路面に設置される航空標識灯の洗浄を効率良く行えるようにする航空標識灯洗浄支援システム及び航空標識灯洗浄支援方法を提供する。
【解決手段】航空標識灯を撮影した画像データを取得する画像取得部と、前記画像取得部の取得した前記画像データに対して画像処理を行うことにより、前記画像データを基に、前記航空標識灯の汚れ具合を判別し、判別結果を出力する判別部と、を備えた航空標識灯洗浄支援システムが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空標識灯を撮影した画像データを取得する画像取得部と;
前記画像取得部の取得した前記画像データに対して画像処理を行うことにより、前記画像データを基に、前記航空標識灯の汚れ具合を判別し、判別結果を出力する判別部と;
を備えた航空標識灯洗浄支援システム。
【請求項2】
複数の前記航空標識灯に対する前記判別部の判別結果を基に、複数の前記航空標識灯を効率良く洗浄するための洗浄計画の生成を行う洗浄計画生成部をさらに備えた請求項1記載の航空標識灯洗浄支援システム。
【請求項3】
前記判別部の判別結果、もしくは、前記洗浄計画生成部の洗浄計画を表示する表示部をさらに備えた請求項2記載の航空標識灯洗浄支援システム。
【請求項4】
前記画像取得部は、洗浄後の前記航空標識灯を撮影した画像データをさらに取得し、
前記判別部は、洗浄後の前記航空標識灯の洗浄前の前記画像データと洗浄後の前記画像データとを比較することにより、洗浄後の前記航空標識灯の汚れの落ち具合を確認し、確認結果を出力可能である請求項1~3のいずれか1つに記載の航空標識灯洗浄支援システム。
【請求項5】
前記航空標識灯を撮影することによって前記航空標識灯の前記画像データを生成する撮影部を有し、移動しながら前記航空標識灯を前記撮影部で撮影することにより、前記航空標識灯に対応した前記画像データを取得する移動体を備え、
前記画像取得部は、前記移動体から前記画像データを取得する請求項1~4のいずれか1つに記載の航空標識灯洗浄支援システム。
【請求項6】
航空標識灯を撮影した画像データを取得する工程と、
取得した前記画像データに対して画像処理を行うことにより、前記画像データを基に、前記航空標識灯の汚れ具合を判別する工程と、
判別結果を出力する工程と、
を有する航空標識灯洗浄支援方法。
【請求項7】
複数の前記航空標識灯に対する汚れ具合の判別結果を基に、複数の前記航空標識灯を効率良く洗浄するための洗浄計画を生成する工程をさらに備えた請求項6記載の航空標識灯洗浄支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、航空標識灯洗浄支援システム及び航空標識灯洗浄支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港の誘導路や滑走路などの路面に埋め込まれて使用される埋込型の航空標識灯がある。こうした航空標識灯は、航空機の運航などにともなって汚れるため、定期的に洗浄することが行われている。
【0003】
しかしながら、航空標識灯は、空港の路面に多数設けられるため、全ての航空標識灯を洗浄するには、多大な時間を要してしまう。また、航空標識灯の洗浄は、空港の運用終了後の夜間など、非常に限られた時間の中で行わなければならない。このため、航空標識灯においては、効率良く洗浄を行えるようにすることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-54666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空港の路面に設置される航空標識灯の洗浄を効率良く行えるようにする航空標識灯洗浄支援システム及び航空標識灯洗浄支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、航空標識灯を撮影した画像データを取得する画像取得部と、前記画像取得部の取得した前記画像データに対して画像処理を行うことにより、前記画像データを基に、前記航空標識灯の汚れ具合を判別し、判別結果を出力する判別部と、を備えた航空標識灯洗浄支援システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、空港の路面に設置される航空標識灯の洗浄を効率良く行えるようにする航空標識灯洗浄支援システム及び航空標識灯洗浄支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る航空標識灯を模式的に表す斜視断面図である。
図3】第1の実施形態に係る航空標識灯を模式的に表す断面図である。
図4】第1の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムによる航空標識灯洗浄支援方法を模式的に表すフローチャートである。
図5】第2の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図6】第2の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムによる航空標識灯洗浄支援方法を模式的に表すフローチャートである。
図7】第3の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図8】第4の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図9】第5の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10は、画像取得部12と、判別部14と、表示部16と、を備える。航空標識灯洗浄支援システム10は、空港の路面RSに複数設置される航空標識灯100の洗浄作業の支援を行い、複数の航空標識灯100の洗浄作業を効率良く行えるようにする。なお、ここでの洗浄作業とは、所定の洗浄媒体(洗剤などのウェットなものや、ドライアイスなどのドライなものを含む)を用いて、航空標識灯100に付着した汚れ、ゴミを落とす作業のことを指す。
【0011】
航空標識灯100は、空港の誘導路や滑走路などの路面RSに埋め込まれるように設置して使用される。航空標識灯100は、いわゆる埋込型の航空標識灯である。航空標識灯100は、誘導路や滑走路の位置や形状などを灯りで航空機のパイロットに知らせる。これにより、航空標識灯100は、夜間や視界の悪いときなどに灯りによって航空機の運航を補助する。
【0012】
航空標識灯洗浄支援システム10は、例えば、移動体18をさらに備える。移動体18は、航空標識灯100を撮影し、航空標識灯100の画像データを生成する撮影部20を有する。撮影部20は、例えば、カメラである。移動体18は、移動しながら複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影部20で静止画として撮影することにより、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の画像データを取得する。なお、撮影部20は、動画として航空標識灯100を撮影してもよく、その場合、以下の説明で用いられる「画像」の用語は、「動画」の用語に置き換えて解釈することが可能である。複数の画像データは、例えば、動画の個々のフレームを構成する静止画でもよい。
【0013】
移動体18は、例えば、自律航行機能を有する無人航空機や、自走式車両装置(航空標識灯と同様のサイズの小型なものから、自動車のような大型なものも含む)である。移動体18は、例えば、ドローンである。移動体18は、例えば、予め設定されたルートを飛行又は走行しながら複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影部20で撮影することにより、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の画像データを自動的に取得する。
【0014】
なお、無人航空機である移動体18は、必ずしも自律航行機能を有しなくてもよい。移動体18は、例えば、操作者が遠隔操作を行う遠隔操作型の無人航空機などでもよい。また、航空標識灯洗浄支援システム10は、複数台の移動体18を備えてもよい。例えば、1台の移動体18では、所定の時間内に複数の航空標識灯100の全ての画像データを取得することが難しい場合には、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の画像データの取得を複数台の移動体18で分担して行ってもよい。
【0015】
複数の画像データは、例えば、複数の航空標識灯100のうちのいずれの航空標識灯100を撮影したものであるかを識別できるようにするための識別情報を含む。識別情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用した位置情報である。撮影部20は、例えば、航空標識灯100を撮影し、航空標識灯100の画像データを生成する際に、撮影時の位置に対応した位置情報を識別情報として画像データに含める。これにより、後で画像データを参照する際に、画像データが、いずれの航空標識灯100を撮影したものであるかを識別することが可能となる。また、識別情報は、予め設定されたルートや、遠隔操作に基づいて飛行、走行したルートに基づいて自動的に画像データに付与されてもよい。例えば、ルートに基づいて、撮影する(撮影した)航空標識灯100の画像データに順番に識別情報を付与する。
【0016】
但し、識別情報は、位置情報に限ることなく、航空標識灯100を識別可能な任意の情報でよい。例えば、航空標識灯100の路面RSから露出する部分に文字や記号などによる識別情報を表示しておき、識別情報の表示を含めるように航空標識灯100を撮影することにより、識別情報を画像データの一部に含めるようにしてもよい。例えば、画像処理によって識別情報を読み取ることにより、いずれの航空標識灯100を撮影したものであるかを識別できるようにしてもよい。このように、識別情報は、位置情報などの別の情報として画像データに含めてもよいし、画像データの一部として含めてもよい。
【0017】
画像取得部12は、複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影した複数の画像データを取得する。画像取得部12は、例えば、移動体18と通信を行うことにより、移動体18から複数の画像データを取得する。例えば、航空標識灯洗浄支援システム10が、複数台の移動体18を備える場合には、画像取得部12は、複数台の移動体18のそれぞれと通信を行うことにより、複数台の移動体18から複数の画像データを取得する。
【0018】
なお、移動体18による複数の航空標識灯100の撮影は、例えば、空港の運用終了から運用開始までの間などの限られた時間の中で行われる。このため、1回の作業時間では、空港に設置された多数の航空標識灯100の全ての撮影を行えない可能性がある。例えば、多数の航空標識灯100の全ての撮影を数日に分けて行う可能性がある。また、上記のように、多数の航空標識灯100の全ての撮影を複数台の移動体18で分担して行う可能性もある。従って、移動体18は、必ずしも空港に設置された多数の航空標識灯100の全ての撮影を行うものでなくてもよい。画像取得部12は、必ずしも空港に設置された多数の航空標識灯100の全ての画像データを取得しなくてもよい。画像取得部12は、少なくとも空港に設置された多数の航空標識灯100うちの所定数の画像データを取得するものでよい。
【0019】
画像取得部12は、例えば、移動体18と無線通信を行うことにより、移動体18が航空標識灯100の撮影を行う毎に、撮影された航空標識灯100に対応する画像データを取得する。
【0020】
画像取得部12は、複数の航空標識灯100の全ての撮影を終えた後の移動体18と通信を行うことにより、移動体18から複数の画像データをまとめて取得してもよい。この場合、画像取得部12と移動体18との間の通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。あるいは、移動体18(撮影部20)に着脱可能な記憶媒体を設け、撮影して取得した複数の画像データを記憶媒体に記憶させ、複数の航空標識灯100の全ての撮影を終えた後に移動体18から記憶媒体を抜き出して画像取得部12に取り付けることにより、記憶媒体から複数の画像データを取得してもよい。なお、画像取得部12による複数の画像データの取得の方法は、上記に限ることなく、複数の画像データを適切に取得可能な任意の方法でよい。
【0021】
例えば、識別情報が位置情報などの別の情報である場合には、識別情報は、必ずしも撮影部20(移動体18)において画像データに含めなくてもよい。例えば、画像取得部12が、移動体18から画像データと位置情報とを個別に取得し、画像取得部12において位置情報を識別情報として画像データに関連付けてもよい。また、位置情報と画像データの関連付けは移動体18で行われ、画像取得部12が、位置情報と関連付けられた画像データを取得する構成であってもよい。
【0022】
さらに、例えば、移動体18が遠隔操作型の無人航空機である場合には、操作者の操作に基づいて撮影が行われるとともに、操作者の操作に基づいて取得された画像データに識別情報が関連付けるようにしてもよい。識別情報を画像データに関連付ける方法は、上記に限ることなく、識別情報を適切に画像データに含めるように撮影(例えば、画像データの撮影範囲内に識別情報を含むように撮影)するなど、いずれの航空標識灯100を撮影した画像データであるかを識別可能とする任意の方法でよい。なお、移動体18が遠隔操作型の無人航空機である場合は、操作者の操作に基づいて位置情報が推定されてもよい。例えば、操作者が移動体18を操作することでパラメータ決定される、方向、速度、移動時間などに基づいて、基準点(例えば、操作者がいる位置)からの相対的な位置情報を推定し、撮影した画像データに関連付ける。
【0023】
判別部14は、画像取得部12の取得した複数の画像データに対して画像処理を行うことにより、複数の画像データを基に、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を判別する。判別部14は、例えば、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の判別結果を出力する。このとき、判別部14は、画像データに含まれる識別情報、または画像データに関連付けられた識別情報を基に、いずれの航空標識灯100の画像データであるかを識別し、識別情報と汚れ具合の判別結果とを関連付けて出力してもよい。例えば、判別部14は、判別結果を表示部16に出力する。これにより、判別部14の判別結果を利用することで、どの航空標識灯100が、どの程度汚れているのかを容易に判別することが可能となる。なお、判別部14は、判別結果を識別情報と関連付けて記憶部に記憶してもよい。
【0024】
判別部14による汚れ具合の判別は、汚れている、汚れていないの二段階で表してもよいし、汚れ具合に応じて複数段階で表してもよい。また、航空標識灯100の汚れ具合は、例えば、汚れの付着している部分と付着していない部分との面積比率などで表してもよい。この面積比率は、航空標識灯100全体の面積に対する面積比率であってもよいし、航空標識100の所定の領域(例えば、後述する投光窓114)に対する面積比率であってもよい。なお、航空標識灯100に付着する主な汚れは、例えば、航空機のタイヤのかすである。
【0025】
表示部16は、判別部14から判別結果の入力を受け、判別部14の判別結果を表示する。表示部16は、例えば、画像を表示する表示画面を有し、判別部14の判別結果を表示画面に表示する。すなわち、表示部16は、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を可視化する。
【0026】
表示部16は、例えば、判別結果と関連付けられた識別情報を基に、複数の航空標識灯100のそれぞれを識別できるようにした状態で、例えば、表のような形で複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を表示する。これにより、どの航空標識灯100が、どの程度汚れているのかをより容易に判別することができる。
【0027】
また、表示部16は、複数の航空標識灯100の設置された敷地(空港)の地図を表す地図情報に、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合の判別結果を重ねて表示する。表示部16は、例えば、地図上において、複数の航空標識灯100のそれぞれの実際の設置位置に対応した位置に、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合の判別結果を表示する。例えば、判別部14が、識別情報と汚れ具合の判別結果とを関連付けたマップを生成することで実現される。これにより、敷地内のどの位置に設置された航空標識灯100が汚れているか、あるいは、どの位置に設置された航空標識灯100が汚れ易いかなどを、より分かり易く表示することができる。
【0028】
判別部14及び表示部16は、例えば、複数の航空標識灯100の洗浄を行おうとする担当者が利用する端末に設けられる。これにより、洗浄の担当者が、表示部16に表示された判別結果を参照することで、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を洗浄の担当者に容易に認識させることが可能となる。例えば、全ての航空標識灯100の洗浄を行う時間がない場合に、汚れている航空標識灯100を優先的に洗浄することができたり、汚れている航空標識灯100が多い領域を優先的に洗浄することで、複数の航空標識灯100の洗浄を効率良く行うことが可能となる。
【0029】
判別部14は、例えば、洗浄の担当者の端末にアプリケーションとして設けられる。換言すれば、判別部14は、例えば、担当者の端末のCPUなどによって構成される。表示部16は、例えば、担当者の端末の表示部である。表示部16には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの周知の表示装置を用いればよい。画像取得部12は、換言すれば、移動体18と通信を行うための通信部である。画像取得部12は、担当者の端末に設けてもよいし、担当者の端末とは別に設けてもよい。画像取得部12を担当者の端末と別に設ける場合、画像取得部12と判別部14との間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信を介してもよい。これら担当者の端末は、持ち運び可能な端末であってもよいし、据え置き型の端末であってもよい。
【0030】
また、表示部16は、例えば、洗浄の担当者の所有する携帯端末の表示部などとしてもよい。判別部14は、例えば、携帯端末からの要求に応じて複数の航空標識灯100のそれぞれの判別結果を携帯端末に出力することにより、携帯端末の表示部16に判別結果を表示させてもよい。
【0031】
携帯端末は、例えば、洗浄の担当者の個人所有の携帯端末でもよい。すなわち、航空標識灯洗浄支援システム10は、必ずしも表示部16を備えていなくてもよい。航空標識灯洗浄支援システム10は、少なくとも画像取得部12と、判別部14と、を備えていればよい。判別部14は、判別結果を自動的に出力する構成でもよいし、外部からの要求に応じて判別結果を出力する構成でもよい。
【0032】
図2は、第1の実施形態に係る航空標識灯を模式的に表す斜視断面図である。
図3は、第1の実施形態に係る航空標識灯を模式的に表す断面図である。
図2及び図3に表したように、航空標識灯100は、本体部110と、設置部120と、を備える。本体部110は、例えば、上部本体111と下部本体112とを有する。
【0033】
本体部110(上部本体111)は、少なくとも上方に略平坦な面を有し、例えば、中央領域113の上面113aを平坦面とすることができる。路面RSの正面視において視認できる態様であれば良く、例えば路面RSから突出していてもよいし、面一であってもよいし、一部または全部が路面RSよりも凹んでいてもよい。
【0034】
上部本体111の外観は、例えば、略円板状である。上部本体111の中央領域113の厚みは、外周縁の厚みよりも厚くなっている。換言すれば、中央領域113の上面113aは、外周縁の上端よりも上側に位置する。中央領域113と外周縁との間の上面は、例えば、傾斜面である。傾斜面は、外周縁側になるに従い路面RSに近づく方向に傾斜している。これにより、航空標識灯100の上に航空機などが乗り上げた際に発生する衝撃を緩和することができる。また、識別情報を航空標識灯100に表示する場合は、上部本体111の路面RSから露出する部分(例えば、中央領域113)に識別情報を表示することが好ましい。
【0035】
下部本体112は、上部本体111の下方に設けられる。下部本体112は、例えば、有底筒状であり、上部本体111とともに中空状の内部空間を形成する。上部本体111及び下部本体112には、例えば、アルミニウム合金などの金属材料が用いられる。換言すれば、本体部110は、金属製である。本体部110は、例えば、内部空間を有する金属製の外装筐体である。
【0036】
本体部110は、投光窓114を有する。投光窓114は、例えば、金属製の本体部110に設けられた開口部を塞ぐように設けられる。投光窓114は、例えば、上部本体111に設けられる。投光窓114は、可視光域の光に対して光透過性を有する。投光窓114には、例えば、光学ガラスや光学プラスチックなどが用いられる。例えば、上部本体111に光透過性を有する材料を用いることにより、上部本体111自体を投光窓として用いてもよい。
【0037】
航空標識灯100は、図示を省略した光源部をさらに有する。光源部は、本体部110の内部に設けられる。換言すれば、光源部は、上部本体111と下部本体112とにより形成される内部空間内に設けられる。光源部は、例えば、発光ダイオードなどの光学素子、または、ハロゲンランプなどの放電ランプなどの光源を有し、光源に電力を供給することによって光(可視光)を照射する。
【0038】
光源部は、本体部110の内部に設けられ、投光窓114を介して本体部110の外側に光を照射する。これにより、上記のように、誘導路や滑走路の位置や形状などを灯りで航空機のパイロットに知らせることができる。
【0039】
このように、投光窓114は、光透過性を有しない金属製の上部本体111及び下部本体112の内部に光源部を配置した場合にも、光源部から照射された光を本体部110の外側に照射できるようにする。また、投光窓114は、例えば、本体部110に設けられた開口部を塞ぐことにより、開口部を介して水や塵埃などが本体部110の内部に侵入してしまうことを抑制する。投光窓114は、例えば、光源部から照射された光を収束又は発散させるレンズである。但し、投光窓114は、必ずしも光学的な特性を有していなくてもよい。投光窓114は、例えば、開口部を塞ぐ平板状の部材でもよい。
【0040】
設置部120は、空港の滑走路や誘導路などの路面RSに埋め込んで設置される。設置部120は、本体部110を着脱可能に支持する。例えば、航空標識灯100のメンテナンスを行った際に、光源部の明るさなどに不具合が見つかった場合には、本体部110及び本体部110内の光源部が設置部120から取り外され、本体部110及び光源部の修理が行われる。この場合、設置部120には、修理後の本体部110及び光源部を再び取り付けてもよいし、予め用意した予備の本体部110及び光源部を取り付けてもよい。なお、設置部120は、例えば、空港側の設備としてもよい。この場合、設置部120は、省略可能である。設置部120は、航空標識灯100において、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0041】
画像取得部12の取得する画像データは、航空標識灯100において、少なくとも投光窓114が写っていればよい。換言すれば、画像データは、航空標識灯100のうちの投光窓114を撮影したものであればよく、航空標識灯100のその他の部分は、必ずしも写っていなくてもよい。
【0042】
判別部14は、より詳しくは、画像取得部12の取得した複数の画像データに対して画像処理を行うことにより、複数の画像データを基に、複数の航空標識灯100のそれぞれの投光窓114の汚れ具合を判別する。
【0043】
このように、航空標識灯100の汚れとは、より詳しくは、航空標識灯100の投光窓114の汚れである。判別部14は、例えば、上部本体111の上面113aなどに汚れが付着していたとしても、航空標識灯100が汚れているとは判別しない。航空標識灯100の汚れ具合は、例えば、投光窓114において、汚れの付着している部分と付着していない部分との面積比率などで表してもよい。
【0044】
例えば、投光窓114に付着したタイヤのかすや塵埃などの汚れは、投光窓114の汚れの付着していない部分と比べて、黒く観察される。従って、投光窓114のうち、黒く観察される部分の面積を画像処理によって求めることにより、航空標識灯100の投光窓114の汚れ具合を判別することができる。
【0045】
また、例えば、夜間に画像データの取得作業を行う場合には、航空標識灯100を点灯させた状態で画像データを取得することが考えられる。この場合には、投光窓114の汚れの付着した部分は、投光窓114の汚れの付着していない部分と比べて、暗く観察される。従って、投光窓114のうち、暗く観察される部分の面積を画像処理によって求めることにより、航空標識灯100の投光窓114の汚れ具合を判別してもよい。投光窓114の汚れ具合の判別方法は、上記に限ることなく、投光窓114の汚れ具合を適切に判別可能な任意の方法でよい。
【0046】
また、図2及び図3に表したように、航空標識灯100は、複数の投光窓114を有する。この場合、画像データは、1つの画像に複数の投光窓114を撮影したものでもよいし、複数の投光窓114のいずれかを撮影したものでもよい。画像データは、1つの航空標識灯100に対して複数設けてもよい。換言すれば、画像取得部12は、1つの航空標識灯100に対し、複数の投光窓114のそれぞれを撮影した複数の画像データを取得してもよい。
【0047】
路面RSに埋め込まれる航空標識灯100は、上方から撮影される。例えば、真上からの撮影で複数の投光窓114を一度に撮影できる場合には、1つの航空標識灯100に対して1つの画像データでよい。しかしながら、投光窓114の形状や配置などによっては、真上からでは見え難くなってしまう可能性がある。この場合には、1つの航空標識灯100を複数の方向から撮影することにより、1つの航空標識灯100に対し、複数の投光窓114のそれぞれを撮影した複数の画像データを取得する。これにより、航空標識灯100が複数の投光窓114を有する場合にも、複数の投光窓114のそれぞれの汚れ具合を適切に判別することができる。
【0048】
図4は、第1の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムによる航空標識灯洗浄支援方法を模式的に表すフローチャートである。
図4に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10による航空標識灯洗浄支援方法においては、まず、画像取得部12が、航空標識灯100のそれぞれを撮影した画像データを取得する(図4のステップS101)。
【0049】
画像取得部12が画像データを取得した後、画像取得部12から画像データを受け取った判別部14が、画像データに対してそれぞれ画像処理を行うことにより、画像データを基に、航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を判別する(図4のステップS102)。
【0050】
判別部14は、航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を判別した後、判別結果を出力する(図4のステップS103)。この例において、判別部14は、判別結果を表示部16に出力(送信)する。
【0051】
表示部16は、判別部14から判別結果の入力を受け、判別結果を表示する(図4のステップS104)。
【0052】
以上、説明したように、本実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システム10は、航空標識灯100を撮影した画像データを取得する画像取得部12と、画像取得部12の取得した画像データに対して画像処理を行うことにより、画像データを基に、航空標識灯100の汚れ具合を判別し、判別結果を出力する判別部14と、を備える。
【0053】
また、本実施形態に係る航空標識灯洗浄支援方法は、航空標識灯100を撮影した画像データを取得する工程と、取得した画像データに対して画像処理を行うことにより、画像データを基に、航空標識灯100の汚れ具合を判別する工程と、判別結果を出力する工程と、を有する。
【0054】
これにより、出力された判別結果を用いることで、航空標識灯100の汚れ具合を容易に認識することが可能となり、空港の路面RSに設置される航空標識灯100の洗浄を効率良く行うことが可能となる。
【0055】
また、航空標識灯洗浄支援システム10は、判別部14の判別結果を表示する表示部16をさらに備える。航空標識灯洗浄支援方法は、判別結果を表示する工程をさらに有する。これにより、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を可視化し、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合をより容易に認識することが可能となる。従って、複数の航空標識灯100の洗浄をより効率良く行うことが可能となる。
【0056】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10aは、洗浄計画生成部30をさらに備える。なお、上記第1の実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は、省略する。
【0057】
航空標識灯洗浄支援システム10aにおいて、判別部14は、判別結果を洗浄計画生成部30に出力する。
【0058】
洗浄計画生成部30は、判別部14から判別結果の入力を受け、複数の航空標識灯100に対する判別部14の判別結果を基に、複数の航空標識灯100を効率良く洗浄するための洗浄計画の生成を行う。洗浄計画生成部30は、判別部14の判別結果を基に、汚れ具合の高い航空標識灯100を優先的に洗浄するように洗浄計画を生成する。
【0059】
洗浄計画生成部30は、例えば、複数の航空標識灯100のそれぞれの敷地(空港)内における配置を表す配置情報を有する。この配置情報は、予め洗浄計画生成部30が保有する記憶部に保存されていてもよいし、判別部14から地図情報を受け取り、地図情報を配置情報として保存していてもよい。洗浄計画生成部30は、例えば、判別結果と配置情報とを基に、汚れ具合の高い航空標識灯100を効率良く洗浄するための洗浄経路を洗浄計画として生成する。
【0060】
洗浄計画生成部30は、例えば、複数の航空標識灯100の洗浄作業を行うことができる時間(航空機の運航に影響を与えずに滑走路での洗浄作業を行うことが可能な時間)を表す作業時間情報を設定可能としてもよい。作業時間情報は、例えば、洗浄計画生成部30に接続された操作部の操作に基づいて洗浄計画生成部30に設定される。作業時間情報は、例えば、外部のサーバなどから洗浄計画生成部30に入力することによって洗浄計画生成部30に設定されるようにしてもよいし、洗浄の担当者の所有する携帯端末などから洗浄計画生成部30に入力することによって洗浄計画生成部30に設定されるようにしてもよい。作業時間情報の設定方法は、作業時間情報を洗浄計画生成部30に適切に設定することが可能な任意の方法でよい。
【0061】
作業時間情報が設定された場合、洗浄計画生成部30は、判別結果と作業時間情報とを基に、洗浄計画を生成する。洗浄計画生成部30は、判別結果と作業時間情報とを基に、設定された作業時間の中で、汚れ具合の高い航空標識灯100を優先的に洗浄するように洗浄計画を生成する。
【0062】
洗浄計画生成部30は、例えば、設定された作業時間を1つの航空標識灯100の洗浄に必要な平均的な時間で割ることにより、設定された作業時間の中で洗浄可能な航空標識灯100の台数を演算する。そして、洗浄計画生成部30は、汚れ具合の高い航空標識灯100から順に演算した台数の航空標識灯100を洗浄するように洗浄計画を生成する。
【0063】
洗浄計画生成部30は、例えば、判別結果と配置情報と作業時間情報とを基に、設定された作業時間の中で洗浄可能な台数の汚れ具合の高い航空標識灯100を効率良く洗浄するための洗浄経路を洗浄計画として生成してもよい。
【0064】
この場合、洗浄計画生成部30は、例えば、汚れ具合の高い航空標識灯100が複数存在する際に、配置情報を基に、汚れ具合の高い他の航空標識灯100との距離の近い航空標識灯100の優先度を汚れ具合の高い他の航空標識灯100との距離の遠い航空標識灯100の優先度よりも高くする。これにより、作業時間に限りがある場合にも、移動にともなう無駄な時間の発生を抑制し、汚れ具合の高い航空標識灯100を効率良く洗浄することができる。また、洗浄計画生成部30は、複数の洗浄車200(詳細は後述)に対してのそれぞれ異なる洗浄経路を洗浄計画としても生成してもよい。この場合、汚れ具合の高い航空標識灯100が複数存在し、かつその汚れ具合の高い航空標識灯100同士の距離が離れている場合、その汚れ具合の高い航空標識灯100の洗浄を異なる洗浄車200で分担することで、効率良く洗浄することができる。
【0065】
洗浄計画生成部30は、生成した洗浄計画を出力する。洗浄計画生成部30は、例えば、生成した洗浄計画を表示部16に出力する。表示部16は、洗浄計画生成部30から洗浄計画の入力を受け、洗浄計画生成部30の洗浄計画を表示する。
【0066】
これにより、洗浄の担当者が、表示部16に表示された洗浄計画を参照することで、複数の航空標識灯100の最適な洗浄計画を洗浄の担当者に容易に認識させることが可能となる。例えば、洗浄の担当者が、判別部14の判別結果を基に洗浄計画を立案する手間を省き、航空標識灯洗浄支援システム10aの利便性をより高めることができる。例えば、洗浄経路を洗浄計画として生成した場合には、その洗浄経路に従って所定数の航空標識灯100の洗浄を行えばよく、複数の航空標識灯100の汚れ具合に応じた効率的な洗浄をより簡単に行うことが可能となる。
【0067】
図6は、第2の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムによる航空標識灯洗浄支援方法を模式的に表すフローチャートである。
図6に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10aによる航空標識灯洗浄支援方法においては、まず、画像取得部12が、航空標識灯100のそれぞれを撮影した画像データを取得する(図6のステップS201)。
【0068】
画像取得部12が画像データを取得した後、画像取得部12から画像データを受け取った判別部14が、画像データに対してそれぞれ画像処理を行うことにより、画像データを基に、航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を判別する(図6のステップS202)。
【0069】
判別部14は、航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合を判別した後、判別結果を出力する(図6のステップS203)。この例において、判別部14は、判別結果を洗浄計画生成部30に出力(送信)する。
【0070】
洗浄計画生成部30は、判別部14から判別結果の入力を受け、複数の航空標識灯100に対する汚れ具合の判別結果を基に、複数の航空標識灯100を効率良く洗浄するための洗浄計画の生成を行う(図6のステップS204)。
【0071】
洗浄計画生成部30は、生成した洗浄計画を出力する(図6のステップS205)。洗浄計画生成部30は、例えば、生成した洗浄計画を表示部16に出力(送信)する。
【0072】
表示部16は、洗浄計画生成部30から洗浄計画の入力を受け、洗浄計画生成部30の洗浄計画を表示する(図6のステップS206)。
【0073】
以上、説明したように、本実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システム10aは、判別部14の判別結果を基に、複数の航空標識灯100を効率良く洗浄するための洗浄計画の生成を行う洗浄計画生成部30をさらに備える。また、本実施形態に係る航空標識灯洗浄支援方法は、複数の航空標識灯100に対する汚れ具合の判別結果を基に、複数の航空標識灯100を効率良く洗浄するための洗浄計画の生成を行う工程をさらに有する。
【0074】
これにより、例えば、洗浄の担当者が、判別部14の判別結果を基に洗浄計画を立案する手間を省き、航空標識灯洗浄支援システム10aの利便性をより高めることができる。
【0075】
また、航空標識灯洗浄支援システム10aは、洗浄計画生成部30の洗浄計画を表示する表示部16をさらに備える。航空標識灯洗浄支援方法は、洗浄計画を表示する工程をさらに有する。これにより、洗浄の担当者が、表示部16に表示された洗浄計画を参照することで、複数の航空標識灯100の最適な洗浄計画を洗浄の担当者に容易に認識させることができる。
【0076】
なお、表示部16は、判別部14の判別結果と、洗浄計画生成部30の洗浄計画と、を表示できるようにしてもよい。表示部16は、判別部14の判別結果と、洗浄計画生成部30の洗浄計画と、を並べて表示してもよいし、判別部14の判別結果と、洗浄計画生成部30の洗浄計画と、を切り替えて表示できるようにしてもよい。
【0077】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10bでは、表示部16が、洗浄車200に設けられている。洗浄車200は、移動しながら誘導路や滑走路などの路面RSに設置された航空標識灯100の洗浄を行う。洗浄車200は、航空標識灯100を洗浄し、屋外に設置される航空標識灯100に付着した塵埃などを除去する。洗浄車200は、より詳しくは、航空標識灯100の投光窓114を洗浄する。これにより、洗浄車200は、航空標識灯100から照射される光の強度が、付着した塵埃などによって低下してしまうことを抑制する。
【0078】
洗浄車200は、車両本体202と、洗浄部204と、を有する。洗浄部204は、車両本体202に設けられる。車両本体202は、内燃機関又はモーターなどで自走可能な自動車である。車両本体202は、例えば、四輪車である。但し、車両本体202は、二輪車や三輪車などでもよい。車両本体202は、車輪を有するものに限ることなく、キャタピラなどを有するものなどでもよい。車両本体202は、内燃機関やモーターなどの動力源を有するものに限ることなく、人力によるものなどでもよい。車両本体202の構成は、洗浄部204を載せて移動可能な任意の構成でよい。
【0079】
洗浄部204は、航空標識灯100の洗浄を行う。より具体的には、洗浄部204は、航空標識灯100の投光窓114を洗浄する。洗浄部204は、例えば、噴出部210と、可動部212と、を有する。
【0080】
噴出部210は、洗浄媒体の噴出を行う。噴出部210は、例えば、ノズルを有し、ノズルから洗浄媒体を噴出する。洗浄媒体は、例えば、粒子状のドライアイスと空気との混合体である。洗浄媒体は、上記に限ることなく、空気のみでもよいし、水などを用いてもよい。洗浄媒体は、航空標識灯100の投光窓114を適切に洗浄することができる任意の媒体でよい。
【0081】
可動部212は、噴出部210の位置や、噴出部210から噴出される洗浄媒体の噴出の向きなどを変化させる。可動部212は、例えば、車両本体202の車内に設けられた操作部の操作に応じて噴出部210の位置や向きを変化させる。これにより、航空標識灯100との位置を車両本体202で合わせる必要が無く、可動部212の動作で噴出部210と航空標識灯100との位置を合わせることができる。これにより、航空標識灯100の洗浄をより効率良く簡単に行うことができる。なお、洗浄部204の構成は、上記に限ることなく、航空標識灯100の投光窓114を適切に洗浄することができる任意の構成でよい。
【0082】
可動部212の操作部は、例えば、車両本体202の運転席に設けられる。これにより、洗浄車200の運転及び洗浄部204による航空標識灯100の洗浄作業を一人の担当者で行うことができる。航空標識灯100の洗浄をより効率良く行うことができる。
【0083】
洗浄部204は、例えば、撮影部220をさらに有する。撮影部220は、例えば、噴出部210に設けられ、噴出部210の洗浄媒体の噴出方向を撮影する。撮影部220によって撮影された画像は、例えば、可動部212の操作部に設けられた画面に表示される。これにより、画面に表示された画像を参照しながら操作部を操作することで、航空標識灯100と噴出部210との位置をより簡単に合わせることができる。
【0084】
表示部16は、例えば、車両本体202の運転席に設けられる。表示部16は、例えば、洗浄計画生成部30によって生成された洗浄計画を表示する。これにより、本実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システム10bでは、洗浄車200を運転して実際に複数の航空標識灯100の洗浄作業を行う担当者が、表示部16に表示された洗浄計画を参照しながら複数の航空標識灯100の洗浄作業を行うことができる。従って、複数の航空標識灯100の洗浄作業をより効率良く行うことができる。
【0085】
なお、上記のように、洗浄車200が撮影部220を有する場合には、画像取得部12は、複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影した複数の画像データを洗浄車200から取得してもよい。換言すれば、洗浄車200を航空標識灯洗浄支援システム10bの移動体として用いてもよい。
【0086】
例えば、洗浄車200で事前に複数の画像データを取得し、洗浄計画が生成された後、生成された洗浄計画に従って複数の航空標識灯100の洗浄作業を洗浄車200で行う。これにより、洗浄車200を移動体とした際にも、複数の航空標識灯100の洗浄作業を効率良く行うことができる。
【0087】
例えば、無人航空機などの移動体18で事前に複数の画像データの取得を行い、洗浄車200で航空標識灯100の洗浄を行った場合に、洗浄後の航空標識灯100の画像データを洗浄車200の撮影部220で取得することにより、その航空標識灯100の画像データを更新してもよい。これにより、例えば、無人航空機などの移動体18で複数の航空標識灯100の全ての画像データを取得する頻度を低下させることができる。
【0088】
例えば、複数の航空標識灯100の全ての画像データを空港の運用終了後に移動体18で毎日取得しようとすると、手間がかかってしまったり、作業時間が足りなくなってしまったりする可能性がある。こうした際に、上記のように、洗浄を終えた航空標識灯100の画像データを洗浄車200の撮影部220で取得した画像データに更新する。これにより、例えば、複数の航空標識灯100の全ての画像データを移動体18で取得する頻度を二日に一回や三日に一回の頻度などに低下させることができる。また、全ての画像データを取得する頻度を低下させたとしても、洗浄後の画像データに更新することで、次の洗浄作業の際に、複数の航空標識灯100のそれぞれの汚れ具合に応じた適切な洗浄作業を行わせることが可能となる。このように、無人航空機などの移動体18と洗浄車200とを組み合わせて用いてもよい。
【0089】
なお、洗浄車200に設けられる表示部16は、洗浄計画生成部30によって生成された洗浄計画を表示する構成に限ることなく、判別部14の判別結果を表示する構成としてもよい。例えば、洗浄車200を運転する担当者が、表示部16に表示された判別結果に基づいて、洗浄作業を行う航空標識灯100を任意に選択できるようにしてもよい。航空標識灯洗浄支援システム10bは、必ずしも洗浄計画生成部30を有しなくてもよい。
【0090】
また、車両本体202の運転席に表示部16を設ける場合には、撮影部220で撮影された画像を表示部16に表示してもよい。判別結果や洗浄計画と撮影部220で撮影された画像とを表示部16に並べて表示したり、切り替えて表示したりできるようにしてもよい。
【0091】
また、洗浄車200は、例えば、敷地内を自動的に移動する自動運転機能と、噴出部210による航空標識灯100の洗浄を自動的に行う自動洗浄機能と、を有し、複数の航空標識灯100の洗浄を無人で自動的に行うものとしてもよい。この場合、洗浄計画生成部30は、生成した洗浄計画を洗浄車200に出力してもよい。洗浄車200は、洗浄計画生成部30から洗浄計画の入力を受け、入力された洗浄計画に基づいて複数の航空標識灯100の洗浄を自動的に行ってもよい。換言すれば、洗浄車200は、複数の航空標識灯100のうち、洗浄計画で設定された航空標識灯100の洗浄を自動的に行ってもよい。航空標識灯洗浄支援システムは、例えば、複数の航空標識灯100の洗浄を自動的に行う洗浄車200をさらに備えるものとしてもよい。
【0092】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図8に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10cでは、移動体18cが、自動運転機能を有する車両である。車両は、四輪車である。但し、車両は、二輪車や三輪車などでもよい。移動体18cは、例えば、予め設定されたルートを走行しながら複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影部20で撮影することにより、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の画像データを自動的に取得する。
【0093】
なお、車両である移動体18cは、必ずしも自動運転機能を有しなくてもよい。移動体18cは、例えば、担当者が運転を行う車両などでもよい。
【0094】
このように、画像データを取得する移動体は、無人航空機に限ることなく、車両などでもよい。移動体は、上記のように、洗浄車200でもよい。移動体の構成は、移動しながら複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影部20で撮影することにより、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の画像データを取得可能な任意の構成でよい。
【0095】
また、複数の航空標識灯100のそれぞれに対応した複数の画像データは、例えば、担当者が車両や徒歩などで移動しながら携帯型のカメラなどで撮影することによって取得してもよい。また、複数の画像データは、例えば、空港を利用する旅客機や貨物機などの航空機に設けられた撮影部で撮影することによって取得してもよい。
【0096】
このように、航空標識灯洗浄支援システムは、必ずしも移動体を備えていなくてもよい。画像取得部12による画像データの取得方法は、複数の航空標識灯100のそれぞれを撮影した複数の画像データを適切に取得することができる任意の方法でよい。
【0097】
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態に係る航空標識灯洗浄支援システムを模式的に表すブロック図である。
図9に表したように、航空標識灯洗浄支援システム10dは、2台の移動体18dを備える。2台の移動体18dの一方は、洗浄車200の前方に配置される。2台の移動体18dの他方は、洗浄車200の後方に配置される。画像取得部12は、2台の移動体18dのそれぞれから複数の画像データを取得することにより、航空標識灯100の洗浄前の画像データと洗浄後の画像データとを取得する。このように、航空標識灯洗浄支援システム10dにおいて、画像取得部12は、洗浄後の航空標識灯100を撮影した画像データをさらに取得する。
【0098】
航空標識灯洗浄支援システム10dにおいて、判別部14は、洗浄後の航空標識灯100の洗浄前の画像データと洗浄後の画像データとを比較することにより、洗浄後の航空標識灯100の汚れの落ち具合を確認し、確認結果を出力可能である。判別部14は、例えば、確認結果を表示部16に出力する。
【0099】
表示部16は、判別部14から確認結果の入力を受け、確認結果を表示する。換言すれば、表示部16は、洗浄後の航空標識灯100の汚れの落ち具合を表示する。表示部16は、例えば、洗浄前の航空標識灯100の汚れ具合と洗浄後の航空標識灯100の汚れ具合とを並べて表示することにより、航空標識灯100の汚れの落ち具合を表示する。表示部16は、例えば、汚れがあまり落ちていない場合にのみ警告するように表示を行ってもよい。航空標識灯100の汚れの落ち具合の表示は、航空標識灯100の汚れの落ち具合を洗浄の担当者などに適切に報知することが可能な任意の表示でよい。
【0100】
このように、航空標識灯洗浄支援システム10dでは、判別部14が、洗浄後の航空標識灯100の汚れの落ち具合を確認し、確認結果を出力可能としている。これにより、航空標識灯洗浄支援システム10dでは、複数の航空標識灯100の洗浄を行う担当者などが、洗浄後の航空標識灯100の汚れの落ち具合を容易に認識することができる。
【0101】
この例において、画像取得部12は、例えば、2台の移動体18dのそれぞれと無線通信を行い、移動体18dのそれぞれが航空標識灯100の撮影を行う毎に、撮影された航空標識灯100に対応する画像データを順次取得する。
【0102】
判別部14は、例えば、画像取得部12が洗浄車200の前方に配置された移動体18dから画像データを取得する毎に、該当する航空標識灯100の汚れ具合を順次判別し、判別結果を順次出力する。このように、判別部14は、複数の航空標識灯100の汚れ具合をまとめて判別する構成に限ることなく、画像取得部12が画像データを取得する毎に、該当する航空標識灯100の汚れ具合を順次判別する構成としてもよい。
【0103】
また、判別部14は、例えば、画像取得部12が洗浄車200の後方に配置された移動体18dから画像データを取得する毎に、該当する航空標識灯100の汚れの落ち具合を順次確認し、確認結果を順次出力する。
【0104】
表示部16は、例えば、判別部14から順次出力される判別結果を順次表示する。これにより、例えば、洗浄の担当者が、洗浄車200の前方に位置する航空標識灯100の洗浄が必要か否かを容易に判断することができる。また、表示部16は、例えば、判別部14から順次出力される確認結果を順次表示する。これにより、例えば、洗浄の担当者が、洗浄車200によって適切に航空標識灯100の洗浄が行われたか否かを容易に認識することができる。例えば、汚れがあまり落ちていない場合に、引き返して洗浄をやり直すことなどが可能となる。
【0105】
なお、画像取得部12が、洗浄後の航空標識灯100を撮影した画像データをさらに取得する構成は、2台の移動体18dから取得する構成に限るものではない。例えば、1台の移動体で複数の画像データの取得を行った後、その移動体を洗浄車200の後方に配置させることで、洗浄後の航空標識灯100を撮影した画像データをさらに取得してもよい。また、上記のように、洗浄車200が、撮影部220を有する場合には、洗浄車200の撮影部220によって、洗浄後の航空標識灯100を撮影した画像データをさらに取得してもよい。画像取得部12が、洗浄後の航空標識灯100を撮影した画像データをさらに取得する構成は、上記に限ることなく、洗浄後の画像データを適切に取得可能な任意の構成でよい。
【0106】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0107】
10、10a~10d…航空標識灯洗浄支援システム、 12…画像取得部、 14…判別部、 16…表示部、 18、18c、18d…移動体、 20…撮影部、 30…洗浄計画生成部、 100…航空標識灯、 110…本体部、 111…上部本体、 112…下部本体、 113…中央領域、 114…投光窓、 120…設置部、 200…洗浄車、 202…車両本体、 204…洗浄部、 210…噴出部、 212…可動部、 220…撮影部、 RS…路面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9