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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128053
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/06 20060101AFI20230907BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65D77/06 F BRH
B65D1/02 110
B65D77/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032106
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 雄飛
(72)【発明者】
【氏名】樽野 真輔
(72)【発明者】
【氏名】室屋 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】大村 一平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼濱 悠一郎
【テーマコード(参考)】
3E033
3E067
【Fターム(参考)】
3E033AA04
3E033BA14
3E033BA15
3E033BA16
3E033BA17
3E033BA18
3E033BB08
3E033DA03
3E033DB01
3E033DC04
3E033DD01
3E033FA03
3E067AA03
3E067AA04
3E067BA03C
3E067BA12B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB25B
3E067BC03C
3E067CA30
3E067EE40
3E067FA04
(57)【要約】
【課題】内袋を容器本体から引き抜くのに必要な力が低減可能な、二重容器を提供する。
【解決手段】本発明によれば、容器本体を備える、二重容器であって、前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、前記内袋は、前記容器本体から引き抜き可能に構成されており、前記内袋の最内層は、吸水によって軟化する性質を有する吸水軟化性樹脂で構成されている、二重容器が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体を備える、二重容器であって、
前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、
前記内袋は、前記容器本体から引き抜き可能に構成されており、
前記内袋の最内層は、吸水によって軟化する性質を有する吸水軟化性樹脂で構成されている、二重容器。
【請求項2】
請求項1に記載の二重容器であって、
前記吸水軟化性樹脂は、EVOH又はナイロンである、二重容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の二重容器であって、
前記二重容器は、天面が拡径されたキャップを有する倒立型容器である、二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外殻と内袋とを有する容器本体を備える二重容器が知られている。例えば、特許文献1には、外殻プリフォームと内袋プリフォームとを重ねた状態で二軸延伸ブロー成形を行うことによって形成した二重容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-10741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような二重容器の外殻と内袋とが別素材で成形されている場合や、使用後の内袋内に内容物が付着している場合等において、当該二重容器をリサイクルする際には、外殻と内袋とを分離することが望まれる。
【0005】
外殻と内袋は、内袋を容器本体から引き抜くことによって分離することが想定されており、内袋を容器本体から引き抜きやすくすることが望まれている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、内袋を容器本体から引き抜くのに必要な力が低減可能な、二重容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、容器本体を備える、二重容器であって、前記容器本体は、内袋と、前記内袋を覆うように配置された外殻を備え、前記内袋は、前記容器本体から引き抜き可能に構成されており、前記内袋の最内層は、吸水によって軟化する性質を有する吸水軟化性樹脂で構成されている、二重容器が提供される。
【0008】
本発明の二重容器では、内袋の最内層が吸水軟化性樹脂で構成されているので、内袋を容器本体から引き抜く前に内袋の最内層を濡らすことによって、内袋を容器本体から引き抜くのに必要な力を低減することができる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記吸水軟化性樹脂は、EVOH又はナイロンである、二重容器である。
好ましくは、前記記載の二重容器であって、前記二重容器は、天面が拡径されたキャップを有する倒立型容器である、二重容器である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の二重容器1の斜視図である。図中の一点鎖線は、表面形状を構成する面の曲率が変化する境界線を表す。他の図についても同様である。
図2図1の分解斜視図である。
図3図2中の領域Aの拡大図である。
図4図3の分解斜視図である。内袋4は、開口端5c近傍の一部のみを図示している。
図5】外殻3の開口端近傍の斜視図である。
図6図6Aは、中栓26を上側から見た斜視図であり、図6Bは、中栓26を下側から見た斜視図である。
図7】中栓26の中心を通る縦断面図である。
図8】内プリフォーム14及び外プリフォーム13が分離されている状態を示す斜視図である。
図9】内プリフォーム14に外プリフォーム13を被せることによって構成されたプリフォーム15
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0012】
1.二重容器1の構成
<基本構成>
図1に示すように、本発明の一実施形態の二重容器1は、容器本体2と、口部装着部材8を備える。
【0013】
図2図3に示すように、容器本体2は、口部5と、胴部6と、底部7を備える。口部5は、開口端5cを有する筒状(好ましくは円筒状)部位である。口部5は、キャップやポンプなどの口部装着部材8を装着可能な係合部5aを備える。本実施形態では、口部装着部材8が打栓式であるので、係合部5aは、周方向に突出する環状凸部5a2である。口部装着部材8がネジ式の場合は、係合部5aは、雄ねじ部となる。口部5には、フランジ5bが設けられている。フランジ5bは、口部5に口部装着部材8を装着する際に口部5を支持するために利用可能である。
【0014】
図4に示すように、容器本体2は、内袋4と、内袋4を覆うように配置された外殻3を備える。内袋4は、突出部4c以外の部位が外殻3内に収容されている。以下の説明では、内袋4のうち、容器本体2の口部5、胴部6、及び底部7に相当する部位をそれぞれ、内袋4の口部5、胴部6、及び底部7のように称する。外殻3についても同様である。
【0015】
口部装着部材8は、逆止弁(不図示)を有していてもいなくてもよい。口部装着部材8に逆止弁が設けられていない場合は、内袋4の内容物を吐出した後にも内袋4が収縮しないので、外殻3の口部5を通じて、内袋4を引き出すことが容易でない。本発明は、内袋4を外殻3の口部5を通じて引き出すことを容易にするものであるので、口部装着部材8に逆止弁が設けられていない場合に、本発明を適用する意義が特に顕著である。また、容器本体2には、内袋4と外殻3の間の中間空間に外気を導入する外気導入部が設けられていてもいなくてもよい。外気導入部としては、外殻3を穿孔して形成された外気導入孔や、容器本体2の底部又は口部での外殻3と内袋4の界面を剥離して外気導入を可能にした部位が挙げられる。本実施形態の二重容器1では、内袋4を収縮させる必要がないので、外気導入部を設けることが必須ではない。
【0016】
外殻3の口部5の内径は、例えば20~50mmであり、25~40mmが好ましい。外殻3の口部5の内径は、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。口部5の長さは、例えば15~35mmであり、具体的には例えば、15、20、25、30、35mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0017】
胴部6は、口部5よりも開口端5cから離れた側に口部5に隣接して配置される。胴部6は、口部5よりも外径(本明細書において、「外径」は、断面が円形でない場合は、外接円径を意味する。)が大きい。胴部6は筒状であり、底部7は、胴部6の下端に設けられ、胴部6の下端を閉塞する。胴部6は、口部5から離れるにつれて外径が大きくなる肩部6bを備える。また、胴部6は、肩部6bよりも底部7側に、胴部本体6cを備える。胴部本体6cは、例えば、底部7に向かって外径が略一定である形状であるか、又は底部7に向かって縮径する形状である。
【0018】
<材料・層構成>
内袋4は、容器本体2から引き抜き可能に構成されており、内袋4内の内容物を使い切った後に、内袋4を容器本体2から引き抜くことによって、内袋4と外殻3を分離することができる。内袋4を外殻3に対して45度相対回転させたときのピークトルク値(以下、単に、「ピークトルク値」と称する。)は、200cN・m以下であることが好ましく、140cN・m以下であることがさらに好ましく、100cN・m以下であることがさらに好ましい。このピークトルク値は、容器本体2の口部5での内袋4と外殻3の嵌合の強さを示す指標であり、値が大きいほど内袋4と外殻3が強く嵌合していて内袋4を容器本体2から引き抜きにくい。本実施形態の容器本体2では、ピークトルク値が200cN・m以下という小さい値であるので、内袋4を容器本体2から引き抜きやすい。このピークトルク値は、例えば、10~200cN・mであり、具体的には例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200cN・mであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以下であってもよい。ピークトルク値は、内袋4内に内容物が入っていない状態で、外殻3を固定すると共に内袋4を把持して、内袋4を右回り(容器本体2を正立させた状態で上方から見たときの反時計回り)に45度回転させたときに、回転中に測定されるトルクのピーク値である。ピークトルク値は、トルクメーター(型式:2TME500CN2、東日製作所製)を用いて測定することができる。
【0019】
内袋4の最内層は、吸水によって軟化する性質を有する吸水軟化性樹脂で構成されている。このため、内袋4を容器本体2から引き抜く前に内袋4の最内層を濡らすことによって、内袋4を容器本体から引き抜くのに必要な力を低減することができる。
【0020】
吸水軟化性樹脂は、吸水による曲げ弾性率の低下率が10%以上である樹脂を意味する。この低下率は、例えば、10~80%であり、具体的には例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。
【0021】
吸水による曲げ弾性率の低下率は、以下の手順で求めることができる。曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して25℃で測定することができる。
・まず、試験対象の樹脂を用いて射出成形によって80mm×10mm×4mmの試験片を作成し、曲げ弾性率を測定し、測定値をP1とする。
・次に、試験片を水に96時間浸漬させて吸水させた後に曲げ弾性率を測定し、測定値をP2とする。
・以下の式(1)に基づいて、吸水による曲げ弾性率の低下率を算出する。
吸水による曲げ弾性率の低下率(%)=100×(P1-P2)/P1 ・・・(1)
【0022】
吸水軟化性樹脂の吸水前の曲げ弾性率は、1000N/mm以上が好ましく、2000N/mm以上がさらに好ましい。吸水軟化性樹脂の吸水前の曲げ弾性率がこのような高い値を有する場合に、本発明を適用して、内袋4の引き抜き力を低減することの技術的意義が顕著である。この曲げ弾性率は、例えば、1000~10000N/mmであり、具体的には例えば、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000、10000N/mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。
【0023】
ここで、数種の樹脂について、曲げ弾性率及びその低下率を上述の方法で測定した結果を表1に示す。表1に示すように、EVOH及びナイロンは、吸水による曲げ弾性率の低下率が10%以上であるので、吸水軟化性樹脂であり、ポリプロピレン及びPETは、この低下率が10%未満であるので、吸水軟化性樹脂でない。
【表1】
【0024】
内袋4は、単位幅当たりの曲げ剛性が、100mN・mm以下であることが好ましい。曲げ剛性は、しなやかさの指標となるパラメータであり、曲げ剛性が大きすぎると、内袋4を容器本体2から引き抜きにくくなる場合がある。内袋4の、単位幅当たりの曲げ剛性は、10mN・mm以上が好ましい。曲げ剛性を低くするには、内袋4の肉厚を薄くする必要があるが、内袋4の肉厚を薄くすると内袋4にピンホールが発生しやすくなるからである。内袋4の、単位幅当たりの曲げ剛性は、具体的には例えば、10、15、20、23、25、30、35、40、45、50、51、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100mN・mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以下であってもよい。
【0025】
曲げ剛性は、以下の式(2)~(3)に基づいて算出することができる。
曲げ剛性[N・mm]=曲げ弾性率E[N/mm]×断面二次モーメントI[mm] ・・・(2)
断面二次モーメントI[mm]=幅b[mm]×厚さh[mm]/12 ・・・(3)
【0026】
単位幅当たりの曲げ剛性は、以下の式(4)で定義され、式(2)~(3)を参照すると、式(5)に基づいて算出することができる。
単位幅当たりの曲げ剛性[N・mm]=曲げ剛性[N・mm]/幅b[mm] ・・・(4)
単位幅当たりの曲げ剛性[N・mm]=曲げ弾性率E[N/mm]×厚さh[mm]/12 ・・・(5)
【0027】
内袋4を構成する樹脂がポリプロピレンであり、且つ内袋4の肉厚が0.1mmである場合、単位幅当たりの曲げ剛性は、51mN・mmとなる。このため、単位幅当たりの曲げ剛性が上記数値範囲内である場合、内袋4は、内袋4がポリプロピレン製である場合にほぼ匹敵するしなやかさを有する。また、内袋4を構成する樹脂が上記のEVOHであり、内袋4の肉厚が0.05mmである場合、単位幅当たりの曲げ剛性は、23mN・mmとなる。
【0028】
吸水軟化性樹脂としては、EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)、ナイロン、紙混合プラスチックなどが挙げられる。吸水軟化性樹脂は、好ましくは、EVOHを50質量%以上含むEVOH系樹脂である。EVOH系樹脂は、EVOHのみを含んでもよく、EVOHとその他の樹脂の混合樹脂であってもよい。その他の樹脂としては、ナイロンや、オレフィン系樹脂が挙げられる。オレフィン系樹脂とは、樹脂中のオレフィン単位が50質量%以上である樹脂である。オレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。オレフィン系樹脂に含まれるオレフィン単位の割合は、例えば、50~100質量%であり、具体的には例えば、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィン(エチレン等)の共重合体(ランダム共重合体又はブロック共重合体)などが挙げられる。EVOH系樹脂中のEVOHの割合は、例えば、50~100質量%であり、具体的には例えば、50、60、70、80、90、100質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内又は何れか以上であってもよい。
【0029】
EVOHは、エチレン含有量が25~46mol%であることが好ましい。EVOHのエチレン含有量が低すぎると、内袋4の柔軟性の低下が顕著になり、内袋4の引き抜き性の悪化が顕著になりやすい。また、EVOHのエチレン含有量が低すぎると、内袋4がもろくなりすぎて、図1に示すように、口部装着部材8を内袋4の突出部4cに係合させる際に、突出部4cに割れが発生する虞がある。一方、EVOHのエチレン含有量が高すぎると、内袋4のガスバリア性の向上が不十分になりやすい。エチレン含有量を上記範囲にすることによって、上記問題の発生を抑制することができる。エチレン含有量は、具体的には例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0030】
内袋4は、単層構成であってもよく、多層構成であってもよい。内袋4が単層構成である場合、内袋4の全体が最内層となる。また、内袋4が単層構成である場合、内袋4を形成するための内プリフォーム14(図9に図示)も単層構成とすることができる。単層構成の内プリフォーム14は、一般的な射出成形によって形成することができるので、製造コストを低くすることができる。内袋4が多層構成である場合は、吸水軟化性樹脂で構成された最内層の外側に別の層を備える。別の層としては、オレフィン系樹脂で構成されたオレフィン系樹脂層が挙げられる。オレフィン系樹脂の説明は、上述した通りである。
【0031】
容器本体2の高さ方向の中央での内袋4の肉厚は、例えば、0.05~0.25mmであり、0.08~0.20mmが好ましい。この肉厚は、具体的には例えば、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.15、0.20、0.25mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。内袋4全体の肉厚に対する最内層の肉厚の割合は、30%以上が好ましい。この値が大きいほど、最内層の吸水による内袋4の軟化効果が顕著になる。この割合は、例えば30~100%であり、具体的には例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0032】
外殻3の材料及び層構成は、特に限定されず、外殻3は、ポリエステル(例:PET)やポリオレフィン(例:ポリプロピレン、ポリエチレン)等の熱可塑性樹脂で形成することができ、リサイクル性の観点からはPETで形成することが好ましい。また、環境負荷低減の観点からは、外殻3は、バイオマスプラスチックで形成することが好ましい。
【0033】
容器本体2の高さ方向の中央での外殻3の肉厚は、例えば、0.2~0.8mmであり、0.25~0.5mmが好ましい。この肉厚は、具体的には例えば、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0034】
<口部装着部材8の構造及び口部装着部材8と容器本体2との係合構造>
口部装着部材8は、容器本体2の口部5に装着される。図2に示すように、口部装着部材8は、例えばキャップであり、中栓26と、オーバーキャップ27を備える。オーバーキャップ27は、省略可能である。中栓26は、内袋4と軸方向に係合しており、周方向には係合していてもしていなくてもよい。オーバーキャップ27は、中栓26に係合されている。この係合は、ネジ係合であっても、スナップ係合であってもよい。なお、本明細書において、「軸方向」とは、口部5の中心軸Cが延びる方向であり、言い換えると、容器本体2から内袋4を引き抜く方向である。「周方向」とは、口部5の中心軸Cを中心として回転させる方向であり、言い換えると、口部5において内袋4を外殻3に対して、相対回転させる方向である。
【0035】
ところで、二重容器1は、天面が拡径されたキャップを有する倒立型容器であることが好ましい。この場合、二重容器1を倒立させた状態で天面を設置させて二重容器1を安定的に載置することができる。本実施形態では、二重容器1を倒立状態で安定的に載置することを可能にすべく、オーバーキャップ27には、オーバーキャップ27の天面27dを含むように設けられた拡径部27eが設けられている。倒立状態では、天面27dが接地面であり、拡径部27eを設けることによって、天面27dの面積が増大して、二重容器1は、倒立状態での載置安定性が向上する。
【0036】
ところで、二重容器1を倒立状態で載置すると、内容物量が少なくなった後でも、内容物が肩部6bに接触しやすくなる。内容物には水分が含まれているので、内容物を肩部6bに接触させることによって、内袋4の最内層を構成する吸水軟化性樹脂を軟化させることができる。内袋4を容器本体2から引き抜く際に肩部6bが口部5を通過する際に抵抗力が大きくなりやすいので、内袋4の肩部6bを軟化させることによって、容器本体2からの内袋4の引き抜きに必要な力が特に低減される。
【0037】
口部装着部材8は、口部装着部材8の回転(ここでは、外殻3に対する相対回転)に伴って、口部5において内袋4が回転するように構成されていることが好ましい(つまり、口部装着部材8は、内袋4と周方向に係合していることが好ましい)。このような構成によれば、口部装着部材8を回転させることによって口部5において内袋4を回転させることが可能である。本実施形態の容器本体2は、内袋4を外殻3に対して相対回転させることによって、内袋4が容器本体2から抜け出す方向に移動するので、口部装着部材8を回転させることによって、内袋4を容器本体2からせり上がらせることができる。そして、内袋4が容器本体2からせり上がった部分をきっかけとして、内袋4を容器本体2から容易に引き抜くことができる。
【0038】
また、容器本体2の胴部6は、口部5よりも外径が大きいので、単に、内袋4を引っ張るだけでは、外殻3の口部5を通じて内袋4を引き出すことは容易ではないが、内袋4の口部5を回転させて内袋4を捻って内袋4の胴部6を縮径させることによって、内袋4の胴部6が外殻3の口部5を通過しやすくなり、容器本体2から内袋4を容易に引き出すことができる。
【0039】
以下、口部装着部材8と容器本体2の係合構造をより具体的に説明する。
【0040】
図3図4に示すように、内袋4は、外殻3の開口端3aから突出する突出部4cを備える。突出部4cは、突出筒4c1と、係合凸部4c2と、当接フランジ4c4を備える。
【0041】
係合凸部4c2は、突出筒4c1の周面から径方向外側に向かって突出する。係合凸部4c2は、周方向に離間されて複数箇所(本実施形態では8箇所)に設けられる。係合凸部4c2は、上面にテーパー面4c3が設けられている。これによって、後述するように、口部装着部材8の環状凸部28c(図6B及び図7に図示)が係合凸部4c2を乗り越えやすくなっている。
【0042】
当接フランジ4c4は、開口端3aに当接する位置に配置され且つ突出筒4c1よりも拡径された環状部位である。当接フランジ4c4が開口端3aに当接することによって、内袋4が外殻3内に脱落することが回避される。一方、当接フランジ4c4を設けずに、係合凸部4c2を開口端3aに当接させることによって内袋4が外殻3内に脱落することを回避するようにしてもよい。
【0043】
外殻3の口部5の外周面には環状凸部5a2と、環状凸部5a2に間欠的に設けられた突起3kが設けられている。突起3kは、環状凸部5a2上に周方向に離間されて複数箇所(本実施形態では8箇所)に設けられている。
【0044】
図2図6及び図7に示すように、本実施形態では、口部装着部材8は、打栓式であり、軸方向の力を口部装着部材8に加えることによって口部装着部材8を口部5に装着することが可能になっている。
【0045】
図7に示すように、中栓26は、本体部28と、バンド部29を備える。本体部28とバンド部29は、易引裂性の連結部30を介して互いに連結されている。
【0046】
バンド部29は、外殻3の口部5に軸方向に係合する。このため、バンド部29は、外殻3の口部5に対して軸方向の移動が規制される。バンド部29は、外殻3の口部5に周方向に係合していてもいなくてもよい。バンド部29が外殻3の口部5に周方向に係合している場合、バンド部29は、外殻3の口部5に対して周方向の移動が規制される。
【0047】
本体部28は、内袋4の口部5に軸方向に係合する。このため、本体部28は、内袋4の口部5に対して軸方向の移動が規制される。本体部28は、内袋4の口部5に周方向に係合していてもいなくてもよい。本体部28が内袋4の口部5に周方向に係合している場合、本体部28は、内袋4の口部5に対して周方向の移動が規制される。
【0048】
連結部30は、本体部28とバンド部29の間に力(せん断力、回転方向の力など)を加えることによって引き裂くことができるように構成されている。連結部30は、本体部28及びバンド部29よりも薄肉であることが好ましい。
【0049】
バンド部29は、外筒29aと、内筒29bを備える。内筒29bは、外筒29aの内側に配置される。外筒29aと内筒29bは、バンド部29の下端でつながっており、内筒29bは、連結部30を介して本体部28に連結されている。内筒29bは、環状凸部5a2を取り囲むように配置される。内筒29bの内周面には周方向に延びる係合凸部29cが設けられている。係合凸部29cが環状凸部5a2に軸方向に係合することによってバンド部29が、外殻3の口部5に軸方向に係合する。係合凸部29cの下側にはテーパー面が設けられており、係合凸部29cが環状凸部5a2を乗り越えるのに必要な力が低減されている。
【0050】
また、環状凸部5a2に設けられた突起3kが中栓26に押圧されることによって、中栓26が、外殻3の口部5に周方向に摩擦係合される。後述するように、本実施形態の二重容器1は、口部装着部材8と内袋4が一体となって回転することによって、内袋4が容器本体2から抜け出す方向に移動するように構成されており、意図せずして、口部装着部材8が外殻3に対して回転すると、内袋4が意図せずして、容器本体2から抜け出してしまうという問題が発生する虞がある。このような問題の発生を防ぐべく、中栓26を外殻3の口部5に周方向に係合させて、口部装着部材8が外殻3の口部5に対して回転することを抑制している。
【0051】
バンド部29の外筒29aには、薄肉部29a1が設けられている。薄肉部29a1で引き裂きを開始した後に連結部30を引き裂くことによって、バンド部29を取り外すことが可能になっている。
【0052】
本体部28は、外筒28aと、内筒28bと、環状凸部28cと、係合凸部28dと、天板28eと、吐出筒28fと、取付筒28gを備える。
【0053】
天板28eは、外筒28aの上面に設けられる。天板28eの下面には内筒28bが設けられている。内筒28bは、外筒28aよりも直径が小さく、外筒28aの内部に配置される、いわゆるインナーリングである。天板28eの上面には、吐出筒28fと取付筒28gが設けられている。内袋4内の内容物は、吐出筒28fを通って吐出される。図2に示すように、取付筒28gの外周面には、雄ネジ部28g1が設けられており、雄ネジ部28g1が、オーバーキャップ27の筒部27cの内周面に設けられた雌ネジ部と係合することによって、オーバーキャップ27が中栓26にネジ係合される。この場合、オーバーキャップ27を中栓26に対して相対回転させることによって、オーバーキャップ27を中栓26に対して着脱させることができる。なお、オーバーキャップ27は、スナップ係合及びその解除によって中栓26に対して着脱させるようにしてもしてもよい。
【0054】
環状凸部28cは、外筒28aの内周面に周方向に延びるように設けられる環状の凸部である。環状凸部28cが係合凸部4c2と軸方向に係合することによって、本体部28が内袋4の口部5に軸方向に係合する。係合凸部28dは、周方向に離間されて複数箇所(本実施形態では8箇所)に設けられている。係合凸部28dは、隣接する係合凸部4c2の間に配置され、これによって、本体部28が内袋4の口部5に周方向に係合する。
【0055】
<外殻3と内袋4の間の係合構造>
図4に示すように、内袋4の外周面には、カム凸部4gと、係合凸部4hが設けられている。カム凸部4gと係合凸部4hは、互いにつながっている。カム凸部4gと係合凸部4hのそれぞれの下面は、それぞれ、口部5の開口端5c側から見て、時計周りに進むにつれて開口端5cに近づくように傾斜している。
【0056】
図5に示すように、外殻3の内周面には、カムレール3lと、係合凹部3mが設けられている。係合凹部3mは、係合凹部3mの下面がカムレール3lの上面と連続するように設けられている。カムレール3lの上面及び係合凹部3mの下面は、開口端3a側から見て、時計周りに進むにつれて開口端3aに近づくように傾斜している。内袋4を容器本体2から引き抜く前の状態では、係合凸部4hが係合凹部3m内に配置されており、カム凸部4gの下面がカムレール3lの上面に当接している。カム凸部4gとカムレール3lによって、カム機構31が構成される。本実施形態では、係合凹部3mは貫通孔であるが、非貫通孔であってもよい。
【0057】
<内袋4の引き抜き方法>
まず、内袋4の引き抜きを開始する前に、内袋4の最内層を濡れた状態にして軟化させる。内袋4の最内層は、内容物の水分で濡れた状態にしてもよく、内容物を使い切った後に外部から供給した水で内袋4の最内層を濡れた状態にしてもよい。また、二重容器1が倒立容器である場合は、内容物を使い切る直前まで内容物が肩部6bに接触した状態となるので、内容物を使い切った後に別段の作業を行わなくても、肩部6bを濡れた状態になっている。また、二重容器1が倒立容器でなくても、内容物を使い切る前に、二重容器1を倒立させることによって、内容物で肩部6bを濡れた状態にすることにできる。
【0058】
次に、内袋4を容器本体2から引き抜く作業を行う。この作業は、一例では、以下の方法によって行うことができる。
【0059】
内袋4の引き抜きを開始する前の状態では、口部装着部材8の本体部28とバンド部29が連結されており、かつバンド部29が外殻3の口部5に軸方向に係合しているので、この状態では、内袋4を容器本体2から引き抜くことはできない。このため、まずは、連結部30を引き裂いて、バンド部29を取り外す。これによって、口部装着部材8と、外殻3の口部5との係合が解除され、内袋4の引き抜きが可能になる。
【0060】
次に、開口端5cから見て時計回りに口部装着部材8を回転させる。内袋4は、口部装着部材8と周方向に係合しているので、口部装着部材8の回転に伴って内袋4も同じ方向に回転し、カム凸部4gがカムレール3lに沿って移動し、この移動に伴って内袋4が容器本体2から抜け出す方向に移動する。この際に、内袋4が捻られて、内袋4の胴部6が縮径される。なお、開口端5cから見て反時計回りに内袋4を回転させようとすると、カムレール3lを構成する凸部に、内袋4のカム凸部4gが干渉して内袋4を回転させることができないようになっている。このため、内袋4を回転させる方向を間違えることが防止される。
【0061】
この後は、内袋4を容器本体2から引き抜くように口部装着部材8を軸方向に移動させる。口部装着部材8は、内袋4と軸方向に係合しているので、口部装着部材8に加えた軸方向の力が内袋4に伝達されて、内袋4が容器本体2から引き抜かれる。この引き抜きは、内袋4が容器本体2からせり上がった状態で行われるので、内袋4の引き抜きに必要な力が低減される。
【0062】
なお、上記の例では、口部装着部材8を用いて内袋4の引き抜きを行っているが、内袋4を手で把持して引き抜く等の方法で内袋4の引き抜きを行ってもよい。何れの場合でも、内袋4の最内層が吸水によって軟化されているので、内袋4の引き抜きに必要な力が低減されている。
【0063】
2.二重容器1の製造方法
図8図9に示すように、容器本体2は、パリソンのブロー成形によって形成することができる。ブロー成形は、ダイレクトブロー成形であってもよく、インジェクションブロー成形であってもよい。ダイレクトブロー成形では、押出機から押し出された溶融状態の筒状(好ましくは円筒状)パリソンを一対の分割金型で挟んでパリソン内部にエアーを吹き込むことによって容器本体2を製造する。インジェクションブロー成形では、プリフォームと呼ばれる試験管状の有底パリソンを射出成形によって形成し、このパリソンを用いてブロー成形を行う。インジェクションブロー成形では、内袋4が外殻3に密着されにくく、内袋4を引き抜きやすいので、容器本体2は、インジェクションブロー成形で形成することができる。
【0064】
以下、インジェクションブロー成形による容器本体2の製造方法について詳細に説明する。インジェクションブロー成形では、容器本体2は、プリフォーム15を加熱して二軸延伸ブロー成形することによって形成することができる。
【0065】
<内プリフォーム14、外プリフォーム13,プリフォーム15の構成>
プリフォーム15は、一例では、内袋4となる内プリフォーム14に、外殻3となる外プリフォーム13を被せて構成することができる。
【0066】
図8に示すように、内プリフォーム14は、有底筒状であり、口部14aと、胴部14bと、底部14cを備える。口部14aの開口端には、突出部14dが設けられている。突出部14dは、成形時に変形せずにそのままの形状で突出部4cとなる。従って、突出部4cについて述べた事項は、突出部14dにも当てはまる。底部14cは、胴部14bの下端を閉じるように設けられる。底部14cには、位置決めピン14c1が設けられている。内プリフォーム14の口部14aの外周面には、カム凸部4gと係合凸部4hになるカム凸部14g,係合凸部14hが設けられている。
【0067】
図8に示すように、外プリフォーム13は、有底筒状であり、口部13aと、胴部13bと、底部13cを備える。底部13cは、胴部13bの下端を閉じるように設けられる。底部13cには、環状凸部13d及び位置決め孔(不図示)が設けられている。外プリフォーム13の口部13aには、カムレール3lとなるカムレール13lと、係合凹部3mとなる係合凹部13mが設けられている。
【0068】
図9に示すように、プリフォーム15を形成する際に、突出部14dを口部13aの開口端に当接させると共に、位置決めピン14c1を位置決め孔に挿入する。これによって、内プリフォーム14と外プリフォーム13が互いに位置決めされる。この状態では、口部14aと口部13aが対向し、胴部14bと胴部13bが対向する。
【0069】
口部13a,14aがプリフォーム15の口部15aとなり、胴部13b,14bがプリフォーム15の胴部15bとなり、底部13c,14cがプリフォーム15の底部15cとなる。胴部15b及び底部15cが、二軸延伸ブロー成形において主に延伸される。
【0070】
<内プリフォーム14と外プリフォーム13の口部15aでの凹凸係合>
ところで、プリフォーム15を加熱して二軸延伸ブロー成形する際には、通常、プリフォーム15の内周面側(つまり、内プリフォーム14の内周面側)が支持される。プリフォーム15の搬送方法としては、底部15cを下側に向ける正立搬送と、底部15cを上側に向ける倒立搬送があり、正立搬送が一般的であり、好ましい。一方、プリフォーム15を正立搬送すると、外プリフォーム13が内プリフォーム14から外れて脱落してしまうという問題が発生する虞がある。口部15aにおいて外プリフォーム13と内プリフォーム14を強く嵌合させると、外プリフォーム13の脱落を抑制することが可能であるが、その場合、成形によって得られる容器本体2において、内袋4が容器本体2から外れにくくなるという問題が新たに発生する。
【0071】
そこで、使用後には内袋4を容器本体2から容易に引き出すことを可能にしつつ、外プリフォーム13の脱落を抑制すべく、本実施形態では、内プリフォーム14と外プリフォーム13を口部15aにおいて凹凸係合させている。
【0072】
本実施形態では、凹凸係合は、図8に示すように、内プリフォーム14の口部14aの外周面に設けた係合凸部14hと、外プリフォーム13の口部13aの内面に設けた係合凹部13mの係合である。係合凸部14h及び係合凹部13mがそれぞれ係合凸部4h及び係合凹部3mとなる。
【0073】
<内プリフォーム14と外プリフォーム13の材料・製造方法>
内プリフォーム14は、内袋4について上述した材料で形成することができる。内プリフォーム14は、ダイレクトブロー成形や射出成形等によって形成可能であるが、製造コスト等の観点において、射出成形で形成することが好ましい。複数層構成の内袋4は、複数層構成の内プリフォーム14を用いて形成可能である。複数層構成の内プリフォーム14は、二色成形や共射出成形によって形成することができる。
【0074】
外プリフォーム13は、外殻3について上述した材料で形成することができる。外プリフォーム13は、ダイレクトブロー成形や射出成形等によって形成可能であるが、製造コスト等の観点において、射出成形で形成することが好ましい。
【0075】
プリフォーム15は、内プリフォーム14と外プリフォーム13を別々に形成した後に、両者を組み合わせることによって形成してもよく、二色成形によって形成してもよい。
【0076】
3.その他の実施形態
上記実施形態では、口部装着部材8が打栓式である場合を例に挙げて、内袋4の引き抜き方法を説明したが、口部装着部材8は、ネジ式であってもよい。口部装着部材8がネジ式である場合、口部装着部材8を内袋4と周方向及び軸方向に係合させておくと、口部装着部材8と口部5の螺合を解除させるために口部装着部材8を回転させると、口部装着部材8の軸方向移動に伴って内袋4を容器本体2からせり上がらせることができる。この場合、外殻3と内袋4の間にカム機構31のような機構を設ける必要がない。
【符号の説明】
【0077】
1 :二重容器
2 :容器本体
3 :外殻
3a :開口端
3k :突起
3l :カムレール
3m :係合凹部
4 :内袋
4c :突出部
4c1 :突出筒
4c2 :係合凸部
4c3 :テーパー面
4c4 :当接フランジ
4g :カム凸部
4h :係合凸部
5 :口部
5a :係合部
5a2 :環状凸部
5b :フランジ
5c :開口端
6 :胴部
6b :肩部
6c :胴部本体
7 :底部
8 :口部装着部材
13 :外プリフォーム
13a :口部
13b :胴部
13c :底部
13d :環状凸部
13l :カムレール
13m :係合凹部
14 :内プリフォーム
14a :口部
14b :胴部
14c :底部
14c1 :位置決めピン
14d :突出部
14g :カム凸部
14h :係合凸部
15 :プリフォーム
15a :口部
15b :胴部
15c :底部
26 :中栓
27 :オーバーキャップ
27c :筒部
27d :天面
27e :拡径部
28 :本体部
28a :外筒
28b :内筒
28c :環状凸部
28d :係合凸部
28e :天板
28f :吐出筒
28g :取付筒
28g1 :雄ネジ部
29 :バンド部
29a :外筒
29a1 :薄肉部
29b :内筒
29c :係合凸部
30 :連結部
31 :カム機構
A :領域
C :中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9