(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127732
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】自転車用取付装置
(51)【国際特許分類】
B62J 9/30 20200101AFI20230907BHJP
E05B 73/00 20060101ALI20230907BHJP
B62J 11/00 20200101ALI20230907BHJP
B62J 45/40 20200101ALI20230907BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230907BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230907BHJP
【FI】
B62J9/30
E05B73/00 Z
B62J11/00
B62J45/40
G03B17/56 A
G03B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031600
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】吉田 恵梨子
(72)【発明者】
【氏名】松永 紗知
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和佳奈
(72)【発明者】
【氏名】宮沢 哲
【テーマコード(参考)】
2H100
2H105
【Fターム(参考)】
2H100AA02
2H100DD04
2H100DD13
2H105AA02
2H105AA28
(57)【要約】
【課題】装置自体の管理と、装置に形成された筐体の管理とを簡便に実施できる自転車用取付装置を提供する。
【解決手段】自転車用取付装置は、自転車に固定される固定部材と、固定部材に支持される筐体と、を備え、固定部材は、筐体が固定部材に支持された状態で、筐体を固定部材に固定するように施錠可能な第1のロック機構を有し、筐体は、蓋部と、蓋部を施錠可能な第2のロック機構と、を有し、第1のロック機構と第2のロック機構とは、共通のキーによって施錠及び解錠される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車に固定される固定部材と、
前記固定部材に支持される筐体と、を備え、
前記固定部材は、前記筐体が前記固定部材に支持された状態で、前記筐体を前記固定部材に固定するように施錠可能な第1のロック機構を有し、
前記筐体は、蓋部と、前記蓋部を施錠可能な第2のロック機構と、を有し、
前記第1のロック機構と前記第2のロック機構とは、共通のキーによって施錠及び解錠される、自転車用取付装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記蓋部によって被覆可能なバッテリと、前記バッテリによって動作する撮像装置と、を含む、請求項1に記載の自転車用取付装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記筐体内に収容されたバッテリと、前記バッテリによって動作する撮像装置と、を含み、
前記バッテリは、前記第2のロック機構によって前記蓋部が施錠されているときに充電が規制され、前記第2のロック機構によって前記蓋部が解錠されているときに充電が可能とされている、請求項1に記載の自転車用取付装置。
【請求項4】
前記筐体は、互いに対向する第1側面及び第2側面を含み、
前記第1側面は、前記固定部材に係合される係合部を含み、
前記第2側面は、前記撮像装置のレンズを臨む窓部と、前記筐体の外に向けて光を照射する発光部と、を含む、請求項2又は3に記載の自転車用取付装置。
【請求項5】
前記第2側面には、前記窓部と前記発光部との間において外向きに突出する板状部材が設けられている、請求項4に記載の自転車用取付装置。
【請求項6】
前記固定部材は、
前記自転車を構成するハンドルに固定するための固定リングと、
前記固定リングから径方向に沿って延在する延在部と、
前記延在部から前記径方向に交差する方向に突出し、前記係合部に係合する前記第1のロック機構を構成する突起部と、を含む、請求項4又は5に記載の自転車用取付装置。
【請求項7】
前記突起部は、前記延在部において前記径方向の複数の位置に移動可能である、請求項6に記載の自転車用取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、自転車用取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電気ランプ付き錠を開示している。この電気ランプ付き錠では、前端部に発光素子を備え、内部に蓄電池が挿入された棒体に略U字状棒体の一端が揺動可能に支持されている。棒体の後端部の螺合部に、蓋体の螺合部が螺合される。蓋体の後端部にはシリンダ錠の錠本体が圧入されている。略U字状棒体の他端は、蓋体に設けられ錠本体の穴に挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自転車に取り付けられて使用される自転車用取付装置として、蓋体を有する筐体を含む装置が考えられる。このような自転車用取付装置では、盗難防止等を目的として、自転車に対する取付機構にロックを掛けることが考えられる。しかしながら、取付機構のロックが解除されている状態において、筐体に設けられた蓋体の管理については、何ら考慮されていない。
【0005】
本開示の一側面は、装置自体の管理と、装置を構成する筐体の管理とを簡便に実施できる自転車用取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る自転車用取付装置は、自転車に固定される固定部材と、固定部材に支持される筐体と、を備え、固定部材は、筐体が固定部材に支持された状態で、筐体を固定部材に固定するように施錠可能な第1のロック機構を有し、筐体は、蓋部と、蓋部を施錠可能な第2のロック機構と、を有し、第1のロック機構と第2のロック機構とは、共通のキーによって施錠及び解錠される。
【0007】
上記の自転車用取付装置では、第1のロック機構の施錠及び解錠の切り替えによって、自転車に固定された固定部材に対する筐体の取付管理が可能となり、第2のロック機構の施錠及び解錠の切り替えによって、筐体に対する蓋部の取付管理が可能となっている。そして、第1のロック機構と第2のロック機構とに共通のキーが利用されているため、装置自体の管理と、装置を構成する筐体の管理とを簡便に実施できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、装置自体の管理と、装置に形成された筐体の管理とを簡便に実施できる自転車用取付装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一例の自転車用取付装置を示す斜視図である。
【
図2】一例の自転車用取付装置を示す斜視図である。
【
図3】一例の自転車用取付装置を示す斜視図である。
【
図4】一例の自転車用取付装置を示す断面図である。
【
図5】他の例の自転車用取付装置を示す斜視図である。
【
図6】さらに他の例の自転車用取付装置を示す斜視図である。
【
図7】
図6の自転車用取付装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図面には、X方向、Y方向及びZ方向を有する座標系が示される。以下、特に言及がない場合には、ハンドルが正面を向いた状態で正立している自転車を基準として、前後左右及び上下を規定する。この場合、X方向は前後に沿っており、Y方向は左右に沿っており、Z方向は上下に沿っている。
【0011】
図1は、一例の自転車用取付装置1が自転車のハンドル3に取り付けられた状態を前側から見た斜視図である。
図2は、一例の自転車用取付装置1を後側から見た斜視図であり、固定部材10が取り外されている状態を示す。
図3は、一例の自転車用取付装置1を後側から見た斜視図であり、バッテリ33が取り外されている状態を示す。
図4は、一例の自転車用取付装置1の断面図(縦断面図)である。
【0012】
自転車用取付装置1は、自転車に取り付けられて使用される装置である。自転車用取付装置1は、例えば、走行中の映像を記録するための撮像装置であり、いわゆるサイクルレコーダ(ドライビングレコーダ)であってよい。
図1~
図4に示すように、一例の自転車用取付装置1は、自転車に固定される固定部材10と、固定部材10に支持される筐体30と、を含む。
【0013】
一例の固定部材10は、固定リング11と延在部15とを含む。円環状の固定リング11は、自転車を構成するハンドル3に固定される部分である。例えば、固定リング11は、ハンドルのうち、Y方向に沿って延在する部分に固定されてよい。図示例の固定リング11は、円筒状のハンドル3の一部を周方向に囲繞する部分であり、ハンドル3の上側半分に対応する上リング部12と、ハンドル3の下側半分に対応する下リング部13とを有する。上リング部12と下リング部13とは、前側の端部同士でヒンジ構造11aによって互いに連結している。また、上リング部12と下リング部13とは、後側の端部にそれぞれネジ孔が形成された突出片12a,13bを有している。上リング部12と下リング部13とがハンドル3を囲繞した状態で、互いに重なった突出片12a,13aのネジ孔をネジ11bで締めることにより、固定部材10がハンドル3に固定される。なお、図示例では、上リング部12及び下リング部13の内側に弾性シート11cが設けられている。固定部材10がハンドル3に固定された状態では、弾性シート11cが押圧されることにより、ハンドル3に対する固定部材10の回転が抑制される。
【0014】
延在部15は、円環状の固定リング11の径方向に沿って、当該固定リング11から外方に突出するように延在する部分である。一例の延在部15は、上リング部12を基端として上側に向かって延在している。例えば、延在部15は、自転車の前後方向(X方向)を厚み方向とする板状であってもよい。延在部15には、第1のロック機構20が設けられている。第1のロック機構20は、筐体30が固定部材10に支持された状態で、筐体30を固定部材10に固定するように施錠することが可能な機構である。
【0015】
第1のロック機構20は、延在部15の後側からキー9が挿入されるロック本体21を含む。なお、図示例では、キー9の差し込み部分が円筒状を呈している。そのため、ロック本体21に形成されたキー9の受け入れ部分は、円形状の溝になっている。第1のロック機構20のロック本体21は、延在部15から固定リング11の径方向に交差する方向に突出する突起部22を含む(
図4参照)。一例の突起部22は、板状をなす延在部15の上部から前側に向かって突出している。
【0016】
筐体30は、筐体本体31と、筐体本体31に設けられた蓋部40と、蓋部40を施錠可能な第2のロック機構45と、を有する。筐体本体31は、前後方向に互いに対向する前面31a(第2側面)と後面31b(第1側面)とを含む。筐体本体31は、少なくとも内側に収容空間を含んでいる。一例の自転車用取付装置1は、上述のとおりサイクルレコーダであるため、筐体本体31には、バッテリ33が収容されるとともに、バッテリ33によって動作するビデオカメラユニット35(撮像装置)が収容されている。ビデオカメラユニット35は、前面31aにレンズ35aが臨むように設けられている。図示例では、前面31aの上部にレンズ35aを保護するための透光性の窓部35bが設けられており、窓部35bは筐体本体31に収容されたビデオカメラユニット35のレンズ35aを臨んでいる。
【0017】
また、前面31aの下部には、バッテリ33によって動作する発光装置37(発光部)が設けられている。発光装置37は、筐体30の外に向けて光を照射する装置であり、例えば、点滅式のいわゆるフラッシュライトであってもよい。前面31aには、窓部35bと発光装置37との間において外向きに突出する板状部材36が設けられている。板状部材36は、上下方向において中央よりも発光装置37側に設けられている。図示例の板状部材36は、発光装置37の上端縁に沿った位置に形成されている。板状部材36は、発光装置37から照射される光がビデオカメラユニット35(窓部35b)に直接入射されることを抑制する。一例の自転車用取付装置1では、筐体本体31の上部にスイッチ31sが設けられている。スイッチ31sは、ビデオカメラユニット35及び発光装置37の動作を制御するために設けられていてよい。また、筐体本体31には、ビデオカメラユニット35の動作状態、バッテリ33の充電状態等を外部に知らせるためのLED等が設けられてもよい。
【0018】
図2に示すように、筐体本体31の後面31bには、固定部材10に係合される係合部38が形成されている。一例の係合部38は、固定部材10の延在部15に設けられたロック本体21と共に第1のロック機構20を構成する。係合部38は、例えば、後面31bの下部に形成されており、ロック本体21の突起部22を収容可能な円柱状の凹形状をなしている。第1のロック機構20では、係合部38に突起部22が挿入された状態で、キー9によってロック本体21が施錠されることで、固定部材10(ロック本体21)と筐体30とが互いに固定されるようになっている。また、キー9によってロック本体21を解錠することで、固定部材10から筐体30を取り外すことができる。なお、係合部38と突起部22との互いの周方向の位置は、任意に変更可能であってもよい。すなわち、筐体本体31は、突起部22の中心を通るX方向に沿った軸線を中心として、任意の回転角度で突起部22に取り付け可能であってよい。
【0019】
図2~
図4に示すように、蓋部40は、筐体本体31に設けられたバッテリ33の収容空間39の蓋であり、筐体本体31の後面31bに設けられている。収容空間39に収容されたバッテリ33は、蓋部40によって被覆可能となっている。蓋部40は、係合部38よりも上側に設けられている。蓋部40の下部は、ヒンジ機構40a(
図4参照)によって筐体本体31に接続されている。すなわち、蓋部40は、ヒンジ機構40aを回動支点として揺動することにより、開閉可能となっている。一例の蓋部40は、閉じられた状態で筐体本体31の後面31bと面一になる外壁部41と、外壁部41の内側面に形成された内壁部43と、を含む。内壁部43は、蓋部40が閉じられた状態で収容空間39の出入り口付近に挿入され、収容空間39内のバッテリ33を内側に押圧し得る。
【0020】
蓋部40には、閉じられた状態の蓋部40を施錠可能な第2のロック機構45が設けられている。第2のロック機構45は、蓋部40の外壁部41側からキー9が挿入されるロック本体46を含む。第2のロック機構45のキー9の受け入れ部分は、第1のロック機構20と同様に円形状の溝になっている。ロック本体46は、外壁部41及び内壁部43を貫通するように設けられている。第2のロック機構45では、蓋部40が閉じられた状態で、キー9によってロック本体46が施錠されることで、蓋部40が閉じられた状態を保持する。また、キー9によってロック本体46が解錠されることで、蓋部40を開くことができる。
【0021】
第2のロック機構45のロック本体46を施錠及び解錠するキー9は、第1のロック機構20のロック本体21を施錠及び解錠するキー9と共通している。また、ある自転車用取付装置1を構成する第1のロック機構20及び第2のロック機構45を施錠及び解錠するキー9は、他の自転車用取付装置1を構成する第1のロック機構20及び第2のロック機構45を施錠及び解錠することはできない。
【0022】
以上説明したとおり、一例の自転車用取付装置1は、自転車に固定される固定部材10と、固定部材10に支持される筐体30と、を備え、固定部材10は、筐体30が固定部材10に支持された状態で、筐体30を固定部材10に固定するように施錠可能な第1のロック機構20を有し、筐体30は、蓋部40と、蓋部40を施錠可能な第2のロック機構45と、を有し、第1のロック機構20と第2のロック機構45とは、共通のキー9によって施錠及び解錠される。
【0023】
上記の自転車用取付装置1では、第1のロック機構20の施錠及び解錠の切り替えによって、自転車に固定された固定部材10に対する筐体30の取付管理が可能となり、第2のロック機構45の施錠及び解錠の切り替えによって、筐体30に対する蓋部40の取付管理が可能となっている。すなわち、使用者は、第1のロック機構20を施錠することによって、ビデオカメラユニット35、発光装置37及びバッテリ33を含む筐体30を自転車に固定することができ、第1のロック機構20を解錠することによって、当該筐体30を自転車から取り外すことができる。自転車用取付装置1の主要部分である筐体30の取付状態を管理することは、例えば、自転車用取付装置1の盗難防止に繋がるものであり、自転車用取付装置1自体の管理といえる。また、使用者は、第2のロック機構45を施錠することによって、筐体30からのバッテリ33の抜き取りを制限することができ、第2のロック機構45を解錠することによって、筐体30からバッテリ33を抜き取ることができる。すなわち、第2のロック機構45によって、第1のロック機構20の状態にかかわらず、蓋部40の状態を管理することができる。自転車用取付装置では、第1のロック機構20と第2のロック機構45とに共通のキー9が利用されているため、装置自体の管理と、装置を構成する筐体30の管理とを簡便に実施できる。
【0024】
一例において、筐体30は、バッテリ33と、バッテリ33によって動作するビデオカメラユニット35(撮像装置)と、を含み、バッテリ33は、第2のロック機構45によって蓋部40が施錠されているときに充電が規制され、第2のロック機構45によって蓋部40が解錠されているときに充電が可能とされている。このように、一例の自転車用取付装置1はいわゆるサイクルレコーダであってよい。このようなサイクルレコーダは、例えば、子供用の自転車に取り付けられることが想定される。この場合、バッテリ33の充電については、保護者(例えば親)が管理したいという需要が考えられる。上記の例では、自転車から取り外された状態であっても、第2のロック機構45が施錠されている場合には、キー9を所有しない子供がバッテリ33に自由にアクセスすることが制限される。
【0025】
一例において、筐体30は、互いに対向する後面31b(第1側面)及び前面31a(第2側面)を含み、後面31bは、固定部材10に係合される係合部38を含み、前面31aは、ビデオカメラユニット35のレンズ35aを臨む窓部35bと、筐体30の外に向けて光を照射する発光装置37と、を含む。この構成では、ハンドル3に固定される固定部材10よりも前側にビデオカメラユニット35のレンズ35a及び発光装置37を配置できる。
【0026】
一例において、固定部材10は、自転車を構成するハンドル3に固定するための固定リング11と、固定リング11から径方向に沿って延在する延在部15と、延在部15から径方向に交差する方向に突出し、係合部38に係合する突起部と、を含む。この構成では、筐体30をハンドル3の位置よりも高い位置に固定することができる。そのため、子供用の自転車であっても、比較的高い位置に筐体30を配置できるので、高い位置から撮像した映像が取得されやすい。また、突起部22が前方に突出することで、突起部22によって筐体30を保持できるため、第1のロック機構20の施錠及び解錠の際に、筐体30が落下することを抑制できる。
【0027】
一例において、前面31aには、窓部35bと発光装置37との間において外向きに突出する板状部材36が設けられている。この構成では、発光装置37から照射される光が直接窓部に入力されることが抑制される。また、取り外された筐体30を誤って落下させた場合などに、板状部材36がバンパーとして機能し、筐体30の前面31aが損傷することが抑制される。
【0028】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0029】
例えば、
図5は、他の例の自転車用取付装置1を示す斜視図である。
図5に示す自転車用取付装置100は、延在部において複数の位置に移動可能な突起部を有する点で上述の自転車用取付装置1と相違している。この自転車用取付装置100は、上述した筐体30と、固定部材110とを備える。固定部材110は、固定リング11と延在部115とを含む。延在部115は、円環状の固定リング11の径方向に沿って、当該固定リング11から外方に突出するように延在する部分である。一例の延在部115は、上リング部12を基端として上側に向かって延在している。延在部115は、上下方向の複数の位置に移動可能なロック本体121を有している。ロック本体121は、ロック本体21と同様に第1のロック機構20を構成し得る。
【0030】
図示例の延在部115は、上下方向に延びるスリット状のレール部116と、レール部116に嵌め込まれて、レール部116に沿って上下方向に移動可能に設けられたロック本体121と、を含む。ロック本体121は、後面にキー9を挿入するための溝を有しており、前面には筐体30の係合部38に嵌合するための突起部(不図示)を有している。ロック本体121の突起部は、ロック本体21の突起部22と同様の構成を有している。レール部116は、延在部115を前後方向(延在部115の厚さ方向)に貫通している。そのため、レール部116に嵌め込まれたロック本体121の前端及び後端は、延在部115から露出している。
【0031】
ロック本体121の左右の側面には、バネ等の弾性体によって側面から突出したボール123が設けられている。ボール123は、自然状態において、側面から所定の高さだけ突出し、押圧されたときに内側に入り込むようになっている。レール部116には、複数(図示例では2カ所)の高さ位置にボール123に対応する左右一対の貫通孔117が設けられている。レール部116の内側に配置されたロック本体121は、ボール123が貫通孔117に入り込むことにより、レール部116に対する移動が規制され、高さ位置が固定される。図示例では、レール部116の上端及び下端にロック本体121があるときに、ロック本体121の高さ位置が固定される。また、このように高さ位置が固定されたロック本体121では、上下方向に移動させるための力が加えられると、貫通孔117のエッジにボール123が押圧される。これにより、所定以上の力が加えられたときにボール123が内側に入り込むため、ロック本体121をレール部116内で移動させることが可能となっている。このように、
図5に示す自転車用取付装置100では、第1のロック機構20を構成するロック本体121の位置を上下方向に移動可能であるため、筐体30の高さ位置を変更することができる。
【0032】
図6及び
図7は、さらに他の例の自転車用取付装置200を示す。この自転車用取付装置200は、筐体230と、固定部材10とを備える。筐体230は、筐体本体231と、蓋部240と、蓋部240を施錠可能な第2のロック機構245と、を有する。筐体本体231は、前後方向に互いに対向する前面231aと後面231bとを含む。筐体本体231には、バッテリ(不図示)が内蔵されるとともに、バッテリによって動作するビデオカメラユニット35及び発光装置37が収容されている。ビデオカメラユニット35及び発光装置37は、前面231aに臨むように設けられている。また、前面231aには、ビデオカメラユニット35と発光装置37との間において外向きに突出する板状部材36が設けられている。
【0033】
筐体本体231の後面231bには、蓋部240に係合される係合部238が形成されている。係合部238は、係合部38と同様に円柱状の凹形状をなしている。また、筐体本体231の後面231bには、内蔵されたバッテリを充電するための接続端子233が設けられている。すなわち、本例においては、筐体本体231からバッテリを取り外して充電することはできない。なお、接続端子233は、撮影された映像データを外部に取り出すための端子を兼ねていてもよい。接続端子233は、例えば、後面231bに形成された下方に面した端面において、下向きに開口するように設けられている。図示例では、接続端子233に対して接続用のケーブル233aが挿入されている。
【0034】
蓋部240は、筐体本体231に対して着脱可能に設けられている。図示例の蓋部240は、筐体本体231の後面231bの全体を覆い得る。すなわち、蓋部240は、筐体本体231の後面231bに設けられた係合部238及び接続端子233を被覆する。後面231bの上部には、第2のロック機構245を構成するロック本体246が設けられている。ロック本体246は、筐体本体231の係合部38に係合するように前方に突出する突起部(不図示)を有している。ロック本体246の突起部は、ロック本体21の突起部22と同様の構成であってよい。また、蓋部240の後面231bの下部には、固定部材10の延在部15に設けられたロック本体21と共に第1のロック機構220を構成する係合部248が形成されている。係合部248は、係合部38と同様の構成を有しており、突起部22を収容可能な円柱状の凹形状をなしている。
【0035】
このような自転車用取付装置200では、使用者が第1のロック機構220を施錠することによって、筐体本体231及び蓋部240を含む筐体230を自転車に固定することができ、第1のロック機構220を解錠することによって、当該筐体230を自転車から取り外すことができる。また、使用者が第2のロック機構245を施錠することによって、筐体230に内蔵されたバッテリの充電を制限することができ、第2のロック機構245を解錠することによって、バッテリの充電を可能な状態にしている。
【0036】
また、自転車用取付装置1は、さらに別の形態を有していてもよい。例えば、
図1~
図4に示した自転車用取付装置1では、蓋部40が開くことによって、収容されたバッテリ33を取り外すことができるが、本開示の内容はこれに限定されない。例えば、
図1~
図4に示した自転車用取付装置1においても、バッテリ33が筐体本体31に内蔵されており、蓋部40が開くことによってバッテリ33を充電するための接続端子が現れてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…自転車用取付装置、9…キー、10…固定部材、20…第1のロック機構、30…筐体、33…バッテリ、40…蓋部、45…第2のロック機構。