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特開2023-128021駐車場管理システム及び駐車場管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128021
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】駐車場管理システム及び駐車場管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230907BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G06Q50/10
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032051
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上山 浩行
(72)【発明者】
【氏名】仲野 綾華
(72)【発明者】
【氏名】阿部 朋子
(72)【発明者】
【氏名】原 昌広
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC02
5H181CC04
5H181FF10
5H181KK01
5H181KK08
5H181LL09
5H181MA44
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】駐車場において、車両の駐車中や走行中の破損をその要因に至るまで特定もしくは推定でき、さらに、利用者にとって利便性が向上した駐車場管理システムを実現する。
【解決手段】駐車場管理システムは、駐車場を使用する車両を特定する車両特定手段と、前記車両の外観的な損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別する損傷確認手段と、前記車両の前記損傷状態の情報を記録する記録手段と、前記損傷状態の内容に応じて、対応方法を出力する対応手段と、を具備する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を使用する車両を特定する車両特定手段と、
前記車両の外観的な損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別する損傷確認手段と、
前記車両の前記損傷状態の情報を記録する記録手段と、
前記損傷状態の内容に応じて、対応方法を出力する対応手段と、
を具備する駐車場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車場管理システムであって、
前記車両特定手段は、前記駐車場への入場時及び出場時に前記車両を特定し、
前記損傷確認手段は、前記車両の入場時の損傷状態と出場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前記駐車場内で損傷が生じたと判断する
駐車場管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記車両の前記駐車場内の走行ルートに基づき、損傷が生じた前記駐車場内の位置を判断する
駐車場管理システム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記車両及び他の車両の前記駐車場内の駐車位置及び/又は走行ルートに基づき、前記他の車両を損傷が生じた相手として推定する
駐車場管理システム。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記車両の入場時から出場時までの期間に少なくとも一時的に前記駐車場に滞在する他の車両の入場時の損傷状態と出場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前記他の車両を損傷が生じた相手として推定する
駐車場管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記車両の前回の出場時の損傷状態と今回の入場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前回の出場時から今回の入場時までの期間に前記駐車場外で損傷が生じたと判断する
駐車場管理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記駐車場内の駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像に基づき、前記車両の損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別する
駐車場管理システム。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記駐車場内の前記駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像に基づき、損傷が生じたタイミングを推定する
駐車場管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の駐車場管理システムであって、
前記記録手段に記録される前記車両の前記損傷状態の情報は、前記駐車場内の前記駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像を含む
駐車場管理システム。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記記録手段に記録される前記車両の前記損傷状態の情報は、入場時から出場時までの期間の前記車両の前記駐車場内の走行ルート及び日時を含む履歴情報を含む
駐車場管理システム。
【請求項11】
請求項2乃至10の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記対応方法は、修理依頼、費用見積もり、保険機関への通知、警察への通報、メーカへの報告の少なくとも何れか1個であり、
前記対応手段は、前記対応方法とともに、前記記録手段に記録された前記車両の前記入場時の損傷状態と出場時の損傷状態の情報を出力する
駐車場管理システム。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の駐車場管理システムであって、
前記車両は、自動運転車両である
駐車場管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の駐車場管理システムであって、
前記損傷確認手段は、前記駐車場内の前記駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像に基づき、前記自動運転車両の前記損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別し、
前記駐車場内を走行する前記自動運転車両が前記駐車スペース撮影用カメラを通過するタイミングで前記駐車スペース撮影用カメラが前記自動運転車両を撮影するよう走行経路上の位置を指定して制御する自動バレー管制装置
をさらに具備する駐車場管理システム。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の駐車場管理システムであって、
前記駐車場管理システムは、前記駐車場内を前記自動運転車両が駐車スペースに自動駐車運転し、前記駐車スペースから乗車スペースに自動迎車運転する自動バレーサービス対応駐車場の駐車場管理システムである
駐車場管理システム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の駐車場管理システムであって、
前記自動バレー管制装置は、前記自動運転車両が駐車場内で実行すべき自動運転テスト動作を決定して前記自動運転テスト動作のプランに基づき、前記駐車場内で前記自動運転テスト動作を実行するための指令を、前記自動運転車両に出力し、
前記損傷確認手段は、前記自動運転車両の前記自動運転テスト動作の開始時の損傷状態と前記自動運転テスト動作の終了時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前記自動運転テスト動作の最中に損傷が生じたと判断し、
前記対応手段は、前記対応方法とともに、前記記録手段に記録された前記自動運転テスト動作の開始時及び終了時の前記損傷状態の情報を出力する
駐車場管理システム。
【請求項16】
駐車場を使用する車両を特定し、
前記車両の外観的な損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別し、
前記車両の損傷状態の情報を記録し、
前記損傷状態の内容に応じて、対応方法を出力する
駐車場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場における、駐車場管理システム及び駐車場管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動バレーサービス対応の駐車場における様々なサービスの実現が望まれており、自動バレー運転中の事故や異常、駐車中の事故や損傷を監視するサービスが多数提案されている。
【0003】
特許文献1では、駐車中に車両に異常が発生したか否かを判定するため、駐車場への入庫時における車両の状態に関する第1情報を取得する第1取得手段と、駐車場からの出庫時における状態に関する第2情報を取得する第2取得手段と、第1情報と第2情報とを差分が所定の許容範囲を超えている場合に、駐車場内において車両に異常が発生したと判定する判定手段とを備える駐車場管理装置が開示されている。
【0004】
特許文献2では、自動バレー駐車に依らず、事故車両の損傷状態を精度よく判定する判定装置であって、画像に表示された車両の面に関する教師データを学習した学習済みモデルを用いて、事故車両を含む画像が入力された場合に、画像に表示された事故車両の面を判定する面判定部と、面判定部が判定した面毎の車両部品に関する教師データを学習した学習済みモデルを使用して、画像における事故車両の車両部品を判定する部品判定部と、車両部品の損傷状態に関する教師データを学習した学習済みモデルを用いて、部品判定部が判定した車両部品の損傷状態を判定する状態判定部を備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-129780号公報
【特許文献2】特開2019-114059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の駐車場管理装置では、駐車場に設けられたカメラやセンサ等で車両の外観、車内、車両荷重、バッテリー量および燃料量、等を入庫時と出庫時でそれぞれ取得して、駐車中の異常を判定しているが、異常が発生した場合にそのタイミングを特定しているものの、異常が発生した要因を特定する手法については、言及されていない。
【0007】
また、特許文献2では、車両部品の損傷状態を判定して損傷を修理する場合に掛かる費用を判定するまでのことを述べているものの、やはり破損が発生した要因を特定する手法については言及されていない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、駐車場において、車両の駐車中や走行中の破損をその要因に至るまで特定もしくは推定でき、さらに、利用者にとって利便性が向上した駐車場管理システムを実現することが望ましい。
本発明は、駐車場において、事故や異常や破損の要因が特定され易くなり、利用者にとって利便性の向上する駐車場管理システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一形態に係る駐車場管理システムは、
駐車場を使用する車両を特定する車両特定手段と、
前記車両の外観的な損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別する損傷確認手段と、
前記車両の前記損傷状態の情報を記録する記録手段と、
前記損傷状態の内容に応じて、対応方法を出力する対応手段と、
を具備する。
【0010】
前記車両特定手段は、前記駐車場への入場時及び出場時に前記車両を特定し、
前記損傷確認手段は、前記車両の入場時の損傷状態と出場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前記駐車場内で損傷が生じたと判断してもよい。
【0011】
前記損傷確認手段は、前記車両の前記駐車場内の走行ルートに基づき、損傷が生じた前記駐車場内の位置を判断してもよい。
【0012】
前記損傷確認手段は、前記車両及び他の車両の前記駐車場内の駐車位置及び/又は走行ルートに基づき、前記他の車両を損傷が生じた相手として推定してもよい。
【0013】
前記損傷確認手段は、前記車両の入場時から出場時までの期間に少なくとも一時的に前記駐車場に滞在する他の車両の入場時の損傷状態と出場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前記他の車両を損傷が生じた相手として推定してもよい。
【0014】
前記損傷確認手段は、前記車両の前回の出場時の損傷状態と今回の入場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前回の出場時から今回の入場時までの期間に前記駐車場外で損傷が生じたと判断してもよい。
【0015】
前記損傷確認手段は、前記駐車場内の駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像に基づき、前記車両の損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別してもよい。
【0016】
前記損傷確認手段は、前記駐車場内の前記駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像に基づき、損傷が生じたタイミングを推定してもよい。
【0017】
前記記録手段に記録される前記車両の前記損傷状態の情報は、前記駐車場内の前記駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像を含んでもよい。
【0018】
前記記録手段に記録される前記車両の前記損傷状態の情報は、入場時から出場時までの期間の前記車両の前記駐車場内の走行ルート及び日時を含む履歴情報を含んでもよい。
【0019】
前記対応方法は、修理依頼、費用見積もり、保険機関への通知、警察への通報、メーカへの報告の少なくとも何れか1個であり、
前記対応手段は、前記対応方法とともに、前記記録手段に記録された前記車両の前記入場時の損傷状態と出場時の損傷状態の情報を出力してもよい。
【0020】
前記車両は、自動運転車両でもよい。
【0021】
前記損傷確認手段は、前記駐車場内の前記駐車スペース撮影用カメラが撮影した画像に基づき、前記自動運転車両の前記損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別し、
駐車場管理システムは、前記駐車場内を走行する前記自動運転車両が前記駐車スペース撮影用カメラを通過するタイミングで前記駐車スペース撮影用カメラが前記自動運転車両を撮影するよう走行経路上の位置を指定して制御する自動バレー管制装置
をさらに具備してもよい。
【0022】
前記駐車場管理システムは、前記駐車場内を前記自動運転車両が駐車スペースに自動駐車運転し、前記駐車スペースから乗車スペースに自動迎車運転する自動バレーサービス対応駐車場の駐車場管理システムでもよい。
【0023】
前記自動バレー管制装置は、前記自動運転車両が駐車場内で実行すべき自動運転テスト動作を決定して前記自動運転テスト動作のプランに基づき、前記駐車場内で前記自動運転テスト動作を実行するための指令を、前記自動運転車両に出力し、
前記損傷確認手段は、前記自動運転車両の前記自動運転テスト動作の開始時の損傷状態と前記自動運転テスト動作の終了時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前記自動運転テスト動作の最中に損傷が生じたと判断し、
前記対応手段は、前記対応方法とともに、前記記録手段に記録された前記自動運転テスト動作の開始時及び終了時の前記損傷状態の情報を出力してもよい。
【0024】
本開示の一形態に係る駐車場管理方法は、
駐車場を使用する車両を特定し、
前記車両の外観的な損傷状態を検出し、前記損傷状態の内容を識別し、
前記車両の損傷状態の情報を記録し、
前記損傷状態の内容に応じて、対応方法を出力する。
【発明の効果】
【0025】
上記の駐車場管理システムによれば、駐車場において、事故や異常や破損の要因が特定され易くなり、利用者にとって利便性の向上が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る自動バレー駐車場管理システムの構成例を示す概略図である。
図2】自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
図3】自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
図4】会員DBの一例を示す説明図である。
図5】駐車場管制装置の機能の概要を示すブロック図である。
図6】テスト運転動作を含む自動バレー駐車動作の一例を説明する図である。
図7】自動バレー駐車場管理システムの動作フローを示す。
図8】テスト運転動作を含む自動バレー駐車動作の他の例を説明する図である。
図9】車両DBの一例を示す説明図である。
図10】駐車スペースカメラ画像の一例を示す説明図である。
図11】差異検出撮影動作を含む自動バレー駐車動作の一例を説明する図である。
図12】画像DBの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0028】
1.自動バレー駐車場管理システムの構成
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動バレー駐車場管理システムの構成例を示す概略図である。
【0030】
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場を利用する利用者から申請される予約の管理、駐車状況の監視、及び駐車場の利用に関する種々の料金の算出等、駐車場に関する種々の処理を実行可能である。
【0031】
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場サーバ7と、駐車場管理装置5と、自動バレー管制装置37と、決済機関9が有する決済サーバ装置(図示せず)と、ETC(Electronic Toll Collection System)管理機関10が有するETC管理サーバ装置(図示せず)とを有する。
これらの端末及び装置は、ネットワーク1を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク1は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。
その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク1を構築するためのプロトコルは限定されない。
【0032】
駐車場管理装置5及び自動バレー管制装置37は、各駐車場11に設置される。後に説明するように、本実施形態では、駐車場管理装置5及び自動バレー管制装置37を中心として、本発明に係る自動バレー駐車場管理システムが構築される。
駐車場管理装置5は、駐車場11内に設置される各装置の動作を包括的に制御することが可能である。
また、駐車場管理装置5は、駐車場11内に設置される各装置から種々の情報を集約し、駐車場サーバ7及び自動バレー管制装置37等に送信することが可能である。駐車場管理装置5は、駐車場サーバ7等から種々の情報を受信し、種々の動作を実行することが可能である。
【0033】
駐車場管理装置5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。
また駐車場管理装置5は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi(登録商標)等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
駐車場管理装置5として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
【0034】
駐車場管理装置5は、ビッグデータとしてのデータベースを管理する外部装置と通信可能でもよい。ビッグデータは、例えば、多数の車両データが記憶されている都市国家、実験的自治体、コミュニティのビッグデータでよい。駐車場管理装置5は、利用者やメーカ等がアクセス可能な外部装置と通信可能でもよい。
【0035】
図1に示す例では、各駐車場11にゲート装置28(入口ゲート装置28a及び出口ゲート装置28b)が設置されている。ゲート装置28は、車両の入場/出場を規制することが可能である。ゲート装置28に代えて、未精算での駐車スペースからの出庫を規制するフラップ装置(ロック装置)等が設置されてもよい。
なお、ゲート装置やフラップ装置が設置されない所謂ゲートレス・フラップレス式駐車場に対しても、本発明を適用することが可能である。
【0036】
利用者端末装置6は、各駐車場11を利用する利用者により使用される端末である。利用者端末装置6として、スマートフォン、タブレット端末、種々のPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末や、ノートPC(Personal Computer)等の、任意のコンピュータが用いられてよい。
【0037】
駐車場サーバ7は、本実施形態に係る自動バレー駐車サービスをWebサービスとして提供可能である。本実施形態では、複数のサーバ装置(図示しない)と、データベース(DB)とにより駐車場サーバ7が構成される。
【0038】
駐車場サーバ7の各サーバ装置は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また各サーバ装置は、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。サーバ装置として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0039】
駐車場サーバ7のDBは記憶部として機能し、本自動バレー駐車サービスに関する種々の情報を記憶する。例えば駐車場サーバ7のDB内には、例えば、会員DB101(図4)、車両DB102(図9)、予約情報DB、在車DB、駐車場DB、提携店舗DB、割引DB、出庫情報DB、オーナ情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB、テスト結果DB(後述)等の、種々のDBが構築されてもよい。各種のDBは、駐車場サーバ7内のDBサーバにより包括的に管理され、例えば自動バレー駐車サービスを利用する利用者の会員登録及び退会、各利用者から受付けた予約情報の登録、変更及び削除、各駐車場11のオーナ情報の登録及び保管、運営収支情報の記録及び保管等が実行される。
【0040】
図4は、会員DBの一例を示す。
【0041】
会員DB101は、駐車場11を利用する会員毎に、会員番号、会員種別、車両ID、車両情報、車名、車色、自動運転種別、保険種別、電子メールアドレス、及びクレジットカード情報、等を関連付けて記憶する。車両情報には、車体番号や型式を含み、車両の詳細な仕様が解るようになっている。
【0042】
保険種別は、例えば、自動走行中の事故の際の対物・対人保障、車両保険の有無などである。保険加入があれば、非自動走行車との同時共同走行(すれ違いの可能性)を許可してもよい。ドライバや利用者の意思を確認してもよい。保険種別や保険加入情報は、補償種別一覧などに記入して利用者が登録する。自動走行中の事故補償を加入していない車両は自動バレー駐車しないことも可能になる。保険期限を確認して、入口で自動バレー駐車可能かどうかを通知してもよい。
【0043】
また駐車場サーバ7により、例えばWWW(World Wide Web)システムを用いて、本実施形態に係る自動バレー駐車サービスが提供される。例えばWebサーバは、HTML文書でなる種々のWebページを作成する。Webページには、他のWebページへのハイパーリンクや、種々の処理を実行するためのリンク情報(例えば実行ファイル名、URL等)が埋め込まれる。
また駐車場サーバ7内のWeb/APIサーバにより、種々のリクエストに応じた種々の処理が実行される。例えばWeb/APIサーバにより、各駐車場11の満空車情報の収集及び出力等が実行される。
駐車場サーバ7内により生成されたWebページは、図1に示す各装置に備えられるWebブラウザにより画面上に表示される。例えば駐車場11を利用する利用者は、利用者端末装置6を操作することで、種々のWebページを閲覧したり、種々のWebアプリケーションを利用したりすることが可能である。
【0044】
決済機関9は、例えば銀行や信販会社等であり、銀行振り込みやクレジットカード決済(交通系カード決済や二次元コード決済を含む)等により駐車料金の決済(精算)を実行する。駐車場サーバ7は、決済機関9の決済サーバ装置に対して、駐車料金の精算の指示や、精算が済んでいるか否か等の精算情報の問い合わせ等を実行する。
【0045】
ETC管理機関10は、ETCシステムを実現するための機関であり、ETCシステムを利用する利用者の情報、ETCカード情報、決済情報、及び車両情報等を管理する。例えば、車両に搭載されたETC車載器にETCカードを挿入する。これにより、ETCアンテナが設置されたETC対応(具体的にはETC2.0対応)の駐車場11に対して、ETC決済による駐車場11の利用が可能となる。
【0046】
車両メーカ12は複数あり、夫々の純正の車両やパーツ等における自動運転に関連する機能のソフトウェアの更新情報を提供する。また、純正でないパーツやユニットの制御プログラムを提供するサードパーティも車両メーカ12の範疇とする。この他に、保険機関が追加されても良い。
【0047】
2.自動バレー駐車システム
【0048】
本発明は、自動バレー駐車サービスを提供する駐車場11に対して適用可能である。自動バレー駐車システムは、自動運転機能(自律走行機能)を有する車両による自動バレー運転(自動バレー駐車すなわち自動バレー入庫運転と、自動バレー出庫運転)が実行可能なシステムである。自動バレー駐車システムが構築された駐車場11は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11とも言える。
【0049】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車サービスを提供するアプリケーションにアクセスする。そして必要な情報を入力して会員登録等を行うことで、自動バレー駐車サービスを利用することが可能となる。
本実施形態では、図1に示す自動バレー駐車場管理システム500に含まれるシステムとして、自動バレー駐車システムが構築される。すなわち駐車場サーバ7により提供される駐車場管理サービスに含まれるサービスとして、自動バレー駐車サービスが提供される。駐車場サーバ7のDBには、自動バレー駐車システムに関する種々のDBが構築される。
これに限定されず、自動バレー駐車場管理システム500とは別のシステムとして、自動バレー駐車システムが構築されてもよい。例えば、図1には図示していない別の管理装置等により自動バレー駐車システムが構築され、駐車場11と個別に契約等が行われてもよい。
その他、自動バレー駐車システムを構築するための構成や方法等は限定されない。
【0050】
例えば利用者は、利用者端末装置6を操作して、自動バレー駐車の予約を行う。そして予約時間に合わせて、自動運転機能を有する車両を手動で運転(手動運転モード)して、駐車場11内に入場する。もちろん自動運転でも構わない。
利用者は、駐車場11内の所定の位置に設けられた自動バレー駐車サービス対応の駐車スペース(以下、自動バレー乗降スペースと記載する)に車両を駐車する。そして、車両から降りた利用者により、自動バレー駐車の実行が指示される。自動バレー駐車の実行の指示は、例えば利用者端末装置6を介して実行される。あるいは、駐車場11内に設定された専用の端末等が操作されてもよい。
当該指示に応じて、車両は無人による自動運転(自動運転モード)により、駐車場11内の所定の駐車スペースに移動し、車両を駐車させる(自動バレー入庫運転)。なお予約をすることなく、好きな時間に駐車場11内に入場して、自動バレー駐車を実行させることも可能である。
利用者が駐車場に戻ってくる際には、例えば何分後に駐車場内の自動バレー乗降スペースに、自動運転機能を有する車両を移動させる旨等の指示が入力される。当該指示に応じて、車両は無人による自動運転(自動運転モード)により、駐車スペースから自動バレー乗降スペースに車両を移動させ駐車させる(自動バレー出庫運転)。
以下、自動バレー駐車サービス対応の駐車場11を例に挙げて、本実施形態を説明する。
【0051】
3.駐車場の構成例
【0052】
図2は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場の構成例を示す模式図である。
【0053】
駐車場11は、入場口15、出場口16、構内通路17、複数の駐車スペース18、自動バレー乗降スペース19(乗車場)、階段20、エレベータ21(エレベータホール)、事前精算機22及び案内装置(図示しない)を有する。
【0054】
入場口15から駐車場11の内部に向かって入場レーンが構成される。入場レーン27には、入口ループコイル27a、入口ゲート装置28a、及び入口カメラ29aが設けられる。
入口ループコイル27aから出力される信号に基づいて、入場レーン27への車両3の進入が検出される。
入口ゲート装置28aにより、入場レーン27から駐車場11内部への車両3の入場が適宜規制される。
入口カメラ29aにより、入場レーン27に進入した車両3を撮影することが可能である。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0055】
駐車場11内部から出場口16に向かって出場レーン29が構成される。出場レーン29には、出口ループコイル27b、出口ゲート装置28b、及び出口カメラ29bが設けられる。
出口ループコイル27bから出力される信号に基づいて、出場レーン29への車両3の進入が検出される。
出口ゲート装置28bにより、出場レーン29から駐車場11外部への車両3の出場が適宜規制される。
出口カメラ29bにより、出場レーン29に進入した車両3を撮影することが可能である。
各デバイスの具体的な構成は限定されず、任意の構成が採用されてよい。
【0056】
また図2の図示は省略しているが、入場レーン27及び出場レーン29には、ETC車載器を搭載した車両3を検出する、入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30b(図1)がそれぞれ設置されている。入口ETCアンテナ30a及び出口ETCアンテナ30bは路側器34(図1)に接続される。
【0057】
構内通路17は、駐車場11に入場した車両3が走行する通路である。
また本開示において、自動運転モードで走行している自動運転機能を有する車両3を、自動運転車両3aとする。一方、ドライバが手動で運転している車両3を、非自動運転車両3bとする。例えば、手動運転モードで走行している自動運転機能を有する車両3も、非自動運転車両3bとなる。なお後述するテスト走行に参加する自動運転車両は、疑似非自動運転車両と言う。
図2では、二重の略長方形状により、自動運転車両3a及び疑似非自動運転車両が図示されている。一重の略長方形状により、非自動運転車両3bが図示されている。
図2に示すように、構内通路17に対して、車両3の走行方向を規定する標識(矢印等)が設けられてもよい。図2では構内通路では車両は左側通行の相互対面通行である。また、歩行者等が歩くための通路が規定されてもよい。
【0058】
複数の駐車スペース18は、駐車場11内に設けられる。図2に示す例では、スペースナンバーがA1~A6、B1~B6、C1~C6、D1~D6、E1~E6、F1~F6、G1~G6、J1~J9、K1~K18となる、複数の駐車スペース18が配置される。なお、そのうちのテスト用駐車スペースとして、A1~A6が割り当てられる。
駐車スペース18は、自動バレー駐車を実行する自動運転車両3a、及び非自動運転車両3bの両方が駐車可能なスペースである。すなわち本実施形態では、構内通路17を、自動運転車両3a(疑似非自動運転車両含む)、及び非自動運転車両3bの両方が、混在して走行することになる。
【0059】
自動バレー乗降スペース19は、自動バレー駐車サービス対応の駐車スペースである。すなわち自動バレー乗降スペース19は、ドライバや同乗者が自動バレー駐車場を実行する車両3から降りたり、乗ったりするためのスペースである。
図2に示す例では、入場口15及び出場口16に近い位置に、スペースナンバーがV1及びV2となる2つの自動バレー乗降スペース19が設けられる。例えば、自動バレー駐車サービスを利用する利用者は、入場口15から駐車場11に入場した後、右折して自動バレー乗降スペース19に車両3を駐車させる。そして自動バレー乗降スペース19にて、車両3から降り、自動バレー駐車の実行を指示する。当該指示に応じて、自動運転車両3aが、自動バレー乗降スペース19から、いずれかの駐車スペース18に移動する。
自動運転車両3aが駐車される駐車スペース18は、予め決められていていてもよいし、その都度選択されてもよい。例えば、駐車場11内の最も隅にあり、あまり便がよくない駐車スペース18が優先的に自動バレー駐車のために割り当てられてもよい。
自動バレー駐車サービスを利用する利用者が駐車場11に戻ってきた場合には、そのタイミングに合わせて、駐車スペース18から自動バレー乗降スペース19に、自動運転車両3aが移動する。利用者は、車両3に乗り込み、手動運転にて、出場口16から外部に車両3を出場させる。
【0060】
事前精算機22は、駐車場11の利用者が駐車場11から車両3を出場させる前に事前精算を実行することが可能な装置である。例えば、タッチパネル等を有する装置が、事前精算機22として設置される。
案内装置(図示しない)は、駐車場11及び本自動バレー駐車場管理システム500(自動バレー駐車システムを含む)に関する種々の情報を案内するための装置である。例えばディスプレイ装置等を有し案内情報を表示可能な装置等が、案内装置として用いられる。
【0061】
駐車場を監視して自動バレーサービスをサポートするシステムとして、図2に示すように、以下のデバイスが、駐車場内に設置される。
【0062】
主に構内通路17を撮影する場内カメラ32(図中の白丸)、主に駐車スペース18を撮影する駐車スペースカメラ33(図中の黒丸)、入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32及び駐車スペースカメラ33はそれぞれ、自動バレー駐車場管理システムにおける複数の管制カメラ(以下、個別に説明する場合を除き、これらを総称してカメラともいう)として機能する。本開示にて説明する上述の各種カメラとして、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサを備える単眼デジタルカメラが用いられる。その他、赤外線カメラ等が用いられてもよい。
【0063】
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場11の監視結果として、監視情報を出力することが可能である。本実施形態では、各種カメラにより撮影された撮影画像や、各種マイクにより取得された音声が監視情報として出力される。
なお本開示において、画像は、静止画像及び動画像(映像)の両方を含む。
場内カメラ32や駐車スペースカメラ33は、駐車場11の全体を極力カバーできるように配置される。すなわち可能な限り死角が存在しないように、複数の場内カメラ32及び複数の駐車スペースカメラ33が適宜配置される。
【0064】
4.自動バレー駐車場管制システム
【0065】
図1を参照して、自動バレー駐車場管理システム500の構成例を説明する。
自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場11に対して構築されるシステムである。
図1に例示する自動バレー駐車場管理システム500は、駐車場管理装置5、事前精算機22、自動バレー管制装置37、入口ゲート装置28a、出口ゲート装置28b、路側器34、入口ETCアンテナ30a、出口ETCアンテナ30b、さらに入口カメラ29a、出口カメラ29b、場内カメラ32、及び駐車スペースカメラ33を含む。
図1に示す各ブロックは、例えば駐車場11の構内に設置された図示しない構内LANを介して、互いに通信可能に接続されている。その他、無線/有線を介した任意の通信技術が用いられてもよい。
【0066】
自動バレー管制装置37は、自動バレー駐車システムを構築するための装置である。本実施形態では、自動バレー管制装置37が、駐車場サーバ7や駐車場管理装置5と協働することで、自動運転車両3aによる自動バレー運転及びテスト走行が管理される。
例えば、自動バレー管制装置37により、自動運転車両3aによる自動運転動作が制御される。例えば、自動バレー乗降スペース19から所定の駐車スペース18への自動運転が指示される。あるいは、所定の駐車スペース18からの自動バレー乗降スペース19への自動運転が指示される。またテスト走行として、自動バレー乗降スペース19からテスト用駐車スペースへの自動運転や、所定のテスト用駐車スペースから所定の駐車スペースへの自動運転が指示される。
その他、自動バレー駐車場の予約管理等、種々の処理が実行される。
自動バレー管制装置37は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また自動バレー管制装置37に、ネットワーク1を介して他の装置と通信するための通信部が備えられる。通信部としては、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。
自動バレー管制装置37として、例えばPC等の任意のコンピュータが用いられる。
【0067】
駐車場管理装置5のDBには、駐車場11に関する種々のデータが格納され、例えば在車DBや履歴DB等の任意のDBが構築される。もちろん駐車場サーバ7のDBに格納されたデータが共有される場合もあり得る。
また自動バレー駐車に関する種々の情報が駐車場管理装置5のDBに記憶される。なお、上述の車両情報等は、駐車場管理装置5のDBではなく、駐車場サーバ7のDBに格納されてもよい。
【0068】
5.自動運転車両
【0069】
図3は、自動運転機能を有する車両の構成例を示す模式図である。
【0070】
ここでは、自動運転モードが選択された状態である自動運転車両3aとして説明を行う。テスト走行に参加する疑似非自動運転車両も自動運転車両3aに含まれる。
自動運転車両3aは、通信部41と、車載カメラ類42と、画像処理装置43と、ETCアンテナ44と、ETC車載器45と、制御部46と、車内及び車外センサ類59と、カーナビゲーション装置60と、GPS受信機/ビーコン受信機61とを有する。
通信部41は、他の装置と通信するためのデバイスである。本実施形態では、通信部41を介して、自動バレー管制装置37からの指示等を含む種々の情報が取得される。
通信部41としては、例えばDSRC(dedicated short range communication等の通信機器が用いられる。その他昨今のコネクテッドカー規格に準じた任意の通信デバイスが用いられてよい。
【0071】
車載カメラ類42は、自動運転車両3aの周囲、及び自動運転車両3aの車内の乗員を撮影可能である。車載カメラ類42は、ドライブレコーダのカメラを含んでもよい。
車載カメラ類42としては、CCDカメラ等のデジタルカメラが用いられる。その他、ToFカメラやステレオカメラ等の測距デバイスが用いられてもよい。また赤外線カメラ等が用いられてもよい。
画像処理装置43は、車載カメラ類42により撮影された画像に基づいて、自動運転車両3aの周囲の状況を認識する。状況認識のためのアルゴリズムは限定されない。
ETCアンテナ44、及びETC車載器45により、ETC決済による駐車場11の利用が可能である。
【0072】
制御部46は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。図3に示す例では、制御部46により、ソフトウェアブロックとして、走行ルート生成部47、走行制御部48、車両・人認識部57、電装制御部58及び更新管理部62が実現される。
走行ルート生成部47は、自動バレー管制装置37からの指示、画像処理装置43による認識結果、駐車場11の地図情報等に基づいて、自動運転を行う走行ルートを決定する。
走行制御部48は、決定された走行ルートに沿った自動運転を実現するために、自動運転車両3aが備える駆動系(図示は省略)等を適宜制御する。
例えば図3に例示するように、走行制御部48により、エンジン・モータ制御装置49、ブレーキ制御装置50、ヘッドライト制御装置51、ハザードランプ(ウィンカー)制御装置52、及びクラクション制御装置53等に制御信号が出力される。これにより走行ルートに沿った自動運転や、危機回避運動等が実現される。
その他、自動運転を実現するための周知の技術が適宜されてよい。
【0073】
本自動バレー駐車場管理システム500では、後述するように、駐車場11内を通行する個々の車両を識別、捕捉、追尾することで、各車両の走行位置や駐車位置などを監視することが可能に構成される。
【0074】
車両・人認識部57は、車載カメラ類42が撮影した、自動運転車両3aの車内外の乗員の画像から、乗員の顔や歩行者等を認識し、また、自動運転車両3Aの周囲の駐車中や走行中の車両を認識する。
【0075】
電装制御部58は、ドアロック制御装置54、窓動作制御装置55、及び空調制御装置56に制御信号を出力する。
【0076】
6.駐車場管理装置の機能の概要
【0077】
図5は、駐車場管理装置及び自動バレー管制装置の機能の概要を示すブロック図である。
【0078】
駐車場管理装置5は、駐車スペース管理機能77、駐車場管制機能78、駐車料金管理機能79、駐車場管理装置通信機能80、自動バレー駐車受付機能81、車両ソフトウェアバージョン確認機能71、車両ソフトウェアバージョン更新機能72、参考車両選択機能73、走行ルート設定機能74、テスト設定機能75、テスト記録機能76、及びテスト記録出力機能82を有する。駐車場管理装置5は、さらに、車両外観損傷確認機能83、車両ソフトウェア健全性確認機能84、保険加入確認機能85、修理費用見積機能86、車両ソフトウェア修復機能87及び確認記録出力機能88を有する。
これらのブロックは、駐車場管理装置5のCPUが所定のプログラムを実行し、装置内のハードウェア資源と協働することで構成され、本実施形態に係る駐車場管制方法が実現される。
駐車場管理装置5にプログラムをインストールする方法は限定されない。
【0079】
ソフトウェア更新のタイミングは自宅駐車中、走行中でも良い。一方、ソフトウェア更新内容のテストは、自宅や公道で出来るとは限らない。ソフトウェアアップデートのお知らせがカーナビやコンソール画面に表示されてもよい。ダウンロード完了後、更新するかアップデートを指示すると、通常は自宅での駐車中に更新されればよい。駐車場案内時点で、更新後のテスト実行を希望するかどうか、ドライバ(利用者)が指示してもよい。
【0080】
駐車場管制機能78は、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。
例えば、車両3の検知、ゲート装置28の制御、監視システム24に含まれる各デバイスの制御、事前精算機22の制御、案内装置(図示しない)の制御、事前精算の確認、図1に示すネットワーク1上の他の装置との通信、駐車場DBへの情報の書き込みや読出し、その他、駐車場11の管制に関する種々の処理を実行する。これらの機能のうち、自動バレー管制装置37においては、自動運転車両3aの動作を管制制御するが、簡単のため駐車場管理装置5および自動バレー管制装置37は一体的に動作するものとする。
【0081】
なお、図1に例示する自動バレー駐車場管理システム500において、駐車場サーバ7を除いた構成で、本発明に係る自動バレー駐車場管理システム500が実現されてもよい。例えば、駐車場管理装置5のみにより、本発明に係る自動バレー駐車場管理システム500が実現されてもよい。
【0082】
7.自動バレー駐車テスト動作
【0083】
図6は、テスト運転動作を含む自動バレー駐車テスト動作の一例を説明する図である。図7は、テスト運転動作を含む自動バレー駐車テスト動作の基本的な動作フローである。
【0084】
自動運転機能を有する車両3aが駐車場11に手動運転により入場し、自動バレー乗降スペース19に駐車する。入場時には、駐車場管理装置5は入口カメラ29aや入口ETCアンテナ30a等の認識結果より、入場車両の車両ID(ナンバー、WCN等)を取得する。
【0085】
駐車場管理装置5は、駐車場11に入場する自動運転車両3aが駐車場11内で実行する自動運転テスト動作を決定し、自動運転テスト動作のプランを作成する。その具体的な方法は以下の通りである。
【0086】
駐車場管理装置5は、駐車場サーバ7の車両DB102(図9)を照会し、該当する車両3aの情報と、実行済みの自動運転テスト動作の履歴や自動バレー駐車履歴等を読み込む。車両DB102には、車両3a毎のソフトウェアの更新項目が記憶されている。車両3aが自動運転車両3aであり、会員登録されている場合、駐車場管理装置5は無線通信により車両3aと通信し、車両3aの更新管理部62からソフトウェアのバージョン情報と、実行済みの自動運転テスト動作の履歴や自動バレー駐車履歴等を読み込む。駐車場管理装置5は、自動運転車両3aのソフトウェアのバージョンを判断する(ステップS11)。自動運転車両3aのソフトウェア更新のプログラム内には、更新項目の内容が記述されている。
【0087】
駐車場管理装置5は、車両3aのソフトウェアのバージョン情報と、実行済みの自動運転テスト動作の履歴や自動バレー駐車履歴を適宜確認しつつ、未実行の自動運転テスト動作を抽出する(ステップS12)。駐車場管理装置5は、自動運転車両3aのソフトウェアのバージョンに紐付けられた1以上の自動運転テスト動作のうち、自動運転車両3aが未実行の自動運転テスト動作を抽出する。
【0088】
駐車場管理装置5は、自動運転車両3aが未実行の自動運転テスト動作がある場合、抽出した自動運転テスト動作を駐車場11内の環境で実行可能であるか否か(即ち、当駐車場11においてテストができる環境にあるのか)を判断する(ステップS13)。
【0089】
例えば、駐車場サーバ7の駐車場DBに、駐車場11毎のテスト実施項目やテスト内容が、例えば、車両メーカ12から割り当てられる更新テストコードの形式で記憶されている。つまり、更新テストコードの対応数が多い駐車場11は、多数の種類の自動運転テスト動作を提供できる。駐車場管理装置5は、駐車場DBのテスト実施項目やテスト内容(更新テストコード)に基づき、自動運転テスト動作を駐車場11内の環境で実行可能であるか否かを判断すればよい。さらに、駐車場管理装置5は、駐車場11内の現在の環境(例えば、明るさ、時間帯、混雑度、歩行者の有無等)に基づき、自動運転テスト動作を駐車場11内の環境で実行可能であるか否かを判断してもよい。さらに、駐車場管理装置5は、自動運転車両3aの車種及び/又はサイズに基づき、実行すべき自動運転テスト動作を判断してもよい。
【0090】
駐車場管理装置5は、未実行の自動運転テスト動作の中から、実行すべき自動運転テスト動作(1又は複数)を決定する(ステップS14)。例えば自動駐車に関する動作安定性の向上のためのソフトウェアが更新された場合で、自動駐車テスト動作や実際の自動バレー駐車動作を未実行である場合、駐車場管理装置5は、今回の(実際の)自動バレー駐車動作の前に、一旦、自動バレー駐車テスト動作を実行すべきと判断する。
【0091】
その詳細として、駐車場管理装置5は、テスト駐車スペース90として利用可能な空車スペースを決定する。好適には両側に駐車されていない、3台分の空車スペースの中央のスペースがテスト駐車スペース90として選定される。2台分の空車スペースしかない場合は、2台分のうちの何れかがテスト駐車スペース90として選定される。また、駐車されている側の車両のサイズ、駐車状態を考慮し、極力安全距離の確保できるテスト駐車スペース90が選定される。即ち、駐車場管理装置5は、連続する3台分の空車スペースがあるときは中央の空車スペース、連続する3台分の空車スペースが無く連続する2台分の空車スペースがあるときは、一方の空車スペース、連続する2台分の空車スペースが無く1台分の空車スペースがあり、隣接する空車スペースに駐車された車両と1台分の空車スペースとの距離が所定値以上であるときは、1台分の空車スペース、何れの空車スペースも無いときは、何れかの空車スペースができてから、その空車スペースであるテスト駐車スペース90に駐車するための自動バレー駐車テスト動作を実行するためのプランを作成する。
【0092】
駐車場管理装置5は、3台分の空車スペースの中央のスペースをテスト駐車スペース90として選定する場合は、テスト駐車スペース90に対して、最短距離で前進し、後進で駐車するためのプランを作成する。駐車場管理装置5は、2台分の空車スペースのいずれかのスペースをテスト駐車スペース90として選定する場合は、2台分のスペースの進行方向奥側のスペースに対して前進し、後進で駐車するためのプランを作成する。駐車場管理装置5は、テスト駐車スペース90として1台分の空車スペースしかない場合は、テスト動作を現時点では実行しないか、あるいは、両側の車両のサイズが比較的小さく極力安全距離の確保できる空車スペースを選定し、そのスペースに対して前進し、後進で駐車するためのプランを作成する。駐車場管理装置5は、自動バレー駐車テスト動作を実行する自動運転車両3a自体の車種及び/又はサイズも考慮し、テスト動作を実行するか否かを決定する。
【0093】
自動バレー管制装置37は、駐車場管理装置5が作成したプランに基づき、駐車場11内で自動運転テスト動作(本例では、自動バレー駐車テスト動作91)を実行するための指令を、自動運転車両3aに出力する(ステップS15)。
【0094】
自動運転車両3aは、自動バレー管制装置37から出力された指令に基づき、テスト駐車スペース90を目的地として、自動バレー駐車テスト動作91を実行する。
【0095】
駐車場管理装置5は、自動運転車両3aが実行した自動運転テスト動作(自動バレー駐車テスト動作91)の状況を記録し、テスト結果を生成する。テスト結果は、駐車場11に設置された1以上のカメラ(駐車スペースカメラ33、場内カメラ32、あればその他のカメラ)が撮影した画像及び/又は自動運転車両3aの車載カメラ類42が撮影した画像を含む。テスト結果は、さらに、駐車位置データ、ステアリングの旋回情報、切り替えしの有無、駐車に要した時間、最接近距離(スペース境界に対しての距離)等を含む。駐車場管理装置5は、テスト結果を、駐車場サーバ7のテスト結果DB(図示しない)に記録する。
【0096】
駐車場管理装置5は、テスト結果を外部装置(図示しない)に出力する(ステップS16)。例えば、駐車場管理装置5は、テスト結果を、利用者携帯端末装置6にメール等で通知する。または、ビッグデータとしてデータベースに蓄積するために、外部装置に出力してもよい。ビッグデータは、例えば、多数の車両データが記憶されている都市国家、実験的自治体、コミュニティのビッグデータでよい。駐車場管理装置5は、テスト結果を、利用者やメーカ等がアクセス可能な外部装置に出力してもよい。
【0097】
駐車場管理装置5は、自動運転車両3aが自動バレー駐車テスト動作91の実行を終了後、テスト結果が合格である場合は、自動バレー管制装置37に、自動運転車両3aを自動運転により駐車場11内の最終駐車スペース92に駐車するための指令を、自動運転車両3aに出力させる。自動バレー管制装置37は、当初の選定された最終駐車スペース92に対して自動バレー駐車動作93を実行するための指令を自動運転車両3aに出力する。一方、テスト結果に問題がある場合は、自動バレー管制装置37は、自動バレー駐車動作93を実行するための指令を自動運転車両3aに出力せず、自動運転車両3aはそのままの位置で駐車を継続する。
【0098】
駐車場管理装置5は、テスト結果が合格でなく、自動運転車両3aの動作が不安定又は性能がダウンした場合は、自動運転車両3aのソフトウェアをバージョンダウン(ダウングレード)してもよい。
【0099】
なお、テスト駐車スペース90の、自動運転車両3aの横幅方向のサイズ及び/又は前後方向のサイズは、可変でもよい。例えば、テスト駐車スペース90を区切る白線が、床面に連続配置された複数列のLEDライトで構成され、所定の幅の2列のLEDライトを点灯し、他の列のLEDライトを滅灯することで、空車スペースのサイズを可変とすればよい。駐車場管理装置5は、テスト駐車スペース90が複数の異なるサイズになるように制御し、複数の異なるサイズのテスト駐車スペース90に駐車するための自動バレー駐車テスト動作91を実行するためのプランを作成すればよい。これにより、同じテスト動作を複数の異なるサイズのテスト駐車スペース90に行ったときに全て合格かどうか(逆に、苦手なサイズのテスト駐車スペース90は無いか)を判断できる。
【0100】
8.他のテスト運転動作の実施例
【0101】
図8は、他のテスト運転動作を含む自動バレー駐車テスト動作96の一例を説明する図である。
【0102】
図6の動作と同じ動作の場合は詳細説明を省略する。
【0103】
駐車場管理装置5は、自動運転車両3aのソフトウェアのバージョンを判断し(ステップS11)、自動運転車両3aが未実行の自動運転テスト動作を抽出する(ステップS12)。駐車場管理装置5は、抽出した自動運転テスト動作を駐車場11内の環境で実行可能であるか否かを判断する(ステップS13)。
【0104】
駐車場管理装置5は、未実行の自動運転テスト動作の中から、実行すべき自動運転テスト動作(1又は複数)を決定する(ステップS14)。例えば自動走行に関する安全確保動作の向上のためのソフトウェアが更新された場合で、未だ対車両テスト動作を未実行である場合、今回の自動バレー駐車テスト動作96の前に、または同時に、対車両テスト動作を実行すべきと判断する。
【0105】
その詳細として、駐車場管理装置5は、駐車場11内に存在し対車両テスト動作に参加する自動運転車両(参加車両3c)を決定する。駐車場管理装置5は、対車両テスト動作を実行済みの自動運転車両、参加車両のオーナが対車両テスト動作への参加を許可した自動運転車両、シェアカー又はレンタカーとして使用される自動運転車両、有効な車両保険に加入している自動運転車両の何れかを、参加車両3cとして決定する。オーナは、例えば、個人会員、特に参加を許可してリワードを得た個人会員、リース機関、カーシェアの管理者等でよい。駐車場管理装置5は、また、車両のタイプに応じて参加車両3cを決定する。車両のタイプは、車種、サイズ、車両メーカ12、車体色及び/又はソフトウェア更新内容を含む。
【0106】
また、駐車場管理装置5は、自動運転車両3aが、対車両テスト動作を、第1のタイプ(例えば、小型)の参加車両に対して過去に実行済みであるが、第1のタイプ(小型)と異なる第2のタイプ(例えば、大型)の参加車両3cに対して未実行であるとき、第2のタイプ(大型)の参加車両3cが駐車場内に存在すると判断すると、第2のタイプ(大型)の参加車両3cに対する対車両テスト動作を実行すべきと判断する。これにより、同じテスト動作を複数の異なるタイプの車両に行ったときに全て合格かどうか(逆に、苦手な車種は無いか)を判断できる。
【0107】
駐車場管理装置5は、テスト対象の自動運転車両3aが、まず最終駐車スペース92を目的地として、自動バレー駐車テスト動作96を実行するためのプランを作成する。駐車場管理装置5は、自動バレー管制装置37に、駐車場11内で対車両テスト動作を実行するための指令を、自動運転車両3a及び参加車両3cに対して出力させる。駐車場管理装置5は、自動バレー管制装置37に、疑似非自動運転車両として振る舞うための指令を参加車両3cに対して出力させる(ステップS15)。例えば、参加車両3cは他の車両とすれ違う場合も、一時停止せずに走行するよう指令を出す。また、安全を確認したうえで、急加速・急停車・若干の蛇行などの不安定走行を指令してもよい。
【0108】
自動バレー管制装置37は、テスト参加車両3cを疑似非自動運転車両として、テスト対象の自動運転車両3aの車両に対しては、非自動運転車両が接近した旨の通知(偽情報の通知)を出力する。テスト参加車両3cは、自動バレー管制装置37から出力された指令に基づき、駐車場管理装置5が決定した走行ルート94を走行し、テスト対象の自動運転車両3aとすれ違うよう走行する。テスト対象の自動運転車両3aは、安全確保のために、構内通路の左側95に寄って、一時停止する。テスト参加車両3cが通過した場合、テスト対象の自動運転車両3aは自動バレー駐車テスト動作96を再開する。
【0109】
なお、ソフトウェア更新内容に応じて、テスト参加車両3cとのすれ違いをどのタイミングで行うかは、駐車場管理装置5がプランを作成してテスト参加車両3cを制御する。テスト参加車両3cは、テスト終了したらすぐに、元の駐車位置に自動運転で駐車動作(自動バレー駐車)する。駐車場管理装置5は、テスト駐車の状況を記録し、結果を出力する(ステップS16)。
【0110】
9.その他の追加機能や動作に関して
【0111】
駐車場管理装置5は、自動運転車両3aが実行すべき自動運転テスト動作が、対人テスト動作であるとき、歩行動作を実行するための指令を、人型ロボット(図示しない)に出力し、駐車場内で対人テスト動作を実行するためのプランを作成してもよい。
【0112】
駐車場管理装置5は、自動バレー駐車・自動バレー出庫運転の性能および/または機能に影響するソフトウェアの書換えが未処理の自動運転車両3aのオーナに対して書換え・検証処理を促す旨通知し、オーナの応答に応じて駐車中にソフトウェア書換え処理および検証動作(自動運転テスト動作および記録)を実行してもよい。
【0113】
駐車場管理装置5は、自動バレー駐車していない自動運転車両3a(即ち、駐車場に手動運転で駐車した自動駐車・迎車運転機能を有する自動運転車両3a)の自動運転テスト動作を実行してもよい。この場合、駐車場管理装置5は、オーナの指示がある場合、自動運転テスト動作を実行してもよい。
【0114】
疑似非自動運転車両3cとしてのテストに参加したオーナは、自分の車両のテスト動作に係るサービスの料金の減免や、料金の相殺等のリワードを得てもよい。
【0115】
自動運転テスト動作を実行するタイミングは、駐車場11の混雑度に応じて、駐車場管理装置5が制御してもよい。自動走行に関するテストは、一旦は自動バレー駐車し、その後にテスト動作してもよい。
【0116】
10.外観の損傷状態検出動作
【0117】
図10に本発明の実施例の駐車スペースカメラ画像103の説明図を示す。
【0118】
図7の、損傷状態検出動作の動作フローにおいて、例えば車両の外観に差異があると検出される場合の動作を説明する。
【0119】
駐車場管理装置5は、車両DB102(図9)を照会し、駐車場11に入場した車両3の情報を読み込み、駐車場11を使用する車両3を特定する。駐車場管理装置5は、駐車場11への入場時及び出場時に車両3を特定する(ステップS21)。
【0120】
駐車場管理装置5は、車両3の外観状態などを取得する。具体的には、駐車場管理装置5は、入場時及び出場時には、入口カメラ29a及び出口カメラ29bによって車両3の前面を中心として外観の状態を取得する。駐車場管理装置5は、入場時の車両3の損傷状態と出場時の車両3の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、駐車場11内で損傷が生じたと判断する。
【0121】
本実施形態で、損傷とは、外観的に識別可能な物理的な損傷を意味する。また、損傷状態とは、損傷が無い状態も含む。
【0122】
加えて、駐車場管理装置5は、駐車場11の構内通路17を走行している車両3の側面を、駐車スペースカメラ33の画像から抽出する。駐車場管理装置5は、画像から抽出した車両3の側面を過去に記録された同一または類似のアングルの画像を抽出し、比較する(ステップS22)。駐車場管理装置5は、比較結果より、差異があると検出された部分やパーツ名を抽出することで、車両3の損傷状態を検出し、損傷状態の内容を識別する(ステップS23)。駐車場管理装置5は、それぞれの差異の内容や状態を分析する(ステップS24)。
【0123】
駐車場管理装置5は、駐車場11内の駐車スペース撮影用カメラ33が撮影した画像に基づき、車両3の損傷状態を検出し、損傷状態の内容を識別し、さらに、損傷が生じたタイミングを推定する。駐車場管理装置5は、入場時の画像、出場時の画像、入場時から出場時までの駐車スペース撮影用カメラ33が撮影した画像を比較し、損傷が生じたタイミングを推定してもよい。
【0124】
本実施形態によれば、駐車スペース撮影用カメラ33が撮影した画像に基づき車両3の側面の損傷状態を検出することで、車両3の損傷状態を正確に検出しやすい。また、駐車場11内に複数設置された駐車スペース撮影用カメラ33が撮影した画像に基づき車両3の損傷状態を多方向から検出することで、車両3の損傷状態を正確に検出しやすい上、損傷が生じた駐車場11内の位置や、損傷が生じた時間的タイミング、損傷の要因を特定しやすい。
【0125】
加えて、駐車場管理装置5は、前回の出場時の損傷状態と今回の入場時の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、前回の出場時から今回の入場時までの期間に駐車場11外で損傷が生じたと判断する。これにより、駐車場11外で損傷が発生したことを証明でき、駐車場11のオーナ等の免責が可能になる。
【0126】
駐車場管理装置5は、車両の駐車場11内の走行ルートに基づき、損傷が生じた駐車場11内の位置を判断してもよい。駐車場管理装置5は、車両3及び他の車両3の駐車場11内の駐車位置及び/又は走行ルートに基づき、他の車両3を損傷が生じた相手として推定してもよい。駐車場管理装置5は、車両3の入場時から出場時までの期間に少なくとも一時的に駐車場11に滞在する(即ち、駐車場11の滞在時間帯が車両3と被る)他の車両3の入場時の損傷状態と出場時の他の車両3の損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、他の車両3を損傷が生じた相手として推定してもよい。駐車場管理装置5は、駐車スペース撮影用カメラ33が撮影した他の車両の画像に基づき、他の車両の損傷状態、損傷が生じた駐車場11内の位置や、損傷が生じた時間的タイミング、損傷の要因を特定し、これらに基づき、他の車両3を損傷が生じた相手として推定してもよい。
【0127】
駐車場管理装置5は、車両3の損傷状態の情報を記録手段に記録する。記録手段に記録される車両3の損傷状態の情報は、駐車場11内の駐車スペース撮影用カメラ33が撮影した画像を含んでもよい。記録手段に記録される車両3の損傷状態の情報は、入場時から出場時までの期間の車両3の走行ルート及び日時を含む履歴情報を含んでもよい。
【0128】
駐車場管理装置5は、損傷状態の内容に応じて、対応方法を出力する(ステップS25)。例えば、駐車場管理装置5は、右側後席スライドドアに凹みが検出された場合、メーカへの修理または見積依頼の動作を対応方法として出力する。駐車場管理装置5は、問題の検出・対応方法の抽出を、車両3のオーナまたは利用者にメール等で通知出力すればよい。対応方法は、修理依頼、費用見積もり、保険機関への通知、警察への通報、メーカへの報告の少なくとも何れか1個でよい。駐車場管理装置5は、対応方法とともに、記録手段に記録された入場時及び出場時の損傷状態の情報(画像及び履歴情報)を出力してもよい。駐車場管理装置5は、オーナまたは利用者の指示に従って、自動でメーカに修理依頼したり修理費用の見積依頼を実行したり、さらに見積回答や修理対応日程を受領して、その結果を出力するようにしてもよい。
【0129】
駐車場管理装置5は、車両3の損傷状態の情報を外部装置(図示しない)に出力してもよい。例えば、駐車場管理装置5は、車両3の損傷状態の情報を、ビッグデータとしてデータベースに蓄積するために、外部装置に出力してもよい。ビッグデータは、例えば、多数の車両データが記憶されている都市国家、実験的自治体、コミュニティのビッグデータでよい。駐車場管理装置5は、車両3の損傷状態の情報を、利用者やメーカ等がアクセス可能な外部装置に出力してもよい。
【0130】
11.差異検出撮影動作を含む自動バレー駐車動作の一例
【0131】
図11は、差異検出撮影動作を含む自動バレー駐車動作の一例を説明する図である。
【0132】
損傷状態を検出される車両3は、自動運転車両3aでもよい。
【0133】
ステップS22において、駐車スペースカメラ33で画像を取得する際に、図10に示す通り、駐車スペースカメラ33で走行中の自動運転車両3aの側部を撮影するが、自動運転車両3aの走行する位置は、極力駐車スペースカメラ33から遠い方が良い。これは、他の自動運転車両3aの屋根などで走行中の自動運転車両3aが隠れるのを防止するためである。したがって、駐車スペースカメラ33に撮影される際には、自動運転車両3aは駐車スペースカメラ33からみて遠い側の構内通路17を走行するのが望ましい。
【0134】
自動運転車両3aの左右両側部を撮影するためには、図の様に2か所の駐車スペースカメラ33に対して、互いに遠い位置になるように構内通路17を蛇行したように走行するのが望ましい。蛇行した走行ルート97(走行軌跡)の設定は、駐車場管理装置5が設定して、自動バレー管制装置37により自動運転車両3aに指示送信する。即ち、駐車場管理装置5は、駐車場11内を走行する自動運転車両3aが駐車スペース撮影用カメラ33を通過するタイミングで駐車スペース撮影用カメラ33が自動運転車両3aを撮影記録手段に記録するよう、最終駐車スペース92を目的地とした自動バレー駐車の走行経路98上の位置を指定して制御する。図12は撮影記録手段の具体例の、画像DB104を示す説明図である。
【0135】
駐車場管理装置5は、自動運転テスト動作(図6及び図8)の開始時の自動運転車両3aの損傷状態と自動運転テスト動作の終了時の自動運転車両3aの損傷状態とで変化があるか否かを検出し、変化がある場合、自動運転テスト動作の最中に損傷が生じたと判断してもよい。駐車場管理装置5は、対応方法とともに、画像DB104に記録された自動運転テスト動作の開始時及び終了時の損傷状態の情報(画像、履歴等)を出力してもよい。
【0136】
12.変形例
【0137】
駐車場管理装置5は、車両3側面の画像から、タイヤの交換を検出し、さらにタイヤの刻印文字からタイヤサイズの差異を検出して、車両3の最小回転半径の変化を考慮し、旋回性能のテストをしてもよい。
【0138】
駐車場管理装置5は、入場画像により、チェーンを装着した車両3を判別し、自動バレー駐車を受け付けなくてもよい。
【0139】
駐車場管理装置5は、車両3との通信により、保険加入状態を取得し(任意保険)、保険が切れている場合にオーナまたは利用者に通知してもよい。また、駐車場管理装置5は、保険加入なしを検出した場合に、自動バレー駐車を受け付けなくてもよい。または、駐車場管理装置5は、保険加入なしの場合に、自動バレー駐車スペースを他車両3との近接しない位置を選定してもよい。
【0140】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、自動バレー駐車サービス対応の駐車場の利用者にとって利便性が向上する様に配慮したものである。
【符号の説明】
【0142】
自動運転車両3a
非自動運転車両3b
駐車場サーバ7
駐車場管理装置5
自動バレー管制装置37
自動バレー駐車場管理システム500
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12