(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127831
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】収容部材
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/157 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B23Q3/157 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031758
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】317009525
【氏名又は名称】DGSHAPE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】小川 洋一郎
【テーマコード(参考)】
3C002
【Fターム(参考)】
3C002AA02
3C002HH06
3C002KK04
(57)【要約】
【課題】異なる態様で切削ツールを収容することができる収容部材を提供すること。
【解決手段】収容部材200は、棒状に形成された切削ツール6および切削ツール6を収納する収納ケース8を収容可能であり、切削ツール6を収容可能な複数の第1貫通穴212が形成された第1平面211と、第1平面211とは異なる平面であり、収納ケース8を収容可能な複数の第2貫通穴222が形成された第2平面221と、を備えている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状に形成された切削ツールおよび前記切削ツールを収納する収納ケースを収容可能な収容部材であって、
前記切削ツールを収容可能な複数の第1貫通穴が形成された第1平面と、
前記第1平面とは異なる平面であり、前記収納ケースを収容可能な複数の第2貫通穴が形成された第2平面と、を備えている、収容部材。
【請求項2】
前記第1平面と前記第2平面とを接続する第3平面を備え、
前記第1平面は、前記第2平面より上方に位置し、
前記第1平面は、平面視で前記第2平面と重なる、請求項1に記載の収容部材。
【請求項3】
前記第1貫通穴は、平面視で前記第2貫通穴と重なる、請求項2に記載の収容部材。
【請求項4】
前記第1平面を有する第1板部材と、
前記第2平面を有する第2板部材と、を備え、
前記切削ツールにはアダプタが着脱自在に設けられ、
前記切削ツールが前記第1貫通穴に収容されたとき、前記アダプタは前記第1板部材に接触すると共に、前記切削ツールの先端部は前記第2板部材の下面より上方に位置する、請求項3に記載の収容部材。
【請求項5】
前記切削ツールが前記第1貫通穴に収容されたとき、前記切削ツールの先端部は前記第2板部材の上面より下方に位置する、請求項4に記載の収容部材。
【請求項6】
前記第1貫通穴は、円形状に形成され、
前記第2貫通穴は、矩形状に形成され、
前記第1貫通穴は、前記第2貫通穴より小さい、請求項3から5のいずれか一項に記載の収容部材。
【請求項7】
前記第1平面および前記第2平面には、棒状に形成されたセンシングピンを収容可能な第3貫通穴が形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容部材。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の収容部材と、
複数の前記切削ツールを収納可能なツールストッカと、を備えた切削加工機において、
前記ツールストッカには、前記切削ツールを収納可能な複数の収納孔が形成され、
前記第1貫通穴の配列および前記第2貫通穴の配列と、前記収納孔の配列とは同じである、切削加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容部材に関する。より詳細には、切削ツールを収容可能な収容部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、切削ツールを軸回りに回転させて被切削物を切削加工する切削加工機が知られている。この種の切削加工機として、例えば、特許文献1には、被切削物を切削加工する切削ツールを把持する把持部を有するスピンドルと、被切削物を保持する保持部とを備えた切削加工機が開示されている。切削加工機は、一回の作業で多様な切削加工を自動的かつ連続的に実施するために、切削部形状の異なる複数の切削ツールを自動的に交換する自動刃物交換機能(オートツールチェンジャー,Auto Tool Changer:ATC)を備えている。複数の切削ツールは、例えば、ツールストッカに収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ツールストッカに収容された切削ツールは、ユーザによって管理されている。ユーザは、切削ツールの使用時間や被切削物の種類に応じて、ツールストッカに収容する切削ツールを手動で交換する。このため、ユーザは、予備の切削ツールを保管することがある。切削ツールの保管方法としては、切削ツールをそのままの状態で保管する方法と、切削ツールを収納ケースに収納した状態で保管する方法とが挙げられる。従来は、例えば、複数の切削ツールをそのままの状態で収容する収容部材が用いられていた。かかる収容部材では、切削ツールをそのままの状態でしか収容することができないため、収納ケースに収納した状態で保管するためには、別途スペースが必要になっていた。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる態様で切削ツールを収容することができる収容部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る収容部材は、棒状に形成された切削ツールおよび前記切削ツールを収納する収納ケースを収容可能な収容部材である。前記収容部材は、前記切削ツールを収容可能な複数の第1貫通穴が形成された第1平面と、前記第1平面とは異なる平面であり、前記収納ケースを収容可能な複数の第2貫通穴が形成された第2平面と、を備えている。
【0007】
本発明に係る収容部材によると、切削ツールおよび収納ケースを収容することができる。即ち、収容部材は第1貫通穴が形成された第1平面を有するため、第1貫通穴に切削ツールを収容することができる。また、収容部材は第2貫通穴が形成された第2平面を有するため、第2貫通穴に収納ケースを収容することができる。このように、ユーザは収容部材を用いることによって、切削ツールをそのままの状態で保管することもできるし、切削ツールを収納ケースに収納した状態でも保管することができる。また、切削ツールをそのままの状態で収容する収容部材と、切削ツールを収納ケースに収納した状態で収容する他の収容部材とをそれぞれ用いる場合に比べて、保管スペースが小さくなると共に、使用しない収容部材を管理する必要がなく利便性に優れている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、異なる態様で切削ツールを収容することができる収容部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る切削加工機の斜視図である。
【
図2】
図2は、被切削物およびアダプタの平面図である。
【
図3】
図3は、右方から見た切削加工機の縦断面図である。
【
図4】
図4は、切削装置室および駆動装置室の斜視図である。
【
図6】
図6は、筐体から前方に引き出された引き出しの斜視図である。
【
図10】
図10は、収容部材に切削ツールが収容された状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、収容部材に収納ケースが収容された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る収容部材および収容部材を備えた切削加工機の実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0011】
[切削加工機の構成]
図1は、一実施形態に係る切削加工機10の斜視図である。以下の説明では、切削加工機10を正面から見たときに、切削加工機10から遠ざかる方を前方、切削加工機10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、切削加工機10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。
【0012】
図2は、被切削物1およびアダプタ5の平面図である。本実施形態に係る切削加工機10は、アダプタ5に保持されたディスク状の被切削物1を切削加工する切削加工機である。切削加工機10は、ここでは、被切削物1を切削して、歯科用成形品、例えば、クラウン、ブリッジ、コーピング、インレー、アンレー、ベニア、カスタムアバットメント等の歯冠補綴物や、人工歯、義歯床等を作製する装置である。本実施形態に係る切削加工機10は、クーラントを使用しないドライ式の切削加工機である。
【0013】
被切削物1は、例えば、PMMA、PEEK、ガラス繊維強化樹脂、ハイブリッドレジン等のレジンや、ガラスセラミックス、ジルコニア等のセラミックス材料、コバルトクロムシンターメタル等の金属材料、ワックス、石膏等で構成されている。被切削物1の材料としてジルコニアを用いるときには、例えば、半焼結したジルコニアが用いられる。被切削物1は、平板状に形成されている。ここでは、被切削物1の形状は、ディスク状(円板状)である。ただし、被切削物1は、他の形状、例えばブロック状(例えば立方体状や直方体状)等であってもよい。
【0014】
図2に示すように、アダプタ5は、ディスク状の被切削物1を保持する。アダプタ5は、ここでは、被切削物1に対応する略円形の挿入孔5aが中央部に形成された平板状のアダプタである。被切削物1は、挿入孔5aに挿入されることにより、アダプタ5に保持される。被切削物1は、アダプタ5に保持された状態で切削加工機10に収容され、加工される。
【0015】
図3は、右方から見た切削加工機10の縦断面図である。
図1に示すように、切削加工機10は、箱状に構成された筐体11を有している。筐体11の内部は、アダプタ5(
図2参照)を保持するワークホルダ20が収容された加工室120と、ワークホルダ20を移動させるホルダ移動装置30(
図3参照)が収容された駆動装置室130と、切削装置50(
図3参照)および移動装置60(
図3参照)が収容された切削装置室150(
図3参照)と、ワークチェンジャ70が収容されたチェンジャ室170と、棒状に形成された切削ツール6(
図3参照)をツールストッカ80(
図4参照)に収納するためのツール交換室180と、切削加工機10に用いられる各種部材(例えば切削ツール6やアダプタ5等)を収容する部材収容室190と、を含む複数の空間に区画されている。
【0016】
図1に示すように、加工室120は、筐体11の左下部分に配置されている。加工室120は、筐体11の後端部まで延びている。チェンジャ室170は、加工室120の前方側部分の上方に配置されている。チェンジャ室170は、筐体11の前後方向の中央部まで延びている。チェンジャ室170は、加工室120と連通している。駆動装置室130は、加工室120の右方に配置されている。
図3に示すように、駆動装置室130は、筐体11の後端部まで延びている。ツール交換室180は、駆動装置室130の前方側部分の上方に配置されている。ツール交換室180は、筐体11の前後方向の中央部まで延びている。部材収容室190は、加工室120の右方に配置されている。部材収容室190は、駆動装置室130の下方に配置されている。部材収容室190は、駆動装置室130の前後方向の中央部よりやや後方まで延びている。部材収容室190と駆動装置室130とは隔壁195によって区画されている。なお、駆動装置室130および部材収容室190は加工室120の左方に配置されていてもよい。その場合、ツール交換室180は、チェンジャ室170の左方に配置されていてもよい。切削装置室150は、加工室120および駆動装置室130の上方であってチェンジャ室170、およびツール交換室180の後方に配置されている。切削装置室150は、ここでは、筐体11の左右方向の幅のほぼ全てを占めている。切削装置室150は、加工室120および駆動装置室130と連通している。
【0017】
図1に示すように、加工室120の前面開口部121(
図3参照)には、加工室扉122が開閉自在に設けられている。駆動装置室130の前面開口部131(
図3参照)には、駆動装置室扉132が開閉自在に設けられている。部材収容室190の前面開口部191(
図3参照)には、引き出し192が前後方向に移動自在に設けられている。チェンジャ室170の前面開口部171(
図3参照)には、チェンジャ室扉172が開閉自在に設けられている。ツール交換室180の前面開口部181(
図3参照)には、ツール交換室扉182が開閉自在に設けられている。加工室扉122、チェンジャ室扉172、およびツール交換室扉182には、それぞれ、内部を視認可能なように透明な窓部122a、172a、および182aが設けられている。駆動装置室扉132の前面には、操作パネル110が設けられている。
図3に示すように、筐体11の前面(ここでは、加工室120、駆動装置室130、チェンジャ室170、ツール交換室180および部材収容室190の前面開口部121、131、171、181、191)は、底面に対して斜めに形成されている。筐体11の前面は、後方に傾くように形成されている。
【0018】
ワークホルダ20は、切削ツール6(
図3参照)によって切削される被切削物1を保持する保持装置の一例である。ワークホルダ20は、ここでは、アダプタ5を介して被切削物1を保持する。ただし、ワークホルダ20は、他の部材を介さず、直接に被切削物1を保持してもよい。
【0019】
図3に示すように、ホルダ移動装置30は、ワークホルダ20(
図1参照)を支持して移動させるものである。本実施形態では、ホルダ移動装置30は、ワークホルダ20を前後方向に移動させる。より詳しくは、ホルダ移動装置30は、ワークホルダ20を後方に向かって下降するように斜め前後方向に移動させる。ワークホルダ20は、ホルダ移動装置30により前方に移動されると上方にも移動する。ワークホルダ20は、ホルダ移動装置30により後方に移動されると下方にも移動する。以下では、ホルダ移動装置30によってワークホルダ20が移動される方向をX軸方向とも呼ぶ。また、以下では、特に断る必要がない場合には、X軸方向の前方を単に前方と、X軸方向の後方を単に後方と言うことがある。
【0020】
図3に示すように、ホルダ移動装置30は、左右方向に延びるとともにワークホルダ20(
図1参照)を支持する支持アーム31を備えている。ホルダ移動装置30は、支持アーム31に接続されたX軸方向移動体32と、一対のX軸ガイドレール33と、X軸方向駆動モータ34と、ボールねじ35と、を備えている。ホルダ移動装置30は、支持アーム31をX軸方向に移動させることにより、ワークホルダ20をX軸方向に移動させる。ホルダ移動装置30は、その少なくとも一部が駆動装置室130に収容されている。ここでは、ホルダ移動装置30のX軸方向移動体32、一対のX軸ガイドレール33、X軸方向駆動モータ34、ボールねじ35、および支持アーム31の一部が駆動装置室130に収容されている。
【0021】
図3に示すように、一対のX軸ガイドレール33は、X軸方向に延びている。X軸方向移動体32は、一対のX軸ガイドレール33に摺動可能に係合している。X軸方向移動体32は、X軸ガイドレール33に沿ってX軸方向に移動することが可能である。ボールねじ35は、X軸方向に延びている。ボールねじ35は、X軸方向移動体32に設けられたナットに噛み合わされている。X軸方向駆動モータ34は、ボールねじ35を軸線周りに回転させる。X軸方向駆動モータ34を駆動してボールねじ35を回転させると、X軸方向移動体32は、X軸ガイドレール33に沿ってX軸方向に移動する。なお、ホルダ移動装置30は、ボールねじ機構を有するものには限定されず、例えば、タイミングベルトやワイヤを有していてもよい。
【0022】
ワークチェンジャ70は、複数の被切削物1を収納可能に構成されており、加工する被切削物1を交換するために使用される。
図1に示すように、ワークチェンジャ70は、複数の被切削物1(ここでは、被切削物1が装着されたアダプタ5、
図2参照)を収納可能なアダプタ収納部71と、アダプタ収納部71を加工室120に搬送する搬送装置(図示せず)と、を備えている。例えば被切削物1の交換時のような場合を除き、アダプタ収納部71は、チェンジャ室170に収容されている。
図1に示すように、アダプタ収納部71には、それぞれ1つのアダプタ5を収納する棚状の収納スペース71aが複数設けられている。複数の収納スペース71aは、上下方向に並んでいる。より詳しくは、複数の収納スペース71aは、X軸方向に直交する斜め上下方向(以下、L軸方向とも呼ぶ、
図3参照)に並んで配置されている。搬送装置は、アダプタ収納部71をL軸方向に移動させる。搬送装置は、アダプタ収納部71を加工室120とチェンジャ室170との間で移動させる。アダプタ収納部71が加工室120内に下降した状態で、ワークホルダ20がX軸方向の前方側に前進し、アダプタ5の収納スペース71a(
図1参照)に突入することにより、アダプタ5は、ワークホルダ20に保持される。
【0023】
図3に示すように、切削装置50は、切削装置室150に収容されている。切削装置50は、ワークホルダ20に保持された被切削物1を切削ツール6によって切削する。切削装置50は、ワークホルダ20およびツールストッカ80(
図4参照)よりも上方に設けられている。切削装置50は、切削ツール6を把持して回転させるスピンドル51を備えている。スピンドル51は、回転ユニット52と、回転ユニット52の下端部に設けられた把持部53と、を備えている。回転ユニット52は、X軸方向と直交する(ここでは、L軸方向と平行な)方向に延びている。以下、この方向をZ軸方向とも呼ぶ。回転ユニット52は、把持部53をZ軸方向に平行な軸線周りに回転させる。回転ユニット52は、ここでは、モータ内蔵のユニットである。ただし、回転ユニット52は、例えば、外部のモータとベルト等により接続されていてもよい。把持部53は、開閉可能に構成されている。把持部53は、Z軸方向の下方に突き出すように切削ツール6を把持する。より詳細には、把持部53は、ツールストッカ80(
図4参照)に収納された切削ツール6の頂部6T(
図10参照)を把持する。また、把持部53は、Z軸方向の下方に突き出すように後述するセンシングピン7(
図10参照)を把持する。より詳細には、把持部53は、ツールストッカ80に収納されたセンシングピン7の頂部7T(
図10参照)を把持する。把持部53は、例えば、エア駆動式のコレットチャックである。ただし、把持部53の方式は特に限定されない。
【0024】
図3に示すように、切削装置50を移動させる移動装置60は、切削装置室150に収容されている。移動装置60は、ワークホルダ20(
図1参照)よりも上方に設けられている。移動装置60は、切削装置50をZ軸方向および左右方向に移動させる。左右方向は、X軸方向およびZ軸方向に直交する方向である。以下では、左右方向のことをY軸方向とも呼ぶ。移動装置60が切削装置50をY軸方向およびZ軸方向に移動させ、ホルダ移動装置30がワークホルダ20をX軸方向に移動させることにより、切削ツール6と被切削物1との位置関係が三次元的に変化する。切削装置50は、Z軸方向の移動により、加工室120内に出現し、または、切削装置室150内に退避する。移動装置60は、加工室120と切削装置室150と駆動装置室130との間で切削装置50を移動させることが可能である。
【0025】
図4に示すように、移動装置60は、Y軸方向移動装置60Yと、Z軸方向移動装置60Zと、を備えている。Y軸方向移動装置60Yは、切削装置50をY軸方向に移動させる装置である。Z軸方向移動装置60Zは、切削装置50をZ軸方向に移動させる装置である。Y軸方向移動装置60Yは、Y軸方向に延びる一対のY軸ガイドレール61Yと、Y軸ガイドレール61Yに摺動可能に係合したY軸方向移動体62Yと、Y軸方向駆動モータ63Yと、ボールねじ64Yと、を備えている。Y軸方向駆動モータ63Yが駆動し、ボールねじ64Yが回転すると、Y軸方向移動体62Yは、Y軸ガイドレール61Yに沿ってY軸方向に移動する。これにより、Z軸方向移動装置60Zおよび切削装置50がY軸方向に移動する。
【0026】
図3に示すように、Z軸方向移動装置60Zは、Z軸方向に延びる一対のZ軸ガイドシャフト61Zと、Z軸ガイドシャフト61Zに摺動可能に係合し切削装置50を支持するZ軸方向移動体62Zと、Z軸方向駆動モータ63Zと、図示しないボールねじと、を備えている。Z軸方向移動装置60Zは、Z軸方向に移動可能に切削装置50を支持している。Z軸方向移動装置60Zは、Y軸方向移動装置60YがZ軸方向移動装置60Zを移動させるのと同様の仕組みで、切削装置50をZ軸方向に移動させる。
【0027】
図4に示すように、本実施形態では、ツールストッカ80は、駆動装置室130に収容されている。ツールストッカ80は、複数の棒状に形成された切削ツール6およびセンシングピン7(
図10参照)を収納可能に構成されている。複数の切削ツール6は、例えば、被切削物1の材料や切削の種類に応じて使い分けられる。センシングピン7は、ホルダ移動装置30および移動装置60の位置を自動補正する際に用いられる。ツールストッカ80は、X軸方向移動体32に支持されている。詳しくは、ツールストッカ80は、X軸方向移動体32の上面に固定されている。従来、ツールストッカは、ホルダ移動装置の支持アームに支持されていた。そのため、従来の切削装置では、支持アームが撓みやすく、被切削物1の切削において被切削物1にあまり負荷を掛けることができなかった。具体的には、切削による負荷を考慮して、時間当たりの切削量を制限するなどしていた。本実施形態では、ツールストッカ80がX軸方向移動体32に支持されることにより、支持アーム31の負荷が低減されている。
【0028】
図5は、ツールストッカ80の平面図である。
図5に示すように、ツールストッカ80は、棒状に形成された切削ツール6(
図10参照)および棒状のセンシングピン7(
図10参照)を収納可能な複数の収納孔81が形成された本体部80Aと、本体部80Aの上面80Uに設けられたツールセンサ83と、を備えている。複数の収納孔81は、本体部80AをZ軸方向に貫通するように形成されている。収納孔81は、切削ツール6を収納する複数の通常収納孔81Nと、センシングピン7を収納する1つの特定収納孔81Sとを含む。通常収納孔81Nと特定収納孔81Sとは、同じ形状である。特定収納孔81Sは、通常収納孔81Nより後方に位置する。特定収納孔81Sは、ツールセンサ83より左方に位置する。複数の通常収納孔81Nは、千鳥状に配置されている。詳しくは、ツールストッカ80には、複数の通常収納孔81Nのうちの一部の複数の通常収納孔81Nが所定の並び方向(ここでは、Y軸方向)に並んだ列81A~81Eが形成されており、複数の列81A~81Eのうちの隣り合った2つの列(例えば、列81Aと列81B)は、並び方向の位置がずれている。上記隣り合った2つの列の間の並び方向の位置のずれ量は、各列81A~81Eにおける通常収納孔81Nのピッチの半分以下である。かかる千鳥配置により、複数の通常収納孔81Nの配置が密となっている。その結果、スペースに対する切削ツール6の収納効率が向上している。なお、複数の列81A~81Eは、1つおきに並び方向の位置が揃っている。
【0029】
図5に示すように、ツールセンサ83は、切削ツール6の長さを検出するセンサである。また、ツールセンサ83は、センシングピン7の位置を検出するセンサである。ツールセンサ83は、導電性材料から形成されている。ツールセンサ83と切削ツール6とが接触したとき、および、ツールセンサ83とセンシングピン7とが接触したときには、電流が流れるように構成されている。ツールセンサ83は、ツールセンサ83と切削ツール6とが接触したときのスピンドル51の位置に基づいて、切削ツール6の長さを検出する。ツールセンサ83は、ツールセンサ83とセンシングピン7とが接触したときのスピンドル51の位置に基づいて、センシングピン7の位置を検出する。ツールセンサ83は、通常収納孔81Nより後方に配置されている。ツールセンサ83は、本体部80Aの上面80Uから上方に向けて突出している。
【0030】
切削装置50は、ツールストッカ80に収納された各切削ツール6およびセンシングピン7を把持可能に構成されている。切削装置50は、把持した切削ツール6によってワークホルダ20に保持された被切削物1を切削する。これを可能とするように、移動装置60は、切削装置50を駆動装置室130と切削装置室150と加工室120との間で移動させる。また、ホルダ移動装置30は、ツールストッカ80を切削装置室150の下方に移動させる。
【0031】
図4に示すように、ホルダ移動装置30は、Y軸方向移動装置60Yによる切削装置50の移動経路の下方に設定されたツール把持位置P1にツールストッカ80を移動させることが可能に構成されている。ツール把持位置P1は、切削装置室150と駆動装置室130とを連通する開口部125の下方の位置である。ツール把持位置P1にツールストッカ80を移動させ、かつ、切削装置50をツール把持位置P1の上方の位置に移動させた状態でZ軸方向移動装置60Zを駆動して切削装置50を下降させることにより、切削装置50にツールストッカ80の切削ツール6およびセンシングピン7を把持させることができる。
【0032】
図4に示すように、ホルダ移動装置30は、ツール把持位置P1よりも前方に設定されたツール交換位置P2にツールストッカ80を移動させることが可能に構成されている。ツール交換位置P2は、ツール交換室180の底壁183の下方に設定されている。ツール交換室180の底壁183は、ツール交換室180と駆動装置室130とを区画している。ツール交換室180の底壁183には、ツール交換位置P2の上方に位置しかつZ軸方向に開口した開口部184が形成されている。開口部184は、ユーザがツールストッカ80に切削ツール6を抜き差しするための開口部である。ホルダ移動装置30を駆動してツールストッカ80をツール交換位置P2に移動させると、ユーザは、開口部184を通してツールストッカ80にアクセスすることができる。開口部184が形成されたツール交換室180を設けることにより、切削ツール6の交換時などにユーザがホルダ移動装置30に触れてしまうことが防止されている。また、かかる構成により、切削ツール6の交換時などに駆動装置室130に外部の異物が侵入することが抑制されている。
【0033】
図6に示すように、部材収容室190(
図3参照)に収容された引き出し192は、筐体11から前方に突出するように移動させることができる。引き出し192は、図示しないスライドレールに沿って前後方向に移動自在に設けられている。引き出し192は、底壁192Aと、底壁192Aの前端部に設けられた前壁192Bと、底壁192Aの左端から上方に延びる左壁192Cと、底壁192Aの右端から上方に延びる右壁192Dと、底壁192Aの後端から上方に延びる後壁192Eとを有する。底壁192Aと、前壁192Bと、左壁192Cと、右壁192Dと後壁192Eとで囲まれた空間に後述する収容部材200が収容される。ユーザは、例えば、前壁192Bをつかんで引き出し192を前後方向に移動させる。
【0034】
図7および
図8は、収容部材200の斜視図である。
図9は、収容部材200の平面図である。
図10は、収容部材200に切削ツール6が収容された状態を示す斜視図である。
図11は、収容部材200に収納ケース8が収容された状態を示す斜視図である。
図8、
図9および
図11の収容部材200は、
図7の収容部材200を左右方向に延びる直線を軸に180°回転(即ちY軸周りに180°回転)させた状態である。なお、収容部材200の各構成の位置関係は、
図7に示す収容部材200を例に説明する。収容部材200は、切削ツール6および切削ツール6を収納する収納ケース8(
図11参照)およびセンシングピン7を収容可能な部材である。収容部材200は、通常、筐体11の引き出し192に収容されている。
【0035】
図7に示すように、収容部材200は、第1板部材210と、第2板部材220と、第3板部材230とを備えている。第1板部材210は、第2板部材220と対向している。第3板部材230は、第1板部材210と第2板部材220とに接続されている。収容部材200は、断面U字形状に形成されている。
図7に示す例では、第3板部材230の上端は第1板部材210の左端に接続され、第3板部材230の下端は第1板部材210の左端に接続されている。第1板部材210と、第2板部材220と、第3板部材230とは、一枚の板部材から折り曲げ成形されている。即ち、第1板部材210と、第2板部材220と、第3板部材230とは一体的に形成されている。
【0036】
図7に示すように、第1板部材210は、前後方向および左右方向に延びる。第1板部材210は、切削ツール6を収容可能な複数(ここでは15個)の第1貫通穴212が形成された第1平面211を有する。第1貫通穴212は、円形状に形成されている。第1貫通穴212の配列は、ツールストッカ80(
図5参照)の通常収納孔80Nの配列と同じである。なお、ツールストッカ80の通常収納孔80Nは千鳥配置であるが、第1貫通穴212および通常収納孔80Nはいずれも前後方向に5つ、左右方向に3つ並ぶ点で配列は同じである。第1平面211には、棒状のセンシングピン7を収容可能な第3貫通穴242が形成されている。第3貫通穴242は、第1貫通穴212より後方に位置する。
【0037】
図8に示すように、第2板部材220は、前後方向および左右方向に延びる。第2板部材220は、収納ケース8を収容可能な複数(ここでは15個)の第2貫通穴222が形成された第2平面221を有する。第2平面221は、第1平面211とは異なる平面である。第2貫通穴222は、矩形状に形成されている。第2貫通穴222の配列は、ツールストッカ80(
図5参照)の通常収納孔80Nの配列と同じである。第2平面221には、棒状のセンシングピン7を収容可能な第3貫通穴242が形成されている。
図8に示す例では、第3貫通穴242は、第2貫通穴222より前方に位置する。
図9に示すように、第2板部材220に形成された第3貫通穴242は、平面視で第1板部材210に形成された第3貫通穴242と重なる。
【0038】
図7に示すように、第3板部材230は、前後方向および上下方向に延びる。第3板部材230は、第1平面211と第2平面221とを接続する第3平面231を有する。なお、第3平面231には、貫通穴は形成されていない。
【0039】
図7に示すように、第1板部材210の第1平面211は、第2板部材220の第2平面221より上方に位置する。
図9に示すように、第2平面221は、平面視で第1平面211と重なる。第1貫通穴212は、平面視で第2貫通穴222と重なる。ここでは、第1貫通穴212の全体は、平面視で第2貫通穴222と重なる。即ち、第1貫通穴212は、第2貫通穴222より小さい。
【0040】
図10に示すように、収容部材200は、切削ツール6を収容する。切削ツール6を収容する際には、第1板部材210が第2板部材220より上方に位置するように収容部材200を配置する。ここでは、切削ツール6にはアダプタ9が着脱自在に設けられている。アダプタ9は、円柱状に形成されており、中心には切削ツール6が挿入される挿入穴9Hが形成されている。切削ツール6は、挿入穴9Hに挿入された状態でアダプタ9に保持されている。切削ツール6が第1貫通穴212(
図7参照)に収容されたとき(即ち切削ツール6が第1貫通穴212に挿入されたとき)、アダプタ9は第1板部材210に接触する。即ち、アダプタ9は第1板部材210上に配置される。このとき、切削ツール6の先端部6Bは、第2板部材220の下面220Bより上方かつ上面220Uより下方に位置する。即ち、切削ツール6の先端部6Bは、引き出し192の底壁192A(
図6参照)に接触しない。先端部6Bは、第2貫通穴222内に位置する。
【0041】
図11に示すように、収容部材200は、収納ケース8を収容する。収納ケース8を収容する際には、第2板部材220が第1板部材210より上方に位置するように収容部材200を配置する。収納ケース8は、直方体状に形成されている。収納ケース8は内部に切削ツール6を収納する空間を有する。収納ケース8には、切削ツール6が収納されている。切削ツール6を収納ケース8に収納する際には、通常、切削ツール6からアダプタ9(
図10参照)は取り外されている。収納ケース8の外表面には、切削ツール6の情報(例えば使用時間や切削対象となる被切削物1の種類等)を記入することができる。収納ケース8が第2貫通穴222(
図8参照)に収容されたとき(即ち収納ケース8が第2貫通穴222に挿入されたとき)、収納ケース8の底部8Bは第1板部材210に接触する。即ち、収納ケース8は第1板部材210上に配置される。
【0042】
図10および
図11に示すように、収容部材200は、センシングピン7を収容する。センシングピン7を収容する第3貫通穴242は、第1平面211および第2平面221のいずれにも形成されているため、収容部材200に切削ツール6を収容するときおよび収納ケース8を収容するときのいずれにおいてもセンシングピン7を収容することができる。ここでは、センシングピン7にはアダプタ9が着脱自在に設けられている。
図10に示すように、第1板部材210が第2板部材220より上方に位置する状態で、センシングピン7が第3貫通穴242(
図9参照)に収容されたとき(即ちセンシングピン7が第3貫通穴242に挿入されたとき)、アダプタ9は第1板部材210に接触する。即ち、アダプタ9は第1板部材210上に配置される。このとき、センシングピン7の先端部7Bは、第2板部材220に形成された第3貫通穴242内に位置する。一方、
図11に示すように、第2板部材220が第1板部材210より上方に位置する状態で、センシングピン7が第3貫通穴242(
図9参照)に収容されたとき(即ちセンシングピン7が第3貫通穴242に挿入されたとき)、アダプタ9は第2板部材220に接触する。即ち、アダプタ9は第2板部材220上に配置される。このとき、センシングピン7の先端部7Bは、第1板部材210に形成された第3貫通穴242内に位置する。
【0043】
以上のように、本実施形態の収容部材200によると、切削ツール6および収納ケース8を収容することができる。即ち、収容部材200は第1貫通穴212が形成された第1平面211を有するため、第1貫通穴212に切削ツール6を収容することができる。また、収容部材200は第2貫通穴222が形成された第2平面221を有するため、第2貫通穴222に収納ケース8を収容することができる。このように、ユーザは収容部材200を用いることによって、切削ツール6をそのままの状態で保管することもできるし、切削ツール6を収納ケース8に収納した状態でも保管することができる。また、切削ツール6をそのままの状態で収容する収容部材と、切削ツール6を収納ケース8に収納した状態で収容する他の収容部材とをそれぞれ用いる場合に比べて、保管スペースが小さくなると共に、使用しない収容部材を管理する必要がなく利便性に優れている。
【0044】
本実施形態の収容部材200は、第1平面211と第2平面221とを接続する第3平面231を備え、第1平面211は、第2平面221より上方に位置し、第1平面211は、平面視で第2平面221と重なる。かかる構成によると、切削ツール6を収容する場合と、収納ケース8を収容する場合とで選択的に収容部材200を使用することができる。即ち、収容部材200の小型化を実現することができる。
【0045】
本実施形態の収容部材200では、第1貫通穴212は、平面視で第2貫通穴222と重なる。かかる構成によると、平面視で第1貫通穴212と第2貫通穴222とがずれている場合と比較して、第1平面211および第2平面221の面積を小さくすることができる。即ち、収容部材200の小型化を実現することができる。
【0046】
本実施形態の収容部材200は、第1平面211を有する第1板部材210と、第2平面221を有する第2板部材220と、を備え、切削ツール6にはアダプタ9が着脱自在に設けられ、切削ツール6が第1貫通穴212に収容されたとき、アダプタ9は第1板部材210に接触すると共に、切削ツール6の先端部6Bは第2板部材220の下面220Bより上方に位置する。かかる構成によると、切削ツール6の先端部6Bは何にも接触しないため、切削ツール6の保管時において切削ツール6の先端部6Bの摩耗を抑制することができる。
【0047】
本実施形態の収容部材200では、切削ツール6が第1貫通穴212に収容されたとき、切削ツール6の先端部6Bは第2板部材220の上面220Uより下方に位置する。かかる構成によると、第1板部材210と第2板部材220との距離を小さくすることができる。即ち、収容部材200の小型化を実現することができる。
【0048】
本実施形態の収容部材200では、第1貫通穴212は、円形状に形成され、第2貫通穴222は、矩形状に形成され、第1貫通穴212は、第2貫通穴222より小さい。かかる構成によると、第2貫通穴222に収納ケース8を収容したときには、収納ケース8の底部8Bが収容部材200(より詳細には第1板部材210)に保持されるため、収容部材200を取り出したときに収納ケース8が落下することが抑制される。
【0049】
本実施形態の収容部材200では、第1平面211および第2平面221には、棒状に形成されたセンシングピン7を収容可能な第3貫通穴242が形成されている。かかる構成によると、センシングピン7も切削ツール6や収納ケース8と合わせて収容することができるため、管理が容易になる。
【0050】
本実施形態の切削加工機10では、ツールストッカ80には、切削ツール6を収納可能な複数の通常収納孔81Nが形成され、第1貫通穴212の配列および第2貫通穴222の配列と、通常収納孔81Nの配列とは同じである。かかる構成によると、ツールストッカ80における切削ツール6(あるいは収納ケース8)の配置と、収容部材200における切削ツール6(あるいは収納ケース8)の配置とを同じにすることができるため、切削ツール6の管理の利便性が高まる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0052】
上述した実施形態では、第1板部材210の第1平面211に第1貫通穴212が形成され、第2板部材220の第2平面221に第2貫通穴222が形成されていたが、これに限定されない。例えば、第1平面211に第1貫通穴212と第2貫通穴222とが形成されていてもよいし、第2平面221に第1貫通穴212と第2貫通穴222とが形成されていてもよい。また、第3板部材230の第3平面231には貫通穴は形成されていなかったが、第3平面231には第1貫通穴212および第2貫通穴222の少なくともいずれか一方の貫通穴が形成されていてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、平面視で第1貫通穴212と第2貫通穴222とは重なっていたが、ずれていてもよい。この場合、例えば、切削ツール6の先端部6Bが第2板部材220に接触しないように、第2板部材220のうち平面視で第1貫通穴212と重なる部分にスポンジ等の緩衝材を配置してもよい。
【0054】
上述した実施形態では、収納ケース8は直方体状に形成され、第2貫通穴222は矩形状に形成されていたが、これに限定されない。第2貫通穴222は、収納ケース8を収容可能な形状に形成されていればよく、例えば、収納ケースの断面形状が円形状の場合には、第2貫通穴222も同様に円形状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 被切削物
6 切削ツール
7 センシングピン
8 収納ケース
10 切削加工機
80 ツールストッカ
81 収納孔
192 引き出し
200 収容部材
210 第1板部材
211 第1平面
212 第1貫通穴
220 第2板部材
221 第2平面
222 第2貫通穴
230 第3板部材
231 第3平面
242 第3貫通穴