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特開2023-128184交通制御システム、交通制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128184
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】交通制御システム、交通制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
G08G1/09 Q
G08G1/09 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032356
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】507234427
【氏名又は名称】公立大学法人岩手県立大学
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】新井 義和
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 義仰
(72)【発明者】
【氏名】羽倉 淳
(72)【発明者】
【氏名】柴田 義孝
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181DD02
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181JJ23
5H181JJ28
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】信号機による交通制御を行うことが困難な場合であっても交通制御を容易に行うことの可能な交通制御システム、交通制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】交通制御システムは、所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得する第1取得手段31と、車両情報に基づいて、通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における車両の停止状況を推定する推定手段32と、停止状況に基づいて、少なくとも1つの車線における車両の交通制御を行うための信号情報を生成する信号生成手段33と、信号情報を各車両の通信装置に無線送信する第1送信手段34と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両に対する交通制御を行う交通制御システムであって、
前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得する第1取得手段と、
取得した車両情報に基づいて、前記通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の停止状況を推定する推定手段と、
推定した停止状況に基づいて、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の交通制御を行うための信号情報を生成する信号生成手段と、
生成した信号情報を前記少なくとも1つの車両の各々の通信装置に無線送信する第1送信手段と、
を備える交通制御システム。
【請求項2】
所定の情報が入力されると、前記通行規制地点が設けられていることを通知するための通知情報を無線送信する第2送信手段を備える、請求項1に記載の交通制御システム。
【請求項3】
前記通知情報は、前記通行規制地点に関する情報を含む、請求項2に記載の交通制御システム。
【請求項4】
前記通行規制地点に関する情報は、前記通行規制地点の緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つを含む、請求項3に記載の交通制御システム。
【請求項5】
前記推定手段は、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線において停止している車両の数及び/又は停止期間を前記車両の停止状況として推定し、
前記信号生成手段は、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線における前記車両の停止状況が所定の条件を満たす場合に、前記何れかの車線上の車両の進行を許可するように信号情報を生成する、請求項1~4の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項6】
前記所定の条件は、前記何れかの車線上で停止している車両の数が他の車線上で停止している車両の数よりも多い又は少ないことを含む、請求項5に記載の交通制御システム。
【請求項7】
前記所定の条件は、前記少なくとも1つの車両のうち停止期間が最も長い車両が前記何れかの車線上で停止していることを含む、請求項5又は6に記載の交通制御システム。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記何れかの車線上で停止している車両の平均停止期間が他の車線上で停止している車両の平均停止期間よりも長いことを含む、請求項5~7の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項9】
前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線において停止していた車両が前記通行規制地点を通過した場合に、通過した車両に対応する通信装置から無線送信された通過情報を取得する第2取得手段を備え、
前記推定手段は、前記通過情報が取得されたことに応じて、通過した車両が停止していた車線における車両の数を低減する、請求項5~8の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項10】
前記信号生成手段は、所定のタイミング毎に、車両の進行を許可する車線を切り替えるように信号情報を生成する、請求項1~9の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項11】
前記所定のタイミングは、進行が許可された車線上に停止している全ての車両が前記通行規制地点を通過したタイミングである、請求項10に記載の交通制御システム。
【請求項12】
前記所定のタイミングは、進行が許可された車線上に停止している車両のうち所定数の車両が前記通行規制地点を通過したタイミングである、請求項10に記載の交通制御システム。
【請求項13】
前記所定のタイミングは、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線上の車両の進行が許可されてから所定時間が経過したタイミングである、請求項10~12の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項14】
前記第1取得手段及び前記第1送信手段のうち少なくとも1つは、前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置との間で、無線通信規格を切り替えて通信可能なコグニティブ無線通信を行う、請求項1~13の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項15】
前記交通制御システムは、前記通行規制地点に停止している車両に設けられている、請求項1~14の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項16】
前記交通制御システムは、前記通行規制地点の近傍の位置に設けられている、請求項1~14の何れかに記載の交通制御システム。
【請求項17】
所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両に対する交通制御をコンピュータが行う交通制御方法であって、
前記コンピュータが、
前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得するステップと、
取得した車両情報に基づいて、前記通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の停止状況を推定するステップと、
推定した停止状況に基づいて、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の交通制御を行うための信号情報を生成するステップと、
生成した信号情報を前記少なくとも1つの車両の各々の通信装置に無線送信するステップと、
の各ステップを実行する、交通制御方法。
【請求項18】
所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両に対する交通制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得する機能と、
取得した車両情報に基づいて、前記通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の停止状況を推定する機能と、
推定した停止状況に基づいて、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の交通制御を行うための信号情報を生成する機能と、
生成した信号情報を前記少なくとも1つの車両の各々の通信装置に無線送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通制御システム、交通制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の交通を円滑にするために、例えば交差点や道路沿い等に設置された信号機を用いた交通制御が行われている。また、信号機が設置されていない道路において、車両故障、事故、道路工事等によって片側の車線の通行が規制(禁止)される場合(片側交互通行が行われる場合)には、例えば、交互通行区間(通行規制地点)の両端に信号機を仮設置することや誘導員を配置すること等によって、交互通行区間に進入する車両の交通制御が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された技術では、道路工事によって片側交互通行が行われる場合に、道路工事区間(通行規制地点)の両端に仮設置される2位式信号機を用いて、道路工事区間に進入する車両の制御を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-231497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、通行規制地点の両端に仮設置される信号機が必要になるため、設備コストが増大する虞がある。また、例えば、誘導員が配置される場合には、誘導員のコストが必要になるだけでなく、誘導員の誘導ミス等によって円滑な交通制御を行うことが困難になる場合がある。さらに、車両故障や事故等が発生した場合には、例えば故障車両や事故車両のドライバー等にとっては、故障や事故の処理に対応しながら交通制御を行うことが困難であると考えられる。さらにまた、交差点や道路沿い等に信号機が設置されている場合であっても、例えば停電等によって信号機の機能が喪失したときには、信号機による交通制御を行うことが困難になる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、信号機による交通制御を行うことが困難な場合であっても交通制御を容易に行うことの可能な交通制御システム、交通制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第一に本発明は、所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両に対する交通制御を行う交通制御システムであって、前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得する第1取得手段と、取得した車両情報に基づいて、前記通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の停止状況を推定する推定手段と、推定した停止状況に基づいて、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の交通制御を行うための信号情報を生成する信号生成手段と、生成した信号情報を前記少なくとも1つの車両の各々の通信装置に無線送信する第1送信手段と、を備える交通制御システムを提供する(発明1)。
【0008】
かかる発明(発明1)によれば、通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線において停止している車両の停止状況に基づいて、同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における車両の交通制御(例えば、通行規制地点における進行を許可する等)を行うための信号情報が生成され、生成された信号が、停止している車両の通信装置に無線送信されるので、停止している車両のドライバーは、通信装置が受信した信号情報に従って通行規制地点(例えば、交互通行区間や道路工事区間等)を通行するように車両を運転することが可能になる。これにより、例えば、停電等によって信号機の機能が喪失した場合や、信号機が設置されていない道路において車両故障や事故等が発生した場合等のように、信号機による交通制御を行うことが困難な場合であっても、各車線上に停止している車両の交通制御を容易に行うことができる。また、かかる発明(発明1)によれば、遠方まで届く光を発光する発光器を伴う大型の信号機を設置したり、誘導員を配置したりする必要がなくなるので、信号機のコストや誘導員の配置等に係るコストを低減することができる。
【0009】
上記発明(発明1)においては、所定の情報が入力されると、前記通行規制地点が設けられていることを通知するための通知情報を無線送信する第2送信手段を備えてもよい(発明2)。
【0010】
かかる発明(発明2)によれば、通行規制地点から所定範囲内の車線上に存在する車両の通信装置において、通行規制が行われていることを認識することが可能になる。これにより、車両のドライバーに対して、例えば、通行規制地点への車両の接近に応じて車両を減速又は停止等させるように注意喚起することができる。また、車両が自動運転可能に構成されている場合には、通行規制地点への当該車両の接近に応じて減速又は停止等するように当該車両を制御することが可能になる。
【0011】
上記発明(発明2)においては、前記通知情報は、前記通行規制地点に関する情報を含んでもよい(発明3)。
【0012】
かかる発明(発明3)によれば、通行規制地点から所定範囲内の車線上に存在する車両の通信装置において、通行規制地点を容易に認識することが可能になる。
【0013】
上記発明(発明3)においては、前記通行規制地点に関する情報は、前記通行規制地点の緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つを含んでもよい(発明4)。
【0014】
かかる発明(発明4)によれば、通行規制地点から所定範囲内の車線上に存在する車両の通信装置において、通行規制地点の緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つを容易に認識することが可能になる。
【0015】
上記発明(発明1~4)においては、前記推定手段は、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線において停止している車両の数及び/又は停止期間を前記車両の停止状況として推定し、前記信号生成手段は、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線における前記車両の停止状況が所定の条件を満たす場合に、前記何れかの車線上の車両の進行を許可するように信号情報を生成してもよい(発明5)。
【0016】
ここで、車両の停止期間は、例えば、現在時刻と車両情報の取得日時(取得時刻)との差を算出することによってもとめられてもよいし、車両情報の取得日時から経過した時間を計測することによってもとめられてもよい。
【0017】
かかる発明(発明5)によれば、例えば、同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線において停止している車両の数及び/又は停止期間が所定の条件を満たす場合に、当該何れかの車線上の車両が他の車線上の車両よりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0018】
上記発明(発明5)においては、前記所定の条件は、前記何れかの車線上で停止している車両の数が他の車線上で停止している車両の数よりも多い又は少ないことを含んでもよい(発明6)。
【0019】
かかる発明(発明6)によれば、例えば、同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線において停止している車両の数が他の車線上で停止している車両の数よりも多い又は少ない場合に、当該何れかの車線上の車両が他の車線上の車両よりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0020】
上記発明(発明5~6)においては、前記所定の条件は、前記少なくとも1つの車両のうち停止期間が最も長い車両が前記何れかの車線上で停止していることを含んでもよい(発明7)。
【0021】
かかる発明(発明7)によれば、例えば、同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線において停止している車両の停止期間が最も長い場合には、当該何れかの車線上の車両が他の車線上の車両よりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0022】
上記発明(発明5~7)においては、前記所定の条件は、前記何れかの車線上で停止している車両の平均停止期間が他の車線上で停止している車両の平均停止期間よりも長いことを含んでもよい(発明8)。
【0023】
かかる発明(発明8)によれば、例えば、同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線において停止している車両の平均停止期間が他の車線上で停止している車両の平均停止期間よりも長い場合に、当該何れかの車線上の車両が他の車線上の車両よりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0024】
上記発明(発明5~8)においては、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線において停止していた車両が前記通行規制地点を通過した場合に、通過した車両に対応する通信装置から無線送信された通過情報を取得する第2取得手段を備え、前記推定手段は、前記通過情報が取得されたことに応じて、通過した車両が停止していた車線における車両の数を低減してもよい(発明9)。
【0025】
かかる発明(発明9)によれば、通行規制地点を通過した車両の数に応じて低減された停止車両の数(車両の停止状況)に基づいて、少なくとも1つの車線の交通制御を行うための信号情報を生成することが可能になる。
【0026】
上記発明(発明1~9)においては、前記信号生成手段は、所定のタイミング毎に、車両の進行を許可する車線を切り替えるように信号情報を生成してもよい(発明10)。
【0027】
かかる発明(発明10)によれば、例えば、同一車線、対向車線及び交差車線のうち、通行規制地点における車両の進行を許可する車線を所定のタイミング毎に切り替えることが可能になる。
【0028】
上記発明(発明10)においては、前記所定のタイミングは、進行が許可された車線上に停止している全ての車両が前記通行規制地点を通過したタイミングであってもよい(発明11)。
【0029】
かかる発明(発明11)によれば、車両の進行が許可された車線上に停止している全ての車両が通行規制地点を通過する毎に、通行規制地点における車両の進行を許可する車線を切り替えることが可能になる。
【0030】
上記発明(発明10)においては、前記所定のタイミングは、進行が許可された車線上に停止している車両のうち所定数の車両が前記通行規制地点を通過したタイミングであってもよい(発明12)。
【0031】
かかる発明(発明12)によれば、車両の進行が許可された車線上に停止している所定数の車両が通行規制地点を通過する毎に、通行規制地点における車両の進行を許可する車線を切り替えることが可能になる。
【0032】
上記発明(発明10~12)においては、前記所定のタイミングは、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち何れかの車線上の車両の進行が許可されてから所定時間が経過したタイミングであってもよい(発明13)。
【0033】
かかる発明(発明13)によれば、何れかの車線に対して車両の進行が許可されてから所定時間が経過する毎に、通行規制地点における車両の進行を許可する車線を切り替えることが可能になる。
【0034】
上記発明(発明1~13)においては、前記第1取得手段及び前記第1送信手段のうち少なくとも1つは、前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置との間で、無線通信規格を切り替えて通信可能なコグニティブ無線通信を行ってもよい(発明14)。
【0035】
かかる発明(発明14)によれば、各車両に存在する通信装置との間の無線通信帯域の利用効率を向上させることが可能になり、当該通信装置との通信可能範囲を拡大することが可能になる。
【0036】
上記発明(発明1~14)においては、前記交通制御システムは、前記通行規制地点に停止している車両に設けられてもよい(発明15)。
【0037】
かかる発明(発明15)によれば、通行規制地点に停止している車両において、各車線上に停止している車両の交通制御を行うことができる。
【0038】
上記発明(発明1~14)においては、前記交通制御システムは、前記通行規制地点の近傍の位置に設けられてもよい(発明16)。
【0039】
かかる発明(発明16)によれば、通行規制地点の近傍の位置(例えば、通行規制地点に停止している車両周辺の路肩等)において、各車線上に停止している車両の交通制御を行うことができる。
【0040】
第二に本発明は、所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両に対する交通制御をコンピュータが行う交通制御方法であって、前記コンピュータが、前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得するステップと、取得した車両情報に基づいて、前記通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の停止状況を推定するステップと、推定した停止状況に基づいて、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の交通制御を行うための信号情報を生成するステップと、生成した信号情報を前記少なくとも1つの車両の各々の通信装置に無線送信するステップと、の各ステップを実行する、交通制御方法を提供する(発明17)。
【0041】
第三に本発明は、所定の通行規制地点から所定範囲内の車線上に停止している少なくとも1つの車両に対する交通制御をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、前記コンピュータに、前記少なくとも1つの車両の各々に存在する通信装置から無線送信される車両情報であって、対応する車両の位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得する機能と、取得した車両情報に基づいて、前記通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の停止状況を推定する機能と、推定した停止状況に基づいて、前記同一車線、対向車線及び交差車線のうち少なくとも1つの車線における前記少なくとも1つの車両の交通制御を行うための信号情報を生成する機能と、生成した信号情報を前記少なくとも1つの車両の各々の通信装置に無線送信する機能と、を実現させるためのプログラムを提供する(発明18)。
【発明の効果】
【0042】
本発明の交通制御システム、交通制御方法、プログラムによれば、信号機による交通制御を行うことが困難な場合であっても交通制御を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一実施形態に係る交通制御システムの基本構成を概略的に示す図である。
図2】交通制御装置の構成を示すブロック図である。
図3】通信装置の構成を示すブロック図である。
図4】交通制御システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図5】同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの構成例を示す図である。
図6】通知情報の構成例を示す図である。
図7】交通制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図8】通信装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】交通制御システムの各機能について、交通制御装置と、交通制御サーバとの間の分担例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
(1)交通制御システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係る交通制御システムの基本構成を概略的に示す図である。なお、本実施形態では、図1に示すように、信号機が設置されていない道路において、第1車両Aが故障又は事故等によって車線L1上で停止していることにより車線L1の通行が規制(禁止)され、これにより、片側交互通行が行われている場合を一例として説明する。
【0046】
本実施形態に係る交通制御システムでは、第1車両Aに設けられている交通制御装置10が、所定の通行規制地点(本実施形態では、第1車両Aの停止位置)から所定範囲内の車線L1,L2,L3上に停止している少なくとも1つの第2車両Bに対する交通制御を行うようになっている。具体的に説明すると、交通制御装置10は、少なくとも1つの第2車両Bの各々に存在する通信装置20から無線送信される車両情報であって、対応する第2車両Bの位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得するように構成されている。また、交通制御装置10は、取得した車両情報に基づいて、片側交互通行によって通行規制されている車線(ここでは、車線L1)と同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの停止状況を推定するように構成されている。さらに、交通制御装置10は、推定した停止状況に基づいて、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの交通制御を行うための信号情報を生成するように構成されている。さらにまた、交通制御装置10は、生成した信号情報を少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20に無線送信するように構成されている。
【0047】
第1車両A及び/又は少なくとも1つの第2車両Bは、例えば、ドライバーによって操作される車両であってもよいし、自動運転車両であってもよい。
【0048】
交通制御装置10は、第1車両Aに搭載可能なデバイス(例えば、カーナビゲーションシステム)であってもよい。また、交通制御装置10は、例えば第1車両Aが自動運転車両である場合には、第1車両Aの自動運転を制御するための制御装置であってもよい。さらに、交通制御装置10は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む。)等のように、第1車両Aに搭乗しているユーザ(ドライバーを含む)によって所持及び操作される装置であってもよい。
【0049】
通信装置20は、第2車両Bに搭載可能なデバイス(例えば、カーナビゲーションシステム)であってもよい。また、通信装置20は、例えば第2車両Bが自動運転車両である場合には、第2車両Bの自動運転を制御するための制御装置であってもよい。さらに、通信装置20は、交通制御装置10と同様に、第2車両Bに搭乗しているユーザ(ドライバーを含む)によって所持及び操作される装置であってもよい。
【0050】
なお、交通制御装置10及び通信装置20の各々は、同じデバイスであってもよいし、異なるデバイスであってもよい。また、少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20は、同じデバイスであってもよい。さらに、少なくとも1つの第2車両Bのうち一部の第2車両Bの通信装置20は、他の第2車両Bの通信装置20と異なるデバイスであってもよい。
【0051】
(2)交通制御装置の構成
図2を参照して交通制御装置10の構成について説明する。図2は、交通制御装置10の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、交通制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、記憶装置14と、表示処理部15と、表示部16と、入力部17と、位置測定装置18と、通信インタフェース部19と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス10aが設けられている。なお、本実施形態では、交通制御装置10が、記憶装置14、表示処理部15、表示部16及び入力部17を備えている場合を一例として説明しているが、記憶装置14、表示処理部15、表示部16及び入力部17のうち少なくとも1つは交通制御装置10に設けられていなくてもよい。
【0052】
CPU11は、電源が交通制御装置10に投入されると、ROM12又は記憶装置14に記憶された各種のプログラムをRAM13にロードして実行する。本実施形態では、CPU11は、ROM12又は記憶装置14に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する第1取得手段31、推定手段32、信号生成手段33、第1送信手段34、第2送信手段35及び第2取得手段36(図4に示す)の機能を実現する。
【0053】
記憶装置14は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU11が実行するプログラムやCPU11が参照するデータを格納する。また、記憶装置14には、後述する同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データ(図5に示す)と、通知情報(図6に示す)と、が記憶されている。
【0054】
表示処理部15は、CPU11から与えられる表示用データを表示部16に表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
【0055】
交通制御装置10が釦入力方式の装置である場合には、入力部17は、ユーザの操作入力を受け入れるための方向指示釦及び決定釦等の複数の指示入力釦を含む釦群と、テンキー等の複数の指示入力釦を含む釦群とを備え、各釦の押下(操作)入力を認識してCPU11へ出力するためのインタフェース回路を含む。
【0056】
交通制御装置10がタッチパネル入力方式の装置である場合には、入力部17は、主として表示画面に指先又はペンで触れることによるタッチパネル方式の入力を受け付ける。タッチパネル入力方式は、静電容量方式等の公知の方式であってもよい。
【0057】
また、交通制御装置10が音声入力可能な装置である場合には、入力部17は、音声入力用のマイクを含むように構成されてもよいし、外付けのマイクを介して入力された音声データをCPU11へ出力するためのインタフェース回路を備えてもよい。さらに、交通制御装置10が動画像及び/又は静止画像を入力可能な装置である場合には、入力部17は、画像入力用のデジタルカメラやデジタルビデオカメラを含むように構成されてもよいし、外付けのデジタルカメラやデジタルビデオカメラで撮像された画像データを受け付けてCPU11へ出力するためのインタフェース回路を備えてもよい。
【0058】
位置測定装置18は、例えばGPS(Global Positioning System)等の位置測定技術を用いて交通制御装置10の位置(例えば、緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つ)を測定する装置である。位置測定装置18は、所定時間(例えば、1秒等)が経過する毎に、交通制御装置10の位置を測定してもよい。
【0059】
通信インタフェース部19は、他の装置(例えば、少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20)と無線通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0060】
(3)通信装置の構成
図3を参照して通信装置20の構成について説明する。図3は、通信装置20の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、通信装置20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、位置測定装置28と、通信インタフェース部29と、を備えており、各部間の制御信号又はデータ信号を伝送するためのバス20aが設けられている。なお、本実施形態では、通信装置20が、記憶装置24、表示処理部25、表示部26及び入力部27を備えている場合を一例として説明しているが、記憶装置24、表示処理部25、表示部26及び入力部27のうち少なくとも1つは通信装置20に設けられていなくてもよい。
【0061】
CPU21は、電源が通信装置20に投入されると、ROM22又は記憶装置24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。
【0062】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD、磁気記憶装置(例えばHDD、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU21が実行するプログラムやCPU21が参照するデータを格納する。
【0063】
位置測定装置28は、例えばGPS等の位置測定技術を用いて通信装置20の位置(例えば、緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つ)を測定する装置である。位置測定装置28は、所定時間(例えば、1秒等)が経過する毎に、通信装置20の位置を測定してもよい。
【0064】
通信インタフェース部29は、他の装置(例えば、第1車両Aの交通制御装置10)と無線通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0065】
通信装置20内の他の各部(ここでは、表示処理部25、表示部26及び入力部27)の詳細は、交通制御装置10と同様であってもよい。
【0066】
(4)交通制御システムにおける各機能の概要
本実施形態の交通制御システムで実現される機能について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の交通制御システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図4の機能ブロック図では、第1取得手段31、推定手段32、信号生成手段33及び第1送信手段34が本発明の交通制御システムの主要な構成に対応している。他の手段(第2送信手段35及び第2取得手段36)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
【0067】
第1取得手段31は、少なくとも1つの第2車両Bの各々に存在する通信装置20から無線送信される車両情報であって、対応する第2車両Bの位置、進行方向及び停止期間のうち少なくとも1つに関する情報を含む車両情報を取得する機能を備える。
【0068】
第1取得手段31の機能は、例えば以下のように実現される。先ず、少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20のCPU21は、第2車両Bの走行中及び停止中に通信装置20の位置が位置測定装置28によって測定される毎に、通信装置20の位置に関する情報を記憶装置24に記憶する。また、本実施形態において、通信装置20のCPU21は、後述する通知情報を第1車両Aの交通制御装置10から通信インタフェース部29を介して受信した後に、第2車両Bが通行規制地点(第1車両Aの停止位置)に到着及び停止していると判別した場合(例えば、位置測定装置28によって測定された第2車両Bの位置が通行規制地点から所定範囲(例えば、数メートル~数十メートルの範囲)内で所定時間(例えば、5分等)以上変化していない場合)に、通信装置20の識別情報(通信装置ID)と、対応する第2車両Bの車両情報(本実施形態では、対応する第2車両Bの位置、進行方向及び停止期間を含む)とを、通信インタフェース部29を介して第1車両Aの交通制御装置10に送信する。
【0069】
ここで、第2車両Bの位置は、例えば、位置測定装置28によって測定された最新の第2車両Bの位置(つまり、第2車両Bの停止位置)であってもよいし、第2車両Bが停止するまでの第2車両Bの位置の所定期間内の推移(つまり、第2車両Bが停止するまでの所定期間内の移動経路)を表す情報であってもよい。また、第2車両Bの進行方向は、第2車両Bが通行規制地点に到着する直前の所定期間(例えば、10秒等)における第2車両Bの移動方向(第2車両の位置が変化する方向)を表す情報であってもよい。なお、第2車両Bの進行方向は、例えば、4方位、8方位、16方位、32方位のうち何れかの方位を用いて表されてもよい。さらに、第2車両Bの停止期間は、第2車両Bが通行規制地点から所定範囲(例えば、数メートル~数十メートルの範囲)内で停止を開始してからの経過期間であってもよい。なお、第2車両Bの車両情報には、第2車両Bの停止期間と共に、或いは、第2車両Bの停止期間の代わりに、第2車両Bが通行規制地点から所定範囲(例えば、数メートル~数十メートルの範囲)内に到着したときの到着時刻が含まれてもよい。
【0070】
なお、本実施形態では、第2車両Bの停止期間が車両情報に含まれている場合を一例として説明しているが、第2車両Bの停止期間は車両情報に含まれていなくてもよい。この場合、交通制御装置10のCPU11は、第2車両Bから車両情報を取得した日時(後述する「車両情報の取得日時」)に基づいて、第2車両Bの停止期間をもとめてもよい。具体的に説明すると、交通制御装置10のCPU11は、例えば、現在時刻と車両情報の取得日時(取得時刻)との差を算出することによって、対応する第2車両Bの停止期間をもとめてもよいし、車両情報の取得日時から経過した時間を計測することによって、対応する第2車両Bの停止期間をもとめてもよい。
【0071】
一方、第1車両Aの交通制御装置10のCPU11は、車両情報を少なくとも1つの第2車両Bの各々から通信インタフェース部19を介して受信(取得)すると、受信した車両情報に基づいて、少なくとも1つの第2車両Bの各々が停止している車線を判別する。具体的に説明すると、交通制御装置10のCPU11は、例えば、少なくとも1つの第2車両Bのうち、車両情報に含まれる進行方向が第1車両Aの進行方向と同じ方向である第2車両Bを、第1車両Aと同一車線L1に停止している第2車両Bと判別してもよい。ここで、第1車両Aの進行方向は、第2車両Bと同様に、第1車両Aが通行規制地点に到着する直前の所定期間(例えば、10秒等)における第1車両Aの移動方向(位置測定装置28によって測定された第1車両の位置が変化する方向)を表す情報であってもよい。なお、第1車両Aの進行方向は、例えば、4方位、8方位、16方位、32方位のうち第2車両Bの進行方向と同様の方位を用いて表されてもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bのうち、車両情報に含まれる進行方向が第1車両Aの進行方向と逆方向である第2車両Bを、第1車両Aの対向車線L2に停止している第2車両Bと判別してもよい。さらに、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bのうち、車両情報に含まれる進行方向が第1車両Aの進行方向と同じ方向ではなく逆方向でもない第2車両Bを、第1車両Aの交差車線L3に停止している第2車両Bと判別してもよい。
【0072】
なお、上記の例では、交通制御装置10のCPU11は、第2車両Bの進行方向と第1車両Aの進行方向とを比較することによって、第2車両Bが存在する車線を判別している。ここで、例えば、第1車両Aが通行規制地点に存在していない場合や、第1車両Aがスピンする等によって本来の進行方向と異なる方向を向いた状態で通行規制地点に停止している場合等のように、第2車両Bが存在する車線を第1車両Aの進行方向との比較によって判別することが困難である場合には、交通制御装置10のCPU11は、例えば、少なくとも1つの第2車両Bの各々の進行方向を同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかに対応付けることによって、第2車両Bが存在する車線を判別してもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、例えば、少なくとも1つの第2車両Bのうち任意に選択された第2車両Bを第1車両Aの代わりに用いて、選択された第2車両Bの進行方向と他の第2車両Bの進行方向とを比較することによって、各第2車両Bが存在する車線を判別してもよい。
【0073】
なお、交通制御装置10のCPU11は、第2車両Bが停止するまでの所定期間内の移動経路が車両情報に含まれている場合に、第2車両Bが停止するまでの移動経路に基づいて、少なくとも1つの第2車両Bの各々が停止している車線を判別してもよい。具体的に説明すると、交通制御装置10のCPU11は、例えば、少なくとも1つの第2車両Bのうち、車両情報に含まれる移動経路が第1車両Aの移動経路(位置測定装置18によって測定された第1車両Aの位置の時間推移)と同じ方向である第2車両Bを、第1車両Aと同一車線L1に停止している第2車両Bと判別してもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bのうち、車両情報に含まれる移動経路が第1車両Aの移動経路と逆方向である第2車両Bを、第1車両Aの対向車線L2に停止している第2車両Bと判別してもよい。さらに、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bのうち、車両情報に含まれる移動経路が第1車両Aの移動経路と同じ方向ではなく逆方向でもない第2車両Bを、第1車両Aの交差車線L3に停止している第2車両Bと判別してもよい。
【0074】
また、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bの各々が停止している車線を判別すると、少なくとも1つの第2車両Bの各々の車両情報を、例えば図5に示す同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち、第2車両Bが停止していると判別された車線に対応する車線データに記憶する。ここで、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの各々は、通信装置20の識別情報(図の例では、通信装置ID)毎に、車両情報(車両位置、進行方向及び停止期間(又は、到着時刻))と、車両情報の取得日時と、が対応付けられた状態で記述されているデータである。ここで、車両情報の取得日時は、交通制御装置10のCPU11が通信装置20から車両情報を取得した日時を表す情報であってもよい。すなわち、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bのうち同一車線L1に停止していると判別された第2車両の車両情報を同一車線データに記憶し、少なくとも1つの第2車両Bのうち対向車線L2に停止していると判別された第2車両の車両情報を対向車線データに記憶し、少なくとも1つの第2車両Bのうち交差車線L3に停止していると判別された第2車両の車両情報を交差車線データに記憶する。
【0075】
このようにして、交通制御装置10のCPU11は、少なくとも1つの第2車両Bの各々に存在する通信装置20から無線送信される車両情報を受信(取得)する。
【0076】
推定手段32は、取得した車両情報に基づいて、通行規制地点において通行規制されている車線と同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの停止状況を推定する機能を備える。ここで、推定手段32は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止している第2車両Bの数及び/又は停止期間を第2車両Bの停止状況として推定してもよい。なお、第2車両Bの停止期間は、例えば、現在時刻と車両情報の取得日時(取得時刻)との差を算出することによってもとめられてもよいし、車両情報の取得日時から経過した時間を計測することによってもとめられてもよい。
【0077】
推定手段32の機能は、例えば以下のように実現される。交通制御装置10のCPU11は、第1取得手段31の機能に基づいて、少なくとも1つの第2車両Bの各々の車両情報が同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの何れかに記憶されると、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの各々にアクセスして、記憶されている車両情報の数(すなわち、対応する車線上に停止している第2車両Bの数)を計測してもよい。これにより、交通制御装置10のCPU11は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3の各々の車線における第2車両Bの停止状況(停止している第2車両Bの数)を推定することができる。
【0078】
また、交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの各々にアクセスして、記憶されている車両情報毎に、対応する第2車両Bの停止期間をもとめてもよい。この場合、CPU11は、例えば、現在時刻と車両情報の取得日時(取得時刻)との差を算出することによって、対応する第2車両Bの停止期間をもとめてもよいし、車両情報の取得日時から経過時間を計測することによって、対応する第2車両Bの停止期間をもとめてもよい。これにより、交通制御装置10のCPU11は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3の各々の車線における第2車両Bの停止状況(停止している第2車両Bの各々の停止期間)を推定することができる。
【0079】
上述した例では、推定手段32が、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止している第2車両Bの数及び/又は停止期間を第2車両Bの停止状況として推定しているが、本発明は、この場合に限られない。例えば、推定手段32は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止している第2車両Bの停止車列における先頭からの順番及び当該第2車両Bの停止期間を、第2車両Bの停止状況として推定してもよい。この場合、交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの各々にアクセスして、記憶されている車両情報毎に、対応する第2車両Bの停止車列における先頭からの順番をもとめてもよい。ここで、CPU11は、例えば、車両情報に含まれる車両位置が交通制御装置10の位置(位置測定装置18によって測定されてもよい)から近い順に、1から始まる番号(順番)を、対応する第2車両Bに割り当ててもよい。また、CPU11は、例えば、車両情報に含まれる到着時刻が古い順(つまり、通行規制地点に到着した順)に、1から始まる番号(順番)を、対応する第2車両Bに割り当ててもよい。
【0080】
信号生成手段33は、推定した停止状況に基づいて、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの交通制御を行うための信号情報を生成する機能を備える。
【0081】
また、信号生成手段33は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線における第2車両Bの停止状況が所定の条件を満たす場合に、当該何れかの車線上の第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成してもよい。これにより、例えば、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線において停止している第2車両Bの数が所定の条件を満たす場合に、当該何れかの車線上の第2車両Bが他の車線上の第2車両Bよりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0082】
ここで、所定の条件は、何れかの車線上で停止している第2車両Bの数が他の車線上で停止している第2車両Bの数よりも多い又は少ないことを含んでもよい。これにより、例えば、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線において停止している第2車両Bの数が他の車線上で停止している第2車両Bの数よりも多い又は少ない場合に、当該何れかの車線上の第2車両Bが他の車線上の第2車両Bよりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0083】
また、所定の条件は、少なくとも1つの第2車両Bのうち停止期間が最も長い第2車両Bが何れかの車線上で停止していることを含んでもよい。これにより、例えば、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線において停止している第2車両Bの停止期間が最も長い場合には、当該何れかの車線上の第2車両Bが他の車線上の第2車両Bよりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0084】
さらに、所定の条件は、何れかの車線上で停止している第2車両Bの平均停止期間が他の車線上で停止している第2車両Bの平均停止期間よりも長いことを含んでもよい。これにより、例えば、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線において停止している第2車両Bの平均停止期間が他の車線上で停止している第2車両Bの平均停止期間よりも長い場合に、当該何れかの車線上の第2車両Bが他の車線上の第2車両Bよりも優先して通行規制地点を通行するように交通制御することができる。
【0085】
さらに、信号生成手段33は、所定のタイミング毎に、第2車両Bの進行を許可する車線を切り替えるように信号情報を生成してもよい。これにより、例えば、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち、通行規制地点における第2車両Bの進行を許可する車線を所定のタイミング毎に切り替えることが可能になる。
【0086】
ここで、所定のタイミングは、進行が許可された車線上に停止している全ての第2車両Bが通行規制地点を通過したタイミングであってもよい。これにより、第2車両Bの進行が許可された車線上に停止している全ての第2車両Bが通行規制地点を通過する毎に、通行規制地点における第2車両Bの進行を許可する車線を切り替えることが可能になる。
【0087】
また、所定のタイミングは、進行が許可された車線上に停止している第2車両Bのうち所定数の第2車両Bが通行規制地点を通過したタイミングであってもよい。これにより、第2車両Bの進行が許可された車線上に停止している所定数の第2車両Bが通行規制地点を通過する毎に、通行規制地点における第2車両Bの進行を許可する車線を切り替えることが可能になる。
【0088】
さらに、所定のタイミングは、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線上の第2車両Bの進行が許可されてから所定時間が経過したタイミングであってもよい。これにより、何れかの車線に対して第2車両Bの進行が許可されてから所定時間が経過する毎に、通行規制地点における第2車両Bの進行を許可する車線を切り替えることが可能になる。
【0089】
信号生成手段33の機能は、例えば以下のように実現される。なお、ここでは、信号生成手段33が、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線における第2車両Bの停止状況が所定の条件を満たす場合に、当該何れかの車線上の第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成する場合を一例として説明する。
【0090】
例えば、所定の条件が、何れかの車線上で停止している第2車両Bの数が他の車線上で停止している第2車両Bの数よりも多い又は少ないことを含む場合には、交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち、記憶されている車両情報の数が最も多い又は少ない車線データ(例えば、対向車線データ)を抽出する。そして、交通制御装置10のCPU11は、抽出した車線データ(ここでは、対向車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を許可するように信号情報(例えば、青信号であることを示す情報)を生成する。例えば、交通制御装置10のCPU11は、抽出した車線データ(ここでは、対向車線データ)内の全ての通信装置20の識別情報(通信装置ID)毎に、第2車両Bの進行を許可するように生成された信号情報(例えば、青信号であることを示す情報)を対応付ける。また、交通制御装置10のCPU11は、抽出されていない車線データ(ここでは、同一車線データ及び交差車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を停止するように信号情報(例えば、赤信号であることを示す情報)を生成する。例えば、交通制御装置10のCPU11は、抽出されていない車線データ(ここでは、同一車線データ及び交差車線データ)内の全ての通信装置20の識別情報(通信装置ID)毎に、第2車両Bの進行を停止するように生成された信号情報(例えば、赤信号であることを示す情報)を対応付ける。なお、信号情報は、音声データで構成されてもよいし、画像データで構成されてもよい。
【0091】
これにより、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線上で停止している第2車両Bの数が他の車線上で停止している第2車両Bの数よりも多い場合(つまり、当該何れかの車線上の停止車両の車列が最も長い場合)には、当該何れかの車線上の渋滞を緩和するために、当該何れかの車線上の第2車両Bを優先して通行させることが可能になる。一方、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線上で停止している第2車両Bの数が他の車線上で停止している第2車両Bの数よりも少ない場合(つまり、当該何れかの車線上の停止車両の車列が最も短い場合)には、当該何れかの車線上の渋滞を早期に解消するために、当該何れかの車線上の第2車両Bを優先して通行させることが可能になる。
【0092】
また、例えば、所定の条件が、少なくとも1つの第2車両Bのうち停止期間が最も長い第2車両Bが何れかの車線上で停止していることを含む場合には、交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち、停止期間が最も長い(又は、到着時刻からの経過時間が最も長い)車両情報を含む車線データ(例えば、対向車線データ)を抽出する。そして、交通制御装置10のCPU11は、抽出した車線データ(ここでは、対向車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を許可するように信号情報(例えば、青信号であることを示す情報)を生成してもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、抽出されていない車線データ(ここでは、同一車線データ及び交差車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を停止するように信号情報(例えば、赤信号であることを示す情報)を生成してもよい。
【0093】
さらに、例えば、所定の条件が、何れかの車線上で停止している第2車両Bの平均停止期間が他の車線上で停止している第2車両Bの平均停止期間よりも長いことを含む場合には、交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データ毎に、記憶されている全ての車両情報の停止期間の平均期間を算出する。そして、交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち、記憶されている全ての車両情報の停止期間の平均期間が最も長い(又は、到着時刻からの経過時間の平均が最も長い)車線データ(例えば、対向車線データ)を抽出する。そして、交通制御装置10のCPU11は、抽出した車線データ(ここでは、対向車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を許可するように信号情報(例えば、青信号であることを示す情報)を生成してもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、抽出されていない車線データ(ここでは、同一車線データ及び交差車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を停止するように信号情報(例えば、赤信号であることを示す情報)を生成してもよい。
【0094】
次に、所定のタイミング毎に、第2車両Bの進行を許可する車線を切り替えるように信号情報が生成される場合について説明する。
【0095】
例えば、所定のタイミングが、進行が許可された車線上に停止している全ての第2車両Bが通行規制地点を通過したタイミングである場合には、交通制御装置10のCPU11は、後述する第2取得手段36の機能に基づいて第2車両Bから受信(取得)した通過情報の数(すなわち、通行規制地点を通過した第2車両Bの数)が、進行が許可された車線に対応する車線データ(例えば、対向車線データ)に記憶されている車両情報の数(すなわち、進行が許可された車線(例えば、対向車線L2)上に停止している第2車両Bの数)に達する毎に、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線における第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成してもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、後述する推定手段32の機能に基づいて、通行規制地点を通過した第2車両Bが停止していた車線における第2車両Bの数を低減するように構成されている場合には、進行が許可された車線に対応する車線データ(例えば、対向車線データ)に記憶されている全ての車両情報が当該車線データから消去される毎に、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線における第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成してもよい。
【0096】
また、例えば、所定のタイミングが、進行が許可された車線上に停止している第2車両Bのうち所定数(例えば、10台)の車両が通行規制地点を通過したタイミングである場合には、交通制御装置10のCPU11は、後述する第2取得手段36の機能に基づいて第2車両Bから受信(取得)した通過情報の数(すなわち、通行規制地点を通過した第2車両Bの数)が所定数に達する毎に、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線における第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成してもよい。
【0097】
さらに、例えば、所定のタイミングが、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線上の第2車両Bの進行が許可されてから所定時間(例えば、30秒)が経過したタイミングである場合には、交通制御装置10のCPU11は、何れかの車線上の第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成する毎に、信号情報を生成したときからの経過時間を計測する。そして、交通制御装置10のCPU11は、経過時間が所定時間に達した場合に、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線における第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成してもよい。
【0098】
なお、交通制御装置10のCPU11は、信号生成手段33の機能として、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止している第2車両Bの停止車列における先頭からの順番及び当該第2車両Bの停止期間に基づいて、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの交通制御を行うための信号情報を生成してもよい。ここで、一般的に、第2車両Bの位置が停止車列の末尾に近いほど、当該第2車両Bが通行規制地点を通過するまでの期間が長くなると予想されるので、当該第2車両Bの停止期間が多少長くなったとしても、当該第2車両Bの搭乗者の不満を抑えることができると考えられる。一方、第2車両Bの位置が停止車列の先頭に近いほど、当該第2車両Bが通行規制地点を通過するまでの期間が短くなると予想されるので、当該第2車両Bの停止期間が多少長くなった場合には、当該第2車両Bの搭乗者の不満が増大すると考えられる。そこで、交通制御装置10のCPU11は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止している第2車両Bの停止車列における先頭からの順番と、当該第2車両Bの停止期間と、に基づいて、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち何れかの車線上の第2車両Bの進行を許可するように信号情報を生成してもよい。例えば、CPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データの各々にアクセスして、少なくとも1つの第2車両Bのうち、停止車列における位置が先頭により近く、且つ、停止期間がより長い第2車両Bに対応する車両情報を抽出する。そして、CPU11は、抽出した車両情報を含む車線データ(例えば、対向車線データ)を特定し、特定した車線データ(ここでは、対向車線データ)に記憶されている車両情報に対応する第2車両Bの進行を許可するように信号情報(例えば、青信号であることを示す情報)を生成してもよい。
【0099】
第1送信手段34は、生成した信号情報を少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20に無線送信する機能を備える。
【0100】
第1送信手段34の機能は、例えば以下のように実現される。交通制御装置10のCPU11は、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち何れかに識別情報(通信装置ID)が記憶されている通信装置20の各々に対して、信号情報を、当該識別情報(通信装置ID)が対応付けられた状態で通信インタフェース部19を介して送信する。
【0101】
一方、少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20のCPU21は、自身の識別情報(通信装置ID)に対応付けられた信号情報を、通信インタフェース部29を介して受信すると、受信した信号情報を例えば表示部26に表示してもよい。これにより、第2車両Bのドライバーは、通行規制地点を進行可能か否かについて容易に判別することが可能になる。また、第2車両Bが自動運転車両である場合には、通信装置20が受信した信号情報の内容に応じて、第2車両Bを進行させるか否かが制御されてもよい。
【0102】
第2送信手段35は、所定の情報が入力されると、通行規制地点が設けられていることを通知するための通知情報を無線送信する機能を備える。これにより、通行規制地点から所定範囲内の車線上に存在する第2車両Bの通信装置20において、通行規制が行われていることを認識することが可能になる。これにより、第2車両Bのドライバーに対して、例えば、通行規制地点への第2車両Bの接近に応じて第2車両Bを減速又は停止等させるように注意喚起することができる。また、第2車両Bが自動運転可能に構成されている場合には、通行規制地点への当該第2車両Bの接近に応じて減速又は停止等するように当該第2車両Bを制御することが可能になる。
【0103】
ここで、通知情報は、通行規制地点に関する情報を含んでもよい。これにより、片側交互通行における通行規制地点から所定範囲内の車線上に存在する第2車両Bの通信装置20において、通行規制地点を容易に認識することが可能になる。
【0104】
また、通行規制地点に関する情報は、通行規制地点の緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つを含んでもよい。これにより、通行規制地点から所定範囲内の車線上に存在する第2車両Bの通信装置20において、通行規制地点の緯度、経度及び高度のうち少なくとも1つを容易に認識することが可能になる。
【0105】
第2送信手段35の機能は、例えば以下のように実現される。例えば、第1車両Aが通行規制地点に停止している場合において、交通制御装置10のCPU11は、入力部17を用いて所定の情報が入力されると、例えば図6に示す通知情報を生成する。そして、交通制御装置10のCPU11は、生成した通知情報を、通信インタフェース部19を介してブロードキャスト(送信)する。ここで、通知情報は、交通制御装置10の識別情報(交通制御装置ID)と、通行規制地点(緯度、経度及び高度)と、が対応付けられた情報である。交通制御装置10のCPU11は、入力部17を用いて所定の情報が入力されると、位置を測定するように位置測定装置18に指示し、位置測定装置18が測定した交通制御装置10の位置情報(緯度、経度及び高度)を通知情報の通行規制地点に記憶してもよい。また、通知情報には、他の情報(例えば、通行規制理由や通知日時等)が含まれてもよい。例えば、通行規制理由が通知情報に含まれる場合には、交通制御装置10のCPU11は、入力部17を用いて入力された通行規制理由(例えば、車両故障、事故、災害、道路工事、落石、障害物等)を通知情報の通行規制理由に記憶してもよいし、例えば表示部16等に表示された複数の通行規制理由の中から入力部17を用いて選択された通行規制理由を通知情報の通行規制理由に記憶してもよい。なお、通知情報は、音声データで構成されてもよいし、画像データで構成されてもよい。
【0106】
第2取得手段36は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止していた第2車両Bが通行規制地点を通過した場合に、通過した第2車両Bに対応する通信装置20から無線送信された通過情報を取得する機能を備える。
【0107】
第2取得手段36の機能は、例えば以下のように実現される。先ず、少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20のCPU21は、第2車両Bが通行規制地点を通過したことを判別すると、通信装置20の識別情報(通信装置ID)を含む通過情報を生成し、通過情報を、通信インタフェース部29を介して交通制御装置10に送信する。ここで、通信装置20のCPU21は、例えば、位置測定装置28によって測定された通信装置20の位置と、交通制御装置10から受信した通知情報に含まれる通行規制地点との距離が所定値(例えば、5m)以下の場合に、第2車両Bが通行規制地点を通過したと判別してもよい。
【0108】
一方、交通制御装置10のCPU11は、通過情報を、通信インタフェース部19を介して通信装置20から受信(取得)すると、受信した通過情報を例えばRAM13に記憶してもよい。このようにして、交通制御装置10のCPU11は、通行規制地点を通過した第2車両Bに対応する通信装置20から無線送信された通過情報を取得することが可能になる。
【0109】
ここで、推定手段32は、通過情報が取得されたことに応じて、通行規制地点を通過した第2車両Bが停止していた車線における第2車両Bの数を低減してもよい。これにより、通行規制地点を通過した第2車両Bの数に応じて低減された停止車両の数(第2車両Bの停止状況)に基づいて、少なくとも1つの車線の交通制御を行うための信号情報を生成することが可能になる。
【0110】
この場合における推定手段32の機能は、例えば以下のように実現される。交通制御装置10のCPU11は、第2取得手段36の機能に基づいて通過情報を取得すると、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち、通過情報に含まれている通信装置20の識別情報(通信装置ID)を記憶する車線データを抽出する。そして、交通制御装置10のCPU11は、通過情報に含まれている通信装置20の識別情報(通信装置ID)と、当該識別情報(通信装置ID)に対応する車両情報及び取得日時とを、抽出した車線データから消去することによって、抽出した車線データを更新する。これにより、通行規制地点を通過した第2車両Bが停止していた車線における第2車両Bの数を1つ低減することが可能になる。
【0111】
なお、本実施形態において、第1取得手段31、第1送信手段34、第2送信手段35及び第2取得手段36のうち少なくとも1つは、少なくとも1つの第2車両Bの各々に存在する通信装置20との間で、無線通信規格を切り替えて通信可能なコグニティブ無線通信を行ってもよい。これにより、交通制御装置10と、各第2車両Bに存在する通信装置20と、の間の無線通信帯域の利用効率を向上させることが可能になり、当該通信装置20との通信可能範囲を拡大することが可能になる。
【0112】
ここで、コグニティブ無線通信とは、複数の通信方式の中から状況に応じて最適な通信方式を選択することによって、使用する無線方式を切り替える技術である。コグニティブ無線通信で使用される通信方式には、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)(920MHz)、IEEE.802.11n(2.4GHz)、IEEE.802.11ac(5.6GHz)、IEEE.802.11ad(60GHz)等のように、免許が不要な通信方式が挙げられる。
【0113】
この場合、交通制御装置10のCPU11及び少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20のCPU21は、互いに送受信される情報の量に応じて通信方式を決定してもよい。例えば、送受信される情報の量が少ないほど低い周波数の通信方式が用いられてもよく、送受信される情報の量が多いほど高い周波数の通信方式が用いられてもよい。
【0114】
(5)本実施形態の交通制御システムの主要な処理のフロー
次に、本実施形態の交通制御システムにより行われる主要な処理のフローの一例について、図7及び図8のフローチャートを参照して説明する。
【0115】
先ず、図7を参照して、交通制御装置10の処理の一例を説明する。例えば、第1車両Aが通行規制地点に停止している場合において、第1車両Aに存在する交通制御装置10のCPU11は、入力部17を用いて所定の情報が入力されると、通知情報を生成する。そして、交通制御装置10のCPU11は、生成した通知情報を、通信インタフェース部19を介してブロードキャスト(送信)する(ステップS100)。
【0116】
一方、少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20のCPU21は、通知情報を第1車両Aの交通制御装置10から通信インタフェース部29を介して受信した後に、第2車両Bが通行規制地点(第1車両Aの停止位置)に到着及び停止していると判別した場合(例えば、位置測定装置28によって測定された第2車両Bの位置が通行規制地点から所定範囲(例えば、数メートル~数十メートルの範囲)内で所定時間(例えば、5分等)以上変化していない場合)に、通信装置20の識別情報(通信装置ID)と、対応する第2車両Bの車両情報(本実施形態では、対応する第2車両Bの位置、進行方向及び停止期間を含む)とを、通信インタフェース部29を介して第1車両Aの交通制御装置10に送信する。
【0117】
次に、交通制御装置10のCPU11は、車両情報を少なくとも1つの第2車両Bの各々から通信インタフェース部19を介して受信(取得)すると(ステップS102:YES)、取得した車両情報に基づいて、片側交互通行によって通行規制されている車線と同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの停止状況を推定する(ステップS104)。なお、交通制御装置10のCPU11は、車両情報を受信(取得)していない場合に(ステップS102:NO)、後述するステップS106の処理に移行してもよい。
【0118】
交通制御装置10のCPU11は、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止していた第2車両Bが通行規制地点を通過した場合に、通過した第2車両Bに対応する通信装置20から無線送信された通過情報を取得すると(ステップS106:YES)、通過情報が取得されたことに応じて、通行規制地点を通過した第2車両Bが停止していた車線における第2車両Bの数を低減するように車線データを更新する(ステップS108)。具体的に説明すると、交通制御装置10のCPU11は、通過情報を取得した場合に、同一車線データ、対向車線データ及び交差車線データのうち、通過情報に含まれている通信装置20の識別情報(通信装置ID)を記憶する車線データを抽出する。そして、交通制御装置10のCPU11は、通過情報に含まれている通信装置20の識別情報(通信装置ID)と、当該識別情報(通信装置ID)に対応する車両情報及び取得日時とを、抽出した車線データから消去することによって、抽出した車線データを更新する。なお、交通制御装置10のCPU11は、通過情報を取得していない場合に(ステップS106:NO)、後述するステップS110の処理に移行してもよい。
【0119】
ステップS108の後に、交通制御装置10のCPU11は、信号情報を生成するタイミング(例えば、何れかの車線上の所定数若しくは全ての第2車両Bが通行規制地点を通過したタイミング、及び/又は、何れかの車線上の第2車両Bの進行が許可されてから所定時間が経過したタイミング等)であるか否かを判別する(ステップS110)。そして、交通制御装置10のCPU11は、信号情報を生成するタイミングであると判別した場合に(ステップS110:YES)、各車線L1,L2,L3における第2車両Bの停止状況に基づいて、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における少なくとも1つの第2車両Bの交通制御を行うための信号情報を生成する(ステップS112)。次いで、交通制御装置10のCPU11は、生成した信号情報を少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20に無線送信する(ステップS114)。また、交通制御装置10のCPU11は、信号情報を生成するタイミングではないと判別した場合に(ステップS110:NO)、ステップS114の処理に移行してもよい。
【0120】
そして、ステップS114の後に、交通制御装置10のCPU11は、ステップS100の処理に移行してもよい。
【0121】
次に、図8を参照して、通信装置20の処理の一例を説明する。少なくとも1つの第2車両Bの各々の通信装置20のCPU21は、通知情報を第1車両Aの交通制御装置10から通信インタフェース部29を介して受信し(ステップS200:YES)、第2車両Bが通行規制地点(第1車両Aの停止位置)に到着及び停止していると判別した場合(例えば、位置測定装置28によって測定された第2車両Bの位置が通行規制地点から所定範囲(例えば、数メートル~数十メートルの範囲)内で所定時間(例えば、5分等)以上変化していない場合)に(ステップS202:YES)、通信装置20の識別情報(通信装置ID)と、対応する第2車両Bの車両情報(本実施形態では、対応する第2車両Bの位置、進行方向及び停止期間を含む)とを、通信インタフェース部29を介して第1車両Aの交通制御装置10に送信する(ステップS204)。なお、通信装置20のCPU21は、通知情報を取得していない場合に(ステップS200:NO)、ステップS200の処理を継続して行ってもよい。また、通信装置20のCPU21は、第2車両Bが通行規制地点に到着及び停止していないと判別した場合に(ステップS202:NO)、ステップS202の処理を継続して行ってもよい。
【0122】
ステップS204の後に、通信装置20のCPU21は、信号情報を、通信インタフェース部29を介して交通制御装置10から取得したか否かを判別する(ステップS206)。通信装置20のCPU21は、信号情報を取得すると(ステップS206:YES)、取得した信号情報を例えば表示部26に表示してもよいし、取得した信号情報に基づいて第2車両Bの自動運転制御を行ってもよい。なお、通信装置20のCPU21は、信号情報を取得していない場合に(ステップS206:NO)、ステップS206の処理を継続して行ってもよい。
【0123】
通信装置20のCPU21は、信号情報を取得した後に、対応する第2車両Bが通行規制地点を通過したと判別すると(ステップS208:YES)、通過情報を生成して交通制御装置10に送信する(ステップS210)。そして、通信装置20のCPU21は、ステップS200の処理に移行してもよい。なお、通信装置20のCPU21は、対応する第2車両Bが通行規制地点を通過していないと判別した場合に(ステップS208:NO)、ステップS206の処理に移行してもよい。
【0124】
上述したように、本実施形態の交通制御システム、交通制御方法、プログラムによれば、片側交互通行によって通行規制されている車線と同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線において停止している第2車両Bの停止状況に基づいて、同一車線L1、対向車線L2及び交差車線L3のうち少なくとも1つの車線における第2車両Bの交通制御(例えば、通行規制地点における進行を許可する等)を行うための信号情報が生成され、生成された信号が、停止している第2車両Bの通信装置20に無線送信されるので、停止している第2車両Bのドライバーは、通信装置20が受信した信号情報に従って通行規制地点(例えば、交互通行区間や道路工事区間等)を通行するように第2車両Bを運転することが可能になる。これにより、例えば、停電等によって信号機の機能が喪失した場合や、信号機が設置されていない道路において車両故障や事故等が発生した場合等のように、信号機による交通制御を行うことが困難な場合であっても、各車線上に停止している第2車両Bの交通制御を容易に行うことができる。また、本実施形態の交通制御システム、交通制御方法、プログラムによれば、信号機を仮設置したり、誘導員を配置したりする必要がなくなるので、信号機のコストや誘導員の配置等に係るコストを低減することができる。
【0125】
なお、本発明のプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。このプログラムを記録した記憶媒体は、図2に示す交通制御装置10のROM12、RAM13又は記憶装置14であってもよいし、図3に示す通信装置20のROM22、RAM23又は記憶装置24であってもよい。また、記憶媒体は、例えばCD-ROMドライブ等のプログラム読取装置に挿入されることで読み取り可能なCD-ROM等であってもよい。さらに、記憶媒体は、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、MO/MD/DVD等であってもよいし、半導体メモリであってもよい。
【0126】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0127】
例えば、上述した実施形態では、第1車両Aが故障又は事故等によって車線L1上で停止していることにより車線L1の通行が規制(禁止)されている場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限られない。例えば、第1車両Aは、道路工事区間に配置された工事車両であってもよいし、交互通行区間を生成するために配置された車両であってもよいし、落石や障害物等によって進行が妨げられた車両であってもよい。
【0128】
また、上述した実施形態では、交通制御装置10が第1車両Aに設けられている場合を一例として説明しているが、本発明はこの場合に限られない。例えば、交通制御装置10は、通行規制地点の近傍(例えば、通行規制地点から10メートル以内等)の位置に設けられてもよい。これにより、通行規制地点の近傍の位置(例えば、通行規制地点に停止している第1車両Aの周辺の路肩等)において、各車線L1,L2,L3上に停止している第2車両Bの交通制御を行うことができる。
【0129】
さらに、上述した実施形態では、通信装置20のCPU21が、通知情報を交通制御装置10から受信した後に車両情報を送信する場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、通信装置20のCPU21は、通知情報を受信していない場合であっても、例えば、位置測定装置28によって測定された現在位置に関する情報の取得や、入力部27を用いた所定の情報の入力等によって、通信装置20(すなわち、対応する第2車両B)が通行規制地点に到着及び停止していると判別した場合に、車両情報を交通制御装置10に送信してもよい。
【0130】
さらにまた、上述した実施形態では、図1に示すように、T字路交差点付近に通行規制地点が存在する場合を一例として説明したが、例えば、Y字路交差点、十字路交差点、多叉路交差点等の付近に通行規制地点が存在する場合においても、本発明を適用することが可能である。
【0131】
また、上述した実施形態では、信号機が設置されていない道路において交通制御装置10を用いた交通制御が行われる場合を一例として説明しているが、信号機が設置されている場所(例えば、交差点等)においても、交通制御装置10を用いて交通制御を行うことが可能である。これにより、例えば、停電等によって信号機の機能が喪失した場合であっても、交通制御を容易に行うことが可能になる。この場合、交通制御装置10のCPU11は、推定手段32の機能として、所定の方向に延在する車線と、当該車線の対向車線(進行方向が当該車線の進行方向と約180°異なる車線)と、を含む車線グループが存在する場合に、取得した車両情報に基づいて、所定の通行規制地点(例えば、交差点の手前等)において通行規制されている車線を含む車線グループである第1車線グループ内の車線における第2車両Bの停止状況と、第1車線グループに含まれる車線に対して交差する車線を含む車線グループである第2車線グループ内の車線における第2車両Bの停止状況と、を推定してもよい。また、交通制御装置10のCPU11は、信号生成手段33の機能として、推定した停止状況に基づいて、第1車線グループ及び第2車線グループのうち何れかのグループ内の車線における第2車両Bの交通制御(例えば、第1車線グループ内の車線上に停止している第2車両Bの進行を許可し、第2車線グループ内の車線上の第2車両Bの進行を停止する等)を行うための信号情報を生成してもよい。ここで、車線グループに含まれる車線と、当該車線の対向車線と、の間の進行方向の差(角度)は、例えば、±180°であってもよいし、±180°から所定の誤差範囲内の値であってもよい。また、第1車線グループ及び第2車線グループの各々の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。ここで、複数の第1車線グループが存在する場合には、交通制御装置10のCPU11は、信号生成手段33の機能として、複数の第1車線グループのうち何れか1つの第1車線グループ内の車線上に停止している第2車両Bのみの進行を許可し、他の第1車線グループ内の車線上の第2車両B及び第2車線グループ内の車線上の第2車両Bの進行を停止するように信号情報を生成してもよい。
【0132】
さらに、上述した実施形態では、交通制御装置10によって、第1取得手段31、推定手段32、信号生成手段33、第1送信手段34、第2送信手段35及び第2取得手段36の各機能を実現する構成としたが、本発明は、この構成に限られない。例えば、インターネットやLAN等の通信網を介して交通制御装置10と通信可能に接続されたコンピュータ等(例えば、汎用のパーソナルコンピュータやサーバ等)によって、上記各手段31~36のうち少なくとも1つの手段の機能を実現する構成としてもよい。また、図4に示した機能ブロック図の各機能は、図9(a),(b)に示すように、交通制御装置10と、交通制御装置10と通信可能に接続されたコンピュータの一例である交通制御サーバと、の間で任意に分担されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0133】
上述したような本発明の交通制御システム、交通制御方法、プログラムは、車両に対する交通制御サービス等に好適に利用することができるので、その産業上の利用可能性は極めて大きい。
【符号の説明】
【0134】
10…交通制御装置
20…通信装置
31…第1取得手段
32…推定手段
33…信号生成手段
34…第1送信手段
35…第2送信手段
36…第2取得手段
A…第1車両
B…第2車両
L1…同一車線
L2…対向車線
L3…交差車線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9