(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012779
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】二輪車用取付型荷台、及び二輪車用取付型荷台セット
(51)【国際特許分類】
B62J 7/04 20060101AFI20230119BHJP
B60R 11/00 20060101ALI20230119BHJP
B62J 1/14 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B62J7/04 Z
B60R11/00
B62J1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116454
(22)【出願日】2021-07-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔販売により公開〕公開日:令和3年2月20日、公開した場所:ホンダドリーム名古屋守山(愛知県名古屋市守山区下志段味字上野山1094-5) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年1月22日、公開したウェブサイトのアドレス:https://machimonogatari.com/blog/?p=3119(まちものがたりのブログ内) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年2月14日、公開したウェブサイトのアドレス:https://youtu.be/Dz74iWkGU84(動画公開サイト、YOUTUBE) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年2月20日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.itokt.co.jp/carrier/index.html(イトーKTのHP内) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年2月21日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.autoby.jp/_ct/17429279(WEBオートバイサイト内) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年3月17日、公開したウェブサイトのアドレス:https://youtu.be/z9_ybjWgC9I(動画公開サイト、YOUTUBE) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年3月17日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.miyatabi-blog.com/cub-career/(みやたびのブログ内)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年3月31日、公開したウェブサイトのアドレス:https://youtu.be/Gp7rC3pIb7E(動画公開サイト、YOUTUBE) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年4月28日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.youtube.com/watch?v=xG40gmp5Bck(動画公開サイト、YOUTUBE) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年6月20日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.goobike.com/motocle/detail/550888(情報公開サイト、モトクル) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年6月20日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.autoby.jp/_ct/17429279(WEBオートバイサイト内) 〔電気通信回線を通じて公開〕公開日:令和3年6月21日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.instagram.com/p/CQXTS3CplG9/(情報公開サイト、インスタグラム) 〔刊行物により公開〕公開日:令和3年7月6日、刊行物:モトチャンプ8月号38頁
(71)【出願人】
【識別番号】521277763
【氏名又は名称】有限会社角田機械
(71)【出願人】
【識別番号】521277774
【氏名又は名称】株式会社イトーKT
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】角田 勝孝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 賢司
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BB03
3D020BC07
3D020BD13
(57)【要約】
【課題】積載したいものに応じて大きさを変えることのできる二輪車用取付型荷台を提供する。
【解決手段】二輪車Bの座席Sの後部の車両側荷台部Cに取り付けられた状態で、摺動荷台部材20が、本体部材10の上に位置する格納状態と、摺動荷台部材20が、本体部材10から後方に向かって引き出された引出状態βと、の各状態に状態変換自在とされてなる二輪車用取付型荷台1であり、本体部材10と摺動荷台部材20との間には独立レール部30が配設されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車の運転者用シート部の後方であって当該二輪車の後部に配置された車両側荷台部に取り付けられて使用される二輪車用取付型荷台において、
本体部材と、前記車両側荷台部に取り付けられた使用状態で前記本体部材に対して前後方向に摺動自在な摺動荷台部材と、を備え、
前記本体部材は、
上下方向に貫通した取付用貫通孔部が形成され、当該取付用貫通孔部に差し入れられた所定の締結体によって前記車両側荷台部と締結される本体基部と、
前記本体基部から上方向に向かって突き出された本体側壁部と、
を備え、前記本体側壁部には、前後方向に延びる本体レール部が設けられており、
前記摺動荷台部材は、
荷台となる摺動荷台基部と、
前記摺動荷台基部から、前記本体側壁部に向かうように下方向に突き出された摺動荷台側壁部と、
を備え、前記摺動荷台側壁部には、前後方向に延びる摺動荷台レール部が前記本体レール部に対応する位置に配置されており、
さらに、前記本体レール部と前記摺動荷台レール部との間には、前後方向に延びて前記本体レール部と前記摺動荷台レール部とに係合する独立レール部が設けられており、当該独立レール部を介して前記本体レール部と前記摺動荷台レール部とが連結されてなり、
前記使用状態では、
前記摺動荷台部材が前記本体部材の上に位置する格納状態、又は、前記本体レール部、前記摺動荷台レール部、及び前記独立レール部の案内作用により前記摺動荷台部材が前記本体部材に対して後方に引き出されて当該本体部材の上方に露出した領域が前記格納状態に比して拡張する引出状態に、選択的に状態変換自在とされてなる
ことを特徴とする二輪車用取付型荷台。
【請求項2】
前記格納状態における前記摺動荷台部材の位置と、前記引出状態における前記摺動荷台部材の位置との間で、前記本体部材と前記摺動荷台部材とに当接して当該本体部材に対する当該摺動荷台部材の位置を固定する固定手段を備えた
請求項1に記載の二輪車用取付型荷台。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の二輪車用取付型荷台と、同乗者が使用するシート部材とを具備した二輪車用取付型荷台セットであって、
前記シート部材は、前記引出状態で前記本体部材の上方に露出した領域において当該本体部材上に取り付けられてなる
ことを特徴とする二輪車用取付型荷台セット。
【請求項4】
前記本体基部に脱着自在に固定され、前記シート部材が面接触した状態で乗載される中継部材と、
前記シート部材が前記本体部材に取り付けられた状態で前記摺動荷台部材と前記シート部材とに係合するがたつき防止部材と、
をさらに備え、
前記中継部材に前記シート部材が面接触した状態で当該シート部材が前記本体部材に取り付けられた状態となり、
当該シート部材が前記本体部材に取り付けられた状態で前記本体側壁部の上面部と前記シート部材の下面部とが面接触してなる
請求項3に記載の二輪車用取付型荷台セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車の車両側荷台部に取り付けることのできる二輪車用取付型荷台、及び当該二輪車用取付型荷台を備えた二輪車用取付型荷台セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自転車や原動機付自転車(二輪自動車)等の二輪車には、運転者用の座席の後部にフレーム状の荷台が備えられているものが多くある。
【0003】
二輪車の種類によって荷台部の大きさは様々であるが、例えば特許文献1に開示されている二輪車用荷物積載装置のように、大きめの収納ケースを備えた荷物積載部を備えたものが後付けで取り付けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1のような後付けで取り付けられる荷台にあっては、全体の形状や寸法が固定的であるため、使用状態によっては大きすぎて邪魔になったり、逆に小さすぎて積載したいものが思ったように載せられなかったりする問題があった。
【0006】
本発明は、状況に応じて積載量を変化させることができる二輪車用取付型荷台を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、状況に応じて機能や用途を追加することができる二輪車用取付型荷台セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、二輪車の運転者用シート部の後方であって当該二輪車の後部に配置された車両側荷台部に取り付けられて使用される二輪車用取付型荷台において、本体部材と、前記車両側荷台部に取り付けられた使用状態で前記本体部材に対して前後方向に摺動自在な摺動荷台部材と、を備え、前記本体部材は、上下方向に貫通した取付用貫通孔部が形成され、当該取付用貫通孔部に差し入れられた所定の締結体によって前記車両側荷台部と締結される本体基部と、前記本体基部から上方向に向かって突き出された本体側壁部と、を備え、前記本体側壁部には、前後方向に延びる本体レール部が設けられており、前記摺動荷台部材は、荷台となる摺動荷台基部と、前記摺動荷台基部から、前記本体側壁部に向かうように下方向に突き出された摺動荷台側壁部と、を備え、前記摺動荷台側壁部には、前後方向に延びる摺動荷台レール部が前記本体レール部に対応する位置に配置されており、さらに、前記本体レール部と前記摺動荷台レール部との間には、前後方向に延びて前記本体レール部と前記摺動荷台レール部とに係合する独立レール部が設けられており、当該独立レール部を介して前記本体レール部と前記摺動荷台レール部とが連結されてなり、前記使用状態では、前記摺動荷台部材が前記本体部材の上に位置する格納状態、又は、前記本体レール部、前記摺動荷台レール部、及び前記独立レール部の案内作用により前記摺動荷台部材が前記本体部材に対して後方に引き出されて当該本体部材の上方に露出した領域が前記格納状態に比して拡張する引出状態に、選択的に状態変換自在とされてなることを特徴とする二輪車用取付型荷台である。
【0009】
かかる構成にあっては、使用状態で摺動荷台部材上に荷物を積載することが可能である。そのうえで、例えば大きな荷物を積載しない場合には前記格納状態として当該二輪車用取付型荷台の前後長を短くし、運転や乗降の邪魔にならないようにすることができる。一方、格納状態では収まりきらないほど大きな荷物を積載する場合には、前記引出状態として当該二輪車用取付型荷台の前後長を延長し、運転者の運転を妨げることなく当該荷物を安定して積載することができる。なお、本発明は独立レール部を備えているため、前記引出状態において引出長さを十分に確保することができるとともに、独立レール部の前後長を前記本体部材の前後長以下とすれば前記格納状態で無理なく本体部材内にレール部材も格納されることとなる。
【0010】
また、前記格納状態における前記摺動荷台部材の位置と、前記引出状態における前記摺動荷台部材の位置との間で、前記本体部材と前記摺動荷台部材とに当接して当該本体部材に対する当該摺動荷台部材の位置を固定する固定手段を備えた構成が提案される。
【0011】
かかる構成とすることにより、前記本体部材に対する前記摺動荷台部材の位置を所望の位置に固定することが可能となる。
【0012】
さらに本発明は、上述の二輪車用取付型荷台と、同乗者が使用するシート部材とを具備した二輪車用取付型荷台セットであって、前記シート部材は、前記引出状態で前記本体部材の上方に露出した領域において当該本体部材上に取り付けられてなるである。
【0013】
かかる構成にあっては、前記引出状態で前記本体部材の上面に前記シート部材を取り付けることにより、運転者の後部に同乗者を乗せることができるようになり、さらに同乗者の後方に荷物を積載することも可能である。
【0014】
また、前記本体基部に脱着自在に固定され、前記シート部材が面接触した状態で乗載される中継部材と、前記シート部材が前記本体部材に取り付けられた状態で前記摺動荷台部材と前記シート部材とに係合するがたつき防止部材と、をさらに備え、前記中継部材に前記シート部材が面接触した状態で当該シート部材が前記本体部材に取り付けられた状態となり、当該シート部材が前記本体部材に取り付けられた状態で前記本体側壁部の上面部と前記シート部材の下面部とが面接触してなる構成が提案される。
【0015】
かかる構成とすることにより、前記シート部材が、前記本体部材に対しても、また前記摺動荷台部材に対してもがたつきが抑制されることとなり、同乗者の乗り心地が向上するとともに、全体として二輪車用取付型荷台の剛性が高まり、摺動荷台部材の積載安定性も向上することとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の二輪車用取付型荷台は、状況に応じて積載量を変化させることができる優れた効果がある。
【0017】
また本発明の二輪車用取付型荷台セットは、状況に応じて機能や用途を追加することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例にかかる引出状態における二輪車用取付型荷台の斜視図である。
【
図2】実施例にかかる本体部材を示し、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。
【
図3】実施例にかかる摺動荷台部材を示し、(a)は斜視図であり、(b)は正面図である。
【
図4】実施例にかかる独立レール部材の斜視図である。
【
図5】実施例にかかる格納状態における二輪車用取付型荷台の斜視図である。
【
図6】(a)は実施例にかかる中継部材の斜視図であり、(b)はシート部材の斜視図である。
【
図7】実施例にかかるシート部材を示し、(a)は底面図であり、(b)は右側面図である。
【
図8】実施例にかかる中継部材を取り付けた二輪車用取付型荷台の斜視図である。
【
図9】実施例にかかる二輪車用取付型荷台にシート部材を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【
図10】実施例にかかる二輪車用取付型荷台にシート部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかる二輪車用取付型荷台、及び二輪車用取付型荷台セットを具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。ところで、説明の中で規定する前後方向、及び左右方向は、二輪車に取り付けられた状態で、当該二輪車の前後方向、及び左右方向を基準としている。
【0020】
図1に示すように、二輪車用取付型荷台1(以下、荷台1という)は、二輪車Bの運転者用シート部Sの後方に配置されたフレーム状の車両側荷台部Cの上に取り付けて使用される。なお、荷台1を車両側荷台部Cに取り付けるための構造は種々であり、例えば金属プレートPと車両側荷台部Cとで荷台1の一部を挟持し、これをボルト・ナット等の締結体で締結する構成でもよいし、車両側荷台部Cに元々形成されているネジ孔を利用して直接ねじ止めする構成でもよい。
【0021】
次に、荷台1の構成部品を説明する。
【0022】
荷台1は、本体部材10と、摺動荷台部材20と、本体部材10と摺動荷台部材20とを接続する独立レール部30と、を備えている。
【0023】
本体部材10は、
図2に示すように、平板状の本体基部11を備えている。そして、本体基部11には、上下方向に貫通した複数の取付用貫通孔部13が形成されており、車両側荷台部Cに取り付けるための締結体が挿通可能となっている。また、本体基部11には、取付用貫通孔部13とは別に、本体側位置固定用ネジ孔部14が本体基部11の前後の両端部にそれぞれ配置されている。
【0024】
なお、取付用貫通孔部13は、開口の形状が丸形状や四角形状とされており、車両側荷台部Cとの形状や取り付け手法に応じて、形状・寸法や位置は適宜変更されうる。また、その他の孔部については、軽量化のために適宜形成されている。
【0025】
また、本体基部11の左右両端部からは、本体側壁部15が上方向に向かってそれぞれ突き出されている。
【0026】
さらに、左右一対の本体側壁部15における本体基部11側の壁面(内側面)には、前後方向に延びる本体レール部17がそれぞれ設けられている。
【0027】
また、左右一対の本体側壁部15の上端部は、本体基部11側に折り返されてフランジ状の本体天板部18が水平状に形成されている。
【0028】
一方、摺動荷台部材20は、
図3に示すように、平板状の摺動荷台基部21を備えている。また、摺動荷台基部21には、上下方向に貫通した複数の多用途貫通孔23が設けられている。そして、荷物を載せる際には、多用途貫通孔23に紐材を適宜通したり、係留フックを引っ掛けたりすることができる。また、摺動荷台基部21上に水が溜まりにくいようにする機能も有する。また、本体部材10と同様に、軽量化の役割も果たしている。また、摺動荷台基部21には、多用途貫通孔23とは別に、摺動荷台部側位置固定用ネジ孔部24が摺動荷台基部21の前端部に設けられている。なお、多用途貫通孔23の形状・寸法や位置は、図示したもの以外にも自由に変更可能である。
【0029】
さらに、摺動荷台基部21の左右両端部からは、摺動荷台側壁部25が下方向に向かってそれぞれ突き出されている。
【0030】
そして、一対の摺動荷台側壁部25のうち、外側の壁面(摺動荷台基部21に臨まない面)には、前後方向に延びる摺動荷台レール部27がそれぞれ設けられている。
【0031】
また、摺動荷台基部21の後端部からは、後端側壁部28が下方向に向かって突き出されている。かかる後端側壁部28は、摺動荷台部材20の剛性を高める機能を有するとともに、後端側壁部28の外面に種々の意匠を施したり、アクセサリーを取り付けたりすることができる機能も有する。
【0032】
そして、本体部材10の本体レール部17と、摺動荷台部材20の摺動荷台レール部27とがそれぞれ対向するように、本体部材10と摺動荷台部材20とが配置されている。
【0033】
加えて、本体レール部17と摺動荷台レール部27との間には、
図4に示すような前後方向に延びる独立レール部30が介装されており、本体レール部17に対して独立レール部30が前後方向に摺動自在とされ、さらに独立レール部30に対して摺動荷台レール部27が前後方向に摺動自在とされることで、後述する引出状態βにおける摺動荷台部材20の十分な引出長さや、引出状態βにおける強度が確保される。
【0034】
次に、荷台1の動作について説明する。
荷台1は、
図5に示すように、本体部材10の上に摺動荷台部材20が位置した状態で、摺動荷台部側位置固定用ネジ孔部24を介して本体側位置固定用ネジ孔部14に蝶ネジ(固定手段)40を取り付けることで、摺動荷台部材20の位置が固定される。これにより、摺動荷台部材20は、本体部材10の上に位置する格納状態αとされる。
【0035】
ここで格納状態αにあっては、本体部材10の上に他の部材が全て配置されてコンパクトな形状を有している。また、本体部材10の本体天板部18の上端面部と摺動荷台部材20の摺動荷台基部21の上面部とが面一となるように寸法設定されており、無駄な突起物がない箱型のシンプルな外観形状となっている。
【0036】
一方、蝶ネジ40を外して摺動荷台部材20を後方に向かってスライドさせて、
図1に示すように、摺動荷台部側位置固定用ネジ孔部24を介して後側の本体側位置固定用ネジ孔部14に蝶ネジ40を取り付けると、その位置で摺動荷台部材20が固定される。これにより、荷台1が引出状態βとなる。
【0037】
そして、引出状態βにあっては、摺動荷台部材20が引き出された分だけ荷台1の上面の面積が大きくなり、格納状態αのときよりも大きな荷物を積載することができるようになる。
【0038】
また、独立レール部30が摺動荷台部材20の引出長さの半分程度にまで後方に向かって引き出されるため、本体部材10と摺動荷台部材20との剛性が十分に確保される。これにより、引出状態βでは、摺動荷台部材20をその前後長にわたって本体部材10から引き出すことができる。
【0039】
次に、二輪車用取付型荷台セット2について説明する。
【0040】
二輪車用取付型荷台セット2は、上述の荷台1に加えて、
図6(a)に示した中継部材60を備えている。
【0041】
中継部材60は、縦断面コの字状の金属製部材であり、一端部には荷台1の本体部材10に取り付けるための取付部61が形成されている。これに対して、他端部には後述するシート部材50の爪部72が引っ掛けられる引掛部62が形成されている。
【0042】
また、二輪車用取付型荷台セット2は、
図6(b)に示したシート部材50を備えている。
【0043】
シート部材50は、下部に硬質プラスチック製のシート基部70を備え、上部にクッション部71を備えた平面視略四角形の後付け用の座席である。ここで、シート基部70の下面前部には、3個の爪部72が前方に向かって突き出されている。また、シート基部70の下面後部には、前後方向に開口した一対の貫通孔部73が左右に並んで配置されている。なお、貫通孔部73には、後述する閂部材80が挿通されることとなる。
【0044】
次に、中継部材60とシート部材50の取り付け態様について説明する。
【0045】
中継部材60の取付部61は、
図8~
図10に示すように、引出状態βにある荷台1において本体基部11の上部に取り付けられる。このとき、シート基部70の後端部が、摺動荷台部材20の前端部に当接してシート部材50が前後方向へ移動することが防止される。
【0046】
そして、中継部材60の引掛部62に爪部72が引っ掛けられると、がたつき防止部材として機能する棒状の閂部材80の一端部が、貫通孔部73に挿通され、閂部材80の他端部が、ボルト等の図示しない固定手段によって摺動荷台部材20に固定される。こうして、閂部材80によって、シート部材50が左右方向にがたついてしまうことや浮き上がってしまうことが防止される。
【0047】
さらに、シート基部70の下面部は、本体天板部18の上面部と面接触することとなり、より一層、安定性が向上している。
【0048】
また、シート部材50を使用しないときは、シート部材50を外して、すぐに上述の格納状態αとすることができる。
【0049】
なお、二輪車用取付型荷台セット2にあっては、シート部材50を取り付けても摺動荷台部材20に荷物を積載することが可能であるが、シート部材50を取り付けずに、本体部材10に対して別部材を取り付けてこの部位も例えば荷台として活用してもよい。
【0050】
上記した実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0051】
また、摺動荷台部材20を引出途中で固定できるように構成してもよい。この場合、例えばクランプ状の固定手段によって摺動荷台部材20を本体部材10に圧接して固定する構成が提案される。
【0052】
また、本体部材10や摺動荷台部材20の側面部に、荷物のフック等を引っ掛けることのできる凹溝部や孔部が別途形成されていてもよい。
【0053】
また、貫通孔部73に閂部材80が挿通される構成は、他の構造であってもよく、弾性部材を付加して一動作のなかで係合状態と解除状態とが変換される構成であってもよい。
【0054】
また、荷台1は、多品種の二輪車の荷台に合わせて新たな加工なく取り付け可能とすることができる。
【0055】
また、レール部材の材質は特に限定されず、金属材料でもよいし、樹脂材料でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 二輪車用取付型荷台
2 二輪車用取付型荷台セット
10 本体部材
11 本体基部
13 取付用貫通孔部
14 本体側位置固定用ネジ孔部
15 本体側壁部
17 本体レール部
18 本体天板部
20 摺動荷台部材
21 摺動荷台基部
23 多用途貫通孔
24 摺動荷台部側位置固定用ネジ孔部
25 摺動荷台側壁部
27 摺動荷台レール部
28 後端側壁部
30 独立レール部
40 蝶ネジ
50 シート部材
60 中継部材
61 取付部
62 引掛部
70 シート基部
71 クッション部
72 爪部
73 貫通孔部
80 閂部材
B 二輪車
C 車両側荷台部
P 金属プレート
S シート部
α 格納状態
β 引出状態