(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128241
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20230907BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230907BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20230907BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230907BHJP
A61K 9/06 20060101ALI20230907BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230907BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20230907BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230907BHJP
【FI】
A61K8/86
A61Q19/00
A61K8/39
A61K9/08
A61K9/06
A61K47/10
A61K47/34
A61K47/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032453
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】清水 七海
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076AA12
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD39X
4C076DD44X
4C076DD47X
4C076EE23X
4C076FF57
4C083AA082
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC401
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC582
4C083AC662
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD222
4C083AD282
4C083AD492
4C083AD572
4C083CC05
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD41
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】
本発明は特定の成分を併用することにより、保湿効果が相乗的に向上する皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】
下記(A)~(C)を含有する皮膚外用剤を提供することである。
(A)下記式(a)
R1-(OCH2CH2)m-OOC-R-COO-(CH2CH2O)n-R2 (a)
(式中、R1及びR2は、独立して、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、一価のC1からC12炭化水素基を表し;
Rは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、二価のC1からC12炭化水素基を表し;
m及びnは、独立して、1から20、好ましくは1から15、より好ましくは2から11の整数を示す。)
で表される少なくとも1つのジエステル化合物
(B)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル
(C)二価カルボン酸及び平均重合度2~15のポリグリセリンから構成されるオリゴマーエステル
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(C)を含有する皮膚外用剤。
(A)下記式(a)
R1-(OCH2CH2)m-OOC-R-COO-(CH2CH2O)n-R2 (a)
(式中、R1及びR2は、独立して、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、一価のC1からC12炭化水素基を表し;
Rは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、二価のC1からC12炭化水素基を表し;
m及びnは、独立して、1から20、好ましくは1から15、より好ましくは2から11の整数を示す。)
で表される少なくとも1つのジエステル化合物
(B)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル
(C)二価カルボン酸及び平均重合度2~15のポリグリセリンから構成されるオリゴマーエステル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚外用剤の付加価値を高めるために、様々な成分を組み合わせるなどの技術開発がなされている。一般に皮膚外用剤等に求められる機能は多岐に渡るが、従来より、保湿効果を高めるために様々な保湿剤が検討、含有されており、成分を組み合わせるなどにより、その効果をさらに向上させるための検討がなされている(引用文献1)。
【0003】
しかしながら、単に併用すれば効果が相乗的に向上するものではなく、相加的に効果が向上するもの、効果を相殺するものなど、その併用による効果は予測不可能な効果である。なかでもより少量で、より高い効果の得られる成分を皮膚外用剤へ配合することのニーズは非常に高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は特定の成分を併用することにより、保湿効果が相乗的に向上する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決する手段は、下記(A)~(C)を含有する皮膚外用剤を提供することである。
(A)下記式(a)
R1-(OCH2CH2)m-OOC-R-COO-(CH2CH2O)n-R2 (a)
(式中、R1及びR2は、独立して、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、一価のC1からC12炭化水素基を表し;
Rは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、二価のC1からC12炭化水素基を表し;
m及びnは、独立して、1から20、好ましくは1から15、より好ましくは2から11の整数を示す。)
で表される少なくとも1つのジエステル化合物
(B)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル
(C)二価カルボン酸及び平均重合度2~15のポリグリセリンから構成されるオリゴマーエステル
【発明の効果】
【0007】
本発明の皮膚外用剤は特定の成分を併用することにより、保湿効果が相乗的に向上する効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0009】
本発明の皮膚外用剤は、(A)少なくとも1つの特定のジエステル化合物を含む2つ以上のジエステル化合物を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのジエステル化合物、または異なるタイプのジエステル化合物の組み合わせを使用することができる。
【0010】
本発明で用いる(A)ジエステル化合物は、下記式(a)
R1-(OCH2CH2)m-OOC-R-COO-(CH2CH2O)n-R2 (a)
(式中、R1及びR2は、独立して、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、一価のC1からC12炭化水素基を表し;
Rは、飽和又は不飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、二価のC1からC12炭化水素基を表し;
m及びnは、独立して、1から20、好ましくは1から15、より好ましくは2から11の整数を示す。)によって表すことができる。
【0011】
R1及びR2は、独立して、飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、一価のC1からC12炭化水素基、より好ましくは直鎖状、分枝状又は環状のC1からC12アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-デシル基及びn-ドデシル基、更に好ましくはメチル基及びエチル基、特にエチル基であることが好ましい。
【0012】
Rは、飽和の、直鎖状、分枝状又は環状の、二価のC1からC12炭化水素基、より好ましくは直鎖状、分枝状又は環状のC1からC12アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、n-オクチレン基、2-エチルヘキシレン基、n-デシレン基及びn-ドデシレン基、更に好ましくはシクロヘキシレン基、特に1,4-シクロヘキシレン基であることが好ましい。
【0013】
m及びnは、独立して、2又は3であることが更に好ましい。
【0014】
(A)ジエステル化合物の例としては、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(トリエチレングリコールモノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、アジピン酸ビス(トリエチレングリコールモノエチルエーテル)、及びコハク酸ジカルビトールを挙げることができる。1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)(INCI名:シクロヘキサン1,4-ジカルボン酸ビス-エトキシジグリコール)及びコハク酸ジカルビトール(INCI名:コハク酸ビス-エトキシジグリコール)がより好ましい。1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)は、「Neosolue-Aqulio」(日本精化社製)の名称で市販されている。コハク酸ジカルビトール(INCI名:コハク酸ビス-エトキシジグリコール)は「HAIAQUEOUSTERDCS」(高級アルコール工業社製)の名称で市販されている。
【0015】
(A)ジエステル化合物は、ジカルボン酸及びポリオキシエチレンモノアルキルエーテルのジエステルであってもよい。
【0016】
(A)ジエステル化合物は、
以下の式(a-1)によって表されるジカルボン酸:
HOOC-R-COOH (a-1)
(式中、Rは、上記に規定の通りである。)、並びに
以下の式(a-2)及び(a-3)によって表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテル:
R1-(OCH2CH2)m-OH (a-2)及び
HO-(CH2CH2O)n-R2 (a-3)
(式中、R1及びR2、並びにm及びnは、上記の通り規定される。)
のジエステルであってもよい。
【0017】
式(a-1)によって表されるジカルボン酸の例としては、以下のものを挙げることができる。飽和直鎖状ジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及び1,10-ドデカンジカルボン酸、飽和分枝状ジカルボン酸、例えば2,2,4-トリメチルアジピン酸、及び2,4,4-トリメチルアジピン酸、並びに飽和又は不飽和の環状ジカルボン酸、例えば1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸。飽和直鎖状ジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及び1,10-ドデカンジカルボン酸、並びに飽和又は不飽和の環状ジカルボン酸、例えば1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸が好ましい。コハク酸、アジピン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸がより好ましく、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸が更に好ましい。
【0018】
式(a-1)によって表されるジカルボン酸は、酸無水物の形態であってもよい。
【0019】
式(a-2)及び(a-3)によって表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルの例としては、以下のものを挙げることができる:ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル。中でもジエチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
【0020】
(A)ジエステル化合物は、式(a-1)によって表されるジカルボン酸と、式(a-2)及び(a-3)によって表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとを反応させることによって調製することができる。
【0021】
上記の反応のプロセスは限定されず、公知のエステル化方法に従って実施することができる。例えば、式(a-1)によって表されるジカルボン酸と、式(a-2)及び(a-3)によって表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルとを、溶媒を用いて又は用いずに、例えば100~300°C、好ましくは150~260°Cの温度で反応させることができる。式(a-1)によって表されるジカルボン酸/式(a-2)及び(a-3)によって表されるポリオキシエチレンモノアルキルエーテルのモル比は、反応条件に応じて変動しうるが、0.1~1、好ましくは0.2~0.8、より好ましくは0.3~0.6、更に好ましくは約0.5であってよい。溶媒としては、有機溶媒、例えばトルエン及びヘプタンを使用することができる。エステル化反応を促進するための触媒を使用してもよい。触媒としては、酸触媒、例えばパラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸を使用することができる。必要であれば、上記のエステル化反応によって得られた(A)ジエステル化合物を、公知の精製方法に従って精製してもよい。(A)ジエステル化合物は、90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは99質量%以上の純度を有することが好ましい。
【0022】
本発明の皮膚外用剤への成分(A)の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.01~15質量%、好ましくは0.05~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%の範囲である。
【0023】
本発明で用いる(B)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルは特に限定されず、市販品を用いることができる。市販品としては、SY-DP4、SY-DP9、SY-DP14T(いずれも阪本薬品工業社製)、ユニルーブDGP-700、DGP-950(日油社製)等が挙げられる。
【0024】
本発明の皮膚外用剤への成分(B)の配合量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01~10質量%が好ましく、より好ましくは0.1~5質量%の範囲である。
【0025】
本発明で用いる(C)二価カルボン酸及び平均重合度2以上15以下のポリグリセリンから構成されるオリゴマーエステルの二価カルボン酸としては、直鎖、分岐鎖、或いは環状構造の何れかを含む二価カルボン酸であれば特に限定されないが、合成のしやすさ、保湿効果を向上させる観点から、二価カルボン酸の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは8以上、さらに好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上であって、好ましくは26以下、より好ましくは24以下、さらに好ましくは22以下、さらに好ましくは20以下である。また、同様の観点から、脂肪族二価カルボン酸が好ましい。具体的な炭素数2以上26以下の二価カルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,4-ジエチルペンタン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、8-エチルオクタデカン二酸、エイコサン二酸、ジメチルエイコサン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これら二価カルボン酸は、いずれか1種を単独で、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
【0026】
これらの二価カルボン酸のうち、炭素数14以上22以下の直鎖又は分岐鎖の二価カルボン酸が好ましく、炭素数14以上20以下の直鎖の二価カルボン酸がより好ましい。具体的には、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、8-エチルオクタデカン二酸、エイコサン二酸及びジメチルエイコサン二酸から選択される1種又は2種以上が好ましく、テトラデカン二酸及びエイコサン二酸から選択される1種又は2種がより好ましい。
【0027】
また、二価カルボン酸とエステル体を形成するポリグリセリンとしては、水酸基価から算出した平均重合度2以上15以下のポリグリセリンが用いられる。ポリグリセリンの平均重合度は、水性成分との溶解性の良さの点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上であり、また、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。中でも、平均重合度10のポリグリセリンを含むものが好ましい。
【0028】
二価カルボン酸とポリグリセリンとのオリゴマーエステルの製造方法は、特開2007-137847号公報に記載の方法が挙げられる。本発明のオリゴマーエステルの重合度は、二価カルボン酸とポリグリセリンの仕込み比により調整することができる。オリゴマーエステルの粘度が高すぎず、べたつきを抑制する観点から、ポリグリセリン1モル当量に対する二価カルボン酸の量は、好ましくは0.3モル当量以上、より好ましくは0.7モル当量以上であり、また、好ましくは1.5モル当量以下、より好ましくは1.2モル当量以下である。
【0029】
これらオリゴマーエステルの好適な例としては、テトラデカン二酸及び/又はエイコサン二酸と、平均重合度10のポリグリセリンとから構成されるオリゴマーエステルである、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液が挙げられる。このオリゴマーエステルは市販されているものを用いることもでき、Neosolue-Aqua、Neosolue-AquaS(いずれも日本精化社製)等が挙げられる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤への成分(C)の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.008~6質量%が好ましく、0.02~4質量%がさらに好ましい。
【0031】
本発明の皮膚外用剤には、上述の成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、油剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、特に限定されず、水系、油系、乳化型等いずれの剤型でもよい。
【0033】
本発明の皮膚外用剤は定法により調製することができる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ローション剤、乳剤、軟膏の剤型で用いることができる。
【実施例0035】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0036】
[保湿効果試験方法]
表1に示した試料を調製し、皮表角層水分量および経表皮水分蒸散量の測定を行った。
【0037】
[測定方法]
(1)馴化
被験者は左右前腕内側部を洗浄後、水分をふき取り、温度21±0.5℃、湿度50±5%に調整された室内で15分間安静にし、馴化を行った。
(2)塗布
左右前腕内側部に3cm×3cmの領域を記し、ピペットを用いて9μLを滴下し、指サックをした指で均一に塗布した。
(3)測定
塗布前、塗布15分後及び1時間後の皮表角層水分量をSKICON-200EXを用いて、経表皮水分蒸散量をVapometerを用いてそれぞれ測定した。皮表角層水分量および経表皮水分蒸散量は塗布前を1とした場合の相対値を算出し、表1に示した。皮表角層水分量および経表皮水分蒸散量は、測定当日の気温、湿度等の影響を受けやすいため、一群の試料は同日に評価し、塗布前の測定も試料を塗布した部位での測定値を相対値の基準とした。
【0038】
【0039】
表1に示した通り、各成分単独の比較例1~3と比較し、実施例1は各成分が3分の1量であるにも関わらず、水分量が相乗的に向上し、水分蒸散量が相乗的に低下した。従って、本発明の皮膚外用剤は、保湿効果が相乗的に向上する効果を発揮した。
【0040】
[実施例2]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)フェノキシエタノール 0.2
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.5
(11)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 2.5
(12)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液 1.0
(13)精製水 全量を100とする量
(14)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
【0041】
[実施例3]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)フェノキシエタノール 0.2
(9)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 0.15
(10)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 1.0
(11)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 2.5
(12)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液 1.5
(13)精製水 全量を100とする量
(14)L-アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
【0042】
[実施例4]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 全量を100とする量
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 1.5
(10)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 1.5
(11)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液 2.0
【0043】
[実施例5]美容液
(1)精製水 全量を100とする量(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.3
(8)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 0.7
(9)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液 0.3
(10)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(11)N-ラウロイル-L-グルタミン酸
ジ(フィトステリル-2-オクチルドデシル) 2.0
(12)硬化パーム油 2.0
(13)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(14)ベヘニルアルコール 0.75
(15)ミツロウ 1.0
(16)ホホバ油 1.0
(17)1,3-ブチレングリコール 10.0
(18)L-アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
【0044】
[実施例6]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 0.5(質量%)
(2)精製水 全量を100とする量
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)フェノキシエタノール 0.2
(5)シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.7
(6)ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル 1.8
(7)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液 0.3
(8)香料 0.1
(9)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1