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特開2023-127836情報処理システム、指標およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127836
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、指標およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20230907BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20230907BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20230907BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20230907BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/45
A63F13/53
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031765
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】
【課題】多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、管理ステップと、イベント制御ステップとを実行するように構成される。管理ステップでは、キャラクタの特性に関連付けて蓄積されるパラメータをユーザごとに管理する。第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタと、第1キャラクタ以外の少なくとも1つの第2キャラクタとのインタラクションを検出した場合、第2キャラクタの特性に対応する、第1ユーザのパラメータを変動させる。イベント制御ステップでは、パラメータに基づいて、イベントを発生させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、管理ステップと、イベント制御ステップとを実行するように構成され、
前記管理ステップでは、
キャラクタの特性に関連付けて蓄積されるパラメータをユーザごとに管理し、
第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタと、前記第1キャラクタ以外の少なくとも1つの第2キャラクタとのインタラクションを検出した場合、前記第2キャラクタの特性に対応する、前記第1ユーザの前記パラメータを変動させ、
前記イベント制御ステップでは、前記パラメータに基づいて、イベントを発生させる、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、表示ステップをさらに実行するように構成され、
前記特性は、画面上に開示される条件である開示条件を前記特性ごとにそれぞれ有し、
前記表示ステップでは、前記特性のうちの少なくとも1つが前記開示条件を満たした場合、その特性を認識できる情報と、これに対応する第2キャラクタとを関連付けて表示させる、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記開示条件は、前記特性に係るパラメータが所定の閾値に達することであり、
前記表示ステップでは、前記特性のうちの少なくとも1つが前記開示条件を満たした場合、その特性を認識可能な情報と、これに対応する第2キャラクタとを関連付けて表示させる、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記開示条件は、第2パラメータが所定の閾値に達することであり、
前記第2パラメータは、前記第2キャラクタの特性に関連付けて蓄積される第1パラメータとは異なる指標であって、前記第2キャラクタに関連付けて蓄積されるパラメータであり、
前記表示ステップでは、前記特性のうちの少なくとも1つが前記開示条件を満たした場合、その特性を認識可能な情報と、これに対応する第2キャラクタとを関連付けて表示させる、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項2~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、複数の階層に分類され、
前記表示ステップでは、前記階層のうちの下位に分類された特性を、それよりも上位に分類された特性に比して遅れて表示させる、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記管理ステップでは、前記インタラクションが所定の条件を満たした場合、前記第2キャラクタの特性に係る第1パラメータを変動させるとともに、前記第2キャラクタの特性と類似する類似特性に係る第3パラメータを変動させる、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第2キャラクタは、第2ユーザに対応付けられたプレイヤキャラクタを含み、
前記プレイヤキャラクタの特性は、前記第2ユーザの選択に基づき決定され、その第2ユーザに対応するプレイヤキャラクタに対応付けられる、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2キャラクタは、何れのユーザにも対応付けられていないノンプレイヤキャラクタを含み、
前記イベント制御ステップでは、前記プレイヤキャラクタとの前記インタラクションの検出によって変動したパラメータに基づき、前記ノンプレイヤキャラクタに対応するイベントを発生させる、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2キャラクタは、何れのユーザにも対応付けられていないノンプレイヤキャラクタを含み、
前記イベント制御ステップでは、前記ノンプレイヤキャラクタとの前記インタラクションの検出によって変動したパラメータに基づき、前記プレイヤキャラクタに対応するイベントを発生させる、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、前記キャラクタの人種と、ジェンダーアイデンティティと、身体的ハンディキャップと、前記キャラクタが患う疾患とのうち少なくとも1つを示す、
情報処理システム。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、前記イベントを進行させる際に参照される前記キャラクタに関連付けられた第4パラメータに影響を与えない身体的または心理的特性である、
情報処理システム。
【請求項12】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載の各ステップを実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、指標およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能でよりよい世界を目指す国際的な開発目標である。特許文献1には、社会的マイノリティー(社会的少数派)と呼ばれる人達への配慮措置を充実させるための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-68400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、SDGsの実現に向けて、さらなる技術発展が望まれる。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、管理ステップと、イベント制御ステップとを実行するように構成される。管理ステップでは、キャラクタの特性に関連付けて蓄積されるパラメータをユーザごとに管理する。第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタと、第1キャラクタ以外の少なくとも1つの第2キャラクタとのインタラクションを検出した場合、第2キャラクタの特性に対応する、第1ユーザのパラメータを変動させる。イベント制御ステップでは、パラメータに基づいて、イベントを発生させる。
【0007】
本開示によれば、多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態における情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図4】領域Fを選択可能な画面100を示すイメージ図である。
図5】特性5の一例を示すイメージ図である。
図6】領域F6における特性5に係る抽選リストの一例を示すイメージ図である。
図7】ノンプレイヤキャラクタNPCが配置された画面200を示すイメージ図である。
図8図7においてノンプレイヤキャラクタNPC1が選択された場合に表示される画面300を示すイメージ図である。
図9】特性5に係る各第1パラメータP1の蓄積量を示すイメージ図である。
図10】種5aの一例である「RE」に対応する新たなクエストが開放された画面400のイメージ図を示す。
図11】アイコン40がユーザにより押下された場合に表示される画面500を示すイメージ図である。
図12】アイコン40がユーザにより押下された場合に表示される画面500を示すイメージ図である。
図13】開示条件6を設定可能な画面600を示すイメージ図である。
図14】他のプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストを通知する画面700を示すイメージ図である。
図15】特性5が互いに類似するキャラクタCの一例を示すイメージ図である。
図16】類似特性51が開示された画面800を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタPCを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタPCを、ノンプレイヤキャラクタNPCである敵キャラクタECと対戦させたりする。また、キャラクタCは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタPCに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータPに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータAP、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータAPとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタPCの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータPを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0026】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタPCとして使用するキャラクタCの名称、プレイヤキャラクタPCが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0027】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0028】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタCおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
次に、情報処理装置2の制御部23の各機能構成について説明する。ここで、本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現され、特に制御部23により実現される。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、受付部231と、特定部232と、イベント制御部233と、表示制御部234(表示部)と、管理部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
受付部231は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部231は、通信部21または記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部231は、通信ネットワーク11および通信部21を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、受付部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0036】
特に、受付部231は、入力デバイス4cを介して行われたユーザによる操作指示を受け付け可能に構成される。操作指示は、所定のコマンド操作による動作指示や、ディスプレイ4aに表示されたボタンの押下による操作指示を含む。受付部231は、キャラクタCの移動、攻撃、防御、アイテムの使用、魔法の使用、体力回復その他の行動を指示する指示を受け付ける。
【0037】
特定部232は、特定ステップを実行可能に構成される。特定ステップにおいて、特定部232は、抽選処理を実行することにより、複数の特性5の中から所定の条件を満たした特性5を特定する。
【0038】
イベント制御部233は、イベント制御ステップを実行可能に構成される。イベント制御ステップにおいて、イベント制御部233は、イベント7の進行を制御する。イベント制御部233は、キャラクタCを生成し、キャラクタCを制御してゲームイベントを進行可能に構成される。
【0039】
表示制御部234は、表示ステップを実行可能に構成される。表示ステップにおいて、表示制御部234は、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、ゲーム装置3で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部234は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ゲーム装置3のディスプレイ41aに表示させるように制御する。表示制御部234は、視覚情報をゲーム装置3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0040】
管理部235は、イベント制御ステップを実行可能に構成される。管理ステップにおいて、管理部235は、複数の情報を対応付けて記憶部32に記憶させることで、複数の情報を管理する。
【0041】
特に、管理部235は、特性5を、キャラクタCに関連付けて管理する。また、管理部235は、特性5、キャラクタC等のゲーム要素をパラメータPと関連付けて管理する。
【0042】
下記において、パラメータPは、第1パラメータP1と、第2パラメータP2と、第3パラメータP3と、第4パラメータP4との少なくとも一つを示す。第1パラメータP1は、キャラクタCの特性5に関連付けて蓄積されるパラメータPである。第2パラメータP2は、特性5に関連付けて蓄積される第1パラメータP1とは異なる指標であって、キャラクタCそのものに関連付けて蓄積されるパラメータPである。第3パラメータP3は、特性5と類似する類似特性51に関連付けて蓄積されるパラメータPである。第4パラメータP4は、イベント7を進行させる際に参照されるキャラクタCに関連付けられたパラメータPである。具体的には、第4パラメータP4は、イベント7進行中におけるキャラクタCの体力、攻撃力、防御力等のパラメータPである。
【0043】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報、用語等について説明する。
【0044】
情報処理システム1において提供されるゲームは、ユーザがプレイする主たるパートであるインゲーム(例えば、対戦ゲーム等)と、インゲームをプレイするにあたっての準備や待機等を担うパートであるアウトゲームとを含む。また、以下において、アウトゲームの一例として、対戦ゲーム以外のゲームパートを取り上げるものとする。ユーザは、アウトゲームにおいて、自身が操作するキャラクタCを生成したり、仮想空間上でゲーム内通貨を使用して買い物をしたり、することができる。また、ユーザは、例えば、キャラクタCを操作して、インゲームにおいて敵キャラクタECと対戦可能である。
【0045】
ここで、キャラクタCは、ユーザの操作に基づいて、仮想空間内で区分された複数の領域Fのうち少なくとも1つに配置される。例えば、複数の仮想国家からなる世界が仮想空間上で形成されている場合、キャラクタCは、その仮想国家のうちいずれか領域Fに配置される。仮想空間は、例えば、城、街、住宅地、田畑、森、洞窟、川、海など、現実世界と同様の構成を含み、各々が仮想空間内で区分されて管理され得る。また、仮想空間は、空中都市、海中都市等を含んでもよい。仮想空間は、国家により区分されず、農業地帯、工業地帯、乾燥地帯、湿潤地帯、豪雪地帯、紛争地帯等、気候や産業等により区分されるものであってもよい。また、仮想空間は、それ自体が街、都市等、国家より小さな規模であってもよい。キャラクタCは、ユーザの操作に基づき、上記で例示された領域Fをまたいだ移動をすることができる。
【0046】
本実施形態における仮想空間内の各領域Fは、それぞれ異なる特徴を有する。具体的には、各領域Fは、それぞれ独自の気候、文化、風土、言語、思想等を有し、領域Fごとにそれぞれ異なる種族のノンプレイヤキャラクタNPCが住民として配置され得る。かかる仮想空間におけるいずれかの領域F上で、ユーザは、キャラクタCを操作して、移動、買い物、戦闘等、任意のアクションを実行可能である。また、本実施形態における仮想空間内では、ノンプレイヤキャラクタNPCに加えて、他のユーザによってそれぞれ操作された複数のプレイヤキャラクタPCが配置され得るものとする。
【0047】
なお、以下において、説明上の主たるユーザであって、キャラクタCの作成を行うユーザを第1ユーザと称し、これ以外の他のユーザを第2ユーザと称する。また、本実施形態に係るゲームの利用者全体を総称して「利用ユーザ」と称するものとする。すなわち、利用ユーザは、第1ユーザと、第2ユーザとを含む。さらに、第1ユーザによって作成され、操作されるプレイヤキャラクタPCを第1キャラクタC1と称する。第2ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタPCまたはノンプレイヤキャラクタNPCを第2キャラクタC2と称することとする。換言すると、第2キャラクタC2は、第2ユーザに対応付けられたプレイヤキャラクタPCと、何れのユーザにも対応付けられていないノンプレイヤキャラクタNPCとを含む。
【0048】
また、本実施形態において、「クエスト」とは、ゲームの構成単位であるステージであって、課題や目標が設定されているものである。特に、複数ユーザが同時にゲームに参加してプレイするクエストは、「マルチクエスト」と称される。
【0049】
クエストには、終了条件が設定されている。また、クエストのクリアに対しては、クリア報酬がユーザに付与される。クエストの終了条件には、対戦する敵キャラクタEC全滅、ボスキャラクタを倒すこと、ゴール地点への到達等のクエスト終了条件と、制限時間オーバー等のプレイ時間に関する終了条件と、ターン制ゲームにおけるターン数オーバー等の終了条件とが含まれる。クエストには、これらの終了条件のうち少なくとも1つが設定されている。クエストに複数の終了条件が設定されている場合には、どの終了条件が優先されるかが予め設定されている。例えば、達成条件よりも制限時間が優先される場合、ボスキャラクタを倒すことができず、達成条件が満たされていないときに制限時間が切れると、クエストは終了することとなる。
【0050】
また、クエストは、同一のユーザにより何度も繰り返しプレイされる場合がある。クエストを繰り返しプレイすることは、「クエスト周回」と称される。ユーザがクエスト周回する具体的な例として、クリアすることで一定の確率で所定の報酬を得られるクエストにおいて、その報酬が得られるまでクエスト周回する場合や、クリアすると高い報酬が得られるクエストにおいて、その報酬をできるだけたくさん得る目的でクエスト周回する場合等が挙げられる。
【0051】
4.情報処理システム1の動作
本節では、前述した情報処理システム1の動作の流れについて説明する。
4.1 情報処理の概要
本説では、アクティビティ図に沿って、情報処理の流れについて概説する。図3は、本実施形態における情報処理の流れを示すアクティビティ図である。好ましい態様の一例として、ユーザが仮想空間に配置されたノンプレイヤキャラクタNPCに話しかけてクエストを受注する場面を例に挙げて説明する。
【0052】
ユーザは、ディスプレイ41aに表示された不図示の画面において、入力デバイス4cを用いてゲームのプレイ開始指示を送信する。受付部231がプレイ開始指示を受け付けると、表示制御部234は、ゲームのプレイを開始する仮想の領域F(領域F)の選択画面を表示させる。ユーザは、ディスプレイ41aに表示された複数の領域Fのなかから、第1キャラクタC1を配置させてプレイを開始させる領域Fを選択する。受付部231は、ユーザにより選択された領域Fを受け付ける(A101)。
【0053】
ここで、キャラクタCには、特性5が対応付けられている。特性5とは、キャラクタCの分類(種族、種別、人種等)と、キャラクタC自身のアイデンティティ5b(エスニックアイデンティティ5b1、ジェンダーアイデンティティ5b2等)と、身体的ハンディキャップと、キャラクタCが患う疾患と、生態(活動地域、主な活動時間帯等)とのうち少なくとも1つを示す。
【0054】
プレイヤキャラクタPCの特性5は、例えば、ユーザの選択に基づき決定され、そのユーザに対応するキャラクタCに対応付けられる。具体的には、プレイヤキャラクタPCの生成または変更を行うキャラメイクイベントに際して、受付部231は、第1キャラクタC1の身体的特徴を決定づける各項目とともに、特性5の指定を受け付ける。そして、管理部235は、第1ユーザにより選択された特性5を、第1キャラクタC1に対応付けて管理する。また、第2ユーザに対応付けられたプレイヤキャラクタPCの特性5についても同様に、第2ユーザの選択に基づき決定され、その第2ユーザに対応するプレイヤキャラクタPCに対応付けられる。また、プレイヤキャラクタPCと同様、ノンプレイヤキャラクタNPCには、上述の特性5が少なくとも一つ対応付けられている。すなわち、管理部235は、ノンプレイヤキャラクタNPCと、特性5とを対応付けて管理する。
【0055】
また、特性5には、キャラクタCの行動に基づき変動する第1パラメータP1が関連付けられている。特に、特性5は、イベント7を進行させる際に参照されるキャラクタCに関連付けられた第4パラメータP4に影響を与えない身体的な特性5または心理的な特性5である。特性5には、外見等の身体的特徴を構成する要素が含まれ得る。また、特性5は、複数の階層に分類される。管理部235は、各特性5の第1パラメータP1を、ユーザごとに管理する。換言すれば、管理部235は、キャラクタCの特性5に関連付けて蓄積されるパラメータP(第1パラメータP1)をユーザごとに管理する。
【0056】
次いで、イベント制御部233は、予め設定された選択確率に基づいて、抽選リストの中から、1以上の特性5を抽選により選択する(A102)。そして、イベント制御部233は、選択された特性5が対応付けられたノンプレイヤキャラクタNPCを生成する(A103)。
【0057】
ここで、イベント制御部233は、領域Fごとに特性5を選択する。具体的には、抽選リストにおいて、各特性5には、領域Fごとに異なる選択確率が設定されている。特に、管理部235は、領域Fの特徴に対応する特性5の選択確率を、他の特性5の選択確率よりも高く設定している。イベント制御部233は、かかる選択確率に基づき、領域Fごとに、領域Fの特徴に対応する特性5を優先的に選択する。このような態様によれば、仮想空間内に配置されるノンプレイヤキャラクタNPCの特性5は、領域Fごとに異なる傾向を有することとなる。
【0058】
表示制御部234は、生成されたノンプレイヤキャラクタNPCを、ユーザが視認可能に表示させる(A104)。記憶部32は、仮想空間内に配置されたノンプレイヤキャラクタNPCと、その特性5とを関連付けて記憶する。
【0059】
ユーザは、第1キャラクタC1を操作することにより、領域Fに配置されたノンプレイヤキャラクタNPCのうち少なくとも一つに対して、「話しかける」、「攻撃を仕掛ける」、「クエストを受注する」等のアクションを実行可能である。受付部231は、ユーザによってノンプレイヤキャラクタNPCに対する何らかのアクションが実行された場合、第1キャラクタC1と、該当のノンプレイヤキャラクタNPCとのインタラクションが発生したものとして、その旨を検出する(A105)。
【0060】
第1キャラクタC1と、第2キャラクタC2とのインタラクションが検出された場合、特定部232は、第2キャラクタC2と、特性5とが関連付けられたデータベースを参照することにより、第2キャラクタC2の特性5を特定する(A106)。そして、管理部235は、特定された特性5に係る第1パラメータP1を変動させる(A107)。このように、管理部235は、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1キャラクタC1以外の少なくとも1つの第2キャラクタC2とのインタラクションを検出した場合、第2キャラクタC2の特性5に対応する、第1ユーザのパラメータPを変動させる。
【0061】
このとき、イベント制御部233は、蓄積された第1パラメータP1が閾値に達した場合、その第1パラメータP1に係る特性5に対応する特定イベント71を発生させる(A108)。例えば、イベント制御部233は、第1パラメータP1が閾値に達した場合、特定イベント71として、ノンプレイヤキャラクタNPCに対応する新たなクエストを開放する。ここで、第1パラメータP1は、その特性5に対するユーザの理解度を示すパラメータPである。つまり、イベント制御部233は、第1パラメータP1が閾値に達した場合、特性5に対するユーザの理解度が一定水準以上に達したものとして、新たなイベント7を発生させる。一方、第1パラメータP1の蓄積量が閾値未満である場合、その特性5に対する理解が不十分であるものとして、第1パラメータP1が閾値に達するまで特定イベント71を発生させない。この場合、A104に戻る。特定イベント71は、閾値に達した当該特性5を有する第1キャラクタC1や第2キャラクタC2、ノンプレイヤキャラクタNPCによって進行され、当該特性5やそれに類似する特性5に関する理解をさらに深めることを促進する内容のストーリーを含んでいてもよい。また、当該特性5に関連しない特性に関するストーリーを含ませることにより、次に他の特性5に関する理解を深めることをユーザに対して促すものであってもよい。このように、イベント制御部233は、プレイヤキャラクタPCとのインタラクションの検出によって変動したパラメータPに基づき、ノンプレイヤキャラクタNPCに対応する特定イベント71(イベント7)を発生させる。
【0062】
新たなクエストが開放された場合、ユーザは、新たな特定イベント71を進めることができる。イベント制御部233は、ユーザの操作に基づき、クエストを進行させる(A109)。イベント制御部233は、イベント7の終了条件が満たされた場合、イベント7を終了させる処理を実行する。(A110)。以上のように、イベント制御部233は、パラメータPに基づいて、イベント7を発生させる。
【0063】
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理システム1は、次の各構成要素を備える。管理部235は、キャラクタCの特性5に関連付けて蓄積されるパラメータPをユーザごとに管理する。管理部235は、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1キャラクタC1以外の少なくとも1つの第2キャラクタC2とのインタラクションを検出した場合、第2キャラクタC2の特性5に対応する、第1ユーザのパラメータPを変動させる。イベント制御部233は、パラメータPに基づいて、イベント7を発生させる。
【0064】
また、別の態様によれば、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、次の各ステップを実行させる。管理ステップでは、キャラクタCの特性5に関連付けて蓄積されるパラメータPをユーザごとに管理する。管理ステップでは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1キャラクタC1以外の少なくとも1つの第2キャラクタC2とのインタラクションを検出した場合、第2キャラクタC2の特性5に対応する、第1ユーザのパラメータPを変動させる。イベント制御ステップでは、パラメータPに基づいて、イベント7を発生させる。
【0065】
さらに、別の態様によれば、本実施形態に係る情報処理装置2が実行する情報処理方法は、次の各ステップを備える管理ステップでは、キャラクタCの特性5に関連付けて蓄積されるパラメータPをユーザごとに管理する。管理ステップでは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1キャラクタC1以外の少なくとも1つの第2キャラクタC2とのインタラクションを検出した場合、第2キャラクタC2の特性5に対応する、第1ユーザのパラメータPを変動させる。イベント制御ステップでは、パラメータPに基づいて、イベント7を発生させる。
【0066】
このような態様によれば、情報処理システム1は、特性5に対する理解度の深まり度合いに応じて、特別なイベント7を発生させる。これにより、多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供することができる。同時に、人種やジェンダーアイデンティティ5b2等の多様性の尊重に寄与し、持続可能な開発目標(SDGs)の目標5である「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に貢献することができる。
【0067】
4.2 情報処理の詳細
続いて、イメージ図を参照しながら、前節で説明した情報処理の詳細をさらに説明する。
【0068】
図4は、領域Fを選択可能な画面100を示すイメージ図である。画面100には、複数の領域F(領域F1、領域F2、領域F3、領域F4、領域F5、領域F6、領域F7および領域F8)と、決定ボタン101とが含まれる。表示制御部234は、地形および気候がそれぞれ異なる複数の領域Fをユーザが選択可能に表示させる。これらの領域Fの中から任意の領域Fが選択された場合、表示制御部234は、選択された領域Fを他の領域Fと区別可能に表示させる。図4では、領域F6が選択された場合の例を示す。また、領域F6が選択された状態で決定ボタン101がユーザにより押下されると、受付部231は、領域F6をプレイ開始場所とする指示を受け付ける。
【0069】
図5は、特性5の一例を示すイメージ図である。図5に示すように、表示制御部236は、特性5の一例である種5aおよびアイデンティティ5bについて、例えば、2~50種類の中から少なくとも一つをユーザが選択可能に表示させる。具体的には例えば、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50種類であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。管理部235は、提示された特性5のうち、ユーザに選択された特性5をプレイヤキャラクタPCに関連付けて管理する。また、管理部235は、これらの特性5のうち少なくとも一つをノンプレイヤキャラクタNPCに関連付けて管理する。
【0070】
図6は、領域F6における特性5に係る抽選リストの一例を示すイメージ図である。図6で示すように、特性5に係る抽選リストには、特性5の種類と、抽選による選択割合とが対応づけられている。図6では、種5aに分類される各特性5(「RA」、「RB」、「RC」、「RD」および「RE」)の選択割合がそれぞれ示される。ここで、図6で示される種5aのうち、「RD」および「RE」が、領域F5の特徴に対応する特性5であるものとする。管理部235は、「RD」および「RE」の選択確率を他の種5aに比べて高く設定する。イベント制御部233は、かかる抽選リストの中から、特性5ごとの選択確率に基づいて少なくとも一つの特性5を抽選により選択する。そして、イベント制御部233は、抽選結果に基づき、領域F6に配置するノンプレイヤキャラクタNPCを生成する。
【0071】
図7は、ノンプレイヤキャラクタNPCが配置された画面200を示すイメージ図である。図7に示すように、表示制御部234は、複数のノンプレイヤキャラクタNPC(ノンプレイヤキャラクタNPC1、ノンプレイヤキャラクタNPC2、ノンプレイヤキャラクタNPC3、およびノンプレイヤキャラクタNPC4)と、ノンプレイヤキャラクタNPCそれぞれの名前とを対応付けて表示させる。ユーザは、表示されたノンプレイヤキャラクタNPCを選択することで、ノンプレイヤキャラクタNPCに話しかけることができる。また、画面200には、吹き出し201を含む。吹き出し201は、これに対応付けられたノンプレイヤキャラクタNPCが選択された場合、クエストを受注することができることを通知するものである。図7の例では、吹き出し205は、ノンプレイヤキャラクタNPC1に対応付けられている。第1ユーザは、ノンプレイヤキャラクタNPC1を選択することで、ノンプレイヤキャラクタNPC1に対応付けられたクエストを受注することができる。また、管理部235は、かかるクエストの受注を検出すると、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5に係る第1パラメータP1を所定量蓄積させる。
【0072】
画面200において、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPCの特性5をユーザが視認可能に表示させる。ここで、特性5は、画面上に開示される条件である開示条件6を特性5ごとにそれぞれ有する。また、開示条件6は、特性5に係るパラメータPである第1パラメータP1が所定の閾値に達することである。特性5が開示条件6を満たさない場合、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPCに対応付けられた特性5の種類を開示しない。一方、特性5が開示条件6を満たす場合、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPCに対応付けられた特性5の種類を示す文字情報または特性5の種類を識別可能なオブジェクトを表示させる。図7の例では、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPC1、ノンプレイヤキャラクタNPC2、ノンプレイヤキャラクタNPC3それぞれに対応付けられた特性5については、開示条件6を満たさず、クエッションマークで示されるオブジェクト(アイコン202、アイコン203およびアイコン204)が表示される。このように、開示条件6を満たさない特性5についてはその具体的な種類が開示されない。
【0073】
一方、ノンプレイヤキャラクタNPC4の特性5は開示条件6を満たすので、表示制御部234は、特性5の種類を認識可能なアイコン205を表示させる。このように、表示制御部234は、特性5のうちの少なくとも1つが開示条件6を満たした場合、その特性5を認識できる情報と、これに対応する第2キャラクタC2と関連付けて表示させる。これにより、ユーザは理解度が高い特性5を認識でき、特に、特定イベント71が未だ開放されていない一方、所定の閾値まで第1パラメータP1が蓄積した特性5を認識することが可能となる。これにより特定イベント71を開放させるために優先的にインタラクションすべきキャラクタCを認識することができ、さらにキャラクタCとのインタラクションをすることが促進される。なお、前述の通り、各特性5の第1パラメータP1はユーザごとに管理されているため、ユーザごとに開示される特性5の種類はそれぞれ異なる。
【0074】
図8は、図7においてノンプレイヤキャラクタNPC1が選択された場合に表示される画面300を示すイメージ図である。画面300は、ノンプレイヤキャラクタNPC1から依頼されたクエストを受注するか否か選択可能な通知301を含む。また、通知301は、クエストの受注指示を受け付けるボタン302と、クエストを受注しないことを指示するボタン303と、かかるクエストに対応付けられたノンプレイヤキャラクタNPC1を含む。ユーザによってボタン302が選択された場合、受付部231は、ノンプレイヤキャラクタNPC1とのインタラクションの発生を検出する。そして、管理部235は、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5に係る第1パラメータP1を蓄積させる。このように、ユーザがノンプレイヤキャラクタNPC1からのクエスト依頼を受注した場合、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5に係る第1パラメータP1が一定量蓄積される。
【0075】
第1パラメータP1の蓄積量は固定値であってもよいし、インタラクションの内容に応じて異ならせても良い。また、インタラクションする相手が第2キャラクタC2なのかノンプレイヤキャラクタNPCなのかといったキャラクタCの種別に応じて異ならせても良い。また、第1キャラクタCの特性5とインタラクションする相手のキャラクタCの特性5との関係に応じて異ならせても良い。特に、ユーザが第1キャラクタC1の特性5を任意の時点で変更可能な場合には、同一の特性5を有するキャラクタCとのインタラクションによる第1パラメータP1の蓄積量を大きくすることにより、その時ユーザは理解度を特に高めたいと考える特性5について、優先的に第1パラメータP1を蓄積することもできる。
【0076】
図9は、特性5に係る各第1パラメータP1の蓄積量を示すイメージ図である。図9では、種5aの一例である「RA」、「RB」、「RC」、「RD」、「RE」および「RF」の第1パラメータP1(第1パラメータP1a、第1パラメータP1b、第1パラメータP1c、第1パラメータP1d、第1パラメータP1eおよび第1パラメータP1f)が例示される。例えば、種5aが「RB」であるノンプレイヤキャラクタNPCとのインタラクションを受付部231が検出した場合、管理部235は、第1パラメータP1bの数値を一定量蓄積させる。また、第1パラメータP1には、蓄積量に応じた理解度レベルが設けられている。イベント制御部233は、各特性5の理解度レベルが上がる度に、その特性5に対応する新たなクエストを開放する。特に、イベント制御部233は、第1パラメータP1のレベルに応じたクエストを開放する。これにより、ユーザは、特性5に係る第1パラメータP1のレベルを上げる度に、新たなクエストを受注することができる。
【0077】
ここで、ノンプレイヤキャラクタNPC1の種5aが「RE」であって、ノンプレイヤキャラクタNPC1に依頼されたクエストをクリアしたことにより、「RE」に係る第1パラメータP1が閾値に達したものとする。また同時に、「RE」に係る第1パラメータP1が閾値に達したことで、「RE」に係る開示条件6が満たされたものとする。このとき、イベント制御部233は、種5aが「RE」であるノンプレイヤキャラクタNPCに対応付けられた新たなクエストを開放する。図10は、種5aの一例である「RE」に対応する新たなクエストが開放された画面400のイメージ図を示す。画面400には、通知401と、吹き出し402とが含まれる。通知401は、新たなクエストが開放されたことを通知するものである。吹き出し402は、種5aが「RE」であるノンプレイヤキャラクタNPCから新たなクエストを受注可能であることを示すものである。
【0078】
また、表示制御部234は、「RE」に係る第1パラメータP1が閾値に達したことで、これまで伏せられていた、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5の種類をユーザが視認可能に表示させる。具体的には、表示制御部234は、アイコン202をアイコン403に変更する(図7および図10参照)。また、アイコン404で示すように、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPC1と同様の特性5を有するノンプレイヤキャラクタNPC2についても、その特性5の種類を把握可能に表示させる(図7および図10参照)。このような態様によれば、ユーザは、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5と、他のノンプレイヤキャラクタNPCであるノンプレイヤキャラクタNPC2の特性5とが同一であったことを確認することができる。
【0079】
図11および図12は、アイコン40がユーザにより押下された場合に表示される画面500を示すイメージ図である。図11および図12で示すように、表示制御部234は、特性5の一覧を表示させる。このとき、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5を識別可能に表示させる。
【0080】
ここで、特性5が一覧表示される際、表示制御部234は、複数の階層のうちの下位に分類された特性5を、それよりも上位に分類された特性5に比して遅れて表示させる。具体的には例えば、表示制御部234は、「RE」の上位の階層に分類される種5a1を表示させた後(図11参照)、下位の階層に分類された種5a2を表示させる(図12)。この表示のタイミングのずれは、具体的には例えば、0.1,0.2,0.4,0.6,0.8,1,1.2,1.4,1.6,1.8,2,2.2,2.4,2.6,2.8,3,3.2,3.4,3.6,3.8,4,4.2,4.4,4.6,4.8,5秒であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような態様により、表示制御部234は、多種多様な特性5が存在することをユーザに無理なく認識可能とし、特性5の多様性理解に資することとなる。
【0081】
ここで、表示制御部234は、第1キャラクタC1が配置される各領域Fに、ノンプレイヤキャラクタNPCのみならず、他のユーザにより操作される複数のプレイヤキャラクタPCを表示させる。このとき、領域Fに配置されるプレイヤキャラクタPCの特性5の種類が分散されるように、第1キャラクタC1を配置するサーバまたは仮想空間の表示態様の調整が行われる。具体的には、受付部231が第1ユーザから領域Fの選択結果を受け付けると、特定部232は、仮想空間内に配置されたプレイヤキャラクタPCの特性5に関する統計情報を参照する。特性5に関する統計情報とは、本実施形態に係るゲームを提供するサーバごとに、現時点で配置されているプレイヤキャラクタPCの特性5を集計した情報である。また、特定部232は、第1キャラクタC1の特性5を参照する。そして、特定部232は、特性5に関する統計情報と、第1キャラクタC1の特性5とに基づき、第1キャラクタC1を配置させるサーバを特定する。より具体的には、特定部232は、他のサーバに比べて第1キャラクタC1の特性5が少ないサーバを選択する。これにより、サーバ内でのプレイヤキャラクタPCの特性5が多様になるように、新たにログインを行なったキャラクタCが配置されるサーバが選択され、仮想空間内での特性5の多様性が維持される。
【0082】
ユーザは、特性5の開示条件6を設定可能である。図13は、開示条件6を設定可能な画面600を示すイメージ図である。画面600には、各特性5を開示するレベルを設定可能な選択欄(プルダウン601、プルダウン602、プルダウン603)が含まれる。ここで、プレイヤキャラクタPCの特性5に係る開示条件6は、例えば、第1パラメータP1または第2パラメータP2が所定の閾値に達することである。第2パラメータP2は、第2キャラクタC2の特性5に関連付けて蓄積される第1パラメータP1とは異なる指標であって、第2キャラクタC2に関連付けて蓄積されるパラメータPである。第2パラメータP2は、プレイヤキャラクタPCとの友好度を示す指標であって、ユーザごとに管理されるものである。つまり、ユーザは、他のユーザに対して特性5を開示する開示条件6として、他のユーザに求める第2パラメータP2のレベルを設定することができる。
【0083】
他のプレイヤキャラクタPCが、第1キャラクタC1の第2パラメータP2を蓄積させるためには、第1キャラクタC1と接触することが必要となる。例えば、第1キャラクタC1の第2パラメータP2を蓄積させるために、第1キャラクタC1に話しかけること、第1キャラクタC1とマルチクエストを実行すること、第1キャラクタC1とアイテムの取引を行うこと、第1キャラクタC1とフレンドになること等が必要となる。そして、管理部235は、これらのインタラクションを検出した場合、第1キャラクタC1に対応する第2パラメータP2を一定量蓄積させる。そして、イベント制御部233は、第2パラメータP2のレベルが第1ユーザにより設定されたレベルに達した場合、第1キャラクタC1の特性5を、第2ユーザに開示させる。
【0084】
プルダウン601は、第1キャラクタC1との友好度がレベル2に達した場合、そのユーザに対して、第1キャラクタC1の種5aの上位階層を開示させることを示すものである。プルダウン602は、第1キャラクタC1との友好度がレベル4に達した場合、そのユーザに対して、第1キャラクタC1の種5aの下位階層を開示させることを示すものである。
【0085】
プルダウン603は、アイデンティティ5bに係る第1パラメータP1の理解度がレベル7のユーザに対してのみ、第1キャラクタC1のアイデンティティ5bを開示させることを示すものである。この場合、表示制御部234は、アイデンティティ5bに係る第1パラメータP1がレベル7に達したユーザに対してのみ、第1キャラクタC1が有するアイデンティティ5bの種類を開示する。このような態様によれば、ユーザは、特性5に対する理解度が高いユーザに対してのみ自身の特性5を開示することができる。
【0086】
ここで、第1キャラクタC1の特性5が、第1キャラクタC1の外見に紐付けられているものとする。このとき、表示制御部234は、第2パラメータP2のレベルに応じて、第1キャラクタC1の表示態様を変動させる。オブジェクト604、オブジェクト605およびオブジェクト606は、第1ユーザとは異なる他のユーザが第1キャラクタC1を視認した場合の表示態様を示す。換言すると、オブジェクト604、オブジェクト605およびオブジェクト606は、それぞれ第三者から見た第1キャラクタC1の姿を示す。
【0087】
例えば、表示制御部234は、第1キャラクタC1の第2パラメータP2がレベル1であるユーザに対して、第1キャラクタC1の特性5を非開示とする。具体的には、表示制御部234は、第1キャラクタC1の表示態様をオブジェクト604で示されるように表示させる。この場合、第1キャラクタC1の第2パラメータP2がレベル1であるユーザは、第1キャラクタC1の特性5が何であるかを確認することができない。
【0088】
一方、表示制御部234は、第1キャラクタC1の第2パラメータP2がレベル2であるユーザに対しては、第1キャラクタC1の表示態様をオブジェクト605で示されるように表示させる。また、第1キャラクタC1の第2パラメータP2がレベル4であるユーザに対しては、第1キャラクタC1の表示態様を、オブジェクト606で示されるように表示させる。このように、表示制御部234は、ユーザごとに、第1キャラクタC1との友好度レベルに応じて異なる表示態様で表示させる。また、このように、表示制御部234は、特性5のうちの少なくとも1つが開示条件6を満たした場合、その特性5を認識可能な情報と、これに対応するプレイヤキャラクタPC(第2キャラクタC2)とを関連付けて表示させる。これにより、ユーザは、他のプレイヤキャラクタPCとの友好度レベルが上がるにつれて、そのプレイヤキャラクタPCの正体が明らかとなることとなる。
【0089】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0090】
イベント制御部233は、ノンプレイヤキャラクタNPCとのインタラクションの検出によって変動したパラメータP(第1パラメータP1)に基づき、プレイヤキャラクタPCに対応するイベント7を発生させてもよい。例えば、イベント制御部233は、第1パラメータP1が閾値以上に達した場合、そのノンプレイヤキャラクタNPCが有する特性5と同じ特性5を有するプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストを実行可能とする特定イベント71を発生せてもよい。
【0091】
ここで、種5aが鳥類(「RE」)であるノンプレイヤキャラクタNPCとのインタラクションを重ねた結果、鳥類(「RE」)に係る第1パラメータP1が閾値以上に達したものとする。このとき、表示制御部234は、種5aが鳥類である他のプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストを受注可能な画面500を表示させる。図14は、他のプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストを通知する画面700を示すイメージ図である。画面500は、オブジェクト701およびオブジェクト702を含む。オブジェクト701は、種5aが鳥類である他のプレイヤキャラクタPCを示す。およびアイコン702は、かかる特性5の種類を示す。本画面において、ユーザによってオブジェクト702が押下された場合、イベント制御部233は、画面500に表示されたプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストを開始する。一方、ユーザによってボタン704が押下された場合、イベント制御部233は、画面500に表示されたプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストを実行しない。このような態様によれば、ノンプレイヤキャラクタNPCとの交流によって、その特性5に対する理解度が深まった場合、その特性5を有する他のプレイヤキャラクタPCとのマルチクエストが開放される。
【0092】
管理部235は、プレイヤキャラクタPCによって実行されたアクションの内容に応じて、蓄積させる第1パラメータP1または第2パラメータP2の変動量を変動させてもよい。例えば、管理部235は、プレイヤキャラクタPCと商品の取引を行なった場合よりも、プレイヤキャラクタPCとマルチクエストを行なった場合の方が、第1パラメータP1または第2パラメータP2の変動量を多くなるように、パラメータPの変動量を調整してもよい。このような態様によれば、他のプレイヤキャラクタPCと行なった交流が深いほど、そのプレイヤキャラクタPCの特性5に対する理解が深まったものとして、パラメータPの蓄積量を多くすることができる。
【0093】
また、管理部235は、第2キャラクタC2の特性5に係る第1パラメータP1を変動させる際、その特性5と所定の関係を有する特性5のパラメータPを変動させる。具体的には、管理部235は、プレイヤキャラクタPCまたはノンプレイヤキャラクタNPC(第2キャラクタC2)とのインタラクションが所定の条件を満たした場合、第2キャラクタC2の特性5に係る第1パラメータP1を変動させるとともに、第2キャラクタC2の特性5と類似する類似特性51に係る第3パラメータP3を変動させてもよい。例えば、管理部235は、プレイヤキャラクタPCとマルチクエストをクリアした場合、そのプレイヤキャラクタPCの特性5に係る第1パラメータP1を変動させる。さらに、管理部235は、そのプレイヤキャラクタPCの特性5と類似する類似特性51に係るパラメータPである第3パラメータP3を変動させる。なお、第3パラメータP3の変動量は、第1パラメータP1の変動量よりも少ないものとする。
【0094】
図15は、特性5が互いに類似するキャラクタCの一例を示すイメージ図である。図15の例では、種5aが温暖地帯出身の人族(「RQ」)である第2キャラクタC2aaと、砂漠地帯出身の人族(「RW」)である第2キャラクタC2αbと、寒冷地帯出身の鳥族(「RE」)である第2キャラクタC2acと、寒冷地帯出身の熊族(「RR」)である第2キャラクタC2adとが示される。これら4つのキャラクタCの特性5はいずれも完全同一でないものの、第2キャラクタC2aaの種5aおよび第2キャラクタC2αbの種5aは、ともに人族であるという点が共通し、互いに特性5が類似する。また、第2キャラクタC2acの種5aおよび第2キャラクタC2adの種5aは、ともに出身地帯が寒冷地域である点が共通し、互いに特性5が類似する。このように、各キャラクタCの特性5は、互いに類似する場合がある。
【0095】
管理部235は、第1キャラクタC1が第2キャラクタC2aaと行なったマルチクエストをクリアした場合、「RQ」に係る第1パラメータP1を変動させるとともに、「RQ」と特性5が類似する「RW」に係る第1パラメータP1を示す第3パラメータP3を変動させる。そして、表示制御部234は、第3パラメータP3が閾値に達した場合、その特性5を認識可能な情報と、これに対応する第2キャラクタC2とを関連付けて表示させる。
【0096】
図16は、類似特性51が開示された画面800を示す図である。ここで、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5と、ノンプレイヤキャラクタNPC3の特性5が類似するものとする。このとき、ノンプレイヤキャラクタNPC1とのインタラクションにより、ノンプレイヤキャラクタNPC3に係る第3パラメータP3が閾値に達した場合、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPCの特性5を開示する。例えば、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPCの特性5を示すオブジェクトを表示させる。
【0097】
表示制御部234は、各特性5の表示態様を、第1パラメータP1または第3パラメータP3のレベルに応じて異なるように表示させてもよい。例えば、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5に係る第1パラメータP1のレベルと、ノンプレイヤキャラクタNPC2の特性5に係る第1パラメータP1のレベルとが異なるものとする。このとき、表示制御部234は、ノンプレイヤキャラクタNPC1の特性5については、下位の階層(図12参照)を示すオブジェクト801を表示させる一方、ノンプレイヤキャラクタNPC3の特性5については、上位の階層(図12参照)を示すオブジェクト802を表示させる。
【0098】
ユーザに要求される特性5の開示条件6は、そのユーザに対応付けられたプレイヤキャラクタPCと、他のユーザにより操作されるプレイヤキャラクタPCとが同じ特性5を有することであってもよい。
【0099】
また、管理部235は、時間帯に応じて、所定の特性5の選択確率を他の特性5の選択確率よりも高く設定してもよい。例えば、管理部235は、特性5の一例である生態が夜行性の特性5の選択確率を、他の特性5の選択確率よりも高く設定する。また、管理部235は、同一の特性5でも時間帯によって選択確率が異なるように設定してもよい(図6参照)。これにより、管理部235は、ユーザがゲームをプレイする時間帯に応じて、仮想空間内に配置されるノンプレイヤキャラクタNPCの特性5を調節することができる。
【0100】
上述の実施形態では、特性5の開示態様として、特性5の種類を示すアイコンを表示させる場合を例に示したが、これに限られない。例えば、表示制御部234は、キャラクタCの皮膚の色や形、キャラクタCが装備する防具または武器の色や形、移動の際のエフェクト等により、キャラクタCが有する特性5の種類を推測可能に表示させてもよい。
【0101】
上述の実施形態では、領域Fが選択された際、抽選により選択された特性5を有するノンプレイヤキャラクタNPCを生成する場合を例に示したが、これに限られない。例えば、特定部232は、予め記憶された複数のノンプレイヤキャラクタNPCの中から、抽選処理により、領域Fに配置するノンプレイヤキャラクタNPCを選択してもよい。この場合、特定部232は、領域Fごとに、配置させるノンプレイヤキャラクタNPCを決定してもよい。なお、この場合、管理部235は、領域Fの特徴に対応する特性5を有するノンプレイヤキャラクタNPCの選択確率を、他のノンプレイヤキャラクタNPCの選択確率よりも高く設定してもよい。
【0102】
本実施形態では、受付部231、特定部232、イベント制御部233、表示制御部234および管理部235を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0103】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、表示ステップをさらに実行するように構成され、前記特性は、画面上に開示される条件である開示条件を前記特性ごとにそれぞれ有し、前記表示ステップでは、前記特性のうちの少なくとも1つが前記開示条件を満たした場合、その特性を認識できる情報と、これに対応する第2キャラクタとを関連付けて表示させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記開示条件は、前記特性に係るパラメータが所定の閾値に達することであり、前記表示ステップでは、前記特性のうちの少なくとも1つが前記開示条件を満たした場合、その特性を認識可能な情報と、これに対応する第2キャラクタとを関連付けて表示させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記開示条件は、第2パラメータが所定の閾値に達することであり、前記第2パラメータは、前記第2キャラクタの特性に関連付けて蓄積される第1パラメータとは異なる指標であって、前記第2キャラクタに関連付けて蓄積されるパラメータであり、前記表示ステップでは、前記特性のうちの少なくとも1つが前記開示条件を満たした場合、その特性を認識可能な情報と、これに対応する第2キャラクタとを関連付けて表示させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、複数の階層に分類され、前記表示ステップでは、前記階層のうちの下位に分類された特性を、それよりも上位に分類された特性に比して遅れて表示させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記管理ステップでは、前記インタラクションが所定の条件を満たした場合、前記第2キャラクタの特性に係る第1パラメータを変動させるとともに、前記第2キャラクタの特性と類似する類似特性に係る第3パラメータを変動させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記第2キャラクタは、第2ユーザに対応付けられたプレイヤキャラクタを含み、前記プレイヤキャラクタの特性は、前記第2ユーザの選択に基づき決定され、その第2ユーザに対応するプレイヤキャラクタに対応付けられる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記第2キャラクタは、何れのユーザにも対応付けられていないノンプレイヤキャラクタを含み、前記イベント制御ステップでは、前記プレイヤキャラクタとの前記インタラクションの検出によって変動したパラメータに基づき、前記ノンプレイヤキャラクタに対応するイベントを発生させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記第2キャラクタは、何れのユーザにも対応付けられていないノンプレイヤキャラクタを含み、前記イベント制御ステップでは、前記ノンプレイヤキャラクタとの前記インタラクションの検出によって変動したパラメータに基づき、前記プレイヤキャラクタに対応するイベントを発生させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、前記キャラクタの人種と、ジェンダーアイデンティティと、身体的ハンディキャップと、前記キャラクタが患う疾患とのうち少なくとも1つを示す、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、前記イベントを進行させる際に参照される前記キャラクタに関連付けられた第4パラメータに影響を与えない身体的または心理的特性である、情報処理システム。
プログラムであって、コンピュータに、前記各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0104】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0105】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :特定部
233 :イベント制御部
234 :表示制御部
235 :管理部
236 :表示制御部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
5 :特性
5a :種
5a1 :種
5a2 :種
5b :アイデンティティ
5b1 :エスニックアイデンティティ
5b2 :ジェンダーアイデンティティ
6 :開示条件
7 :イベント
41a :ディスプレイ
51 :類似特性
71 :特定イベント
100 :画面
101 :決定ボタン
200 :画面
201 :吹き出し
202 :オブジェクト
204 :オブジェクト
205 :吹き出し
209 :アイコン
300 :画面
301 :通知
302 :ボタン
303 :ボタン
306 :オブジェクト
400 :画面
401 :通知
402 :吹き出し
406 :オブジェクト
407 :オブジェクト
500 :画面
600 :画面
601 :プルダウン
602 :プルダウン
603 :プルダウン
604 :オブジェクト
605 :オブジェクト
606 :オブジェクト
700 :画面
701 :オブジェクト
702 :オブジェクト
704 :ボタン
800 :画面
801 :オブジェクト
802 :オブジェクト
AP :能力パラメータ
C :キャラクタ
C1 :第1キャラクタ
C2 :第2キャラクタ
NPC1 :ノンプレイヤキャラクタNPC
NPC2 :ノンプレイヤキャラクタNPC
NPC3 :ノンプレイヤキャラクタNPC
NPC4 :ノンプレイヤキャラクタNPC
EC :敵キャラクタ
F :領域
P :パラメータ
P1 :第1パラメータ
P2 :第2パラメータ
P3 :第3パラメータ
P4 :第4パラメータ
図1
図2
図3
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