(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023127991
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】コンテンツ管理サーバ、コンテンツ管理プログラムおよびコンテンツ管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230907BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032008
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519358416
【氏名又は名称】KYOTO’S 3D STUDIO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栖原 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 安
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB26
(57)【要約】
【課題】ユーザが収集した複数の対象物にそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトを一括して管理することができるコンテンツ管理サーバ、コンテンツ管理プログラムおよびコンテンツ管理システムを提供する。
【解決手段】コンテンツ管理サーバ20は、3次元仮想オブジェクトと、ユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理DB25と、ユーザ識別情報と、ユーザに紐付けられたユーザ端末からの操作情報と、に基づいて、コンテンツ管理DB25が管理する複数の3次元仮想オブジェクトの中からユーザが指定された3次元仮想オブジェクトのデータをユーザ端末10に出力する出力制御部261と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象物の各々を3次元計測によって取得した複数の3次元点群データにそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、前記複数の対象物の各々の識別情報と、前記複数の対象物の各々を管理する管理者情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録するコンテンツ提供サーバからユーザが取得した1つ以上の前記3次元仮想オブジェクトと、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理データベースと、
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに紐付けられたユーザ端末から受信した操作情報と、に基づいて、前記コンテンツ管理データベースが管理する前記複数の3次元仮想オブジェクトの中から指定された前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記ユーザ端末に出力する出力制御部と、
を備える、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ管理サーバであって、
前記ユーザ端末から受信した操作情報に基づいて、前記3次元仮想オブジェクトに対して、前記ユーザ端末と異なる端末からの閲覧可否を設定する設定部をさらに備える、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項3】
請求項2に記載のコンテンツ管理サーバであって、
前記ユーザ端末と異なる端末からの閲覧が可能に設定されている前記3次元仮想オブジェクトに対する閲覧回数をカウントするカウント部と、
前記カウント部がカウントした前記閲覧回数に応じて前記ユーザ端末と異なる端末による閲覧の利用料に相当する請求金額を、前記ユーザ識別情報および前記管理者情報に基づく決済を行う決済サーバへ出力する請求部と、
前記決済サーバから前記請求金額に対応する決済情報を受信した場合、当該コンテンツ管理サーバに紐付けられた口座であって前記決済サーバが管理する口座に振り込まれた決済情報に対応する入金額に対して前記管理者情報に基づく割合を乗じた分配金額を算出し、前記決済サーバに対して前記管理者情報に紐付けられた口座に前記分配金額の振込処理を依頼する振込信号を出力する振込部と、
をさらに備える、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項4】
請求項3に記載のコンテンツ管理サーバであって、
前記決済サーバから当該コンテンツ管理サーバに紐付けられた口座に、前記ユーザ識別情報に対応付けて割り当てられた前記コンテンツ管理データベース上の記録領域の容量の拡張を依頼する代金が振り込まれたことを示す振込情報を受信した場合、前記記録領域の容量を拡張する拡張部をさらに備える、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のコンテンツ管理サーバであって、
前記ユーザ端末の操作情報に基づいて、少なくとも前記3次元仮想オブジェクトのデータを編集する編集部をさらに備える、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一つに記載のコンテンツ管理サーバであって、
前記ユーザ端末から前記3次元仮想オブジェクトを3次元プリンタに出力する指示情報を受信した場合、前記3次元仮想オブジェクトのデータに、所定の刻印データを付加する刻印部をさらに備え、
前記出力制御部は、
前記刻印部が前記刻印データを付加した前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記3次元プリンタに出力する、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一つに記載のコンテンツ管理サーバであって、
前記3次元点群データは、
点同士の平均間隔が0.30mm未満である、
コンテンツ管理サーバ。
【請求項8】
複数の対象物の各々を3次元計測によって取得した複数の3次元点群データにそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、前記複数の対象物の各々の識別情報と、前記複数の対象物の各々を管理する管理者情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録するコンテンツ提供サーバからユーザが取得した1つ以上の前記3次元仮想オブジェクトと、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理データベースを備えるコンテンツ管理サーバに、
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに紐付けられたユーザ端末から受信した操作情報と、に基づいて、前記コンテンツ管理データベースが管理する前記複数の3次元仮想オブジェクトの中から指定された前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記ユーザ端末に出力する出力制御ステップを実行させる、
コンテンツ管理プログラム。
【請求項9】
複数の対象物の各々を3次元計測によって計測して取得した複数の3次元点群データに対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、前記複数の対象物の各々の識別情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録するコンテンツ提供サーバと、
ネットワークを介してユーザ端末および前記コンテンツ提供サーバと通信可能なコンテンツ管理サーバと、
を備え、
前記コンテンツ管理サーバは、
前記コンテンツ提供サーバから取得した1つ以上の前記3次元仮想オブジェクトと、ユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理データベースと、
前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに紐付けられた前記ユーザ端末から受信した操作情報と、に基づいて、前記コンテンツ管理データベースが管理する前記複数の3次元仮想オブジェクトの中から指定された前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記ユーザ端末に出力する出力制御部と、
を備える、
コンテンツ管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記ネットワークを介して前記コンテンツ管理サーバと通信可能であり、前記ユーザ識別情報および前記複数の対象物の各々を管理する管理者情報に基づく決済を行う決済サーバをさらに備え、
前記コンテンツ管理サーバは、
前記ユーザ端末と異なる端末からの閲覧が可能に設定されている前記3次元仮想オブジェクトに対する閲覧回数をカウントするカウント部と、
前記カウント部がカウントした前記閲覧回数に応じて前記ユーザ端末と異なる端末による閲覧の利用料に相当する請求金額を、前記ユーザ識別情報および前記管理者情報に基づく決済を行う前記決済サーバへ出力する請求部と、
前記決済サーバから前記請求金額に対応する決済情報を受信した場合、当該コンテンツ管理サーバに紐付けられた口座であって前記決済サーバが管理する口座に振り込まれた決済情報に対応する入金額に対して前記管理者情報に基づく割合を乗じた分配金額を算出し、前記決済サーバに対して前記管理者情報に紐付けられた口座に前記分配金額の振込処理を依頼する振込信号を出力する振込部と、
をさらに備え、
前記決済サーバは、
前記コンテンツ管理サーバから前記振込信号を受信した場合、前記コンテンツ管理サーバに紐付けられた口座から前記管理者情報に紐付けられた口座に前記分配金額を振り込む振込処理を実行する決済サーバ制御部を備える、
コンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツ管理サーバ、コンテンツ管理プログラムおよびコンテンツ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美術館等の展示品に対応してCG(Computer Graphics)等により作成された3次元仮想オブジェクトを展示するデジタルミュージアムの技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、ユーザは3次元仮想オブジェクトを鑑賞することはできるものの、複数の対象物にそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトを一括して管理することができなかった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザが収集した複数の対象物にそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトを一括して管理することができるコンテンツ管理サーバ、コンテンツ管理プログラムおよびコンテンツ管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るコンテンツ管理サーバは、複数の対象物の各々を3次元計測によって取得した複数の3次元点群データにそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、前記複数の対象物の各々の識別情報と、前記複数の対象物の各々を管理する管理者情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録するコンテンツ提供サーバからユーザが取得した1つ以上の前記3次元仮想オブジェクトと、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理データベースと、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに紐付けられたユーザ端末から受信した操作情報と、に基づいて、前記コンテンツ管理データベースが管理する前記複数の3次元仮想オブジェクトの中から指定された前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記ユーザ端末に出力する出力制御部と、を備える。
【0007】
また、本開示に係るコンテンツ管理プログラムは、複数の対象物の各々を3次元計測によって取得した複数の3次元点群データにそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、前記複数の対象物の各々の識別情報と、前記複数の対象物の各々を管理する管理者情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録するコンテンツ提供サーバからユーザが取得した1つ以上の前記3次元仮想オブジェクトと、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理データベースを備えるコンテンツ管理サーバに、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに紐付けられたユーザ端末から受信した操作情報と、に基づいて、前記コンテンツ管理データベースが管理する前記複数の3次元仮想オブジェクトの中から指定された前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記ユーザ端末に出力する出力制御ステップを実行させる。
【0008】
また、本開示に係るコンテンツ管理システムは、複数の対象物の各々を3次元計測によって計測して取得した複数の3次元点群データに対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、前記複数の対象物の各々の識別情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録するコンテンツ提供サーバと、ネットワークを介してユーザ端末および前記コンテンツ提供サーバと通信可能なコンテンツ管理サーバと、を備え、前記コンテンツ管理サーバは、前記コンテンツ提供サーバから取得した1つ以上の前記3次元仮想オブジェクトと、ユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて管理するコンテンツ管理データベースと、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに紐付けられた前記ユーザ端末から受信した操作情報と、に基づいて、前記コンテンツ管理データベースが管理する前記複数の3次元仮想オブジェクトの中から指定された前記3次元仮想オブジェクトのデータを前記ユーザ端末に出力する出力制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザが収集した複数の対象物にそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトを一括して管理することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施の形態に係るコンテンツ管理システムの構成を模式的に示す概略図である。
【
図2】
図2は、一実施の形態に係るコンテンツ管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、一実施の形態に係るコンテンツ管理DBが記録するコンテンツ管理データテーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、一実施の形態に係るコンテンツ提供サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、一実施の形態に係るコンテンツDBが記録するコンテンツデータテーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施の形態に係る決済サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、一実施の形態に係る対象物が小物類であるとした場合における各スキャナの測定精度、測定範囲および色取得に関する表を示す図である。
【
図8】
図8は、神社の鳥居にある扁額の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8における直線L1における抽出断面を従来技術の手法で取得した3次元点群データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図9に基づく3次元点群データと3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図8における直線L1における抽出断面を本開示の手法で取得した3次元点群データの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図11に基づく3次元点群データと3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、一実施の形態に係るコンテンツ管理システムが実行する処理のシーケンス図である。
【
図14】
図14は、一実施の形態に係るユーザ端末が表示する3次元仮想オブジェクトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示を実施するための形態を図面とともに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本開示が限定されるものではない。
【0012】
〔コンテンツ管理システムの概要〕
図1は、一実施の形態に係るコンテンツ管理システムの構成を模式的に示す概略図である。
図1に示すコンテンツ管理システム1は、ユーザがネットワークNWを通じて購入した3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトを管理してユーザ端末10に出力するものである。
【0013】
コンテンツ管理システム1は、ユーザ端末10と、コンテンツ管理サーバ20と、コンテンツ提供サーバ30と、決済サーバ40と、を備える。ユーザ端末10、コンテンツ管理サーバ20、コンテンツ提供サーバ30および決済サーバ40は、ネットワークNWを通じて相互に通信可能に構成されている。このネットワークNWは、例えばインターネット回線網および携帯電話回線網等から構成される。
【0014】
〔ユーザ端末〕
まず、ユーザ端末10について説明する。ユーザ端末10は、ユーザが用いるコンピュータ端末である。ユーザ端末10は、各種情報を表示する表示ディスプレイ11と、ユーザ操作の入力を受け付けるタッチパネル等のユーザインターフェース12と、を備える。ユーザ端末10としては、例えばユーザが所有するスマートフォン、携帯電話、タブレット型端末装置、バーチャル・リアリティヘッドセット、ウェアラブルコンピュータおよびパーソナルコンピュータ等が挙げられる。なお、ユーザ端末10は、ネットワークNWを通じてコンテンツ管理サーバ20、コンテンツ提供サーバ30および決済サーバ40の各々と通信可能な機器であれば、どのようなものであってもよい。
【0015】
〔コンテンツ管理サーバ〕
次に、コンテンツ管理サーバ20について説明する。
図2は、コンテンツ管理サーバ20の機能構成を示すブロック図である。
図1および
図2に示すコンテンツ管理サーバ20は、ユーザがユーザ端末10を通じて後述するコンテンツ提供サーバ30から取得した3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトを管理する。
【0016】
コンテンツ管理サーバ20は、通信部21と、入力部22と、表示部23と、記録部24と、コンテンツ管理データベース25(以下、「コンテンツ管理DB25」と表記)と、コンテンツ管理制御部26と、を備える。
【0017】
通信部21は、コンテンツ管理制御部26の制御のもと、ネットワークNWを通じてユーザ端末10、コンテンツ提供サーバ30および決済サーバ40と通信を行う。通信部21は、例えばLAN(Local Area Network)インターフェースボード等を用いて構成される。
【0018】
入力部22は、各種操作の入力を受け付けて、この受け付けた操作に応じた情報をコンテンツ管理制御部26へ出力する。入力部22は、マウス、キーボード、タッチパネルおよびマイクロフォン等を用いて構成される。
【0019】
表示部23は、コンテンツ管理制御部26の制御のもと、各種情報を表示する。表示部23は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescent Display)等を用いて構成される。
【0020】
記録部24は、コンテンツ管理サーバ20に関する各種情報を記録する。記録部24は、コンテンツ管理サーバ20が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部241を有する。記録部24は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリ等を用いて構成される。
【0021】
コンテンツ管理DB25は、ユーザ端末10を通じてユーザが後述するコンテンツ提供サーバ30から購入した3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトと、ユーザ識別情報と、3次元仮想オブジェクトを管理する管理者情報と、3次元仮想オブジェクトの閲覧可否を示す閲覧可否情報と、分配率情報と、ユーザが使用可能な記録容量と、を対応付けたコンテンツ管理データを記録する。ここで、3次元仮想オブジェクトとは、後述する3次元計測によって対象物を計測して取得する3次元点群データに対応する3Dオブジェクト、3Dソリッドモデルおよび3Dモデル等である。また、対象物とは、例えば建造物や施設等の地理的なランドマーク、ランドマークの外観や内部などのいずれかである。なお、対象物は、施設が所蔵する所蔵品(例えば、アート作品、仏像、彫刻等)、施設内に植生している植物等でもよいし、ランドマークの過去や未来の形態等でもよい。また、管理者情報とは、対象物を所有する所有者または管理する管理者の情報である。また、分配率情報とは、コンテンツ管理サーバ20を通じて3次元仮想オブジェクトを購入したユーザと異なる他者の端末(以下、「他者端末」と表記)が3次元仮想オブジェクトを閲覧した閲覧回数に応じて請求する請求金額(利用金額)のうち、管理者へ還元する分配金の比率(分配率)に関する情報である。なお、分配率は、適宜変更することができる。また、記録容量とは、ユーザ識別情報に紐付けられ、後述するコンテンツ提供サーバ30からユーザが購入した3次元仮想オブジェクトを記録(格納)することができる記録領域の容量である。コンテンツ管理DB25は、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等を用いて構成される。なお、コンテンツ管理DB25をコンテンツ管理サーバ20とは別の装置として、コンテンツ管理サーバ20とネットワークNWを介して通信接続する構成としてもよい。
【0022】
図3は、コンテンツ管理DB25が記録するコンテンツ管理データテーブルの一例を示す図である。
図3に示すように、コンテンツ管理データテーブルT1の一行目には、ユーザ識別情報として「ユーザID:123」と、3次元仮想オブジェクトとして「a教会」および「A神社」と、管理者情報として「D法人」および「E法人」と、閲覧可否情報として「可」、分配率情報として「40%」および「50%」と、記録容量として「1TB」と、を対応付けて記録している。
【0023】
コンテンツ管理制御部26は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)といったハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。コンテンツ管理制御部26は、コンテンツ管理サーバ20を構成する各部を制御する。コンテンツ管理制御部26は、プログラム記録部241に記録されたプログラムをメモリの作業領域に読み出して実行し、プロセッサによるプログラムの実行を通じて各構成部等を制御することによって、ハードウェアとソフトウェアとが協働し、所定の目的に合致した機能モジュールを実現する。具体的には、コンテンツ管理制御部26は、機能モジュールとして、出力制御部261と、設定部262と、カウント部263と、請求部264と、振込部265と、編集部266と、拡張部267と、刻印部268と、を有する。
【0024】
出力制御部261は、コンテンツ管理サーバ20で管理されている複数の3次元仮想オブジェクトの中からユーザ端末10から受信した操作情報に応じて指定された3次元仮想オブジェクトをユーザ端末10へ出力する。
【0025】
設定部262は、ユーザ端末10から出力された閲覧可否情報に基づいて、コンテンツ提供サーバ30からユーザが購入した3次元仮想オブジェクトに対する他者端末からの閲覧可否を設定する。
【0026】
カウント部263は、ユーザが閲覧可能に設定した3次元仮想オブジェクトに対する他者端末からの閲覧回数をカウントする。
【0027】
請求部264は、カウント部263がカウントした閲覧回数に基づく利用料の請求金額をユーザ端末10へ出力し、かつ、カウント部263がカウントした閲覧回数に基づく利用料を決済サーバ40へ出力する。
【0028】
振込部265は、決済サーバ40から他者端末の閲覧回数に基づく請求金額に対応する決済情報を受信した場合、決済サーバ40が管理するコンテンツ管理サーバ20に紐付けられた口座に振り込まれた決済情報に対応する入金額に対して管理者情報に基づく割合を乗じた分配金額を算出し、決済サーバ40に対して管理者情報に紐付けられた口座に分配金額の振込処理を依頼する振込信号を出力する。
【0029】
編集部266は、ユーザ端末10から受信する編集情報に基づいて、3次元仮想オブジェクトを編集する。具体的には、編集部266は、ユーザ端末10から受信した編集情報に応じて、3次元仮想オブジェクトA1を拡大、縮小、または回転させた3次元仮想オブジェクトA1をユーザ端末10へ出力する。
【0030】
拡張部267は、決済サーバ40から受信する決済情報に基づいて、ユーザ端末10のユーザ識別情報に紐付いた記録容量を拡張する拡張処理を行う。具体的には、拡張部267は、コンテンツ管理サーバ20がコンテンツ管理DB25で管理するユーザ端末10に対して付与する記録容量を、決済情報に含まれる課金額に応じて拡張する。
【0031】
刻印部268は、3次元仮想オブジェクトにおける所定箇所に所定の刻印を付加して指定された3次元プリンタに出力する。具体的には、刻印部268は、3次元仮想オブジェクトのデータに対してその管理者情報を含む刻印データを付加して3次元プリンタに出力する。これにより、3次元プリンタによって生成される3次元仮想オブジェクトの複製の表面には、管理者情報が刻印される。この刻印により、ユーザまたは他者が3次元プリンタを用いて3次元仮想オブジェクトを複製した場合であっても、3次元仮想オブジェクトの管理者を特定することができる。なお、管理者情報は文字、記号、マークのいずれかあるいはその組み合わせでもよい。また、刻印部268が、3次元仮想オブジェクトの取得に関する情報や、ユーザ情報などを刻印データに加えてもよい。
【0032】
〔コンテンツ提供サーバ〕
次に、コンテンツ提供サーバ30について説明する。
図4は、コンテンツ提供サーバ30の機能構成を示すブロック図である。
図1および
図4に示すコンテンツ提供サーバ30は、ユーザ端末10を通じてユーザが選択した対象物の3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトをユーザ端末10に出力する。
【0033】
コンテンツ提供サーバ30は、通信部31と、入力部32と、表示部33と、記録部34と、コンテンツデータベース35(以下、「コンテンツDB35」と表記)と、コンテンツ制御部36と、を備える。
【0034】
通信部31は、コンテンツ制御部36の制御のもと、ネットワークNWを通じてユーザ端末10、コンテンツ管理サーバ20および決済サーバ40と通信を行う。通信部31は、例えばLANインターフェースボード等を用いて構成される。
【0035】
入力部32は、各種操作の入力を受け付けて、この受け付けた操作に応じた情報をコンテンツ制御部36へ出力する。入力部32は、マウス、キーボードおよびマイクロフォン等を用いて構成される。
【0036】
表示部33は、コンテンツ制御部36の制御のもと、各種情報を表示する。表示部33は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等を用いて構成される。
【0037】
記録部34は、コンテンツ提供サーバ30に関する各種情報を記録する。記録部34は、コンテンツ提供サーバ30が実行する各種のプログラムを記録するプログラム記録部341を有する。記録部34は、DRAM、ROMおよびフラッシュメモリ等を用いて構成される。
【0038】
コンテンツDB35は、複数の対象物の各々を3次元計測によって取得した複数の3次元点群データにそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトと、複数の対象物の各々を識別する識別情報と、複数の対象物の各々を管理または所有する管理者情報と、を対応付けたコンテンツデータを記録する。コンテンツDB35は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。なお、コンテンツDB35をコンテンツ提供サーバ30とは別の装置として、コンテンツ提供サーバ30とネットワークNWを介して通信接続する構成としてもよい。
【0039】
図5は、コンテンツDB35が記録するコンテンツデータテーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、コンテンツデータテーブルT2の一行目には、3次元仮想オブジェクトとして「A神社」、識別情報としてWebマップ上における対象物の位置「緯度:北緯BB度,経度:東経CC度」、管理者情報として「D法人」および分配率情報として「50%」が対応付けて記録されている。なお、コンテンツデータテーブルT2の識別情報には、対象物の位置のみを記載しているが、これに限定されることなく、対象物の名称、対象物の施工日、対象物が所蔵する所蔵品の名称、識別用ID、検索タグを含む情報を記録させてもよい。検索タグとしては、例えばハッシュタグと検索キーワードとによって構成されたものが挙げられる。
【0040】
図4に戻り、コンテンツ提供サーバ30の構成の説明を続ける。
コンテンツ制御部36は、メモリおよびCPUといったハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。コンテンツ制御部36は、コンテンツ提供サーバ30を構成する各部を制御する。コンテンツ制御部36は、プログラム記録部341に記録されたプログラムをメモリの作業領域に読み出して実行し、プロセッサによるプログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、ハードウェアとソフトウェアとが協働し、所定の目的に合致した機能モジュールを実現する。
【0041】
〔決済サーバの概要〕
次に、決済サーバ40について説明する。
図6は、決済サーバ40の機能構成を示すブロック図である。
図1および
図6に示す決済サーバ40は、ユーザ端末10を通じてコンテンツ提供サーバ30が提供する3次元仮想オブジェクトの有料区分に対する購入情報を受信した場合、ユーザ端末10のユーザ識別情報に紐付けられた口座の残高から有料区分に応じた金額を決済する。
【0042】
決済サーバ40は、通信部41と、入力部42と、表示部43と、ユーザ情報データベース44(以下、「ユーザ情報DB44」と表記)と、口座情報データベース45(以下、「口座情報DB45」と表記)と、決済制御部46と、を備える。
【0043】
通信部41は、決済制御部46の制御のもと、ネットワークNWおよびユーザ端末10およびコンテンツ提供サーバ30と通信を行う。通信部41は、例えばLANインターフェースボード等を用いて構成される。
【0044】
入力部42は、各種操作の入力を受け付けて、この受け付けた操作に応じた情報を決済制御部46へ出力する。入力部42は、マウス、キーボードおよびマイクロフォン等を用いて構成される。
【0045】
表示部43は、決済制御部46の制御のもと、各種情報を表示する。表示部43は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等を用いて構成される。
【0046】
ユーザ情報DB44は、ユーザ端末10に紐付けられたユーザ識別情報を記録する。ここで、ユーザ識別情報とは、ユーザの氏名、性別、生年月日および住所等のユーザを識別するための情報である。ユーザ情報DB44は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。なお、ユーザ情報DB44を決済サーバ40とは別の装置として、決済サーバ40とネットワークNWを介して通信接続する構成としてもよい。
【0047】
口座情報DB45は、ユーザ識別情報に紐付けられたユーザの口座に関する口座情報を記録する。口座情報DB45は、HDDおよびSSD等を用いて構成される。ここで、口座情報には、ユーザの預金残高等も含まれる。なお、口座情報DB45を決済サーバ40とは別の装置として、決済サーバ40とネットワークNWを介して通信接続する構成としてもよい。
【0048】
決済制御部46は、メモリおよびCPUといったハードウェアを有するプロセッサを用いて構成される。決済制御部46は、決済サーバ40を構成する各部を制御する。また、決済制御部46は、決済処理を実行する。具体的には、決済制御部46は、ユーザ端末10に紐付けられた口座の残高から、コンテンツ提供サーバ30から出力された請求金額に応じた金額を引き落とす。さらに、決済制御部46は、コンテンツ提供サーバ30に紐付けられた口座に請求金額に応じた金額を入金する。
【0049】
なお、上述した決済サーバ40を複数のサーバで構成し、決済機能と、口座管理機能と、を分けて実現してもよい。
【0050】
〔3次元計測方法の概要〕
次に、対象物を計測する際の3次元計測方法の概要について説明する。3次元計測方法に用いる3Dスキャナは、対象物の種類に応じて、2種類に分けることができる。
【0051】
まず、対象物が建造物または地形等の場合における3次元計測方法(以下、「方法1」という)について説明する。方法1では、3Dスキャナとして、地上据置型(地上型)のレーザースキャナが用いられる。方法1は、レーザースキャナがレーザーを照射してから、レーザーが対象物で反射してレーザースキャナに戻ってくるまでの時間とレーザーの伝播速度を用いて、レーザースキャナから対象物までの距離を算出し、対象物の3次元座標を取得する。この方法1の測定精度は、1~10mm程度である。
【0052】
次に、対象物が小物類の場合における3次元計測方法(以下、「方法2」という)について説明する。方法2では、3Dスキャナとして、多関節アーム型またはハンディ型等のスキャナが用いられる。これらの3Dスキャナは、接触式および非接触式の2つに分類される。
【0053】
接触式は、センサまたは探針(プローブ)を対象物に接触させて、接触した位置の3次元座標を取得する。接触式は、他の3Dスキャナと比して対象物に対する測定精度が高い一方、対象物に対する測定に時間が掛かるうえ、センサまたは探針が入り込めない部分を計測することができない。このため、接触式は、対象物への測定精度が高いため、製品検査等の用途に利用されるのが一般的である。
【0054】
非接触式は、対象物に接触することなく、対象物の3次元座標を取得する。非接触式には、光切断方式、光投影方式およびフォトグラメトリの3種類がある。光切断方式は、対象物に対してラインレーザー等のレーザーを照射し、対象物で反射した反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサによって受光し、周知の三角測距の原理を用い、対象物との距離を得ることによって3次元座標を取得する。光投影方式は、対象物にパターン光、例えば縞模様等を投影して対象物の凹凸に応じたパターン光の変化を撮像装置によって撮影し、演算処理を行うことによって3次元座標を取得する。フォトグラメトリは、写真測量の原理を応用した互いに視点の異なる複数の撮影画像をもとに演算処理によって3次元座標を取得する。
【0055】
光切断方式は、ラインレーザー等のレーザーを照射できる範囲が、他の方式に比べて限定されるが、非接触式の他の方式と比して測定精度が最も高い。
【0056】
図7は、対象物が小物類であるとした場合における各スキャナの測定精度、測定範囲および色取得に関する表を示す図である。
図7の表T3に示すように、多関節アーム型または据置型は、機材自身に座標系を有する。特に検査等に使用される多関節アーム型は、各関節にエンコーダが内蔵されていることから測定精度が比較的高い。一方、ハンディ型は、機材の位置情報が特定されないため精度が比較的低いものの、軽量で持ち運びに便利である。このように、3次元計測では、対象物の種類に応じて、スキャナの特徴を活かした適切な方式および計測器具を使用する。
【0057】
〔3次元点群データと3次元仮想オブジェクトの概要〕
次に、従来技術の3次元計測方法および本開示の3次元計測方法による3次元点群データと3次元仮想オブジェクトについて説明する。
図8は、神社の鳥居にある扁額の一例を示す図である。
【0058】
〔従来技術の3次元計測方法〕
まず、従来技術の3次元計測方法について説明する。
図9は、
図8の直線L1における抽出断面を従来技術の手法で取得した3次元点群データの一例を示す図である。
図10は、
図9に基づく3次元点群データと3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトの一例を示す図である。
【0059】
図9および
図10に示すように、従来技術の3次元点群データD1は、凸部H1、凸部H2、凹部H3および面部H4によって構成される点群である。この3次元点群データD1では、
図8の対象物Q1の場合、凸部H1および凸部H2の各々の左側領域(矢印R1を参照)および凹部H3の右側領域(矢印R2を参照)がレーザーの死角となっている。このため、
図10に示すように、3次元点群データD1の点群密度が薄く、隣接する点同士を結んだ形状でモデリングを行っても、対象物Q1の実際の凹凸を詳細に表現することができない。そこで、従来技術では、平面H5に、写真等のテクスチャを貼付し、テクスチャの陰影によって凸部H1、凸部H2および凹部H3を再現し、3次元仮想オブジェクトを生成する。この結果、従来技術の3次元仮想オブジェクトは、対象物Q1の実際の凹凸でなく、写真等のテクスチャの陰影による仮想的な凹凸が表現されたものとなる。
【0060】
〔本開示の3次元計測方法〕
次に、本開示の3次元計測方法について説明する。
図11は、
図8の直線L1における抽出断面を本開示の手法で取得した3次元点群データの一例を示す図である。
図12は、
図11に基づく3次元点群データと3次元点群データに対応する3次元仮想オブジェクトの一例を示す図である。
【0061】
図11に示すように、本開示の3次元計測方法によって計測した場合、レーザーの死角がなく、凸部H1、凸部H2および凹部H3の各々にレーザーを照射できるため、点群密度が濃い3次元点群データD2を生成することができる。これにより、
図12に示すように、対象物の詳細な輪郭H6のモデリングを行うことができる。
【0062】
また、本開示の3次元計測方法による3次元点群データD2は、一つ一つの点で構成される点群が色情報を有するため、従来技術と比べて、色彩を含め、より高精度に、かつ、木目の凹凸および色合いまでも再現することができる。ここで、色情報は、CCD(Charge Coupled Device)センサ等を備える撮影装置により対象物を撮影して画像データに対応する撮影画像を取得し、この取得した撮影画像の画素情報を、撮影画像の画素位置に対応する点に付与されたものである。なお、撮影装置における撮影方式としては、レーザー照射位置と同様の視点から色情報を取得できる方式が望ましく、例えば3Dスキャナに内蔵されているものを用いる方式が挙げられる。また、撮影方式は、360度の全方位撮影方式であってもよい。
【0063】
さらに、3次元点群データD2は、隣接する点同士を結んで、点群データをメッシュ化してもよい。3次元点群データD2は、点群密度が濃く、輪郭H6以外にも表面の微細の凹凸や色合い、および、風合い等を再現することができる。このため、3次元点群データD2は、点群データそのものを各種コンテンツデータ(映像資料またはVR用データ等)に使用することができる。同様に、
図12に示すように、3次元点群データD2は、3Dモデリングまたは3次元仮想オブジェクトの生成に使用することができるうえ、3Dモデリングまたは3次元仮想オブジェクトの生成によって、データ量を小さくすることができる。
【0064】
また、点群の精度は、対象物(測定対象)およびスキャナの種類に応じて、点群密度を適切に範囲限定する必要がある。3次元計測方法において地上型スキャナを用いる場合、3次元点群データは、点同士の平均間隔が2mm未満であることが好ましい。
【0065】
また、3次元計測方法において多関節アーム型スキャナを用いる場合、3次元点群データは、点同士の平均間隔が0.30mm未満であることが好ましく、0.15mm未満であればより好ましい。また、対象物が直径3cmの皿程度の大きさを有する対象物に対して、多関節アーム型スキャナを用いて3次元計測する場合、3次元点群データは、点同士の平均間隔が0.15mm未満であることが好ましい。なお、3次元点群データは、再現する内容に応じて、3次元計測時における点同士の平均間隔を変更することが望ましい。3次元点群データは、例えば直径3cmの皿の細かなひび割れ等を再現する場合、点同士の平均間隔が0.15mm未満であることが好ましく、0.125mm未満であることがより好ましい。
【0066】
〔コンテンツ管理システムの処理〕
次に、コンテンツ管理システム1が実行する処理について説明する。
図13は、コンテンツ管理システム1が実行する処理のシーケンス図である。
【0067】
図13に示すように、まず、ユーザ端末10は、ユーザインターフェース12を通じたユーザ操作により入力を受け付けた検索情報をコンテンツ提供サーバ30に出力する(ステップS1)。ここで、検索情報は、所望の3次元仮想オブジェクトを検索するための情報であり、具体的には3次元仮想オブジェクトを検索するための検索キーワードまたは検索タグ等である。
【0068】
続いて、コンテンツ提供サーバ30のコンテンツ制御部36は、ユーザ端末10から受信した検索情報に応じた3次元仮想オブジェクトを購入するための請求金額をユーザ端末10および決済サーバ40へ出力する(ステップS2)。
【0069】
その後、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が、3次元仮想オブジェクトを購入する操作入力を受け付けた場合(ステップS3:Yes)、ユーザ端末10は、3次元仮想オブジェクトの購入情報を決済サーバ40へ出力する(ステップS4)。これに対して、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が、3次元仮想オブジェクトを購入するユーザの操作入力を受け付けない場合(ステップS3:No)、コンテンツ管理システム1は、後述するステップS9へ移行する。ユーザ端末10による操作入力の有無は、表示ディスプレイ11に購入金額を表示してから所定時間内までの入力の有無で判断すればよい。
【0070】
ステップS5において、決済サーバ40の決済制御部46は、決済処理を実行する。具体的には、決済制御部46は、ユーザ端末10に紐付けられた口座の残高から、コンテンツ提供サーバ30から出力された請求金額に応じた金額を引き落し、かつ、コンテンツ提供サーバ30に紐付けられた口座に請求金額に応じた金額を入金する決済処理を実行する。
【0071】
その後、決済サーバ40の決済制御部46は、ユーザに対する決済が完了したことを示す決済情報をコンテンツ提供サーバ30へ出力する(ステップS6)。この際、決済サーバ40の決済制御部46は、ユーザ端末10に向けて決済が完了したことを示す購入完了情報を出力してもよい。
【0072】
続いて、コンテンツ提供サーバ30のコンテンツ制御部36は、ユーザ端末10から指定された3次元仮想オブジェクトをコンテンツ管理サーバ20に出力する(ステップS7)。このとき、コンテンツ制御部36は、3次元仮想オブジェクトに対応付けられた管理者情報と、ユーザに請求する請求金額(利用金額)のうち管理者へ還元する分配金の分配率(比率)を3次元仮想オブジェクトとともに出力する。請求金額は、例えばユーザ端末10と異なる端末(以下、「他者端末」という)が3次元仮想オブジェクトを閲覧した閲覧回数に応じて算出される。
【0073】
その後、コンテンツ管理サーバ20は、コンテンツ提供サーバ30から出力された3次元仮想オブジェクトを、ユーザ端末10に紐付けられたユーザ識別情報と、管理者情報と、分配率と、を対応付けてコンテンツ管理DB25に記録する(ステップS8)。
【0074】
続いて、ユーザ端末10は、ユーザインターフェース12に対するユーザ操作により受け付けた、3次元仮想オブジェクトに対する他者端末からの閲覧可否情報を出力する(ステップS9)。この閲覧可否情報は、コンテンツ管理サーバ20が管理するユーザ識別情報に対応付けられて3次元仮想オブジェクト毎に設定可能である。また、閲覧可否情報として閲覧用のパスワードを設定し、他者端末からパスワードを受信したときのみ該当する3次元仮想オブジェクトの閲覧を許可する設定としてもよい。
【0075】
その後、コンテンツ管理サーバ20の設定部262は、ユーザ端末10から受信した閲覧可否情報に基づいて、コンテンツ提供サーバ30からユーザが購入した3次元仮想オブジェクトに対する他者端末からの閲覧可否を設定する(ステップS10)。
【0076】
続いて、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が、コンテンツ管理サーバ20においてユーザ識別情報に対応付けて管理する3次元仮想オブジェクト等を記録する記録容量(格納領域)の拡張要求を受け付けた場合、ユーザ端末10は、その拡張要求情報をコンテンツ管理サーバ20へ出力する(ステップS11)。なお、ユーザ端末10による拡張要求の有無は、表示ディスプレイ11に、拡張に関する拡張情報を表示してから所定時間内までの入力の有無で判断すればよい。
【0077】
その後、コンテンツ管理サーバ20の請求部264は、ユーザ端末10から受信した拡張要求情報に基づいて、ユーザ端末10および決済サーバ40の各々に、ユーザ識別情報に対応付けて割り当てられたコンテンツ管理DB25上の記録領域の容量を拡張するための請求金額を出力する(ステップS12)。この場合、請求部264は、ユーザ端末10から受信した拡張要求情報に基づいて、ユーザが所望するコンテンツ管理DB25上の記録領域の拡張量に応じた請求金額をユーザ端末10および決済サーバ40に出力する。このとき、請求金額を受信したユーザ端末10は、表示ディスプレイ11において請求金額を表示する。
【0078】
続いて、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が記録容量の拡張を購入する操作入力を受け付けた場合(ステップS13:Yes)、ユーザ端末10は、購入情報を決済サーバ40へ出力する(ステップS14)。これに対して、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が記録容量の拡張を購入する操作入力を受け付けていない場合(ステップS13:No)、コンテンツ管理システム1は、後述するステップS18へ移行する。なお、ユーザ端末10による操作入力の有無は、表示ディスプレイ11に請求金額を表示してから所定時間内までの入力の有無で判断すればよい。
【0079】
ステップS15において、決済サーバ40の決済制御部46は、決済処理を実行する。具体的には、決済制御部46は、ユーザ端末10に紐付けられた口座の残高から、コンテンツ管理サーバ20から出力された請求金額に応じた金額を引き落し、かつ、コンテンツ管理サーバ20に紐付けられた口座に請求金額に応じた金額を入金する決済処理を実行する。
【0080】
その後、決済サーバ40の決済制御部46は、ユーザ端末10を通じて請求金額(代金)の振込が完了したことを示す振込情報をコンテンツ管理サーバ20へ出力する(ステップS16)。この際、決済サーバ40の決済制御部46は、ユーザ端末10に向けて決済が完了したことを示す購入完了情報を出力してもよい。
【0081】
続いて、コンテンツ管理サーバ20の拡張部267は、決済サーバ40から受信した決済情報に基づいて、ユーザ情報に応じた記録容量を拡張する拡張処理を行う(ステップS17)。
【0082】
その後、ユーザ端末10は、ユーザインターフェース12が入力を受け付けた3次元仮想オブジェクトの選択情報をコンテンツ管理サーバ20へ出力する(ステップS18)。
【0083】
続いて、コンテンツ管理サーバ20の出力制御部261は、ユーザ端末10から受信した選択情報に応じた3次元仮想オブジェクトのデータをユーザ端末10へ出力する(ステップS19)。この場合、出力制御部261は、3次元仮想オブジェクトを所定のデータ量で分割しながらストリーミング配信によってユーザ端末10へ順次出力する。なお、ここでの出力は、ストリーミング配信に限定されることなく、3次元仮想オブジェクトをユーザ端末10へダウンロード配信してもよい。さらに、出力制御部261は、ユーザ端末10が指定した視点または視野における3次元仮想オブジェクトを出力してもよい。
【0084】
その後、ユーザ端末10の表示ディスプレイ11は、コンテンツ管理サーバ20から受信したデータに対応する3次元仮想オブジェクトを表示する(ステップS20)。
図14は、ユーザ端末10の表示ディスプレイ11における表示例を示す図である。
図14では、3次元仮想オブジェクトA1が表示されている。
【0085】
続いて、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が、表示ディスプレイ11で表示中の3次元仮想オブジェクトに対する編集操作の入力を受け付けた場合、この編集操作に応じた編集情報をコンテンツ管理サーバ20へ出力する(ステップS21)。ここでの編集情報は、例えば、3次元仮想オブジェクトを拡大、縮小、または回転させる情報である。
【0086】
その後、コンテンツ管理サーバ20の編集部266は、ユーザ端末10から受信した編集情報に基づいて、該当する3次元仮想オブジェクトを編集する編集処理を実行する(ステップS22)。具体的には、編集部266は、ユーザ端末10から受信した編集情報に基づいて、3次元仮想オブジェクトA1を拡大、縮小、変形、または回転させた3次元仮想オブジェクトのデータをユーザ端末10へ出力する。また、編集部266は、ユーザ端末10から受信した編集情報に応じて、3次元仮想オブジェクトA1の色を他の色に変化させたり、他の3次元仮想オブジェクトと組み合わせたりしてユーザ端末10へ出力してもよい。なお、ユーザ端末10が3次元仮想オブジェクト編集用のソフトウェアをインストールし、ユーザ端末10の内部で3次元仮想オブジェクトの編集処理を実行するようにしてもよい。
【0087】
続いて、コンテンツ管理サーバ20のカウント部263は、コンテンツ管理DB25が記録するコンテンツ管理データに基づいて、他者端末からネットワークNWを通じて3次元仮想オブジェクトの閲覧の可否を判定する(ステップS23)。カウント部263によって他者端末による3次元仮想オブジェクトの閲覧が可能であると判定された場合(ステップS23:Yes)、コンテンツ管理サーバ20は、後述するステップS24へ移行する。これに対して、カウント部263によって他者端末による3次元仮想オブジェクトの閲覧が可能でないと判定された場合(ステップS23:No)、コンテンツ管理サーバ20は、後述するステップS25へ移行する。
【0088】
ステップS24において、コンテンツ管理サーバ20のカウント部263は、ユーザが閲覧可能に設定した3次元仮想オブジェクトに対する他者端末からの閲覧回数(他者端末への配信回数)をカウントする。
【0089】
続いて、コンテンツ管理サーバ20の請求部264は、カウント部263がカウントした閲覧回数に基づく利用料の請求金額をユーザ端末10および決済サーバ40へ出力する(ステップS25)。この場合、振込部365は、請求部264が決済サーバ40への請求金額の出力にあわせて、管理者情報および分配率を決済サーバ40へ出力する。
【0090】
その後、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が請求金額の支払操作の入力を受け付けた場合、ユーザ端末10は支払操作に応じた支払情報を決済サーバ40へ出力する(ステップS26)。
【0091】
続いて、決済サーバ40の決済制御部46は、決済処理を実行する(ステップS27)。具体的には、決済制御部46は、ユーザ端末10のユーザ識別情報に紐付けられた口座の残高から、コンテンツ管理サーバ20から出力された請求金額に応じた金額を引き落とす決済処理を実行する。このとき、振込部365は、コンテンツ管理サーバ20に紐付けられた決済サーバ40の口座に振り込まれた決済情報に対応する入金額に対して管理者情報に基づく割合を乗じた分配金額を算出し、決済サーバ40に対して管理者情報に紐付けられた口座に分配金額の振込処理を依頼する振込信号を出力する。この際、決済サーバ40の決済制御部46は、コンテンツ管理サーバ20に向けて請求金額の決済が完了したことを示す決済情報を出力してもよい。
【0092】
続いて、決済サーバ40の決済制御部46は、コンテンツ管理サーバ20から受信した振込信号に基づいて、3次元仮想オブジェクトの管理者情報に紐付けられた口座に対して分配金額を入金する振込処理を実行する(ステップS28)。これにより、対象物を管理する管理者は、対象物の3次元コンテンツを提供したことによる報酬を得ることができる。
【0093】
その後、ユーザ端末10のユーザインターフェース12が、表示ディスプレイ11で表示中の3次元仮想オブジェクトを3次元プリンタへ出力する出力操作の入力を受け付けた場合、ユーザ端末10は、この出力操作に応じた出力情報をコンテンツ管理サーバ20へ出力する(ステップS29)。
【0094】
続いて、コンテンツ管理サーバ20の刻印部268は、ユーザ端末10から受信した出力情報に基づいて、3次元仮想オブジェクトのデータに刻印データを付加したデータを生成し、この生成したデータを3次元プリンタに出力する出力処理を実行する(ステップS30)。ステップS30の後、コンテンツ管理システム1は、本シーケンス処理を終了する。
【0095】
なお、ユーザ端末10が直接3次元プリンタに複製用の3次元仮想オブジェクトのデータを出力するようにしてもよい。この場合、まず、ユーザ端末10は、コンテンツ管理サーバ20に対して複製要求を送信する。続いて、コンテンツ管理サーバ20は、複製要求を受信すると、刻印データを付加した3次元仮想オブジェクトのデータを生成してユーザ端末10に出力する。その後、ユーザ端末10は、受信した刻印データ入りの3次元仮想オブジェクトのデータを3次元プリンタに出力する。
【0096】
以上説明した一実施の形態によれば、出力制御部261がユーザ端末10から受信した操作情報に応じた3次元仮想オブジェクトのデータをユーザ端末10へ出力するため、ユーザが収集した複数の対象物にそれぞれ対応する複数の3次元仮想オブジェクトを一括して管理することができる。
【0097】
また、一実施の形態によれば、設定部262がユーザ端末10から受信した操作情報に基づいて、コンテンツ管理DB25が記録するユーザ識別情報に紐付けられた3次元仮想オブジェクトに対して、他者端末からの閲覧可否を設定するため、ユーザが集めた3次元仮想オブジェクトを他者に公開することができる。
【0098】
また、一実施の形態によれば、振込部365が決済サーバ40から他者端末からの閲覧回数に応じた請求金額に対応する決済情報を受信した場合、決済サーバ40が管理するコンテンツ提供サーバ30の口座であって決済サーバ40が管理する口座に振り込まれた決済情報に対応する入金額に対して管理者情報に基づく割合を乗じた分配金額を算出する。その後、振込部365が決済サーバ40に対して管理者情報に紐付けられた口座に分配金額の振込処理を依頼する振込信号を出力する。この結果、対象物を管理する管理者は、対象物の3次元コンテンツを提供したことによる報酬を得ることができる。
【0099】
また、一実施の形態によれば、拡張部267が決済サーバ40から振込情報を受信した場合、ユーザ端末10のユーザ識別情報に対応付けて割り当てられたコンテンツ管理DB25上の記録容量を拡張するため、ユーザの使用形態に応じたサービスを提供することができる。
【0100】
また、一実施の形態によれば、刻印部268が3次元仮想オブジェクトのデータに3次元仮想オブジェクトを管理する管理者情報を付加して3次元プリンタに出力するため、ユーザまたは他者が3次元プリンタによって出力された3次元仮想オブジェクトを複製した場合であっても、3次元仮想オブジェクトの管理者を特定することができる。
【0101】
また、一実施の形態によれば、ユーザは、実在する建物の3次元仮想オブジェクト内や実在する地域・名勝・景勝地等を、移動体験でき、無料・有料に応じた3次元仮想オブジェクト内を自由に見て回ることができる。
【0102】
なお、一実施の形態では、ユーザが購入した3次元仮想オブジェクトをコンテンツ管理サーバ20に送信したが、ユーザが購入した3次元仮想オブジェクトをユーザ端末10にダウンロード配信するようにしてもよい。この場合には、ユーザがユーザ端末10からコンテンツ管理サーバ20へ3次元仮想オブジェクトをアップロードする。
【0103】
また、一実施の形態では、コンテンツ管理サーバ20が、ユーザ端末10に対して、3次元仮想オブジェクトのデータ管理費を請求するようにしてもよい。この場合、コンテンツ提供サーバ30がユーザ端末10に対して3次元仮想オブジェクトの購入費用の全額を請求してもよい。
【0104】
また、一実施の形態では、コンテンツ管理サーバ20が、他者端末に対して、閲覧の利用料を請求してもよい。この場合、コンテンツ管理サーバ20は、他者端末が閲覧する際に取得した他者端末の識別情報に基づいて、利用料に相当する請求金額を他者端末に紐付けられた決済サーバ40へ出力してもよい。
【0105】
また、一実施の形態では、ユーザ端末10がコンテンツ提供サーバ30から取得する3次元仮想オブジェクトの中には、無料のオブジェクトが含まれていてもよい。
【0106】
また、一実施の形態では、設定部262がユーザ端末10から受信した操作情報に基づいて、コンテンツ管理DB25が記録するユーザ識別情報に紐付けられた3次元仮想オブジェクトに対して、他者端末からの閲覧可否を設定することにより、ユーザが集めた3次元仮想オブジェクトを他者に公開できるようにしてもよい。これにより、ユーザは、収集した3次元仮想オブジェクトをコンテンツ管理DB25上の記録領域に形成された仮想空間内に展示し、他のユーザに無料および有料で閲覧可能な、仮想のWebミュージアム等を構築することができる。例えば、ユーザがユーザ端末10を介して収集あるいは3次元仮想オブジェクト化した発掘物(化石、土器等)等をコンテンツ管理DB25に記録し、仮想的に仮想空間内に展示することで、様々な地域および世代に属する他のユーザが、展示物を閲覧できるようになる。その結果、他のユーザは、展示物を介して、地域の特性、傾向、風土および文化の読み取り等、時代毎の地域の変化を体験することができるだけでなく、地域活性化の手段、教育用資料、地域にいる研究者間の情報交換のツールなどに3次元仮想オブジェクトを活用することができる。さらに、コンテンツ管理サーバ20は、3次元仮想オブジェクトが追加または更新されることで蓄積した情報を充実化させることができる。なお、コンテンツ管理サーバ20と決済サーバ40とを連携させることによって、新しく発見された発掘物等の3次元仮想オブジェクトは、ユーザ間同士で売買を可能としてもよい。
【0107】
また、一実施の形態では、対象物として発掘物を例示したが、これに限定されることなく、3次元仮想オブジェクトとして構成できるものなら如何なるものであっても適用することができる。そのような対象物の例として、各種民芸品・工芸品、機械部品、家具、ステーショナリー、文房具、壺、食器、陶磁器、茶器、木彫り、彫刻、調理器具、美術品、仏像、プラモデル、マンホールの蓋、銃器、鉄道関連品、車両、バイク、自動車、航空機、シューズ、帽子、アクセサリ、服飾関係、アート作品、祭りや催事用のオブジェクト類(神輿、神事用品)、雪像(雪祭り等)および風土文化・時代背景を伝える品物(廃線したローカル駅、ご当地限定パッケージ)等を挙げることができる。
【0108】
また、一実施の形態では、商品等を3次元仮想オブジェクト化し、この3次元仮想オブジェクトをコンテンツ管理DB25に記録して仮想的に仮想空間内に展示し、他のユーザに無料および有料で閲覧させるようにしてもよい。これにより、商品等の購入に際して商用資料としての利用や、3次元仮想オブジェクト自体の収集を目的とした売買等が可能となる。この場合において、コンテンツ管理サーバ20の請求部264は、他者端末からネットワークNWを通じてコンテンツ管理DB25が記録する3次元仮想オブジェクトの購入信号を受信したとき、購入信号に応じた3次元仮想オブジェクトの請求金額を、他者端末および決済サーバ40へ出力する。他者端末が請求金額の支払操作の入力を受け付けた場合、他者端末は支払操作に応じた支払情報を決済サーバ40へ出力する。決済サーバ40の決済制御部46は、他者端末のユーザ識別情報に紐付けられた口座の残高から、コンテンツ管理サーバ20の請求部264から出力された請求金額に応じた金額を引き落とす決済処理を実行する。この際、決済サーバ40の決済制御部46は、コンテンツ管理サーバ20および他者端末に向けて請求金額の決済が完了したことを示す決済情報を出力する。これにより、商品等を3次元仮想オブジェクト化して、オンライン上での売買が可能となり、販売ツールや企業の宣伝およびPRツールとして活用することができる。
【0109】
また、一実施の形態では、ユーザ端末10の表示ディスプレイ11で表示される3次元仮想オブジェクトに対して、ユーザがユーザインターフェース12を介して拡大操作または縮小操作を行うことによって、ユーザ端末10の表示ディスプレイ11で表示される3次元仮想オブジェクトを拡大または縮小してもよい。例えば、ユーザ端末10の表示ディスプレイ11で表示される3次元仮想オブジェクトに対して、ユーザがユーザインターフェース12を介して拡大操作を行った場合、ユーザが例えば「蜂」目線で3次元仮想オブジェクトを閲覧および体験することができる。したがって、ユーザは、ユーザ端末10を介して、蟻等の小さいものであっても恐竜のように大きなものとして閲覧および体験することができる。同様に、ユーザがユーザインターフェース12を介して縮小操作を行うことにより、大きい3次元オブジェクトを縮小して小さなものとして見ることもできる。このように、3次元仮想オブジェクトの拡大操作または縮小操作を可能とすることにより、学術的またはアミューズメント的に利用することができる。
【0110】
また、一実施の形態では、ユーザがユーザ端末10を通じてコンテンツ提供サーバ30から所望の3次元仮想オブジェクトを、その都度、購入してコンテンツ管理サーバ20に出力させて管理させていたが、これに限定されるわけではない。例えばコンテンツ管理サーバ20およびコンテンツ提供サーバ30は、3次元仮想オブジェクトの配信を定期的に行うサブスクリプション(subscription)等のサービスを用いて行ってもよい。
【0111】
また、一実施の形態では、コンテンツ管理サーバ20およびコンテンツ提供サーバ30が別体であったが、コンテンツ管理サーバ20およびコンテンツ提供サーバ30の各々の機能を一つのサーバによって実現してもよい。また、決済サーバ40を複数のサーバで構成し、決済専用のサーバと口座管理用のサーバを分けて実現してもよい。さらに、コンテンツ管理サーバ20のコンテンツ管理制御部26の機能モジュール毎にサーバを設けて実現してもよい。
【0112】
また、上述した本開示の一実施の形態に係るコンテンツ管理システムに開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上述した本開示の実施の形態に係るコンテンツ管理システムに記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、上述した本開示の実施の形態に係るコンテンツ管理システムで説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0113】
また、本開示の一実施の形態に係るコンテンツ管理システムでは、上述してきた「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、コンテンツ管理制御部は、コンテンツ管理制御手段やコンテンツ管理制御回路に読み替えることができる。
【0114】
また、本開示の一実施の形態に係るコンテンツ管理システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0115】
また、本開示の一実施の形態に係るコンテンツ管理システムに実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。
【0116】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0117】
以上、本願の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 コンテンツ管理システム
10 ユーザ端末
11 表示ディスプレイ
12 ユーザインターフェース
20 コンテンツ管理サーバ
21,31,41 通信部
22,32,42 入力部
23,33,43 表示部
24,34 記録部
25 コンテンツ管理データベース
26 コンテンツ管理制御部
30 コンテンツ提供サーバ
35 コンテンツデータベース
36 コンテンツ制御部
40 決済サーバ
44 ユーザ情報データベース
45 口座情報データベース
46 決済制御部
241,341 プログラム記録部
261 出力制御部
262 設定部
263 カウント部
264 請求部
265 振込部
266 編集部
267 拡張部
268 刻印部
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