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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127923
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】走行玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 17/395 20060101AFI20230907BHJP
   A63H 17/385 20060101ALI20230907BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A63H17/395
A63H17/385
A63H5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031911
(22)【出願日】2022-03-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青鹿 克己
(72)【発明者】
【氏名】市川 敬太
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA12
2C150BB01
2C150CA08
2C150DA06
2C150DF01
2C150EB01
2C150ED42
(57)【要約】
【課題】 遊戯者が手押し又は手引きによって所望の動作をさせることができる走行玩具を提供すること。
【手段】 遊戯者が走行玩具にさせる所定の動作を検出する検出部を、備え、検出部が検出した動作に基づく態様から走行玩具が処理制御部の制御下で行う1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作部を有し、処理制御部の制御によって前記所定の動作部を動作させる走行玩具であって、
前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を、遊戯者が前記走行玩具にさせる前記処理制御部の制御によらない所定の動作の態様に対応付けて記憶する記憶部と、
前記遊戯者が走行玩具にさせる前記処理制御部の制御によらない所定の動作を検出する検出部を、備え、
前記処理制御部は、前記検出部が検出した所定の動作の態様に基づいて前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う動作を決定し、実行させるように構成され、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、
前記検出部が検出した動作に基づく態様から前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする
ことを特徴とする走行玩具。
【請求項2】
前記記憶部は、前記所定の動作の態様として手転がしの態様を記憶し、
前記検出部は手転がしを検出し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの態様によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする請求項1に記載の走行玩具。
【請求項3】
前記記憶部は、前記所定の動作の態様として手転がし回数を記憶し、
前記検出部は手転がしを検出し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする請求項2に記載の走行玩具。
【請求項4】
前記所定時間の経過毎に音で通知する報知手段を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の走行玩具。
【請求項5】
前記報知手段は、動作部の動作に使用されるモータの振動によって音を出力する、ことを特徴とする請求項4に記載の走行玩具。
【請求項6】
通常モードとプログラムモードとを有し、前記処理制御部は、モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じて通常走行モード及びプログラムモードのいずれかを実行し、通常モードでは、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じた動作を実行させる、ことを特徴とする請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の走行玩具。
【請求項7】
通常モードとプログラムモードとを有し、前記処理制御部は、モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じて通常走行モード及びプログラムモードのいずれかを実行し、通常モードでは、前記モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じた動作を実行させる、ことを特徴とする請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の走行玩具。
【請求項8】
さらに、前記走行玩具を遠隔操作するコントローラを備え、
前記記憶部は、複数の動作を前記コントローラの操作子の操作態様に対応付けて記憶し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記操作子の操作態様によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を前記走行玩具に実行させる、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の走行玩具。
【請求項9】
手転がしによって車輪を回転させることにより誘導起電力を生じさせるように構成され、
前記検出部は前記揺動起電力に基づいて手転がしを検出する、
ことを特徴とする請求項2~請求項7のいずれか一項に記載の走行玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪の回転数に応じて動作する走行玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この走行玩具は、例えば、車輪の回転によりオン、オフされるスイッチを備えている。そして、この走行玩具では、スイッチのオン、オフ回数を記憶し、オン、オフ回数が規定の回数に達した時に音声ICから定められた音声メッセージを選択出力するようにプログラム制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3094980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この走行玩具は、車輪の回転数に応じて定められた所定の音声メッセージを所定の時期に選択出力するものであり、遊戯者がその出力内容や出力時期等に関与する余地がないものであり、物足りないものであった。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、遊戯者がプログラミングによって所望の動作をさせることができる走行玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
所定の動作部を有し、処理制御部の制御によって前記所定の動作部を動作させる走行玩具であって、
前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を、遊戯者が前記走行玩具にさせる前記処理制御部の制御によらない所定の動作の態様に対応付けて記憶する記憶部と、
前記遊戯者が走行玩具にさせる前記処理制御部の制御によらない所定の動作を検出する検出部を、備え、
前記処理制御部は、前記検出部が検出した所定の動作の態様に基づいて前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う動作を決定し、実行させるように構成され、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、
前記検出部が検出した動作に基づく態様から前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、
前記記憶部は、前記所定の動作の態様として手転がしの態様を記憶し、
前記検出部は手転がしを検出し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの態様によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第2の手段であって、
前記記憶部は、前記所定の動作の態様として手転がし回数を記憶し、
前記検出部は手転がしを検出し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段であって、前記所定時間の経過毎に音で通知する報知手段を有する、ことを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第4の手段であって、前記報知手段は、動作部の動作に使用されるモータの振動によって音を出力する、ことを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第3~第5の手段のいずれかであって、
通常モードとプログラムモードとを有し、前記処理制御部は、モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じて通常走行モード及びプログラムモードのいずれかを実行し、通常モードでは、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じた動作を実行させる、ことを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第3~第5の手段のいずれかであって、
通常モードとプログラムモードとを有し、前記処理制御部は、モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じて通常走行モード及びプログラムモードのいずれかを実行し、通常モードでは、前記モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じた動作を実行させる、ことを特徴とする。
【0012】
第8の手段は、第6又は第7の手段であって、
さらに、前記走行玩具を遠隔操作するコントローラを備え、
前記記憶部は、複数の動作を前記コントローラの操作子の操作態様に対応付けて記憶し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記操作子の操作態様によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を前記走行玩具に実行させる、ことを特徴とする。
【0013】
第9の手段は、第2~第7のいずれかの手段であって、
手転がしによって車輪を回転させることにより誘導起電力を生じさせるように構成され、
前記検出部は前記揺動起電力に基づいて手転がしを検出する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の手段によれば、遊戯者が走行玩具に処理制御部の制御によらない所定の動作させることで、走行玩具が行う動作をプログラミングすることができるので、斬新で、興趣性の高い走行玩具が実現できる。
【0015】
第2の手段によれば、手転がしの態様によって走行玩具が行う動作をプログラミングすることができるので、斬新で、興趣性の高い走行玩具が実現できる。
【0016】
第3の手段によれば、手転がし回数によって走行玩具が行う動作をプログラミングすることができるので、斬新で、興趣性の高い走行玩具が実現できる。
【0017】
第4の手段によれば、所定時間の経過毎に音で通知されるので、手転がしのタイミングを取りやすく、しかも、回数が認識しやすくなり、手転がしによる入力が簡単に行えることになる。
【0018】
第5の手段によれば、スピーカ等の報知手段が不要となり、その分、コストダウンが図れることになる。
【0019】
第6の手段によれば、プログラムモードの外に通常モードを有するため、誰でも簡単に遊ぶことができる。
【0020】
第7の手段によれば、通常モードの動作をさせるため1回の入力で済むので、より簡単に遊ぶことができる。
【0021】
第8の手段によれば、走行玩具を遠隔操作するコントローラによる入力によっても、走行玩具が行う動作をプログラミングすることができるので、離れた場所に走行玩具がある場合に一々走行玩具に近付くことなく、走行玩具に所望の動作をさせることができる。
【0022】
第9の手段によれば、手転がしにより生じた誘導起電力の大きさに基づいて手転がしの有無を判断するので、安価で簡便な走行玩具が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態の走行玩具を上面側から見た斜視図である。
図2】第1実施形態の走行玩具を下面側から見た斜視図である。
図3】ボディ外板を取り除いた状態の走行玩具の斜視図である。
図4】ボディ外板及び電池ボックス等を取り除いた状態の走行玩具の斜視図である。
図5】モータと後輪との連結構造を示す分解斜視図である。
図6】モータ、歯車機構及びレバーを示す斜視図である。
図7】回動部材(レバー)の動作を説明するための側面図である。
図8】走行玩具のその場回転の様子を示した側面図である。
図9】走行玩具の機能構成を示すブロック図である。
図10】手引きの検出回路を示す回路図である。
図11】処理制御部の動作を示すフローチャートである。
図12】手引き回数とモードとの関係を示した図である。
図13】プログラムモードにおける本体入力の場合の手引き回数と単位動作との対応関係を示す図である。
図14】セット終わりに出力される通知音を示している。
図15】自動車玩具が備えるコントローラの正面図である。
図16】コントローラの機能構成を示すブロック図である。
図17】コントローラの操作と単位動作との対応関係を示す図である。
図18】プログラムモードにおけるコントローラ入力の場合の手引き回数と単位動作との対応関係を示す図である。
図19】第2実施形態の走行玩具を上面側から見た斜視図である。
図20】第2実施形態の走行玩具を下面側から見た斜視図である。
図21】ボディ外板及び基板等を取り除いた状態の走行玩具の斜視図である。
図22】モータと後輪との連結構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0025】
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態の自動車玩具10を上面側から見た斜視図、図2は、第1実施形態の自動車玩具10を下面側から見た斜視図である。
この自動車玩具10では、後輪11が動輪で、前輪12が従輪となっている。また、この自動車玩具10の後部には鉤状部13が設けられている。この鉤状部13には所定のコインが着脱可能となっており、所定のコインを挟み込むことによって、前進方向の直進時にウィリー走行をさせることができる。
【0026】
図3は、ボディ外板を取り除いた状態の自動車玩具10の斜視図である。
同図に示すように自動車玩具10には電源となる2個のアルカリボタン電池14が電池ボックス15に2個搭載されている。
【0027】
図4は、ボディ外板及び電池ボックス15等を取り除いた状態の自動車玩具10の斜視図である。
同図に示すようにシャーシ17の上には基板18が設けられ、基板18にはICチップ等の電子部品や電気部品が取り付けられている。また、シャーシ17の後部には直流用の正逆転可能なモータMが設置されている。モータMは、歯車機構20を介して後輪11に連結されている。
【0028】
図5は、モータMと後輪11との連結構造を示す分解斜視図である。
左右の後輪11の各々は、ホイール11a及びタイヤ11bから構成され、ホイール11aにタイヤ11bが外嵌された構造となっている。各ホイール11aの中央には6角穴11cが形成され、その中心には円穴11dが形成されている。
そして、右側の後輪11の円穴11dには、車軸21の右側端部が嵌合されている。また、左側の後輪11の円穴11d(図示せず)には、車軸21の左側端部が嵌合されているとともに、左側の後輪11の6角穴11c(図示せず)には、車軸21に固定された後述の歯車20dと一体の6角柱状部22が嵌合されている。その際、歯車20dと左の車輪11との間には回動部材であるレバー23が挟み込まれる。
【0029】
図6は、モータM、歯車機構20及びレバー23を示す斜視図である。
レバー23には、中央部分に円穴23aが形成され、この円穴23aは上記6角柱状部22の外側に緩く嵌合されている。そして、レバー23は、車軸21を中心に所定範囲で回動可能に構成されている。そして、レバー23は、左の車輪11が回転する際に、歯車20d及び左の車輪11との間に働く摩擦によって所定範囲で当該車輪11と供回りする。
図7(A),(B)に示すように、レバー23の可動範囲は、上端部が、電池ボックス15に形成された鉤状のストッパ15aに当たる位置と、電池ボックス15に形成されたねじカバー15bとに当たる位置との間である。
また、レバー23の長さは、レバー23の上端部がストッパ15aに当たった位置でレバー23の下端部が左の後輪11よりも下方に突出して接地し、左の後輪11を浮かせることができる程度となっている。つまり、レバー23の下端部が当該後輪11よりも下方に突出し接地した状態では当該車輪11が非接地状態となり、左右の後輪11が後進方向に回転すると、図8に示すように、レバー23の接地点を中心に自動車玩具10が平面視で時計方向にその場で回転する。
なお、水平面に自動車玩具10が置かれた状態で、レバー23の上端部がストッパ15aに当たる位置にあるとき、レバー23の接地点は、車軸21を通る鉛直線よりも後方位置にあることが好ましい。レバー23の上端部がストッパ15aに当たる位置にある状態で、自動車玩具10を手引きする際に水平面に強く押し付けたときに、レバー23が非接地となる方向に回動するので、左の車輪11を接地状態とすることができるからである。なお、自動車玩具10を手引きする際に水平面に強く押し付けた際に、左の車輪11が接地状態となるように、レバー23が撓むように構成しておいてもよい。
【0030】
歯車機構20は、図6及び図7に示すように、モータMの出力軸に付設された歯車20aと、当該出力軸及び車軸21に平行な軸24に付設され歯車20aに噛合する歯車20bと、軸24に付設され歯車20bとともに2段歯車を構成する歯車20cと、車軸21に固定され歯車20cに噛合する歯車20dとから構成されている。これにより、モータ動力は歯車20a,20b,20c,20dを介して後輪11に伝達される。
その際、上述したように、レバー23は、歯車20d及び左の車輪11との間に働く摩擦によって車軸21を中心に当該車輪11と供回りする。
【0031】
〈機能構成〉
自動車玩具10は、図9に示すように、処理制御部30と、記憶部31と、検出部32と、モータ駆動部33と、受信部34と、音出力部(報知部)35とを備えている。受信部34は、後述のコントローラ60からの操作信号を受信するものである。
【0032】
処理制御部30は、中央処理装置及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部30は、様々なプログラムを実行することにより、実施形態の自動車玩具10としての機能を実現する。
【0033】
記憶部31には、自動車玩具10の機能実現のために利用される様々な情報データが記憶されている。この情報データには処理制御部30が実行するプログラムデータ等が含まれている。この記憶部31には、処理制御部30がアクセス可能となっている。
【0034】
検出部32は自動車玩具10の手引きの有無を検出するためのものである。この手引きは走行動作パターンの決定に用いられる。
【0035】
音出力部35は音を出力するためのもので、通知音を出力するものである。
【0036】
図10には、検出部32を構成する検出回路が示されている。
検出回路は、具体的には、モータМのロータの回転に伴って生じる誘導起電力(電圧)を、コンデンサCと抵抗R1とからなる微分回路で時間微分する。そして、この出力電圧をPNPトランジスタTrのベースに印加すると、PNPトランジスタTrがオンしてエミッタとコレクタの間に電流が流れる。このときのコレクタ電圧に基づき発電の有無つまり所定の誘導起電力の発生の有無を検出する。そして、コレクタ電圧が所定値を超えたことを以て所定の手引きがあったとする。これにより、自動車玩具10の所定の手引きの有無が検出される。
すなわち、自動車玩具10の手引きを行う場合、手引きによって、自動車玩具10は始動直後に急激に増速され、速度がピークに至った後に減速されて停止するのが普通である。この場合、生じる誘導起電力の大きさは、この自動車玩具10の手引きの速度に応じて変化する。したがって、速度変化ひいては誘導起電力の時間的変化の度合いは、一般的には始動直後が特に大きくなり、その誘導起電力の時間的変化の度合いが所定値を超えたことを以て所定の手引きがなされたとされる。
なお、速度変化ひいては誘導起電力の時間的変化の度合いは、一般的には停止直前も特に大きくなるが、検出のための所定時間を超えて長く手引きしたときにその手引き回数がカウントされない場合があるので、始動直後の誘導起電力の時間的変化の度合いを検出することが好ましい。
この検出信号は処理制御部30に入力され、処理制御部30で所定時間、例えば5秒間での検出回数がカウントされる。
【0037】
モータ駆動部33は、自動車玩具10を走行させるためのモータ制御信号を処理制御部30から受ける。そして、モータ駆動部33は、そのモータ制御信号に応じて、所定時間モータMを正転又は逆転させる。
なお、PNPトランジスタTrに代えてNPNトランジスタを用いてもよい。
【0038】
図11は、処理制御部30の動作を示したフローチャートである。
メインスイッチSWで電源を投入した後、処理制御部30が検出部32から手引きの検出信号を受けると、処理制御部30は、スリープ状態からウェイクアップ状態に遷移し、計時及び計数を開始する。そして、処理制御部30は、所定時間(例えば5秒経過するまで)、手引き検出処理を実行する。この手引き検出処理は検出部32からの検出信号を受け付けるだけでなく、手引きの回数を計数する。このとき、計時及び計数の開始前の最初の手引きを1回とし、最大5回となるまで手引きの回数を加算する。5回以上手引きを行った場合には5回とみなすか、エラーとして初期状態に戻す。そして、処理制御部30は、計時から所定時間(例えば5秒)経過したならば、手引きの回数に応じて基本モード又はプログラムモードに移行する。プログラムモードにおける処理には、遊戯者の入力を待つ待機と、遊戯者の入力の受付処理、入力内容の決定、決定内容の実行が含まれる。
【0039】
図12は、手引き回数とモードとの関係を示した図である。
手引きの回数が1~4回の場合には基本モードとなり、手引きの回数が5回の場合にはプログラムモードの待機状態となる。そして、処理制御部30は、基本モードの場合には基本動作パターンの動作を実行させるためのモータ制御信号をモータ駆動部33に送る。一方、処理制御部30は、プログラムモードの場合には再度の手引きの検出を行い、その検出結果に応じたプログラム動作パターンの動作を実行させるためのモータ制御信号をモータ駆動部33に送る。
【0040】
[基本モード]
手引き回数1~4回の場合には、基本モードとなり、実行される動作パターンの決定にはモード決定の際に行われた手引き回数がそのまま用いられる。
実施形態では、図12に示すように、例えば、1回の手引きには直進、2回の手引きにはターン、3回の手引きにはバックスピン、4回の手引きにはロング直進が対応付けられて記憶部31に記憶されている。
【0041】
そして、所定時間内の手引き回数が1回の場合には、直進動作を実行させるためのモータ制御信号が処理制御部30からモータ駆動回路に送られ、左右の後輪11を所定時間前進方向に回転させる。これにより、自動車玩具10が所定時間前進方向に約60cm直進する。
【0042】
また、所定時間内の手引き回数が2回の場合には、ターン動作を実行させるためのモータ制御信号が処理制御部30からモータ駆動回路に送られ、先ず、左右の後輪11を所定時間前進方向に回転させ、自動車玩具10を所定時間前進方向に約30cm直進させる。その後、処理制御部30は左右の後輪11を所定時間後進方向に回転させる。これにより、レバー23が左の後輪11の下に突出し、左の後輪11が浮き上がる一方で、右の後輪11が地面を蹴るので、レバー23の接地点を支点として、自動車玩具10は上方から見て時計方向に所定時間その場で回転する。これにより、自動車玩具10は向きを反転する。さらに、処理制御部30は左右の後輪11を所定時間前進方向に回転させ、自動車玩具10を所定時間前進方向に約30cm直進させる。
【0043】
また、所定時間内の手引き回数が3回の場合には、バックスピン動作を実行させるためのモータ制御信号が処理制御部30からモータ駆動回路に送られ、左右の後輪11を所定時間後進方向に回転させる。これにより、レバー23が左の後輪11の下に突出し、左の後輪11が浮き上がる一方で、右の後輪11が地面を蹴るので、レバー23の接地点を支点として、自動車玩具10は上方から見て時計方向に所定時間その場で回転する。これにより、自動車玩具10は上方から見て時計方向に所定時間その場で回転する。
【0044】
また、所定時間内の手引き回数が4回の場合には、直進動作を実行させるためのモータ制御信号が処理制御部30からモータ駆動回路に送られ、左右の後輪11を所定時間前進方向に回転させる。これにより、自動車玩具10は所定時間前進方向に約90cm直進する。
【0045】
[プログラムモード]
プログラムモードは、遊戯者の入力によって決定された動作パターンで自動車玩具10を動作させるものである。この場合の動作パターンは、複数の単位動作の組み合わせからなり、組み合わせるべき各単位動作は、自動車玩具10の手引き回数によって決定される。
【0046】
図13は、プログラムモードにおける手引き回数と単位動作との対応関係を示す図である。
例えば、1回の手引きには、単位動作として直進、2回の手引きには右直進、3回の手引きには左直進、4回以上の手引きには右直進が対応付けられて記憶部31に記憶されている。
ここで、右直進とは、時計回り90°の旋回と直進との組み合わせ動作であり、左直進とは、時計回り270°の旋回+直進との組み合わせ動作である。
この実施形態では、全て直進距離が約15cmと短めに設定されている。
【0047】
プログラムモードでは、遊戯者が選択した最大5個の単位動作の組み合わせがプログラムモードの走行動作となる。1個の単位動作の選択の機会を1セットとすれば、最大5セットの選択の機会が与えられる。
【0048】
実施形態では、各セットの手引きの受付時間は例えば5秒間に設定されている。したがって、遊戯者は、この5秒の間に、単位動作の選択をしなければならない。つまり、遊戯者は、5秒の間に、所望の単位動作に対応した回数の手引きを行わなければならない。また、この手引きを最大5セット行う必要がある。この場合、セットの区切りを知らせるため通知音が発せられる。この通知音によって遊戯者はセットの始まりや終わりを認識することができる。図14は、セット終わりに出力される音を示している。最後の音「ピーッ・ピーッ」は完了音として用いられる。
【0049】
このプログラムモードの開始は通知音、例えば「ピーッ」で報知される。そして、初回セットの手引きの検出が開始される。各セットは連続して行われる。各セット内容は略同じであるので纏めて説明する。
処理制御部30は、各セットが開始されると、検出部32を介して手引き受付を行う。そして、5秒の間に、手引きがあると、その回数を計数し、その回数に対応した単位動作を決定する。5秒の間に、手引きがないと、初回セットの場合には、初期状態(起動前状態)に戻す。5秒の間に、手引きがないのが2回目以降のセットの場合には、単位動作決定を終了させ、その前のセットまでの単位動作の決定を有効とする。
【0050】
このようにして各セットでの単位動作が決定されたなら、処理制御部30は、それらの組み合わせを動作パターンとし、5秒後に当該動作パターンに従って自動車玩具10を走行させる。この場合、スタートの3秒前からスタート効果音が出力される。なお、5秒経過前であっても、後述のコントローラ60の例えば前進ボタン61の操作によって、プログラム動作パターンの動作を実行させてもよい。
【0051】
図15は、自動車玩具10が備えるコントローラ60の正面図である。
実施形態の自動車玩具10はコントローラ60によっても操縦可能に構成されている。このコントローラ60には、上側押下によって操作される前進ボタン61と、下側押下によって操作されるバックスピンボタン62とが設けられている。
【0052】
〈機能構成〉
コントローラ60は、図16に示すように、処理制御部70と、記憶部71と、操作部72と、送信部73とを備えている。操作部72は、上記前進ボタン61とバックスピンボタン62を含んでいる。
【0053】
処理制御部70は、中央処理装置及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御部70は、様々なプログラムを実行することにより、実施形態のコントローラ60としての機能を実現する。
【0054】
自動車玩具10は、このコントローラ60からの操作信号の受信により起動して、動作するようになっている。すなわち、コントローラ60の前進ボタン61が押下されると、押している間、自動車玩具10は前進し、コントローラ60のバックスピンボタン62が押下されると、押している間、自動車玩具10はバックスピンする。
【0055】
また、このコントローラ60によっても自動車玩具10の走行パターンのプログラミングが可能となっている。このプログラミングは、自動車玩具10がプログラムモードのときに可能となる。自動車玩具10がプログラムモードに移行したときに、本体入力よりも前に、コントローラ60からの操作信号を受信すると、コントローラ入力のプログラミングが可能となる。
【0056】
図17は、コントローラ60の操作と単位動作との対応関係を示す図である。
例えば、前進ボタン61の短押しには、単位動作として直進、長押しには間欠直進、バックスピンボタンの短押しには右直進、長押しには左直進が対応付けされていて、上記自動車玩具10の記憶部31に記憶されている。
ここで、右直進及び左直進は、本体入力の場合と同じである。間欠直進とは、直進が停止を挟んで2回なされる動作である。この実施形態では、全て直進距離が約15cm(間欠直進の場合は総計で約15cm)と短めに設定されている。
【0057】
このプログラムモードでは、遊戯者が選択した最大10個の単位動作の組み合わせがプログラムモードの走行動作となる。1個の単位動作の選択の機会を1セットとすれば、最大10セットの選択の機会が与えられる。また、セットの区切りを知らせるため通知音が発せられる。コントローラには画像表示部が存在しないので、この通知音によって遊戯者はセットの始まりや終わりを認識することができる。図18は、セット終わりに出力される音を示している。最後の音「ピーッ・ピーッ」は完了音として用いられる。
【0058】
実施形態では、各セットの手引きの受付時間は例えば5秒間に設定されている。したがって、遊戯者は、この5秒の間に、単位動作の選択をしなければならない。つまり、遊戯者は、5秒の間に、所望の単位動作に対応したコントローラ入力を行わなければならない。また、このコントローラ入力を最大10セット行う必要がある。
【0059】
このようにして各セットでの単位動作が決定されたなら、自動車玩具10の処理制御部30は、それらの組み合わせを動作パターンとし、5秒後に当該動作パターンに従って自動車玩具10を走行させる。この場合、スタートの3秒前からスタート効果音が出力される。なお、5秒経過前であっても、コントローラ60の例えば前進ボタン61の操作によって、プログラム動作パターンの動作を実行させてもよい。
【0060】
〈第1実施形態の効果〉
この第1実施形態の自動車玩具10によれば次のような主たる効果を得ることができる。
【0061】
この第1実施形態の自動車玩具10によれば、手引きによって自動車玩具10が行う動作をプログラミングすることができるので、斬新で、興趣性の高い走行玩具が実現できる。
【0062】
また、プログラミングの際に、所定時間の経過毎に音で通知されるので、手転がしによる入力が簡単に行えることになる。
【0063】
また、プログラムモードの外に通常モードを有するため、誰でも簡単に遊ぶことができる。
【0064】
さらに、通常モードの動作の決定にモード決定の際の手引き回数を用いるので、再度の手引きを行う必要がなく、より簡単に遊ぶことができる。
【0065】
また、手引きにより生じた誘導起電力を用いて手転がしの有無を判断するので、安価で簡便な走行玩具が実現できる。
【0066】
≪第2実施形態≫
図19は、第2実施形態の自動車玩具10Aを上面側から見た斜視図、図20は、第2実施形態の自動車玩具10Aを下面側から見た斜視図、図21は、ボディ外板及び基板等を取り除いた状態の自動車玩具10Aの斜視図である。
この第2実施形態の自動車玩具10Aが、第1実施形態の自動車玩具10と異なる点は、左右の後輪11がそれぞれ別のモータML,МRによって駆動される点、電源が充電池(リポバッテリ)となっており、USBポート4P(図14)を有し、充電可能となっている点である。
【0067】
この第2実施形態の自動車玩具10Aは、モータML,МRを備えている。
モータMLは左側の後輪11を駆動させるもので、図22に示すように、モータMLは歯車機構40Lを介して後輪11に連結されている。歯車機構40Lは、モータMLの出力軸に付設された歯車40La、当該出力軸及び車軸21に平行な軸41Lに付設された歯車40Lbと、軸41Lに付設され歯車40Lbとともに2段歯車を構成する歯車40Lcと、車軸21に空転可能に設けられ歯車40Lcに噛合し後輪11と一体的に回転する歯車40Ldとから構成されている。
一方、モータMRは右側の後輪11を駆動させるもので、モータMRは歯車機構40Rを介して後輪11に連結されている。歯車機構40Rは、モータMRの出力軸に付設された歯車40Ra、当該出力軸及び車軸21Rに平行な軸41Rに付設された歯車40Rbと、軸41Rに付設され歯車40Rbとともに2段歯車を構成する歯車40Rcと、車軸21に空転可能に設けられ歯車40Rcに噛合し後輪11と一体的に回転する歯車40Rdとから構成されている。
【0068】
この第2実施形態の自動車玩具10Aによれば、処理制御部30によってモータML又はモータMRが独立に制御可能となっている。また、モータML,MRの一方の回転に伴う発電を検出し、手引き回数を判定している。
【0069】
この第2実施形態の自動車玩具10Aによれば、左右のモータML又はモータMRが独立に制御可能となっているので、自動車玩具10Aを直進(前進、後進)させたり、その場回転(時計方向回転、反時計方向回転)させたりするだけでなく、自動車玩具10Aにカーブ走行や蛇行走行等させたりすることもできる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0071】
例えば、上記実施形態では、誘導起電力の時間的変化の度合い基づいて手引き回数を検出することとしたが、生じた誘導起電力の大きさによって、所定の手引き回数を検出することとしてもよい。
すなわち、自動車玩具10の手引きを行う場合、手引きによって、自動車玩具10は始動後に急激に増速され、速度がピークに至り、その後に減速されて停止する。また、生じる誘導起電力の大きさは、この自動車玩具10の手引きの速度に応じて変化する。したがって、誘導起電力の大きさつまり自動車玩具10の手引き速度が所定値を超えたことを以て所定の手引きがあったとすることができる。
【0072】
或いは、手引きによって回転する車軸等にカムを設けるとともに、当該カムの隣にリーフスイッチを設けて、リーフスイッチのON、OFFにより手引きを検出するようにしてもよい。
この場合、リーフスイッチのON、OFFが連続している間は1回の手引きが継続的に行われているとし、リーフスイッチのON、OFFが中断したときにその回の手引きが終了したと扱うことができる。
【0073】
さらに、上記実施形態では、自動車玩具10を後方に向けて手引きし、その手引き回数に応じた動作パターンの動作をさせるようにしたが、自動車玩具10を前方に向けて手押しし、その手押し回数に応じた動作パターンの動作をさせるようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、動作パターンの動作は後輪11の回転によってなされる動作であったが、例えば、動作パターンの動作に、前照灯を点灯又は点滅させたり、自動車玩具を電飾したりする発光動作、サイレン音や走行音を発する音声出力動作等他の動作が含まれていてもよい。「動作パターン」の動作は1つの動作から構成される場合と、いくつかの動作が組み合わされた複合的動作の場合とを含むことは言うまでもない。
【0075】
また、上記実施形態では、手引きの回数に応じて所定の動作パターンの動作を自動的に実行する場合について説明したが、自動車玩具に通信部を設けるとともに外部操縦モード用の動作パターンを記憶部に記憶させておき、所定のアプリをインストールした携帯端末等からの操作信号に基づき自動車玩具を動作させることもできる。
この場合、特に限定はされないが、コントローラや携帯端末の表示部に操作内容を直感的に認識可能な絵文字や矢印が表示され、その絵文字や矢印をタップすることで、自動車玩具を動作させるようにすることが好ましい。また、特に携帯端末よる外部操縦を行う場合で複合的動作を行わせるとき、表示部上に絵文字や矢印で表示された複数の動作の組み合わせや順序を絵文字や矢印を表示部上でスワイプ等して動かすことにより変更できるように構成することが好ましい。
【0076】
さらに、上記実施形態では、自動車玩具について説明したが、車輪で走行(手押し走行を含む)する走行玩具その他の動作玩具全てに本発明は適用することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、モード決定のための手引き回数を、その後の通常モードの手引き回数に流用しているが、別個に手引き検出を行ってもよい。
【0078】
さらに、各場面で行われる手引き検出の時間は同じでなくてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、プログラミングの際に行う動作として手引きを挙げたが、加速度センサを設けて、走行玩具を振った回数や、動作させた時間などによってプログラミングがなされるようにしてもよい。さらに、動作部を複数設け、動作させる部品の順番によってプログラミングがなされるようにしてもよい。
【0080】
さらには、上記実施形態のコントローラ60は前進ボタン61とバックスピンボタン62の2つを有する場合について説明したが、3つ以上のボタンを有する場合にも適当できる。
【0081】
また、上記実施形態では、直流モータMを用いたが、パルスモータを使用することもできる。
【0082】
さらに、音出力部35を、人間の可聴範囲となる通知音が発せられるような所定のパルスを与えて当該モータを振動させることによって、通知音を出力させる構成とすることができる。
【0083】
また、上記実施形態では、検出回路は、手転がしのうちの一方の手引きを検出するものであったが、手押しも同時に検出することができる。この場合、手引きによる場合と、手押しによる場合とで波形が異なるので、この波形の違いを検出し、手引きの場合のみを検出したり、手押しの場合のみを検出したりすることができる。また、上記の手引き回数に代えて手引き及び手押し回数を加算して用いることができる。すなわち、自動車玩具を手引きした後手押しした場合には2回の手転がしがあったとすることができる。さらには、手引きの場合と手押しの場合との波形の違いを利用して、これをプログラミングに利用することができる。例えば、手引きした場合と、手押しした場合とで自動車玩具の動作を変更したり、その組み合わせによって動作を変更したりすることができる。
【符号の説明】
【0084】
10 自動車玩具
10A 自動車玩具
11 後輪
20 歯車機構
21 車軸
21 軸
23 レバー(回動部材)
30 処理制御部
M モータ
ML,MR モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第9の手段は、第2~第7のいずれかの手段であって、
手転がしによって車輪を回転させることにより誘導起電力を生じさせるように構成され、
前記検出部は前記誘導起電力に基づいて手転がしを検出する、
ことを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作部を有し、処理制御部の制御によって前記所定の動作部を動作させる走行玩具であって、
前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を、遊戯者が前記走行玩具にさせる前記処理制御部の制御によらない所定の動作の態様に対応付けて記憶する記憶部と、
前記遊戯者が走行玩具にさせる前記処理制御部の制御によらない所定の動作を検出する検出部を、備え、
前記処理制御部は、前記検出部が検出した所定の動作の態様に基づいて前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う動作を決定し、実行させるように構成され、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、
前記検出部が検出した動作に基づく態様から前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、前記走行玩具が前記処理制御部の制御下で行う複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする
ことを特徴とする走行玩具。
【請求項2】
前記記憶部は、前記所定の動作の態様として手転がしの態様を記憶し、
前記検出部は手転がしを検出し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの態様によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする請求項1に記載の走行玩具。
【請求項3】
前記記憶部は、前記所定の動作の態様として手転がし回数を記憶し、
前記検出部は手転がしを検出し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を実行させる、ことを特徴とする請求項2に記載の走行玩具。
【請求項4】
前記所定時間の経過毎に音で通知する報知手段を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の走行玩具。
【請求項5】
前記報知手段は、動作部の動作に使用されるモータの振動によって音を出力する、ことを特徴とする請求項4に記載の走行玩具。
【請求項6】
通常モードとプログラムモードとを有し、前記処理制御部は、モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じて通常走行モード及びプログラムモードのいずれかを実行し、通常モードでは、所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じた動作を実行させる、ことを特徴とする請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の走行玩具。
【請求項7】
通常モードとプログラムモードとを有し、前記処理制御部は、モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じて通常走行モード及びプログラムモードのいずれかを実行し、通常モードでは、前記モードの決定のために設定した所定時間の間に前記検出部が検出した手転がしの回数に応じた動作を実行させる、ことを特徴とする請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の走行玩具。
【請求項8】
さらに、前記走行玩具を遠隔操作するコントローラを備え、
前記記憶部は、複数の動作を前記コントローラの操作子の操作態様に対応付けて記憶し、
プログラムモードにおいて、
前記処理制御部は、所定時間の間に前記操作子の操作態様によって1つの動作を決定し、この決定を複数回繰り返すことで、複数の動作を決定し、当該複数の動作を組み合わせたパターンの動作を前記走行玩具に実行させる、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の走行玩具。
【請求項9】
手転がしによって車輪を回転させることにより誘導起電力を生じさせるように構成され、
前記検出部は前記誘導起電力に基づいて手転がしを検出する、
ことを特徴とする請求項2~請求項7のいずれか一項に記載の走行玩具。