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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012802
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】消毒装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/02 20060101AFI20230119BHJP
   A61L 2/10 20060101ALN20230119BHJP
【FI】
A61L2/02
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116494
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】721001683
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康仁
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA01
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD12
4C058DD16
4C058EE29
4C058KK02
(57)【要約】
【課題】
本発明は、小型軽量で容易に運搬可能で、複雑な表面形状を有する場所にも設置可能で、消毒対象物体が複雑な表面形状を有する場合でも、特別に取り扱い操作を意識することなく、容易に安全かつ適切に消毒することを可能にする、消毒装置を提供する。
【解決手段】
柔軟性を有するシートに点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構を配置して、設置場所が複雑な表面形状を有する場合や消毒対象物体が複雑な表面形状を有する場合でもその形に添って任意に変形可能にし、また、消毒対象物体に接近した場合は動作するようにし、また、人が接近した場合と長時間連続動作した場合は動作を停止可能にしたことにより、容易に安全かつ適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消毒装置であって、柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が配置されていることを特徴とする消毒装置。
【請求項2】
前柔軟性を有するシートは伸縮性を持っていることを特徴とする請求項1に記載の消毒装置。
【請求項3】
配線は柔軟性を持っていることを特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の消毒装置。
【請求項4】
前記配線は伸縮性を持っていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項5】
前記柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と共に、物体の接近を検出可能な機構が配置されており、物体の接近を検出したとき、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が動作する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項6】
前記柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と共に、人の接近を検出可能な機構が配置されており、人の接近を検出したとき、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が停止する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項7】
前記柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と共に、長時間の連続動作を検出可能な機構が配置されており、長時間の連続動作を検出したとき、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が停止する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項8】
少なくとも前記点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構は、周囲をスペーサーで囲まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項9】
少なくとも前記点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構は、防水性を有する材料で覆われていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項10】
前記防水性を有する材料は柔軟性を持っていることを特徴とする請求項9に記載の消毒装置。
【請求項11】
前記防水性を有する材料は伸縮性を持っていることを特徴とする請求項9ないし請求項10のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項12】
柔軟性を有するシートの第二主面に、固定用の機構を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の消毒装置。
【請求項13】
前記固定用の機構は柔軟性を持っていることを特徴とする請求項12に記載の消毒装置。
【請求項14】
前記固定用の機構は伸縮性を持っていることを特徴とする請求項12ないし請求項13のいずれかに記載の消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は消毒装置に関し、小型軽量で容易に運搬可能で、複雑な表面形状を有する場所にも設置可能で、細菌やウィルスなどに汚染された消毒対象物体が複雑な表面形状を有する場合でも、特別に取り扱い操作を意識することなく、容易に安全かつ適切に消毒することを可能にする、消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消毒装置においては、紫外線、熱、超音波などの消毒作用を有するエネルギーを照射するものがあるが、これらの装置は大型のものが多く、また、安全かつ適切に使用するには取り扱い操作方法の学習も必要で、小型軽量で容易に運搬でき、特別に操作を意識することなく容易に使用できるものが求められている。
【0003】
小型軽量化に関しては、特許文献1のように個人が外出先でも使用可能にしたものがある。
【0004】
また、消毒対象物体の形状への対応に関しては、特許文献2のように長尺の棒状の紫外線を発する機構を複数本平行に配置し、短尺方向に変形可能にし、柱状の消毒対象物体の形状に合わせて湾曲面や複合平面状に変形させ、容易に消毒可能にしたものがある。
【0005】
また、消毒作用を有するエネルギーは、人体の皮膚や粘膜に炎症を起こし、また物体の表面を痛めることがあり、必要最小限の照射になるように、頻繁に照射をオン、オフする必要がある。この問題を解決したものには、特許文献3のように、接触を感知して作動するセンサーと連動して消毒作用を有するエネルギー照射をオン、オフするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-175041号公報
【特許文献2】特開2017-091916号公報
【特許文献3】特許6244326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている消毒装置は、小型軽量で携帯可能だが、消毒装置本体を手に持ち、消毒作用を有するエネルギー機構を有する面を意識的に注意しながら消毒対象物体に向けなければならず、また、消毒対象物体が多面体や曲面体を有する場合は、適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することが難しい。
【0008】
特許文献2に開示されている消毒装置は、一方向に変形可能だが、設置場所や消毒対象物体が複数の多面体や曲面体が多用された複雑な形状を有する場合は設置や使用が難しい。
【0009】
特許文献3に開示されている消毒装置は、消毒対象物体と接触した場合のみ作動する機構を有し、消毒対象物体と接触した場合にのみ消毒作用を有するエネルギーを照射するが、消毒対象物体と面で接触しなければならず、消毒装置が汚染されてしまう。
【0010】
また、消毒作用を有するエネルギーは、人体の皮膚や粘膜に炎症を起こすことがあり、人が接近した場合は速やかに照射を停止する必要がある。それ故に必要最小限の照射になるように、頻繁に照射をオン、オフする必要がある。
【0011】
更に、消毒作用を有するエネルギーを発する機構は、長時間の連続動作による自己の発熱で故障したり、使用者が火傷を負うことがあるため、長時間の連続動作を制限する必要がある。
【0012】
そこで本発明は、小型軽量で容易に運搬可能で、複雑な表面形状を有する場所にも設置可能で、消毒対象物体が複雑な表面形状を有する場合でも、特別に取り扱い操作を意識することなく、容易に安全かつ適切に消毒することを可能にする、消毒装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
消毒装置であって、柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が配置されていることを特徴とする。
【0014】
前記柔軟性を有するシートは伸縮性を持っていることを特徴とする。
【0015】
配線は柔軟性を持っていることを特徴とする。
【0016】
前記配線は伸縮性を持っていることを特徴とする。
【0017】
前記柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と共に、物体の接近を検出可能な機構が配置されており、物体の接近を検出したとき、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が作動する、ことを特徴とする。
【0018】
前記柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と共に、人の接近を検出可能な機構が配置されており、人の接近を検出したとき、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が停止する、ことを特徴とする。
【0019】
前記柔軟性を有するシートの第一主面に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と共に、長時間の連続動作を検出可能な機構が配置されており、長時間の連続動作を検出したとき、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が停止する、ことを特徴とする。
【0020】
少なくとも前記点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構は、周囲をスペーサーで囲まれていることを特徴とする。
【0021】
少なくとも前記点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構は、防水性を有する材料で覆われていることを特徴とする。
【0022】
前記防水性を有する材料は柔軟性を持っていることを特徴とする。
【0023】
前記防水性を有する材料は伸縮性を持っていることを特徴とする。
【0024】
前記柔軟性を有するシートの第二主面に、固定用の機構を設けたことを特徴とする。
【0025】
前記固定用の機構は柔軟性を持っていることを特徴とする。
【0026】
前記固定用の機構は伸縮性を持っていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、小型軽量で容易に運搬可能で、薄く柔軟性があり複雑な表面形状を有する場所にも設置可能で収納時も折りたためるため場所を取らず、また、消毒対象物体が複雑な表面形状を有する場合でもその形に添って任意に変形可能で、容易に安全かつ適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することができる。
【0028】
また本発明は、物体の接近を検出可能な機構により消毒対象物体と接近した場合のみ消毒作用を有するエネルギーを照射することが可能で、また、人の接近を検出可能な機構により人の接近を検出した場合は動作を自動的に停止することが可能で、また長時間の連続動作を検出可能な機構により長時間の連続動作を検出した場合は動作を自動的に停止することが可能で、より安全に使用することができ、また電気の節約もできる。このように、特別に取り扱い操作を意識することなく、容易に安全かつ適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することが可能な、消毒装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の正面図である。
図2】本発明の左側面図である。
図3】本発明の、物体の接近を検出可能な機構を追加配置された実施例の正面図である。
図4】本発明の、人の接近を検出可能な機構を追加配置された実施例の正面図である。
図5】本発明の、長時間の連続動作を検出可能な機構を追加配置された実施例の正面図である。
図6】本発明の、物体の接近を検出可能な機構と人の接近を検出可能な機構と長時間の連続動作を検出可能な機構を追加配置された実施例の正面図である。
図7】本発明の、物体の接近を検出可能な機構と人の接近を検出可能な機構と長時間の連続動作を検出可能な機構を追加配置された実施例のブロック図である。
図8】本発明の、物体の接近を検出可能な機構と人の接近を検出可能な機構と長時間の連続動作を検出可能な機構を追加配置された実施例のフローチャートである。
図9】本発明の、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構と物体の接近を検出可能な機構と人の接近を検出可能な機構と長時間の連続動作を検出可能な機構に使用するスペーサーの例の斜視図である。
図10】本発明の、人が着ている衣服の上から羽織り消毒する使用例の図である。
図11】本発明の、手の形に作成された実施例の正面図である。
図12】本発明の、手の形に作成された実施例を手袋に固定した実施例を手に装着してドアノブを操作しながら消毒する使用例の図である
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更が可能であることは言うまでもない。なお、図では、一部の符号を省略することがある。
【0031】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態を説明する正面図で、図2は、左側面図である。
柔軟性を有するシート1に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を複数個を配置したものである。それぞれの点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、配線3を用いて電源スイッチ4と電源コネクター5に電気的に適切に接続されている。このように作成された消毒装置の電源コネクター5に、図示していないがモバイルバッテリーなどの外部電源を接続し、電源スイッチ4をONにすると、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が動作し、消毒作用を有するエネルギーが照射される。
【0032】
<柔軟性を有するシート>
柔軟性を有するシート1は、一般的にはプラスチック薄膜や布が用いられるが、任意に変形し柔軟性を有するものならば何でもよい。また、柔軟性を有するシート1に、たとえばゴムシートのように柔軟性だけでなく伸縮性を有するものを用いてもよい。この場合は伸縮性を有するシート状のものならば何でもよい。
また、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2から照射された消毒作用を有するエネルギーは消毒対象物体に当たり反射して消毒効率が落ちることがある。そこで、その反射された消毒作用を有するエネルギーを更に反射して消毒対象物体に再照射するために、柔軟性を有するシート1はたとえばアルミ蒸着層などの消毒作用を有するエネルギーを反射する素材で表面が構成されていることが好ましい。この場合は消毒作用を有するエネルギーを反射する素材であれば何でもよい。
また図示していないが、柔軟性を有するシート1の内部や第二主面に、任意に変形させた形状を維持するための骨材を配置してもよい。一般的には金属製の針金や網が用いられるが、任意に変形可能で且つ形状維持機能を有する材料であれば何でもよい。
また図示していないが、柔軟性を有するシート1のどちらかの主面に外部電源を配置可能な機構を設けてもよい。例えば袋状の部分を設けるなど考えられるが配置可能な機構であれば何でもよい。
このように、柔軟性を有するシート1は容易に多方向に曲がるため、より任意に変形可能なだけでなく変形させた形状を維持可能で、複雑な表面形状を有する場所にも設置可能で、収納時も折りたためるため場所を取らず、また、消毒対象物体が複雑な表面形状を有する場合でも消毒対象物体の形に添って任意に変形可能で、更に同じ複雑な表面形状を有する消毒対象物体が複数ある場合でも、変形させた形状を維持することが可能なため再度変形させる手間が省け、効率よく容易に安全かつ適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することができる。
【0033】
<点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構>
点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、一般的には紫外線発光素子や超音波発生素子が用いられるが、消毒作用を有するエネルギーを発するものであれば何でもよい。また、配置する点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の個数は、消毒対象物体や点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の特性に合わせて適宜変更してもよく、単数個から複数個の任意の個数でもよい。例えば、消毒対象物体が小さい場合や点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の出力が大きい場合は1個から数個で良いが、消毒対象物体が大きい場合や点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の出力が小さい場合はより多くの個数を配置してもよい。
点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、消毒装置の柔軟性を確保するためにある程度の間隔を空けて整列して配置されている。この間隔は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の特性に合わせて適宜変更を要する。例えば、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の厚さに合わせて間隔の大きさを変更することなどが考えられる。
また、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、電源に対して並列接続されているが、使用する点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の特性に合わせて電源に対して直列に接続してもよいし、並列と直列を組み合わせてもよいのは言うまでもない。例えば、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作電圧が5Vから6Vの場合で、外部電源として一般的なモバイルバッテリーのように電圧が5Vの外部電源を使用する場合は全て並列接続にすればよいが、12Vの外部電源を使用する場合は2個を直列にしたものを複数並列に接続するか、電圧降圧機構(図示せず)を追加して12Vを5Vから6Vに変換して全て並列接続することが考えられる。
本発明の全ての図面では点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2として紫外線LEDモジュールを使用した例を示している。使用する紫外線LEDは波長が200nmから400nmの間でなるべく短いものが好ましい。
また、図示していないが、消毒作用を有するエネルギーは、その有無を人間が感知することが難しいため、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と並列して動作が確認できる機構を配置してもよい。例えば、可視光線を発する機構を配置してもよいし可聴音波を発する機構を配置してもよい。配置場所は、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置されている第一主面、または第二主面、または両方の面に配置する。第一主面に配置する場合、一つの点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の近傍に一つの動作が確認できる機構を配置し電気的に適切に接続し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を一つずつ独立に動作が確認できるようにしてもよいし、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置された第一主面を電気的に複数のエリアに格子状に分割してそれぞれのエリアの中に一つの動作が確認できる機構を配置し電気的に適切に接続し、その同じエリア内に配置されている複数の点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作状態を纏めて確認できるようにしてもよい。
このように点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作状態を容易に確認できることにより、より効率よく容易に安全かつ適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することができる。
【0034】
<配線>
配線3は柔軟性を有したもので構成されている。一般的には細い金属線を複数本を束ねたものに絶縁被覆を被せたより線などが用いられるが、柔軟性を有したものであれば何でもよい。
また、配線3は柔軟性だけでなく伸縮性を有したものを使用してもよい。例えば配線材をコイル状に巻いたカールコードが用いられるが、伸縮性を有したものであれば何でもよい。このとき、配線長が長くなることにより電気抵抗が増すが、より曲がりやすくなり変形の自由度が増すだけでなく、配線材の繰り返しの曲げ変形による金属疲労を原因とする断線故障を防ぐことが可能となる。
このように柔軟性と伸縮性を有する配線を使用することで、本発明の変形の自由度と耐久性を増すことができ、より効率よく容易に安全かつ適切に消毒作用を有するエネルギーを照射することができる。
また、柔軟性を有するシート1に伸縮性も持ったものを使用し、配線3にも柔軟性だけでなく伸縮性を持ったものを使用した場合は、曲げ方向の力を加えた場合に柔軟性を有するシート1と配線3が共に曲がるだけでなく伸びることにより消毒作用を有するエネルギーを発する機構2同士の間隔が空くため、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の間隔を空けずに密に配置してもよい。
【0035】
<各構成部品の柔軟性を有するシート1への固定方法>
点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、配線3と、電源スイッチ4と、電源コネクター5は柔軟性を有するシート1に固定されている。固定方法は、図示していないが、一般的に溶着や接着剤や両面テープなどが用いられるが、固定できれば何でもよい。
また、図示していないが、柔軟性を有するシート1の第一主面に電気回路を直接作成し、当該シート上に直接、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と電源スイッチ4と電源コネクター5を配置してもよい。また、図示していないが、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と配線3と電源スイッチ4と電源コネクター5を、鎖帷子のように互いに縦横に連結して変形可能なシート状にしてもよい。
【0036】
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態を説明する正面図である。物体の接近を検出可能な機構6を、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置されている第一主面に配置し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と電源スイッチ4との間に電気的に適切に接続し、消毒対象物体に接近した場合のみ点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が動作するようにしたものである。これにより電源をONにしてから消毒対象物体に接近するまでの間に消毒作用を有するエネルギーを誤って周囲の他人に照射することを防ぐことができ、不必要な照射を防ぐことにより、省エネで効率よく安全に使用することができる。
尚、物体の接近を検出可能な機構6は、一般的には光や磁気や超音波を用いた接近センサーを用いるが、物体の接近を検出できるものならば何でもよい。
また、図示していないが、物体の接近を検出可能な機構6は、複数個配置してもよい。一つの点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の近傍に一つの物体の接近を検出可能な機構6を配置し電気的に適切に接続し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を一つずつ独立に動作を制御してもよいし、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置された第一主面を、電気的に複数のエリアに格子状に分割してそれぞれのエリアの中に一つの物体の接近を検出可能な機構6を配置し電気的に適切に接続し、その同じエリア内に配置されている複数の点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を纏めて制御してもよい。
このように点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作を細かく制御することにより、不必要な消毒作用を有するエネルギーの照射を防ぐことができ、より省エネで効率よく容易に安全かつ適切に消毒装置を使用することができる。
【0037】
<第3実施形態>
図4は、本発明の第3実施形態を説明する正面図である。人の接近を検出可能な機構7を、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置されて第一主面に配置し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と電源スイッチ4との間に電気的に適切に接続し、消毒作用を有するエネルギーが発せられる方向に人が接近した場合は、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が停止するようにしたものである。これにより、電源をONにしてから消毒対象物体に接近して消毒作業を行い消毒作業が終了して消毒対象物体から離れて電源をOFFにするまでの間に消毒作用を有するエネルギーを誤って周囲の他人に照射することを防ぐことができ、不必要な照射を防ぐことにより、省エネで効率よく安全に使用することができる。
人の接近を検出可能な機構7は一般的には赤外線センサーや人認識AIカメラを用いるが、人の接近を検出できるものならば何でもよい。
また、図示していないが、人の接近を検出可能な機構7は複数個配置してもよい。一つの点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の近傍に一つの人の接近を検出可能な機構7を配置し電気的に適切に接続し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を一つずつ独立に動作を制御してもよいし、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置された第一主面を電気的に複数のエリアに格子状に分割してそれぞれのエリアの中に一つの人の接近を検出可能な機構7を配置し電気的に適切に接続し、その同じエリア内に配置されている複数の点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を纏めて制御してもよい。
このように点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作を細かく制御することにより、人に向けての消毒作用を有するエネルギーの照射を防ぐことができ、より省エネで効率よく容易に安全かつ適切に消毒装置を使用することができる。
【0038】
<第4実施形態>
図5は、本発明の第4実施形態を説明する正面図である。長時間の連続動作を検出する機構8を、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と電源スイッチ4との間に電気的に適切に接続し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の長時間の連続動作を検出した場合は、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が停止するようにしたものである。点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、長時間動作させるほどよいというものではなく、使用する消毒作用を有するエネルギーを発する素子の特性に応じて消毒に必要な動作時間が概ね決まっている。また、長時間の連続動作による自己の発熱で故障することがあり、更に、その発熱により使用者が火傷を負うことがあるため、必要以上の長時間の連続動作をした場合は動作を停止させることが好ましい。このように長時間の連続動作を検出した場合に点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作を停止することにより、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の故障を防止しつつ使用者の負傷を防ぐことができ、省エネで効率よく容易に安全かつ適切に消毒装置を使用することができる。
尚、長時間の連続動作を防止する機構8は、一般的には点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の高温を感知して電流を遮断する機構やタイマー機構を用いるが、長時間の連続動作を検出できるものならば何でもよい。また、使用する点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の特性に応じて適切な機構を選択するだけでなく、適切な動作停止温度や動作停止時間を設定する必要があることは言うまでもない。
【0039】
<第5実施形態>
図6は、本発明の第5実施形態を説明する正面図で、第2実施形態の物体の接近を検出可能な機構6と、第3実施形態の人の接近を検出可能な機構7と、第4実施形態の長時間の連続動作を検出する機構8を全て配置したものである。
図7はブロック図で、図8は動作のフローチャートである。
物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を防止する機構8を、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置されている第一主面に配置し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と電源スイッチ4との間にそれぞれ電気的に適切に接続し、消毒対象の物体に接近した場合でも、消毒作用を有するエネルギーが発せられる方向に人が接近した場合は、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が停止するだけでなく、長時間の連続動作を検出した場合も、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が停止するようにしたものである。このように、消毒対象の物体への接近を検出した場合に点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が動作するが、人の接近を検出した場合と長時間の連続動作を検出した場合には点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作を停止することにより、三重の安全装置として働き、不必要な消毒作用を有するエネルギーの照射の防止、人に向けての消毒作用を有するエネルギーの照射の防止、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の故障の防止、使用者の負傷の防止ができ、より省エネで効率よく容易に安全かつ適切に消毒装置を使用することができる。たとえば、使用を誤り人肌を直接消毒しようとした場合に、物体の接近を検出可能な機構6は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を動作させようとするが人の接近を検出可能な機構7は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を停止させるので安全に消毒装置を使用することができる。また、必要以上に長時間消毒対象物体に接近し消毒作業を行おうとした場合に、物体の接近を検出可能な機構6は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を動作させようとするが長時間の連続動作を検出可能な機構8は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を停止させるので安全に消毒装置を使用することができる。尚、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を防止する機構8を電気的に接続する順番は本実施例の限りではない。
また、図示していないが、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7は、それぞれ複数個配置してもよい。一つの点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の近傍に、一つの物体の接近を検出可能な機構6と一つの人の接近を検出可能な機構7を両方配置し電気的に適切に接続し、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を一つずつ独立に動作を制御してもよいし、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が配置された第一主面を電気的に複数のエリアに格子状に分割してそれぞれのエリアの中に、一つの物体の接近を検出可能な機構6と一つの人の接近を検出可能な機構7を両方配置し電気的に適切に接続し、その同じエリア内に配置されている複数の点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を纏めて制御してもよい。
このように点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の動作を細かく制御することにより、不必要な消毒作用を有するエネルギーの照射の防止、人に向けての消毒作用を有するエネルギーの照射の防止、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の故障の防止、使用者の負傷の防止ができ、より省エネで効率よく容易に安全かつ適切に消毒装置を使用することができる。
【0040】
また、図示していないが、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8は、必要に応じて取捨選択してもよい。一つの機構だけ配置してもよいし、すべての機構を配置してもよいし、すべての機構を配置して必要な機構の動作をスイッチで任意に選択できるようにしてもよい。たとえば、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の出力が弱い場合は人体への影響が小さく発熱も小さいため、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8の設置を省いたり機能を停止させてもよい。
【0041】
<スペーサーによる保護>
図9は、本発明に使用するスペーサーの斜視図である。点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、消毒対象物体に接触した場合に、衝撃による破損防止と汚染防止のため、その周囲にスペーサー9が配置され、保護されている。スペーサー9は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の基部2b上に配置されているが、図示していないが点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の基部2bを含む全体を保護するように配置してもよい。
スペーサー9の上端部は点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2の上端部2aより高くなるよう構成されている。この場合は消毒対象物体と接触してもよい。このとき、図示していないがスペーサーに感圧スイッチを組み込み、消毒対象物体と接触したときに点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2が動作するようにし、物体の接近を検出可能な機構6の代用としてもよい。
また、図示していないが、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を防止する機構8も同様に、それらの動作を妨げない範囲でその周囲をスペーサー9で囲んで保護されている。この場合は保護されているため消毒対象物体と接触してもよい。
このように、スペーサー9の上端部の辺のみが消毒対象物体と接触するため、消毒装置の汚染は小さく抑えることができる。
図9に示すスペーサー9の構造は、円筒形で中央部がすり鉢状に窪んでいる形状をしている。すり鉢の底に当たる部分に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を防止する機構8が収まるように配置し、すり鉢の淵の高さのほうが高くなるように、かつ、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を防止する機構8の動作を妨げない高さになるようにしている。このとき、すり鉢状の表面に消毒作用を有するエネルギーを反射する層を設けてもよい。また、図示していないが上端部を平坦な辺ではなく例えば鋸の歯のように凹凸をつけてもよい。このときは消毒対象物体と点で接触するため汚染は最小限に留めることができる。
尚、スペーサーの構造と材質は、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8の動作を妨げない構造と材質であれば何でもよい。たとえば、複数の柱状または錐体状の樹脂製構造物で囲んでもよい。また、図示していないが、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8の動作を妨げない材質であれば、全体を覆い隠すカバー形状でもよい。
【0042】
<防水性を有する材料による保護>
本発明は、図示していないが、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、水分の侵入による故障を防ぐため、防水性を有する材料で覆われ保護されている。覆う方法は、一般的には防水性を有する塗料の塗布や防水性を有するシートの貼り合わせなどがあるが、防水できれば何でもよい。
また、図示していないが、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8も同様に、防水性を有する材料で覆われ保護されている。尚、防水性を有する材料は、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8の動作を妨げないものであれば何でもよい。たとえば、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2に紫外線素子を使用する場合は紫外線を透過する材質のもので覆い、また点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2に超音波素子を使用する場合は超音波を透過する材質のもので覆うことが求められる。
更に、防水性を有する材料を厚く構成して覆い保護することでスペーサーの代わりにしてもよく、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、物体の接近を検出可能な機構6と、人の接近を検出可能な機構7と、長時間の連続動作を検出可能な機構8の保護層としてもよい。この場合は保護されているため消毒対象物体と接触してもよい。また、防水性を有する材料は抗菌性を有し、また、滑り難い素材を使用すると尚よい。
【0043】
<固定用の機構>
本発明は、図示していないが、柔軟性を有するシートの第二主面に固定用の機構を設け、設置を容易に行えるようにしている。一般的には接着剤や両面テープや面ファスナーや磁石や吸盤やフックが用いられるが、固定できるものであれば機構は何でもよい。
また、固定用の機構は、柔軟性を有するシートの第二主面に面で固定される場合は、柔軟性や伸縮性や柔軟性と伸縮性の両方を有することが好ましい。
【0044】
<着衣の外側を消毒する使用例>
図10は、本発明を、衣服を着た人の上から羽織るように使用した使用例の図である。本発明を、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構が配置されている第一主面が内側になるようにして着衣を覆うように使用したものである。本発明は柔軟性があるため体形にフィットし満遍なく消毒をすることができる。電源スイッチを入れ、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構を動作させると、消毒作用を有するエネルギーが照射され、着ている衣服の外側の表面を消毒することができる。また、本発明は柔軟性があるため体形にフィットし満遍なく消毒をすることができる。このとき、本発明の外側方向には消毒作用を有するエネルギーが照射されないので、周囲にいる他人は安全である。たとえば、医療従事者が患者の治療を終えて更衣室へ移動する場合に本発明を羽織り着用し使用すれば、更衣室に到着し防護服を脱ぐときには既に消毒済みで、安全に脱ぐことができる。
また、図示していないが、風呂敷で物体を包むように本発明で消毒対象物体を包むことにより、消毒対象物体を包んで運びながら消毒することができる。更に、手提げ袋や買い物籠の内側に本発明品を敷いても良いし、本発明で手提げ袋や買い物籠や衣服を作成しても良い。
【0045】
<手の形に作成した実施例>
図11は、本発明を手の形に作成し、防水性を有する材料で覆った場合の実施例の図である。これを手に取り付けて使用する。
手の形に作成した柔軟性を有するシート1に、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を複数個を配置したものである。それぞれの点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、配線3を用いて電源スイッチ4と電源コネクター5に電気的に適切に接続されている。このように作成された消毒装置の電源コネクター5に、図示していないがモバイルバッテリーなどの外部電源を接続し、電源スイッチ4をONにして使用する。
柔軟性を有するシート1は、図示していないが指や手の形の変形に追従して曲がり易くするために指や手の関節に当たる部分を薄く、または細く作成したり、伸縮性を有するものを使用してもよい。
点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は、指や手の形の変形を妨げないように、曲げ変形の多い指や手の関節部分を避ける位置に配置されている。また図示していないが、関節部分以外の指や手の形の変形が小さい位置には点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2を密に配置してもよい。
配線3は、指や手の形の変形を妨げず、また繰り返しの曲げ変形による金属疲労を原因とする断線を防ぐため、柔軟性や伸縮性を有するものが好ましい。
手に取り付ける方法は何でもよく、たとえば、人体用の接着剤や両面テープや吸盤だけでなく、指輪や指サックや手袋を本発明の第二主面に取り付け、そこに指や手を入れて手に取り付けて使用する。
本発明は柔軟なので、手に取り付けて使用すると、指と手の形の変形に追従して変形するため、消毒対象物体が多面体や曲面体を有するものでも、たとえば、手すりのように棒状のものや、つり革のようにリング状のものや、ボールのように球状のものや、籠やドアや手押し車の取っ手や、各種スイッチ、など多種多様な形状のものでも容易に消毒することができる。
また、本発明は手に取り付けたまま業務を行うことができる。たとえば、本発明を手に取り付けたまま、消毒対象物体である配膳用のお盆や食器や、冊子や書類を持ち運ぶことができ、それら運搬業務を行いながら消毒することができる。このとき、使用するスペーサーと防水性を有する材料は抗菌性や滑りにくい特性を持っている材料を用いることが好ましい。
更に、手に取り付けたまま日常生活で使用することにより、”消毒のための作業”を特に意識することなく、普段頻繁に人が触る物や場所で、たとえば玄関など扉の取っ手や、水道の蛇口の取っ手や、電灯のスイッチや、テレビやエアコンのリモコン、無意識に触ってしまう壁やテーブルなどを消毒することができ、消毒の専門家でなくても日常生活で汚染されやすい場所を、無意識に省エネで効率よく容易に安全かつ適切に消毒することができる。
また、図示していないが、足の裏の形に作成してスリッパや靴などの履物の裏に取り付け、床を消毒できるようにしてもよい。
【0046】
<手の形に作成した実施例を手袋に固定して手に装着した使用例>
図12は、手の形に作成した図11に示す実施例の消毒装置を手袋10に固定した実施例の消毒装置を、手に装着してドアノブ13を操作しながら消毒する使用例の図である。
手に装着してモバイルバッテリー(図示していない)などの外部電源ケーブル12の外部電源コネクター11を電源コネクター5に接続し、電源スイッチ4をONにすると、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2から消毒作用を有するエネルギーが照射される。
ドアノブ13は複数の曲面で構成される複雑な表面形状を有するが、本実施例の消毒装置は柔軟性を有し一方向だけではなく多方向に自由に変形するため、手で握る動作をするだけで複雑な表面形状を有するドアノブ13に合わせて変形し、消毒作用を有するエネルギーの照射場所や照射角度などに注意を払わなくても直感的に消毒作業を行うことができる。
指や手の形の変化を妨げないように点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2は指や手の関節部分を避ける位置に間隙を空けて配置されているため、消毒作用を有するエネルギーが照射されない部分が発生するが、ドアノブ13を手で握る動作を角度を変えて数回行うことで、より確実に消毒を行うことができる。
図示していないが、手袋への固定には面ファスナーなどの脱着可能な機構を用いることにより手袋の交換が容易になり、清潔に使用することができる。
また、図示していないが、手袋に直接、点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構2と、配線3と、電源スイッチ4と、電源コネクター5を配置してもよいし、バッテリーを配置してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 柔軟性を有するシート
2、2a、2b 点状の消毒作用を有するエネルギーを発する機構
3 配線
4 電源スイッチ
5 電源コネクター
6 物体の接近を検出可能な機構
7 人の接近を検出可能な機構
8 長時間の連続動作を検出可能な機構
9 スペーサー
10 手袋
11 外部電源コネクター
12 外部電源ケーブル
13 ドアノブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12