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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128150
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】フィーダ及び射出成形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/18 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
B29C45/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032299
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】梅田 光秀
(72)【発明者】
【氏名】千葉 英貴
(72)【発明者】
【氏名】國弘 大介
(72)【発明者】
【氏名】中島 英昭
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AL03
4F206AL04
4F206AL08
4F206AL10
4F206AL11
4F206AL14
4F206AP14
4F206JA07
4F206JF11
4F206JF46
4F206JF47
4F206JL02
4F206JP11
4F206JP13
4F206JP14
(57)【要約】
【課題】所定の量の原料を射出成形することができるフィーダ及び射出成形機を提供する。
【解決手段】一実施形態に係るフィーダ102は、原料を供給されるホッパ11及び原料を排出する排出口13を有する重量式フィーダ10と、排出口13から排出された原料を供給されるホッパ31及び原料を排出する排出口33を有する容量式フィーダ30と、を備える。容量式フィーダ30は、排出口33からの原料の排出と、排出の停止と、を繰り返し、重量式フィーダ10は、排出口33からの原料の排出及び排出の停止を含む所定の連続した期間において、連続して原料を排出口13からホッパ31に排出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を供給される第1ホッパ及び前記原料を排出する第1排出口を有する重量式フィーダと、
前記第1排出口から排出された前記原料を供給される第2ホッパ及び前記原料を排出する第2排出口を有する容量式フィーダと、
を備えたフィーダ。
【請求項2】
前記容量式フィーダは、前記第2排出口からの前記原料の排出と、前記排出の停止と、を繰り返し、
前記重量式フィーダは、前記排出及び前記停止を含む所定の連続した期間において、連続して前記原料を第1排出口から前記第2ホッパに排出する、
請求項1に記載のフィーダ。
【請求項3】
前記第2ホッパの内部の前記原料の充填量を検知する検知センサをさらに有し、
前記検知センサが所定の第1充填量を検知した場合に、前記重量式フィーダは、前記第1排出口からの前記原料の排出を停止する、
請求項1または2に記載のフィーダ。
【請求項4】
前記第2ホッパの内部の前記原料の充填量を検知する検知センサと、
前記第2ホッパの内部の前記原料を撹拌する撹拌手段と、
をさらに有し、
前記検知センサが所定の第2充填量を検知した場合に、前記撹拌手段は、前記原料を撹拌する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のフィーダ。
【請求項5】
前記第2ホッパの内部の前記原料の充填量を検知する検知センサと、
前記第2ホッパの底部に配置され、前記第2ホッパからの前記原料の排出を遮断するシャッターと、
をさらに有し、
前記検知センサが所定の第3充填量を検知した場合に、前記シャッターは、前記原料の排出を遮断する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のフィーダ。
【請求項6】
前記第1ホッパ及び前記第1排出口を有する前記重量式フィーダは、第1重量式フィーダであり、
前記第1重量式フィーダは、第1材料を含む前記原料を前記第1ホッパに供給され、
第2材料を含む前記原料を供給される第3ホッパ及び前記原料を排出する第3排出口を有する第2重量式フィーダをさらに備え、
前記容量式フィーダは、前記第3排出口から排出された前記原料も前記第2ホッパに供給され、前記第1材料及び前記第2材料が混合した前記原料を第2排出口から排出する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のフィーダ。
【請求項7】
前記第1排出口及び前記第3排出口と、前記第2ホッパと、の間に配置され、前記第1材料及び前記第2材料を含む前記原料を混合させるブレンダーをさらに備えた、
請求項6に記載のフィーダ。
【請求項8】
前記原料は、嵩密度が異なる複数の材料を含む、
請求項1~7のいずれか1項に記載のフィーダ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のフィーダを備えた射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィーダ及び射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、射出成形を行う材料を含んだ原料をホッパからシリンダに重量式フィーダの間欠運転制御により供給する射出成形機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4554103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原料を金型に射出して射出成形する場合に、原料に含まれる材料の分量及び濃度等がばらつき、成形品の品質が低下する場合がある。所定の分量の材料を含んだ原料を射出成形することが所望されている。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るフィーダは、原料を供給される第1ホッパ及び前記原料を排出する第1排出口を有する重量式フィーダと、前記第1排出口から排出された前記原料を供給される第2ホッパ及び前記原料を排出する第2排出口を有する容量式フィーダと、を備える。
【0007】
一実施形態に係る射出成形機は、上記に記載のフィーダを備える。
【発明の効果】
【0008】
前記一実施形態によれば、所定の分量の原料を射出成形することができるフィーダ及び射出成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】比較例に係る射出成形機を例示した模式断面図である。
図2】実施形態1に係る射出成形機を例示した模式断面図である。
図3】実施形態1に係る射出成形機において、フィーダを例示した模式断面図である。
図4】実施形態1の別の例に係る射出成形機を例示した模式断面図である。
図5】実施形態2に係る射出成形機において、フィーダを例示した模式断面図である。
図6】実施形態2に係る射出成形機において、ホッパを例示した模式断面図である。
図7】実施形態3に係る射出成形機において、フィーダを例示した模式断面図である。
図8】実施形態3に係る射出成形機において、ホッパを例示した模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0011】
(比較例)
本実施形態の射出成形機及びフィーダを説明する前に、比較例に係る射出成形機及びフィーダ、並びに、それらの課題を説明する。これにより、本実施形態の射出成形機及びフィーダをより明確にする。
【0012】
図1は、比較例に係る射出成形機を例示した模式断面図である。図1に示すように、比較例に係る射出成形機1は、フィーダ2、ホッパ3、シリンダ4、スクリュ5、回転駆動部6、射出駆動部7を有している。射出成形機1は、フィーダ2からホッパ3を介してシリンダ4内に原料を供給される。原料は、1種類の材料または複数の種類の材料を含む。シリンダ4内に供給された原料は、シリンダ4内で加熱させながらスクリュ5の回転で溶融される。回転駆動部6は、スクリュ5を回転させることにより、シリンダ4内の原料を溶融・撹拌させる。射出駆動部7は、シリンダ4内で溶融させた所定の量の原料を間欠的に1ショットごとに金型8のキャビティ9に射出して流し込む。このようにして、射出した溶融原料を金型8内で固化させることにより成形品を成形する。射出成形する原料をホッパ3に供給するフィーダ2としては、容量式フィーダ及び重量式フィーダがあげられる。
【0013】
容量式フィーダは、所定の容量の原料を供給する。例えば、容量式フィーダは、内部において一定回転速度で回転するスクリュ等により、単位時間当たり一定の容量の原料を供給する。しかしながら、容量式フィーダでは、スクリュの回転の周波数等により供給量を設定するので、実際の供給量を把握することができない。よって、金型8のキャビティ9に射出する1ショットの原料の量にばらつきが生じる。また、ドライブレンドした原料を容量式フィーダで容量を計量して供給するプロセスを考えると、嵩比重の異なる材料を含む原料の各材料の混合物は、ドライブレンド時に各材料が分級して混合比が異なる原料を供給する恐れがある。
【0014】
比較例の射出成形機1は、フィーダ2として、重量式フィーダ10及び20を用いている。重量式フィーダ10及び20は、所定の重量の原料を供給する。例えば、重量式フィーダ10及び20は、内部において一定回転速度で回転するスクリュ等により、原料を供給する際に、ロードセル等で計量した単位時間当たり一定の重量の原料を供給する。重量式フィーダは、射出成形機1の間欠的な射出にあわせて、間欠的に原料をホッパ3に供給する場合には、所定の重量の原料を所定の時間内に供給しては停止する。
【0015】
重量式フィーダ10は、ホッパ11、本体部12及び排出口13を有している。ホッパ11は、原料を供給される。本体部12は、スクリュ等により所定の重量の材料を排出させる排出機構、及び、排出された原料の重量を計量するロードセル等のセンサを有している。排出口13は、原料を排出する。重量式フィーダ20も、同様に、ホッパ21、本体部22及び排出口23を有している。
【0016】
重量式フィーダ10及び20の種類としては、スクリュフィーダ、テーブルフィーダ、振動フィーダ、サークルフィーダ等があげられる。スクリュフィーダは、スクリュによって材料を押し出すことにより原料を排出するフィーダである。テーブルフィーダは、所定の容器に擦切り状態で投入された原料を計量することにより原料を排出するフィーダである。振動フィーダは、振動により原料を排出するフィーダである。サークルフィーダは、円筒状の容器から原料を排出するフィーダである。
【0017】
重量式フィーダ10は、材料Aを含む原料をホッパ11から供給される。重量式フィーダ10は、排出口13から射出成形機1のホッパ3に材料Aを含む原料を供給する。重量式フィーダ20は、材料Bを含む原料をホッパ21から供給される。重量式フィーダ20は、排出口23から射出成形機1のホッパ3に材料Bを含む原料を供給する。原料は、嵩密度が異なる複数の材料を含んでもよい。
【0018】
なお、材料は、材料A及び材料Bの2種類に限らず、1種類でもよいし、3種類以上でもよい。また、フィーダ2は、重量式フィーダ10及び20の2台に限らず、1台の重量式フィーダ10を有してもよいし、3台以上の重量式フィーダ10を有してもよい。
【0019】
重量式フィーダ10及び20は、射出成形機1の間欠的な射出に合わせて、内部のスクリュ等を間欠的に回転及び停止させた場合に、スクリュ等の回転直後及び停止直後の供給量にばらつきが生じる。これにより、間欠動作を行う射出成形機1においても、1ショットの射出及び停止の1サイクル毎に不安定な原料の供給が行われる。そして、フィーダ2からの供給量のばらつきが、材料A及び材料Bの混合比のばらつき、射出成形機1の計量時間のばらつきに影響を及ぼす。これにより、所定の分量の原料を射出成形することが困難となる。
【0020】
(実施形態1)
次に、実施形態1に係る射出成形機及びフィーダを説明する。図2は、実施形態1に係る射出成形機を例示した断面図である。図1に示すように、本実施形態の射出成形機101は、フィーダ102、ホッパ3、シリンダ4、スクリュ5、回転駆動部6、射出駆動部7を有している。射出成形機101において、フィーダ102以外の構成は、比較例と同様である。本実施形態のフィーダ102は、重量式フィーダ10及び20に加えて、容量式フィーダ30をさらに備えている。
【0021】
容量式フィーダ30は、ホッパ31、本体部32及び排出口33を有している。ホッパ31は、原料を供給される。本体部32は、スクリュ等により所定の容量の原料を排出させる排出機構、及び、排出された原料の容量をスクリュの周波数等で計量するロードセル等のセンサを有している。排出口33は、原料を排出する。重量式フィーダ10及び20は、各排出口13及び23から容量式フィーダ30のホッパ31に原料を供給する。容量式フィーダ30は、各排出口13及び23から排出された原料をホッパ31から供給される。容量式フィーダ30は、排出口33から射出成形機1のホッパ3に原料を供給する。
【0022】
容量式フィーダ30は、射出成形機101が行う原料の金型8への1ショット毎の間欠的な射出に合わせて、排出口33からの原料の排出と、排出の停止と、を繰り返す。一方、重量式フィーダ10及び20は、容量式フィーダ30に対して連続的に原料を供給する。具体的には、重量式フィーダ10及び20は、容量式フィーダ30の排出口33からの原料の排出及び排出の停止を含む所定の連続した期間において、連続して原料を排出口13及び23からホッパ31に排出する。
【0023】
比較例のように、容量式フィーダ30が設けられておらず、重量式フィーダ10及び20だけが設けられた場合には、射出成形機1の間欠動作に合わせて、重量式フィーダ10及び20を間欠的に排出及び停止させる必要がある。重量式フィーダ10及び20は、回転開始及び停止直前における排出量にばらつきが生じ、射出成形機1への供給量の精度が低下する。したがって、射出成形する上で、重量式フィーダ10及び20を極力、連続運転することが望ましい。本実施形態は、射出成形機101の間欠動作に、容量式フィーダ30を同期させる。これにより、重量式フィーダ10及び20に連続運転させることができ、原料の供給量のばらつきを抑制することができる。
【0024】
図3は、実施形態1に係る射出成形機1において、フィーダ2を例示した断面図である。図3に示すように、フィーダ102がホッパ3に供給する原料に含まれる材料は、汎用樹脂ペレット41、樹脂パウダー42、ミルド繊維43、チョップド繊維44のうち、少なくともいずれかを含んでもよい。汎用樹脂ペレット41は、汎用的に用いられる樹脂のペレットである。樹脂パウダー42は、樹脂を粉末状にしたものである。ミルド繊維43は、例えば、カーボンファイバー、ガラスファイバー等の繊維を粉砕したものである。チョップド繊維44は、カーボンファイバー等の繊維の固まりを細かく刻んだものである。上記各材料は、嵩密度がそれぞれ異なってもよい。なお、材料は、金型8のキャビティ9に溶融して射出成形できるものであれば、汎用樹脂ペレット41、樹脂パウダー42、ミルド繊維43、チョップド繊維44に限らない。
【0025】
図4は、実施形態1の別の例に係る射出成形機を例示した断面図である。図4に示すように、射出成形機101のシリンダ4は、投入口4aを有している。投入口4aには、ガラスロービング、炭素繊維ロービング等のロービング45からガラス繊維及び炭素繊維が投入される。ガラス繊維及び炭素繊維は、溶融原料に混入させる。これにより、射出成形機101で射出成形した成形品に、フィラーを混入させることができる。例えば、成形品のフィラー濃度を、20Wt%~40Wt%混入させることができる。
【0026】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態において、重量式フィーダ10及び20は、容量式フィーダ30のホッパ31に、所定の重量の原料を連続的に供給する。これにより、重量式フィーダ10及び20は、原料の排出直前等のばらつきの発生を抑制することができる。このため、重量式フィーダ10及び20は、比較例のように、射出成形機1の間欠動作と同期した間欠運転することはないので、安定した分量の原料を容量式フィーダ30に供給することができる。また、所望の混合比の材料を含む原料を容量式フィーダ30に供給することができる。
【0027】
射出成形機101には容量式フィーダ30が原料を供給する。容量式フィーダ30は、射出成形機101の間欠動作に合わせて間欠運転を行う。この場合でも、重量式フィーダ10及び20が安定した分量の原料を容量式フィーダ30に供給しているので、安定した分量の原料及び所望の混合比の材料を含む原料を射出成形機101に供給することができ、計量時間ばらつきを低減することができる。
【0028】
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る射出成形機及びフィーダを説明する。本実施形態のフィーダは、容量式フィーダ30のホッパ31の内部における原料の充填量を検知する検知センサを有している。図5は、実施形態2に係る射出成形機において、フィーダを例示した断面図である。図5に示すように、本実施形態のフィーダ202は、検知センサ34を有している。検知センサ34は、ホッパ31の内部における原料の充填量を検知する。例えば、検知センサ34は、ホッパ31の内部が原料で満杯であることを検知してもよいし、ホッパ31の内部において材料が所定の容量に達したことを検知してもよい。例えば、検知センサが所定の充填量を検知した場合に、重量式フィーダ10及び20は、排出口13及び23からの原料の排出を停止する。これにより、原料がホッパ31から溢れることを抑制することができる。
【0029】
検知センサ34としては、パドル式、レーザ式、振動式、重錘式、静電容量式があげられる。なお、検知センサ34は、ホッパ31の内部における原料の充填量を検知することができれば、パドル式、レーザ式、振動式、重錘式、静電容量式に限らない。パドル式は、板状のフィンにより原料の充填量を検知するセンサである。レーザ式は、レーザ光の反射により原料の充填量を検知するセンサである。振動式は、材料に接触させた棒状の検知部材の振動を検知することにより原料の充填量を検知するセンサである。重錘式は、ホッパ31内に配置させた重錘が材料と接触することにより原料の充填量を検知するセンサである。静電容量式は、材料に接触させた棒状の検知部材の摩擦または静電容量を検知することにより原料の充填量を検知するセンサである。
【0030】
図6は、実施形態2に係る射出成形機201において、ホッパ31を例示した断面図である。図6に示すように、ホッパ31の内部には、原料を撹拌する撹拌機35が設けられてもよい。撹拌機35は、例えば、プロペラ式、パドル式、ファウドラ―式、ディスクタービン式である。プロペラ式は、複数枚の羽根をシャフトで支持した形状である。パドル式は、複数枚の垂直または傾斜したパドルをシャフトで支持した形状である。ファウドラ―式は、複数枚の湾曲したブレードをシャフトで支持した形状である。ディスクタービン式は、シャフトに支持された円板に複数枚のブレードを垂直に取付けた形状である。なお、撹拌機35は、ホッパ31の内部の原料を撹拌することができれば、プロペラ式、パドル式、ファウドラ―式、ディスクタービン式に限らず、他の方式でもよい。撹拌機35により、ホッパ31の内部の原料における材料の混合比を均一化し、原料に含まれた各材料が分級することを抑制することができる。
【0031】
また、検知センサ34が所定の充填量を検知した場合に、撹拌機35は、原料を撹拌してもよい。例えば、撹拌機35の羽が接触するのに十分な原料の量を最小値とし、撹拌機35の撹拌により原料がホッパ31から溢れる原料の量を最大値とする。そして、最小値から最大値までの範囲の充填量を検知センサ34が検知した場合に、撹拌機35は、原料を撹拌してもよい。
【0032】
本実施形態によれば、検知センサ34により、ホッパ31の内部の原料の充填量を検知することができる。よって、ホッパ31の内部が満杯等の所定の量に達した場合に、重量式フィーダ10及び20の連続供給を停止することができる。このようにして、重量式フィーダ10及び20から容量式フィーダ30への供給量と、容量式フィーダ30から射出成形機201への供給量とのバランスが崩れた場合には、検知センサ34が検知することにより、重量式フィーダ10及び20を停止させることができる。これにより、ホッパ31が溢れないように原料の供給を調整することができる。
【0033】
また、検知センサ34が所定の充填量の場合に、撹拌機35で原料を撹拌させることができる。これにより、原料に含まれた材料の均一化を向上させることができる。このようにして、重量式フィーダ10及び20の連続供給の停止により、重量式フィーダ10及び20からの供給バラツキの抑制を犠牲にしたとしても、ホッパ31の内部における材料の均一化を向上させることができる。
【0034】
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る射出成形機及びフィーダを説明する。図7は、実施形態3に係る射出成形機において、フィーダを例示した断面図である。図7に示すように、本実施形態のフィーダ302は、ブレンダー37を備えている。ブレンダー37は、排出口13及び排出口23と、ホッパ31と、の間に配置されている。ブレンダー37は、材料A及び材料B等の複数の材料を含む原料を混合させる。ブレンダー37としては、容器回転型、撹拌型、複合型があげられる。容器回転型は、容器が回転することにより原料に含まれた材料を混合するブレンダーである。撹拌型は、羽等の撹拌機が撹拌することにより原料に含まれた材料を混合するブレンダーである。複合型は、スクリュと撹拌機との併用により原料に含まれた材料を混合するブレンダーである。ブレンダー37で混合することにより、原料に含まれた各材料の分級を抑制し、混合比の均一化を向上させることができる。
【0035】
図8は、実施形態3に係る射出成形機において、ホッパ31を例示した断面図である。図8に示すように、フィーダ302は、シャッター36を備えてもよい。シャッター36は、ホッパ31の底部に配置されている。シャッター36は、ホッパ31からの原料の排出を遮断する。よって、ホッパ31の内部における原料の充填量を調整することができる。例えば、ホッパ31の内部の原料が減少している場合には、シャッター36を閉じることにより、充填量を増加させることができる。逆に、ホッパ31の内部の原料が増加している場合には、シャッター36を開くことにより、充填量を減少させることができる。このようにして、重量式フィーダ10及び20の連続的な原料の排出を継続させることができる。
【0036】
また、フィーダ302は、複数の検知センサ34a、34b及び34cを備えている。複数の検知センサ34a、34b及び34cは、ホッパ31の内部の原料におけるそれぞれ異なる充填量を検知することができる。例えば、検知センサ34aは、ホッパ31から原料が溢れない最大の充填量を検知する。検知センサ34cは、撹拌機35によって原料を撹拌できる最小の充填量を検知する。よって、検知センサ34aが原料の上面を検知した場合には、重量式フィーダ10及び20からの原料の排出を停止する。検知センサ34cが原料の上面を検知した場合には、撹拌機35の撹拌を停止する。この場合には、例えば、シャッター36を閉じることにより、撹拌機35が撹拌できるまで、ホッパ31内へ原料を充填させてもよい。
【0037】
本実施形態によれば、ブレンダー37を有しているので、材料の混合比の均一化を向上させることができる。また、シャッター36を備えているので、ホッパ31の内部における原料の充填量を適宜調整することができる。これ以外の構成及び効果は、実施形態1及び2の記載に含まれている。
【0038】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1、101 射出成形機
2、102、202、302 フィーダ
3 ホッパ
4 シリンダ
4a 投入口
5 スクリュ
6 回転駆動部
7 射出駆動部
8 金型
9 キャビティ
10、20 重量式フィーダ
11、21 ホッパ
12、22 本体部
13、23 排出口
30 容量式フィーダ
31 ホッパ
32 本体部
33 排出口
34、34a、34b、34c 検知センサ
35 撹拌機
36 シャッター
37 ブレンダー
41 汎用樹脂ペレット
42 樹脂パウダー
43 ミルド繊維
44 チョップド繊維
45 ロービング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8