(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127809
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】筒型リニアモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 41/02 20060101AFI20230907BHJP
H02K 41/03 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
H02K41/02 Z
H02K41/03 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031718
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩介
【テーマコード(参考)】
5H641
【Fターム(参考)】
5H641BB06
5H641GG03
5H641GG04
5H641GG07
5H641HH02
5H641JA02
(57)【要約】
【課題】巻線を保護できる筒型リニアモータを提供する。
【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の筒型リニアモータ1は、軸方向にN極とS極とが交互に配置される界磁6と、界磁6に対して軸方向へ移動可能な電機子2とを備え、電機子2は、磁性体であって筒状のコア3と、コア3に装着される巻線5と、コア3に取り付けられるガイドバー30とを有し、コア3は、円筒状のヨーク3aと、ヨーク3aの内周或いは外周のうち界磁6側に周方向に沿って環状に設けられるとともに軸方向に並べて設けられる複数のティース3bと、ティース3b,3b間の空隙で形成されて巻線5が装着されるスロット3cとを有し、ガイドバー30は、ティース3bのそれぞれに巻線5より界磁6側にコア3の軸方向に沿って架け渡されるとともにティース3bの周方向に複数配置されてコア3に取り付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向にN極とS極とが交互に配置される界磁と、
前記界磁に対して軸方向へ移動可能な電機子とを備え、
前記電機子は、
磁性体であって筒状のコアと、
前記コアに装着される巻線と、
前記コアに取り付けられる非磁性体のガイドバーとを有し、
前記コアは、
円筒状のヨークと、
前記ヨークの内周或いは外周のうち界磁側に周方向に沿って環状に設けられるとともに軸方向に並べて設けられる複数のティースと、
前記ティース間の空隙で形成されて前記巻線が装着されるスロットとを具備し、
前記ガイドバーは、前記ティースのそれぞれに前記巻線より前記界磁側に前記コアの軸方向に沿って架け渡されるとともに前記ティースの周方向に複数配置されて前記コアに取り付けられる
ことを特徴とする筒型リニアモータ。
【請求項2】
前記ティースは、周方向に並べて設けられて肉厚を軸方向に貫通する通し孔を有し、
前記ガイドバーは、前記通し孔内に挿通される
ことを特徴とする請求項1に記載の筒型リニアモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒型リニアモータに関する。
【背景技術】
【0002】
筒型リニアモータは、たとえば、軸方向にS極とN極とが交互に並ぶように環状の複数の永久磁石を積層して形成した筒状の界磁と、軸方向に並べて配置される複数のティースを外周に持つコアとティース間のスロットに装着されるU相、V相およびW相の巻線とを有して界磁内に軸方向へ移動可能に挿入された電機子とを備えるものがある。
【0003】
このように構成された筒型リニアモータでは、電機子のU相、V相およびW相の巻線へ適宜通電することにより、界磁における永久磁石と電機子との間に生じる軸方向の吸引および反発する力を発揮して、電機子或いは界磁を可動子として駆動する(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような筒型リニアモータでは、界磁とコアとの間のエアギャップが磁気抵抗となるため、推力を向上するためにはエアギャップを可能な限り狭くしたい。しかしながら、巻線をスロットに巻く際に巻線がティースの先端を越えてはみ出ることがあり、界磁によってコアが径方向にも吸引されてるために巻線が界磁に干渉する危険がある。
【0006】
そこで、本発明は、巻線を保護できる筒型リニアモータの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の筒型リニアモータは、軸方向にN極とS極とが交互に配置される界磁と、界磁に対して軸方向へ移動可能な電機子とを備え、電機子は、磁性体であって筒状のコアと、コアに装着される巻線と、コアに取り付けられる非磁性体のガイドバーとを有し、コアは、円筒状のヨークと、ヨークの内周或いは外周のうち界磁側に周方向に沿って環状に設けられるとともに軸方向に並べて設けられる複数のティースと、ティース間の空隙で形成されて巻線が装着されるスロットとを具備し、ガイドバーは、ティースのそれぞれに巻線より界磁側にコアの軸方向に沿って架け渡されるとともにティースの周方向に複数配置されてコアに取り付けられることを特徴としている。
【0008】
このように構成された筒型リニアモータでは、コアへのガイドバーの設置によって巻線のスロットからのはみ出しが規制され、電機子が界磁に吸引されて界磁に対して径方向に偏心しても、巻線と界磁或いは界磁側の部品との干渉を防止できる。
【0009】
また、筒型リニアモータでは、ティースが周方向に並べて設けられて肉厚を軸方向に貫通する通し孔を備えており、ガイドバーが通し孔内に挿通されるので、ガイドバーのコアからの脱落を阻止し得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の筒型リニアモータによれば、巻線を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施の形態における筒型リニアモータの縦断面図である。
【
図2】一実施の形態の筒型リニアモータにおける電機子の拡大側面図である。
【
図3】一実施の形態の筒型リニアモータにおけるコアの断面図である。
【
図4】(a)は、コアの一端を構成するコア分割体の平面図である。(b)は、コアの中間部分を構成するコア分割体の平面図である。(c)は、コアの他端を構成するコア分割体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における筒型リニアモータ1は、
図1に示すように、軸方向にN極とS極とが交互に配置される筒状の界磁6と、界磁6に対して界磁6の軸方向に移動可能な電機子2とを備えて構成されている。
【0013】
以下、筒型リニアモータ1の各部について詳細に説明する。本実施の形態では、電機子2は、
図1から
図4に示すように、磁性体で形成されたコア3、巻線5、非磁性体で形成されたガイドバー30およびコア3の軸方向両端に配置される磁性体で形成された一対の補助突極31とを備えて構成されている。コア3は、円筒状のヨーク3aと、ヨークの3a外周に周方向に沿って環状に設けられるとともに軸方向に等間隔に並べて設けられる10個のティース3bと、ティース3b,3b間の空隙で形成されて巻線5が装着されるスロット3cと、ティース3bの先端となる外周の至近の肉厚を軸方向に貫通するとともにティース3bに対して同一円周上の周方向に並べて設けられた8つの通し孔3dとを備えて構成されている。
【0014】
コア3は、前述の通り筒状であって、
図1に示すように、10個の各ティース3b間に形成された空隙で形成されて巻線5が装着されるスロット3cを備えている。また、本実施の形態では、
図1中で隣り合うティース3b,3b同士の間には、空隙でなるスロット3cが合計で9個設けられている。
【0015】
また、各ティース3bは、環状であって、コア3の両端に配置されたティース3bを除いて、軸方向において内周端の幅より外周端の幅が狭い等脚台形状とされており、軸方向で両側の側面が外周端に対して等角度で傾斜するテーパ面とされている。末端のティース3bは、
図1に示すように、末端のティース3b以外の他のティース3bをコア3の軸線に直交する面で切り落とした断面形状とされている。なお、ティース3bの断面形状は、等脚台形状以外の形状であってもよく、たとえば、矩形であってもよい。
【0016】
なお、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、コア3は、
図2から
図4に示すように、それぞれ一つのティース3bを持つように軸方向で分割された複数の環状のコア分割体C1,C2,C3を積層して形成されている。具体的には、コア3は、コア3の一端に対応する1個のコア分割体C1と、8個のコア分割体C2と、コア3の他端に対応する1個のコア分割体C3とで構成されている。
【0017】
コア3の一端に対応するコア分割体C1は、環状であって、コア3におけるヨーク3aに対応する環状のヨーク部40と、ヨーク部40の外周に設けられたティース3bと、ティース3bの先端となる外周の至近を軸方向に貫通するとともにティース3bに対して同一円周上の周方向に沿って等間隔に並べて設けられた8つの通し孔3dと、ヨーク部40を軸方向に貫く6つの位置決め用孔40aと、ティース3bの外周からヨーク部40に内周へ通じるスリット41とを備えている。コア分割体C1は、スリット41を備えているので平面視でC形状となっている。また、コア分割体C1におけるヨーク部40の軸方向の長さは、ティース3bの根元部分の軸方向長さと同じ長さとなっている。なお、コア分割体C1におけるティース3bは、コア3の末端に配置されるティースであるので、コア3の中間部分に相当するコア分割体C2におけるティース3bをコア3の軸線に直交する面で切り落とした断面形状とされている。そのため、コア分割体C1の一端は、ティース3bの端面とヨーク部40の端面は面一となる平面となっている。
【0018】
また、コア3の両端以外に対応するコア分割体C2は、コア3におけるヨーク3aに対応する環状のヨーク部42と、ヨーク部42の外周の端側に偏って設けられたティース3bと、ティース3bの先端となる外周の至近を軸方向に貫通するとともにティース3bに対して同一円周上の周方向に沿って等間隔に並べて設けられた8つの通し孔3dと、ヨーク部42を軸方向に貫く6つの位置決め用孔42aと、ティース3bの外周からヨーク部42に内周へ通じるスリット43とを備えている。コア分割体C2は、スリット43を備えているので平面視でC形状となっている。コア分割体C2におけるヨーク部42における軸方向長さは、ティース3bの根元部分の軸方向長さより長く、ティース3bがヨーク部42の一端側に偏った位置に設けられており、ティース3bの根元部分の一端とヨーク部42の軸方向の一端とが面一となっている。
【0019】
さらに、コア3の他端に対応するコア分割体C3は、コア3におけるヨーク3aに対応する環状のヨーク部44と、ヨーク部44の外周の端側に偏って設けられたティース3bと、ティース3bの先端となる外周の至近を軸方向に貫通するとともにティース3bに対して同一円周上の周方向に沿って等間隔に並べて設けられた8つの通し孔3dと、ヨーク部44を軸方向に貫く6つの位置決め用孔44aと、ティース3bの外周からヨーク部44に内周へ通じるスリット45とを備えている。コア分割体C3は、スリット45を備えているので平面視でC形状となっている。コア分割体C3におけるヨーク部44における軸方向長さは、ティース3bの根元部分の軸方向長さより長く、ティース3bがヨーク部42の一端側に偏った位置に設けられており、ティース3bの根元部分の一端とヨーク部44の軸方向の一端とが面一となっている。なお、コア分割体C3におけるティース3bは、コア3の末端に配置されるティースであるので、コア3の中間部分に相当するコア分割体C2におけるティース3bをコア3の軸線に直交する面で切り落とした断面形状とされている。そのため、コア分割体C3の一端は、ティース3bの端面とヨーク部44の端面は面一となる平面となっている。
【0020】
このように構成されたコア3の端部に対応するコア分割体C1に8個のコア分割体C2およびコア分割体C3を積層するとコア3が形成される。コア分割体C1,C2,C3における通し孔3d、位置決め用孔40a,42a,44aおよびスリット41,43,45は、ティース3bに対して同じ位置に設けられており、コア3を軸方向から見て、コア分割体C1の位置決め用孔40a、コア分割体C2の位置決め用孔42aおよびコア分割体C3の位置決め用孔44aとが軸方向に一直線上に並ぶように配置してコア分割体C1、コア分割体C2およびコア分割体C3を積層すると、コア分割体C1、コア分割体C2およびコア分割体C3のティース3bにおける通し孔3dもそれぞれ軸方向で一直線上に並ぶとともに、スリット41,43,45もそれぞれ軸方向で一直線上に並ぶ。すると、コア3が組み立てられると、8個の通し孔3dがそれぞれ軸方向に一直線上に並んで配置されるとともに、スリット41,43,45が軸方向に一直線上に並んで配置される。
【0021】
なお、コア分割体C1,C2,C3を積層する際に、位置決め用孔40a,42a,44aの少なくとも2つ以上に位置決め用の図示しないピンを挿通することで、ピンを基準としてコア分割体C1,C2,C3を位置決めして、コア分割体C1,C2,C3を適正な位置に位置合わせした状態で容易に積層してコア3を組み立て得る。
【0022】
このように構成されたコア分割体C1、コア分割体C2およびコア分割体C3を積層してコア3を形成すると、コア分割体C2,C3におけるヨーク部42,44における軸方向長さがティース3bの根元部分の軸方向長さより長く、ティース3bがヨーク部42,44の一端側に偏った位置に設けられているので、コア分割体C1,C2のティース3b,3b間、コア分割体C2,C2のティース3b,3b間およびコア分割体C2,C3のティース3b間のそれぞれに空隙となるスロット3cが形成される。そして、このスロット3cには、巻線5が巻き回されて装着される。巻線5は、U相巻線、V相巻線およびW相巻線の三相の巻線で構成されている。
【0023】
このように構成されたコア3に巻線5を装着するには、たとえば、予め、コア分割体C2,C3に巻線5を装着して、図外のリード線をスリット43、45内に通しておく。このようにして巻線5とアッセンブリ化されたコア分割体C1,C2,C3を位置決め用孔40a,42a,44a内にピンを挿入しつつ、積層していく。図外のリード線は、巻線5が装着されたコア分割体C1,C2,C3に積層されるスリット41,43,45を通して同相の巻線5へ接続される。このコア分割体C1,C2,C3を積層する工程において、前述したように、6つの位置決め用孔40a,42a,44aのうち、少なくとも2つ以上の位置決め用孔40a,42a,44aにピンを差し込んでおく。このようにピンを差し込んでおけば、コア分割体C1,C2,C3が周方向に位置決めされるので、通し孔3dおよびスリット41,43,45の位置合わせが非常に容易となり、コア3の製造作業が非常に容易となる。なお、コア分割体C1,C2,C3は、互いに接着されて一体化される。なお、コア3の組み立てが終了すればピンを抜き去ることができる。また、コア3がコア分割体C1,C2,C3で構成されるので、ティース3bに通し孔3dを穿つ加工が容易となり、コア3のティース3bに通し孔3dを備えたコア3を容易に製造できるが、コア3は、コア分割体C1,C2,C3を積層して形成されるのではなく、1つの部品で形成されてもよい。また、コア3をコア分割体の積層で形成する場合、コア分割体の構成は、前述した構成に限られず、たとえば、コア3の軸方向での分割位置を設計変更して、ティース3bがヨーク部の外周の軸方向の中央に配置されるようにコア分割体を形成してもよいし、1つのコア分割体が複数のティース3bを持つようにしてもよい。
【0024】
なお、スリット41,43,45は、コア分割体C1,C2,C3の内周へ通じているが、ヨーク部40,42,44の径方向の途中まで形成されていてコア分割体C1,C2,C3の内周へ通じていなくともよい。ただし、スリット41,43,45がコア分割体C1,C2,C3の内周まで通じている場合、コア3を形成するとスリット41,43,45がコア3の内周へ貫通するので、コア3とロッド11との間に環状隙間を設けておくことで、リード線をコア3の内周に配置できるようになり、異なる相の巻線5に接続されたリード線同士を離間させて絶縁し易くなる。
【0025】
また、巻線5は、U相、V相およびW相の三相の巻線で構成されているので、相毎の絶縁性の向上のために、各相毎のリード線が同じスリット41,43,45に同居しないように、隣のコア分割体C1,C2,C3のスリット41,43,45に連通可能であって同相の巻線5が装着されるスロット3c同士を連通する孔を設けて、異なる相のリード線の混在を避けるようにしてもよい。
【0026】
ガイドバー30は、非磁性体であって円柱状に形成されており、コア3の軸方向で一直線上に配置される通し孔3d内にそれぞれ挿入されている。
以上、宜しくお願い申し上げます。コア3を軸方向から見ると、通し孔3dは、ティース3bに対して周方向に等間隔に8つ設けられており、それぞれの通し孔3dが軸方向に一直線上に配置されているから、本例では、8本のガイドバー30が周方向に等間隔に配置されて軸方向に沿って各ティース3bに架け渡されてコア3に設けられている。
【0027】
通し孔3dは、ティース3bにおけるコア3のスロット3c内に装着された巻線5の外周よりも界磁6側となる外周側に設けられており、ガイドバー30がコア3に装着されると、コア3に対して巻線5よりも界磁6側に配置される。
【0028】
ガイドバー30は、非磁性体であれば材料に制限はないものの、巻線5への通電時に高熱となるため、非磁性体の金属とされるのが好ましい。
【0029】
また、ガイドバー30の断面形状は、円形以外の形状とされてもよいが、巻線5のスロット3cからのはみ出しを防止して巻線5を保護するために設けられているので、円形とされることでガイドバー30に巻線5が接触した際に巻線5を傷つけ難いので有利である。よって、ガイドバー30の断面形状は、円形などの角の無い形状とされることが好ましい。また、ガイドバー30は、中実であっても中空であってもよいが、通し孔3d内に挿入された状態で張力を作用させずとも撓まずに、巻線5が接触しても変形せずに巻線5のスロット3cからのはみ出しを防止できる程度の剛性を備えていることが好ましい。ただし、ワイヤ等でガイドバー30を形成して張力を与えてハリを持たせ、ガイドバー30に巻線5が接触してもガイドバー30が変形せずに巻線5のスロット3cからのはみ出しを防止できるようにしてもよい。なお、ガイドバー30は、非磁性体であるので、コア3に取り付けられても磁気回路を構成せず、界磁6の磁界や巻線5への通電時の磁界に影響を与えず、また、界磁6に吸引されて変形してしまう心配もない。
【0030】
ガイドバー30は、本実施の形態では、ティース3bに設けられた通し孔3d内に挿入されるので、ガイドバー30をコア3から脱落させるような力が働いてもガイドバー30の脱落を防止できる。なお、ガイドバー30のコア3への設置にあたり、コア3の各ティース3bに外周から開口するとともに軸方向で一直線上に並んで配置されるように溝を設けて、当該溝内にガイドバー30を挿入して接着等でコア3にガイドバー30を固着させることもできる。ティース3bの通し孔3dを設ける場合も、溝を設ける場合も、ガイドバー30は、ティース3bの先端となる外周よりもヨーク3a側に没入しており、界磁6側へ張り出さないようにされている。
【0031】
本実施の形態では、各ティース3bに周方向に等間隔に8個の通し孔3dを設けており、各通し孔3dにそれぞれガイドバー30を挿入しているので、コア3に対して8本のガイドバー30が設置されているが、コア3に対するガイドバー30の設置数は、複数であって巻線5のスロット3cからのはみ出しを規制できれる限りにおいて8本以外に設定されてもよい。また、ガイドバー30は、巻線5のスロット3cからのはみ出しを規制できる限りにおいてティース3bの周方向に等間隔に配置されずともよいが、3本以上のガイドバー30をティース3bに対して周方向に等間隔に設置するようにすればコア3の周方向における重量バランスが良くなるので筒型リニアモータ1の円滑な伸縮を保証し得る。
【0032】
一対の補助突極31は、磁性体で形成されるとともに円環状であってコア3の両端にそれぞれ当接してコア3を挟んでおり、コア3とは軸方向で反対側であって界磁側となる外周部にR形状の面取部31aを備えている。補助突極31を設けると、コア3の軸方向の両端部における磁束の変化が滑らかになり、筒型リニアモータ1のコギング推力を低減できる。
【0033】
このように本実施の形態の筒型リニアモータ1では、補助突極31,31は、コア3の両端のティース3bに当接して末端のティース3bの通し孔3dを塞ぐので、ガイドバー30をティース3bに接着せずともガイドバー30のコア3からの脱落を防止できる。なお、補助突極31,31の設置は任意であって不要であれば省略することもできるし、コア3の両端に一体不可分に設けられてもよい。なお、補助突極31,31を設けない場合、通し孔3dに挿入されたガイドバー30を接着によってコア3に固定してもよいし、後述するスライダ21b,25とでコア3を挟持してもよい。スライダ21b,25にコア3を挟持する場合、接着によらずスライダ21b,25によってガイドバー30の通し孔3dからの脱落を阻止できる。
【0034】
このように、コア3、巻線5、ガイドバー30および補助突極31とで構成された電機子2は、出力軸である非磁性体で形成されたロッド11の先端の外周に装着されている。ロッド11は、筒状の第1ロッド20と、筒状であって外周にコア3が装着されるとともに第1ロッド20の内周に螺合される第2ロッド21とを備えている。
【0035】
第1ロッド20は、筒状であって
図1中左端外周と
図1中右端内周にそれぞれ螺子部22a,22bを有するロッド本体22と、筒型リニアモータ1を機器へ取り付けるブラケット23aを有してロッド本体22の
図1中左端の螺子部22aに螺着されてロッド本体22の左端を閉塞するロッドキャップ23とを備えている。
【0036】
また、ロッド本体22の
図1中右端外周には、環状のスライダ25が嵌合されている。スライダ25は、後述する筒部9bの内周に摺接する摺接部25aと、摺接部25aの
図1中左方側であるロッド11の基端側に設けられた外径が摺接部25aよりも小径な小径部25bと、小径部25bの外周に周方向に沿って設けられた環状溝25cと、
図1中右端内周に設けられたフランジ25dとを備えている。そして、スライダ25の環状溝25cには、弾性体としてのゴム製のシールリング26が装着されている。また、フランジ25dの内径は、ロッド本体22の内径以上であってロッド本体22の外径以下となっており、スライダ25をロッド本体22に嵌合するとフランジ25dがロッド本体22の
図1中右端面に当接する。
【0037】
第2ロッド21は、外周に電機子2が装着される筒状の電機子保持筒21aと、電機子保持筒21aの
図1中右端となる先端の外周に設けられる環状のスライダ21bとを備えている。また、電機子保持筒21aの
図1中左端となる基端の外周には、螺子部21cが設けられており、電機子保持筒21aの基端側内周には内径が他の部位よりも大きな内径大径部21dが設けられている。そして、電機子保持筒21aの基端を第1ロッド20におけるロッド本体22の
図1中右端の内周に挿入しつつ螺子部21cを螺子部22bに捩じ込むと、第1ロッド20と第2ロッド21とが連結される。このようにロッド11は、本実施の形態では、第1ロッド20と第2ロッド21とで構成されて筒状とされている。
【0038】
また、第2ロッド21における電機子保持筒21aの外周には、電機子2が嵌合されて装着されている。電機子保持筒21aの外径は、第1ロッド20におけるロッド本体22の外径よりも小径となっているので、スライダ25を装着した第1ロッド20に電機子2を装着した第2ロッド21を前記した要領で連結すると、電機子2およびスライダ25が第1ロッド20の
図1中右端と第2ロッド21のスライダ21bとで挟み込まれて固定される。このようにロッド11に電機子2を装着すると、電機子2がスライダ21bおよびスライダ25に挟まれる格好でロッド11に固定される。なお、本実施の形態では、電機子2は、単一のコア3のみを有して構成されているが、推力の向上等のために複数のコア3を持つ構成とされてもよい。
【0039】
つづいて、ロッド11には、ロッド11の外周を覆って空隙Gを形成するカバー17が設けられている。具体的には、カバー17は、筒状であって一端がロッド11の外周に設けた環状のカバーエンド18の外周に嵌合されるとともに他端がスライダ25の小径部25bの外周に嵌合されてロッド11に装着されている。
【0040】
カバー17とロッド11との間の空隙G内には、コア3に装着された各相の巻線5を外部の図示しない駆動回路へ接続するリード線Lが収容されており、カバー17を取外した状態で巻線5とリード線Lとの配線作業を行えるようになっており、筒型リニアモータ1の組立作業を容易ならしめている。
【0041】
他方、固定子は、本実施の形態では、円筒状の積層磁石体10と積層磁石体10の外周に装着される円筒状の磁性体でなるバックヨーク8とで構成された界磁6と、積層磁石体10の内周に挿入される円筒状の非磁性体のインナーチューブ9と、円筒状であって内方にインナーチューブ9および界磁6が挿入される非磁性体で形成されるバレル7とを備えて構成されている。
【0042】
バレル7は、非磁性体で形成されており、
図1中左側の開口端の内周に設けられた螺子部7aと、
図1中右側の開口端の外周に設けられた螺子部7bとを備えている。また、バレル7の
図1中右端側の開口端の外周には、ボトムキャップ12が螺着されており、バレル7の
図1中右端の開口端が閉塞されている。ボトムキャップ12は、底部12aと筒部12bとを備えた有底筒状であって、バレル7の外周に筒部12bを螺合することでバレル7に装着されている。また、ボトムキャップ12の筒部12bには筒型リニアモータ1の機器への取り付けを可能とするブラケット12cが設けられている。ボトムキャップ12は、底部12aが界磁6の
図1中右端に対向している。
【0043】
インナーチューブ9は、非磁性体で形成されており、バレル7の
図1中左端の開口端に螺子締結によって装着される環状のヘッド部9aと、ヘッド部9aよりも肉厚が薄くヘッド部9aの
図1中右端の内周から延びて界磁6の内周に挿入される筒部9bとを備えて構成されている。よって、インナーチューブ9におけるヘッド部9aの
図1中右端は、筒部9bの外周に配置される界磁6の
図1中左端に対向している。
【0044】
また、インナーチューブ9は、ヘッド部9aの
図1中右端と筒部9bとの境に湾曲面9c備えており、ヘッド部9aにのみ軸力が作用してもヘッド部9aと筒部9bの境に応力が集中しないようになっている。なお、このように応力集中を回避するには、ヘッド部9aと筒部9bとの境にテーパ面を設けるようにしてもよい。
【0045】
界磁6は、軸方向に交互に積層されて挿入される複数の環状の主磁極となる永久磁石10aと複数の環状の副磁極となる永久磁石10bとで形成される積層磁石体10と、積層磁石体10の外周に嵌合して積層磁石体10の外周に接着されて積層磁石体10の外周に定着される筒状のバックヨーク8とを備えて構成されている。
【0046】
積層磁石体10は、軸方向に交互に積層される複数の環状の主磁極となる永久磁石10aと複数の環状の副磁極となる永久磁石10bとを備えて構成されている。永久磁石10aと永久磁石10bとは、飛散防止のため、接着剤を介在して積層されている。なお、
図1中で主磁極の永久磁石10aと副磁極の永久磁石10bに記載されている三角の印は、着磁方向を示しており、主磁極の永久磁石10aの着磁方向は径方向となっており、副磁極の永久磁石10bの着磁方向は軸方向となっている。主磁極の永久磁石10aと副磁極の永久磁石10bは、ハルバッハ配列で配置されており、界磁6の内周側では、軸方向にS極とN極が交互に現れるように配置されている。
【0047】
また、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さは、副磁極の永久磁石10bの軸方向長さよりも長くなっている。このように、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さを長くすればコア3との間の主磁極の永久磁石10aとの間の磁気抵抗を小さくできコア3へ作用させる磁界を大きくできるので筒型リニアモータ1の推力を向上できる。本実施の形態では、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さを副磁極の永久磁石10bの軸方向長さよりも長くしているが、これに限らず両者の軸方向の長さの設定は任意に設計変更できる。
【0048】
また、本発明の筒型リニアモータ1では、永久磁石10a,10bの外周にバックヨーク8を設けている。バックヨーク8を設けない場合、副磁極の永久磁石10bの軸方向長さが短くなると主磁極の永久磁石10aの軸方向中央部分における磁石外部の磁気抵抗が増大し、界磁磁束が小さくなるため、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さを長くする際の筒型リニアモータ1の推力向上度合が小さくなる。これに対して、永久磁石10a,10bの外周にバックヨーク8を設けると、磁気抵抗の低い磁路を確保できるので副磁極の永久磁石10bの軸方向長さの短縮に起因する磁気抵抗の増大が抑制される。よって、主磁極の永久磁石10aの軸方向長さを副磁極の永久磁石10bの軸方向長さよりも長くするとともに永久磁石10a,10bの外周に筒状のバックヨーク8を設けると筒型リニアモータ1の推力を大きく向上させ得る。このように、バックヨーク8を設けると磁気抵抗の増大を抑制できるが、バックヨーク8の省略も可能である。また、バックヨーク8の肉厚は、主磁極の永久磁石10aの外部磁気抵抗の増大を抑制に適する肉厚に設定されればよい。なお、バックヨーク8の軸方向長さが積層磁石体10の全長よりも長い場合、積層磁石体10の末端の磁力線が大気へ洩れず筒型リニアモータ1の推力低下を防止できる。このように、バックヨーク8の軸方向長さを積層磁石体10の軸方向長さよりも長くするには、積層磁石体10が永久磁石10a,10bの加工誤差によって採りうる軸方向の最大長さよりもバックヨーク8の軸方向長さを長くしておけばよい。また、本実施の形態では、積層磁石体10は、ハルバッハ配列となるように積層された永久磁石10a,10bで構成されているが、ラジアル方向に着磁されて内周にN極を持つ環状の永久磁石とラジアル方向に着磁されて内周にS極を持つ環状の永久磁石とを順番に積層して構成されてもよい。
【0049】
このように構成された界磁6の内周側には、電機子2が軸方向移動自在に挿入されており、界磁6は、コア3に磁界を作用させている。なお、界磁6は、コア3の可動範囲に対して磁界を作用させればよいので、コア3の可動範囲に応じて積層磁石体10の設置範囲を決定すればよい。したがって、バレル7と筒部9bとの環状隙間のうち、コア3に対向し得ない範囲には、永久磁石10a,10bを設置しなくともよい。
【0050】
そして、筒部9bの外周とバレル7の内周との間には、環状のヘッド側スペーサ50、界磁6、環状のエンド側スペーサ51とが収容されている。ヘッド側スペーサ50は、筒状であって、
図1中右側となる界磁側の外径より
図1中左側となる反界磁側の外径が大きくなる形状となっており、大径部50aと小径部50bとを備えており、大径部50aの
図1中左端がインナーチューブ9のヘッド部9aの
図1中右端面に当接し、小径部50bの
図1中右端が界磁6の左端に当接している。
【0051】
エンド側スペーサ51は、筒状であって、
図1中左側となる界磁側の外径より
図1中右側となる反界磁側の外径が大きくなる形状となっており、大径部51aと小径部51bとを備えており、大径部51aの
図1中右端がボトムキャップ12の底部12aの
図1中左端面に当接し、小径部51bの
図1中左端が界磁6の右端6bに当接している。
【0052】
そして、筒部9bの外周には、
図1中左から環状のヘッド側スペーサ50、界磁6、環状のエンド側スペーサ51が順に嵌合され、インナーチューブ9のヘッド部9aをバレル7に螺子締結した後、バレル7の
図1中右端にボトムキャップ12を取り付けると、ヘッド側スペーサ50、積層磁石体10およびエンド側スペーサ51がインナーチューブ9におけるヘッド部9aとボトムキャップ12の底部12aとで挟持され、積層磁石体10がバレル7の内周に固定される。なお、積層磁石体10の外周に装着されるバックヨーク8は、ヘッド部9aとボトムキャップ12とによって軸方向で挟持されていないが、積層磁石体10に接着されるのでバレル7内で移動しない。
【0053】
なお、ヘッド部9aの内周には、第1ロッド20の外周を覆うカバー17の外周に摺接する環状のシール部材28が設けられており、筒型リニアモータ1内への塵や水などの侵入が防止されている。
【0054】
そして、インナーチューブ9内には、電機子2が装着されたロッド11が軸方向移動自在に挿入され、筒部9bの内周にスライダ21b,25が摺接して、電機子2の軸方向の移動が案内される。
【0055】
筒部9bは、コア3の外周と各永久磁石10a,10bの内周との間のギャップを形成するとともに、スライダ21b,25と協働してコア3の軸方向移動を案内する役割を果たしている。なお、本実施の形態では、電機子2は、単一のコア3のみを有して構成されているが、複数のコア3を持つ場合、電機子2の軸方向両端だけでなくコア3,3間にも筒部9bの内周に摺接するスライダを設けてもよい。なお、本実施の形態では、スライダ21b,25が摺接するインナーチューブ9を設けて電機子2の界磁6に対する軸方向への移動を案内しているが、他の部品によって電機子2の軸方向への移動を案内する場合にはインナーチューブ9を廃止してもよい。
【0056】
さらに、ボトムキャップ12の底部12aの内周には、ガイドロッド16が取り付けられている。ガイドロッド16は、底部12aの内周に固定される基端部16aと、基端部16aからロッド11側へ延びてロッド11内に摺動自在に挿入されるガイド部16bとを備えており、筒型リニアモータ1が伸縮しても常にロッド11の内周に摺接している。より詳細には、ガイドロッド16のガイド部16bは、第2ロッド21の内径大径部21dよりも先端側に摺動自在に挿入されている。
【0057】
このように本実施の形態における筒型リニアモータ1では、ガイドロッド16がロッド11の内周に摺接し、スライダ21b,25が筒部9bに摺接しているので、電機子2はロッド11とともに界磁6に対して偏心せずに軸方向へスムーズに移動できるが、ガイドロッド16を廃止してもよい。
【0058】
また、このように構成された筒型リニアモータ1では、電機子2の軸方向移動をガイドして界磁6に対する電機子2の偏心を防止する筒部9bがヘッド部9aと一体構造になっているので、筒部9bとヘッド部9aに歪が生じにくくスライダ21b,25が筒部9bの内周を滑らかに摺動でき、スムーズに伸縮できる。
【0059】
そして、筒型リニアモータ1は、ロッド11の界磁6に対する位置を図示しないストロークセンサで検知し、コア3の界磁6に対する電気角を把握して通電位相切換を行うとともにPWM制御により、各巻線5の電流量を制御して、筒型リニアモータ1における推力と電機子2の移動方向とを制御するコントローラによって駆動される。なお、前述のコントローラにおける制御方法は、一例でありこれに限られない。また、電機子2と界磁6とを軸方向に相対変位させる外力が作用する場合、巻線5への通電、あるいは、巻線5に発生する誘導起電力によって、前記相対変位を抑制する推力を発生させて筒型リニアモータ1に前記外力による機器の振動や運動をダンピングさせ得るし、外力から電力を生むエネルギー回生も可能である。
【0060】
以上のように、本発明の筒型リニアモータ1は、軸方向にN極とS極とが交互に配置される界磁6と、界磁6に対して軸方向へ移動可能な電機子2とを備え、電機子2は、磁性体であって筒状のコア3と、コア3に装着される巻線5と、コア3に取り付けられる非磁性体のガイドバー30とを有し、コア3は、円筒状のヨーク3aと、ヨーク3aの外周に周方向に沿って環状に設けられるとともに軸方向に並べて設けられる複数のティース3bと、ティース3b,3b間の空隙で形成されて巻線5が装着されるスロット3cとを有し、ガイドバー30は、ティース3bのそれぞれに巻線5より界磁6側にコア3の軸方向に沿って架け渡されるとともにティース3bの周方向に複数配置されてコア3に取り付けられている。
【0061】
このように構成された筒型リニアモータ1では、コア3へのガイドバー30の設置によって巻線5のスロット3cからのはみ出しが規制される。よって、電機子2が界磁6に吸引されて界磁6に対して径方向に偏心しても、巻線5が界磁6側に設置されるインナーチューブ9に接触するのを防止でき、巻線5を傷めてしまうのを防止できる。なお、インナーチューブ9を廃止する場合、電機子2が界磁6に吸引されて界磁6に対して径方向に偏心しても、巻線5が界磁6に接触するのを防止でき、巻線5を傷めてしまうのを防止できる。このように本実施の形態の筒型リニアモータ1によれば、コア3にガイドバー30を設置することによって、巻線5を保護すること可能である。
【0062】
また、本実施の形態の筒型リニアモータ1によれば、ガイドバー30によって巻線5を保護できるので、界磁6と電機子2との間の隙間を狭くして、推力を向上できる。
【0063】
さらに、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、ティース3bが周方向に並べて設けられて肉厚を軸方向に貫通する通し孔3dを備えており、ガイドバー30が通し孔3d内に挿通されるので、ガイドバー30のコア3からの脱落を阻止し得る。
【0064】
なお、本実施の形態の筒型リニアモータ1では、界磁6の内周側に電機子2が挿入されているが、電機子の内方に界磁が挿入される構造の筒型リニアモータの場合、コアのおけるヨークの界磁側となる内周に周方向に沿って環状に設けられるとともに軸方向に並べて設けられる複数のティースを設ける態様となる。よって、この電機子の内方に界磁が挿入される構造の筒型リニアモータでは、ガイドバーは、ティースのそれぞれに巻線より界磁側となる内周側にコアの軸方向に沿って架け渡されるとともにティースの周方向に複数配置されてコアに取り付けられればよい。このようにすれば、巻線の界磁或いは界磁側に設けられる部品との干渉を阻止できるので、巻線を保護できる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1・・・筒型リニアモータ、2・・・電機子、3・・・コア、3a・・・ヨーク、3b・・・ティース、3c・・・スロット、3d・・・通し孔、5・・・巻線、6・・・界磁、30・・・ガイドバー