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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127828
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】撮像装置および画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20230907BHJP
【FI】
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031752
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】樋口 剛
(72)【発明者】
【氏名】梅津 有司
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024CX15
5C024GX02
(57)【要約】
【課題】フリッカが発生している領域に対してフリッカを抑制する処理を実施することで、フリッカが発生していない領域の画像が不自然になることを抑制する。
【解決手段】撮像装置は、マトリックス状に配置された複数の光電変換素子を有し、一方向に並ぶ所定数の前記光電変換素子をそれぞれ含む複数のライン毎に駆動される撮像素子部と、前記撮像素子部により生成された画像データに基づいてフリッカの発生を検出するフリッカ検出部と、前記フリッカ検出部によりフリッカが検出された前記ラインに含まれる前記光電変換素子の1フレーム期間での露光回数を、フリッカが検出されない前記ラインに含まれる前記光電変換素子の1フレーム期間での露光回数に比べて多くする露光調整部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス状に配置された複数の光電変換素子を有し、一方向に並ぶ所定数の前記光電変換素子をそれぞれ含む複数のライン毎に駆動される撮像素子部と、
前記撮像素子部により生成された画像データに基づいてフリッカの発生を検出するフリッカ検出部と、
前記フリッカ検出部によりフリッカが検出された前記ラインに含まれる前記光電変換素子の1フレーム期間での露光回数を、フリッカが検出されない前記ラインに含まれる前記光電変換素子の1フレーム期間での露光回数に比べて多くする露光調整部と、
を有する撮像装置。
【請求項2】
駆動毎に前記ラインから出力される画像情報から画像データを生成する読み出し部を有し、
前記複数のラインの各々は、1フレーム期間に複数回駆動され、
前記読み出し部は、フリッカが検出されないラインでは、複数回受ける前記画像情報の一部を使用して画像データを生成する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
マトリックス状に配置された複数の光電変換素子を有する撮像素子部と、
前記撮像素子部が取得した画像データを使用してフリッカが発生したフリッカ領域を検出するフリッカ検出部と、
前記フリッカ検出部により前記フリッカ領域が検出された場合、前記フリッカ領域において取得タイミングが異なる複数の画像データを合成する合成処理部と、
を有する撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子部は、一方向に並ぶ所定数の前記光電変換素子をそれぞれ含む複数のラインの各々が、1フレーム期間に複数回駆動され、
前記フリッカ検出部は、2回の駆動でそれぞれ生成される画素毎の画素値の差が第1閾値以上で、かつ、前記2回の駆動でそれぞれ生成される画素毎の画素値の合計が第2閾値以上の画素領域を前記フリッカ領域と判定する
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フリッカ検出部は、前記2回の駆動でそれぞれ生成される画素毎の画素値の差が前記第1閾値以上で、かつ、前記2回の駆動でそれぞれ生成される画素毎の画素値の合計が第2閾値より小さい第3閾値以下の画素領域を、動体を含む動体領域と判定し、
前記合成処理部は、前記動体領域では、前記2回の駆動でそれぞれ生成される画素値の一方を画像データとして出力する
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
マトリックス状に配置された複数の光電変換素子を有する撮像装置が取得した画像データを処理する画像処理装置であって、
前記画像データを使用してフリッカが発生したフリッカ領域を検出するフリッカ検出部と、
前記フリッカ検出部により前記フリッカ領域が検出された場合、前記フリッカ領域において取得タイミングが異なる複数の画像データを合成する合成処理部と、
を有する画像処理装置。
【請求項7】
前記フリッカ検出部は、複数のフレームの画像データを使用して前記フリッカ領域を検出し、
前記合成処理部は、前記フリッカ検出部により前記フリッカ領域が検出された場合、前記複数のフレームの前記フリッカ領域の画像データを合成する
請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記フリッカ検出部は、2つのフレームの画素毎の画素値の差が第1閾値以上で、かつ、前記2つのフレームの画素毎の画素値の合計が第2閾値以上の画素領域を前記フリッカ領域と判定する
請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記フリッカ検出部は、前記2つのフレームの画素毎の画素値の差が前記第1閾値以上で、かつ、前記2つのフレームの画素毎の画素値の合計が第2閾値より小さい第3閾値以下の画素領域を、動体を含む動体領域と判定し、
前記合成処理部は、前記動体領域では、前記2つのフレームの一方の画像データを出力する
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記フリッカ検出部は、前記画素値の差と前記画素値の合計値とに応じて、前記2つのフレームの画素値のブレンド率を計算し、
前記合成処理部は、前記フリッカ検出部により計算された前記ブレンド率に応じて、前記2つのフレームの画素値をブレンドする
請求項8または請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記撮像装置が取得した画像データで示される画像の明るさが第4閾値を超える場合、前記撮像装置のフレームレートを第1フレームレートから前記第1フレームレートより高い第2フレームレートに切り替える切り替え制御部を有し、
前記合成処理部は、前記第1フレームレートの設定中、前記2つのフレームの画像データを合成せずに順次出力し、前記第2フレームレートの設定中、前記2つのフレームの画像データを前記ブレンド率に応じて合成して出力する
請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記第2フレームレートの設定中、前記画像の明るさに応じて、合成された画像データに乗じるゲインを計算する合成ゲイン計算部を有する
請求項11に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置で撮影された画像に信号機等の光源が含まれる場合、フリッカが発生する場合がある。フリッカを抑制するために、例えば、撮像装置の露光時間が調整され、あるいは、複数回に分けて撮像装置から取得された画像データが合成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-96551号公報
【特許文献2】特開2017-112409号公報
【特許文献3】特開2001-111887号公報
【特許文献4】国際公開第2020/255715号
【特許文献5】国際公開第2020/246250号
【特許文献6】特開2018-98649号公報
【特許文献7】特開2017-34422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置で取得された画像データに基づいて画像全体でフリッカを抑制する処理を実施する場合、フリッカが発生してない領域の画像にぶれ等が発生し、画像が不自然になるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、フリッカが発生している領域に対してフリッカを抑制する処理を実施することで、フリッカが発生していない領域の画像が不自然になることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、撮像装置は、マトリックス状に配置された複数の光電変換素子を有し、一方向に並ぶ所定数の前記光電変換素子をそれぞれ含む複数のライン毎に駆動される撮像素子部と、前記撮像素子部により生成された画像データに基づいてフリッカの発生を検出するフリッカ検出部と、前記フリッカ検出部によりフリッカが検出された前記ラインに含まれる前記光電変換素子の1フレーム期間での露光回数を、フリッカが検出されない前記ラインに含まれる前記光電変換素子の1フレーム期間での露光回数に比べて多くする露光調整部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、フリッカが発生している領域に対してフリッカを抑制する処理を実施することで、フリッカが発生していない領域の画像が不自然になることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態における画像処理装置を含む画像処理システムの一例を示すイメージ図である。
図2図1の移動体に搭載される各種装置の構成の概要を示すブロック図である。
図3図1の撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図2の画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5図1の撮像装置19が取得した画像の一例を示す説明図である。
図6図3のフリッカ検出部がフリッカを検出していない場合の撮像装置の動作の一例を示すタイミング図である。
図7図3のフリッカ検出部がフリッカを検出した場合の撮像装置の動作の一例を示すタイミング図である。
図8図3の撮像装置の動作の一例を示すフロー図である。
図9】第2の実施形態の画像処理システムに含まれる撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図10図9の撮像装置の動作の一例を示すタイミング図である。
図11図9の撮像装置の動作の一例を示すフロー図である。
図12】第3の実施形態の画像処理システムに含まれる撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図13図12の画像合成部の一例を示すブロック図である。
図14図13の画像合成部の動作の一例を示す説明図である。
図15】第4の実施形態の画像処理システムに含まれる撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図16図15の画像合成部の一例を示すブロック図である。
図17図16の合成ゲイン計算部が計算する合成ゲインKと、シーンの明るさおよびフレームレートとの関係を示す説明図である。
図18図16の画像処理装置の動作の一例を示すフロー図である。
図19図16の画像合成部の動作の一例を示す説明図である。
図20】第5の実施形態の画像処理システムに含まれる画像合成部の一例を示すブロック図である。
図21】フレームレートが120fpsに設定される場合に撮像装置が出力する奇数フレームおよび偶数フレームの画像データの一例を示す説明図である。
図22図20のフレーム再構成部が生成するフレームFm、Fiの画像データと、図20の垂直拡大部がそれぞれ生成するフレームFu[n]、Fu[n+1]の画像データとの一例を示す説明図である。
図23図20の画像合成部の動作の一例を示す説明図である。
図24】フレームレートが120fpsに設定されている場合に撮像装置から画像データを低速で出力する例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて実施形態を説明する。以下の説明では、画像データを単に画像と称する場合がある。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における画像処理装置を含む画像処理システムの一例を示す。図1に示す画像処理システム100は、例えば、自動車等の移動体200に搭載される。移動体200の進行方向の前方、後方、左側および右側と、移動体200の車内の前方には、カメラ等の撮像装置19a、19b、19c、19d、19eが設置される。以下では、撮像装置19a、19b、19c、19d、19eを区別なく説明する場合、撮像装置19とも称される。
【0011】
なお、移動体200に設置される撮像装置19の数および設置位置は、図1に限定されない。例えば、1つの撮像装置19が移動体200の前方のみに設置されてもよく、2つの撮像装置19が前方と後方のみに設置されてもよい。あるいは、撮像装置19は、移動体200の天井に設置されてもよい。また、画像処理システム100が搭載される移動体200は、自動車に限定されず、例えば、工場内で稼働する搬送ロボットまたはドローンでもよい。また、画像処理システム100は、例えば、監視カメラ、デジタルスチルカメラまたはデジタルカムコーダなどの、移動体200に設置された撮像装置以外の撮像装置から取得した画像を処理するシステムであってもよい。
【0012】
画像処理システム100は、画像処理装置10、情報処理装置11および表示装置12を有する。なお、図1では、説明を分かりやすくするために、上方から俯瞰した移動体200のイメージ図に画像処理システム100を重ねて記載している。しかしながら、実際には、画像処理装置10および情報処理装置11は、移動体200に搭載される制御基板等に実装され、表示装置12は、移動体200内の人物から見える位置に設置される。なお、画像処理装置10は、情報処理装置11の一部として制御基板等に実装されてもよい。画像処理装置10は、信号線または無線を介して各撮像装置19に接続される。
【0013】
表示装置12は、例えば、移動体200に設置されるサイドミラーモニタ、バックミラーモニタまたはナビゲーション装置のディスプレイである。なお、表示装置12は、ダッシュボード等に設けられたディスプレイ、または、投影板またはフロントガラス等に画像を投影するヘッドアップディスプレイ(Head Up Display)等でもよい。
【0014】
情報処理装置11は、画像処理装置10を介して受信する画像データに基づいて認識処理等を実施するプロセッサ等のコンピュータを含む。例えば、移動体200に搭載される情報処理装置11は、画像データの認識処理を実施することで、他の移動体、信号、標識、道路の白線および人物等を検出し、検出結果に基づいて移動体200の周囲の状況を判断する。なお、情報処理装置11は、移動体200の移動、停止、右折および左折等を制御する自動運転制御装置を含んでもよい。
【0015】
この実施形態では、後述するフリッカを軽減する画像処理は、撮像装置19により実施される。このため、複数の撮像装置19のうち、少なくとも移動体200の前方に設置される撮像装置19eまたは撮像装置19aには、フリッカを低減する画像処理装置が含まれる。
【0016】
図2は、図1の移動体200に搭載される各種装置の構成の概要を示す。移動体200は、内部ネットワークを介して相互に接続された画像処理装置10、情報処理装置11、表示装置12、少なくとも1つのECU(Electronic Control Unit)13および無線通信装置14を有する。また、移動体200は、センサ15、駆動装置16、ランプ装置17、ナビゲーション装置18および撮像装置19を有する。例えば、内部ネットワークは、CAN(Controller Area Network)またはイーサネット(登録商標)等の車載ネットワークである。
【0017】
画像処理装置10は、撮像装置19により取得された画像データ(フレームデータ)を補正し、補正画像データを生成する。画像処理装置10は、生成した補正画像データを、外部または内部の記録装置に記録してもよい。
【0018】
情報処理装置11は、移動体200の各部を制御するコンピュータとして機能されてもよい。情報処理装置11は、ECU13を制御することにより、移動体200の全体を制御する。情報処理装置11は、画像処理装置10により生成された画像に基づいて、移動体200の外部の物体を認識してもよく、認識した物体を追尾してもよい。
【0019】
表示装置12は、画像処理装置10により生成された画像および補正画像等を表示する。表示装置12は、移動体200が後進(バック)する際に、移動体200の後進方向の画像をリアルタイムで表示してもよい。また、表示装置12は、ナビゲーション装置18から出力される画像を表示してもよい。
【0020】
ECU13は、エンジンまたはトランスミッション等の機構部に対応してそれぞれ設けられる。各ECU13は、情報処理装置11からの指示に基づいて、対応する機構部を制御する。無線通信装置14は、移動体200の外部の装置との通信を行う。センサ15は、各種の情報を検出するセンサである。センサ15は、例えば、移動体200の現在の位置情報を取得する位置センサを含んでもよい。また、センサ15は、移動体200の速度を検出する速度センサを含んでもよい。
【0021】
駆動装置16は、移動体200を移動させるための各種装置である。駆動装置16には、例えば、エンジン、操舵装置(ステアリング)、および制動装置(ブレーキ)等が含まれてもよい。ランプ装置17は、移動体200に搭載された各種灯具である。ランプ装置17には、例えば、前照灯(ヘッドランプ、ヘッドライト)、方向指示器(ウインカー)のランプ、バックライトおよびブレーキランプ等が含まれてもよい。ナビゲーション装置18は、目的地への経路を音声および表示により案内する装置である。
【0022】
図3は、図1の撮像装置19の構成の一例を示す。撮像装置19は、画素セルアレイ190、駆動部191、読み出し部192、バス193および動作制御部196を有する。動作制御部196は、フリッカ検出部194および露光調整部195を有する。画素セルアレイ190は、撮像素子部の一例である。
【0023】
なお、図1に示す撮像装置19a-19eのうち、少なくとも撮像装置19eまたは撮像装置19aが図3の構成を有してもよい。残りの撮像装置19は、図3の構成からフリッカ検出部194および露光調整部195を除いた構成を有してもよい。あるいは、残りの撮像装置19は、フリッカ検出部194および露光調整部195の機能がマスクされてもよい。図3の構成からフリッカ検出部194および露光調整部195を除いた構成は、例えば、図15に撮像装置19Cとして示される。
【0024】
画素セルアレイ190は、マトリックス状に配置された複数の画素セルPXを有する。図示は省略するが、各画素セルPXは、例えば、フォトダイオード、リセットトランジスタおよびソースフォロワトランジスタを有する。画素セルアレイ190は、撮像素子部の一例であり、画素セルPXは、光電変換素子の一例である。なお、図3では、簡単化のため、画素セルアレイ190が64個(8個×8個)の画素セルPXを含む例が示される。実際の撮像装置19では、画素セルアレイ190は、例えば、数十万画素から数百万画素を有する。
【0025】
フォトダイオードは、受光した光を電荷に変換する。リセットトランジスタは、リセット信号RST(図6)のハイレベル期間にオンし、フォトダイオードとソースフォロワトランジスタのゲートとの間の電荷の蓄積ノードをリセット電圧に設定する。なお、フォトダイオードと蓄積ノードとの間に、フォトダイオードから蓄積ノードへの電荷の蓄積時間を制御する転送トランジスタが設けられてもよい。ソースフォロワトランジスタは、ゲートで受ける電圧レベルに応じた出力電圧を読み出し部192に出力する。
【0026】
駆動部191は、図3のX方向に並ぶ画素セルPXの列毎にリセット信号RSTを出力する。また、駆動部191は、リセット信号RSTを受ける画素セルPXからの画素値の読み出しに使用する選択信号SELを読み出し部192に出力する。なお、画素セルPXにおいて、フォトダイオードと蓄積ノードとの間に転送トランジスタが設けられる場合、駆動部191は、一方向であるX方向に所定数並ぶ画素セルPXの画素列(X)毎に、転送トランジスタを駆動する転送制御信号を出力する。以下では、画素列(X)は、ラインとも称される。
【0027】
読み出し部192は、図3のY方向に並ぶ画素セルPXの画素列(Y)毎に、選択トランジスタおよびアンプを含む図示しない読み出し回路を有する。各選択トランジスタは、ゲートでハイレベルの選択信号SELを受けている間、対応するソースフォロワトランジスタから出力される画像情報である出力電圧をアンプに出力する。アンプは、選択トランジスタから受ける出力電圧を増幅し、増幅した出力電圧をバス193を介して画像データとして出力する。画像データは、画像処理装置10の取得部51により取得される。
【0028】
フリッカ検出部194は、画像データに含まれる各画素セルPXの画素値をモニタすることで、フリッカ検出処理を実施する。そして、フリッカ検出部194は、画素値が周期的に変化する画素セルPXがある場合、フリッカの発生を検出し、フリッカが発生した画素セルPXの位置を露光調整部195に通知する。例えば、フリッカは、信号機、照明または車の前照灯などの光源の発光周期に依存して発生する。
【0029】
露光調整部195は、フリッカ検出部194からフリッカの発生の通知を受けた場合、駆動部191に、フリッカが発生した画素セルPXを含む画素列(X)の駆動頻度(すなわち、露光回数)を通常より高くさせる露光調整処理を実施する。駆動部191は、フリッカが発生した画素セルPXを含む画素列(X)に対応するリセット信号RSTおよび選択信号SELの駆動頻度を通常より高く設定する。これにより、図6で説明するように、フリッカが検出された画素セルPXを含む画素列(X)の露光時間が、他の画素列(X)の露光時間より長く設定される。
【0030】
なお、フリッカ検出部194および露光調整部195は、動作制御部196に搭載される代わりに画像処理装置10に搭載されてもよい。この場合、取得部51を介して画像データを取得した画像処理装置10のフリッカ検出部194は、フリッカの発生を検出する。画像処理装置10の露光調整部195は、フリッカ検出部194からフリッカの発生の通知を受けた場合、動作制御部196に制御情報を出力する。そして、動作制御部196は、駆動部191を制御して、フリッカが発生した画素セルPXを含む画素列(X)の駆動頻度を通常より高くさせる。
【0031】
図4は、図2の画像処理装置10の構成の一例を示す。なお、図2の情報処理装置11の構成も、図4と同様である。画像処理装置10は、バスBUSで相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)20、インタフェース装置21、ドライブ装置22、補助記憶装置23およびメモリ装置24を有する。
【0032】
CPU20は、メモリ装置24に格納された画像処理プログラムを実行することで、後述する各種の画像処理を実行する。インタフェース装置21は、図示しないネットワークに接続するために使用される。補助記憶装置23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等であり、画像処理プログラム、画像データおよび画像処理に使用する各種パラメータ等を保持する。
【0033】
メモリ装置24は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等であり、補助記憶装置23から転送される画像処理プログラム等を保持する。ドライブ装置22は、記録媒体30を接続するインタフェースを有し、例えば、CPU20からの指示に基づいて、記録媒体30に格納された画像処理プログラムを補助記憶装置23に転送する。なお、ドライブ装置22は、補助記憶装置23に記憶された画像データ等を記録媒体30に転送してもよい。
【0034】
図5は、図1の撮像装置19が取得した画像IMGの一例を示す。例えば、図5は、移動体200の前方に設置された撮像装置19eにより取得される。なお、符号L1-L11は、参考用に付加した画素列(X)のライン番号を示しており、画像IMGには含まれない。なお、説明の簡単化のため、画素列(X)は、画像IMGの上下方向に拡大して示されている。
【0035】
図5の画像には、道路を走行する2台の車両、信号機および樹木が含まれる。信号機は、画像IMGの左側から順に並ぶ青色灯、黄色灯および赤色灯を有する。図5の例では、色の濃い青色灯および黄色灯は、消灯していることを示し、色の薄い赤色灯は、点灯していることを示す。例えば、青色灯、黄色灯および赤色灯は、LED(Light Emitting Diode)光源を使用して点灯される。LED光源は、所定の周期で点滅を繰り返すため、フリッカの発生要因になる。
【0036】
図3のフリッカ検出部194は、信号機の点灯している赤色灯のフリッカを検出し、赤色灯を含むライン番号L3、L4を露光調整部195に通知する。露光調整部195は、フリッカ検出部194からの通知に基づいて、駆動部191に対して、ライン(画素列(X))L3、L4の露光時間を他のラインの露光時間より増加させる制御を実施する。例えば、露光時間の増加は、1フレーム期間での露光回数を増加することにより行われる。
【0037】
図6は、図3のフリッカ検出部194がフリッカを検出していない場合の撮像装置19の動作の一例を示す。図6においても、撮像装置19は、64画素を有するとする。そして、撮像装置19は、1フレーム期間に、全てのラインL1-L8の画素セルPXを順次露光させるローリングシャッタ方式により画像を取得する。
【0038】
フリッカが発生していない場合、図3の駆動部191は、ハイレベルパルスのリセット信号RST(RST1-RST8)を順次出力する。リセット信号RSTは、ラインL1-L8間で重複しないように生成される。リセット信号RSTを受けた画素セルPXの蓄積ノードは、リセットされた後、フォトダイオードからの電荷を蓄積する。
【0039】
また、駆動部191は、リセット信号RSTの出力から露光時間EXPTの経過後に選択信号SEL(SEL1-SEL8)を所定の期間ハイレベルに設定する。選択信号SELは、ラインL1-L8間で重複しないように生成される。図3の読み出し部192は、ハイレベルの選択信号SELに応じて、対応する画素セルPXから出力される出力電圧を増幅し、読み出しデータRDを生成する。
【0040】
そして、撮像装置19は、順次生成する読み出しデータRDを画像データとして図2の画像処理装置10等に出力する。例えば、画像データは、図2の表示装置12の画面に表示する画像である1フレーム毎に撮像装置19から画像処理装置10に出力されてもよい。画像処理装置10は、撮像装置19から受けた画像データの画像処理を実施する。
【0041】
図7は、図3のフリッカ検出部194がフリッカを検出した場合の撮像装置19の動作の一例を示す。図6と同様の要素については、詳細な説明は省略する。図7では、図5の画像IMGにおいて、ラインL3、L4の画像でフリッカが検出されたときの動作の例が示される。
【0042】
図3の駆動部191は、露光調整部195による制御に基づいて、フリッカが検出されたラインL2、L3に対応するリセット信号RSTおよび選択信号SELの生成回数を図6に示した生成回数より増加する。なお、リセット信号RSTは、互いに重複しないように生成され、選択信号SELは、互いに重複しないように生成される。
【0043】
これにより、図7に斜線の矩形で示すように、ラインL2、L3からの読み出しデータRDが追加される。読み出し部192は、駆動部191による画素セルアレイ190の駆動毎に、ラインL2、L3の各々において、複数の読み出しデータRDを合成して画像データとして画像処理装置10に出力する。すなわち、1フレーム期間において、ラインL2、L3の露光時間は、露光回数を多くすることで、他のラインの露光時間より増加される。露光時間の増加により、ラインL2、L3で発生しているフリッカを局所的に抑制することができる。
【0044】
なお、露光時間が増加されたラインL2、L3の画像の輝度は、他のラインの画像の輝度より高くなる。このため、撮像装置19は、ラインL2、L3の露光時間の増加比に応じて、ラインL2、L3の画像データの画素値を減少させるゲイン調整処理を実施してもよい。
【0045】
図8は、図3の撮像装置19の動作の一例を示す。すなわち、図8は、撮像装置19の画像処理方法の一例を示す。例えば、図8に示す動作は、撮像装置19に搭載されるCPUが実行する制御プログラムにより実現されてもよく、撮像装置19に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。図8に示す動作は、例えば、電源の投入により撮像装置19が起動されたことに基づいて開始される。
【0046】
まず、ステップS100において、撮像装置19の動作制御部196は、駆動部191および読み出し部192を制御して画像データを1フレーム毎に取得する。次に、ステップS102において、フリッカ検出部194は、取得した画像データを、例えば、少なくとも1フレーム前の画像データと比較することで、フリッカの有無を検出する。
【0047】
動作制御部196は、フリッカ検出部194がフリッカを検出した場合、ステップS104、S106、S108と、ステップS110、S112とを並列に実施する。動作制御部196は、フリッカ検出部194がフリッカを検出しない場合、ステップS116を実施する。なお、撮像装置19の起動後の最初の所定フレームでのステップS102の処理では、動作制御部196は、フリッカを検出していないと判定し、ステップS116を実施してもよい。
【0048】
ステップS104において、動作制御部196は、露光を追加する追加ラインを選択する。図5および図7に示した例では、追加ラインは、L3、L4である。次に、ステップS106において、動作制御部196は、追加ラインに対する追加の露光を実施する。次に、ステップS108において、動作制御部196は、追加ラインに対する追加の読み出しを実施した後、ステップS114を実行する。
【0049】
ステップS110において、動作制御部196は、通常の露光を実施する。次に、ステップS112において、動作制御部196は、通常の読み出しを実施した後、ステップS114を実行する。なお、ステップS110およびS112の動作は、図7に示したように、ローリングシャッタ方式により実施され、ステップS106およびS108の動作はステップS110およびS112の動作と並列に実施される。
【0050】
ステップS114において、動作制御部196は、追加の読み出しおよび通常の読み出しで取得した画像データを合成して1フレームの画像データを生成する。例えば、動作制御部196は、追加の読み出しで得られた画像データの画素値と、通常の読み出しで得られた画像データの画素値とを加算することで、画像データを生成する。
【0051】
なお、動作制御部196は、画素値の加算に代えて画素値の平均化などの処理を実施してもよい。さらに、動作制御部196は、画素値の加算または平均化を、フリッカを検出した領域付近のみで実施してもよい。
【0052】
一方、フリッカを検出しない場合、ステップS116において、動作制御部196は、図6に示したように、ローリングシャッタ方式による通常の露光を実施する。次に、ステップS118において、動作制御部196は、画素セルアレイ190からの画素情報の通常の読み出しを実施して1フレームの画像を生成した後、ステップS120を実行する。
【0053】
ステップS120において、動作制御部196は、ステップS114またはステップS118で生成した1フレームの画像データを画像処理装置10等に出力する。次に、ステップS122において、動作制御部196は、画像の取得処理を終了するか否かを判定する。動作制御部196は、画像の取得処理を終了する場合、図8に示す動作を終了する。動作制御部196は、画像の取得処理を継続する場合、ステップS100の動作を実施する。
【0054】
なお、フリッカの検出時に実施されるステップS114の画像データの合成処理は、画像処理装置10で実施されてもよい。この場合、動作制御部196は、フリッカの検出時、ステップS120において、通常の読み出しで得られた画像データに加えて、追加の読み出しで得られた画像データをライン番号Lとともに画像処理装置10に出力する。さらに、図8に示す処理が、画像処理装置10で実施されてもよい。
【0055】
以上、この実施形態では、フリッカの検出に基づいて、フリッカを抑制する画像処理をフリッカが発生したラインで局所的に実施することができる。これにより、例えば、画素セルアレイ190の全体で露光時間を増加することでフリッカを抑制する場合に比べて、移動する被写体の画像がぶれるなどの副作用を抑制することができる。例えば、図5に示した画像IMGでは、フリッカの抑制処理により、信号機に向かって走行している車両のぶれの発生を抑制することができる。
【0056】
また、フリッカを抑制する画像処理を局所的に実施することで、フリッカを抑制する画像処理を1フレームの画像データの全体で実施する場合に比べて、動作制御部196による画像処理の負荷を、軽減することができる。さらに、撮像装置19により、フリッカを軽減する画像処理を実施するため、画像処理装置10による画像処理の負荷の増加を抑制することができる。また、既存の画像処理装置10を使用して画像処理システム100を構築することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態の画像処理システムに含まれる撮像装置の構成の一例を示す。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。画像処理システム100において、撮像装置19Aを除く構成は、図1図2および図4と同様である。例えば、図1の撮像装置19a-19eのうち、少なくとも撮像装置19eは、図9に示す撮像装置19Aに置き換えられる。
【0058】
撮像装置19Aは、図3の動作制御部196の代わりに、露光調整部195を持たない動作制御部196Aを有する。撮像装置19Aは、図3の読み出し部192の代わりに読み出し部192Aを有する。撮像装置19Aのその他の構成は、図3の撮像装置19の構成と同様である。
【0059】
撮像装置19Aは、ローリングシャッタ方式により画像を取得する機能を有する。但し、撮像装置19Aは、図6に示した通常のローリングシャッタ方式に比べて露光時間EXPTの露光処理を1フレームの間に複数回、例えば2回実行するように設定する機能を有する。動作制御部196Aは、フリッカ検出部194Aがフリッカの発生を検出しない画素列(X)において、1回分の露光時間EXTPで取得される画素情報を読み出し部192Aに選択させる。動作制御部196Aは、フリッカ検出部194Aがフリッカの発生を検出した画素列(X)において、2回分の露光時間EXTPで取得される画素情報を読み出し部192Aに選択させる。なお、1フレームの間に複数回実行する露光処理において、それぞれの露光時間が異なっていてもよい。
【0060】
図10は、図9の撮像装置19Aの動作の一例を示す。図7と同様の動作については、詳細な説明は省略する。撮像装置19Aの動作制御部196Aは、ラインL1-L8毎にリセット信号RSTと選択信号SELのペアを2回生成する制御を実施する。1フレーム期間に各ラインL1-L8が複数回(2回)駆動されるため、読み出し部192は、1フレーム期間に各ラインL1-L8から画素情報を複数回受ける。このため、1フレーム期間に取得される読み出しデータRDに含まれる画素セルPX毎の画素値は、図6に示した通常のローリングシャッタ方式での1フレーム期間に取得される画素値の2倍になる。
【0061】
なお、各ラインL1-L8においてリセット信号RSTの生成周期および選択信号SELの生成周期は、1フレーム期間の半分に設定される。これにより、各ラインL1-L8における画素セルPXの露光間隔を均等かつ設定可能な最大間隔に設定することができる。したがって、図11で説明する読み出しデータ(画素値)の合成により、フリッカの発生を抑制することができる。なお、図10に示す読み出しデータRDにおいて、白抜きの矩形は、通常の露光による読み出しデータRDを示し、斜線の矩形は、追加の露光による読み出しデータRDを示す。
【0062】
図11は、図9の撮像装置19Aの動作の一例を示す。すなわち、図11は、撮像装置19Aの画像処理方法の一例を示す。図8と同様の動作については同じステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。例えば、図11に示す動作は、撮像装置19に搭載されるCPUが実行する制御プログラムにより実現されてもよく、撮像装置19に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。図8に示す動作は、例えば、電源の投入により撮像装置19が起動されたことに基づいて開始される。
【0063】
この実施形態では、まず、ステップS106、S110において、動作制御部196Aは、追加の露光と通常の露光とを並列(交互)に実施する。次に、ステップS108、S112において、動作制御部196Aは、追加の読み出しと通常の読み出しを並列(交互)に実施する。すなわち、動作制御部196は、ステップS106、S108、S110、S112により、図10に示した動作を実施する。
【0064】
次に、ステップS102Aにおいて、フリッカ検出部194は、ステップS108、S112で取得した画像データを、例えば、少なくとも1フレーム前の画像データと比較することで、ライン毎にフリッカの発生の有無を検出する。動作制御部196Aは、フリッカ検出部194がフリッカの発生を検出したラインに対してステップS104Aを実施する。動作制御部196Aは、フリッカ検出部194がフリッカの発生を検出しないラインに対してステップS120を実施する。
【0065】
すなわち、動作制御部196Aは、フリッカの発生を検出しないラインに対してステップS114Aによる画像データの合成を行わない。そして、動作制御部196Aは、読み出し部192Aがライン毎に画素セルアレイ190から複数回の受ける画素情報のうちの一部である通常の読み出しで得られた画像データを出力する。なお、撮像装置19の起動後の最初の所定フレームでのステップS102Aの処理では、動作制御部196は、全ての画素列(X)でフリッカの発生を検出しないと判定し、ステップS120を実施してもよい。
【0066】
ステップS104Aにおいて、動作制御部196Aは、フリッカの発生を検出した画素列(X)のラインを選択する。例えば、図5に示した例では、ラインL3、L4が選択される。なお、動作制御部196Aは、選択したラインにおいて、追加の露光時間の増加比に応じて画素値を減少させるゲイン調整処理を実施してもよい。また、動作制御部196Aは、選択したラインにおいて、画素値の加算に代えて画素値の平均化などの処理を実施してもよい。さらに、動作制御部196は、画素値の加算または平均化を、フリッカを検出した領域付近のみで実施してもよい。
【0067】
次に、ステップS114Aにおいて、動作制御部196Aは、ステップS104Aで選択したラインLについて、読み出し部192Aに、通常の露光と追加の露光とでそれぞれ取得される画像データを合成させ、2回分の露光時間EXTPの画像データを生成させる。露光時間EXTPを2倍にすることで、フリッカの発生を抑制することができる。動作制御部196Aは、ステップS114Aの後、ステップS120を実施する。
【0068】
ステップS120において、動作制御部196Aは、読み出し部192Aが生成した1フレームの画像データを画像処理装置10等に出力させる。なお、動作制御部196Aは、フリッカの発生を検出しない画素列(X)に対して、読み出し部192Aに、通常の露光で取得される画像データ(1回分の露光時間EXTPの画像データ)を生成させる。
【0069】
次に、ステップS122において、動作制御部196Aは、画像の取得処理を終了するか否かを判定する、動作制御部196Aは、画像の取得処理を終了する場合、図11に示す動作を終了する。動作制御部196Aは、画像の取得処理を継続する場合、ステップS106、S110の動作を実施する。
【0070】
なお、ステップS102A、S104A、S114Aの処理は、画像処理装置10で実施されてもよい。この場合、動作制御部196Aは、フリッカの判定を実施しない。そして、動作制御部196A、読み出し部192Aに、全ての画素列(X)について、通常の露光と追加の露光とでそれぞれ取得される画像データを合成させ、2回分の露光時間EXTPの画像データを生成させ、ステップS120の処理を実施させる。
【0071】
以上、この実施形態においても上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、フリッカの検出に基づいて、フリッカを抑制する画像処理をフリッカが発生したラインで局所的に実施することができる。これにより、例えば、画素セルアレイ190の全体で露光時間を増加することでフリッカを抑制する場合に比べて、移動する被写体の画像がぶれるなどの副作用を抑制することができる。
【0072】
さらに、この実施形態では、動作制御部196Aは、フリッカ検出部194Aによるフリッカの検出の有無によらず、図10に示した動作を常に実施する。すなわち、動作制御部196Aは、フリッカ検出部194Aによるフリッカの検出の有無に応じて図6および図7に示した動作を切り替えなくてよい。これにより、動作制御部196Aの構成を図3の動作制御部196の構成に比べて簡易にすることができる。例えば、図3の露光調整部195を不要にできる。
【0073】
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態の画像処理システムに含まれる撮像装置の構成の一例を示す。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。画像処理システム100において、撮像装置19Bを除く構成は、図1図2および図4と同様である。例えば、図1の撮像装置19a-19eのうち、少なくとも撮像装置19eは、図12に示す撮像装置19Bに置き換えられる。
【0074】
撮像装置19Bは、図3の動作制御部196の代わりに、フリッカ検出部194および露光調整部195を持たない動作制御部196Bを有する。撮像装置19Bは、図3の読み出し部192の代わりに読み出し部192Bを有する。また、撮像装置19Bは、読み出し部192Bとバス193との間に画像合成部197Bを有する。撮像装置19Bのその他の構成は、図3の撮像装置19の構成と同様である。
【0075】
撮像装置19Bは、図9の撮像装置19Aと同様に、図6に示した通常のローリングシャッタ方式に比べて露光時間EXPTの露光処理を1フレームの間に複数回、例えば2回実行するように設定する機能を有する。動作制御部196Bは、駆動部191および画像合成部197B等の撮像装置19Bの全体の動作を制御し、撮像装置19Bを図10と同様のタイミングで動作させる。なお、1フレームの間に複数回実行する露光処理において、それぞれの露光時間が異なっていてもよい。
【0076】
読み出し部192Bは、図10に示したように、通常の露光による読み出しデータRDと、追加の露光による読み出しデータとを交互に取得し、取得した読み出しデータRDを画像合成部197Bに出力する。画像合成部197Bは、読み出し部192Bからの2通りの読み出しデータRDを使用して、画素毎に画素値の合成処理を実施する。画像合成部197Bは、画素値を合成することにより生成した画像データをバスを介して画像処理装置10に出力する。画素値の合成処理については、図13で説明される。
【0077】
図13は、図12の画像合成部197Bの一例を示す。画像合成部197Bは、差分計算部41、合計値計算部42、合成ゲイン計算部43、ブレンド率計算部44およびブレンド処理部45を有する。例えば、画像合成部197Bは、図13に示す構成を複数有しており、複数の画素の画素値の合成処理を並列に実施する。差分計算部41、合計値計算部42およびブレンド率計算部44は、取得タイミングが異なる複数の画像データに基づいてフリッカが発生したフリッカ領域を検出するフリッカ検出部の一例である。ブレンド処理部45は、フリッカ領域において取得タイミングが異なる複数の画像データを合成する合成処理部の一例である。
【0078】
図13において、符号F[n]は、通常の露光による画素毎の画素値を示し、符号F[n+1]は、追加の露光による画素毎の画素値を示す。通常の露光および追加の露光は、図10で説明した通常の露光および追加の露光と同じである。以下では、符号F[n]は、画素値F[n]または通常画素値F[n]と称され、符号F[n+1]は、画素値F[n+1]または追加画素値F[n+1]と称される。
【0079】
差分計算部41は、画素値F[n]と、画素値F[n+1]に露光比Dを乗じた値との差の絶対値(abs)を差分DIFとして計算する。なお、差分DIFが大きい画素ほど移動体の画像である可能性が大きい。
【0080】
露光比Dは、通常の露光による通常露光時間NEXPTと追加の露光による追加露光時間AEXPTとの露光比NEXPT/AEXPTである。図10では、露光比D(NEXPT/AEXPT)は、"1"である。露光比Dを使用することで、追加露光時間AEXPTを通常露光時間NEXPTと同じ重み付けにして差分DIFを計算することができる。
【0081】
例えば、1フレーム当たりの追加露光時間AEXPTが1フレーム当たりの通常露光時間NEXPTと等しい場合、露光比D="1"のため、追加露光時間AEXPTの重みは、通常露光時間NEXPTと同じになる。1フレーム当たりの追加露光時間AEXPTが1フレーム当たりの通常露光時間NEXPTの2倍の場合、露光比D="0.5"のため、追加露光時間AEXPTの重みは、通常露光時間NEXPTの2分の1に設定される。
【0082】
合計値計算部42は、画素値F[n]、F[n+1]の和を合計値Mとして計算する。合成ゲイン計算部43は、通常露光時間NEXPTと追加露光時間AEXPTとの合計に対する通常露光時間NEXPTの比NEXPT/(NEXPT+AEXPT)を合成ゲインKとして計算する。図10では、合成ゲインKは、"0.5"である。
【0083】
例えば、1フレーム当たりの追加露光時間AEXPTが1フレーム当たりの通常露光時間NEXPTと等しい場合、画素値F[n]、F[n+1]の加算により画素値(輝度)は2倍になる。この場合、合成ゲインKは、"0.5"に設定され、加算により増加する画素値F[n2]が、加算しない場合の画素値に変換される。
【0084】
1フレーム当たりの追加露光時間AEXPTが1フレーム当たりの通常露光時間NEXPTの3倍の場合、画素値F[n]、F[n+1]の加算により画素値(輝度)は4倍になる。この場合、合成ゲインKは、"0.25"に設定され、加算により増加する画素値F[n2]が、加算しない場合の画素値に変換される。
【0085】
ブレンド率計算部44は、式(1)を使用して、差分DIFと合計値Mとに基づいて画素値F[n]、F[n+1]のブレンド率αを計算する。
α=2-DIFr*Mr …(1)
【0086】
式(1)において、比DIFrは、差分DIFが閾値VT1以下のときに"0"になり、差分DIFが閾値VT2以上のときに"1"になる。比DIFrは、差分DIFが閾値VT1と閾値VT2との間にあるとき"0"から"1"に徐々に増加する。式(1)において、比Mrは、合計値Mが閾値VT3以下のときに"0"になり、合計値Mが閾値VT4以上のときに"1"になる。比Mrは、合計値Mが閾値VT3と閾値VT4との間にあるとき"0"から"1"に徐々に増加する。
【0087】
これにより、ブレンド率αは、差分DIFが閾値VT1以下または合計値Mが閾値VT3以下のときに"2"になる。ブレンド率αは、差分DIFが閾値VT2以上、かつ、合計値Mが閾値VT4以上のときに"1"になる。差分DIFおよび合計値Mが、それ以外の場合、ブレンド率αは、"1"より大きく、"2"より小さい値になる。
【0088】
ブレンド処理部45は、式(2)を使用して、例えば、通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とを画素毎にブレンドし、画素値F[n2]を生成する。式(2)において、符号*を乗算符号を示す。
F[n2]=F[n]*α*K+F[n+1]*(2-α)*K …(2)
【0089】
式(2)より、ブレンド率αが大きいほど、ブレンド後の画素値F[n2]に占める通常画素値F[n]の比が相対的に大きくなる。ブレンド率αが小さいほど、ブレンド後の画素値F[n2]に占める通常画素値F[n]の比が相対的に小さくなる。
【0090】
図14は、図13の画像合成部197Bの動作の一例を示す。図14に示す動作では、図5に示した画像データIMGが使用される。F[n]に示す画像は、通常画素値F[n]を使用したときに生成される画像を示す。F[n]に示す画像は、通常画像とも称される。
【0091】
F[n+1]に示す画像は、追加画素値F[n+1]を使用したときに生成される画像を示す。F[n+1]に示す画像は、追加画像とも称される。F[n]+F[n+1]に示す画像は、通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とを加算したときに生成される画像を示す。F[n]+F[n+1]示す画像は、合成画像とも称される。
【0092】
信号機の画像は、フリッカの発生により、通常画像または追加画像の一方で赤色灯が消灯状態になる場合がある。合成画像では、赤色灯が点灯状態になる。このため、フリッカが発生しやすい条件下で撮影された画像は、星印で示す合成画像が使用されることが好ましい。また、信号機の画像おいて、合計値Mの画素値と差分値DIFの画素値とは、赤色灯の領域で両方大きくなり、赤色灯以外の領域で両方小さくなる。
【0093】
このため、フリッカは、合計値Mの画素値と差分値DIFの画素値との両方が大きいときに発生しやすいことが分かる。したがって、図3のブレンド率計算部44は、差分DIFが閾値VT2以上で合計値Mが閾値VT4以上の画素領域を、フリッカが発生したフリッカ領域と判定していることになる。以上より、理想的なブレンド率αは、"1.0"になる。
【0094】
車両(動体)の画像は、通常画像および追加画像では正常であるが、合成画像では車両の移動によるぶれ(残像)が発生する場合がある。このため、例えば、動体の画像では、星印で示す通常画像が使用されることが好ましい。また、動体の画像において、合計値Mの画素値は全ての領域で小さくなる。差分値DIFの画素値は、車両の領域で大きくなり、車両以外の領域で小さくなる。このため、動体による画像のぶれは、合計値Mの画素値が小さく、差分値DIFの画素値が大きいときに発生しやすいことが分かる。したがって、ブレンド率計算部44は、差分DIFが閾値VT2以上で合計値Mが閾値VT3以下の画素領域を、動体を含む動体領域と判定していることになる。以上より、理想的なブレンド率αは、"2.0"になる。
【0095】
静止物体の画像は、通常画像、追加画像および合成画像の全てで正常である。また、静止物体の画像において、合計値Mの画素値は全ての領域で小さくなり、差分値DIFの画素値は、全ての領域で小さくなる。このため、静止物体には、通常画像、追加画像または合成画像のいずれが使用されてもよい。ここでは、静止物体の画像では、星印で示す通常画像が使用されることが好ましいとしている。また、静止物体の画像の理想的なブレンド率αを2.0としているが、任意のブレンド率αでよい。したがって、ブレンド率計算部44は、差分DIFが閾値VT1以下で合計値Mが閾値VT3以下の画素領域を、静止物体を含む静止領域と判定していることになる。
【0096】
図13に示した画像合成部197Bにより、通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とを合成して画素値F[n2]を生成することで、フリッカが抑制され、かつ、動体のぶれが抑制された画像データを生成することができる。この際、フリッカ検出部および動体検出部を使用することなく、フリッカが抑制され、かつ、動体のぶれが抑制された画像データを生成することができる。画素値F[n2]の生成は、画素単位で実施されるため、図5に示したように、1つのラインで取得される画像データに信号機と動体と静止物体とが含まれる場合にも、それぞれの画像に適した合成処理を実施することができる。
【0097】
例えば、画像合成部197Bは、差分DIFが大きく、合計値Mが大きい画素は、フリッカの発生の可能性が大きいため、ブレンド率αを"1.0"に設定し、通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とをブレンドする。画像合成部197Bは、差分DIFが大きく、合計値Mが通常以下の画素は、動体の可能性が大きいため、ブレンド率αを"2.0"に設定し、通常画素値F[n]をブレンド後の画素値F[n2]として出力する。画像合成部197Bは、差分DIFが小さく、合計値Mが通常以下の画素は、静止物体(通常被写体)の可能性が大きい。この場合、ブレンド率αは、"1.0"または"2.0"のいずれに設定されてもよい。しかしながら、ブレンド処理部45の計算量を抑制し、計算誤差を小さくするため、ブレンド率αは、"2.0"に設定されることが好ましい。
【0098】
なお、画像合成部197Bは、画素単位で合成処理を実施するため、フリッカの発生した画像およびぶれが発生した画像を局所的に処理することができる。換言すれば、フリッカが発生していない画像領域およびぶれが発生していない画像領域の画質が、合成処理の影響を受けて劣化することを抑制することができる。
【0099】
なお、図12および図13では、画像合成部197Bが撮像装置19Bに設けられる例が説明されたが、画像合成部197Bは、画像処理装置10に設けられてもよい。この場合、撮像装置19Bは、通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とのそれぞれを画像データとして画像処理装置10に出力する。
【0100】
以上、この実施形態においても上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、画素単位で通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とを合成して画素値F[n2]を生成することができる。これにより、図5に示したように、1つのラインで取得される画像データに信号機と動体と静止物体とが含まれる場合にも、それぞれの画像に適した合成処理を実施することができる。
【0101】
また、図13に示した画像合成部197Bにより、通常画素値F[n]と追加画素値F[n+1]とを合成して画素値F[n2]を生成することで、フリッカが抑制され、かつ、動体のぶれが抑制された画像データを生成することができる。この際、フリッカ検出部および動体検出部を使用することなく、フリッカが抑制され、かつ、動体のぶれが抑制された画像データを生成することができる。
【0102】
(第4の実施形態)
図15は、第4の実施形態の画像処理システムに含まれる撮像装置の構成の一例を示す。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。画像処理システム100において、撮像装置19Cを除く構成は、画像処理装置10の代わりに画像処理装置10Cが設けられることを除き、図1図2および図4と同様である。例えば、図1の撮像装置19a-19eのうち、少なくとも撮像装置19eは、図15に示す撮像装置19Cに置き換えられる。
【0103】
撮像装置19Cは、図12の動作制御部196Bの代わりに、動作制御部196Cを有する。また、撮像装置19Cは、図12の画像合成部197Bを持たない。撮像装置19Aのその他の構成は、図3の撮像装置19および図12の撮像装置19Bの構成と同様である。すなわち、撮像装置19Cは、ローリングシャッタ方式により画像を取得する機能を有する。
【0104】
画像処理装置10Cは、取得部51、画像合成部52Cおよび切り替え制御部53Cを有する。取得部51は、撮像装置19Cから出力される画像データをフレーム毎に取得する。画像合成部52Cは、取得部51が取得した画像データを使用して画像データの合成処理を実施する。切り替え制御部53Cは、撮像装置19Cのフレームレートを切り替える切り替え信号を撮像装置19Cに出力する。
【0105】
動作制御部196Cは、駆動部191および読み出し部192を制御して画像データを1フレーム毎に取得する。また、動作制御部196Cは、切り替え制御部53Cから切り替え信号に応じて、撮像装置19Cのフレームレートを切り替える。
【0106】
図16は、図15の画像合成部52Cの一例を示す。図13と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0107】
画像合成部52Cは、差分計算部41C、合計値計算部42、合成ゲイン計算部43C、ブレンド率計算部44Cおよびブレンド処理部45を有する。合計値計算部42およびブレンド処理部45の構成および機能は、図16の合計値計算部42およびブレンド処理部45の構成および機能と同様である。画像合成部52Cは、図16に示す構成を複数有しており、複数の画素の画素値の合成処理を並列に実施する。差分計算部41C、合計値計算部42およびブレンド率計算部44Cは、複数のフレームの画像データに基づいてフリッカが発生したフリッカ領域を検出するフリッカ検出部の一例である。
【0108】
差分計算部41Cは、画素値F[n]と画素値F[n+1]との差の絶対値(abs)を差分DIFとして計算する。合成ゲイン計算部43Cは、撮像装置19Cが撮影する被写体領域のシーンの明るさに応じて、合成ゲインKを計算する。合成ゲインKの計算方法は、図17で説明される。例えば、シーンの明るさは、移動体200または撮像装置19Cに搭載される照度計により計測されてもよい。
【0109】
ブレンド率計算部44Cは、式(3)を使用して、差分DIFと合計値Mとに基づいてフレームF[n]、F[n+1]の画素値のブレンド率αを計算する。比DIFrおよび比Mrは、図13と同様に求められる。符号MINは、"2-DIFr*Mr"と"1/K"のうちの小さい方を選択することを示す。式(3)は、ブレンド率αが"1/K"より大きくならないようにクリップする条件が式(1)に追加されている。すなわち、ブレンド率αの最小値は、"1/K"でクリップされる。
α=MIN(2-DIFr*Mr,1/K) …(3)
【0110】
ブレンド処理部45は、ブレンド率計算部44Cが計算したブレンド率αを使用して、上述した式(2)を使用して、例えば、互いに隣接する奇数フレームF[n]と偶数フレームF[n+1]との画素値を画素毎にブレンドする。そして、ブレンド処理部45は、画素値F[n2]を生成する。
【0111】
図17は、図16の合成ゲイン計算部43Cが計算する合成ゲインKと、シーンの明るさおよびフレームレートとの関係を示す。画像処理装置10Cは、照度計等により計測されるシーンの明るさが所定の閾値より明るい場合、フレームレートを60fps(frames per second)から120fpsに切り替える切り替え信号を撮像装置19Cに出力する。撮像装置19Cは、切り替え信号に基づいてフレームレートを60fpsから120fpsに切り替える。
【0112】
例えば、撮像装置19Cは、フレームレートが60fps(約16.7ms周期)の場合、シーンの明るさに応じて露光時間を11ms以上に設定する。例えば、撮像装置19Cは、内蔵するAE(Auto Exposure)機能を使用して露光時間を求める。また、撮像装置19Cは、フレームレートが120fps(約8.3ms周期)の場合、露光時間を5.5msに固定する。
【0113】
なお、フレームレートが60fpsのときの露光時間の最小値およびフレームレートが120fpsのときの露光時間は、11msと5.5msに限定されない。フレームレートが60fpsのときの露光時間の最小値は、フレームレートが120fpsのときの露光時間の2倍であり、かつ、フリッカの発生が抑制できる露光時間であればよい。
【0114】
なお、11msの露光時間で撮影された画像は、LED光源等のフリッカの発生を抑制することができるが、動体のぶれ(残像)が発生するおそれがある。一方、5.5msの露光時間で撮影された画像は、LED光源等のフリッカが発生するが、動体のぶれ(残像)を軽減することができる。
【0115】
合成ゲイン計算部43Cは、フレームレートが60fpsの期間、合成ゲインKを計算せず、例えば、ゲイン処理をしないことを示す"1"を出力する。この場合、図16の画像合成部52Cの他の要素も動作を停止する。そして、11ms以上の露光時間で撮影された画像のフレームF[n]、F[n+1]のそれぞれの画素値がそのまま画素値F[n2]として出力される。
【0116】
合成ゲイン計算部43Cは、フレームレートが120fpsの期間、シーンが明るくなるにしたがい、合成ゲインKを"1.0"から"0.5"まで徐々に下げることで、画素値が飽和することを抑制する。なお、フレームレートの切り替え時の合成ゲインKを"1.0"とすることで、5.5msの露光時間で撮影された画像のブレンド処理部45による合成時に、露光時間の切り替えによる輝度の変化を抑制することができる。
【0117】
例えば、シーンの明るさが閾値をわずかに超え、フレームレートが60fpsから120fpsに切り替った場合、図17に示すように合成ゲインKは、ほぼ"1"である。このとき、画像中の動体領域において、比DIFrが大きく、比Mrが小さいとする。この場合、図13のブレンド率計算部44では、ブレンド率αが"2"に設定されるが、この実施形態のブレンド率計算部44Cは、"1/K"が"1"がクリップされるため、ブレンド率αを"1"に設定する。
【0118】
ブレンド処理部45は、ブレンド率α="1"に基づいて、フレームF[n]、F[n+1]の動体領域の各画素において、画素値を加算した画素値F[n2]を出力する。フレームレートが120fpsのときのフレームF[n]、F[n+1]の露光時間の合計は、フレームレートが60fpsのときと同じ11msである。このため、フレームレートの切り替わり前後での動体領域の画像の残像は同程度なり、動作制御部196Cは、違和感が少ない画像(F[n2])を出力することができる。
【0119】
これに対して、同じ条件下で"1/K"によるクリップがない場合、ブレンド率αがほぼ"2"になるため、ブレンド処理部45は、フレームF[n]の動体領域の各画素の画素値を2倍して画素値F[n2]として出力する。フレームF[n]の露光時間は5.5msであり、フレームレートの切り替え前のフレームF[n]の露光時間(11ms)の半分である。このため、フレームレートの切り替わり後に動体領域の画像の残像が急に減り、違和感のある画像(F[n2])が出力されるおそれがある。
【0120】
なお、シーンの明るさが閾値より十分に大きい場合、"1/K"は、ほぼ"2"になる。このため、ブレンド率計算部44Cが計算するブレンド率αは、式(2)中の"2-DIFr*Mr"に基づいて、画像の特性に依存して"1.0"から"2.0"間で適切に変化する。シーンが明るくなるにつれて合成ゲインKが徐々に変化するため、合成ゲインKが急に切り替わることによる違和感は抑制される。
【0121】
図18は、図16の画像処理装置10Cの動作の一例を示す。すなわち、図18は、画像処理装置10Cの画像処理方法の一例を示す。例えば、図18に示す動作は、画像処理装置10Cに搭載されるCPU20(図4)が実行する画像処理プログラムにより実現されてもよく、画像処理装置10Cに搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。図18に示す動作は、例えば、電源の投入により画像処理装置10Cが起動されたことに基づいて開始される。
【0122】
まず、ステップS200において、画像処理装置10Cは、撮像装置19Cが撮影する被写体領域のシーンの明るさが閾値より小さいか否かを判定する。画像処理装置10Cは、明るさが閾値より小さい場合、ステップS202を実施し、明るさが閾値より大きい場合、ステップS206を実施する。
【0123】
ステップS202において、画像処理装置10Cは、フレームレートを60fpsに設定する切り替え信号を撮像装置19Cに出力する。撮像装置19Cは、切り替え信号に基づいて、シーンの明るさに応じて1フレームの露光時間を11ms以上に設定する。次に、ステップS204において、画像処理装置10Cは、撮像装置19Cから1フレームの画像データを取得する。次に、ステップS206において、画像処理装置10Cは、ステップS204で生成した1フレームの画像データを表示装置12等に出力した後、ステップS214を実施する。
【0124】
一方、ステップS208において、画像処理装置10Cは、フレームレートを120fpsに設定する切り替え信号を撮像装置19Cに出力する。撮像装置19Cは、切り替え信号に基づいて、シーンの明るさにかかわらず1フレームの露光時間を5.5msに設定する。次に、ステップS210において、画像処理装置10Cは、撮像装置19Cから連続する2フレームF[n]、F[n+1]の画像データを取得する。次に、ステップS212において、画像処理装置10Cは、撮像装置19Cから取得した連続する2フレームF[n]、F[n+1]の画像データを合成し、60fpsで表示装置12等に出力する。ステップS212の後、ステップS214が実施される。
【0125】
ステップS214において、画像処理装置10Cは、画像データの取得処理と画像データの出力処理を終了するか否かを判定する。動作制御部196は、画像データの取得処理と画像データの出力処理を終了する場合、図18に示す動作を終了する。動作制御部196は、画像データの取得処理と画像データの出力処理を継続する場合、ステップS200の動作を実施する。
【0126】
図19は、図16の画像合成部52Cの動作の一例を示す。図14と同様の要素については、詳細な説明は省略する。図19に示す動作では、図5に示した画像データが使用される。図19では、F[n]に示す画像は、前画像とも称される。F[n+1]に示す画像は、後画像とも称される。F[n]+F[n+1]に示す画像は、合成画像とも称される。
【0127】
前画像F[n]、後画像F[n+1]および合成画像F[n]+F[n+1]の状態は、フレームが異なる画像であることを除き、図14に示した通常画像F[n]、追加画像F[n+1]および合成画像F[n]+F[n+1]の状態とそれぞれ同様である。このため、合計値Mの特徴、差分DIFの特徴および星印で示す使用されることが好ましい画像は、図14と同様である。
【0128】
但し、この実施形態では、前画像F[n]と後画像F[n+1]において、差分DIFの大きく、合計値Mが小さい画像領域(動体)では、ブレンド率αは"1/K"に設定されることが好ましい。また、前画像F[n]と後画像F[n+1]において、差分DIFと合計値Mとが両方小さい画像領域(静止物体)では、ブレンド率αは"1/K"に設定されることが好ましい。
【0129】
なお、図16に示した画像合成部52Cは、撮像装置19Cに設けられてもよい。この場合、撮像装置19Cにより図17および図18に示した画像の合成が実施され、合成された画像が撮像装置19Cから画像処理装置10C等に出力される。
【0130】
以上、この実施形態においても上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、画像処理装置10Cに設けられる画像合成部52Cを使用して、フレーム内の画像の合成処理が実施される。これにより、図5に示したように、1つのラインで取得される画像データに信号機と動体と静止物体とが含まれる場合にも、それぞれの画像に適した合成処理を実施することができる。
【0131】
また、フレームレートが120fpsの期間、シーンが明るくなるにしたがい、合成ゲインKを1.0から0.5まで徐々に下げることで、フレームレートが120fpsの2つのフレームを合成する場合にも、画素値が飽和することを抑制することができる。シーンが明るくない場合に、フレームレートを60fpsに設定することで、ノイズの発生を抑制することができる。さらに、撮像装置19Cは画像合成部を持たないため、通常の撮像装置19Cを使用して、画像の画素毎にフリッカを抑制し、動体のぶれを抑制することができる。
【0132】
(第5の実施形態)
図20は、第5の実施形態の画像処理システムに含まれる画像合成部52Dの一例を示す。上述した実施形態と同様の要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。画像合成部52Dは、図2の画像処理装置10の代わりに画像処理システム100に搭載される画像処理装置10Dに含まれる。画像処理装置10Dは、図15の画像処理装置10Cの画像合成部52Cの代わりに画像合成部52Dを有することを除き、画像処理装置10Cと同様の構成および機能を有する。
【0133】
画像処理システム100は、画像処理装置10の代わりに画像処理装置10Dが設けられることを除き、図1図2および図4と同様である。また、図1に示した移動体200に搭載される撮像装置19a-19eのうち、少なくとも撮像装置19eは、図示しない撮像装置19Dに置き替えられている。
【0134】
撮像装置19Dは、フレームレートが120fpsに設定される場合、例えば、奇数フレームF[n]で奇数ラインの画像データを出力し、偶数フレームF[n+1]で偶数ラインの画像データを出力する。撮像装置19Dのその他の構成および機能は、図15に示した撮像装置19Cと構成および機能と同様である。
【0135】
なお、フレームレートが120fpsに設定される場合、撮像装置19Dは、例えば、奇数フレームF[n]に偶数ラインの画像データを出力し、偶数フレームF[n+1]に奇数ラインの画像データを出力してもよい。フレームレートが120fpsに設定される場合に撮像装置19Dが出力する奇数フレームF[n]および偶数フレームF[n+1]の画像データの例は、図21に示される。
【0136】
画像合成部52Dは、差分計算部41C、合計値計算部42、合成ゲイン計算部43C、ブレンド率計算部44D、ブレンド処理部45D、フレーム再構成部46Dおよび垂直拡大部47D、48Dを有する。すなわち、画像合成部52Dは、図16の画像合成部52Cのブレンド率計算部44Cおよびブレンド処理部45の代わりに、ブレンド率計算部44Dおよびブレンド処理部45Dを有する。
【0137】
また、画像合成部52Dは、図16の画像合成部52Cに、フレーム再構成部46Dおよび垂直拡大部47D、48Dを追加している。画像合成部52Dは、フレームレートが120fpsのときに、撮像装置19Dから間引かれて出力されるフレームF[n]、F[n+1]の画像データを合成する。差分計算部41C、合計値計算部42およびブレンド率計算部44Dは、フリッカ検出部の一例である。ブレンド処理部45Dは、合成処理部の一例である。垂直拡大部47D、48Dは、補間画像生成部の一例である。
【0138】
フレーム再構成部46Dは、奇数ラインの画像データを含むフレームF[n]と偶数ラインの画像データを含むフレームF[n+1]を使用して全ライン分の画像データを含むフレームFm、Fiをそれぞれ生成する。フレーム再構成部46Dが生成するフレームFm、Fiの画像データの例は、図22に示される。フレームFmの画像データは、第1再構成画像データの一例であり、フレームFiの画像データは、第2再構成画像データの一例である。
【0139】
垂直拡大部47Dは、奇数ラインの画像データを含むフレームF[n]のライン数を増やして、全ライン分の画像データを含むフレームFu[n]を生成する。垂直拡大部48Dは、偶数ラインの画像データを含むフレームF[n+1]のライン数を増やして、全ライン分の画像データを含むフレームFu[n+1]を生成する。垂直拡大部47D、48Dがそれぞれ生成するフレームFu[n]、Fu[n+1]の画像データの例は、図22に示される。フレームFu[n]の画像データは、第1補間画像データの一例であり、フレームFu[n+1]の画像データは、第2補間画像データの一例である。
【0140】
ブレンド率計算部44Dは、ブレンド率αの代わりに、図13および図16でブレンド率αの計算に使用する比DIFrおよび比Mrをブレンド処理部45Dに出力する。ブレンド処理部45Dは、式(4)、(5)、(6)を順次使用して、フレームFm、Fiの画素値からフレームF[n2]の画素値を計算する。
【0141】
Tm=(Fm+Fi)*Mr+2*Fm*(1-Mr) …(4)
Td=2*Fu[n]*DIFr+Tm*(1-DIFr) …(5)
F[2n]=K*Td …(6)
【0142】
式(4)、(5)、(6)を順次使用することで、比Mr、DIFrが1に近い値の画素領域では、フレームFm、Fiの画素値の和(Fm+Fi)がフレームF[n2]の画素値として求められるため、画像中のLED光源等のフリッカの発生を抑制することができる。比Mrが0に近い値、比DIFrが1に近い値の画素領域では、フレームF[n]の2倍の画素値がフレームF[n2]の画素値として求められるため、画像中の動体等のぶれ(残像)を抑制することができる。比Mr、DIFrが両方0に近い値の画素領域では、フレームFmの2倍の画素値がフレームF[n2]の画素値として求められるため、例えば、画像中の静止物体等の解像度を向上することができる。画像合成部52Dの動作の例は、図23で説明される。
【0143】
図21は、フレームレートが120fpsに設定される場合に撮像装置19Dが出力する奇数フレームF[n]および偶数フレームF[n+1]の画像データの一例を示す。なお、簡単化のため、以下では、撮像装置19Dは、フレーム毎に8ライン分(L1-L8)の画像データを生成するとする。
【0144】
撮像装置19Dは、奇数フレームF[n]では、斜線で示す奇数ラインL1、L3、...、L7の画像データを出力する。撮像装置19Dは、偶数フレームF[n+1]では、斜線で示す偶数ラインL2、L4、...、L8の画像データを出力する。なお、図21では、撮像装置19Dの画素配列が、縦2画素、横2画素において、赤色の画素R、緑色の画素Gおよび青色の画素Bが1:2:1の比率で配置されるベイヤー配列である例が示される。しかしながら、撮像装置19Dの画素配列は、ベイヤー配列に限定されない。
【0145】
図22は、図20のフレーム再構成部46Dが生成するフレームFm、Fiの画像データと、垂直拡大部47D、48Dがそれぞれ生成するフレームFu[n]、Fu[n+1]の画像データとの一例を示す。
【0146】
フレームFmの画像データは、撮像装置19Dから出力される間引きされたフレームF[n]のラインL1、L3、L5、L7およびフレームF[n+1]のラインL2、L4、L6、L8を、この順で交互に並べることで生成される。フレームFiの画像データは、撮像装置19Dから出力される間引きされたフレームF[n+1]のラインL2、L4、L6、L8およびフレームF[n]のラインL1、L3、L5、L7を、この順で交互に並べることで生成される。
【0147】
なお、フレームFm、Fiの各ラインの各画素の画素値を加算して得られるフレームFm+Fiでは、互いに隣接する奇数ラインおよび偶数ライン(例えば、L1とL2)の画像データは同じになる。
【0148】
間引きされたフレームF[n]を垂直拡大したフレームFu[n]の画像データは、隣接する奇数ラインの画素値を使用して補完することにより、奇数ラインの間の偶数ラインの画素値が生成される。また、フレームFu[n]の最終ラインL8の画像データは、ラインL7の画素値をコピーすることで生成される。
【0149】
間引きされたフレームF[n+1]を垂直拡大したフレームFu[n+1]の画像データは、隣接する偶数ラインの画素値を使用して補完することにより、偶数ラインの間の奇数ラインの画素値が生成される。また、フレームFu[n+1]の先頭ラインL1の画像データは、ラインL2の画像データをコピーすることで生成される。
【0150】
図23は、図20の画像合成部52Dの動作の一例を示す。図14および図19と同様の要素については、詳細な説明は省略する。図23に示す動作では、図5に示した画像データが使用される。図23では、F[n]、F[n+1]に示す画像は、間引き画像とも称される。合計値Mの特徴および差分DIFの特徴は、図14および図19と同様である。
【0151】
図23に示す星印は、信号機、車両(動体)および静止物体のそれぞれの画像において、画像データの好ましい合成方法を示す。図20で説明されたように、比Mr、DIFrがともに大きい信号機の画像では、フリッカの発生を抑制するために、フレームFm、Fiの画像データを画素毎に加算したフレームFm+Fiの画素値をフレームF[n2]の画素値とすることが好ましい。
【0152】
比Mrが小さく、比DIFrが大きい車両(動体)の画像では、画像のぶれ(残像)を抑制するために、フレームF[n]の画素値をフレームF[n2]の画素値とすることが好ましい。比Mr、DIFrが両方小さい静止物体の画像では、画像の解像度を向上するために、フレームFmの画素値をフレームF[n2]の画素値とすることが好ましい。
【0153】
図24は、フレームレートが120fpsに設定されている場合に撮像装置19Dからの画像データを低速で出力する例を示す。図24において、実線枠で示すラインは、撮像装置19Dから出力される画像データを示す。破線枠で示すラインは、撮像装置19Dから画像データが出力されないことを示す。
【0154】
図24のかぎ括弧内は、撮像装置19Dからの画像データの出力を通常の速度で行う例を示す。通常の速度の場合、奇数フレームF[n]の奇数ラインの画像データがフレームバッファ等のメモリに格納された後、偶数フレームF[n+1]の偶数ラインの画像データがフレームバッファ等のメモリに格納される。すなわち、画像データの出力を通常の速度で行う場合、メモリに格納された奇数フレームF[n]の画像データを使用して、奇数フレームF[n]と偶数フレームF[n+1]との画像データの合成が行われる。
【0155】
これに対して、画像データの出力を低速で行う場合、奇数フレームF[n]の画像データがメモリに順次格納されている最中に、偶数フレームF[n+1]の画像データを撮像装置19Dから出力することが可能になる。このため、奇数フレームF[n]の画像データの全てをメモリに格納することなく、奇数フレームF[n]と偶数フレームF[n+1]との画像データの合成を行うことができる。この結果、メモリの使用量を削減することができる。
【0156】
以上、この実施形態においても上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、撮像装置19Dから画像処理装置10Dにラインを間引いた画像データを出力する。これにより、撮像装置19D内で読み出す画像データのデータ量および画像処理装置10Dに転送する画像データのデータ量を削減しつつ、フリッカが抑制され、動体のぶれが抑制された画像データを生成することができる。また、撮像装置19D内で読み出す画像データのデータ量を削減できるため、撮像装置19Dの消費電力を削減することができる。換言すれば、フレームレートが120fpsに設定される場合の撮像装置19Dの消費電力を、フレームレートが60fpsに設定される場合の撮像装置19Dの消費電力と同等にすることができる。
【0157】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0158】
10、10C、10D 画像処理装置
11 情報処理装置
12 表示装置
13 ECU
14 無線通信装置
15 センサ
16 駆動装置
17 ランプ装置
18 ナビゲーション装置
19(19a、19b、19c、19d、19e) 撮像装置
19B、19C、19D 撮像装置
20 CPU
21 インタフェース装置
22 ドライブ装置
23 補助記憶装置
24 メモリ装置
30 記録媒体
41、41C 差分計算部
42 合計値計算部
43、43C 合成ゲイン計算部
44、44C、44D ブレンド率計算部
45、45D ブレンド処理部
46D フレーム再構成部
47D、48D 垂直拡大部
51 取得部
52C、52D 画像合成部
53C 切り替え制御部
100 画像処理システム
190 画素セルアレイ
191 駆動部
192、192A、192B 読み出し部
193 バス
194、194A フリッカ検出部
195 露光調整部
196、196A、196B、196C 動作制御部
197B 画像合成部
200 移動体
BUS バス
DIF 差分
DIFr 比
EXPT 露光時間
Fi フレーム
Fm フレーム
F[n]、F[n+1] フレーム
F[n2] 画素値
Fu[n]、Fu[n+1]
IMG 画像
K 合成ゲイン
M 合計値
Mr 比
PX 画素セル
RST リセット信号
SEL 選択信号
RD 読み出しデータ
α ブレンド率
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24