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特開2023-128059注文管理装置、注文管理システム及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128059
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】注文管理装置、注文管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0832 20230101AFI20230907BHJP
【FI】
G06Q10/08 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032115
(22)【出願日】2022-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】雫 彩花
(72)【発明者】
【氏名】山田 知子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】ロッカーで商品を受け取る場合でも商品である食品の鮮度を保つことができる注文管理装置、注文管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】顧客からの注文を管理する注文管理装置は、顧客が店舗から購入する商品について指定日時にロッカー受け取りを希望する旨の注文依頼を受け付けると商品の第1の受取可能時間を設定して商品に応じたロッカーを予約し、第1の受取可能時間を含む注文完了通知を顧客に送信し、注文登録要求を店舗に送信する受付部と、少なくともロッカーの外気温情報に基づいて商品の第1の受取可能時間を補正して第2の受取可能時間を算出し、商品の第2の受取可能時間を再設定して第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更する旨の通知を顧客及び店舗に送信し、第2の受取可能時間が第1の受取可能時間と同じ場合には第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更しない旨の通知を顧客に送信する補正部と、を備えている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客からの注文を管理する注文管理装置であって、
顧客が店舗から購入する商品について指定日時にロッカー受け取りを希望する旨の注文依頼を受け付けると、前記商品の第1の受取可能時間を設定して、前記商品に応じたロッカーを予約し、前記第1の受取可能時間を含む注文完了通知を顧客に送信し、注文登録要求を店舗に送信する、受付部と、
少なくとも前記ロッカーの外気温情報に基づいて前記商品の第1の受取可能時間を補正して第2の受取可能時間を算出し、前記商品の前記第2の受取可能時間を再設定して、前記第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更する旨の通知を顧客及び店舗に送信し、前記第2の受取可能時間が前記第1の受取可能時間と同じ場合には、前記第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更しない旨の通知を顧客に送信する、補正部と、
を備えた注文管理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記商品に応じたロッカーが予約できない場合には、前記注文依頼を却下する、請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項3】
前記受付部は、予約するロッカーの種類を、前記商品に含まれるメニューに応じて、常温ロッカー、冷蔵ロッカー、及び保温ロッカーの中から選択する、請求項1又は請求項2に記載の注文管理装置。
【請求項4】
前記第1の受取可能時間は、予め定めた基準受取可能時間を、前記ロッカーの種類毎に季節及び時間帯に応じて予め設定された補正値で補正して得られる、請求項3に記載の注文管理装置。
【請求項5】
前記補正部は、予約した前記ロッカーが前記常温ロッカー及び前記冷蔵ロッカーの場合は、前記ロッカーの外気温が上限閾値以上の場合に第1の受取可能時間を短縮し、前記ロッカーの外気温が下限閾値以下の場合に第1の受取可能時間を延長する、請求項3又は請求項4に記載の注文管理装置。
【請求項6】
前記補正部は、予約した前記ロッカーが前記保温ロッカーの場合は、前記ロッカーの外気温が上限閾値以上の場合に第1の受取可能時間を延長可能とし、前記ロッカーの外気温が下限閾値以下の場合に第1の受取可能時間を短縮する、請求項3又は請求項4に記載の注文管理装置。
【請求項7】
前記補正部は、前記第1の受取可能時間を予め定めた補正幅で延長又は短縮する、請求項5又は請求項6に記載の注文管理装置。
【請求項8】
前記補正部は、前記ロッカーの予約が延長できない場合は、前記第1の受取可能時間を延長しない、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の注文管理装置。
【請求項9】
前記補正部は、前記受取可能時間を変更する旨の通知又は前記受取可能時間を変更しない旨の通知と共に、前記ロッカーを開錠するための受取情報を顧客に送信する、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の注文管理装置。
【請求項10】
逐次更新される注文情報管理テーブルに基づいて前記商品の受け取り状況を監視する監視部をさらに備え、
前記監視部は、前記第2の受取可能時間の終了時刻の所定時間前に、前記商品の受け取りが未完了の注文に関し、対応する顧客に前記商品の受け取りを促すための警告を送信する、
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の注文管理装置。
【請求項11】
逐次更新される注文情報管理テーブルに基づいて前記商品の受け取り状況を監視する監視部をさらに備え、
前記監視部は、前記第2の受取可能時間の経過後に、前記商品の受け取りが未完了の注文に関し、対応する店舗に対し前記商品の引き取り要求を送信すると共に、対応する顧客に対し前記商品を前記対応する店舗で受け取るための案内を送信する、
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の注文管理装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の注文管理装置と、
複数のロッカーの空き状況を管理し、前記ロッカーの予約を受け付けるロッカー管理装置と、を備え、
前記注文管理装置が、前記ロッカー管理装置を介して前記商品に応じたロッカーを予約又はロッカーの予約を変更する、
注文管理システム。
【請求項13】
コンピュータに、
顧客が店舗から購入する商品について指定日時にロッカー受け取りを希望する旨の注文依頼を受け付けるステップと、
前記商品の第1の受取可能時間を設定するステップと、
前記商品に応じたロッカーを予約するステップと、
通信部に前記第1の受取可能時間を含む注文完了通知を顧客に送信させるステップと、
前記通信部に注文登録要求を店舗に送信させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
顧客が店舗から購入する商品について指定日時にロッカー受け取りを希望する旨の注文依頼に応じて、少なくともロッカーの外気温情報に基づいて予め設定された前記商品の第1の受取可能時間を補正して第2の受取可能時間を算出するステップと、
前記商品の前記第2の受取可能時間を再設定するステップと、
通信部に前記第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更する旨の通知を顧客及び店舗に送信させるステップと、
前記通信部に前記第2の受取可能時間が前記第1の受取可能時間と同じ場合には、前記第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更しない旨の通知を顧客に送信させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文管理装置、注文管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が、事前に注文しておいた商品(例えば、飲食物などの食品)をロッカーで受け取るという販売形態がある。店舗が混み合っている場合や販売者と対面したくない場合など、ロッカーでの受け取りには一定のニーズが存在する。
【0003】
特許文献1には、一般品の収容ボックスの他に調理品専用の収容ボックスを設け、ここにIH(電磁誘導加熱)方式の食品保温・加熱手段、または、/およびベルチェ素子を活用した冷却手段を搭載した宅配品の収納保管用のボックスロッカーを駅やバスターミナル等の人の往来が集合する場所に設置し、ボックスロッカーに、表示画面およびコンピュータ機能を有し、ICカードのカードリーダ機能を有する操作機器を組み合わせ、機器の操作でボックスロッカーを開けるようにしたことを特徴とする宅配システムロッカーが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、顧客からの注文に応じた商品を保管ロッカーを介して顧客に受け渡す商品販売システムにおける保管ロッカーの選択方法であって、顧客による注文メニューを受付けるステップと、注文メニューに含まれる商品の量及び/ 又はサイズを判断するステップと、判断された商品の量及び/ 又はサイズの保存条件を判断するステップと、判断された保存条件に合った商品を収納可能な保管ロッカーを選択するステップと、選択された保管ロッカーに注文メニューに含まれる商品を収納後に施錠するステップと、を含むことを特徴とする保管ロッカーの選択方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-240405号公報
【特許文献2】特開2010-176607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の販売形態では、顧客は時間を指定してロッカーで商品を受け取るが、諸事情により商品の受け取りが遅くなることがある。商品が食品である場合は、商品の受け取りが遅くなると、温かい飲み物が冷める、生鮮食品が傷む等の問題が生じる。また、通常、ロッカーは人の監視下にないため、ロッカーでの食品の受け渡しに関し、衛生面に不安を覚える顧客も存在する。したがって、上記の販売形態で食品を受け渡しする場合、食品の鮮度を維持することが求められる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、ロッカーで商品を受け取る場合でも、商品である食品の鮮度を保つことができる、注文管理装置、注文管理システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の注文管理装置は、顧客からの注文を管理する注文管理装置であって、顧客が店舗から購入する商品について指定日時にロッカー受け取りを希望する旨の注文依頼を受け付けると、前記商品の第1の受取可能時間を設定して、前記商品に応じたロッカーを予約し、前記第1の受取可能時間を含む注文完了通知を顧客に送信し、注文登録要求を店舗に送信する、受付部と、少なくとも前記ロッカーの外気温情報に基づいて前記商品の第1の受取可能時間を補正して第2の受取可能時間を算出し、前記商品の前記第2の受取可能時間を再設定して、前記第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更する旨の通知を顧客及び店舗に送信し、前記第2の受取可能時間が前記第1の受取可能時間と同じ場合には、前記第2の受取可能時間を含む受取可能時間を変更しない旨の通知を顧客に送信する、補正部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ロッカーで商品を受け取る場合でも、商品である食品の鮮度を保つことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る注文管理システムの構成の一例を示す模式図である。
図2】本開示の実施形態に係る注文管理装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る顧客端末の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係る注文管理システムの処理手順の概要の一例を示すシーケンス図である。
図5】本開示の実施形態に係る「注文受付処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図5の「ロッカー予約処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図7】(A)~(C)はロッカーの予約状況の一例を示す図表である。
図8】季節毎の時間帯分類の一例を示す図表である。
図9】標準受取可能時間の算定基準の一例を示す図表である。
図10】注文受付時に顧客に送信されるメールの一例を示す図である。
図11】注文情報を管理する注文情報管理テーブルの一例を示す図表である。
図12】本開示の実施形態に係る「受取可能時間補正処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図13図11の「受取可能時間変更処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】商品受取日に顧客に送信されるメールの一例を示す図である。
図15】商品受取日に顧客に送信されるメールの他の一例を示す図である。
図16】本開示の実施形態に係る「対応処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図17】調理完了時に顧客に送信されるメールの一例を示す図である。
図18】ロッカーへの商品格納時に顧客に送信されるメールの一例を示す図である。
図19】商品受取完了時に顧客に送信されるメールの一例を示す図である。
図20】本開示の実施形態に係る「受取監視処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図21図20の「警告処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図22図20の「商品取出処理」の手順の一例を示すフローチャートである。
図23】注文管理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0012】
<システム構成>
本開示の実施形態に係る注文管理システムは、顧客が、事前に注文しておいた商品(例えば、飲食物などの食品)をロッカーで受け取るという販売形態に対応して、注文の管理を行うシステムである。
【0013】
まず、図1を参照して本開示の実施形態に係る注文管理システムの構成について説明する。図1に示すように、注文管理システム100は、顧客Pによる注文を管理する注文管理装置10と、ロッカー22の空き状況を管理し、ロッカー22の予約を受け付けるロッカー管理システム20とを備えている。注文管理装置10及びロッカー管理システム20は、クラウド上に配置されている。注文管理装置10は、インターネット等のネットワークNを介して、ロッカー管理システム20、顧客Pが使用する顧客端末装置30、及び店舗が使用する店舗端末装置40と通信可能に接続されており、ネットワークNを介して情報をやり取りする。
【0014】
本実施の形態では、ロッカー22として、常温ロッカー、冷蔵ロッカー、及び保温ロッカーの3種類が用意されている。例えば、要冷蔵の商品は冷蔵ロッカーに格納され、温かい商品は保温ロッカーに格納される。また、ロッカー22には、ロッカーの施錠及び開錠を検知して、商品の格納や取り出しを検知する格納センサ(図示せず)が設置されている。ロッカー管理システム20は、この格納センサにより商品の格納や取り出しを検知して、ロッカー22の空き状況に反映させる。
【0015】
また、ロッカー22には、ロッカー内部の温度を検知する温度センサ(図示せず)や、ロッカー22の外気温を検知する温度センサ(図示せず)が設置されていてもよい。ロッカー管理システム20は、これらの温度センサ(図示せず)によって、ロッカー内部の温度やロッカーの外気温を取得することができる。
【0016】
なお、図示した例では、注文管理装置10とロッカー管理システム20とを別個の装置として記載しているが、注文管理装置10が、ロッカー管理システム20の機能を有していてもよい。また、ロッカー管理システム20、顧客端末装置30、及び店舗端末装置40を1台ずつ図示しているが、各装置は複数存在してもよい。或いは、ロッカー22が店舗により管理され、店舗が使用する店舗端末装置40が、ロッカー管理システム20の機能を有していてもよい。
【0017】
(注文管理装置の電気的構成)
ここで、図2を参照して注文管理装置10の電気的構成について説明する。
注文管理装置10は、情報処理部12、通信部14、及び記憶部16を備えている。情報処理部12は、いわゆるサーバコンピュータ等の情報処理装置であり、装置全体の制御及び各種演算を行う。情報処理部12は、CPU(中央処理装置; Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、不揮発性のメモリ12D、及び入出力部(I/O)12Eを備えている。
【0018】
CPU12A、ROM12B、RAM12C、メモリ12D、及びI/O12Eの各々は、バス12Fを介して互いに接続されている。CPU12Aは、記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、RAM12Cをワークエリアとして使用してプログラムを実行する。
【0019】
通信部14及び記憶部16は、I/O12Eを介して情報処理部12に接続されている。通信部14は、有線又は無線の通信回線を介して外部装置と通信を行うためのインターフェースである。通信部14は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等のネットワークに接続された他のコンピュータ等の外部装置と通信を行うためのインターフェースとして機能する。
【0020】
記憶部16は、ハードディスク等の記憶装置である。記憶部16には、各種プログラム18、ログデータ等の各種データ19等が記憶されている。本実施の形態では、後述する「注文受付処理」、「受取可能時間補正処理」、「対応処理」、及び「受取監視処理」の各々実行するためのプログラムと、記憶部16に記憶されている。
【0021】
(端末装置の電気的構成)
端末装置30は、パーソナルコンピュータ等の固定された端末装置であってもよく、スマートフォンやタブレット等の携帯型の端末装置であってもよい。ここで、図3を参照して顧客Pが使用する顧客端末装置30の電気的構成について説明する。顧客端末装置30は、コンピュータ等の情報処理装置である情報処理部32を備えている。情報処理部32は、CPU32A、ROM32B、RAM32C、不揮発性のメモリ32D、及びI/O32Eを備えている。CPU32A、ROM32B、RAM32C、メモリ32D、及びI/O32Eの各々は、バス32Fを介して接続されている。CPU32Aは、記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、RAM32Cをワークエリアとして使用してプログラムを実行する。
【0022】
I/O32Eには、ディスプレイ等の表示部34、キーボード、マウス、タッチ入力装置等の入力部36、通信部38、及び記憶部39が接続されている。通信部38は、通信回線に接続するための通信インターフェイス(I/F)である。例えば、通信部38は、注文管理装置10から電子メールを受信する。記憶部39は、ハードディスク等の外部記憶装置である。
【0023】
なお、ロッカー管理システム20は、注文管理装置10と同様の構成を備えているので説明を省略する。また、店舗が使用する店舗端末装置40も、顧客Pが使用する顧客端末装置30と同様の構成を備えているので説明を省略する。
【0024】
<注文から商品受け取りまでの流れ>
次に、図4を参照して注文から商品受け取りまでの流れを簡単に説明する。ここでは、顧客は、受取方法としてロッカー受取を選択し、受取日時を指定して、所望の店舗の商品を購入するものとする。また、注文当日に商品を受け取ることも可能であるが、ここでは、前日までに予約注文を受け付けた場合について説明する。
【0025】
まず、注文管理装置10は、顧客からの注文を受け付ける(ステップS1)。ロッカー受取が選択されている場合、次に、注文管理装置10は、ロッカー管理システム20にロッカー予約を要求する(ステップS2)。ロッカー管理システム20は、ロッカー予約要求に応答して、予約の受け付け可否を通知する(ステップS3)。後述する通り、指定日時にロッカーに空きが無い場合には、顧客は、希望した日時でロッカー受取を行うことができないため、受取日時や受取方法を変更することになる。
【0026】
ロッカー予約に成功すると、次に、注文管理装置10は、店舗に注文の登録を要求する(ステップS4)。店舗端末装置40は、登録要求に応じて注文を登録すると、図示はしないが、登録を完了した旨の応答を注文管理装置10に返す。注文管理装置10は、顧客にロッカー予約が完了したこと、即ち、注文が完了したことを通知する(ステップS5)。この通知により、商品を受け取り可能な受取可能時間も顧客に通知される。ここで通知される受取可能時間を「標準受取可能時間」という。
【0027】
顧客が指定した商品受取日が到来すると、注文管理装置10は、受取可能時間の見直しを実施する。例えば、外気温が高い場合は受取可能時間を短縮し、外気温が低い場合は受取可能時間を延長する。受取可能時間の見直しを行った結果、ロッカー予約時間に変更が生じる場合は、注文管理装置10は、ロッカー管理システム20にロッカー予約の変更を要求する(ステップS6)。ロッカー管理システム20は、予約変更要求に応答して、変更可否を通知する(ステップS7)。
【0028】
注文管理装置10は、ロッカー予約時間を変更できた場合には、受取可能時間を変更するが、ロッカー予約時間を変更できない場合には、受取可能時間を変更しない。受取可能時間を変更した場合は、次に、注文管理装置10は、店舗に注文の再登録、即ち、変更後の受取可能時間の登録を要求する(ステップS8)。店舗端末装置40は、再登録要求に応じて受取可能時間の変更を登録すると、図示はしないが、登録を完了した旨の応答を注文管理装置10に返す。注文管理装置10は、顧客に受取可能時間が変更されたことを通知する(ステップS9)。このとき、商品を受け取るための受取情報(例えば、QRコード(登録商標)等)も顧客に配布される。
【0029】
注文管理装置10は、店舗から調理完了通知を受け取ると(ステップS10)、顧客に調理完了を通知する(ステップS11)。ロッカー管理システム20は、商品がロッカー22に格納されたことを検知すると(ステップS12)、注文管理装置10に商品格納を通知する(ステップS13)。注文管理装置10は、ロッカー管理システム20から商品格納通知を受け取ると、顧客に商品格納を通知する(ステップS14)。
【0030】
ロッカー管理システム20は、商品がロッカー22に格納された後は、定期的に商品が受け取られたか否か確認して、確認結果(即ち、受取完了/受取未完了)を注文管理装置10に通知する(ステップS15)。注文管理装置10は、受取完了通知を受け取ると、
顧客に受取完了を通知する(ステップS16)。また、注文管理装置10は、受取完了又は受取未完了を店舗に定期的に通知する(ステップS17)。
【0031】
なお、図示はされていないが、注文管理装置10は、受取可能時間が経過する前に、顧客及び店舗に対し警告を行って商品の受け取りを促してもよい。また、注文管理装置10は、受取可能時間の経過後には、商品をロッカー22から取り出すように店舗に要求し、店舗での受け取りに変更になったことを顧客に案内するようにしてもよい。
【0032】
<プログラム>
注文管理の各段階での処理を実行するプログラムの処理手順について説明する。
【0033】
(注文受付処理)
まず、「注文受付処理」について説明する。
図5は本開示の実施形態に係る「注文受付処理」の手順の一例を示すフローチャートである。「注文受付処理」を実行するプログラムは、顧客からの注文が入力されたときに、注文管理装置10のCPU12Aにより実行される。
【0034】
まず、ステップS100で、CPU12Aは、顧客の入力情報を取得する。例えば、顧客の入力情報には、顧客情報(例えば、氏名、連絡先など)、店舗情報(例えば、名称、連絡先など)、商品情報(例えば、商品名、数量など)、受取日時の指定、受取方法(例えば、ロッカー受取/店舗受取)が含まれる。
【0035】
次に、ステップS102で、CPU12Aは、受取方法がロッカー受取か否かを判断する。ロッカー受取の場合は、ステップS104に進み、店舗受取の場合は、ステップS108に進む。続くステップS104で、CPU12Aは、ロッカー予約処理を実行する。
【0036】
ここで、図6を参照して「ロッカー予約処理」の手順を説明する。
まず、注文された商品に含まれるメニューに応じて予約するロッカーの種類を決定する。ステップS200で、CPU12Aは、注文された商品が保温メニューのみを含むか判断する。注文された商品が保温メニューのみを含む場合は、次にステップS202で、CPU12Aは、保温ロッカーを予約することに決定する。注文された商品がその他のニューを含む場合は、ステップS204に進む。
【0037】
次に、ステップS204で、CPU12Aは、注文された商品が冷蔵メニューのみを含むか判断する。注文された商品が冷蔵メニューのみを含む場合は、次にステップS206で、CPU12Aは、冷蔵ロッカーを予約することに決定する。注文された商品がその他のメニューを含む場合は、ステップS208に進む。次にステップS208で、CPU12Aは、常温ロッカーを予約することに決定する。
【0038】
次に、ステップS210で、CPU12Aは、所望のロッカーに空きがあるか否か、即ち、ロッカーを予約できたか否かを判断する。CPU12Aは、ロッカー管理システム20にロッカー予約を要求し、ロッカー管理システム20から予約の受け付け可否を通知される。所望のロッカーに空きがあれば、予約することができる。所望のロッカーに空きがある場合は、ステップS212に進み、所望のロッカーに空きが無い場合は、ステップS216に進む。
【0039】
所望のロッカーに空きがある場合は、次にステップS212で、CPU12Aは、標準受取可能時間を設定する。次に、ステップS214で、CPU12Aは、顧客に予約完了を通知してルーチンを終了する。一方、所望のロッカーに空きが無い場合は、次にステップS216で、CPU12Aは、ロッカーに空きが無いことを顧客に通知してルーチンを終了する。
【0040】
例えば、2022年1月15日に常温ロッカーを19:00~20:00の間予約したい場合を例に、ロッカーの予約を具体的に説明する。ロッカー管理システム20は、例えば、図7(A)~(C)に示すように、ロッカーの種類毎にロッカーの予約状況をテーブルで管理している。図7(A)の常温ロッカーの予約状況をみると、19:00~20:00にはロッカーBに空きがあるので、ロッカー管理システム20により予約が許可される。
【0041】
-標準受取可能時間の設定-
ここで「標準受取可能時間」の設定について説明する。
「標準受取可能時間」は、予め設定された長さの「基準受取可能時間」を、受取の季節及び時間帯に応じた補正値によって補正して得られた受取可能時間である。時間帯によって外気温の影響を受ける度合いや、常温の状態が左右される度合いが異なるため、朝、昼、夜の三段階で受取可能時間を補正する。このため、まず、季節毎の時間帯の定義及び補正値について説明する。
【0042】
図8に示すように、朝、昼、夜の時間帯は季節に応じて変動する。春(3~5月)は、朝は6:00~9:00、昼は9:00~19:00、夜は19:00~6:00の時間帯である。夏(6~8月)は、朝は5:00~9:00、昼は9:00~20:00、夜は20:00~5:00の時間帯である。秋(9~11月)は、朝は6:00~9:00、昼は9:00~19:00、夜は19:00~6:00の時間帯である。冬(12~2月)は、朝は7:00~10:00、昼は10:00~18:00、夜は18:00~7:00の時間帯である。昼と夜の区切りは、夕暮れのチャイムが鳴る時間を目安とする。夜から朝、朝から昼の区切りについては、気温の変化が起こりそうな時刻を目安とする。
【0043】
また、図9に示すように、受取可能時間の補正値は、時間帯及びロッカーの種類に応じて予め設定されている。図示した例では、常温ロッカーの場合は、朝は0分、昼は-10分、夜は+10分という補正値が設定され、保温ロッカーの場合は、朝は-10分、昼は0分、夜は-10分という補正値が設定され、冷蔵ロッカーの場合は、朝は0分、昼は-10分、夜は+10分という補正値が設定されている。
【0044】
なお、ここでは商品の基準受取可能時間の長さを1時間と仮定しているので補正値を±10分とするが、補正値は任意に設定してもよい。補正値は、例えば、5分~30分の範囲で設定するのが好ましい。
【0045】
例えば、2022年1月15日に常温ロッカーを19:00から予約したい場合、基準受取可能時間の長さは「1時間」であり、基準受取可能時間は「19:00~20:00」となる。この例では、季節は「冬」、時間帯は「夜」、ロッカーの種類は「常温ロッカー」なので、補正値は「+10分」であり、受取可能時間は10分延長されて、標準受取可能時間は「19:00~20:10」となる。なお、説明の都合上、19:00~20:00でロッカーを予約する例について説明したが、ロッカー予約処理の際には、標準受取可能時間でロッカーを予約する。
【0046】
上記の通り、ステップS214で、顧客に予約完了が通知される。予約完了通知は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールによる予約完了通知には、例えば、図10に示すように、「〇〇様 ご注文ありがとうございます。」「こちらの内容で承りました。ロッカー番号につきましては当日改めてお送りするメールにて送付いたします。」等の定型文の外に、注文内容(受取番号、注文番号、注文店舗、受取日時、受取方法)が記載される。そして、受取日時として、19:00、受取可能時間として標準受取可能時間(例えば、19:00~20:10)が記載される。
【0047】
ここで図5の説明に戻る。次に、ステップS106で、CPU12Aは、ロッカー予約が成功したか否かを判断する。ロッカー予約に成功した場合は、ステップS108に進み、ロッカー予約に失敗した場合は、ステップS100に戻る。上記の通り、指定日時にロッカーに空きが無い場合には、顧客は、受取日時や受取方法を変更することになる。このため、ステップS100に戻って新たな入力情報を取得する。
【0048】
次に、ステップS108で、CPU12Aは、通信部14を制御して、注文登録要求を店舗端末装置40に送信させる。店舗端末装置40は、登録要求に応じて注文を登録する。次に、ステップS110で、CPU12Aは、注文情報を記憶部16等の記憶装置に記憶して、ルーチンを終了する。受取方法がロッカー受取か、店舗受取かに拘わらず、店舗端末装置40に注文登録要求が送信され、注文情報が記憶装置に記憶される。
【0049】
例えば、注文情報は、テーブル形式で記憶されてもよい。注文管理装置10は、受け付けたすべての注文を、図11に示す注文情報管理テーブルで管理することができる。例えば、注文毎に、注文内容として、注文日時、顧客情報、店舗情報、商品情報、指定された受取日時、設定された受取可能時間、受取方法、ロッカー情報(例えば、ロッカーの種類、ロッカー番号)が記憶される。注文情報は、商品の受取が完了すると、注文情報管理テーブルから削除される。
【0050】
上記のような手順により、メニューに応じた温度制御がされたロッカーが、自動的に決定・予約される。
【0051】
(受取可能時間補正処理)
次に、「受取可能時間補正処理」について説明する。
図12は本開示の実施形態に係る「受取可能時間補正処理」の手順の一例を示すフローチャートである。「受取可能時間補正処理」を実行するプログラムは、顧客が指定した商品受取日が到来したときに、注文管理装置10のCPU12Aにより実行される。
【0052】
まず、ステップS300で、CPU12Aは、ロッカー受取でかつ本日受取の注文情報を抽出する。例えば、図11に示す注文情報管理テーブルを参照して、ロッカー受取でかつ指定された受取日時が本日である注文情報を抽出する。次に、ステップS302で、CPU12Aは、1つの注文情報を選択する。次に、ステップS304で、CPU12Aは、標準受取可能時間を補正する「補正処理」を実行する。
【0053】
ここで、図13を参照して「補正処理」の手順を説明する。
外気温によってロッカー内の温度に支障が出る可能性がある。このため、常温ロッカー及び冷蔵ロッカー利用の場合は、外気温が高い日には受取可能時間を短縮し、外気温が低い日には受取可能時間を延長可能とする。また、保温ロッカー利用の場合は、外気温が高い日には受取可能時間を延長可能とし、外気温が低い日には受取可能時間を短縮する。
【0054】
まず、ステップS400で、CPU12Aは、常温ロッカー又は冷蔵ロッカーの利用か否かを判断する。常温ロッカー又は冷蔵ロッカーの利用の場合は、ステップS402に進み、保温ロッカーの利用の場合は、ステップS420に進む。
【0055】
次に、ステップS402で、CPU12Aは、ロッカーの外気温情報を取得する。外気温情報は、ロッカー22に接続された温度センサ(図示せず)から取得してもよく、天気予報等の外部のサイトから取得してもよい。外気温は、現在の外気温でもよく、受取可能時間の外気温の予測値でもよい。外気温は時間帯により大きく変化するため、受取可能時間の外気温の予測値を用いる方が、より精度の高い補正を行うことができる。
【0056】
次に、ステップS404で、CPU12Aは、ロッカーの外気温が上限閾値以上(例えば、28℃以上)か否かを判断する。外気温が上限閾値以上の場合は、続くステップS406で、CPU12Aは、受取可能時間を10分短縮する。外気温が上限閾値未満の場合は、ステップS406を飛ばしてステップS408に進む。
【0057】
次に、ステップS408で、CPU12Aは、ロッカーの外気温が下限閾値以下(例えば、5℃以下)か否かを判断する。外気温が下限閾値以下の場合は、続くステップS410で、CPU12Aは、受取可能時間を10分延長する。外気温が下限閾値より大きい場合は、ステップS410を飛ばしてステップS412に進む。
【0058】
次に、ステップS412で、CPU12Aは、冷蔵ロッカーの利用か否かを判断する。冷蔵ロッカーの利用の場合は、ステップS414に進み、常温ロッカーの利用の場合は、ルーチンを終了する。次に、ステップS414で、CPU12Aは、ロッカー内部の温度情報を取得する。
【0059】
次に、ステップS416で、CPU12Aは、ロッカー内部の温度から冷蔵ロッカーが故障しているか否かを判断する。ロッカー内部の温度が異常値である場合は、冷蔵ロッカーが故障していると判断することができ、続くステップS418で、CPU12Aは、故障時対応を行い、ルーチンを終了する。例えば、ロッカー管理システム20と協働して、商品を格納するロッカーを別のロッカーに変更し、別のロッカーの空きがない場合は店内管理する等の変更を行う。また、そういった対応をしたことについて顧客に通知をする。ロッカー内部の温度が正常値である場合は、冷蔵ロッカーは故障していないと判断することができ、ステップS418を飛ばしてルーチンを終了する。
【0060】
一方、保温ロッカーを利用するとしてステップS420に進んだ場合は、ステップS420で、CPU12Aは、ロッカーの外気温情報を取得する。次に、ステップS422で、CPU12Aは、ロッカーの外気温が上限閾値以上(例えば、28℃以上)か否かを判断する。外気温が上限閾値以上の場合は、続くステップS424で、CPU12Aは、受取可能時間を10分延長する。外気温が上限閾値未満の場合は、ステップS424を飛ばしてステップS426に進む。
【0061】
次に、ステップS426で、CPU12Aは、ロッカーの外気温が下限閾値以下(例えば、5℃以下)か否かを判断する。外気温が下限閾値以下の場合は、続くステップS428で、CPU12Aは、受取可能時間を10分短縮する。外気温が下限閾値より大きい場合は、ステップS428を飛ばしてステップS430に進む。
【0062】
次に、ステップS430で、CPU12Aは、ロッカー内部の温度情報を取得する。次に、ステップS432で、CPU12Aは、ロッカー内部の温度から保温ロッカーが故障しているか否かを判断する。ロッカー内部の温度が異常値である場合は、保温ロッカーが故障していると判断することができ、続くステップS434で、CPU12Aは、ステップS418と同様に、故障時対応を行い、ルーチンを終了する。ロッカー内部の温度が正常値である場合は、保温ロッカーは故障していないと判断することができ、ステップS434を飛ばしてルーチンを終了する。
【0063】
なお、ここでは商品の受取可能時間は約1時間と想定しているので補正幅を±10分とするが、補正幅は任意に設定してもよい。補正幅は、例えば、5分~30分の範囲で設定するのが好ましい。また、受取可能時間を延長する方向の補正については、ロッカーに入れる食品の鮮度を考慮し、延長をしない、という選択をしてもよい。
【0064】
ここで図12の説明に戻る。次に、ステップS306で、CPU12Aは、補正処理により受取可能時間が変更されたか否かを判断する。新たに算出された受取可能時間が標準受取可能時間と異なる場合は、受取可能時間が変更されたと判断し、新たに算出された受取可能時間が標準受取可能時間と同じである場合は、受取可能時間が変更されていないと判断する。受取可能時間が変更された場合は、ステップS308に進み、受取可能時間が変更されなかった場合は、ステップS318に進む。
【0065】
受取可能時間が変更された場合は、ステップS308で、CPU12Aは、ロッカー予約の変更を試みる。CPU12Aは、ロッカー管理システム20にロッカー予約の変更を要求し、ロッカー管理システム20から変更可否を通知される。予約時間が長くなる場合でも、所望のロッカーに空きがあれば予約を変更することができる。
【0066】
次に、ステップS310で、CPU12Aは、ロッカー予約を変更できたか否かを判断する。ロッカー予約を変更できた場合は、ステップS308に進み、ロッカー予約を変更できなかった場合は、ステップS318に進む。
【0067】
ロッカー予約を変更できた場合は、次にステップS312で、CPU12Aは、通信部14を制御して、変更内容の再登録要求を店舗端末装置40に送信させる。店舗端末装置40は、再登録要求に応じて受取可能時間の変更を登録する。
【0068】
次に、ステップS314で、CPU12Aは、顧客に予約変更を通知する。この通知には、商品を受け取るための受取情報(例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、入力番号等)が含まれる。即ち、予約変更の通知により、顧客に受取情報が配布される。顧客は、この受取情報を用いてロッカーを開錠して、商品を受け取ることができる。
【0069】
予約変更の通知は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールには、例えば、図14に示すように、「〇〇様 先日ご注文いただいた内容の受取日となりました。送付されたQRコード(登録商標)(or番号)でお受け取りください。」等の定型文の外に、注文内容(受取番号、注文番号、注文店舗、受取日時、受取方法)、ロッカー番号、受取ロッカーの場所などが記載される。
【0070】
また、電子メールには、例えば図15に示すように、「本日の気温の状況により、お品物の衛生上の理由から受取可能時間を(延長又は短縮)させていただきました。以下の時間となりますので必ずご確認ください。」などの受取可能時間を変更する旨及び受取可能時間を変更する理由と、変更後の受取可能時間とが記載される。変更後の受取可能時間の記載には、「≪ロッカーでの受取可能時間≫19:00~20:30 ※外部の天気、時間帯により受取可能時間が変更されました。」など、受取可能時間が変更されたことが明示される。
【0071】
次に、ステップS316で、CPU12Aは、注文情報を更新する。例えば、図11に示す注文情報管理テーブルにおいて「設定受取可能時間」の欄の数値を、標準受取可能時間から変更後の受取可能時間に更新する。注文情報の更新後は、変更後の受取可能時間によって注文が管理される。
【0072】
一方、受取可能時間が変更されなかった場合又はロッカー予約を変更できなかった場合は、ステップS318で、顧客に予約変更が無い旨を通知する。この通知には、商品を受け取るための受取情報が含まれる。即ち、予約変更が無い旨の通知により、顧客に受取情報が配布される。
【0073】
予約変更が無い旨の通知は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールには、例えば、「〇〇様 先日ご注文いただいた内容の受取日となりました。送付されたQRコード(登録商標)(or番号)でお受け取りください。」等の定型文の外に、注文内容、ロッカー番号、受取ロッカーの場所などが記載される。そして、受取日時の時間として、最初に通知した標準受取可能時間(例えば、19:00~20:10)が記載される。
【0074】
最後に、ステップS320で、CPU12Aは、次の注文情報があるか否かを判断する。次の注文情報がある場合には、ステップS302に戻って、ステップS302~ステップS320の処理を繰り返し行う。一方、次の注文情報が無い場合には、ルーチンを終了する。
【0075】
(対応処理)
次に、「対応処理」について説明する。
図16は本開示の実施形態に係る「対応処理」の手順の一例を示すフローチャートである。「対応処理」を実行するプログラムは、何らかの通知を受信したときに、注文管理装置10のCPU12Aにより実行される。
【0076】
まず、ステップS500で、CPU12Aは、受信した通知が調理完了通知であるか否かを判断する。店舗から調理完了通知を受信した場合には、次のステップS502で、顧客に調理完了を通知して、ルーチンを終了する。受信した通知が調理完了通知ではない場合は、ステップS504に進む。
【0077】
調理完了通知は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールによる調理完了通知には、例えば、図17に示すように、「〇〇様 ご注文いただいたお品物の調理が完了いたしました。ロッカーに格納されるまで今しばらくお待ちください。」等の定型文の外に、注文内容(受取番号、注文番号、注文店舗、受取日時、受取方法)が記載される。
【0078】
次に、ステップS504で、CPU12Aは、受信した通知が商品格納通知であるか否かを判断する。ロッカー管理システム20から商品格納通知を受信した場合には、次のステップS506で、顧客に商品格納を通知して、ルーチンを終了する。受信した通知が商品格納通知ではない場合は、ステップS508に進む。
【0079】
商品格納通知は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールによる商品格納通知には、例えば、図18に示すように、「〇〇様 ただいまご指定いただいたロッカーへお入れいたしました。」等の定型文の外に、注文内容(受取番号、注文番号、注文店舗、受取日時、受取方法)が記載される。また、受取可能時間の変更があった場合には、電子メールには、例えば、「受取可能時間が変更されましたのでご注意下さい。」など、受取可能時間の変更に注意を促す記載が追加される。
【0080】
次に、ステップS508で、CPU12Aは、受信した通知が受取完了通知であるか否かを判断する。ロッカー管理システム20から受取完了通知を受信した場合には、CPU12Aは、次のステップS510で、顧客に受取完了通知を通知する。次に、ステップS512で、CPU12Aは、商品の受取が完了した注文に対応する注文情報を削除して、ルーチンを終了する。また、受信した通知が受取完了通知ではない場合、受信した通知が受取未完了通知であるため、ここでは何もせずにルーチンを終了する。
【0081】
受取完了通知は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールによる受取完了通知には、例えば、図19に示すように、「〇〇様 ご注文の受取が完了いたしました。またのご利用をお待ちしております。」等の定型文や利用した店舗名が記載される。
【0082】
(受取監視処理)
次に、「受取監視処理」について説明する。
図20は本開示の実施形態に係る「受取監視処理」の手順の一例を示すフローチャートである。「受取監視処理」を実行するプログラムは、定期的に、注文管理装置10のCPU12Aにより実行される。
【0083】
まず、ステップS600で、CPU12Aは、ロッカー受取でかつ本日受取の注文情報を抽出する。例えば、図11に示す注文情報管理テーブルを参照して、ロッカー受取でかつ指定された受取日時が本日である注文情報を抽出する。次に、ステップS602で、CPU12Aは、1つの注文情報を選択する。
【0084】
次に、ステップS604で、CPU12Aは、警告時期が到来したか否かを判断する。警告時期は、受付時間の終了時刻の所定時間前(例えば、30分)など、任意に設定することができる。警告時期が到来している場合には、次のステップS606で、受取可能時間が経過したか否かを判断する。
【0085】
警告時期が到来しており且つ受取可能時間が経過している場合には、ステップS608に進み、ステップS608で「商品取出処理」を実行する。警告時期が到来しているが受取可能時間内である場合には、ステップS610に進み、ステップS610で「警告処理」を実行する。警告時期が到来していない場合には、何もする必要が無いので、ステップS612に進む。
【0086】
ここで、図21を参照して「警告処理」の手順を説明する。
まず、ステップS700で、CPU12Aは、受取未完了か否かを判断する。例えば、図11に示す注文情報管理テーブルを参照して、注文情報が削除されていない場合は「受取未完了」である。なお、本実施形態では、受取完了の注文情報は管理対象外となるので、受取未完了か否かを確認する必要はないが、注文情報が削除されない手順を想定して、ここで受取未完了か否かを判断する。受取未完了の場合は、ステップS702に進み、受取完了の場合は、ルーチンを終了する。
【0087】
次に、CPU12Aは、ステップS702で、通信部14を制御して、商品の受け取りを促すための警告を対応する顧客に送信させ、続くステップS704で、通信部14を制御して、対応する店舗にも警告を送信させて、ルーチンを終了する。
【0088】
警告は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールによる警告には、例えば、「〇〇様 ご注文いただいたお品物の受取可能時間は○○迄です。受取可能時間内にお受け取りをお願いいたします。」等の定型文の外に、注文内容(受取番号、注文番号、注文店舗、受取日時、受取方法)が記載される。
【0089】
また、図22を参照して「商品取出処理」の手順を説明する。
まず、ステップS800で、CPU12Aは、受取未完了か否かを判断する。受取未完了の場合は、ステップS802に進み、受取完了の場合は、ルーチンを終了する。
【0090】
次に、CPU12Aは、ステップS802で、通信部14を制御して、商品引取要求を対応する店舗に送信させる。この商品引取要求により、商品を受け取るための受取情報(例えば、QRコード(登録商標)、バーコード、入力番号等)が店舗に配布される。店舗は、この受取情報を用いてロッカーを開錠して、商品を取り出すことができる。次に、CPU12Aは、ステップS804で、通信部14を制御して、商品を対応する店舗で受け取るための案内を対応する顧客に送信させて、ルーチンを終了する。
【0091】
顧客への案内は、電子メールを送信して行われてもよい。電子メールによる通知には、例えば、「〇〇様 ご注文いただいたお品物を店舗に戻させていただきました。店舗でのお受け取りをお願いいたします。」等の定型文の外に、注文内容(受取番号、注文番号、注文店舗)が記載される。
【0092】
ここで、図20の説明に戻る。最後に、ステップS612で、CPU12Aは、次の注文情報があるか否かを判断する。次の注文情報がある場合には、ステップS602に戻って、ステップS602~ステップS612の処理を繰り返し行う。一方、次の注文情報が無い場合には、ルーチンを終了する。
【0093】
(注文管理装置の機能構成)
ここで、注文管理装置の機能構成を説明する。上述した「注文受付処理」、「受取可能時間補正処理」、「対応処理」、及び「受取監視処理」の各プログラムが実行されることで、注文管理装置10の対応する機能部が実現される。
【0094】
図23に示すように、注文管理装置10は、注文受付部50と、受付時間補正部60と、対応処理部70と、受取監視部80とを備えている。
【0095】
注文受付部50は、顧客からの注文を受け付けてロッカーを予約するロッカー予約部52と、受取の季節及び時間帯に応じて標準受取可能時間を設定する受取可能時間設定部54と、顧客にロッカー予約が完了したこと及び標準受取可能時間を通知する予約完了通知部56と、を備えている。
【0096】
受付時間補正部60は、顧客が指定した商品受取日が到来すると、外気温等に応じて受取可能時間を補正する補正部62と、受取可能時間が変更された場合は、変更後の受取可能時間に合わせてロッカー予約時間を変更する予約変更部64と、顧客及び店舗に受取可能時間の変更又は変更が無いことを通知する変更通知部66と、受取可能時間が変更された場合は、注文情報を更新する注文情報更新部68と、を備えている。
【0097】
対応処理部70は、受信した通知に応じた対象処理を実行する。
【0098】
受取監視部80は、警告時期が到来しても商品が受け取られていない場合に、顧客及び店舗に警告を行う警告処理部82と、受取可能時間が経過しても商品が受け取られていない場合に、商品を取り出して店舗に戻す商品取出処理を実行する商品取出処理部84と、を備えている。
【0099】
以上の通り、本実施の形態では、顧客は、事前に注文しておいた商品をロッカーで受け取ることができるので、顧客が商品を店舗まで受取に行く手間を省くことができると同時に、非接触での受取が可能になる。また、店舗側にとっても、近隣のロッカーで商品を受け渡すことで売上向上につながる。
【0100】
また、本実施の形態では、注文受付時に、商品に含まれるメニューに応じてロッカーの種類(常温、冷蔵、又は保温)を自動的に決定して予約し、季節及び時間帯に応じて変わる外気温の影響を考慮して標準受取可能時間を自動的に設定するので、顧客がロッカーを予約する手間を省くことができる。また、ロッカーの予約が取れた場合に注文完了となるため、ロッカー予約のダブルブッキングを回避することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、商品の受取当日に、ロッカーの外気温やロッカー内部の温度に応じて受取可能時間を補正(例えば、短縮又は延長)するので、商品受取時まで商品である食品の鮮度をしっかり保つことができる。このため、衛生面について不安を覚える顧客も安心して利用することができる。また、受取可能時間が変更されるとロッカーの予約も同時に変更され、顧客がロッカーの予約を変更する手間を省くことができる。また、受取可能時間が決定した段階で受取情報が顧客に送付されるので、受取可能時間の変更の受取情報への反映漏れを防止することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、注文完了だけでは無く、受取可能時間の変更、調理の完了、商品の格納、警告、及び受取の完了の各々が、顧客に通知されると共に、受取可能時間を経過してロッカーでの受取ができない場合にも、顧客及び店舗に適切な指示が行われるので、顧客及び店舗の双方とも商品の状況が逐一わかり、安心して受け取りまでの手続きを行うことができる。
【0103】
<変形例>
以上、注文管理装置、注文管理システム及びプログラムの例示的な実施の形態について説明したが、本発明は、実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で実施の形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0104】
また、例えば、上記実施の形態で説明したプログラムの処理の流れも一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。また、上記実施の形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって処理を実現してもよい。
【0105】
また、上記実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行したプログラムを、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。
【0106】
また、上記各プログラムを、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0107】
また、上記各実施形態では、プログラムが記憶部に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、半導体メモリ等の非一時的(non-transitory)記憶媒体に記憶された形態で提供されてもよい。また、上記各プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0108】
10 注文管理装置
20 ロッカー管理システム
22 ロッカー
30 顧客の端末装置
40 店舗の端末装置
50 注文受付部
52 ロッカー予約部
54 受取可能時間設定部
56 予約完了通知部
60 受付時間補正部
62 補正部
64 予約変更部
66 変更通知部
68 注文情報更新部
70 対応処理部
80 受取監視部
82 警告処理部
84 商品取出処理部
100 注文管理システム
N ネットワーク
P 顧客
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23