(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012824
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】センサー用光部品およびセンシングシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
G02B6/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116535
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】寺田 信介
【テーマコード(参考)】
2H137
【Fターム(参考)】
2H137AA14
2H137AB09
2H137AB12
2H137AC05
2H137BA02
2H137BA46
2H137BA55
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB25
2H137BC51
2H137CC02
2H137CC03
2H137CD33
2H137DA07
2H137DA39
(57)【要約】
【課題】被着体の表面の変化を検出するセンシングシステムを実現可能であり、被着体に取り付ける作業が容易で安価なセンサー用光部品、および、かかるセンサー用光部品を備えるセンシングシステムを提供すること。
【解決手段】本発明のセンサー用光部品は、長尺状のセンシングコア部を含むコア層を有するとともに、互いに表裏の関係を有する第1面および第2面を有し、前記第1面が被着体に取り付けられる光導波路と、前記センシングコア部に設けられ、前記センシングコア部を伝搬する光を反射する光反射部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のセンシングコア部を含むコア層を有するとともに、互いに表裏の関係を有する第1面および第2面を有し、前記第1面が被着体に取り付けられる光導波路と、
前記センシングコア部に設けられ、前記センシングコア部を伝搬する光を反射する光反射部と、
を備えることを特徴とするセンサー用光部品。
【請求項2】
前記光反射部は、前記センシングコア部に隣接する金属体を含む請求項1に記載のセンサー用光部品。
【請求項3】
前記光導波路を覆う被覆部を備える請求項1または2に記載のセンサー用光部品。
【請求項4】
前記被覆部の一部は、前記光反射部を構成する請求項3に記載のセンサー用光部品。
【請求項5】
前記光導波路と前記被覆部とを接着する被覆部接着層を備える請求項3または4に記載のセンサー用光部品。
【請求項6】
前記第1面に設けられている未硬化の被着体接着層を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のセンサー用光部品。
【請求項7】
前記コア層は、さらに、
入射端を有する入射コア部と、
出射端を有する出射コア部と、
前記センシングコア部を前記入射コア部と前記出射コア部とに分岐させつつ接続する分岐部と、
を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載のセンサー用光部品。
【請求項8】
前記入射端は、光を反射する機能を有し、
前記入射コア部は、前記入射端を介して、前記第2面と光学的に接続されている請求項7に記載のセンサー用光部品。
【請求項9】
前記出射端は、光を反射する機能を有し、
前記出射コア部は、前記出射端を介して、前記第2面と光学的に接続されている請求項7または8に記載のセンサー用光部品。
【請求項10】
前記第2面に設けられているソケットを備える請求項8または9に記載のセンサー用光部品。
【請求項11】
前記光導波路を貫通する貫通孔と、
前記ソケットに開口し、前記貫通孔に対応する形状を持つ開口部と、
を有し、
前記第2面を平面視したとき、前記貫通孔と前記開口部とが重なっている請求項10に記載のセンサー用光部品。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のセンサー用光部品と、
前記光導波路と光学的に接続されている光電変換モジュールと、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。
【請求項13】
前記センサー用光部品は、前記光電変換モジュールが嵌る嵌合部を有する請求項12に記載のセンシングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー用光部品およびセンシングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、監視対象物の変位や変形を光により監視する光ファイバーセンサーが開示されている。この光ファイバーセンサーは、一対の連結部材と、各連結部材に設けられた光ファイバー保持部と、光ファイバー保持部で保持された光ファイバーと、を備えている。
【0003】
このような光ファイバーセンサーでは、正常時、フレネル反射光や損失増大は観測されない。しかし、連結部材間に相対変位が発生すると、光ファイバー保持部が変形し、光ファイバーに変形や破断が生じるため、フレネル反射光や損失増大が観測される。光ファイバーセンサーの使用者は、このような観測結果に基づいて、監視対象物の異常を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明では、光ファイバーの両端が監視ユニットに接続されている。したがって、光ファイバーを環状に敷設する必要があることから、敷設経路に制約が生じるとともに、敷設作業に手間がかかる。また、光ファイバーは、断面が円形をなす線状体であるため、監視対象物に貼り付ける作業の難易度が高い。さらに、光ファイバーの長さは、監視対象物と監視ユニットとの距離の2倍以上必要になり、低コスト化が難しいという課題もある。
【0006】
本発明の目的は、被着体の異常を検出するセンシングシステムを実現可能であり、被着体に対する敷設作業が容易で安価なセンサー用光部品、および、かかるセンサー用光部品を備えるセンシングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)~(13)の本発明により達成される。
(1) 長尺状のセンシングコア部を含むコア層を有するとともに、互いに表裏の関係を有する第1面および第2面を有し、前記第1面が被着体に取り付けられる光導波路と、
前記センシングコア部に設けられ、前記センシングコア部を伝搬する光を反射する光反射部と、
を備えることを特徴とするセンサー用光部品。
【0008】
(2) 前記光反射部は、前記センシングコア部に隣接する金属体を含む上記(1)に記載のセンサー用光部品。
【0009】
(3) 前記光導波路を覆う被覆部を備える上記(1)または(2)に記載のセンサー用光部品。
【0010】
(4) 前記被覆部の一部は、前記光反射部を構成する上記(3)に記載のセンサー用光部品。
【0011】
(5) 前記光導波路と前記被覆部とを接着する被覆部接着層を備える上記(3)または(4)に記載のセンサー用光部品。
【0012】
(6) 前記第1面に設けられている未硬化の被着体接着層を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のセンサー用光部品。
【0013】
(7) 前記コア層は、さらに、
入射端を有する入射コア部と、
出射端を有する出射コア部と、
前記センシングコア部を前記入射コア部と前記出射コア部とに分岐させつつ接続する分岐部と、
を含む上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のセンサー用光部品。
【0014】
(8) 前記入射端は、光を反射する機能を有し、
前記入射コア部は、前記入射端を介して、前記第2面と光学的に接続されている上記(7)に記載のセンサー用光部品。
【0015】
(9) 前記出射端は、光を反射する機能を有し、
前記出射コア部は、前記出射端を介して、前記第2面と光学的に接続されている上記(7)または(8)に記載のセンサー用光部品。
【0016】
(10) 前記第2面に設けられているソケットを備える上記(8)または(9)に記載のセンサー用光部品。
【0017】
(11) 前記光導波路を貫通する貫通孔と、
前記ソケットに開口し、前記貫通孔に対応する形状を持つ開口部と、
を有し、
前記第2面を平面視したとき、前記貫通孔と前記開口部とが重なっている上記(10)に記載のセンサー用光部品。
【0018】
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のセンサー用光部品と、
前記光導波路と光学的に接続されている光電変換モジュールと、
を備えることを特徴とするセンシングシステム。
【0019】
(13)
前記センサー用光部品は、前記光電変換モジュールが嵌る嵌合部を有する上記(12)に記載のセンシングシステム。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、被着体の表面の変化を検出するセンシングシステムを実現可能であり、被着体に取り付ける作業が容易で安価なセンサー用光部品が得られる。
【0021】
また、本発明によれば、上記のようなセンサー用光部品を備えるため、被着体に対する取り付けが容易で安価なセンシングシステムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態に係るセンシングシステムの概略を示す分解斜視図である。
【
図2】
図1に示すセンシングシステムの断面図である。
【
図3】
図2に示すセンシングシステムの動作を説明する平面図である。
【
図4】
図2に示すセンシングシステムの動作を説明する平面図である。
【
図6】
図5に示す光導波路の部分拡大斜視図である。
【
図7】
図1に示すセンサー用光部品が備える光導波路の平面図である。
【
図8】
図1に示す被覆部と光導波路を分解して示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態に係るセンサー用光部品を示す断面図である。
【
図10】第3実施形態に係るセンサー用光部品を示す断面図である。
【
図11】
図2に示す被覆部が省略された状態のセンサー用光部品を、曲面を持つ被着体に取り付けた様子を示す断面図である。
【
図12】第4実施形態に係るセンサー用光部品を示す平面図である。
【
図13】第5実施形態に係るセンシングシステムを示す斜視図である。
【
図14】
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【
図15】
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【
図16】
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【
図17】
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【
図18】
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【
図19】
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のセンサー用光部品およびセンシングシステムについて添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係るセンシングシステム100について説明する。
【0025】
図1は、第1実施形態に係るセンシングシステム100の概略を示す分解斜視図である。
図2は、
図1に示すセンシングシステム100の断面図である。
図3および
図4は、それぞれ、
図2に示すセンシングシステム100の動作を説明する平面図である。
【0026】
なお、各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定し、矢印で示している。また、矢印の先端側を「プラス側」といい、基端側を「マイナス側」という。さらに、Z軸を表す矢印の先端側を「上」といい、基端側を「下」という。
【0027】
図1に示すセンシングシステム100は、センサー用光部品1と、光電変換モジュール52と、制御部54と、を備える。センサー用光部品1は、
図1および
図2に示すように、互いに表裏の関係を有する第1面109および第2面110を有する光導波路10を備え、第1面109を被着体9に取り付けた状態で使用される。光電変換モジュール52は、光導波路10と光学的に接続され、光信号と電気信号を相互に変換する機能を有する。
【0028】
このようなセンシングシステム100によれば、センサー用光部品1を被着体9に取り付けるだけで、被着体9の表面の変化を検出することができる。このため、安価で、取り付け作業が容易なセンシングシステム100を実現することができる。また、後に詳述するが、異常の発生を見逃しにくいという利点を有するセンシングシステム100を実現することができる。
【0029】
以下、センシングシステム100の各部について詳述する。
1.1.センサー用光部品
センサー用光部品1は、
図1および
図2に示すように、光導波路10と、ソケット3と、被覆部4と、を備える。ソケット3は、光導波路10の第2面110に設けられ、光電変換モジュール52と光導波路10との光学的接続に介在する。被覆部4は、光導波路10を覆うように設けられている。
【0030】
センサー用光部品1は、前述したように、被着体9に取り付けられた状態で使用される。「取り付ける」とは、センサー用光部品1のうち、少なくとも光導波路10が、被着体9に密着している状態をいう。密着とは、外力を受けて被着体9に押し付けられている状態や、接着力により被着体9に接着している状態等を指す。
【0031】
本実施形態では、
図2に示すように、センサー用光部品1が被着体接着層21を介して被着体9に接着されている。これにより、被着体9に生じた変化を、センサー用光部品1を介して検出するセンシングシステム100が実現される。被着体9に生じた変化としては、例えば、機械的、熱的、化学的な変化が挙げられる。
【0032】
センシングシステム100では、センサー用光部品1に光を入射し、反射して戻ってくる光の強度の変化に基づいて、被着体9に生じたこれらの変化を検出する。具体的には、センサー用光部品1を被着体9に貼り付けた状態で、
図2に示すように、光電変換モジュール52からセンサー用光部品1に対して入射光L1を連続的または断続的に入射する。入射光L1は、センサー用光部品1の内部で反射し、
図3に示すように、出射光L2として入射光L1と同じ経路を戻る。センシングシステム100では、この出射光L2の強度をモニターする。
【0033】
入射光L1を入射している状態で、被着体9の表面に前述した変化、例えば
図4に示す亀裂91が発生すると、それに伴ってセンサー用光部品1が備える光導波路10の一部も破断し、破断面8が生じる。そうすると、破断面8で入射光L1が反射し、
図4に示す反射光L3が発生する。この反射光L3が発生すると、破断面8が生じる前に比べて、出射光L2の強度が低下する。センシングシステム100では、この出射光L2の強度変化を検出することにより、破断面8の発生を検出する。これにより、センシングシステム100では、亀裂91の発生を推定することができる。なお、破断に至らなくても、例えば光導波路10に伸びや曲げ、圧縮が加わっても、反射光L3や漏れ光が発生するため、出射光L2の強度が低下する。
【0034】
1.1.1.光導波路
図5は、
図2の部分拡大図である。
図6は、
図5に示す光導波路10の部分拡大斜視図である。
図7は、
図1に示すセンサー用光部品1が備える光導波路10の平面図である。
【0035】
光導波路10は、
図5および
図6に示すように、下方から、第1カバー層18、クラッド層11、コア層13、クラッド層12、および第2カバー層19がこの順で積層されてなるシート体16を備える。シート体16の各層は、X-Y面と平行に広がっている。コア層13中には、
図6に示すように、Y軸に沿って延在する長尺状のコア部14と、コア部14の側面に隣接する側面クラッド部15と、が形成されている。
【0036】
光導波路10の平面視形状は、
図7に示すように、Y軸と平行な長軸を有する帯状である。この形状は、特に限定されず、正方形、六角形のような多角形、真円、楕円、長円のような円形、その他の形状であってもよい。なお、本明細書において「平面視」とは、Z軸上から見ることをいう。
【0037】
光導波路10では、
図5に示すように、第1カバー層18の下面、すなわち第1面109を接着面として、被着体9の表面に取り付けられる。第1面109と被着体9との間には、必要に応じて、
図5に示す被着体接着層21を介在させてもよい。これにより、光導波路10を被着体9に固定することができる。なお、本実施形態では、光導波路10だけでなく、被覆部4も、被着体接着層21を介して被着体9に接着されている。
【0038】
以下、光導波路10の各部についてさらに詳述する。
コア部14は、
図6に示すように、その側面が、側面クラッド部15およびクラッド層11、12で囲まれている。そして、コア部14の屈折率は、側面クラッド部15やクラッド層11、12の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部14に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
【0039】
コア層13において、コア部14の光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化した、いわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化した、いわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
【0040】
Y-Z面によるコア部14の断面形状、つまりコア部14の横断面形状は、特に限定されないが、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状が挙げられる。
【0041】
コア層13の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア層13に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
【0042】
コア層13の構成材料(主材料)としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。なお、樹脂材料には、異なる組成のものを組み合わせた複合材料も用いられる。また、本明細書において「主材料」とは、構成材料の50質量%以上を占める材料のことをいい、好ましくは70質量%以上を占める材料のことをいう。
【0043】
クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、クラッド層11、12に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
【0044】
また、クラッド層11、12の主材料は、例えば、前述したコア層13の構成材料として挙げた材料から適宜選択して用いられる。
なお、クラッド層11、12は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。
【0045】
光導波路10は、クラッド層11、12を有しているので、コア部14とその外部との間で、安定した屈折率差を形成し、維持することができる。このため、コア部14の伝送効率をより高めることができる。なお、クラッド層11、12のいずれか一方または双方は、側面クラッド部15と一体になっていてもよい。
【0046】
第1カバー層18は、クラッド層11の下面に設けられている。第2カバー層19は、クラッド層12の上面に設けられている。このような第1カバー層18および第2カバー層19を設けることにより、コア層13やクラッド層11、12を保護し、外部環境等に起因したコア部14の伝送効率の低下を抑制することができる。
【0047】
第1カバー層18および第2カバー層19の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~50μm程度であるのがさらに好ましい。
【0048】
第1カバー層18および第2カバー層19は、互いに同じ構成であっても互いに異なる構成であってもよい。例えば、第1カバー層18および第2カバー層19は、平均厚さが互いに同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。第1カバー層18および第2カバー層19の少なくとも一方は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
【0049】
第1カバー層18および第2カバー層19の主材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂を含む材料が挙げられる。
【0050】
このうち、第1カバー層18および第2カバー層19の主材料は、それぞれポリイミド系樹脂であるのが好ましい。ポリイミド系樹脂は、弾性率が比較的大きく、熱分解温度も高いことから、外力や外部環境に対する十分な耐久性を有している。
【0051】
なお、第1カバー層18および第2カバー層19の構成材料には、必要に応じて、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、劣化防止剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。このうち、フィラーを添加することにより、第1カバー層18および第2カバー層19の熱膨張係数を調整することができる。
【0052】
また、光導波路10は、
図7に示すように、光入射面141と、光反射面142と、光出射面143と、を有する。
【0053】
光導波路10には、
図2に示すように、下面(第1面109)に開口する2つの凹部が形成されている。凹部の内面は、コア部14の光軸に対して斜めに交差しており、その一部が光入射面141および光出射面143になっている。また、光導波路10のY軸プラス側の端面に、光反射面142が設けられている。
【0054】
光入射面141は、ミラーであり、光電変換モジュール52から射出された入射光L1の光路を変換し、
図2に示すように、コア部14に導く。光反射面142は、コア部14を伝搬してきた入射光L1をいったん外部に出射させ、外部で反射して戻ってきた光を再び入射させる機能を有する面である。具体的には、光反射面142から外部に出射した入射光L1は、被覆部4で反射し、出射光L2として、再び光反射面142からコア部14に入射し、光出射面143に向かって伝搬する。光出射面143は、ミラーであり、コア部14を伝搬してきた出射光L2の光路を変換し、
図2に示すように、光電変換モジュール52に導く。
【0055】
コア部14は、入射コア部14aと、センシングコア部14bと、出射コア部14cと、分岐部17と、を含む。分岐部17は、入射コア部14aおよび出射コア部14cとセンシングコア部14bとの間に位置し、センシングコア部14bを入射コア部14aと出射コア部14cとに分岐している。
【0056】
入射コア部14aは、入射端である光入射面141を有し、光入射面141から分岐部17まで延在している。センシングコア部14bは、光反射面142を有し、光反射面142から分岐部17まで延在している。出射コア部14cは、出射端である光出射面143を有し、光出射面143から分岐部17まで延在している。
【0057】
分岐部17における分岐比は、特に限定されないが、分岐部17に戻ってきた出射光L2が2つに分配されるとき、出射コア部14cに分配される強度が入射コア部14aに分配される強度よりも大きくなるように設定されるのが好ましい。具体的には、分岐比を、出射コア部14cに分配される強度/入射コア部14aに分配される強度の比とするとき、分岐部17における分岐比は、60/40以上であるのが好ましく、70/30以上95/5以下であるのがより好ましい。これにより、受光信号のS/N比(信号対雑音比)を高めることができ、被着体9に生じた変化に伴う受光信号の強度変化をより精度よく検出することができる。
【0058】
なお、
図7に示す光導波路10の平面視形状では、分岐部17よりもY軸マイナス側の部分の幅が、分岐部17よりもY軸プラス側の部分の幅よりも広くなっている。これにより、ソケット3の幅が広くても、ソケット3の幅と光導波路10の幅とを近づけることができる。その結果、ソケット3を光導波路10に対してより安定的に固定することができる。
【0059】
また、光入射面141および光出射面143がそれぞれミラーであれば、光電変換モジュール52を光導波路10の上方に配置することが可能になる。このため、光導波路10の下面全体が平坦面となる。これにより、センサー用光部品1を被着体9に取り付ける作業が容易になるとともに、被着体9に対する密着性が向上する。その結果、被着体9に生じた変化を検出する感度に優れたセンシングシステム100を実現することができる。
【0060】
なお、光入射面141および光出射面143は、上記のようなミラーに限定されず、例えば、屈曲した導波路等で代替されてもよく、コア層13の端面に含まれていてもよい。また、光入射面141がミラーであって、光出射面143がミラー以外のものに代替されていてもよく、反対に、光出射面143がミラーであって、光入射面141がミラー以外のものに代替されていてもよい。
【0061】
また、光導波路10は、2つの貫通孔144、144を有する。貫通孔144の平面視形状は、特に限定されないが、
図7では円形である。貫通孔144、144は、センサー用光部品1を組み立てるとき、光導波路10に対するソケット3の位置合わせに用いられる。
図7に示す2つの貫通孔144、144は、光入射面141および光出射面143を挟んで互いに対向する位置に配置される。これにより、X-Y面内において、光導波路10に対するソケット3の位置と姿勢を1つに決めやすくなる。
【0062】
1.1.2.ソケット
ソケット3は、
図1に示すように、光導波路10と光電変換モジュール52との間に設けられている。
図1に示すソケット3は、枠状をなしており、Z軸に沿って中央部を貫通する窓部31と、Z軸に沿って窓部31の外側を貫通する2つの開口部32、32と、を有している。
【0063】
窓部31は、光入射面141および光出射面143に対応する位置に設けられている。これにより、窓部31を介して光導波路10と光電変換モジュール52とを光学的に接続することができる。
【0064】
2つの開口部32、32は、ソケット3と光電変換モジュール52との位置合わせを容易にする。具体的には、
図1に示す光電変換モジュール52は、下方に向かって突出する2本のピン532、532を備えている。このピン532を開口部32に挿入することにより、ソケット3に対する光電変換モジュール52の位置合わせが完了する。これにより、光導波路10と光電変換モジュール52との光結合損失の低減を図ることができる。
【0065】
また、ソケット3は、光電変換モジュール52を着脱可能に取り付けられる構造を有していてもよい。これにより、光電変換モジュール52をソケット3に装着したり、取り外したりする作業が容易になる。その結果、センサー用光部品1を被着体9に取り付けた状態で、必要なときにのみ、光電変換モジュール52を装着するという運用が可能になる。これにより、センシングシステム100のランニングコストの低減を図ることができる。また、故障した光電変換モジュール52を交換する、複数のセンサー用光部品1間で光電変換モジュール52を使い回す、といった運用も可能になる。
【0066】
図1に示すソケット3の厚さt3は、特に限定されないが、1mm以上20mm以下であるのが好ましく、2mm以上10mm以下であるのがより好ましい。これにより、ソケット3の機械的強度と、位置合わせに必要な厚さの確保と、を両立することができる。
【0067】
また、2つの開口部32、32は、光導波路10が有する2つの貫通孔144、144と重なる位置に設けられている。つまり、ソケット3は、光導波路10を貫通する貫通孔144に対応する形状を持つ開口部32を有する。そして、光導波路10の上面(第2面110)を平面視したとき、貫通孔144と開口部32とが重なっている。
【0068】
これにより、光導波路10にソケット3を固定するとき、貫通孔144から開口部32まで連続して挿通可能な治具を用いることで、両者の位置合わせを容易に行うことができる。
【0069】
なお、治具を用いた位置合わせが不要な場合には、2つの開口部32、32は、ソケット3を貫通していなくてもよい。この場合、2つの開口部32、32は、上面に開口していればよい。
【0070】
また、開口部32の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。この場合、貫通孔144の数やピン532の数も、3つ以上であってもよい。
【0071】
ソケット3の構成材料としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料等が挙げられる。
【0072】
このうち、金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、鉄基合金、ニッケル基合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、真ちゅう等が挙げられる。
セラミックス材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が挙げられる。
【0073】
樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とするブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
なお、樹脂材料には、剛性等の観点から、特に、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびABS樹脂からなる群から選択される1種が好ましく用いられる。これらは、比較的剛性が高いため、
図1に示すような枠状をなすソケット3の構成材料、または、着脱操作に耐え得る機械的強度を持つソケット3の構成材料として有用である。
【0075】
1.1.3.被覆部
図8は、
図1に示す被覆部4と光導波路10を分解して示す斜視図である。
【0076】
被覆部4は、
図8に示すように、光導波路10を収容する凹部41有している。凹部41は、被覆部4の接着面40に開口する。
【0077】
本実施形態では、光導波路10のY軸プラス側の端部が被覆部4で覆われている。すなわち、センサー用光部品1は、光導波路10の端部を覆う被覆部4を備える。具体的には、凹部41に光導波路10のY軸プラス側の端部が収容されている。
【0078】
凹部41が開口している接着面40は、被着体接着層21を介して被着体9に接着される面である。したがって、凹部41に光導波路10を収容した状態で、接着面40を被着体9に接着することにより、光導波路10のセンシングコア部14bは外部に露出しなくなる。このため、被覆部4を用いることにより、センシングコア部14bを例えば異物の接触や外部環境等から効果的に保護することができる。
【0079】
被覆部4の構成材料としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料等が挙げられる。これらの材料の具体例は、ソケット3の構成材料と同様である。
【0080】
一方、被覆部4は、可撓性を有するものであってもよい。この場合、可撓性を有する被覆部4を、可撓性を有する光導波路10に被せることで、センサー用光部品1を曲面にも取り付けやすくなる。フィルム状の被覆部4を用いた場合、被覆部4を被着体9に接着することで、光導波路10を被着体9に密着させやすくなる。これにより、被着体接着層21を省略しやすくなる。ただし、被着体9の変化を検出する感度や、耐久性の観点から、被覆部4は剛性を有することが好ましい。
なお、被覆部4は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
【0081】
1.1.4.光反射部
本実施形態では、
図8に示す被覆部4の凹部41のうち、Y軸に交差する面が光反射部7を構成している。光導波路10の光反射面142から出射した入射光L1は、光反射部7で反射し、出射光L2として再び光反射面142からコア部14に入射する。したがって、光反射部7は、センシングコア部14bに隣り合って設けられている。
【0082】
光反射部7のこのような機能は、被覆部4の構成材料が持つ光反射性に基づくものであってもよく、凹部41の内面に設けられた光反射材に基づくものであってもよい。
【0083】
前者の場合、凹部41の内面を研磨することにより、光反射性を高めるようにしてもよい。後者の場合、光反射材としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料、シリコン材料、ガラス材料等が挙げられ、これらの複合材料も用いられる。
【0084】
1.1.5.接着層
図5に示すように、光導波路10と凹部41との間には、被覆部接着層22が設けられている。
【0085】
被覆部接着層22は、光導波路10の光反射面142近傍と凹部41との間を接着する。本実施形態では、一例として、光導波路10の光反射面142および上面(第2面110)が、被覆部接着層22により、凹部41の内面と接着されている。
【0086】
被覆部接着層22を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤の他、ポリエステル系、変性オレフィン系の各種ホットメルト接着剤等が挙げられる。
【0087】
一方、本実施形態では、光導波路10のうち、Y軸方向の中央部145は、被覆部4と接着されていない。この中央部145は、センシングコア部14bに対応する部位であり、被着体9の表面のうち、変化を検出したい位置に取り付けられる。したがって、中央部145は、前述した破断面8が発生することが想定された部位である。このため、中央部145と被覆部4とを接着しないことで、破断面8をより発生させやすくすることができる。その結果、センシングシステム100において亀裂91の検出感度を高めることができる。
【0088】
ここで、凹部41のY軸方向の全長をL41とし、凹部41のうち被覆部接着層22で接着されている長さをL22とする。
【0089】
L22/L41の比は、特に限定されないが、それぞれ0.4以下であるのが好ましく、0.01~0.35であるのがより好ましく、0.05~0.25であるのがさらに好ましい。これにより、被覆部接着層22による接着力と、中央部145に十分な長さを確保されることによる検出感度および検出範囲と、を両立させることができる。その結果、使いやすさと信頼性とを両立するセンシングシステム100を実現することができる。
【0090】
また、センシングコア部14bの全長は、センシングシステム100における亀裂91の検出感度および検出範囲、センサー用光部品1の取り扱い性等に応じて適宜設定されるが、一例として、20mm以上1000m以下であるのが好ましく、50mm以上500m以下であるのがより好ましく、100mm以上100m以下であるのがさらに好ましい。
【0091】
また、本実施形態では、光反射面142と光反射部7との間に被覆部接着層22が充填されている。このため、被覆部接着層22も光透過性を有することが好ましい。
【0092】
なお、上記の構成は、必須ではなく、中央部145も接着剤で接着されていてもよい。この場合、中央部145を接着する接着剤は、被覆部接着層22と同じものであってもよいが、硬化後の酸性率が被覆部接着層22の硬化後の弾性率より低いもの、具体的には90%以下のものが好ましく用いられる。これにより、中央部145において破断面8が発生しやすいという特性を確保しつつ、光導波路10と被覆部4との一体化を図り、信頼性を高めることができる。
【0093】
また、被覆部接着層22は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。この場合、例えば、光導波路10および被覆部4を、個別に、後述する被着体接着層21を介して被着体9に接着することで、これらの部材がそれぞれ固定されていればよい。
【0094】
光導波路10と被着体9との間には、被着体接着層21が設けられている。
図2および
図5に示す被着体接着層21は、光導波路10と被着体9との間に介在する。被着体接着層21は、あらかじめ光導波路10側に設けられていてもよい。すなわち、センサー用光部品1は、第1カバー層18の下面(第1面109)に設けられた、未硬化の被着体接着層21を有していてもよい。これにより、センサー用光部品1を被着体9に取り付ける作業を効率よく行うことができる。
【0095】
被着体接着層21を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤の他、ポリエステル系、変性オレフィン系の各種ホットメルト接着剤等が挙げられる。
【0096】
未硬化の被着体接着層21は、未硬化の状態が液状であっても、固形または半固形であってもよく、硬化反応が一部進行している状態であってもよい。また、被着体接着層21を構成する接着剤が硬化性材料を含む場合の硬化原理は、熱硬化性であっても、光硬化性であってもよい。さらに、未硬化の被着体接着層21は、第1カバー層18の下面全体に設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。硬化後の被着体接着層21の厚さは、特に限定されないが、1~100μmであるのが好ましく、5~60μmであるのがより好ましい。
【0097】
1.1.6.第1実施形態が奏する効果
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光部品1は、光導波路10と、光反射部7と、を備える。光導波路10は、長尺状のセンシングコア部14bを含む含むコア層13を有するとともに、互いに表裏の関係を有する第1面109および第2面110を有し、第1面109が被着体9に取り付けられる。光反射部7は、センシングコア部14bに設けられ、センシングコア部14bを伝搬する光を反射する。
【0098】
このような構成によれば、入射光L1を連続的または断続的に入射させたとき、センサー用光部品1の内部で入射光L1を反射し、出射光L2として出射させることができる。このため、被着体9の表面に何らかの変化が生じたとき、センサー用光部品1を備えるセンシングシステム100では、出射光L2の強度変化に基づいて、被着体9の表面に生じた変化を検出することができる。
【0099】
また、センサー用光部品1では、入射光L1および出射光L2を、1本の光導波路10内で往復させる。このため、センサー用光部品1は、構造が簡単であり、製造コストの低減が容易である。また、センサー用光部品1は、往復の光配線を敷設する必要がないため、被着体9に対する取り付け作業も容易である。
【0100】
さらに、光導波路10がセンシング部に相当するため、光導波路10の長さを変えるだけで監視したい被着体9の表面の大きさを変えることができる。このため、センサー用光部品1は、監視対象に応じたセンシング部の最適化を容易に図り得るものとなる。
【0101】
また、センシングシステム100では、出射光L2の強度をモニターし、破断面8の発生に伴う出射光L2の強度低下を検出することによって、被着体9における異常の発生を推定する。つまり、センサー用光部品1を備えるセンシングシステム100は、正常時に出射光L2が出射するように構成されたノーマルクローズなシステムである。このようなシステムでは、センサー用光部品1や光電変換モジュール52に故障が発生した場合にも、出射光L2の強度低下が発生する。このため、被着体9の表面の変化を検出した場合の他、これらの故障が発生した場合にも、制御部54では、強度低下に伴う異常の検出が可能である。したがって、制御部54により、異常の発生を報知させることにより、ユーザーに何らかの対処を促すことができる。よって、このようなシステムでは、異常の発生を見逃す可能性は小さい。
【0102】
これに対し、正常時に出射光L2が出射しないシステムを、ここではノーマルオープンなシステムとする。このようなシステムでは、センサー用光部品1や光電変換モジュール52に故障した場合にも、出射光L2が出射しないという事象が発生する。そうすると、ノーマルオープンなシステムでは、正常な場合と、故障が発生している場合とを、制御部54において判別することができない。このため、ユーザーは故障の発生に気づけないおそれがある。その結果、例えば光電変換モジュール52に故障が発生していたとしても、その故障が放置され、被着体9の表面に何らかの変化が発生したとしても、見逃されるおそれがある。
【0103】
したがって、ノーマルクローズなシステムは、異常の発生を見逃しにくいという観点で有用である。
【0104】
また、ノーマルオープンなシステムの場合、被着体9の表面に変化が発生したときに発生する反射光を検出するが、被着体9に発生する変化のモードによっては反射光の強度が著しく小さくなる場合がある。この場合、強度変化を十分に捉えることができず、検出感度が低下することがある。
【0105】
これに対し、ノーマルクローズなシステムの場合、被着体9の表面の変化に伴って発生する反射光L3を検出するのではなく、センサー用光部品1の内部で発生する出射光L2の強度変化を検出する。このため、ノーマルクローズなシステムでは、ノーマルオープンなシステムに比べて、強度変化が発生しやすく、検出感度に優れる。
【0106】
なお、被着体9の特性に応じてセンサー用光部品1の取り付け方を最適化するようにしてもよい。例えば、
図4に示すように破断面8とコア部14とがなす角度をθとしたとき、角度θは、検出感度の観点から10~90°であるのが好ましく、20~90°であるのがより好ましい。また、角度θは、この範囲内であっても、40~50°の範囲内ではないことが好ましい。40~50°では、
図4に示す反射光L3が、コア層13の側面(コア層13のX軸と交差する面)で再び反射し、破断面8を介して戻り光を発生させるおそれがある。そうなると、破断面8が発生しているにもかかわらず、反射光L3が出射光L2のように振る舞う状況が発生する。これにより、出射光L2の強度低下を検出することができず、亀裂91の発生を検出することができないおそれがある。
【0107】
そこで、被着体9において、特定の方向に亀裂91が発生しやすい傾向がある場合には、その方向とコア部14とがなす角度を、10~90°であり、かつ、40~50°ではない範囲の角度に設定することが好ましい。これにより、検出感度の低下を抑制することができる。
【0108】
なお、光導波路10は、必要に応じて、機械的強度を部分的に低下させる構造を有していてもよい。このような構造を設けることにより、被着体9の表面に変化が発生した場合、その構造を起点とした破断面8が発生しやすくなる。つまり、かかる構造は、容易に破壊する易破壊構造であるといえる。このような易破壊構造を設けることにより、破断面8を発生させるのに必要な応力のしきい値を下げることができ、検出感度をより高めることができる。
【0109】
また、易破壊構造は、線状に延びているのが好ましい。これにより、破断面8の進展方向を制御することができる。このため、易破壊構造の延在方向とコア部14とがなす角度は、10~90°であり、かつ、40~50°ではない範囲の角度であるのが好ましい。
【0110】
また、本実施形態では、前述したように、被覆部4の一部が光反射部7を構成している。具体的には、被覆部4の凹部41の内面は、光反射性を有しているため、この内面に対向する光導波路10から出射した入射光L1を反射する。このような構成によれば、光導波路10に光反射膜等を設ける必要がなく、光導波路10の製造容易性を高めることができる。
【0111】
また、本実施形態に係るセンサー用光部品1は、前述したように、光導波路10と被覆部4とを接着する被覆部接着層22を備える。このような被覆部接着層22を備えることにより、光導波路10と被覆部4とを一体化することができる。その結果、センサー用光部品1の取り扱いが容易になるとともに、センサー用光部品1の信頼性をより高めることができる。
【0112】
また、コア層13は、入射コア部14aと、出射コア部14cと、分岐部17と、を含む。入射コア部14aは、入射端である光入射面141を有する。出射コア部14cは、出射端である光出射面143を有する。分岐部17は、センシングコア部14bを入射コア部14aと出射コア部14cとに分岐させつつ接続する。
【0113】
このような構成によれば、1つの光導波路10に、1本のセンシングコア部14bに対して、光入射面141と光出射面143とが個別に設けられているため、互いに干渉することなく発光素子521および受光素子522を光導波路10に結合させることができる。つまり、光電変換モジュール52において発光素子521および受光素子522を無理なく配置することができる。これにより、光電変換モジュール52の構造の簡素化が可能になる。
【0114】
なお、上記の構成は、省略されていてもよい。この場合、光導波路10の外部において出射光L2を分岐する機構が設けられていればよい。つまり、光電変換モジュール52が、入射光L1と出射光L2を分離する機能を有していればよい。
【0115】
さらに、本実施形態では、入射端である光入射面141が、光を反射する機能を有している。つまり、光入射面141がミラーになっている。そして、入射コア部14aは、光入射面141を介して、光導波路10の上面(第2面110)と光学的に接続されている。
【0116】
これにより、光導波路10の上方に発光素子521を配置することが可能になる。その結果、光導波路10の下面(第1面109)に発光素子を設ける必要がなくなるため、センサー用光部品1を被着体9に取り付ける操作が容易になる。また、センサー用光部品1と被着体9との間に隙間が生じにくくなるため、被着体9の表面の変化を検出する感度を高めることができる。
【0117】
また、本実施形態では、出射端である光出射面143が、光を反射する機能を有している。つまり、光出射面143がミラーになっている。そして、出射コア部14cは、光出射面143を介して、光導波路10の上面(第2面110)と光学的に接続されている。
【0118】
これにより、光導波路10の上方に受光素子522を配置することが可能になる。その結果、光導波路10の下面(第1面109)に受光素子を設ける必要がなくなるため、センサー用光部品1を被着体9に取り付ける操作が容易になる。また、センサー用光部品1と被着体9との間に隙間が生じにくくなるため、被着体9の表面の変化を検出する感度を高めることができる。
【0119】
また、本実施形態に係るセンサー用光部品1は、光導波路10の上面(第2面110)に設けられているソケット3を備える。
【0120】
これにより、例えばソケット3に光電変換モジュール52との結合を可能にする構造を設けておけば、ソケット3を介して光導波路10と光電変換モジュール52とを容易に結合することができる。その結果、位置合わせを容易に行うことができ、光導波路10と光電変換モジュール52との光結合損失の低減を図ることができる。
【0121】
1.2.光電変換モジュール
光電変換モジュール52は、発光素子521と、受光素子522と、アンプ523と、ADコンバーター524と、基板525と、筐体526と、を備える。
【0122】
発光素子521は、センサー用光部品1の光導波路10に入射させるための入射光L1を射出する。発光素子521としては、例えば、半導体レーザー、ガスレーザー、発光ダイオード等が挙げられる。
【0123】
受光素子522は、センサー用光部品1の光導波路10から出射した出射光L2を受光する。そして、受光素子522は、出射光L2の強度に応じた電流信号等をアンプ523に向けて出力する。受光素子522としては、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスター等が挙げられる。
【0124】
アンプ523は、受光素子522から出力された電流信号を、電圧信号に変換する。アンプ523としては、例えば、トランスインピーダンスアンプ(TIA)等が挙げられる。
【0125】
ADコンバーター524は、アンプ523から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、制御部54に向けて出力される。
【0126】
基板525は、発光素子521、受光素子522、アンプ523、ADコンバーター524および図示しない外部インターフェースを搭載する配線基板である。基板525は、図示しない配線を有している。この配線は、発光素子521、受光素子522、アンプ523、ADコンバーター524および外部インターフェースの間を電気的に接続している。
【0127】
発光素子521および受光素子522は、基板525の下面に搭載されている。これにより、発光素子521および受光素子522と光導波路10とを光学的に接続することができる。
【0128】
筐体526は、上記の構造体を収容する。これにより、光電変換モジュール52の耐候性を高める。
【0129】
なお、光電変換モジュール52の電源は、外部電源であっても、内部電源であってもよい。内部電源としては、例えば、一次電池、二次電池が挙げられる。
また、光電変換モジュール52の構成は、上記の構成に限定されない。
【0130】
1.3.制御部
制御部54は、光電変換モジュール52と有線または無線により通信可能になっている。制御部54は、制御信号を出力し、光電変換モジュール52の動作を制御する。また、制御部54は、光電変換モジュール52から出力された受光信号、具体的にはADコンバーター524から出力されたデジタル信号を受信する。制御部54は、必要に応じて、受光信号を解析し、解析結果を報知したり、解析結果に基づく信号を出力したりする機能を有する。
【0131】
受光信号の解析例として、例えば、出射光L2の強度変化を検出し、強度変化がしきい値を超えた場合に、被着体9に異常な変化が生じたと推定することが挙げられる。
【0132】
制御部54は、例えば、内部バスで互いに接続されたプロセッサー、メモリーおよび外部インターフェース等を備えるハードウェアで構成される。メモリーに格納されているプログラムをプロセッサーが実行することにより、制御部54の機能が実現される。
【0133】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図9は、第2実施形態に係るセンサー用光部品1Aを示す断面図である。
【0134】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図9において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0135】
前述した第1実施形態では、光導波路10と被覆部4との間に被覆部接着層22が充填されているのに対し、本実施形態では、
図9に示すように、光導波路10の光反射面142と被覆部4の光反射部7との間が空洞になっている。
【0136】
このような構成では、光反射部7の光反射原理によっては、第1実施形態に比べて光反射部7の反射率を高くすることができる。このため、本実施形態は、光反射部7における反射損失を抑制するという観点で有用である。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0137】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図10は、第3実施形態に係るセンサー用光部品1Bを示す断面図である。
【0138】
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図10において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0139】
前述した第1実施形態では、被覆部4の一部が光反射部7を構成しているのに対し、本実施形態では、
図10に示すように、光反射部7が、光反射面142に設けられた金属体70を含んでいる。金属体70は、例えば金属膜や金属板であり、光反射面142を覆うように、つまり、センシングコア部14bに隣接するように設けられている。
【0140】
このような構成の光反射部7を備えることにより、光反射部7の光反射率を高めることができる。これにより、出射光L2の強度を高められるため、破断面8が発生した場合の出射光L2の強度変化の幅を大きくすることができる。その結果、センシングシステム100において被着体9の表面の変化を検出する感度を高めることができる。
【0141】
金属体70としては、例えば、Al、Ag、Au、Pd、Sn、Ni等の単体または合金等が挙げられる。金属体70は、例えば、気相成膜法、液相成膜法、めっき法、転写法等により成膜される。また、用意した金属板を光反射面142に貼り付けることにより、金属体70を作製するようにしてもよい。
【0142】
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、
図10に示す金属体70は、コア部14の端面に設けられているが、コア部14の途中に設けられた凹部内に設けられていてもよい。また、本実施形態においても、被覆部4は省略可能である。
【0143】
図11は、
図2に示す被覆部4が省略された状態のセンサー用光部品1Bを、曲面92を持つ被着体9に取り付けた様子を示す断面図である。
【0144】
図11に示すように、センサー用光部品1Bは、可撓性を有する光導波路10を曲面92に貼り付けるだけで、被着体9への取り付けが可能である。このため、表面が様々な形状になっている被着体9に対しても、取り付け性が良好なセンサー用光部品1Bを実現することができる。
【0145】
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図12は、第4実施形態に係るセンサー用光部品1Cを示す平面図である。
【0146】
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図12において、第3実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0147】
第4実施形態は、前述した光導波路10を、光導波路10-1、10-2の2つに分割するとともに、光ファイバー部品6を介してこれらを接続した以外、第3実施形態と同様である。
【0148】
光導波路10-1、10-2の分割位置は、例えば、
図12に示すように、分岐部17よりもY軸プラス側の位置とされる。この位置よりもY軸マイナス側の部位を「光導波路10-1」とし、Y軸プラス側の部位を「光導波路10-2」とする。
【0149】
また、光導波路10-1のY軸プラス側の端部には、光コネクター146が取り付けられ、光導波路10-2のY軸マイナス側の端部には、光コネクター147が取り付けられている。
【0150】
光ファイバー部品6は、可撓性を有する光ファイバー61と、光ファイバー61の両端に取り付けられた光コネクター62、62と、を備える。一方の光コネクター62と前述した光コネクター146とが接続され、他方の光コネクター62と前述した光コネクター147とが接続される。
【0151】
以上のような構成によれば、光ファイバー部品6を介して、光導波路10のセンシングコア部14bを、分岐部17から遠くまで離すことができる。これにより、監視対象と光電変換モジュール52の位置を離したいときでも、光導波路10の総延長の一部を光ファイバー部品6で置き換えることができる。その結果、総延長が長くてもセンサー用光部品1C全体の伝送損失を抑えることができる。
以上のような第4実施形態においても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0152】
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係るセンシングシステムについて説明する。
図13は、第5実施形態に係るセンシングシステム100Dを示す斜視図である。
【0153】
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図13において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
【0154】
前述した第1実施形態に係るセンシングシステム100では、
図1に示すように、光電変換モジュール52が備えるピン532を、ソケット3が有する開口部32に挿入することで、両者の位置合わせを行う。これに対し、本実施形態に係るセンシングシステム100Dでは、
図13に示すように、光電変換モジュール52がソケット3の窓部31に嵌っている。つまり、
図13に示すセンサー用光部品1Dでは、窓部31が、入射光L1や出射光L2が通過する窓であるとともに、光電変換モジュール52が嵌る嵌合部にもなっている。
【0155】
このような構成によれば、第1実施形態に比べて、ソケット3の構造および光電変換モジュール52の構造が、より簡素化される。これにより、センシングシステム100Dの製造コストのさらなる低減を図ることができる。
以上のような第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0156】
なお、位置合わせを行う構造は、前述したピン532や窓部31以外のものであってもよい。
【0157】
6.センシングシステムの組み立て方法
次に、センシングシステムの組み立て方法の一例について説明する。
【0158】
図14ないし
図19は、
図1に示すセンシングシステムの組み立て方法を説明するための斜視図である。
【0159】
まず、
図14に示すように、光導波路10と治具56とを組み合わせる。治具56は、基部562と、2つの挿入部564、564と、を有する。基部562は、X-Y面に沿って広がる板状をなしている。挿入部564は、基部562からZ軸プラス側に向かって突出する棒状をなしている。なお、治具56の構造は、これに限定されない。
【0160】
図14では、治具56が有する2つの挿入部564、564を、光導波路10が有する2つの貫通孔144、144に挿入する。これにより、
図15に示すように、治具56に対して、X-Y面内における光導波路10の位置および姿勢が1つに決まる。
【0161】
次に、
図16に示すように、光導波路10の上面(第2面110)側から、治具56の挿入部564に対してソケット3を組み合わせる。具体的には、
図16に示すように、2つの挿入部564、564を、ソケット3が有する2つの開口部32、32に挿入する。これにより、
図17に示すように、治具56に対して、X-Y面内におけるソケット3の位置および姿勢が1つに決まる。また、光導波路10に対してもソケット3の位置および姿勢が1つに決まる。
【0162】
その後、光導波路10に対してソケット3を接着する。接着には、前述した各種の接着剤が用いられる。
【0163】
次に、
図18に示すように、治具56を取り除く。これにより、センサー用光部品1が得られる。その後、
図19に示すように、ソケット3に対して光電変換モジュール52を組み付ける。これにより、ソケット3に対して、X-Y面内における光電変換モジュール52の位置および姿勢が1つに決まる。また、光導波路10に対しても光電変換モジュール52の位置および姿勢が1つに決まる。以上のようにして、センシングシステム100が得られる。
【0164】
以上、本発明のセンサー用光部品およびセンシングシステムを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0165】
例えば、本発明のセンサー用光部品およびセンシングシステムは、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成のものに置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
【0166】
また、本発明のセンサー用光部品は、被着体接着層を覆う保護層をさらに有していてもよい。この保護層は、センサー用光部品を被着体に接着する作業の直前に被着体接着層から剥がされることにより、清浄な接着面を容易に準備することを可能にする。これにより、異物の巻き込みを抑えることができ、より密着性の高い接着を行うことができる。
【符号の説明】
【0167】
1 センサー用光部品
1A センサー用光部品
1B センサー用光部品
1C センサー用光部品
1D センサー用光部品
3 ソケット
4 被覆部
6 光ファイバー部品
7 光反射部
8 破断面
9 被着体
10 光導波路
10-1 光導波路
10-2 光導波路
11 クラッド層
12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
14a 入射コア部
14b センシングコア部
14c 出射コア部
15 側面クラッド部
16 シート体
17 分岐部
18 第1カバー層
19 第2カバー層
21 被着体接着層
22 被覆部接着層
31 窓部
32 開口部
40 接着面
41 凹部
52 光電変換モジュール
54 制御部
56 治具
61 光ファイバー
62 光コネクター
70 金属体
91 亀裂
92 曲面
100 センシングシステム
100D センシングシステム
109 第1面
110 第2面
141 光入射面
142 光反射面
143 光出射面
144 貫通孔
145 中央部
146 光コネクター
147 光コネクター
521 発光素子
522 受光素子
523 アンプ
524 ADコンバーター
525 基板
526 筐体
532 ピン
562 基部
564 挿入部
L1 入射光
L2 出射光
L3 反射光
L22 長さ
L41 全長
t3 厚さ
θ 角度