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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012817
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】プロジェクタ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/00 20060101AFI20230119BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20230119BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G03B21/00 Z
G03B21/14 A
H04N9/31 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116526
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】大島 千広
【テーマコード(参考)】
2K203
5C060
【Fターム(参考)】
2K203FA44
2K203FA54
2K203FA62
2K203FA97
2K203GA40
2K203GC02
2K203HA65
2K203HA69
2K203HA74
2K203HB30
2K203MA06
5C060HC01
5C060HD07
5C060JA00
5C060JB06
(57)【要約】
【課題】各色のLEDを光源として用いた場合に投射画像における十分な混色を実現することができるプロジェクタ装置を提供すること。
【解決手段】それぞれが画像を投射するスライド130bとマイクロレンズ130c、130dを組み合わせた複数の投射ユニット130と、RGB各光を照射するLED110R、110G、110Bと、LED110Rから照射された赤色光をコリメート光にするコリメートレンズ120Rと、LED110Gから照射された緑色光をコリメート光にするコリメートレンズ120Gと、LED110Bから照射された青色光をコリメート光にするコリメートレンズ120Bとを備える。第1のグループgrの複数の投射ユニット130に対して赤色のコリメート光を入射し、第2のグループggの複数の投射ユニット130に対して緑色のコリメート光を入射し、第3のグループgbの複数の投射ユニット130に対して青色のコリメート光を入射する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが画像を投射するスライドとマイクロレンズを組み合わせた複数の投射ユニットと、
赤色光を照射する第1の発光ダイオードと、
緑色光を照射する第2の発光ダイオードと、
青色光を照射する第3の発光ダイオードと、
前記第1の発光ダイオードから照射された赤色光をコリメート光にする第1のコリメートレンズと、
前記第2の発光ダイオードから照射された緑色光をコリメート光にする第2のコリメートレンズと、
前記第3の発光ダイオードから照射された青色光をコリメート光にする第3のコリメートレンズと、
を備え、前記複数の投射ユニットの一部である第1のグループに対して前記第1のコリメートレンズを通して得られたコリメート光を入射し、前記複数の投射ユニットの他の一部である第2のグループに対して前記第2のコリメートレンズを通して得られたコリメート光を入射し、前記複数の投射ユニットの他の一部である第3のグループに対して前記第3のコリメートレンズを通して得られたコリメート光を入射することを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項2】
前記複数の投射ユニットのそれぞれを通して投射される画像は、前記複数の投射ユニットと所定の距離隔たった位置に配置されたスクリーン上の同じ領域に投射されることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ装置。
【請求項3】
前記第1、第2および第3のコリメートレンズは、前記複数の投射ユニットから所定距離隔たった位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクタ装置。
【請求項4】
前記第1、第2および第3のコリメートレンズは、同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のプロジェクタ装置。
【請求項5】
前記複数の投射ユニットは、1つの基板上に配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のプロジェクタ装置。
【請求項6】
それぞれが画像を投射するスライドとマイクロレンズを組み合わせた複数の投射ユニットと、
それぞれが異なる色の光を照射する複数の発光ダイオードと、
前記複数の発光ダイオードのそれぞれに1対1に対応しており、それぞれの発光ダイオードから照射された光をコリメート光にする複数のコリメートレンズと、
を備え、前記複数のコリメートレンズのそれぞれを通したコリメート光を、前記複数の投射ユニットの一部であって、互いに重複しない複数の前記投射レンズユニットに入射することを特徴とするプロジェクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズアレイを用いて画像を投影するプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロレンズアレイ(MLA)プロジェクタは、複数のマイクロレンズのそれぞれにスライドを有する複数の投射ユニットを含んでおり、各投射ユニットから投射した画像をスクリーン上で重ね合わせている。このようなプロジェクタでは、複数のマイクロレンズに、光源から放射状に照射された光をコリメート光に変換して入射する必要がある。光源としては、例えば、白色のハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを使う場合が考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
最近では、省電力化や長寿命化の観点から、上述した白色の光源をRGB各色のLED(発光ダイオード)を用いて実現することが考えられる。
【0004】
図7は、LEDを用いた光源を有するMLAプロジェクタの構成の一例を示す図である。図7に示すMLAプロジェクタ200は、RGB各色の光を照射し、これらが重ね合わされることにより白色光となる3つのLED210R、210G、210Bと、この白色光をコリメート光に変換するコリメートレンズ220と、それぞれがマイクロレンズとスライドを含む複数の投射ユニット230と、コリメート光を各投射ユニット230に通すことにより得られるスライドの画像を投射するスクリーン240とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7-191310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したようにMLAプロジェクタの光源としてRGB各色のLED210R、210G、201Bを並べて同一平面上に配置してコリメートレンズ220に各色の照射光を入射すると、スクリーン240において混色が十分になされない投射画像となってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、各色のLEDを光源として用いた場合に投射画像における十分な混色を実現することができるプロジェクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明のプロジェクタ装置は、それぞれが画像を投射するスライドとマイクロレンズを組み合わせた複数の投射ユニットと、赤色光を照射する第1の発光ダイオードと、緑色光を照射する第2の発光ダイオードと、青色光を照射する第3の発光ダイオードと、第1の発光ダイオードから照射された赤色光をコリメート光にする第1のコリメートレンズと、第2の発光ダイオードから照射された緑色光をコリメート光にする第2のコリメートレンズと、第3の発光ダイオードから照射された青色光をコリメート光にする第3のコリメートレンズとを備え、複数の投射ユニットの一部である第1のグループに対して第1のコリメートレンズを通して得られたコリメート光を入射し、複数の投射ユニットの他の一部である第2のグループに対して第2のコリメートレンズを通して得られたコリメート光を入射し、複数の投射ユニットの他の一部である第3のグループに対して第3のコリメートレンズを通して得られたコリメート光を入射する。
【0009】
3色の光を1つのコリメートレンズに通すのではなく、別々のコリメートレンズを通し、別々に形成されたコリメート光を異なる投射ユニットに入射しているため、各発光ダイオードの配置に起因して混色が不十分になることなく、各色の発光ダイオードを光源として用いた場合に投射画像における十分な混色を実現することができる。
【0010】
また、上述した複数の投射ユニットのそれぞれを通して投射される画像は、複数の投射ユニットと所定の距離隔たった位置に配置されたスクリーン上の同じ領域に投射されることが望ましい。これにより、スクリーン上で各色の投射画像を重ね合わせることにより、混色が不十分になることをなくすことができる。
【0011】
また、上述した第1、第2および第3のコリメートレンズは、複数の投射ユニットから所定距離隔たった位置に配置されていることが望ましい。また、上述した第1、第2および第3のコリメートレンズは、同一平面上に配置されていることが望ましい。また、上述した複数の投射ユニットは、1つの基板上に配置されていることが望ましい。これにより、各色の投射画像をスクリーン上で重ね合せる際に各色を同じ状態で混色することができ、重ね合わせ後の画像において混色が不十分になることを防止することができる。
【0012】
また、本発明のプロジェクタ装置は、それぞれが画像を投射するスライドとマイクロレンズを組み合わせた複数の投射ユニットと、それぞれが異なる色の光を照射する複数の発光ダイオードと、複数の発光ダイオードのそれぞれに1対1に対応しており、それぞれの発光ダイオードから照射された光をコリメート光にする複数のコリメートレンズとを備え、複数のコリメートレンズのそれぞれを通したコリメート光を、複数の投射ユニットの一部であって、互いに重複しない複数の投射レンズユニットに入射する。
【0013】
複数の光を1つのコリメートレンズに通すのではなく、別々のコリメートレンズを通し、別々に形成されたコリメート光を異なる投射ユニットに入射しているため、各発光ダイオードの配置に起因して混色が不十分になることなく、各色の発光ダイオードを光源として用いた場合の投射画像における十分な混色を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態のMLAプロジェクタの構成を示す図である。
図2】各投射ユニットの配置の具体例を示す図である。
図3】赤色光と投射画像の関係を示す図である。
図4】緑色光と投射画像の関係を示す図である。
図5】青色光と投射画像の関係を示す図である。
図6】3つのコリメートレンズと投射ユニットとの位置関係を示す図である。
図7】LEDを用いた光源を有するMLAプロジェクタの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のプロジェクタ装置を適用した一実施形態のMLAプロジェクタについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、一実施形態のMLAプロジェクタの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態のMLAプロジェクタ100は、LED110R、110G、110B、コリメートレンズ120R、120G、120B、複数の投射ユニット130、スクリーン140を含んで構成されている。
【0017】
LED110Rは、例えば1mm角の大きさを有し、発散角45度で赤色光を照射する。同様に、LED110Gは、例えば1mm角の大きさを有し、発散角45度で緑色光を照射する。LED110Bは、例えば1mm角の大きさを有し、発散角45度で青色光を照射する。
【0018】
コリメートレンズ120Rは、LED110Rから45度の発散角で照射された赤色光をコリメート光に変換する。コリメートレンズ120Gは、LED110Gから45度の発散角で照射された緑色光をコリメート光に変換する。コリメートレンズ120Bは、LED110Bから45度の発散角で照射された青色光をコリメート光に変換する。これら3つのコリメートレンズ120R、120G、120Bは、コリメート光の照射方向に対して垂直な同一平面上に隣接して配置されている。
【0019】
複数の投射ユニット130のそれぞれは、基板130a上に形成されたスライド130bと、スライド130bを挟むように基板130aの両面に形成されたマイクロレンズ130c、130dとを含んでいる。
【0020】
図2は、各投射ユニット130の配置の具体例を示す図である。この図では、コリメート光が入射される側の配置状態が示されている。例えば、各投射ユニット130のマイクロレンズ130c、130dが7行7列(合計49組)で規則正しく隣同士が隣接した状態で配置されている。
【0021】
この中で、右上の3行3列(合計9組)のマイクロレンズ130c、130dが第1のグループgrを形成している。この第1のグループgrを構成する9組のマイクロレンズ130c、130dの中心正面であって所定の距離隔たった位置にコリメートレンズ120Rが配置されている。第1のグループgrに含まれる9組のマイクロレンズ130c、130d(投射ユニット130)には、LED110Rから照射されてコリメートレンズ120Rによってコリメート光に変換された赤色光が入射される(図3(A))。各スライド130bを通した赤色の画像が、投射ユニット130から所定の距離隔たった位置に配置されたスクリーン140上に投射される。これら9個の投射ユニット130から投射される赤色の画像はスクリーン140上で重ね合わされる(図3(B))。
【0022】
同様に、左上の3行3列(合計9組)のマイクロレンズ130c、130dが第2のグループggを形成している。この第2のグループggを構成する9組のマイクロレンズ130c、130dの中心正面であって所定の距離隔たった位置にコリメートレンズ120Gが配置されている。第2のグループggに含まれる9組のマイクロレンズ130c、130d(投射ユニット130)には、LED110Gから照射されてコリメートレンズ120Gによってコリメート光に変換された緑色光が入射される(図4(A))。各スライド130bを通した緑色の画像が、投射ユニット130から所定の距離隔たった位置に配置されたスクリーン140上に投射される。これら9個の投射ユニット130から投射される緑色の画像はスクリーン140上で重ね合わされる(図4(B))。
【0023】
また、右下の3行3列(合計9組)のマイクロレンズ130c、130dが第3のグループgbを形成している。この第3のグループgbを構成する9組のマイクロレンズ130c、130dの中心正面であって所定の距離隔たった位置にコリメートレンズ120Bが配置されている。第3のグループgbに含まれる9組のマイクロレンズ130c、130d(投射ユニット130)には、LED110Bから照射されてコリメートレンズ120Bによってコリメート光に変換された青色光が入射される(図5(A))。各スライド130bを通した青色の画像が、投射ユニット130から所定の距離隔たった位置に配置されたスクリーン140上に投射される。これら9個の投射ユニット130から投射される青色の画像はスクリーン140上で重ね合わされる(図5(B))。
【0024】
このようにして第1、第2および第3のグループgr、gg、gbのそれぞれから出射される3色の画像がスクリーン140の同じ位置に照射され、重ね合わされる。
【0025】
図6は、3つのコリメートレンズ120R、120G、120Bと投射ユニット130との位置関係を示す図である。上述したように、コリメートレンズ120R、120G、120Bのそれぞれは、3行3列のマイクロレンズ130c、130dと対向させる必要がある。このため、コリメートレンズ120R、120G、120Bのそれぞれの径を、3組分のマイクロレンズ130c、130dの径と同程度になるように設計している。
【0026】
このように、本実施形態のMLAプロジェクタ100では、3色の光を1つのコリメートレンズに通すのではなく、別々のコリメートレンズ120R、120G、120Bを通し、別々に形成されたコリメート光を異なる投射ユニット130に入射しているため、各LED110R、110G、110Bの配置に起因して混色が不十分になることなく、各色のLED110R、110G、110Bを光源として用いた場合の投射画像における十分な混色を実現することができる。
【0027】
また、上述した複数の投射ユニット130のそれぞれを通して投射される画像は、複数の投射ユニット130と所定の距離隔たった位置に配置されたスクリーン140上の同じ領域に投射されているため、スクリーン140上で各色の投射画像を重ね合わせることにより、混色が不十分になることをなくすことができる。
【0028】
また、3つのコリメートレンズ120R、120G、120Bは、複数の投射ユニット130から所定距離隔たった位置であって、同一平面上に配置されているため、各色の投射画像をスクリーン140上で重ね合せる際に各色を同じ状態で混色することができ、重ね合わせ後の画像において混色が不十分になることを防止することができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、1枚の基板130aに複数のマイクロレンズ130c、130dが形成されてマイクロアレイレンズを生成する場合について説明したが、複数枚の基板に分散して複数のマイクロレンズ130c、130dを配置するようにしてもよい。
【0030】
また、上述した実施形態では、3色の光を照射する3個のLED110R、110G、110Bを用いたが、2個あるいは4個以上のLEDを用い、これらのLEDのそれぞれに対応するコリメートレンズを通して変換したコリメート光を別々のマイクロレンズに通した後の投射画像として重ね合せるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
上述したように、本発明によれば、3色の光を1つのコリメートレンズに通すのではなく、別々のコリメートレンズを通し、別々に形成されたコリメート光を異なる投射ユニットに入射しているため、各発光ダイオードの配置に起因して混色が不十分になることなく、各色の発光ダイオードを光源として用いた場合の投射画像における十分な混色を実現することができる。
【符号の説明】
【0032】
100 MLAプロジェクタ
110R、110G、110B LED
120R、120G、120B コリメートレンズ
130 投射ユニット
140 スクリーン
130a 基板
130b スライド
130c、130d マイクロレンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7