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  • 特開-ソリッドタイヤ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127966
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ソリッドタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 21/00 20060101AFI20230907BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20230907BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20230907BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20230907BHJP
   C08L 7/00 20060101ALI20230907BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20230907BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20230907BHJP
   B60C 7/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
C08L21/00
C08K3/04
C08K3/36
C08L9/00
C08L7/00
C08K3/22
B60C1/00 A
B60C7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031969
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長井 遥
【テーマコード(参考)】
3D131
4J002
【Fターム(参考)】
3D131AA03
3D131AA27
3D131BA05
3D131BA12
3D131BA18
3D131BA20
3D131BB19
3D131BC07
3D131BC33
3D131BC39
3D131CC02
3D131EA09U
4J002AC01W
4J002AC024
4J002AC03X
4J002AC06W
4J002AC074
4J002AC08Y
4J002AC094
4J002AC11W
4J002AC11X
4J002AC11Y
4J002BB154
4J002BB184
4J002BB244
4J002BD124
4J002BG044
4J002CE004
4J002CH044
4J002CP034
4J002DA036
4J002DE137
4J002DJ016
4J002FD010
4J002FD016
4J002FD017
4J002FD070
4J002FD140
4J002FD150
4J002FD200
4J002GN01
(57)【要約】
【課題】低発熱性能および耐摩耗性能の総合性能が改善されたソリッドタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成されたトレッド部を有するソリッドタイヤであって、フィラーがカーボンブラックおよび/またはシリカを含み、ゴム組成物のトルエン膨潤率が255%以上であり、ゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量をx(質量部)、70℃におけるtanδ(70℃tanδ)をyとしたとき、xが30以上であり、yが0.15以下であり、かつxとyがy≦5.27×10-42-0.0447x+0.998を満たす、ソリッドタイヤ。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成されたトレッド部を有するソリッドタイヤであって、
前記フィラーがカーボンブラックおよび/またはシリカを含み、
前記ゴム組成物のトルエン膨潤率が255%以上であり、
前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量をx(質量部)、70℃におけるtanδ(70℃tanδ)をyとしたとき、
xが30以上であり、yが0.15以下であり、かつxとyが下記式(1)を満たす、ソリッドタイヤ。
y≦5.27×10-42-0.0447x+0.998 ・・・(1)
【請求項2】
前記ゴム成分がイソプレン系ゴムを50質量%以上含有する、請求項1記載のソリッドタイヤ。
【請求項3】
ゴム組成物中の硫黄量が、xが40超であるときは1.2質量%以上であり、
xが30以上40以下であるときは、0.9質量%以上である、請求項1または2記載のソリッドタイヤ。
【請求項4】
前記カーボンブラックの平均一次粒子径が20nm以上であり、前記シリカの平均一次粒子径が16nm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項5】
前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量(質量%)に、前記トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアス(mm)を乗じた値が8500以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項6】
前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対しフィラーを50質量部以上含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項7】
前記ゴム成分がブタジエンゴムを15質量%以上含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項8】
前記ゴム組成物のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が80以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項9】
前記フィラーが酸化チタンを含有し、フィラー中の酸化チタンの含有量が20質量%以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【請求項10】
前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、シリカを20質量部以上57質量部以下含有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソリッドタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ソリッドタイヤは、フォークリフトなどの産業車両用タイヤとして使用されており、近年、高性能化が要求されている。高性能化にはタイヤの走行による発熱を抑制することが必要である。一方で、トレッド面の耐摩耗性などソリッドタイヤ本来の性能を維持しなければならないという問題がある。また、産業車両用タイヤとして、タイヤ痕が路面に付きにくいソリッドタイヤの需要がある。
【0003】
特許文献1には、耐摩耗性と耐発熱性を両立する目的で、所定の物性を有する4層のゴム層からなるソリッドタイヤが記載さている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-16003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、低発熱性能および耐摩耗性能の総合性能が改善されたソリッドタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
鋭意検討した結果、所定のフィラーを含有し、トルエン膨潤率が所定の値以上であって、前記フィラーの含有量と70℃におけるtanδの値が所定の関係を満たすゴム組成物から構成されたトレッド部を有するソリッドタイヤにより、上記課題を解決できることが見出された。
【0007】
すなわち、本開示は、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成されたトレッド部を有するソリッドタイヤであって、前記フィラーがカーボンブラックおよび/またはシリカを含み、前記ゴム組成物のトルエン膨潤率が255%以上であり、前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量をx(質量部)、70℃におけるtanδ(70℃tanδ)をyとしたとき、xが30以上であり、yが0.15以下であり、かつxとyが下記式(1)を満たす、ソリッドタイヤに関する。
y≦5.27×10-42-0.0447x+0.998 ・・・(1)
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、低発熱性能および耐摩耗性能の総合性能が改善されたソリッドタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のソリッドタイヤの一の実施形態を示す、適用リムへの組み付け前のタイヤ姿勢におけるタイヤ子午線断面図である。
図2】ソリッドタイヤの他の実施形態を示す、適用リムへの組み付け前のタイヤ姿勢におけるタイヤ子午線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に係るソリッドタイヤは、ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成されたトレッド部を有するソリッドタイヤであって、前記フィラーがカーボンブラックおよび/またはシリカを含み、前記ゴム組成物のトルエン膨潤率が255%以上であり、前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量をx(質量部)、70℃におけるtanδ(70℃tanδ)をyとしたとき、xが30以上であり、yが0.15以下であり、かつxとyが、関係式y≦5.27×10-42-0.0447x+0.998を満たすソリッドタイヤである。理論に拘束されることは意図しないが、本開示の効果が発揮されるメカニズムとしては、例えば以下のように考えられる。
【0011】
(1)トルエン膨潤率が255%以上であるため、ゴム組成物の架橋密度が低く、ポリマー間での架橋点が減り、ポリマーが変形しやすくなり、タイヤ走行時にゴム組成物が変形しやすくなることで、耐摩耗性が向上する。また、(2)フィラー量を増やすことでゴム組成物の補強性が上がり、(3)70℃におけるtanδとフィラー量が一定の関係を満たすことで、十分な耐摩耗性能が得られる。そしてこれらが協働することで、耐摩耗性と低発熱性能の総合性能を改善するという特筆すべき効果が達成されると考えられる。
【0012】
前記ゴム成分は、イソプレン系ゴムを50質量%以上含有することが好ましい。
【0013】
ゴム成分中にイソプレン系ゴムを50質量%以上含有することで、ポリマーの強度が上がり、ポリマーが変形しにくくなり、さらに低発熱性能が向上すると考えられる。
【0014】
前記ゴム組成物中の硫黄量が、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよび/またはシリカの含有量xが40超であるときは1.2質量%以上であり、xが30以上40以下であるときは、ゴム組成物中の硫黄量が0.9質量%以上であることが好ましい。
【0015】
硫黄量が上記の範囲であることによって、ポリマー間の架橋点が十分に得られるため、ポリマーが変形しにくくなり、さらに低発熱性能が向上すると考えられる。
【0016】
前記カーボンブラックの平均一次粒子径は20nm以上であり、前記シリカの平均一次粒子径は16nm以上であることが好ましい。
【0017】
カーボンブラックおよびシリカの平均粒子径が上記範囲であることにより、ゴム組成物の発熱性を下げ、さらに低発熱性能が向上すると考えられる。
【0018】
前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量(質量%)に、前記トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアス(mm)を乗じた値は、8500以上であることが好ましい。
【0019】
イソプレン系ゴムの含有量およびトレッドラジアスの積を上記の範囲とすることで、タイヤ強度および耐摩耗性能をより向上させることができると考えられる。
【0020】
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対しフィラーを50質量部以上含有することが好ましい。
【0021】
ゴム成分100質量部に対しフィラーを50質量部以上含有することで、耐摩耗性がさらに向上すると考えられる。
【0022】
前記ゴム成分は、ブタジエンゴムを15質量%以上含有することが好ましい。
【0023】
ブタジエンゴムを含有することで、低発熱性能および耐摩耗性能がさらに向上すると考えられる。
【0024】
前記ゴム組成物のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*は、80以上であることが好ましい。
【0025】
明度指数L*を上記範囲とすることで、屋内で使用する産業車両用のタイヤとして、タイヤ痕が路面に付きにくい白色度の高いソリッドタイヤを得ることができる。
【0026】
前記フィラーは酸化チタンを含有し、フィラー中の酸化チタンの含有量が20質量%以上であることが好ましい。
【0027】
酸化チタンを上記の含有量配合することで、白色度の高いソリッドタイヤを得ることができる。
【0028】
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、シリカを20質量部以上57質量部以下含有することが好ましい。
【0029】
シリカの含有量を上記の範囲とすることで、低発熱性能がより向上する傾向がある。
【0030】
<定義>
≪トルエン膨潤率≫
本開示においては、ゴム組成物の架橋密度を反映する尺度として、トルエン膨潤率(%)を使用する。本開示において、トルエン膨潤前後の膨潤率は、JIS K 6258:2016「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐液性の求め方」に準拠し、加硫後の各試験用ゴム組成物を23℃のトルエンに24時間浸漬した前後の質量変化率(%)であり、下記式によって求められる。数値が小さいほど架橋密度が高いことを示す。
(トルエン膨潤率)=(浸漬後の質量(g)-浸漬前の質量(g))/浸漬前の質量(g)×100
【0031】
「白色度」は、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*により評価することができる。
【0032】
「オイルの含有量」は、油展ゴムに含まれるオイル量も含む。
【0033】
<測定方法>
「70℃tanδ」は、温度70℃、初期歪み5%、動歪み±1%、周波数10Hzの条件下で測定される損失正接である。損失正接測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ幅方向が厚さ方向となるように切り出す。
【0034】
「硫黄量」は、JIS K 6233:2016に準拠した酸素燃焼フラスコ法により測定される硫黄量(質量%)である。硫黄量測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ半径方向が厚さ方向となるように切り出す。
【0035】
「CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*」は、分光色差計(例えば、日本電色工業(株)製のZE7700)を用い、JIS Z 8722:2009に準拠して求めることができる。
【0036】
「トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアス(mm)」は、タイヤ赤道面CL上の点P1、および点P1からタイヤ幅方向にトレッド半幅Tw/2の50%の距離を隔てた点P2を通る円弧の曲率半径を意味する。なお点P1および点P2はトレッド面上の点である。
【0037】
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、SBR等のスチレンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「ビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、SBR、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
【0038】
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、SBR、BR、樹脂成分、液状ゴム等に適用される。
【0039】
「カーボンブラックの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたカーボンブラックの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。
【0040】
「シリカの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「シリカのN2SA」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。
【0041】
「酸化チタンの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。「酸化チタンの吸油量」は、JIS K 5101-13-1:2004に準拠し測定される。
【0042】
本開示の一実施形態であるソリッドタイヤについて、以下に詳細に説明する。ただし、以下の記載は本開示を説明するための例示であり、本開示の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
【0043】
<ソリッドタイヤ>
図1に、本開示のソリッドタイヤの一の実施形態を示す、適用リムへの組み付け前のタイヤ姿勢におけるタイヤ子午線断面図を示すが、本開示はこれに限定されるものではない。
【0044】
本開示のソリッドタイヤは、リムに組み付けられる環状のベース部1と、ベース部1のタイヤ半径方向外側に設けられたトレッド部2とを備える。図1においては、ベース部1の内周面からトレッド表面に向かって所定の位置に、ソリッドタイヤの回転軸を中心に環状に設けられたコード層3を有している。コード層3は、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向に離間して一対設けられており、タイヤ幅方向に離間した一対のコード層3の間には間隙部4を有している。コード層3のコードは、スチールコードの他、有機繊維コードを用いることができる。
【0045】
本開示のソリッドタイヤは、ベース部1のリム径ラインより下部の片側もしくは両側(図2では片側)に、タイヤ径方向内側に突出する突起部5を設けてもよい。かかる突起部5は、リム組に使用するサイドリングを使用せずに組付けできる構造であり、リム組時間を短縮化でき、リムコストを低減することができる。
【0046】
トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアスは、150mm以上が好ましく、170mm以上がより好ましく、190mm以上がさらに好ましく、210mm以上が特に好ましい。また、トレッドラジアスは、700mm以下が好ましく、500mm以下がより好ましく、350mm以下がさらに好ましい。
【0047】
ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量(質量%)に、前記トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアス(mm)を乗じた値は、8500以上が好ましく、10000以上がより好ましく、11000以上がさらに好ましく、12000以上がさらに好ましく、13000以上が特に好ましい。トレッドラジアスが小さいとクラウン部の接地圧が高くなりクラウン部の摩耗が進みやすくなると考えられる。イソプレン系ゴムの含有量およびトレッドラジアスの積を前記の範囲とすることで、タイヤ強度および耐摩耗性能をより向上させることができる。一方、ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量(質量%)に、前記トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアス(mm)を乗じた値の上限値は、特に制限されないが、63000以下が好ましく、54000以下がより好ましく、45000以下がさらに好ましく、36000以下がさらに好ましく、27000以下が特に好ましい。
【0048】
[ゴム組成物]
本開示のゴム組成物は、所定のフィラーを含有し、トルエン膨潤率が所定の値以上であって、前記フィラーの含有量と70℃におけるtanδの値が所定の関係であることによって、耐摩耗性能と低発熱性能の総合性能を改善できる。
【0049】
本開示のゴム組成物のトルエン膨潤率は、ポリマー間での架橋点を減らし、ポリマーを変形しやすくして耐摩耗性能を担保する観点から、255%以上であり、256%以上がより好ましく、257%以上がさらに好ましく、260%以上がさらに好ましく、262%以上が特に好ましい。一方。本開示のゴム組成物のトルエン膨潤率は、低発熱性能の観点から、350%以下であることが好ましい。ゴム組成物のトルエン膨潤率は、前記方法により測定される。本開示のゴム組成物のトルエン膨潤率は、後記のゴム成分、フィラー、硫黄等の種類や配合量により適宜調整することができる。
【0050】
本開示のゴム組成物の「70℃tanδ」は、0.15以下であり、0.14以下がより好ましく、0.13以下がさらに好ましい。70℃tanδが0.15を超えると、発熱性が高くなり、転がり抵抗、高速耐久性が悪くなる傾向がある。また、本開示のゴム組成物の「70℃tanδ」は、本開示の効果の観点から、0.05以上が好ましく、0.06以上がより好ましく、0.07以上がさらに好ましく、0.08以上がさらに好ましく、0.10以上が特に好ましい。
【0051】
本開示のゴム組成物の「70℃tanδ」は、後記のゴム成分、フィラー、軟化剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
【0052】
本開示のゴム組成物において、カーボンブラックおよび/またはシリカの含有量をx(質量部)、70℃tanδをyとしたとき、xとyは式(1)を満たす。
y≦5.27×10-42-0.0447x+0.998 ・・・(1)
なお、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよび/またはシリカの含有量xについては後述する。
【0053】
本開示のゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量x(質量部)が40超であるときは、ゴム組成物中の硫黄量は0.6質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、0.9質量%以上がさらに好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、1.2質量%以上がさらに好ましく、1.4質量%以上がさらに好ましい。また、xが30以上40以下であるときは、ゴム組成物中の硫黄量は0.5質量部以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、0.9質量%以上がさらに好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、1.1質量%以上がさらに好ましい。ゴム組成物中の硫黄量の上限値は特に制限されないが、通常2.5質量%以下である。硫黄量が前記の範囲であることによって、ポリマー間の架橋点が十分に得られるため、ポリマーが変形しにくくなる。なお、硫黄量は、前記測定方法により求められる。ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよび/またはシリカの含有量xについては後述する。
【0054】
本開示のゴム組成物の硫黄量は、後記の硫黄の配合量により適宜調整することができる。
【0055】
本開示のゴム組成物において、タイヤ痕が路面につきにくい、白色度の高いソリッドタイヤを得る場合には、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が80以上であることが好ましく、85以上がより好ましく、90以上がさらに好ましい。L*は、カーボンブラックの含有量を減少させることで増加させることができる。また、L*は、酸化チタンの含有量を増加させることで増加させることができる。
【0056】
<ゴム成分>
本開示に係るソリッドタイヤのトレッド部を構成するゴム組成物(以下、単に、本開示のゴム組成物という)は、ゴム成分を含有する。ゴム成分としては、イソプレン系ゴムを含有することが好ましく、イソプレン系ゴムおよびブタジエンゴム(BR)を含むことがより好ましい。また、イソプレン系ゴム、BR、およびスチレンブタジエンゴム(SBR)を含むゴム成分としてもよく、イソプレン系ゴムおよびBRのみからなるゴム成分としてもよい。
【0057】
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
【0059】
イソプレン系ゴムのゴム成分中の含有量は、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上が特に好ましい。また、該含有量は、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましく、85質量%以下が特に好ましい。イソプレン系ゴムは他のゴム成分に比して分子量が大きいため、イソプレン系ゴムの含有量が前記範囲であることで、ポリマーの強度が向上し、ゴム組成物の低発熱性能が向上すると考えられる。
【0060】
(BR)
BRとしては特に限定されず、例えば、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。
【0061】
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)製のもの、宇部興産(株)製のもの、JSR(株)製のもの等が挙げられる。ハイシスBRを含有することで耐摩耗性能を向上させることができる。ハイシスBRのシス含量は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、96モル%以上がさらに好ましく、97モル%以上が特に好ましい。なお、BRのシス含量は、前記測定方法により測定される。
【0062】
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、JSR(株)製、宇部興産(株)製のものなどを用いることができる。
【0063】
変性BRとしては、スズでカップリングされた末端変性BR、アルコキシシリル基および/またはアミノ基を有する末端変性BRが好適に用いられる。また、変性BRは、水素添加されていないもの、水素添加されているもののいずれであってもよい。このような変性BRとしては、日本ゼオン(株)製のもの、旭化成ケミカルズ(株)製のものなどを用いることができる。
【0064】
前記で列挙されたBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0065】
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましく、40万以上がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点からは、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましい。なお、BRのMwは、前記測定方法により測定される。
【0066】
BRのビニル含量は、0.2モル%以上が好ましく、0.5モル%以上がより好ましく、1モル%以上がさらに好ましい。また、BRのビニル含量は、96モル%以下が好ましく、94モル%以下がより好ましく、92モル%以下がさらに好ましい。なお、BRのビニル含量は、前記測定方法により測定される。
【0067】
BRを含有する場合のゴム成分中の含有量は、低発熱性能および耐摩耗性能の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上が特に好ましい。また、該含有量は、本開示の効果の観点から、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
【0068】
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、未変性の溶液重合SBR(S-SBR)や乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0069】
SBRとしては油展SBRを用いることもできるし、非油展SBRを用いることもできる。油展SBRを用いる場合、SBRの油展量、すなわち、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、8質量部以上がさらに好ましい。
【0070】
本開示で使用できるS-SBRとしては、JSR(株)、住友化学(株)、宇部興産(株)、旭化成(株)、ZSエラストマー(株)等より市販されているものを使用することができる。
【0071】
SBRのスチレン含量は、耐摩耗性能の観点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、低発熱性能の観点からは、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、前記測定方法により測定される。
【0072】
SBRのビニル含量は、シリカとの反応性の担保、ゴム強度、および耐摩耗性能の観点から、10モル%以上が好ましく、12モル%以上がより好ましく、15モル%以上がさらに好ましい。また、SBRのビニル含量は耐摩耗性能の観点から、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、65モル%以下がさらに好ましい。なお、SBRのビニル含量は、前記測定方法により測定される。
【0073】
SBRのゴム成分中の含有量は、低発熱性能および耐カット性能の観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましい。また、該含有量は、本開示の効果の観点から60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
【0074】
(その他のゴム成分)
ゴム成分は、本開示の効果に影響を与えない範囲で、前記ゴム以外の他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の、イソプレン系ゴム、SBR、およびBR以外のジエン系ゴム;ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等の非ジエン系ゴムが挙げられる。これら他のゴム成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0075】
ジエン系ゴムのゴム成分中の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。また、ジエン系ゴムのみからなるゴム成分としてもよい。また、上記のゴム成分の他に、公知の熱可塑性エラストマーを含有してもよく、含有しなくてもよい。
【0076】
<フィラー>
本開示のゴム組成物は、フィラーとして、カーボンブラックおよび/またはシリカを含む。フィラーは、シリカを含むことが好ましく、さらに酸化チタンを含有することがより好ましい。また、シリカおよび酸化チタンのみからなるフィラーとすることもできる。
【0077】
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0078】
カーボンブラックの平均一次粒子径は、15nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、25nm以上がさらに好ましく、28nm以上がさらに好ましく、30nm以上がさらに好ましい。また、カーボンブラックの平均粒子径は、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、60nm以下がさらに好ましい。カーボンブラックの一次平均粒子径が前記範囲内であると、ゴム組成物の低発熱性能をより向上する傾向がある。なお、カーボンブラックの平均粒子径は前記測定方法により測定される。
【0079】
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、破壊強度の観点から、40m2/g以上が好ましく、60m2/g以上がより好ましく、70m2/g以上がさらに好ましい。また、加工性の観点からは、200m2/g以下が好ましく、150m2/g以下がより好ましく、130m2/g以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記方法により測定される値である。
【0080】
カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、白色度の観点から、5質量部未満が好ましく、3質量部未満がより好ましく、1質量部未満がさらに好ましく、0.5質量部未満がさらに好ましく、0.1質量部未満が特に好ましい。白色度の観点からは、カーボンブッラクを含まないことが最も好ましい。
【0081】
(シリカ)
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0082】
シリカの平均一次粒子径は、シリカの分散性の観点から、15nm以上が好ましく、16nm以上がより好ましく、17nm以上がさらに好ましく、18nm以上が特に好ましい。また、低発熱性能および加工性の観点からは、30nm以下が好ましく、25nm以下がより好ましく、22nm以下がさらに好ましく、21nm以下がさらに好ましく、20nm以下が特に好ましい。なお、シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
【0083】
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐破壊性能および耐摩耗性能の観点から、90m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましく、110m2/g以上がさらに好ましく、130m2/g以上がさらに好ましく、150m2/g以上がさらに好ましく、170m2/g以上が特に好ましい。また、低発熱性能および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記方法により測定される。
【0084】
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、補強性および耐摩耗性能の観点から、20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、35質量部以上がさらに好ましく、40質量部以上がさらに好ましく、45質量部以上が特に好ましい。また、低発熱性能の観点からは、80質量部以下が好ましく、75質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましく、65質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下がさらに好ましく、57質量部以下がさらに好ましく、54質量部以下がさらに好ましく、51質量部以下が特に好ましい。
【0085】
ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量xは、補強性の観点から、30質量部以上であり、35質量部以上が好ましく、40質量部以上がより好ましく、45質量部以上がさらに好ましく、50質量部以上がさらに好ましく、50質量部以上が特に好ましい。また、低発熱性の観点から、xは、80質量部以下が好ましく、75質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましく、65質量部以下がさらに好ましい。
【0086】
(酸化チタン)
酸化チタンの平均一次粒子径は、耐摩耗性能の観点から、0.30nm以下が好ましく、0.28nm以下がより好ましく、0.26nm以下がさらに好ましく、0.24nm以下が特に好ましい。また、低発熱性能および加工性の観点からは、0.01nm以上が好ましく、0.03nm以上がより好ましく、0.05nm以上がさらに好ましく、0.07nm以上がさらに好ましく、0.10nm以上が特に好ましい。なお、酸化チタンの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
【0087】
酸化チタンの吸油量は、白色度の観点から、12g/100g以上が好ましく、14g/100g以上がより好ましく、16g/100g以上がさらに好ましい。また、加工性の観点からは、39g/100g以下が好ましく、35g/100g以下がより好ましく、31g/100g以下がさらに好ましく、27g/100g以下が特に好ましい。なお、酸化チタンの吸油量は、前記測定方法により測定される。
【0088】
ゴム成分100質量部に対する酸化チタンの含有量は、白色度の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましく、7質量部以上が特に好ましい。一方、酸化チタンの含有量の上限値は特に制限されないが、コストの観点から、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、35質量部以下が特に好ましい。
【0089】
フィラー中の酸化チタンの含有量は、白色度の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、補強性の観点からは、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。
【0090】
(その他のフィラー)
フィラーは、本開示の効果に影響を与えない範囲で、カーボンブラック、シリカおよび酸化チタン以外のフィラーを含有してもよい。他のフィラーとしては、タイヤ工業で一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、クレー、タルク、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、セリサイト等が挙げられる。コストおよび補強性の観点から、炭酸カルシウムが好ましい。これら他のフィラーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0091】
ゴム成分100質量部に対するフィラーの合計含有量は、耐摩耗性能の観点から、40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましく、55質量部以上がさらに好ましく、60質量部以上がさらに好ましく、65質量部以上がさらに好ましく、70質量部以上がさらに好ましい。また、ゴム成分100質量部に対するフィラーの合計含有量は、本開示の効果の観点から、130質量部以上が好ましく、120質量部以下がより好ましく、110質量部以下がさらに好ましい。
【0092】
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Momentive社製のNXT-Z100、NXT-Z45、NXT等のメルカプト系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤等が挙げられ、スルフィド系シランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0093】
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、8.0質量部以上が好ましく、8.5質量部以上がより好ましく、9.0質量部以上がさらに好ましく、9.5質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、18質量部以下が好ましく、16質量部以下がより好ましく、14質量部以下がさらに好ましく、12質量部以下が特に好ましい。
【0094】
<その他の配合剤>
本開示のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、オイル、樹脂成分、ワックス、加工助剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
【0095】
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、80質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。
【0096】
樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0097】
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、低発熱性能の観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下がさらに好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
【0098】
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、無着色かつ非汚染性であることから、フェノール系老化防止剤が好ましい。フェノール系老化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、モノ(またはジ、またはトリ)(α-メチルベンジル)フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;2,2-メチレンビス(4-エチル-6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4-ブチリデンビス(3-メチル-6-ジ-tert-ブチルフェノール)等のビスフェノール系老化防止剤;2,5-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルハイドロキノン等のポリフェノール系老化防止剤が挙げられ、モノフェノール系老化防止剤が好ましく、モノ(またはジ、またはトリ)(α-メチルベンジル)フェノールがより好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0099】
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
【0100】
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
【0101】
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10.0質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
【0102】
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
【0103】
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保し、良好なグリップ性能および耐摩耗性能を得るという観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、劣化の観点からは、3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
【0104】
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
【0105】
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましくスルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
【0106】
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)が好ましい。
【0107】
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましく、4質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
【0108】
本開示のゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
【0109】
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
【0110】
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
【0111】
トレッド部を備えたソリッドタイヤは、前記のゴム組成物を用いて、通常の方法により製造できる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機でトレッド部の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上でトレッド部および他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本開示のソリッドタイヤを製造することができる。
【実施例0112】
以下、本開示を実施例に基づいて説明するが、本開示はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0113】
以下に示す各種薬品を用いて、表1および表2に従って得られるゴム組成物からなるトレッド部を備えるソリッドタイヤを想定し、下記評価方法に基づいて算出した結果を表1および表2に示す。
【0114】
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のSBR1502(E-SBR、スチレン含量:23.5質量%、ビニル含量:18モル%、Mw:42万)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B(未変性ハイシスBR、ビニル含量:1モル%、シス含量:97モル%、Mw:44万)
酸化チタン1:石原産業(株)製のA-100(平均一次粒子径:0.15nm、吸油量:22g/100g)
酸化チタン2:石原産業(株)製のCR-57(平均一次粒子径:0.25nm、吸油量:17g/100g)
シリカ1:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:17nm)
シリカ2:エボニックデグサ社製のウルトラシル9100GR(N2SA:230m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シリカ3:ローディアジャパン(株)製のZEOSIL 115GR(N2SA:115m2/g、平均一次粒子径:20nm)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(N2SA:75m2/g、平均一次粒子径:30nm)
炭酸カルシウム:(株)カルファイン製のFP-300
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラックSP(モノ(またはジ、またはトリ)(α-メチルベンジル)フェノール)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミOT(10%オイル含有不溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS-P(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS))
【0115】
(実施例および比較例)
表1および表2に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度170℃になるまで5分間混練りし、混練物を得る。さらに、得られた混練物を前記バンバリーミキサーにより、排出温度150℃で4分間、再度混練りする。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。得られた未加硫ゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機でトレッド部の形状に押し出し成形し、ベース部および他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、各試験用ソリッドタイヤを製造する。
【0116】
<70℃tanδの測定>
各試験用ソリッドタイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ幅方向が厚さ方向となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して加硫ゴム試験片を作製する。各ゴム試験片について、TA Instruments社製の粘弾性スペクトロメーターRSA-G2を用いて、温度70℃、初期歪み5%、動歪み±1%、周波数10Hz、の条件下で損失正接(tanδ)を測定する。結果を表1および表2に示す。
【0117】
<トルエン膨潤率の測定>
各試験用ソリッドタイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ幅方向が厚さ方向となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出した加硫ゴム試験片を作製する。各加硫ゴム試験片について、JIS K 6258:2016「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐液性の求め方」に準拠し、23℃のトルエンに24時間浸漬した前後の質量を測定し、下記式によりトルエン膨潤指数を求める。トルエン膨潤指数が小さいほど架橋密度が高いことを示す。
(トルエン膨潤率)=(浸漬後の質量)-(浸漬前の質量)/浸漬前の質量×100
【0118】
<硫黄量の測定>
各試験用ソリッドタイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ幅方向が厚さ方向となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出した加硫ゴム試験片を作製する。各試験片について、JIS K 6233:2016に準拠し、酸素燃焼フラスコ法により硫黄量(質量%)を測定する。
【0119】
<白色度の評価>
各試験用ソリッドタイヤのトレッド部から切り出した加硫ゴム試験片について、CIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*を、分光色差計(日本電色工業(株)製のZE7700)を用い、JIS Z 8722:2009に準拠して測定する。
【0120】
<低発熱性能の評価>
70℃tanδの逆数の値について、比較例2の測定値を100として指数表示する(低発熱性能指数)。指数が大きいほど、低発熱性能に優れることを示す。
(低発熱性能指数)=(比較例2の70℃tanδ)/(各ゴム試験片の70℃tanδ)×100
【0121】
<耐摩耗性能の評価>
各試験用ソリッドタイヤのトレッド部から切り出した厚み5mmの加硫ゴム試験片を用いて次のような摩耗試験を行う。岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用い、表面回転速度50m/分、負荷荷重4.5kg、落砂量15g/分でスリップ率50%にて試験片の摩耗量を測定する。摩耗量の逆数の値について、比較例2の摩耗量を100として指数表示する(耐摩耗性能指数)。指数が大きいほど、耐摩耗性能に優れることを示す。
(耐摩耗性能指数)=(比較例2の加硫ゴム試験片の摩耗量)/(各加硫ゴム試験片の摩耗量)×100
【0122】
<総合性能>
低発熱性能指数と耐摩耗性能指数の和を、低発熱性能と耐摩耗性能の総合性能指数として表示する。指数が大きいほど、総合性能が向上したことを示す。本開示では、総合性能指数が200超の場合、総合性能が向上したものとする。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
<実施形態>
本開示の実施形態の例を以下に示す。
【0126】
〔1〕ゴム成分およびフィラーを含有するゴム組成物により構成されたトレッド部を有するソリッドタイヤであって、
前記フィラーがカーボンブラックおよび/またはシリカを含み、
前記ゴム組成物のトルエン膨潤率が255%以上であり、
前記ゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックおよびシリカの合計含有量をx(質量部)、70℃におけるtanδ(70℃tanδ)をyとしたとき、
xが30以上であり、yが0.15以下であり、かつxとyが下記式(1)を満たす、ソリッドタイヤ。
y≦5.27×10-42-0.0447x+0.998 ・・・(1)
〔2〕前記ゴム成分がイソプレン系ゴムを50質量%以上含有する、上記〔1〕記載のソリッドタイヤ。
〔3〕ゴム組成物中の硫黄量が、xが40超であるときは1.2質量%以上であり、
xが30以上40以下であるときは、0.9質量%以上である、上記〔1〕または〔2〕記載のソリッドタイヤ。
〔4〕前記カーボンブラックの平均一次粒子径が20nm以上であり、前記シリカの平均一次粒子径が16nm以上である、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
〔5〕前記ゴム成分中のイソプレン系ゴムの含有量(質量%)に、前記トレッド部のタイヤ子午線断面でのトレッドラジアス(mm)を乗じた値が8500以上である、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
〔6〕前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対しフィラーを50質量部以上含有する、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
〔7〕前記ゴム成分がブタジエンゴムを15質量%以上含有する、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
〔8〕前記ゴム組成物のCIE1976L*a*b*色空間における明度指数L*が80以上である、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
〔9〕前記フィラーが酸化チタンを含有し、フィラー中の酸化チタンの含有量が20質量%以上である、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
〔10〕前記ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、シリカを20質量部以上57質量部以下含有する、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
【符号の説明】
【0127】
1 ベース部
2 トレッド部
3 コード層
4 間隙部
5 突起部
CL タイヤ赤道面
図1
図2