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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128145
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】座標入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20230907BHJP
   G06F 3/03 20060101ALI20230907BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
G06F1/16 312G
G06F3/03 400F
G06F3/02 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032292
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】西澤 直也
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA15
5B020CC06
5B020DD02
(57)【要約】
【課題】指示体を持った手とは反対側の手で操作部を操作することができるように構成して、効率の良い入力作業を行うことができる座標入力装置を提供する。
【解決手段】指示体による指示位置を検出するための位置検出センサと、指示体による指示位置の入力操作がなされる面であって位置検出センサの位置検出領域に対応する入力面に対向する背面を備え、位置検出センサを収納する筐体と、筐体の背面に設けられるグリップ部とを備える。グリップ部は、背面に交差する方向に凸となる凸部を有し、凸部には1又は複数個の操作部が配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示体による指示位置を検出するための位置検出センサと、
前記指示体による前記指示位置の入力操作がなされる面であって前記位置検出センサの位置検出領域に対応する入力面に対向する背面を備え、前記位置検出センサを収納する筐体と、
前記筐体の前記背面に設けられるグリップ部と、
を備え、
前記グリップ部は、前記背面に交差する方向に凸となる凸部を有し、前記凸部には1又は複数個の操作部が配置されている
ことを特徴とする座標入力装置。
【請求項2】
前記グリップ部は、前記筐体の前記背面の端縁近傍に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項3】
前記凸部の前記背面に対して交差する方向の側部の一部は、前記筐体の前記背面と前記入力面との間の側面に沿った面とされている
ことを特徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
【請求項4】
前記凸部は、操作者が握ることが可能な形状及び大きさに構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項5】
前記凸部は、操作者が握ることが可能な形状及び大きさに構成されていると共に、前記背面の前記凸部の周囲の少なくとも一部には、操作者が前記凸部を握ったときの指が入る凹部が隣接して設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項6】
前記1又は複数個の操作部は、前記背面の前記凸部の、前記凹部が隣接して設けられている部分に配設されている
ことを特徴とする請求項5に記載の座標入力装置。
【請求項7】
前記1又は複数個の操作部は、前記凸部の前記背面に対して交差する方向の面に設けられている操作部を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項8】
前記1又は複数個の操作部は、前記凸部の前記背面に対して交差する方向の側部と、前記背面と対向する前記凸部の上面部との両方に跨って設けられている操作部を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項9】
前記背面には、前記入力面が、前記座標入力装置を載置する面に対して交差する方向となると共に、前記背面と前記座標入力装置を載置する面との間に空間を生じるように前記筐体を保持するスタンド部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項10】
前記グリップ部は、前記筐体の前記背面の、前記座標入力装置を載置する面に平行な方向の端縁近傍に設けられている
ことを特徴とする請求項9に記載の座標入力装置。
【請求項11】
前記グリップ部は、前記筐体の前記背面の、前記座標入力装置を載置する面に平行な方向の両端縁近傍にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項9に記載の座標入力装置。
【請求項12】
前記両端縁近傍にそれぞれ設けられている2個の前記グリップ部に設けられている前記1又は複数個の操作部は、前記2個のグリップ部で、同じ機能が割り当てられている操作部とされている
ことを特徴とする請求項11に記載の座標入力装置。
【請求項13】
前記両端縁近傍にそれぞれ設けられている2個の前記グリップ部に設けられている前記1又は複数個の操作部は、前記2個のグリップ部で、互いに異なる機能が割り当てられている操作部とされている
ことを特徴とする請求項11に記載の座標入力装置。
【請求項14】
前記スタンド部は、前記入力面の、前記座標入力装置を載置する面に対して交差する方向の角度を変更可能とする機構を備えている
ことを特徴とする請求項9に記載の座標入力装置。
【請求項15】
前記1又は複数個の操作部には、前記指示体による指示位置の入力に関連する機能が割り当てられている
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項16】
前記位置検出センサの前記位置検出領域と重なる表示画面を有する表示デバイスを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項17】
前記位置検出センサは、電磁誘導方式により前記指示体による指示位置を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項18】
前記位置検出センサは、静電結合方式により前記指示体による指示位置を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【請求項19】
前記操作部は、操作ボタン、タッチセンサ、トラックボールのいずれかを含む、使用者が視認しなくても操作可能なものからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子ペンや指などの指示体により指示された位置を検出する位置検出センサを備えた座標入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ペンや指などの指示体により指示された位置を検出する位置検出センサを備えた座標入力装置は、文字の筆記入力だけでなく、アニメーション画像などの描画にも広く用いられている。この種の座標入力装置は、例えば液晶ディスプレイなどからなるフラットディスプレイで構成される表示画面を備え、位置検出センサで検出された指示体による指示位置に基づく軌跡が、その表示画面に表示されたり、指示体による指示位置に基づく指示入力に応じた表示がなされたりするように構成されている(例えば特許文献1(特許5808001号公報)参照)。
【0003】
図8は、従来のこの種の座標入力装置の一例を説明するための図である。この図8に示すように、この例の座標入力装置100は、表示画面101Dを有する表示装置部101と、電子ペン200により指示された位置を検出する位置検出センサ102とを備える。
【0004】
位置検出センサ102及び電子ペン200は、例えば電磁誘導方式のものとされ、図8に示すように、表示画面101Dの裏側に位置検出センサ102が、当該位置検出センサの位置検出領域と表示画面101Dの表示領域とが互いに重なるような状態で重畳するように配置されている。
【0005】
そして、電子ペン200により位置指示の操作入力を行う操作者は、図8に示すように、電子ペン200を手で把持して、表示画面102D上を入力面として、位置指示入力をすることで座標入力するようにする。
【0006】
そして、図8に示すように、座標入力装置100には、電子ペン200による位置指示入力の補助操作のための複数個の操作ボタン103L及び複数個の操作ボタン103Rが設けられている。ここで、複数個の操作ボタン103Lは、図8に示すように、右利きの操作者が、右手で電子ペン200を把持して位置指示入力をする際に、左手でボタン操作をすることができるように、表示画面101Dの左側に設けられている。また、複数個の操作ボタン103Rは、左利きの操作者が、左手で電子ペン200を把持して位置指示入力をする際に、右手でボタン操作をすることができるように、表示画面101Dの右側に設けられている。
【0007】
電子ペン200を把持する操作者は、座標入力装置1の入力面で、電子ペン200による位置指示をしながら、電子ペン200を把持していない方の手の指で操作ボタン103L又は103Rを操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許5808001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の図8の例の座標入力装置100では、複数個の操作ボタン103L,103Rが、座標入力装置100の入力面である表示画面102Dの左右側端に設けられるため、当該複数個の操作ボタン103L,103Rの設置スペースが必要となって、座標入力装置100の筐体が大きくなってしまう問題があった。筐体の大きさが定まっている場合には、座標入力装置100の入力面の領域(位置検出領域)が、操作ボタンの配置領域の分だけ小さくなってしまうという問題がある。
【0010】
また、上述の図8の例の座標入力装置100では、複数個の操作ボタン103L,103Rのそれぞれが、座標入力装置100の入力面である表示画面102Dと同一面において、互いの位置を異にして設けられている。このため、操作者は、操作したい操作ボタン103L,103Rの位置を、目で見ながら指を移動させて探すように操作する必要があり、操作者は、表示画面103Dから目を移して、指の位置が操作したい操作ボタン103L,103Rの位置に合致していることを確認する作業が必要であった。したがって、電子ペン200などの指示体による位置指示入力操作が、一時的に休止してしまい、作業効率が悪くなる恐れがあった。
【0011】
この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした座標入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、
指示体による指示位置を検出するための位置検出センサと、
前記指示体による前記指示位置の入力操作がなされる面であって前記位置検出センサの位置検出領域に対応する入力面に対向する背面を備え、前記位置検出センサを収納する筐体と、
前記筐体の前記背面に設けられるグリップ部と、
を備え、
前記グリップ部は、前記背面に交差する方向に凸となる凸部を有し、前記凸部には1又は複数個の操作部が配置されている
ことを特徴とする座標入力装置を提供する。
【0013】
上述の構成の座標入力装置においては、筐体の背面に設けられるグリップ部に操作部が設けられているので、入力面側には、操作部を配設する必要がない。そのため、入力面側における位置検出領域を大きくとれる。
【0014】
また、操作部は、操作者が握るグリップ部の凸部に設けられているので、操作者は、グリップ部を握ったときの同じ位置において操作部を認識することができる。このため、操作者は、マッスルメモリにより操作部を認識することができるようになる。これにより、操作者は、操作部の位置を目で確認する必要がなく、例えば指示体を持った手とは反対側の手でグリップ部の操作部を操作することで、効率の良い入力作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明による座標入力装置の実施形態の外観を説明するための斜視図である。
図2】この発明による座標入力装置の実施形態の背面図及び側面図である。
図3】この発明による座標入力装置の実施形態の内部構成例を示す分解斜視図である。
図4】この発明による座標入力装置の実施形態の要部の構成例の拡大斜視図である。
図5】この発明による座標入力装置の実施形態の要部の構成例を説明するために用いる図である。
図6図2(A)の背面図におけるA-A線断面図である。
図7】この発明による座標入力装置の実施形態の電気的構成例を説明するための図である。
図8】従来の座標入力装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明による座標入力装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0017】
図1及び図2は、この実施形態の座標入力装置1の外観を説明するための図である。この実施形態の座標入力装置1は、座標入力装置本体部10と、この座標入力装置本体部10と結合されるスタンド部20とで構成されている。
【0018】
座標入力装置本体部10は、この例では矩形形状の外形を有し、所定の厚さの薄型に構成されている。そして、座標入力装置本体部10は、この例では、厚さ方向に直交する矩形形状の2面を備え、その一方の面側を正面10A側とし、他方の面側を背面10B側としている。
【0019】
図1(A)は、座標入力装置1を正面10A側から見た外観斜視図、図1(B)は背面10B側から見た外観斜視図である。また、図2(A)は、座標入力装置1の背面図であり、図2(B)は、座標入力装置1の左側面図である。さらに、図3は、座標入力装置1の内部構成例を示す分解斜視図である。
【0020】
座標入力装置本体部10の筐体11内には、この例では、図3に示すように、静電結合方式の位置検出センサ12と、表示デバイス13と、電磁誘導方式の位置検出センサ14と、制御回路基板15と、例えばガラスや樹脂などの透明材料からなる平面部材16とが、順次に重ねられた状態で配設されている。
【0021】
筐体11は、例えば合成樹脂により構成されている。この筐体11には、位置検出センサ12、表示デバイス13、位置検出センサ14及び制御回路基板15などを収納するための凹部が形成されている。この筐体11の凹部の開口側が、座標入力装置本体部10の正面10A側となる。この筐体11の凹部内に、位置検出センサ12、表示デバイス13、位置検出センサ14及び制御回路基板15などが収納された後、平面部材16により、筐体11の凹部の開口側が閉塞されて、座標入力装置本体部10が形成される。
【0022】
表示デバイス13は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットディスプレイからなり、ディスプレイ基板131上に、表示画素132が、X軸方向(横方向)に多数個配列されていると共に、X軸方向に直交するY軸方向(縦方向)に多数個配列された表示画面133を備えている。
【0023】
静電結合方式の位置検出センサ12は、例えば、座標入力装置本体部10の矩形形状の外形の横方向をX軸方向として配列される複数本の直線状のX導体と、この複数本のX導体とは直交して交差するようにY軸方向(座標入力装置本体部10の矩形形状の外形の縦方向)に配列されている複数本の直線状のY導体とからなる。この位置検出センサ12は、この表示デバイス13の表示画面133の表面側に配置され、かつ、当該位置検出センサ2の位置検出領域と表示デバイス13の表示画面133の表示領域とが互いに重畳するような状態で配置される。
【0024】
また、電磁誘導方式の位置検出センサ14は、X軸方向に配設された複数個のループコイルからなるX軸方向ループコイル群と、Y軸方向に配設された複数個のループコイルからなるY軸方向ループコイル群とで構成されている。この位置検出センサ14は、表示デバイス13の表示画面133の裏面側に配置され、かつ、当該位置検出センサの位置検出領域と表示デバイス13の表示領域とが互いに重畳するように配置される。したがって、位置検出センサ12と位置検出センサ14も、その位置検出領域が互いに重畳するように配置される関係となっている。
【0025】
すなわち、位置検出センサ12の位置検出領域と、位置検出センサ14の位置検出領域と、表示デバイス13の表示画面133の表示領域とが、ほぼ等しい大きさとされると共に、重畳して配置される関係となっている。
【0026】
制御回路基板15には、位置検出センサ12が接続される静電容量方式の接触検出回路、位置検出センサ14が接続される電磁誘導方式の位置検出回路、表示デバイス11の表示制御回路、それらの回路を制御したり、後述する複数個の操作ボタンの操作を監視して、対応する制御信号を発生したりするためのマイクロコンピュータで構成される制御回路、その他の電子部品、銅箔配線パターンが搭載されている。
【0027】
ガラスや樹脂などの透明材料からなる平面部材16は、その一方の面16Sは、指示体の例としての電子ペン2や指が接触して、位置指示の入力操作をするときの入力面となる。以下、この平面部材の一方の面16Sを、座標入力装置1の入力面16Sと称することとする。なお、この実施形態の座標入力装置1では、電子ペン2は、高精細に座標入力をすることができるように、電磁誘導方式の電子ペンが用いられ、その指示位置が位置検出センサ14で検出される。
【0028】
スタンド部20は、基台部21と、アーム部22と、座標入力装置本体部10の背面10Bに結合される本体結合部23とからなる。
【0029】
基台部21は、この例では、平板の板状体部211と、アーム部22との連結部212とで構成されている。基台部21の板状体部211は、座標入力装置1を載置する机などの載置台TBの上面(図2(B)参照)上に、当該板状体部211の底面側の板状面が接するように置かれる。連結部212は、板状体部211の上面から突出するように設けられている。
【0030】
本体結合部23は、座標入力装置本体部10の背面10aの、この例では、ほぼ中央部位置に被着されて固定される固定結合部231と、アーム部22との連結部232とで構成されている。固定結合部231は、この例では、円形の板状体で構成されており、連結部232は、この板状体の固定結合部231の背面10Bに平行な面から、背面10Bに直交する方向に突出するように設けられている。
【0031】
アーム部22は、矩形の板状の部材で、基台部21と本体結合部23との間を連結するように設けられる。この実施形態では、アーム部22は、その基台部21側の端縁部と本体結合部23側の端縁部とが、互いに平行な直線状となるような形状とされている。
【0032】
そして、アーム部22は、基台部21に対して、アーム部22の基台部21側の直線状の端縁部に平行な方向の回動軸(図示は省略)を中心として、図1(B)及び図2(B)において矢印AR1で示すように回動可能(揺動可能)となる状態で、当該アーム部22の基台部21側の端部が、基台部21の連結部212に結合されて取り付けられている。
【0033】
この場合に、アーム部22は、基台部21との成す角度が任意の位置で係止することができるような状態で、基台部21の連結部212に対して回動可能(揺動)に取り付けられている。この矢印AR1で示す方向のアーム部22の基台部21に対する回動(揺動)により、座標入力装置本体部10の載置台TBに対する高さ位置が変更可能とされる。
【0034】
また、本体結合部23は、アーム部22に対して、当該本体結合部23がアーム部22の本体結合部23側の直線状の端縁部に平行な方向の回動軸(図示は省略)を中心として回動可能となる状態で、本体結合部23の連結部232でアーム部の本体結合部23側の端部が結合されることで取り付けられている。この場合に、本体結合部23は、アーム部22との成す角度が任意の位置で係止することができるような状態で、連結部232においてアーム部22に対して回動可能に取り付けられている。
【0035】
したがって、本体結合部23が固定されている座標入力装置本体部10は、アーム部22の本体結合部23側の直線状の端縁部に平行な方向の回動軸を中心として、すなわち、矩形形状の外形の座標入力装置本体部10の縦方向の中間位置における横方向の回動軸AX(図1(A)参照)を回動中心として、図1(B)及び図2(B)において矢印AR2で示すように、あおり方向に回動することが可能とされる。つまり、座標入力装置本体部10の入力面16Sの表面方向と、載置台TBの上面との成す角を変更することが可能に構成されている。なお、この場合に、座標入力装置本体部10のあおり方向の回動の回動軸の位置は、座標入力装置本体部10の背面10Bにおけるスタンド部20の本体結合部23の結合位置に応じた位置となり、図1(A)に示すような縦方向の中央位置に限定されるものではない。
【0036】
[座標入力装置本体部10の背面10B側のグリップ部30L及び30Rの構成例]
この実施形態の座標入力装置1においては、座標入力装置本体部10の背面10Bの端縁近傍、この例では、座標入力装置本体部10の横方向の端縁近傍である左右両側端部に、グリップ部30L及び30Rが設けられる。この実施形態では、グリップ部30Lは、右利きの操作者が左手で握ることができるように構成され、グリップ部30Rは左利きの操作者が右手で握ることができるように構成されているもので、これらグリップ部30L及び30Rは、この例では同様の構成を備える。ただし、この実施形態では、グリップ部30Lとグリップ部30Rとは、線対称の関係となるように構成されている。図4(A)に、左側端部のグリップ部30Lの拡大斜視図を、図4(B)に、右側端部のグリップ部30Rの拡大斜視図を、それぞれ示す。
【0037】
なお、この実施形態では、座標入力装置本体部10がスタンド部20で保持されるので、座標入力装置本体部10の背面10B側に、手が入る空間を確保することができるようにされている。
【0038】
グリップ部30L,30Rのそれぞれは、座標入力装置本体部10の背面10Bに交差する方向、この例では直交する方向に凸となる凸部31L,31Rをそれぞれ有すると共に、これら凸部31L,31Rの周囲に凹部32L,32Rをそれぞれ有する。そして、グリップ部30Lの凸部31Lには複数個の操作部の例としての複数個の操作ボタン33La,33Lb,33Lc,33Ldが配置され、同様に、グリップ部30Rの凸部31Rには複数個の操作部の例としての複数個の操作ボタン33Ra,33Rb,33Rc,33Rdが配置されている。この例では、操作ボタン33La~33Ld、33Ra~33Ldは、押しボタンスイッチで構成されている。なお、操作ボタンは、押しボタンスイッチに限らず、スライドスイッチを用いるようにすることもできる。
【0039】
グリップ部30Lは、右利きの操作者が電子ペン2を右手で把持して入力面16Sにおいて位置指示操作入力をする状態において、左手を、座標入力装置本体部10の左側端部側から背面10B側に回して複数個の操作ボタン33La,33Lb,33Lc,33Ldを操作することができるように構成されている。また、グリップ部30Rは、左利きの操作者が電子ペン2を左手で把持して入力面16Sにおいて位置指示操作入力をする状態において、右手を、座標入力装置本体部10の右側端部側から背面10B側に回して複数個の操作ボタン33Ra,33Rb,33Rc,33Rdを操作することができるように構成されている。
【0040】
このため、凸部31Lは、操作者が左手で握ることができる形状及び大きさに構成され、凸部31Rは、操作者が右手で握ることができる形状及び大きさに構成されている。そして、凹部32Lは、操作者が左手で凸部31Lを握ったときに、左手の親指以外の4本の指が入るように設けられ、また、凹部32Rは、操作者が右手で凸部31Rを握ったときに、右手の親指以外の4本の指が入るように形成されている(図5参照)。
【0041】
凸部31Lは、この例では、座標入力装置本体部10の背面10Bと交差する方向の側部311Lと、座標入力装置本体部10の背面10Bと所定の距離だけ隔てて対向する上面部312L(図4(B)参照)とを備える。同様に、凸部31Rは、この例では、座標入力装置本体部10の背面10Bと交差する方向の側部311Rと、座標入力装置本体部10の背面10Bと所定の距離だけ隔てて対向する上面部312R(図4(A)参照)とを備える。
【0042】
そして、この例では、座標入力装置本体部10の左側端部に設けられているグリップ部30Lは、図1(B)、図2(A)及び図4に示すように、凸部31Lの座標入力装置本体部10の左側端部の側部は、座標入力装置本体部10の筐体11の左側端部の側面と面一となるようにされている。また、座標入力装置本体部10の右側端部に設けられているグリップ部30Rは、この例では、図1(B)、図2(A)及び図4に示すように、凸部31Rの座標入力装置本体部10の右側端部側の側部は、座標入力装置本体部10の筐体11の右側端部側の側部と面一となるようにされている。
【0043】
グリップ部30L及び30Rの位置が、背面の内側である場合には、手が届きにくくなる恐れがあるが、この例のように、グリップ部30L及び30Rを、座標入力装置本体部10の左側端部及び右側端部に設けることで、操作者は、電子ペン2を操作しながらグリップ部の操作ボタンを容易に操作することができる。
【0044】
この実施形態では、凸部31L及び凸部31Rの座標入力装置本体部10の縦方向の長さL(図2(A)参照)は、座標入力装置本体部10の横方向の長さ、すなわち、凸部31L及び凸部31Rの幅W(図2(A)参照)よりも長く、かつ、凸部31L及び凸部31Rの幅Wが、座標入力装置本体部10の縦方向の上方向になるほど狭くなるような形状とされている。
【0045】
そして、凹部32L,32Rは、凸部31L、31Rの座標入力装置本体部10の左側端部及び右側端部と面一となる部分を除いた部分の周囲に設けられている。すなわち、凸部31L及び31Rの、座標入力装置本体部10の背面10Bと交差する方向の側部311L,311Rの内の座標入力装置本体部10の縦方向の上部側の側部311La、311Ra(図4参照)の周囲の上部側凹部321L,321Rと、座標入力装置本体部10の縦方向に沿う長さL方向の側部311Lb,311Rbの周囲に隣接して形成されている縦方向凹部322L,322Rとが連続するように形成されている。
【0046】
凸部31L,31Rの縦方向の長さLは、図5に示すように、手の中指、薬指、小指の3本の指で凸部31L,31Rを握ることができる長さ、あるいはそれ以上とされている。凸部31L,31Rの幅Wは、凸部31L,31Rを、座標入力装置本体部10の入力面16S側から手をまわして握ったときに、図5に示すように、手の中指、薬指、小指の先端が凹部322L,322Rに入り込んで、それらの指の腹が凸部31L,31Rの側部に当接するような長さとされている。
【0047】
そして、凹部32L,32Rの幅(凸部31L,31Rの幅方向の延長方向の長さ)は、図5に示すように、手の人差し指の腹が凸部31L,31Rの上部側の側部311La、311Raに位置することができ、かつ、中指、薬指、小指の第1関節の腹の部分が凸部31L、31Rの長さL方向の側部311Lb,311Rbに位置することができるような幅とされている。
【0048】
また、凸部31L、31Rの上面部312L、312Rの凹部32L,32Rの底部からの高さは、図5に示すように、手の人差し指の腹及び中指、薬指、小指の第1関節の部分の腹が凸部31L、31Rの側部311L,311Rに位置することができるような高さとされている。ただし、この実施形態では、凹部32L,32Rの底部から凸部31L、31Rの上面部312L、312Rまでの高さは、均一ではなく、凸部31L、31Rの長さLの方向(座標入力装置本体部10の縦方向)において異なるように構成されている。
【0049】
図6は、図2のA-A線断面図であり、右側端部のグリップ部30Rの部分の断面図である。この図6、また、図1(B)及び図4に示すように、凸部31L、31Rの上面部312L,312Rは、座標入力装置本体部10の背面10Bの縦方向の下方側は、この例では、座標入力装置本体部10の背面10Bと面一となるようにされている共に、上方側になるほど、座標入力装置本体部10の背面10Bよりも突出するように、凹部32L,32Rの底部からの高さが高くなるように構成されている。
【0050】
そして、この実施形態では、図2(B)及び図6に示すように、凹部32L、32Rは、その底面が背面10Bよりも低い位置となる状態で、凸部31L及び31Rの周囲に隣接して形成されることで、凸部31L及び31Rの背面10Bからの突出量を抑えつつ、最適な握り具合を確保することができるように、グリップ部30L,30Rが形成されている。
【0051】
この場合に、凸部31L,31Rの側部311L,311Rと、凹部32L,32Rの底部とが交差することで成す角は、図4及び図6に示すように若干鈍角となるように構成されて、凸部31L,31Rの側部311L,311Rが、凹部32L,32Rの底部側に向かって若干裾広がりとなるように構成されている。このように構成されることで、凸部31L,31Rは、操作者の手で握り易くなるようにされると共に、指の腹で、凸部31L,31Rの側部311L,311Rを容易に圧接することができるように構成されている。
【0052】
そして、グリップ部30Lを左手で握ったときには、凸部31Lの側部311Lの座標入力装置本体部10の縦方向の上部側の側部311Laには、図5に示すように、左手の人差し指が挿入されるようになる。同様に、グリップ部30Rを右手で握ったときには、凸部31Rの側部311Rの座標入力装置本体部10の縦方向の上部側の側部311Raには、右手の人差し指が挿入されるようになる。
【0053】
この凸部31L、及び31Rの上部側の側部311La,311Raには、この実施形態では、図1(B)、図2(A)、図4に示すように、凸部31L,31Rの高さ方向において異なる位置に、操作ボタン33Laと操作ボタン33Lb,操作ボタン33Laと操作ボタン33Lb、が設けられている。この場合に、操作ボタン33La及び33Raは、押下操作面が側部311La及び311Raに平行とされた平面ノブスイッチとされている。また、操作ボタン33Lb及び33Rbは、押下操作面が側部311La及び311Raに平行な面と、上面部312L及び312Rと平行な面との2面を備え、それぞれの押下操作面に交差する方向の押下入力を受け付けることができる角スイッチとされている。なお、凸部31L,31Rの上部側の側部311La,311Raは、他より高さが高い分、2個の操作ボタン33Laと33Lb,操作ボタン33Raと33Rbを、図のように並べて配設することができる。
【0054】
そして、グリップ部30Lを左手で握ったときには、凸部31Lの凹部322Lが隣接する側部311Lbには、図5に示すように、左手の中指、薬指及び小指の第1関節の腹部が当接するようになる。同様に、グリップ部30Rを右手で握ったときには、凸部31Lの凹部322Lが隣接する側部311Lbには、図5に示すように、左手の中指、薬指及び小指の第1関節の腹部が当接するようになる。
【0055】
この凸部31L,31Rの側部311Lb,311Rbには、図4(A)及び(B)に示すように、この実施形態では、中指の第1関節の腹が当接する位置に、操作ボタン33Lc,33Rcが配設され、薬指の第1関節の腹が当接する位置に、操作ボタン33Ld,33Rdが配設されている。この場合、この実施形態では、操作ボタン33Lc,33Rc、また、操作ボタン33Ld,33Rdは、押下操作面が側部311La,311Raに平行とされた平面ノブスイッチとされている。
【0056】
操作ボタン33La~33Ld、33Ra~33Rdのそれぞれに対しては、その押下操作に対して、この実施形態の座標入力装置1における種々の機能のいずれかが割り当てられている。操作ボタン33La~33Ld、33Ra~33Rdのそれぞれに割り当てられる機能は、予め、定められていてもよいし、メニューから操作ボタンの機能設定を選択し、それぞれの操作ボタンに対する機能を選択設定するようにしてもよい。メニューの起動及びメニューから操作ボタンの選択設定などの項目選定は、この例では、静電結合方式の位置検出センサ12による操作者の指の指示位置の検出結果に基づいて行えるように構成されている。
【0057】
この実施形態では、前述したように、座標入力装置本体部10の背面10Bの左側端部及び右側端部のグリップ部30L及び30Rは、右利き用の操作者の左手用及び左利き操作者の右手用として、グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldと、グリップ部30Rの操作ボタン33Ra~33Rdとで、互いに同じ位置の操作ボタンには、同一の機能を割り当てるようにされている。
【0058】
グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldと、グリップ部30Rの操作ボタン33Ra~33Rdとに割り当てられる機能の例としては、「やり直し(redo)」、「元に戻す(undo)」、「表示色の濃さの指示」、「サイズ変更」、などが挙げられるが、これに限られるものではないことは言うまでもない。
【0059】
なお、この実施形態では、グリップ部30L及び30Rの部分は、座標入力装置本体部10の筐体11とは別に形成され、筐体11に形成されたグリップ部30L及び31Rの嵌合部に、嵌合されて取り付けられるようにして形成される。しかし、グリップ部30L及び30Rは、座標入力装置本体部10の筐体11の背面10A側部分に一体的に形成するようにしても、勿論良い。
【0060】
[座標入力装置1の電気的構成例]
以上のように構成されている座標入力装置1においては、操作者は、利き手で電子ペン2を把持して、入力面16Sにおいて、当該電子ペン2により位置指示入力をすることで、筆記を行ったり、描画を行ったりする。そして、この電子ペン2による位置指示入力操作をしながら、適宜のタイミングで、利き手ではない方の手の指で、入力面16Sで位置指示操作をしたり、あるいは、グリップ部30L又はグリップ部30Rを握り、操作ボタン33La~33Ld又は操作ボタン33Ra~33Rdをボタン操作したりするようにする。
【0061】
この実施形態の座標入力装置1では、以上のような操作入力を受け付けて、その操作入力に応じた処理及び制御を、電気的処理部で実行するようにする。
【0062】
図7に、この実施形態の座標入力装置1の電気的処理部の構成例について説明する。この図7に示すように、電磁誘導方式の電子ペン2は、回路構成として、位置指示コイル2Lと、この位置指示コイル2Lに並列に接続される共振コンデンサ2Cとからなる共振回路2Rを備える。
【0063】
そして、位置検出センサ14は、基板140の表裏に、X軸方向ループコイル群141と、Y軸方向ループコイル群142とが形成されて構成される。X軸方向ループコイル群141及びY軸方向ループコイル群142は選択回路143を介して位置検出回路151に接続されている。選択回路143は、位置検出回路151からの選択制御信号を受けて、2つのループコイル群141,142のうちから、1本ずつ、あるいは複数本ずつループコイルを順次選択するように動作する。
【0064】
位置検出回路151は、所定の周波数の交流信号を、選択回路143によって選択されたループコイルを通じて電子ペン2に対して送信する。電子ペン2は、共振回路2Rで位置検出センサ14からの交流信号を受けると共に、共振回路2Rから電磁誘導結合により位置検出センサ14に対して交流信号を帰還させる。
【0065】
この電子ペン2からの帰還信号により選択回路143で選択されたループコイルに発生する誘導電圧は、位置検出回路151に供給される。位置検出回路151は、各ループコイルに発生した誘導電圧の電圧値のレベルに基づいて位置検出センサ14の検出領域におけるX軸方向及びY軸方向の電子ペン2による指示位置の座標値を算出する。位置検出回路151は、算出した電子ペン2による指示位置の座標値を制御回路150に供給する。
【0066】
静電結合方式の位置検出センサ12は、透明基板120の表裏に、X軸方向の直線状導体群121と、Y軸方向直線状導体群122とが形成されて構成される。X軸方向直線導体群121及びY軸方向直線導体群122は選択回路123を介して位置検出回路152に接続されている。
【0067】
そして、この例では、選択回路123は、位置検出回路152からの選択制御信号を受けて、Y軸方向直線導体群122のうちから、1本ずつ、あるいは複数本ずつ直線導体を順次選択し、その選択した直線導体に拡散符号などの所定の送信信号を順次に供給する。そして、X軸方向直線導体群からの送信信号の受信信号を受信して受信処理をし、指が存在する位置で得られる受信信号が、他の位置での受信信号とは異なることを検出することで、指により指示されている位置を検出するようにする。位置検出回路152は、検出した指の指示位置の座標値を制御回路150に供給する。
【0068】
この実施形態の座標入力装置1では、制御回路150には、操作部インタフェース(図7ではI/Fと記す)154が接続されているとともに、この操作部インタフェース154には、グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldのそれぞれ、及びグリップ部30Rの操作ボタン33La~33Ldのそれぞれ、が接続されている。
【0069】
制御回路150は、グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldのいずれかが操作されたとき、あるいはグリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldのいずれかが操作されたとき、その操作された操作ボタンを、操作部インタフェース154を通じて検出する機能を備えている。
【0070】
そして、制御回路150は、位置検出回路151で検出された電子ペン2による指示位置の座標の時系列データに基づいて、筆記跡情報あるいは描画情報を生成し、表示制御回路320に供給する。表示制御回路320は、受け取った筆記跡情報あるいは描画情報に基づいて表示情報を生成し、生成した表示情報を表示デバイス13に供給し、表示画面133に、電子ペン2による筆記跡や描画像を表示させるようにする。
【0071】
また、制御回路150は、位置検出回路152で検出された指により指示された座標位置に対応して設定されている機能を起動し、その機能に応じた表示用情報を生成して表示制御回路153に供給する。表示制御回路320は、受け取った機能に応じた表示用情報を表示デバイス13に供給し、表示画面133に、機能メニューの一覧や、設定項目の一覧などの表示画像を、電子ペン2による筆記跡や描画像と共に表示させるようにする。
【0072】
さらに、制御回路150は、操作部インタフェース154を通じて検出したグリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldのいずれか、あるいはグリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldのいずれかに基づいて、この実施形態では、電子ペン2による筆記跡や描画像の色や、サイズを変更制御したり、電子ペン2の指示入力操作について「やり直し(redo)」や「元に戻す(undo)」をしたりする制御を実行するようにする。表示制御回路153は、制御回路150での制御に応じた表示制御を、表示デバイス3の表示画面133の表示画像に反映させる。
【0073】
[実施形態の座標入力装置1の効果]
以上のように構成されているこの実施形態の座標入力装置1においては、操作者は、一方の手で電子ペン2を用いて位置指示の入力操作をしながら、他方の手で、グリップ部30L及び30Rの一方を握って操作ボタン33La~33ldあるいは操作ボタン33Ra~33Rdを操作したり、あるいは、当該他方の手の指で入力面においてタッチ入力をしたりすることで、表示画面に電子ペンによる筆記入力をしながら、種々の機能処理をすることができて、便利である。
【0074】
この場合に、操作者は、グリップ部30L又は30Rの凸部31L及び31Rを、左手又は右手で握ったときには、図5に示したように、人差し指で操作ボタン33La及び33Ra又は操作ボタン33Lb及び33Rbを押下操作可能とすることができると共に、中指で操作ボタン33Lc又は操作ボタン33Rcを、薬指で操作ボタン33Lc又は操作ボタン33Rcを、それぞれ押下操作可能とすることができる。
【0075】
このため、操作者は、マッスルメモリの効能も相まって、目で確認することなく、グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ld、あるいはグリップ部30Rの操作ボタン33Ra~33Rdのそれぞれを認識しながら、正しく操作することができる。したがって、操作者は、電子ペン2を利き手で把持して位置指示入力操作をしながら、他方の手で、グリップ部30L及び30Rの凸部31L及び31Rを握って、操作ボタン33La~33ldあるいは操作ボタン33Ra~33Rdを操作しても、従来のように目で操作ボタンの位置を確認しながら操作する必要がないので、効率よく、入力作業を行うことができる。
【0076】
[他の実施形態又は変形例]
以上の実施形態の座標入力装置1は、座標入力装置本体部10とスタンド部20とからなる構成としたが、この発明による座標入力装置としては、スタンド部20は必須の構成要素ではなく、座標入力装置本体部10のみの構成としてもよい。
【0077】
なお、上述の実施形態では、グリップ部30L及び30Rは、右利き用の操作者の左手用及び左利き操作者の右手用として、グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldと、グリップ部30Rの操作ボタン33Ra~33Rdとで、互いに同じ位置の操作ボタンには、同一の機能を割り当てるようにしたが、グリップ部30Lの操作ボタン33La~33Ldと、グリップ部30Rの操作ボタン33Ra~33Rdとで、異なる機能を割り当てるようにしてもよい。
【0078】
また、グリップ部は、矩形形状の外形の座標入力装置本体部10の横方向の左右両端部にそれぞれ設けるようにしたが、一方の側のみに設けるように構成してもよい。また、矩形形状の外形の座標入力装置本体部10の縦方向の上端部あるいは下端部のいずれかあるいは両方に設けるようにしてもよい。また、グリップ部は、1個あるいは2個ではなく、3個以上、設けるようにしてもよい。また、異なるグリップ部では、操作ボタンの配置位置は、互いに異ならせてもよい。
【0079】
また、グリップ部は、操作者の手が届いて握れる位置であれば、座標入力装置の背面の端部ではなく、中ほどの位置に設けてもよい。
【0080】
また、上述の実施形態では、操作部の例としての操作ボタンは、グリップ部の凸部の側部にのみ設けるようにしたが、凸部の上面部に設けてよいし、側部と上面部の両方に設けるようにしてもよい。
【0081】
また、上述の実施形態では、グリップ部の凸部に隣接して凹部を形成するようにしたが、グリップ部は、座標入力装置の背面から凸部が形成されて凹部を設けない構成とすることもできる。
【0082】
また、上述の実施形態では、操作部の例として操作ボタンを用いるようにしたが、操作部は、操作ボタンに限らず、例えばタッチセンサ(タッチパネル)、ホイール、トラックボールなど、使用者が視認しなくても操作可能となるようなものであれば、どのようなものであってもよい。また、複数の操作部は、例えば複数の操作ボタンなどのように同一種の操作部のみからなるものではなく、操作ボタン、タッチセンサ、トラックボールなどを組み合わせてもよい。
【0083】
また、グリップ部の凸部に設ける操作部の数は、4個に限らず、1個であってもよい。また、操作部の数は、マッスルメモリにより認識可能であるならば、いくつでもよい。
【0084】
また、グリップ部の凸部の形状は、上述の例に限られるものではない。例えば、凸部の側部に、手で握ったときに指の腹が当たる位置に応じて凹部を形成するような形状としてもよい。また、凸部の形状は、上述の例のような側部と上面部とを有するような形状のものに限定される訳ではなく、球状、断面が多角形の柱状、など種々の形状とすることができる。
【0085】
また、座標入力装置の外形形状は、上述の実施形態のような矩形でなくてもよく、楕円形、円形、多角形などであってもよい。その場合に、グリップ部は、座標入力装置の背面側にあれば、どの位置に在ってもよい。
【0086】
また、上述の実施形態では、位置検出センサは、電磁誘導方式と静電結合方式の両方を備えるようにしたが、一方のみであってもよい。また、位置検出センサは、電磁誘導方式や静電結合方式に限られるものではなく、その他の方式のものであっても勿論良い。
【0087】
なお、静電結合方式の位置検出センサに対する指示体としては、指のみではなく、パッシブ方式の電子ペンでもよく、また、静電結合方式の位置検出センサは、アクティブ静電結合方式の位置検出センサと電子ペンとを用いる構成であってもよい。
【0088】
また、上述の実施形態の座標入力装置は、表示デバイスを備える構成としたが、表示デバイスは、別体として、表示デバイスを有しない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…座標入力装置、2…電子ペン、10…座標入力装置本体部、11…筐体、12…位置検出センサ、13…表示デバイス、14…位置検出センサ、15…制御回路基板、16…平面部材、20…スタンド部、30L及び30R…グリップ部、31L及び31R…凸部、32L及び32R…凹部、33La~33Ld,33Ra~33Rd…操作ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8