(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127669
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ノートパソコン用カバー
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230907BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G06F1/16 312R
H05K5/03 A
G06F1/16 312E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031494
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】猪原 和弘
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360BA03
4E360EA18
4E360EB03
4E360ED28
4E360GA44
4E360GB45
4E360GC02
4E360GC06
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】ノートパソコンの使用中で且つノートパソコンの操作部の不使用時に、操作部に対する誤操作が生じにくい手段を提供する。
【解決手段】ノートパソコン用カバー1は、ノートパソコン21を開いた状態で操作面24を覆う。操作面24を備えるノートパソコン21の本体部22の右側前方コーナー部26Aと対向する第1のコーナー部2Aと、右側後方コーナー部26Bと対向する第2のコーナー部2Bと、左側前方コーナー部26Cと対向する第3のコーナー部2Cと、左側後方コーナー部26Dと対向する第4のコーナー部2Dと、を有する。例えば、第1及び第2のコーナー部2A,2Bと第3及び第4のコーナー部2C,2Dのノートパソコン21の幅方向Wにおける距離が調整可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノートパソコンを開いた状態で操作面を覆うノートパソコン用カバー。
【請求項2】
前記ノートパソコンは前記操作面を備える本体部を有し、
前記本体部の右側前方コーナー部と対向する第1のコーナー部と、右側後方コーナー部と対向する第2のコーナー部と、左側前方コーナー部と対向する第3のコーナー部と、左側後方コーナー部と対向する第4のコーナー部と、を有し、前記第1及び第2のコーナー部と前記第3及び第4のコーナー部の前記ノートパソコンの幅方向における距離が調整可能である、請求項1に記載のノートパソコン用カバー。
【請求項3】
前記第1のコーナー部と前記第2のコーナー部とを接続する第1の側面と、
前記第3のコーナー部と前記第4のコーナー部とを接続する第2の側面と、
を有し、
前記第1及び第2の側面は、切断することによって開口が形成される複数の易切断部を有する、請求項2に記載のノートパソコン用カバー。
【請求項4】
前記第1のコーナー部から前記第2のコーナー部まで延びる第1の開口と、
前記第3のコーナー部から前記第4のコーナー部まで延びる第2の開口と、
を有する、請求項2に記載のノートパソコン用カバー。
【請求項5】
前記ノートパソコンの前記幅方向に相互にスライド可能な第1のカバー部材と第2のカバー部材を有し、前記第1のカバー部材は前記第1及び第2のコーナー部を有し、前記第2のカバー部材は前記第3及び第4のコーナー部を有する、請求項2から4のいずれか1項に記載のノートパソコン用カバー。
【請求項6】
前記第1のカバー部材と第2のカバー部材は一方が他方の内部を摺動可能である、請求項5に記載のノートパソコン用カバー。
【請求項7】
前記ノートパソコンの前記本体部の前方側面と対向する第3の側面と、前記本体部のディスプレイとの境界部と対向する第4の側面と、を有し、前記第4の側面は前記第2のコーナー部と前記第4のコーナー部との間を前記幅方向に延びる帯状部と、前記帯状部の下方に形成された切欠きと、を有し、前記帯状部の高さは前記第3の側面の高さより低い、請求項2から6のいずれか1項に記載のノートパソコン用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノートパソコン用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
使用中のノートパソコンを衝撃等から保護するための保護構造が知られている。特許文献1には、ノートパソコンの本体部の裏面とディスプレイの裏面とを覆う一体型のカバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノートパソコンは単独で使用されることが多いが、操作性を改善するため増設キーボードをノートパソコンに接続して使用することがある。この場合、ノートパソコンの操作面は通常使用されないため、限られた卓上スペースで作業をすべく操作面に書類等を置くことがある。しかし、書類等を手や筆記具で触った際に、キーボードやタッチパッドなどの操作部を意図せずに操作する可能性があり、操作性を妨げる可能性がある。
【0005】
本発明は、ノートパソコンの使用中で且つノートパソコンの操作部の不使用時に、操作部に対する誤操作が生じにくい手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ノートパソコンを開いた状態で操作面を覆うノートパソコン用カバーを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ノートパソコンの使用中で且つノートパソコンの操作部の不使用時に、操作部に対する誤操作が生じにくい手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るノートパソコン用カバーの概念図である。
【
図2】ノートパソコン用カバーの裏側から見た概略構成図である。
【
図3】ノートパソコン用カバーの概略断面図である。
【
図4】ノートパソコン用カバーの概略正面図と背面図である。
【
図5】ノートパソコン用カバーの概略側面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係るノートパソコン用カバーの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明のノートパソコン用カバーの実施形態について説明する。以下の説明で、Wをノートパソコンの幅方向、Dをノートパソコンの奥行き方向、Hをノートパソコンの厚さ方向とする。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るノートパソコンカバー(以下、カバー1という)を取り付けたノートパソコン21を、
図1(b)は本実施形態のカバー1をノートパソコン21に取り付ける方法を示す。ノートパソコン21はキーボード25Aやタッチパッド25Bを備える本体部22と、本体部22に回動可能に取り付けられたディスプレイ23と、を有している。キーボード25Aやタッチパッド25Bを操作部25といい、操作部25が設けられた本体部22の面を操作面24という。使用中はディスプレイ23を本体部22に対して回動させ、操作面24が露出している。
【0010】
カバー1は、ノートパソコン21を開いた状態でノートパソコン21の操作面24を覆う。カバー1は本体部22と同様概ね直方体の形状を有し、本体部22を全体的に覆う。具体的には、カバー1は、本体部22の右側前方コーナー部26Aと対向する第1のコーナー部2Aと、右側後方コーナー部26Bと対向する第2のコーナー部2Bと、左側前方コーナー部26Cと対向する第3のコーナー部2Cと、左側後方コーナー部26Dと対向する第4のコーナー部2Dと、を有している。また、カバー1はノートパソコン21の操作面24を覆う主面3と、主面3に接続された第1~第4の側面4A~4Dを有する。主面3の反対側は開口5となっている。第1の側面4Aは第1のコーナー部2Aと第2のコーナー部2Bとを接続し、第2の側面4Bは第3のコーナー部2Cと第4のコーナー部2Dとを接続し、第3の側面4Cは第1のコーナー部2Aと第3のコーナー部2Cとを接続し、第4の側面4Dは第2のコーナー部2Bと第4のコーナー部2Dとを接続している。第1の側面4Aと第2の側面4Bはノートパソコンの奥行き方向Dと概ね平行であり、第3の側面4Cと第4の側面4Dはノートパソコンの幅方向Wと概ね平行である。
図1(b)に示すように、開口5を下に向けた状態でカバー1を下ろし、操作面24にかぶせるだけの単純な作業で操作面24を覆うことができる。カバー1はノートパソコン21の操作面24だけでなく側面も覆うので、ノートパソコン21を保護するのにも役立つ。
【0011】
図2は、カバー1の裏側(開口5側)から見た概略構成図である。カバー1は、ノートパソコン21の幅方向Wに配置される第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bとを有している。
図2(a)は第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bが分離した状態を示し、
図2(b)は第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bが組み合わされた状態を示している。第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bはアクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、塩ビなどの樹脂、金属、木材、ガラス等、様々な材料で形成することができ、その材料は特に限定されない。通常はノートパソコン21の操作面24を見る必要がないため、色についても限定されず、有色、透明、半透明のいずれであってもよい。第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bの間に厚さ方向Hの隙間を作り、この隙間に資料、写真、カレンダーなどを挟むこともできる。この場合、上側となるカバー部材(本実施形態では第2のカバー部材1B)は透明であることが望ましい。また、第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bの強度を高めるため、主面3に凹部11A(または凸部)、リブ11Bなどを設けることもできる。リブ11Bはその周辺の部位と同じ厚さで良いが、周辺の部位より厚くしてもよい。カバー1を樹脂で製作する場合、凹部11Aやリブ11Bは成形時に容易に形成することができる。図示は省略するが、主面3の表面または裏面に格子状の突条部を設けてもよい。
【0012】
第1のカバー部材1Aは第1及び第2のコーナー部2A,2Bを有し、第2のカバー部材1Bは第3及び第4のコーナー部2C,2Dを有する。
図3(a)~3(d)は
図1(a)のA-A線、B-B線、C-C線、D-D線に沿った断面図を示している。
図4(a)は
図1(a)のE方向(正面側)からみたカバー1の前方側面図、
図4(b)は
図1(a)のF方向(裏側)からみたカバー1の後方側面図である(ディスプレイ23の図示は省略)。第1のカバー部材1Aは第2のカバー部材1Bの下側にあり、第1のカバー部材1Aの外面の奥行き方向寸法X1は第2のカバー部材1Bの内面の奥行き方向X2よりわずかに小さい。このため、第1のカバー部材1Aは第2のカバー部材1Bの内部を摺動可能である。従って、第1及び第2のコーナー部2A,2Bと第3及び第4のコーナー部2C,2Dのノートパソコン21の幅方向Wにおける距離が調整可能である。また、第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bとの間の摩擦力によって。第1のカバー部材1Aは第2のカバー部材1Bに対して幅方向Wに固定される。この機能はノートパソコン21の幅方向寸法に応じてカバー1の幅方向寸法を調整する目的で用いられる。なお、本実施形態では第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bの位置調整に摺動と摩擦力を用いているが、同様の機能が実現できる限り、これに限定されない。例えば、第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bにそれぞれラックを設け、ラック同士を係合させてもよいし、第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bのそれぞれの第3の側面4Cに複数の穴を設け、ピンなどの部材を第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bの第3の側面4Cからそれぞれ選択した一つの穴に通し、第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bを固定してもよい。
【0013】
第3の側面4Cはノートパソコン21の本体部22の前方側面27と対向し、第4の側面4Dは本体部22のディスプレイ23との境界部28と対向している。第4の側面4Dには本体部22との干渉を避けるため、大きな切欠き6が形成されている。すなわち、第4の側面4Dは第2のコーナー部2Bと第4のコーナー部2Dとの間をノートパソコン21の幅方向Wに延びる帯状部7と、帯状部7の下方に形成された切欠き6と、を有している。第1のカバー部材1Aの切欠き6Aは、第2のコーナー部2Bの近傍から幅方向Wにおける反対側の端部まで連続して形成されている。第2のカバー部材1Bの切欠き6Bは、第4のコーナー部2Dの近傍から幅方向Wにおける反対側の端部まで連続して形成されている。この結果、幅方向長さを調整したカバー1の切欠き6は第4の側面4Dのほぼ全幅に渡って形成される。切欠き6と主面3との間に形成された帯状部7は第3の側面4Cと共に、第1のカバー部材1Aと第2のカバー部材1Bを相互にスライドさせるときのガイド部材として機能する。さらに、帯状部7を設けることで、カバー1の剛性が高められるため、操作部25の誤操作を一層抑制することができる。
【0014】
帯状部7の高さは第3の側面4Cの高さより低い。第3の側面4Cの底部は第1の側面4A及び第2の側面4Bの底部と揃えられている。第3の側面4Cは第1及び第2の側面4A,4Bとともにノートパソコン21が設置される机に支持され、第4の側面4Dはノートパソコン21の操作面24に支持される。ノートパソコン21の高さによっては主面3が斜めになることがあるが、機能上問題はない。カバー1は第1~第4の側面4A~4Dを有しているため、剛性が高く、相当の重量物を置いても大きく変形することがない。カバー1と操作部25(または操作面24)との間にはギャップGが確保される。これによって、カバー1に物を置いたり手を触れたりしても操作部25が誤操作される可能性が低減する。また、カバー1に置くものは書類等に限定されず、飲み物であってもよい。飲み物をこぼしても操作面24がカバー1で保護されるので、ノートパソコン21への悪影響が生じにくい。猫などの小動物が操作面24に乗っても操作面24がカバー1で保護されるので、ノートパソコン21への悪影響や誤操作が生じにくい。
【0015】
このように、ノートパソコン21の使用中に操作面24をカバー1で覆うことで、操作面24の上部を書類置きなどに利用し卓上スペースの有効利用が可能となるので、生産性を向上させることができる。ノートパソコン21を閉じた状態でもノートパソコン21をカバー1で覆うことができるので、カバー1の収納場所を別途確保する必要性は無く、カバー1に適宜装飾を施すことで、卓上を飾るインテリアとしても期待できる。さらに、ノートパソコン21の使用中に防塵効果が期待できるため、屋外や塵埃の多い場所でノートパソコン21を保護する効果も得られる。
【0016】
図5(a)は
図1(a)のG方向(正面側)からみたカバー1の右側側面図である。左側側面図は右側側面図と同様な構成となっているので図示及び説明を省略する。第1の側面4Aにはノートパソコン21の各種端子29の位置に合わせて開口8が形成されている。これによって、端子29に接続されたケーブル等(図示せず)とカバー1の干渉を防止することができる。
図5(b)は第1の側面4Aの初期状態を示している。第1の側面4Aには、切断することによって開口8が形成される複数の易切断部9が形成されている。易切断部9は一定の大きさの領域10を取り囲む複数の直線からなり、カッター、手などで容易に切断することができる。好ましくは、複数個の領域10が第1の側面4Aのほぼ全長に渡って連続して形成される。端子29の位置や数はノートパソコン21によって異なるため、端子29に合わせて適切な領域10を選択して開口8を形成することができる。
図5(c)に示すように、易切断部9は溝とすることができる。あるいは、
図5(d)に示すように、易切断部9は間歇的な接続部(ミシン目)であってもよい。
図2(a)に示すように、第3の側面4Cにも一定の大きさの領域10を取り囲む易切断部9を設けてもよい。ノートパソコン21によっては前面に端子が無いものもあるので、第3の側面4Cに易切断部9が設けられたものと設けられていないものを作成し、ユーザが選択するようにしてもよい。
【0017】
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態に係るカバー1の、
図5(a)と同様の図である。カバー1は、第1のコーナー部2Aから第2のコーナー部2Bまで延びる第1の開口12Aと、第3のコーナー部2Cから第4のコーナー部2Dまで延びる第2の開口(図示せず)と、を有する。ノートパソコン21の左右両側側面は解放された状態となるので、易切断部9で開口8を形成する必要がない。図示は省略するが、開口とする必要がない部位をカバー部材で塞いでもよい。また、図示は省略するが第3の側面4Cと第4の側面4Dのいずれかまたは両方を削除することもできる。この場合、カバー1は主面3と、主面3の4隅に設けられた支柱で支持されることになる。
【符号の説明】
【0018】
1 ノートパソコン用カバー(カバー)
1A~1B 第1~第2のカバー部材
2A~2D 第1~第4のコーナー部
4A~4D 第1~第4の側面
6 切欠き
7 帯状部
8 開口
9 易切断部
12A 第1の開口
21 ノートパソコン
22 パソコンの本体部
24 パソコンの操作面