(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127956
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】凍結防止装置
(51)【国際特許分類】
F16L 53/30 20180101AFI20230907BHJP
H05B 3/40 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
F16L53/30
H05B3/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031955
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 聡
(72)【発明者】
【氏名】谷地田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】中澤 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 純平
【テーマコード(参考)】
3H025
3K092
【Fターム(参考)】
3H025AA11
3H025AB01
3H025BB01
3H025BB07
3H025CA04
3K092PP11
3K092QA06
3K092TT15
3K092TT17
3K092VV02
3K092VV03
3K092VV33
(57)【要約】
【課題】凍結防止ヒータが配管に直接接触してしまわないように凍結防止ヒータの位置ずれを防止する。
【解決手段】配管2の凍結を防止する凍結防止ヒータ3と、配管2に沿って湾曲した一辺41と、直線の他辺42を有し、凍結防止ヒータ3の熱を配管2に拡散させる伝熱板4と備えた凍結防止装置において、一対のアーム部51と本体部52で構成された取付金具5を設け、取付金具5は、配管2に凍結防止ヒータ3と伝熱板4とを一対のアーム部51によって挟んで固定するようにしたことで、凍結防止ヒータ3と伝熱板4との位置がずれてしまうことを抑制することができ、凍結防止ヒータ3が配管2に直接接触することによる配管2の熱による変形や破損を防止することができる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の凍結を防止するヒータと、
前記配管に沿って湾曲した一辺と、直線の他辺を有し、前記ヒータの熱を前記配管に拡散させる伝熱板と備えた凍結防止装置において、
一対のアーム部と本体部で構成された取付金具を設け、
前記取付金具は、前記配管に前記ヒータと前記伝熱板とを前記一対のアーム部によって挟んで固定するようにしたことを特徴とする凍結防止装置。
【請求項2】
前記伝熱板の表面には、凸部を設け、
前記アーム部には、前記凸部と対応する位置に穴部を設け、前記凸部と前記穴部が係合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の凍結防止装置。
【請求項3】
前記アーム部の先端は、前記配管と近づく方向に曲げ半径を小さくした曲げ部を有したことを特徴とする請求項1または2記載の凍結防止装置。
【請求項4】
前記伝熱板の表面には、前記アーム部の先端が挟む部分を切り欠いた切り欠き部を設け、
前記アーム部の先端が前記切り欠き部に収納されるようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の凍結防止装置。
【請求項5】
前記伝熱板の前記一辺の中央には、前記ヒータの取付位置をガイドするガイド部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の凍結防止装置。
【請求項6】
前記伝熱板の端部には、前記配管と遠ざかる方向に捲り上がる捲り上げ部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の凍結防止装置。
【請求項7】
前記伝熱板の前記一辺の中央には、前記ヒータの取付位置をガイドし、前記配管と遠ざかる方向に浮き上がる浮き上げガイド部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の凍結防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冬の寒い時期に外気温度の低下により配管が凍結してしまうのを防止する凍結防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、例えば実開平7-008460号公報に開示されている如く、配管の外側に、断面略円弧状に形成された伝熱板が密着して設けられ、伝熱板の背面側に形成された、平面部を有するヒータ取付部に発熱体を取り付けた凍結防止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、引用文献のような凍結防止装置は、発熱体とヒータ取付部との取付方法については何ら言及されておらず、衝撃や運搬時に発熱体の位置が伝熱板からずれて、発熱体が直接配管に接触してしまった場合、配管の素材によっては溶解してしまったり、破損してしまう可能性があると共に、配管の広い範囲に熱を伝えられなくなってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、この発明は上記課題を解決するために、配管の凍結を防止するヒータと、前記配管に沿って湾曲した一辺と、直線の他辺を有し、前記ヒータの熱を前記配管に拡散させる伝熱板と備えた凍結防止装置において、一対のアーム部と本体部で構成された取付金具を設け、前記取付金具は、前記配管に前記ヒータと前記伝熱板とを前記一対のアーム部によって挟んで固定するようにした。
【0006】
また、前記伝熱板の表面には、凸部を設け、前記アーム部には、前記凸部と対応する位置に穴部を設け、前記凸部と前記穴部が係合するようにした。
【0007】
また、前記アーム部の先端は、前記配管と近づく方向に曲げ半径を小さくした曲げ部を有した。
【0008】
また、前記伝熱板の表面には、前記アーム部の先端が挟む部分を切り欠いた切り欠き部を設け、前記アーム部の先端が前記切り欠き部に収納されるようにした。
【0009】
また、前記伝熱板の前記一辺の中央には、前記ヒータの取付位置をガイドするガイド部を設けた。
【0010】
また、前記伝熱板の端部には、前記配管と遠ざかる方向に捲り上がる捲り上げ部を設けた。
【0011】
また、前記伝熱板の前記一辺の中央には、前記ヒータの取付位置をガイドし、前記配管と遠ざかる方向に浮き上がる浮き上げガイド部を設けた
【発明の効果】
【0012】
このように、凍結防止ヒータの熱を伝熱板によって、配管の広い範囲へ熱を伝えることが可能である共に、凍結防止ヒータと伝熱板との位置がずれてしまうことを抑制することで、凍結防止ヒータが配管に直接接触することによる配管の熱による変形や破損を防止することができると共に、伝熱板を介して広い範囲に熱を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】第一実施形態の凍結防止装置を説明する断面図
【
図3】第二実施形態の凍結防止装置を説明する斜視図
【
図4】第三実施形態の凍結防止装置を説明する断面図
【
図5】第四実施形態の凍結防止装置を説明する斜視図
【
図6】第五実施形態の凍結防止装置を説明する斜視図
【
図7】第六実施形態の凍結防止装置を説明する斜視図
【
図8】第七実施形態の凍結防止装置を説明する斜視図
【
図9】第八実施形態の凍結防止装置を説明する斜視図
【
図10】第二実施形態と第六実施形態を組み合わせた第九実施形態を説明する斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次にこの発明に係る凍結防止装置を
図1と
図2に示す第一実施形態に基づいて説明する。
凍結防止装置1は、貯湯式給湯機やガス給湯機等の屋外に設けられる機器の配管2に設けられており、外気温度が低い冬の時期には、配管2内の水が凍結して詰まってしまう可能性があるため、外気温度の低下や給水温度を条件に凍結防止装置1で凍結を防止している。
【0015】
この凍結防止装置1は、内部に水が流れる配管2と、配管の凍結を防止するヒータである凍結防止ヒータ3と、凍結防止ヒータ3の熱を配管2に拡散させる伝熱板4と、配管2に伝熱板4と凍結防止ヒータ3とを挟んで固定する取付金具5とで構成されている。
【0016】
また、配管2の材質は、銅、鉄、ステンレス、樹脂等で形成されるものである。樹脂で形成されている場合は、耐熱温度が低い仕様となっている。
【0017】
凍結防止ヒータ3は、例えば、図示しない電線から電気を供給することで昇温する電熱ヒータを内部に設け、電熱ヒータの回りをセメントで覆ったセメントヒータである。ここでは、取り付け先である後述する伝熱板4の湾曲した面に合わせて、湾曲した面を有した略長方体に形成しており、凍結防止ヒータ3との接地面積を広くすることで、凍結防止ヒータ3の熱を伝えやすくしている。
【0018】
また、凍結防止ヒータ3は、配管2に直接取り付けると、配管2の一部分を高温に昇温させてしまうという課題がある。特に樹脂で形成された配管2であれば安価なコストで形成できるが、直接凍結防止ヒータ3のような熱源を直接接触させた場合は、熱によって破損したり、変形してしまう可能性がある。
【0019】
伝熱板4は、湾曲した一辺41と、直線の他辺42を有した断面円弧状の一枚板であり、配管2の外径とほぼ等しい内径で形成されている。また、アルミや銅、鉄のように熱伝導率が高い素材で構成され、凍結防止ヒータ3から受けた熱を伝熱板4の全体に広げて、一部分が高温になることを防止させると共に、伝熱板4全体で配管2を昇温させる。
【0020】
取付金具5は、一対のアーム部51とアーム部51の一端を連結すると共に、凍結防止ヒータ3の外形に沿う形の本体部52とで円弧状に構成され、アーム部51の内径は伝熱板4の外径よりも少し小さくしている。そのため、配管2に伝熱板4と凍結防止ヒータ3をアーム部51で挟んだ場合、弾性力により配管2と伝熱板4と凍結防止ヒータ3とが一体に締め付け固定される。
【0021】
また、アーム部51の他端である先端は配管2側とは逆向きに折り返された折り返し部53が設けられており、取付金具5の取り外し時には折り返し部53を凍結防止ヒータ3側に引き上げることで、容易に取り外しが可能である。
【0022】
このように、凍結防止ヒータ3の熱を伝熱板4によって配管2全体に拡散することで、配管2の広い範囲へ熱を伝えることが可能である共に、凍結防止ヒータ3と伝熱板4との位置がずれてしまうことを抑制することで、凍結防止ヒータ3が配管2に直接接触することによる配管2の熱による変形や破損を防止することができる。
【0023】
次に第二実施形態を
図3に基づいて説明する。
図3は、伝熱板4の表面には、外側に凸となる凸部43を設け、取付金具5のアーム部51には、凸部43と対応する位置に穴が開いた穴部54を設け、凸部43と穴部54が係合するようにしている。ここでは、穴部54と説明しているが、アーム部51に内側に凹となる凹部を設けて、凸部43と係合するようにしても良い。
【0024】
そして、第二実施形態の組付けについて説明する。円弧状の取付金具5は、配管2に伝熱板4と、凍結防止ヒータ3とをアーム部51で囲うことで締め付け固定する。このとき、アーム部51には穴部54が設けられ、伝熱板4には凸部43が設けられているので、凸部43が穴部54に係合され、取付金具5の上下左右の位置ずれが防止される。
【0025】
このように、伝熱板4の凸部43を取付金具5の穴部54に係合することで、配管2の長手方向の左右ずれや配管2の周方向の上下ずれに対しても凸部43が穴部54にひっかかることでずれを防止することができ、凍結防止ヒータ3が配管2に直接接触してしまうことによる配管2の熱による変形や破損を防止することができる。
【0026】
次に、取付金具5と伝熱板4の形状を変えた第三実施形態を
図4に基づいて説明する。
取付金具5のアーム部51に、円弧状の伝熱板4の半径に合わせた曲げ半径R1を設定した場合、伝熱板4が配置されていない配管2の下部付近は隙間が発生し、アーム部51による締め付け固定が緩くなる箇所があり、締め付け固定の保持力が低下し、配管2の周方向のずれの要因になってしまう恐れがある。
【0027】
そこで、取付金具5のアーム部51の先端側には、アーム部51の曲げ半径R1よりも曲げ半径を小さくした曲げ部55を設けた。この曲げ部55の曲げ半径はR2としている。具体的には、アーム部51の曲げ半径R1>アーム部51の曲げ部55の曲げ半径R2とする。
【0028】
また、曲げ半径R2は、配管2の半径もしくはそれよりも少し小さい半径で形成することで、配管2の下部付近では、取付金具5の先端側は配管2と接触させて締め付け固定をしている。
【0029】
そして、第三実施形態の組付けについて説明する。円弧状の取付金具5は、配管2に伝熱板4と、凍結防止ヒータ3とをアーム部51で囲うことで締め付け固定する。このとき、取付金具5のアーム部51の内側と伝熱板4の外側が接すると共に、伝熱板4が取り付けられていない配管2の下部付近は、取付金具5の曲げ部55が接する。
【0030】
このように、取付金具5のアーム部51の曲げ部55の曲げ半径をR2とすることで、配管2の下部付近と曲げ部55とを接触させて、アーム部51の曲げ部55と配管2との接触面積が増えることによる摩擦力の増加で、取付金具5の保持力が増加し、配管2の周方向のずれを抑制し、凍結防止ヒータ3が配管2に直接接触してしまうことによる配管2の熱による変形や破損を防止することができる。
【0031】
次に第四実施形態を
図5に基づいて説明する。
取付金具5のアーム部51に、円弧状の伝熱板4の半径に合わせた曲げ半径R1を設定した場合、伝熱板4が配置されていない配管2の下部付近は隙間が発生し、アーム部51による締め付け固定が緩くなる箇所があり、締め付け固定の保持力が低下し、配管2の周方向のずれの要因になってしまう恐れがある。
【0032】
そこで、伝熱板4には、取付金具5のアーム部51の先端側が配管2と接触するように切り欠いた切り欠き部44を設けた。この切り欠き部44はアーム部51の幅に合わせて切り欠かれている。
【0033】
また、取付金具5のアーム部51の先端側が切り欠き部44に収納されることで、アーム部51の先端側が配管2と接触するようにした。
【0034】
そして、第四実施形態の組付けについて説明する。円弧状の取付金具5は、配管2に伝熱板4と、凍結防止ヒータ3とをアーム部51で囲うことで締め付け固定する。このとき、アーム部51の先端は伝熱板4の切り欠き部44内に収納されると共に、アーム部51の先端は配管2と接するようにする。
【0035】
このように、伝熱板4には、切り欠き部44を設け、アーム部51の先端側を切り欠き部44に収納させることで、前記隙間が出来るのを低減させると共に、アーム部51の先端側と配管2との接触面積が増えることによる摩擦力の増加で、取付金具5の保持力が増加し、配管2の周方向のずれを抑制し、凍結防止ヒータ3が配管2に直接接触してしまうことによる配管2の熱による変形や破損を防止することができる。
【0036】
上記で説明した実施形態のように取付金具5と伝熱板4に特徴的な構造を設けたことで、凍結防止ヒータ3と伝熱板4の位置がずれてしまうという課題を解決することができるが、下記で説明する伝熱板4の一辺41に特徴的な構造を組み合わせることで、さらに別の効果を付与させることができる。
【0037】
次に第五実施形態を
図6に基づいて説明する。
6は、伝熱板4の中央に凍結防止ヒータ3が配置されるように一辺41の中央に設けられたガイド部である。ガイド部6は、
図6に示すような切り欠きでも、穴が開いているものや凸状の山でも良く、一辺41の中央に凍結防止ヒータ3が配置されるようにガイドできれば良い。
【0038】
また、45は伝熱板4の角は配管2側とは逆向きに捲り返された捲り上げ部であり、伝熱板4の取り外し時には捲り上げ部45を凍結防止ヒータ3側に引き上げることで、容易に取り外しが可能である。
【0039】
そして、第五実施形態の組付けについて説明する。円弧状の取付金具5は、配管2に伝熱板4と、凍結防止ヒータ3とをアーム部51で囲うことで締め付け固定する。このとき、凍結防止ヒータ3を配置する位置は、伝熱板4の一辺41の中央に設けられたガイド部6の位置に合わせて配置させて固定している。また伝熱板4の取り外し時は、取付金具5と凍結防止ヒータ3を取り外してから、伝熱板4に設けられた捲り上げ部45を引っ張り上げる。
【0040】
このように、伝熱板4の一辺41の中央にガイド部6を設けたことで、凍結防止ヒータ3を配置するときのガイドとなり、確実に適切な位置に凍結防止ヒータ3を配置することができ、凍結防止ヒータ3の熱が伝熱板4を介して配管2に均一に広がると共に、伝熱板4の中央に配置されるので、強い衝撃等で凍結防止ヒータ3の位置が多少ずれてしまっても、配管2に直接接触してしまうことを防止することができる。
【0041】
また、捲り上げ部45を設けたことで、伝熱板4の取り外し時には捲り上げ部45を凍結防止ヒータ3側に引き上げることで、容易に取り外しが可能にすることができる。
【0042】
また、第五実施形態は、ガイド部6と捲り上げ部45とを両方設けたものとしているが、少なくともどちらか一方を有していても良い。
【0043】
次に、ガイド部6と捲り上げ部45を両立させる機能を有した第六実施形態につい
図7に基づいてを説明する。
7は、伝熱板4の中央に凍結防止ヒータ3が配置されるようにガイドする機能と、伝熱板4を容易に取り外し可能とする機能とを両立する浮き上げガイド部であり、浮き上げガイド部7は、一辺41の中央に設けられ、配管2から遠ざかる方向に捲り上げられている。
【0044】
図7の第六実施形態では、一辺41の中央に、配管2と接触しないように遠ざかる方向に浮き上げられたトンネル状の浮き上げガイド部7を形成している。
【0045】
伝熱板4の取り外し時には、丈夫な針などの細い道具を用いてトンネル状の浮き上げガイド部7を持ち上げることで容易に取り外しが可能である。また、手による取り外しに限定されるものではなく、丈夫な針などの細い道具を用いて浮き上げガイド部7を持ち上げるようにしても良い。
【0046】
また、一辺41の中央に設けられた浮き上げガイド部7は、伝熱板4の中央に凍結防止ヒータ3が配置されるようにガイドするガイド機能を有している。
【0047】
また、第六実施形態のように伝熱板4の短手方向を、一辺41の中央に設けられた浮き上げガイド部7でガイドし、伝熱板4の長手方向を、浮き上げガイド部7と反対側の一辺に設けられた浮き上げガイド部7の間に配置させることで、伝熱板4の中心に凍結防止ヒータ3を配置させるようにガイドさせる。
【0048】
また、もし、強い衝撃等で凍結防止ヒータ3が配管2の長手方向にスライドしてしまっても、トンネル状の浮き上げガイド部7が凍結防止ヒータ3の動きを制限し、凍結防止ヒータ3が配管2に直接接触するのを防止する。
【0049】
また、浮き上げガイド部7は、
図7のようなトンネル状の形状に限定されるものではなく、例えば
図8のように浮き上げガイド部7を三角リブ状にした第七実施形態や、
図9のように浮き上げガイド部7を爪状にした第八実施形態でも良く、特に爪状の浮き上げガイド部7は、丈夫な針などの細い道具を用いなくても手で凍結防止ヒータ3側に引き上げることで容易に取り外しが可能である。また、
図9の爪状の浮き上げガイド部7は一辺41にから飛び出して一体に形成されているが、一辺41に二つの切り込みをいれて、一辺41の中央を浮き上げて爪状の浮き上げガイド部7を形成するようにしても良い。
【0050】
このように、伝熱板4の一辺41の中央に浮き上げガイド部7を設けたことで、凍結防止ヒータ3を配置するときのガイドとなり、確実に適切な位置に凍結防止ヒータ3を配置することができ、凍結防止ヒータ3の熱が伝熱板4を介して配管2に均一に広がると共に、伝熱板4の中央に配置されるので、強い衝撃等で凍結防止ヒータ3の位置が多少ずれてしまっても、配管2に直接接触してしまうことを抑制することができ、伝熱板4の取り外し時には浮き上げガイド部7を凍結防止ヒータ3側に引き上げることで、容易に取り外しが可能にすることができる。
【0051】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変する事を妨げるものではなく、例えば、第二実施形態と第六実施形態との組み合わせである
図10ような第九実施形態に限定されないもので、第一実施形態から第四実施形態と、第五実施形態から第八実施形態とをそれぞれ組み合わせるようにしても良い。
【0052】
また、本実施形態に限定されるものでは無く、例えば浮き上げガイド部7は爪状と、ドーム状、トンネル状のものを説明したが、ドーム状であったり、穴が開いた半球状のものでも良く、同様の効果が得られるものであれば良い。
【0053】
また、配管2が樹脂である場合は、位置ずれにより凍結防止ヒータ3が伝熱板4を介さず、直接配管2に接触してしまうと熱による変形や破損の可能性があり、配管2が耐熱温度の高い銅やステンレスの場合では、位置ずれにより凍結防止ヒータ3が伝熱板4を介さないと、凍結防止ヒータ3から離れた位置への熱の拡散ができず、凍結を防止できなくなってしまうので、配管2の材質は限定しない。
【符号の説明】
【0054】
1 凍結防止装置
2 配管
3 凍結防止ヒータ
4 伝熱板
41 一辺
42 他辺
43 凸部
44 切り欠き部
45 捲り上げ部
5 取付金具
51 アーム部
52 本体部
53 折り返し部
54 穴部
55 曲げ部
6 ガイド部
7 浮き上げガイド部
R1 曲げ半径
R2 曲げ半径(曲げ部)