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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127963
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】設計装置および設計方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230907BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031964
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】相薗 敏子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】機械と人間とが協調して作業を行う作業システムの好適な設計を可能にする技術を提供する。
【解決手段】設計装置は、設計パラメータと、評価指標との、内面状態に応じて異なる因果関係を定義する状態モデルを、内面状態の現在状態に基づいて導出し、内面状態が現在状態である場合の因果関係を定義する状態モデルに基づき、設計パラメータを現在実際値から目標値に向かう正方向およびその逆の負方向に変化させた場合の評価指標の現在実際値と目標値との差分の変化から、現在状態において設計パラメータおよび評価指標の現在実際値と目標値との差分を低減または維持するために設計パラメータの次の設計値とすることが可能な範囲である設計範囲を導出し、評価指標および/または設計パラメータの現在実際値と目標値との差分を低減するように、次に適用する設計値を設計範囲内で決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間と機械とが協調して作業を実行する作業システムを運用する施策を設計する設計装置であって、
目標値が予め設定され設計値が前記作業システムに適用され現在実際値が前記作業システムから取得可能な設計パラメータと、目標値が予め設定され現在実際値が前記作業システムから取得可能であり前記作業システムにより実行される作業の目標達成の度合いを評価する評価指標との、人間の内的な状態を表し前記作業システムにて取得された情報から現在状態が特定可能な内面状態に応じて異なる因果関係を定義する状態モデルを、前記内面状態の現在状態に基づいて導出する状態モデル導出部と、
前記内面状態が前記現在状態である場合の因果関係を定義する前記状態モデルに基づき、前記設計パラメータを現在実際値から目標値に向かう正方向およびその逆の負方向に変化させた場合の前記評価指標の現在実際値と目標値との差分の変化から、前記現在状態において前記設計パラメータおよび前記評価指標の現在実際値と目標値との差分を低減または維持するために前記設計パラメータの次の設計値とすることが可能な範囲である設計範囲を導出する設計範囲導出部と、
前記評価指標および/または前記設計パラメータの現在実際値と目標値との差分を低減するように、次に適用する設計値を前記設計範囲内で決定する施策導出部と、
を有する設計装置。
【請求項2】
前記状態モデル導出部は、前記内面状態について複数の状態と、前記複数の状態のそれぞれに対応づけた複数の個別状態モデルとを予め定義し、前記内面状態として特定された現在状態に対応する個別状態モデルを選択して前記状態モデルとする、
請求項1に記載の設計装置。
【請求項3】
前記状態モデル導出部は、前記内面状態として良好状態を含む前記複数の状態を定義し、
前記設計範囲導出部は、前記内面状態を良好状態に改善または維持するように前記設計範囲を導出する、
請求項2に記載の設計装置。
【請求項4】
前記状態モデル導出部は、前記良好状態の個別状態モデルとして前記内面状態が前記設計パラメータおよび前記評価指標と因果関係を構成しないモデルを定義し、他の状態の個別状態モデルとして、前記良好状態の個別状態モデルに対して、前記内面状態が前記設計パラメータおよび前記評価指標と構成する因果関係を追加したモデルを定義する、
請求項3に記載の設計装置。
【請求項5】
前記他の状態には、精神的に疲労している状態、身体的に疲労している状態、警戒心を持っている状態の少なくとも1つが含まれる、請求項4に記載の設計装置。
【請求項6】
前記設計パラメータは複数あり、
前記設計範囲導出部は、前記複数の設計パラメータのそれぞれに設計範囲を導出し、
前記施策導出部は、前記複数の設計パラメータのそれぞれの設計値をそれぞれの前記設計範囲内で決定する、
請求項1に記載の設計装置。
【請求項7】
前記複数の設計パラメータには、逆相関を有する2つの設計パラメータが含まれ、
前記施策導出部は、前記2つの設計パラメータの設計値をいずれもそれぞれの前記設計範囲内に収めるような制約条件を課して前記設計値を探索する、
請求項6に記載の設計装置。
【請求項8】
前記逆相関を有する2つの設計パラメータが、前記人間に実行させる作業を規定する人タスクパラメータと、
前記機械に実行させる作業を規定する機械タスクパラメータとである、
請求項7に記載の設計装置。
【請求項9】
前記評価指標には、処理数量を計測可能な作業における単位時間当たりの処理数量を示す生産性と、作業に伴う事故の発生頻度に反比例する安全性と、前記人間または前記機械または前記人間と前記機械の間で測定される複数の指標から総合的に判断される協調度合と、の少なくとも1つが含まれる、請求項1に記載の設計装置。
【請求項10】
前記状態モデルは、前記設計パラメータと前記評価指標の間の直接的または間接的な因果関係が、極性および強さを有する重み係数によってあらわされる、
請求項1に記載の設計装置。
【請求項11】
人間と機械とが協調して作業を実行する作業システムを運用する施策を設計するための設計方法であって、
目標値が予め設定され設計値が前記作業システムに適用され現在実際値が前記作業システムから取得可能な設計パラメータと、目標値が予め設定され現在実際値が前記作業システムから取得可能であり前記作業システムにより実行される作業の目標達成の度合いを評価する評価指標との、人間の内的な状態を表し前記作業システムにて取得された情報から現在状態が特定可能な内面状態に応じて異なる因果関係を定義する状態モデルを、前記内面状態の現在状態に基づいて導出し、
前記内面状態が前記現在状態である場合の因果関係を定義する前記状態モデルに基づき、前記設計パラメータを現在実際値から目標値に向かう正方向およびその逆の負方向に変化させた場合の前記評価指標の現在実際値と目標値との差分の変化から、前記現在状態において前記設計パラメータおよび前記評価指標の現在実際値と目標値との差分を低減または維持するために前記設計パラメータの次の設計値とすることが可能な範囲である設計範囲を導出し、
前記評価指標および/または前記設計パラメータの現在実際値と目標値との差分を低減するように、次に適用する設計値を前記設計範囲内で決定する、
ことをコンピュータが実行する設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人間と機械が協調して作業を行う作業システムを好適に運用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫等で自走式フォークリフト等の機械と人間とが協調して作業を行う協調作業システムの研究が行われている。人間は習熟度合いや心理状態などの内面状態による作業の精度や効率への影響が比較的大きい。
【0003】
特許文献1には、人間に対して行う行動訓練に対して、その人間の状態を反映させる技術が開示されている。特許文献1に開示された適応的行動訓練システムは、使用者の、脳波(EEG)、心臓(EKG)、筋肉組織(EMG)、呼吸およびその他の使用者の状態を特徴付けるパラメータなどの精神生理学状態を反映するデータの取得、解析、表示、および変換をリアルタイムで行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-524636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、人間の状態をその人間の行動訓練に反映させるものであり、人間と機械とが協調して作業を行うことを想定したものでないため、上述したような協調作業システムの設計に適用するには不向きである。
【0006】
本開示に含まれるひとつの目的は、機械と人間とが協調して作業を行う作業システムの好適な設計を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に含まれるひとつの態様による設計装置は、人間と機械とが協調して作業を実行する作業システムを運用する施策を設計する設計装置であって、目標値が予め設定され設計値が前記作業システムに適用され現在実際値が前記作業システムから取得可能な設計パラメータと、目標値が予め設定され現在実際値が前記作業システムから取得可能であり前記作業システムにより実行される作業の目標達成の度合いを評価する評価指標との、人間の内的な状態を表し前記作業システムにて取得された情報から現在状態が特定可能な内面状態に応じて異なる因果関係を定義する状態モデルを、前記内面状態の現在状態に基づいて導出する状態モデル導出部と、前記内面状態が前記現在状態である場合の因果関係を定義する前記状態モデルに基づき、前記設計パラメータを現在実際値から目標値に向かう正方向およびその逆の負方向に変化させた場合の前記評価指標の現在実際値と目標値との差分の変化から、前記現在状態において前記設計パラメータおよび前記評価指標の現在実際値と目標値との差分を低減または維持するために前記設計パラメータの次の設計値とすることが可能な範囲である設計範囲を導出する設計範囲導出部と、前記評価指標および/または前記設計パラメータの現在実際値と目標値との差分を低減するように、次に適用する設計値を前記設計範囲内で決定する施策導出部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に含まれるひとつの態様によれば、機械装置と人間とが協調して効率よく作業を行う作業システムの好適な設計を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業システムの構成を示すブロック図である。
図2】設計装置の論理構成を示すブロック図である。
図3】設計装置が実行する全体処理のフローチャートである。
図4】状態モデル導出処理を説明するための概念図である。
図5】ノーマル状態に対応する個別状態モデルを示す概念図である。
図6】疲労様状態に対応する個別状態モデルを示す概念図である。
図7】設計パラメータの設計範囲を示す図である。
図8】作業システムが運用される様子を示す図である。
図9】設計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、作業システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
作業システム1は、経営者や現場監督といった監督者27による監督の下で、設計装置10により決定される施策を現場20の作業員21および機械24に適用し、作業員21と機械24が協調して効率よく所定の作業を行うシステムである。現場20は例えば倉庫などであり、作業員21は作業を行う人間であり、機械24は例えばフォークリフトなどの自走式機械である。作業システム1は、設計装置10と、現場20の作業員21および機械24と、監督者端末28とを含む構成である。
【0013】
設計装置10は、予め与えられた汎用モデル11と、監督者27が監督者端末28から設定した設計パラメータおよび評価指標の目標値12とに基づき、単位時間毎に取得される現場20の作業員21からのアンケート回答15と、現場20の現場センサ25および車載センサ26から取得される設計パラメータおよび評価指標の実測値16とから、次の単位時間に現場20に適用する施策である設計パラメータの設計値17を生成する。施策は、現場20の作業指示システム22から作業員21に指示され、また機械制御システム23から機械24に指示される。
【0014】
図2は、設計装置の論理構成を示すブロック図である。図3は、設計装置が実行する全体処理のフローチャートである。
【0015】
図2を参照すると、設計装置10は、内面状態特定部31、状態モデル導出部32、設計範囲導出部33、および施策導出部34を有している。以下、これら各部が実行する済寄りを図3のフローチャートの流れに沿って説明する。
【0016】
内面状態特定部31は、図3のステップ101の内面状態特定処理にて、現場20から取得される情報に基づいて作業員21の内面状態の現在状態を特定する。内面状態とは、人間の心理や身体などの内的な状態を表すものである。本実施形態の例では、内面状態として、作業員21が心身共に良好状態であるノーマル状態と、精神的に疲労している精神疲労状態と、身体的に疲労している疲労様状態と、心理的に警戒心を持っている警戒心理状態とが定義される。ただし、内面状態は、ここに例示する各状態に限定されることはなく、更に細分化した乗田を定義してもよいし、他の状態を定義してもよい。
【0017】
内面状態特定部31は、現場20から得られらた作業員21からのアンケート回答15や作業員21から測定されたバイタルデータから、作業員21の現在の内面状態である現在状態を特定する。
【0018】
状態モデル導出部32は、図3のステップ102の状態モデル導出処理にて、作業員21が現在状態として該当する内面状態に応じた、設計パラメータと評価指標との因果関係を定義する状態モデルを、内面状態特定部31にて特定された現在状態に基づいて導出する。
【0019】
設計パラメータは、作業システム1における現場20の作業員21および機械24に適用されるパラメータである。設計パラメータは、監督者27によって予め目標値が設定される。また、設計装置10で決定された設計パラメータの設計値が施策として現場20の作業員21および機械24に適用される。また、現場20から設計パラメータの現在の実際の値を取得することが可能である。
【0020】
設計パラメータには、作業員21の人数のように設計値が適用されるとそのまま現在の実際の値となる種類のパラメータと、作業員21が行う作業の後工程の作業を機械24が行う場合における機械24が作業員21の作業が終わるのを待機する時間のように設計値が適用されても、現在の実際の値がその適用された設計値と同じとは限らない種類のパラメータとがある。それら両方の種類の設計パラメータ共に、現在の実際の値を現在実際値と称することにする。
【0021】
適用された設計値がそのまま現在実際値となる種類の設計パラメータは、現場20で実測してもよいが、必ずしも実測する必要はない。適用された設計値と現在実際値とが異なる可能性のある種類の設計パラメータは現場20で計測され、その実測値が現在実際値となる。
【0022】
評価指標は、作業システム1により実行される作業の目標達成の度合いを評価するための指標である。評価指標は、監督者27によって目標値が予め設定される。また、評価指標の現在実際値は作業システム1から取得される。
【0023】
評価指標の例として生産性がある。生産性は、倉庫から物品を出荷する作業のように、処理した物品の数量を計測可能な作業における単位時間当たりに処理された物品の数量を示す指標である。評価指標の他の例として安全性がある。ここで安全性は、例えば、現場20での事故が発生しなかった継続時間のように、作業に伴う事故の発生頻度に反比例する指標である。また、評価指標の更に他の例として協調度合がある。ここで協調度合は、作業員21、機械24、あるいは作業員21と機械24との間で測定される複数の指標から総合的に判断される、作業員21と機械24との協調の度合いを表す指標である。
【0024】
図4は、状態モデル導出処理を説明するための概念図である。
【0025】
状態モデル導出部32は、一例として、内面状態として定義されたノーマル状態、精神疲労状態、疲労様状態、警戒心理状態のそれぞれに対応する個別状態モデル51、52、53、54を状態モデルセット50として予め準備しておき、内面状態特定処理にて特定された現在状態に対応する個別状態モデルを選択することにより、状態モデルを導出することにしてもよい。
【0026】
また、状態モデル導出部32は、一例として、現場20の作業員21および機械24の状態および作業に適合させて設計パラメータと評価指標との因果関係を適宜定義できるように構成された汎用モデル11を基に、その因果関係を定義することにより個別状態モデルを作成してもよい。因果関係は、例えば極性および重み係数で表される。ある設計パラメータがある評価指標を変化させる要因になっている場合、その設計パラメータの値を増加させると評価指標の変化が増加か減少かが極性で表され、設計パラメータの値の変化量に対する評価指標の変化量がどの程度かが重み係数で表される。
【0027】
図5は、ノーマル状態に対応する個別状態モデルを示す概念図である。図6は、疲労様状態に対応する個別状態モデルを示す概念図である。図5および図6において、設計パラメータ群61およびその中の個々の設計パラメータ、評価指標群62およびその中の個々の評価指標、内面状態64、加工された設計パラメータ65が、角を丸めた矩形のノードで示され、ノード間の因果関係が直線で示されている。実線の直線は正極性の因果関係を示し、一点鎖線の直性は負極性の因果関係を示している。また直線の太さによって因果関係の強さが表現されている。どのような設計パラメータおよび評価指標を準備するかは、現場20の構成に合わせて定めればよい。
【0028】
図5を参照すると、ノーマル状態の個別状態モデル51として内面状態が設計パラメータおよび評価指標と因果関係を構成しないモデルが定義されている。
【0029】
人のタスクという設計パラメータは、作業量/人という加工された設計パラメータ65に正極性の因果関係を有している。人のタスクという設計パラメータは、作業員21に実行させる作業を定める設計パラメータである。作業量/人という加工された設計パラメータ65は、作業員が1人で実行する作業量を定める設計パラメ-タである。人のタスクという設計パラメータの値を増加させると、作業量/人という加工された設計パラメータ65の値が増加するという関係性がある。
【0030】
作業人数、人の可搬重量という設計パラメータは、作業量/人の設計パラメータ65に負極性の因果関係を有している。作業人数という設計パラメータは、作業員21の人数を定める設計パラメータである。人の可搬重量という設計パラメータは、作業員21が運搬する物品の重量を定める設計パラメータである。作業人数や人の可搬重量の設計パラメータの値を増加させると、作業量/人の設計パラメータ65の値が減少するという関係性がある。
【0031】
機械のタスクという設計パラメータは、機械24に実行させる作業を定める設計パラメータである。機械台数という設計パラメータは、機械24の台数を定める設計パラメータである。機械の積載量という設計パラメータは、機械24に積載する物品の重量を定める設計パラメータである。機械の速度という設計パラメータは、機械24が移動する速度を定める設計パラメータである。作業量/人、機械のタスク、機械台数、機械の積載量、機械の速度という設計パラメータを増加させると、生産性という評価指標が増加するという関係性がある。
【0032】
機械を待つ時間という設計パラメータは、機械24が行う作業の後工程の作業を作業員21が行う場合における作業員21が機械24の作業が終わるのを待機する時間を定める設計パラメータである。機械が待つ時間という設計パラメータは、作業員21が行う作業の後工程の作業を機械24が行う場合における機械24が作業員21の作業が終わるのを待機する時間を定める設計パラメータである。タスクの余裕時間という設計パラメータは、作業員21あるいは機械24が作業を繰り返し行う場合における前回の作業が終わってから次回の作業を開始するまでの時間を定める設計パラメータである。人-機械の接触回数という設計パラメータは、1人の作業員21が作業中に機械24と接触する回数を定める設計パラメータである。これら機械を待つ時間という設計パラメータ、機械が待つ時間という設計パラメータ、タスクの余裕時間という設計パラメータ、人-機械の接触回数という設計パラメータは、因果関係を有していない。
【0033】
図6を参照すると、疲労様状態の個別状態モデル53として、ノーマル状態の個別状態モデルに対して、内面状態が設計パラメータおよび評価指標と構成する因果関係を追加したモデルが定義されている。
【0034】
図6に例示された疲労様状態の個別状態モデル53は、図5に例示されたノーマル状態の個別状態モデル51に対して、機械を待つ時間という設計パラメータと疲労様状態という内面状態との間に正極性の因果関係を示す太い実線の直線が追加されている。この追加した直線は、機械を待つ時間という設計パラメータを増加させると、疲労様状態という内面状態の値が増加するという関係性を示している。
【0035】
また、タスクの余裕時間という設計パラメータと疲労様状態という内面状態との間にも正極性の因果関係を示す太い実線の直線が追加されている。この追加した直線は、タスクの余裕時間という設計パラメータを増加させると、疲労様状態という内面状態の値が増加するという関係性を示している。
【0036】
また、疲労様状態という内面状態と作業量/人という加工された評価パラメータとの間、負極性の因果関係を示す太い一点鎖線の直線が追加されている。この追加した直線は、疲労様状態という内面状態の値が増加すると、作業量/人という加工された評価パラメータが減少するという関係性を示している。
【0037】
また、疲労様状態という内面状態と生産性という評価指標との間に負極性の因果関係を示す太い一点鎖線の直線が追加されている。この追加した直線は、疲労様状態という内面状態の値が増加すると、生産性という評価指標が減少するという関係性を示している。
【0038】
設計範囲導出部33は、図3のステップ103の設計範囲導出処理にて、作業員21の内面状態が内面状態特定部31により特定された現在状態である場合の因果関係を定義する状態モデルを用いて、設計パラメータを現在実際値から目標値に向かう正方向およびその逆の負方向に変化させた場合の評価指標の現在実際値と目標値との差分の変化を求め、その差分の変化から、現在状態において設計パラメータおよび評価指標の現在実際値と目標値との差分を低減(改善)または維持するために設計パラメータの次の設計値とすることが可能な範囲である設計範囲を導出する。このとき、設計範囲導出部33は、現在状態に対応する状態モデルとして、状態モデルセット50の中からいずれか1つの個別状態モデルを選択して用いても良いし、複数の個別状態モデルを組み合わせて用いてもよい。
【0039】
図7は、設計パラメータの設計範囲を示す図である。図7には設計パラメータの設計範囲の一覧表が示されている。図7の例では、内面状態がノーマル状態と警戒心理状態を組合わせた状態である。一覧表には、各設計パラメータについて、その目標値と、実測値と、評価指標毎の設計範囲とが示されている。評価指標として、協調度合い、生産性、および安全性が例示されている。
【0040】
人タスクは、上述したように作業員21に実行させる作業を定める設計パラメータである。作業A、Bを作業員21に実行させることが目標であり、時刻tの時点には実測値としては作業A、B、C、Dを作業員21が実行していることが計測されている。協調度合いの観点では作業員21に実行させる作業は現状のままかそれよりも減らすことが可能である。作業員21に実行させる作業を現状のままかそれよりも減らすことにより、協調度合いの評価指標を維持または目標値に近づけることが可能である。生産性の観点でも作業員21に実行させる作業は現状のままかそれよりも減らすことが可能である。安全性の観点でも作業員21に実行させる作業は現状のままかそれよりも減らすことが可能である。
【0041】
機械タスクは、上述したように機械24に実行させる作業を定める設計パラメータである。作業C、D、E、Fを機械24に実行させることが目標であり、時刻tの時点の実測値としては作業D、E、Fを機械24が実行していることが計測されている。協調度合いの観点では機械24に実行させる作業は、微減するか、現状のままか、増加させることが可能である。微減するというのは作業を僅かに削減することであり、例えば、実測値として現在機械24が実行している作業のうちいずれか1つを機械24に実行させなくすることが考えられる。生産性の観点では機械24に実行させる作業は現状のままかそれよりも減らすことが可能である。安全性の観点でも作業員21に実行させる作業は現状のままかそれよりも減らすことが可能である。
【0042】
作業人数は、上述したように作業員21の人数を定める設計パラメータである。作業員21を2人にすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、作業員21が5人であることが計測されている。協調度合いの観点では作業員21の人数は4~5人にすることが可能である。生産性の観点では作業員21の人数を4~6人にすることが可能である。安全性の観点では作業員21の人数を5~7人にすることが可能である。
【0043】
機械台数は、上述したように機械24の台数を定める設計パラメータである。機械24を5台にすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、機械24が2台であることが計測されている。協調度合いの観点では機械24の台数は1~3台にすることが可能である。生産性の観点でも機械24の台数を1~3台にすることが可能である。安全性の観点では機械24の台数を1~2台にすることが可能である。
【0044】
タスクの余裕時間は、上述したように、作業員21あるいは機械24が作業を繰り返し行う場合における前回の作業が終わってから次回の作業を開始するまでの時間を定める設計パラメータである。余裕時間を30分にすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、余裕時間が40分であることが計測されている。協調度合いの観点では余裕時間を35~45分にすることが可能である。生産性の観点でも余裕時間を35~45分にすることが可能である。安全性の観点では余裕時間を40~45分にすることが可能である。
【0045】
人の可搬重量は、上述したように、作業員21が運搬する物品の重量を定める設計パラメータである。作業員21が運搬する物品の重量を10kgにすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、作業員21が運搬している重量が20kgであることが計測されている。協調度合いの観点では重量を20~15kgにすることが可能である。生産性の観点および安全性の観点では、設計値として適用可能な範囲が算出されていない。
【0046】
機械の積載量は、上述したように、機械24に積載する物品の重量を定める設計パラメータである。機械24に積載する物品の重量を100kgにすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、機械24に積載する物品の重量が50kgであることが計測されている。協調度合いの観点では重量を40~70kgにすることが可能である。生産性の観点では、重量を40~60kgにすることが可能である。安全性の観点では、重量を40~50kgにすることが可能である。
【0047】
人-機械の接触回数は、上述したように、1人の作業員21が作業中に機械24と接触する回数を定める設計パラメータである。接触回数を200回にすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、接触回数が40回であることが計測されている。協調度合いの観点では接触回数を30~70回にすることが可能である。生産性の観点では、接触回数を30~50回にすることが可能である。安全性の観点では、接触回数を30~40回にすることが可能である。
【0048】
機械の速度は、上述したように、機械24が移動する速度を定める設計パラメータである。機械24の速度を10m/secにすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、機械24の速度が1m/secであることが計測されている。協調度合いの観点では機械24の速度を1~5m/secにすることが可能である。生産性の観点では、機械の速度を1~3m/secにすることが可能である。安全性の観点では、機械24の速度を0.5~1m/secにすることが可能である。
【0049】
人機械密度は、作業員21の周囲の所定範囲内に存在する機械24の平均台数を定める設計パラメータである。所定範囲内に存在する機械24の平均台数を0.4台にすることが目標であり、時刻tの時点の実測値として、所定範囲内に存在する機械24の平均台数が0.1台であることが計測されている。協調度合いの観点では所定範囲内に存在する機械24の平均台数を0.1~0.2台にすることが可能である。生産性の観点では、所定範囲内に存在する機械24の平均台数を0.1~0.15台にすることが可能である。安全性の観点では、所定範囲内に存在する機械24の平均台数を0.05~0.1台にすることが可能である。
【0050】
施策導出部34は、図3のステップ104の施策導出処理にて、評価指標および/または設計パラメータの現在実際値と目標値との差分を低減するように、次に適用する設計パラメータの設計値を、設計範囲導出部33で導出された設計範囲内で決定する。この設計パラメータの設計値は、施策として現場20の作業指示システム22および/また機械制御システム23に通知され、作業員21および/または機械24に適用される。
【0051】
例えば、図7に例示されたタスクの余裕時間の設計範囲は、協調度合いの観点では35~45分であり、生産性の観点でも35~45分であり、安全性の観点では40~45分であるので、設計値を40分から45分の間の値とすることができる。
【0052】
上述したように設計パラメータは複数種類がるので、設計範囲導出部33では、それら複数の設計パラメータのそれぞれに設計範囲が導出される。施策導出部34は、複数の設計パラメータのそれぞれの設計値をそれぞれの設計範囲内で決定することとなる。
【0053】
そして、それら複数の設計パラメータには、逆相関を有し、トレードオフの関係にある2つの設計パラメータが含まれる可能性がある。例えば、ある作業を作業員21か機械24のいずれかが必ず実行する必要がある場合、人タスクという設計パラメータと、機械タスクという設計パラメータとはトレードオフの関係となる。その場合、施策導出部34は、それら2つの設計パラメータの設計値をいずれもそれぞれの設計範囲内に収めるような制約条件を課して設計値を探索する。
【0054】
図8は、作業システムが運用される様子を示す図である。
【0055】
第1段階では、人タスクの設計パラメータにより、作業員21が作業A、B、Cを実行することが設定されている。作業員21の内面状態は、ノーマル状態にやや警戒心理状態が混在した状態である。
【0056】
例えば、作業員21は新たな現場20で与えられた作業に不慣れで少し警戒心理を持ちながら作業を行っているが、即座に実行すべき施策はない。
【0057】
第2段階では、第1段階からある程度の期間が経過している。作業員21の内面状態は、疲労様状態である。例えば、作業員21は、与えられている作業A、B、Cに慣れてきて時間的に余裕が出てきたため、機械24により運搬されてくる物品の到着を待つ時間が長くなり、疲労様状態に陥ってミスが増加していると想定される。
【0058】
この状態では、機械24が移動する速度を向上させ、作業員21が機械24の作業が終わるのを待つ時間を削減するのが有効である。施策として、機械の速度という設計パラメータの値を上げ、機械を待つ時間という設計パラメータの値を下げることが考えられる。
【0059】
第3段階では、作業員21は、機械24を待つ時間が短縮され、作業の合間の時間が少なくなったことで、時間的な切迫感を感じ、精神疲労状態となっている。この状態では作業員21の作業の効率が低下する可能性がある。機械24の動きを警戒する心理は低く、機械24との協調は、あまり作業員21への負担となっていないと考えられる。
【0060】
この状態では、作業員21と機械24との協調は維持したままで、作業員21の作業量を削減し、作業の合間の時間的な余裕を確保するのが有効である。施策として、人タスクという設計パラメータにおける作業を減らし、タスクの余裕時間という設計パラメータの値を上げることが考えられる。
【0061】
第4段階では、作業員21は、作業に慣れ、ノーマル状態で安定して作業を実施している。作業員21による作業の効率が高まったため、作業の合間の時間的な余裕が長くなっている。そのことが作業員21への作業の負荷を増加させる余地が生まれている。
【0062】
この状態では、作業員21の人数を減らして各作業員21と機械24との協調を促進する作業体制への移行が有効である。施策として、作業人数という設計パラメータの値を下げ、人タスクという設計パラメータにおける作業を増やすことが考えられる。
【0063】
第5段階では、作業員は、新たな作業体制で安定して作業を実施でき、機械24との協調も良好となり、ノーマル状態となっている。
【0064】
施策導出部34は、図8に示したような作業員21と機械24との協調の状況、改善すべき点とそれに対する施策の情報をレポート13として監督者端末28に通知することにしてもよい。
【0065】
図9は、設計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0066】
設計装置10は、通信ネットワーク90経由で、図1に示した監督者端末28、作業指示システム22、機械制御システム23、現場センサ25、車載センサ26と接続する。
【0067】
設計装置10は、ハードウェアとして、プロセッサ41、メインメモリ42、記憶装置43、および通信装置44を有し、それらがバス45に接続された構成のコンピュータである。
【0068】
記憶装置43は、書込みおよび読み出しが可能にデータを記憶するものである。汎用モデル11や状態モデルセット50は記憶装置43に格納される。また、記憶装置43にはソフトウェアプログラムが格納される。プロセッサ41が記憶装置43のソフトウェアプログラムやデータを読み出し、データを利用してソフトウェアプログラムの処理を実行することにより、図2に示した内面状態特定部31、状態モデル導出部32、設計範囲導出部33、および施策導出部34が実現される。通信装置44は、プロセッサ41にて処理された情報を通信ネットワーク90を介して送信し、また通信ネットワーク90を介して受信した情報をプロセッサ41に伝達する。受信された情報はプロセッサ41にてソフトウェアプログラムの処理に利用される。
【0069】
以上、本発明の実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【0070】
また、本実施形態には以下に示す各事項が含まれている。ただし、本実施形態に含まれる事項が以下に示すものだけに限定されることはない。
【0071】
(事項1)
【0072】
人間と機械とが協調して作業を実行する作業システムを運用する施策を設計する設計装置が、目標値が予め設定され設計値が前記作業システムに適用され現在実際値が前記作業システムから取得可能な設計パラメータと、目標値が予め設定され現在実際値が前記作業システムから取得可能であり前記作業システムにより実行される作業の目標達成の度合いを評価する評価指標との、人間の内的な状態を表し前記作業システムにて取得された情報から現在状態が特定可能な内面状態に応じて異なる因果関係を定義する状態モデルを、前記内面状態の現在状態に基づいて導出する状態モデル導出部と、前記内面状態が前記現在状態である場合の因果関係を定義する前記状態モデルに基づき、前記設計パラメータを現在実際値から目標値に向かう正方向およびその逆の負方向に変化させた場合の前記評価指標の現在実際値と目標値との差分の変化から、前記現在状態において前記設計パラメータおよび前記評価指標の現在実際値と目標値との差分を低減または維持するために前記設計パラメータの次の設計値とすることが可能な範囲である設計範囲を導出する設計範囲導出部と、前記評価指標および/または前記設計パラメータの現在実際値と目標値との差分を低減するように、次に適用する設計値を前記設計範囲内で決定する施策導出部と、を有する。
【0073】
本事項によれば、人間の内面状態を考慮して機械と人間との協調による作業システムの設計パラメータを決めることができるので、作業システムの好適な運用が可能となる。また、評価指標および/または設計パラメータの現在実際値を可能な範囲で目標値に近づけるように次に適用する設計パラメータの設計値を導出するので、過去データの蓄積がないなどで正解と言える設計値を決定することが困難な場合であっても作業システムの適切な運用により評価指標の改善を図ることが可能となる。
【0074】
(事項2)
【0075】
事項1の設計装置において、前記状態モデル導出部は、前記内面状態について複数の状態と、前記複数の状態のそれぞれに対応づけた複数の個別状態モデルとを予め定義し、前記内面状態として特定された現在状態に対応する個別状態モデルを選択して前記状態モデルとする。
【0076】
本事項によれば、適用された設計パラメータの設計値による評価指標および/または他の設計パラメータの現在実際値への影響の現れ方が人間の内面の状態に応じて定まることを考慮し、複数の内面状態のそれぞれに対応する個別状態モデルを予め準備しておき、測定された内面状態に対応する個別状態モデルを状態モデルとして選択することにより、人間と機械の良好な協調を容易に実現することが可能となる。
【0077】
(事項3)
【0078】
事項2に記載の設計装置において、前記状態モデル導出部は、前記内面状態として良好状態を含む前記複数の状態を定義し、前記設計範囲導出部は、前記内面状態を良好状態に改善または維持するように前記設計範囲を導出する。
【0079】
(事項4)
【0080】
事項3に記載の設計装置において、前記状態モデル導出部は、前記良好状態の個別状態モデルとして前記内面状態が前記設計パラメータおよび前記評価指標と因果関係を構成しないモデルを定義し、他の状態の個別状態モデルとして、前記良好状態の個別状態モデルに対して、前記内面状態が前記設計パラメータおよび前記評価指標と構成する因果関係を追加したモデルを定義する。
【0081】
本事項によれば、良好状態の個別状態モデルを内面状態が因果関係を構成しない基準のモデルとし、他の状態の個別状態モデルをその基準のモデルに対して内面状態が構成する因果関係を付加した個別状態モデルとして定義することにより、内面状態毎の適切な個別状態モデルを容易に実現することが可能となる。
【0082】
(事項5)
【0083】
事項4に記載の設計装置において、前記他の状態には、精神的に疲労している状態、身体的に疲労している状態、警戒心を持っている状態の少なくとも1つが含まれる。
【0084】
(事項6)
【0085】
事項1に記載の設計装置において、前記設計パラメータは複数あり、前記設計範囲導出部は、前記複数の設計パラメータのそれぞれに設計範囲を導出し、前記施策導出部は、前記複数の設計パラメータのそれぞれの設計値をそれぞれの前記設計範囲内で決定する。
【0086】
本事項によれば、複数の設計パラメータの設計を好適な設計範囲内に決定することができる。
【0087】
(事項7)
【0088】
事項6に記載の設計装置において、前記複数の設計パラメータには、逆相関を有する2つの設計パラメータが含まれ、前記施策導出部は、前記2つの設計パラメータの設計値をいずれもそれぞれの前記設計範囲内に収めるような制約条件を課して前記設計値を探索する。
【0089】
本事項によれば、一方を上げると他方が下がるというような逆相関を有する2つの設計パラメータを制約条件として設計値を探索し、双方を好適な設計範囲内に決定することができる。
【0090】
(事項8)
【0091】
事項7に記載dの設計装置において、前記逆相関を有する2つの設計パラメータが、前記人間に実行させる作業を規定する人タスクパラメータと、前記機械に実行させる作業を規定する機械タスクパラメータとである。
【0092】
(事項9)
【0093】
事項1に記載の設計装置において、前記評価指標には、処理数量を計測可能な作業における単位時間当たりの処理数量を示す生産性と、作業に伴う事故の発生頻度に反比例する安全性と、前記人間または前記機械または前記人間と前記機械の間で測定される複数の指標から総合的に判断される協調度合と、の少なくとも1つが含まれる。
【0094】
(事項10)
【0095】
事項1に記載の設計装置において、前記状態モデルは、前記設計パラメータと前記評価指標の間の直接的または間接的な因果関係が、極性および強さを有する重み係数によってあらわされる。
【符号の説明】
【0096】
1…作業システム、10…設計装置、11…汎用モデル、12…目標値、13…レポート、15…アンケート回答、16…実測値、17…設計値、20…現場、21…作業員、22…作業指示システム、23…機械制御システム、24…機械、25…現場センサ、26…車載センサ、27…監督者、28…監督者端末、31…内面状態特定部、32…状態モデル導出部、33…設計範囲導出部、34…施策導出部、41…プロセッサ、42…メインメモリ、43…記憶装置、44…通信装置、45…バス、50…状態モデルセット、51~54…個別状態モデル、61…設計パラメータ群、62…評価指標群、64…内面状態、65…設計パラメータ、90…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9