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  • 特開-足場 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128146
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】足場
(51)【国際特許分類】
   E04G 1/24 20060101AFI20230907BHJP
   B25H 5/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
E04G1/24 301A
B25H5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032293
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2022032271の分割
【原出願日】2022-03-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】506128086
【氏名又は名称】シンコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】阿部 博文
【テーマコード(参考)】
2E003
3C012
【Fターム(参考)】
2E003CA01
2E003CC01
3C012BK02
(57)【要約】
【課題】移動の調整が容易な足場を提供する。
【解決手段】足場10は、足場部材100と、足場部材100に設けられる複数の車輪210,220と、対象物900までの距離Gを測定可能な少なくとも1つの距離センサ310,320と、車輪210,220の駆動を制御する制御ユニットと、を有する。制御ユニットは、距離センサ310,320によって測定された距離に基づき車輪210,220の駆動を制御するよう構成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場部材と、
前記足場部材に設けられる複数の車輪と、
対象物までの距離を測定可能な少なくとも1つの距離センサと、
前記車輪の駆動を制御する制御ユニットと、を有し、
前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離に基づき前記車輪の駆動を制御するよう構成されている、足場。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記足場部材が前記対象物に接触しないよう前記距離センサによって測定された距離に基づき前記車輪の駆動を自動停止するよう構成されている、請求項1に記載の足場。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離が閾値以上であれば前記対象物に向かって前進するよう前記車輪を駆動するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離が前記閾値未満であれば、前記車輪を自動停止するよう構成されている、請求項1又は2に記載の足場。
【請求項4】
前記車輪の移動を機械的にロックするロック機構を有し、
前記制御ユニットは、前記車輪を自動停止したときに、前記車輪の移動を機械的にロックするよう前記ロック機構を制御する、請求項2又は3に記載の足場。
【請求項5】
前記距離センサは、高さ方向における位置を変更可能に前記足場部材に取り付けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の足場。
【請求項6】
複数の前記車輪は、少なくとも1つの第1車輪と、少なくとも1つの第2車輪と、を含み、
前記少なくとも1つの距離センサは、前記第1車輪に対応する第1距離センサと、前記第2車輪に対応する第2距離センサと、を含み、
前記制御ユニットは、前記第1距離センサによって測定された距離に基づき前記第1車輪の駆動を制御し、前記第2距離センサによって測定された距離に基づき前記第2車輪の駆動を制御するよう構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の足場。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記第1距離センサによって測定された距離が第1閾値以上であれば、前記対象物に向かって前進するよう前記第1車輪を駆動するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記第2距離センサによって測定された距離が第2閾値以上であれば、前記対象物に向かって前進するよう前記第2車輪を駆動するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記第1距離センサによって測定された距離が前記第1閾値未満であれば、前記第1車輪を自動停止するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記第2距離センサによって測定された距離が前記第2閾値未満であれば、前記第2車輪を自動停止するよう構成されている、請求項6に記載の足場。
【請求項8】
前記足場は、荷台を有する貨物車に横づけ可能な足場である、請求項1から7のいずれか1項に記載の足場。
【請求項9】
前記足場部材は、
人が載ることができるステージと、
前記ステージに設けられた開口部と、
前記開口部の下方に位置し、収容体を設置可能な設置部と、
を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の足場。
【請求項10】
前記足場部材は、
人が載ることができるステージと、
人が装着する安全ベルトのフックを着脱可能な、前記ステージよりも上方に設置された横バーと、
を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の足場。
【請求項11】
音と光の少なくとも一方を発する報知部を有し、
前記報知部は、前記車輪の制御状態の相違に応じて異なる態様で音と光の少なくとも一方を発するよう構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の足場。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足場に関する。
【背景技術】
【0002】
高所での作業を行う場合に、一般的に足場が使用される。例えば、足場は、建造物の内装及び外装工事や、荷台を有する大型貨物自動車での作業に使用される。特許文献1,2には、建造物の内装及び外装工事等の作業を行うための昇降式移動足場が記載されている。特許文献1,2に記載された足場は、複数の車輪を有している。これにより、作業員は、足場を水平に押すことによって足場を移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-160637号公報
【特許文献2】特開2020-045649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者は、移動可能な足場を、例えば荷台を有する貨物自動車のような対象物へ横づけすることを検討した。この場合、作業者が強く足場を水平方向に押すと、足場が誤って対象物に強く衝突してしまい、対象物を傷付けてしまう虞がある。一方、対象物と足場との間の距離が広すぎると、足場上での作業に危険が伴うことがある。そのため、作業車は、慎重に足場を移動させる必要がある。しかしながら、足場の大型化すればするほど、人の手によって足場の位置を微調整することは困難である。
【0005】
したがって、移動の調整が容易な足場が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る足場は、足場部材と、前記足場部材に設けられる複数の車輪と、対象物までの距離を測定可能な少なくとも1つの距離センサと、前記車輪の駆動を制御する制御ユニットと、を有する。前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離に基づき前記車輪の駆動を制御するよう構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記態様によれば、移動の調整が容易な足場が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る足場の模式的斜視図である。
図2】足場の使用態様を示す模式的上面図である。
図3】一実施形態に係る足場の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0010】
図1は、一実施形態に係る足場の模式的斜視図である。図2は、足場の使用態様を示す模式的上面図である。図3は、一実施形態に係る足場の電気的構成を示すブロック図である。
【0011】
本実施形態において、足場10は、対象物900に横づけ可能な足場であることが好ましい。より好ましくは、対象物900は、荷台910を有する貨物車であってよい。すなわち、足場10は、荷台910を有する貨物車に横づけ可能な足場であってよい。この場合、作業者は、足場10を通じて、貨物車の荷台910上に上がることができる。より具体的には、作業者は、貨物車の荷台910上に積まれた部材、例えば建造物の解体物等を、荷台910上で仕分けたりすることができる。また、足場10が、荷台910を有する貨物車に横づけ可能な足場である場合、後述する足場部材100は、貨物車及び荷台910の一側面のみに配置されるものであることが好ましい。これにより、貨物車の運転手は、既に設置されている足場10の横に貨物車を横づけし易い。
【0012】
足場10は、足場部材100と、複数の車輪210,220と、少なくとも1つの距離センサ310,320と、報知部400と、制御ユニット500と、を有していてよい。足場部材100は、複数の部材により組み立て可能に構成されていてもよく、一体的に構成されていてもよい。
【0013】
足場部材100は、人が載ることができるステージ120と、ステージ120へ上がるための梯子130と、を有していてよい。ステージ120は、地面よりも高い位置、好ましくは貨物車の荷台910の高さに近い位置に設けられていてよい。梯子130は、足場10の端付近に設けられていてよい。
【0014】
複数の車輪210,220は、足場部材100に設けられている。複数の車輪210,220は、足場10全体を支えるとともに、足場10を移動可能にしている。制御ユニット500は、複数の車輪210,220の駆動を制御するよう構成されていてよい。すなわち、制御ユニット500は、自動で複数の車輪210,220を駆動することによって、足場10を自動で動かすことができる。
【0015】
足場10は、車輪210,220の移動を機械的にロックするロック機構140を有していてよい。ロック機構140は、地面に押圧される押圧バーを有していてよい。足場10は、押圧バーが地面に押圧されることによって、安定的に静止状態を維持する。なお、ロック機構140の押圧バーは、車輪210,220の駆動中に上がった状態、すなわちロック解除の状態になっている。
【0016】
距離センサ310,320は、対象物900までの距離を測定可能なセンサである。距離センサ310,320の種類は、対象物900までの距離を測定可能であれば、特に制限されない。距離センサ310,320は、例えば、レーザ式、LED式、超音波式、接触式、渦電流式、及び/又はTOF方式のセンサであってよい。対象物900までの距離(近距離)を正確に測定する観点から、距離センサ310,320は、レーザ式のセンサであってよい。
【0017】
距離センサ310,320は、少なくとも足場10の移動中に、所定の時間間隔で距離センサ310,320と対象物900との間の距離を測定する。距離センサ310,320によって測定された距離は、制御ユニット500に送られる。制御ユニット500は、距離センサ310,320から受信した値に応じて、各種の制御を実行し得る。
【0018】
距離センサ310,320は、高さ方向における位置を変更可能に足場部材100に取り付けられていることが好ましい。図1に示す例では、距離センサ310,320は、足場部材100のうち高さ方向に沿って延びたバーに取り付けられており、当該バーに関してスライド移動可能に構成されていてよい。これにより、距離センサ310,320は、対象物900の高さに応じた位置に設定することができる。この代わりに、距離センサ310,320の高さ方向の位置を変える必要がない場合、距離センサ310,320は、高さ方向に関して固定されていてもよい。
【0019】
足場部材100は、人が装着する安全ベルトのフックを着脱可能な、ステージ120よりも上方に設置された横バー150を有していてよい。これにより、作業者は、横バー150にフックを取り付けた状態で作業できるため、作業の安全性が高まる。なお、横バー150は、必要に応じて必要なときに足場部材100に取り付けられればよい。
【0020】
足場部材100は、ステージ120に設けられた開口部125と、開口部125の下方に位置して収容体920を設置可能な設置部160と、を有していてよい。収容体920は、例えばゴミや有価物等のように荷台910上の物から分別された物を収容可能であってよい。この場合、荷台910上の作業員は、荷台910上の物から分別された物を、開口部125を通して収容体920に投げ入れることができる。収容体920は、例えばフレキシブルコンテナバックであってよい。
【0021】
足場10は、開口部125を覆う不図示の蓋を有していてもよい。開口部125が蓋によって閉じられれば、足場10としての安全性が向上する。この場合、蓋は、作業員による必要な作業中にのみ開けられることが好ましい。
【0022】
設置部160は、足場部材100に取り付けられていてよい。これにより、収容体920は、足場10とともに移動可能である。したがって、作業員による作業が終了した際に、所望の物を収容した収容体920は、足場10とともに対象物900から退避することができる。
【0023】
足場10は、音と光の少なくとも一方を発する報知部400を有していてよい。報知部400は、車輪210,220の制御状態の相違に応じて異なる態様で音と光の少なくとも一方を発するよう構成されていることが好ましい。例えば、報知部400は、足場10が移動中のときと、足場10が停止したタイミングと、で異なるパターンの光を発したり、異なるパターンの音を発したりしてよい。
【0024】
足場10は、報知部400、制御ユニット500、車輪210,220の駆動等に必要な電力を蓄えるバッテリーを有していてよい。バッテリーは、図1では、制御ユニット500と一体に設けられている。足場10がバッテリーを備えていれば、外部電源の存在しない場所でも、足場10を構成する電気的構成を駆動させることができる。
【0025】
制御ユニット500は、使用者によって操作されるコントローラ980からの指令に応じて、足場10に備えられた各種の制御を行う。制御ユニット500は、コントローラ980と無線通信又は有線通信可能に構成されていてよい。
【0026】
(足場の制御1)
次に、足場の制御の一例について、具体例を挙げつつ詳細に説明する。図2に示す例では、足場10は、貨物車に横付けされるものであってよい。この場合、まず、貨物車の運転手は、足場10の横に貨物車が位置するよう、貨物車を移動させる。この場合、貨物車(対象物900)と足場10との間の間隔Gは、比較的に広く空いた状態になる。したがって、作業者は、コントローラ980を通じて足場10を移動させることにより、足場10を貨物車(対象物900)に近づける。足場10の移動速度は、なるべく小さいことが好ましい。足場10の移動速度は、例えば10cm/秒以下、好ましくは8cm/秒以下、より好ましくは5cm/秒以下であってよい。
【0027】
足場10の移動は、例えばコントローラ980に設けられたスタートボタンを一度押すことによって開始されてもよい。この代わりに、足場10は、例えばコントローラ980に設けられたスタートボタンを押し続けている間、継続的に移動するよう構成されていてもよい。
【0028】
足場10の移動が開始されると、制御ユニット500は、距離センサ310,320によって測定された距離に基づき車輪210,220の駆動を制御する。具体的には、制御ユニット500は、足場部材100が対象物900としての貨物車に接触しないよう距離センサ310,320によって測定された距離に基づき車輪210,220の駆動を自動停止するよう構成されている。これにより、足場10が対象物900に接触することにより対象物900に傷が付くことを防止することができる。
【0029】
より具体的には、制御ユニット500は、距離センサ310,320によって測定された距離Gが予め設定された閾値以上であれば対象物900に向かって前進するよう車輪210,220を駆動するよう構成されていてよい。これにより、足場10と対象物900との距離Gが所望の閾値よりも広いと、足場10は自動で対象物900に近づく。
【0030】
さらに、制御ユニット500は、距離センサ310,320によって測定された距離が上記の閾値未満であれば、車輪210,220を自動停止するよう構成されている。これにより、足場10と対象物900との距離Gが所望の閾値より短くなると、足場10は自動で停止する。
【0031】
ここで、上記閾値は、例えば1cm以上又は2cm以上であってよい。これにより、足場10は対象物900にあたることなく、対象物から間隔をあけた状態で確実に停止することができる。また、上記閾値は、例えば10cm以下、好ましくは8cm以下、より好ましくは5cm以下であってよい。これにより、足場10が停止したときに、足場10と対象物900との間の間隔Gが小さくなるため、人が足場10と対象物900との間を安全に行き来することができる。
【0032】
制御ユニット500は、車輪210,220を自動停止したときに、車輪210,220の移動を機械的にロックするようロック機構140を制御してもよい。この場合、足場10の移動が自動停止したときに、ロック機構140により自動的に機械的なロックが行われる。したがって、機械的なロックを忘れることを防止することができ、作業時の安全性をより確保することができる。
【0033】
上記態様において、報知部400は、足場10の各制御中、及び各制御の切り替わりのタイミングで、互いに異なる態様で報知することが好ましい。例えば、制御ユニット500は、コントローラ980からスタートの指令を受けたときに、足場の移動開始を知らせる報知を行うことができる。この報知(以下、「第1報知」と称することがある。)は、足場の移動中にも継続的に続いていてよい。これにより、足場10付近にいる作業者は、第1報知によって足場10が移動開始及び/移動中であることを認知することができる。なお、足場10の移動開始時の報知と、足場10の移動中の報知は、互いに異なる態様であってよい。
【0034】
また、報知部400は、足場10の移動の停止時に別の報知(以下、「第2報知」と称することがある。)を行うことが好ましい。これにより、足場10付近にいる作業者は、第2報知によって足場10が移動停止したことを認知することができる。上記の第1報知と第2報知が互いに異なる態様であれば、作業者は、報知の態様によって足場が移動中であるか、移動停止したかを容易に判断することができる。
【0035】
(足場の制御2)
次に、足場のより好ましい制御の一例について説明する。本制御を実現するため、足場10に備えられた複数の車輪は、少なくとも1つの第1車輪210と、少なくとも1つの第2車輪220と、を含む。本例では、足場10の一方の端に設けられた車輪が第1車輪210であり、足場10の他方の端に設けられた車輪が第2車輪220である。
【0036】
少なくとも1つの距離センサは、第1車輪210に対応する第1距離センサ310と、第2車輪220に対応する第2距離センサ320と、を含む。第1距離センサ310は、比較的第1車輪210の近くに位置し、第2距離センサ320は、比較的第2車輪220の近くに位置する。
【0037】
この場合、制御ユニット500は、第1距離センサ310によって測定された距離に基づき第1車輪210の駆動を制御し、第2距離センサ320によって測定された距離に基づき第2車輪220の駆動を制御するよう構成されていることが好ましい。
【0038】
例えば、足場10の移動が開始されると、制御ユニット500は、第1距離センサ310によって測定された距離が第1閾値以上であれば、対象物900に向かって前進するよう第1車輪210を駆動するよう構成されている。同様に、制御ユニット500は、第2距離センサ320によって測定された距離が第2閾値以上であれば、対象物900に向かって前進するよう第2車輪220を駆動するよう構成されていてよい。
【0039】
ここで、第1閾値と第2閾値は、互いに同じ値であってよい。第1閾値及び第2閾値は、前述したものと同様、例えば1cm以上又は2cm以上であってよい。第1閾値及び第2閾値は、前述したものと同様、例えば10cm以下、好ましくは8cm以下、より好ましくは5cm以下であってよい。
【0040】
さらに、制御ユニット500は、第1距離センサ310によって測定された距離が上記第1閾値未満であれば、第1車輪210を自動停止するよう構成されていてよい。同様に、制御ユニット500は、第2距離センサ220によって測定された距離が上記第2閾値未満であれば、第2車輪220を自動停止するよう構成されていてよい。このように、第1車輪210及び第2車輪220を停止させるタイミングを決定する距離センサを、車輪ごとに設けることによって、足場10が対象物900に衝突する虞を低減させることができる。
【0041】
足場10の移動開始前に、対象物900は、足場10に対して傾斜して配置されることがある。この場合、足場10を対象物900に向かって真っすぐ前進させると、足場10が傾斜したまま対象物900に横付けされてしまう。上記態様によれば、足場10が対象物900に対して傾斜していたことにより、例えば足場10の第1車輪210側の部分が先に対象物900に近接すれば、第1車輪210は、第2車輪220より先に自動停止する。この状態で、第2車輪220は、依然として移動しつづけるため、足場10の第2車輪220側の部分が対象物900に向かって近づく。それから、足場10の第2車輪220側の部分が対象物900に近接したときに、第2車輪220は、自動停止する。これにより、対象物900が足場10に対して当初傾斜して配置されていたとしても、足場10の傾斜を修正した状態で足場10全体を対象物900に近接させて自動停止することができる。より具体的には、対象物900の一側面にわたって足場10と対象物900との間の距離を、自動的に、例えば1cm以上又は2cm以上、かつ例えば10cm以下、好ましくは8cm以下、より好ましくは5cm以下にすることができる。
【0042】
制御ユニット500は、第1車輪210が自動停止したときに第1車輪210の移動を機械的にロックするように、第1車輪210近い位置に設けられた第1車輪210に対応するロック機構140を制御してよい。同様に、制御ユニット500は、第2車輪220が停止したときに第2車輪220の移動を機械的にロックするように、第2車輪220近い位置に設けられた第2車輪220に対応するロック機構140を制御してよい。
【0043】
この代わりに、制御ユニット500は、第1車輪210と第2車輪220の両方が自動停止した後に、第1車輪210と第2車輪220の移動を機械的にロックするようにロック機構140を制御してもよい。
【0044】
上記態様において、報知部400は、第1車輪210と第2車輪220の両方が自動停止するまでは、足場10が移動中であることを示す報知(第1報知)を続けることが好ましい。報知部400は、第1車輪210と第2車輪220の両方が自動停止した時に、足場10の移動が停止したことを示す報知(第2報知)を行うことが好ましい。また、報知部400は、足場10全体を前進させているときと、対象物900に対する足場10の傾斜を修正しているときとで、互いに異なるパターンの報知を行っても良い。つまり、報知部400は、第1車輪210と第2車輪220の両方の動作中と、第1車輪210と第2車輪220の一方のみの動作中とで、互いに異なるパターンの報知を行っても良い。これにより、足場10の付近にいる作業車は、足場10全体の前進中か、足場10の傾斜の修正かの違いを、容易に判断することができる。
【0045】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0046】
10 足場
100 足場部材
140 ロック機構
210 第1車輪
220 第2車輪
310 第1距離センサ
320 第2距離センサ
400 報知部
500 制御ユニット

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台を有する貨物車に横づけ可能な足場であって、
足場部材と、
前記足場部材に設けられる複数の車輪と、
対象物までの距離を測定可能な少なくとも1つの距離センサと、
前記車輪の駆動を制御する制御ユニットと、を有し、
前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離に基づき前記車輪の駆動を制御するよう構成されており
前記距離センサは、高さ方向における位置を変更可能に前記足場部材に取り付けられている、足場。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記足場部材が前記対象物に接触しないよう前記距離センサによって測定された距離に基づき前記車輪の駆動を自動停止するよう構成されている、請求項1に記載の足場。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離が閾値以上であれば前記対象物に向かって前進するよう前記車輪を駆動するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記距離センサによって測定された距離が前記閾値未満であれば、前記車輪を自動停止するよう構成されている、請求項1又は2に記載の足場。
【請求項4】
前記車輪の移動を機械的にロックするロック機構を有し、
前記制御ユニットは、前記車輪を自動停止したときに、前記車輪の移動を機械的にロックするよう前記ロック機構を制御する、請求項2又は3に記載の足場。
【請求項5】
前記距離センサは、前記足場部材のうち前記高さ方向に沿って延びるバーに関してスライド移動可能に構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の足場。
【請求項6】
足場部材と、
前記足場部材に設けられる複数の車輪と、
対象物までの距離を測定可能な少なくとも1つの距離センサと、
前記車輪の駆動を制御する制御ユニットと、を有し、
複数の前記車輪は、少なくとも1つの第1車輪と、少なくとも1つの第2車輪と、を含み、
前記少なくとも1つの距離センサは、前記第1車輪に対応する第1距離センサと、前記第2車輪に対応する第2距離センサと、を含み、
前記制御ユニットは、前記第1距離センサによって測定された距離に基づき前記第1車輪の駆動を制御し、前記第2距離センサによって測定された距離に基づき前記第2車輪の駆動を制御するよう構成されている、足場。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記第1距離センサによって測定された距離が第1閾値以上であれば、前記対象物に向かって前進するよう前記第1車輪を駆動するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記第2距離センサによって測定された距離が第2閾値以上であれば、前記対象物に向かって前進するよう前記第2車輪を駆動するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記第1距離センサによって測定された距離が前記第1閾値未満であれば、前記第1車輪を自動停止するよう構成されており、
前記制御ユニットは、前記第2距離センサによって測定された距離が前記第2閾値未満であれば、前記第2車輪を自動停止するよう構成されている、請求項6に記載の足場。
【請求項8】
前記足場は、荷台を有する貨物車に横づけ可能な足場である、請求項6又は7に記載の足場。
【請求項9】
前記足場部材は、
人が載ることができるステージと、
前記ステージに設けられた開口部と、
前記開口部の下方に位置し、収容体を設置可能な設置部と、
を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の足場。
【請求項10】
前記足場部材は、
人が載ることができるステージと、
人が装着する安全ベルトのフックを着脱可能な、前記ステージよりも上方に設置された横バーと、
を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の足場。
【請求項11】
音と光の少なくとも一方を発する報知部を有し、
前記報知部は、前記車輪の制御状態の相違に応じて異なる態様で音と光の少なくとも一方を発するよう構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の足場。