(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128319
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】電磁駆動ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 17/04 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
F04B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032588
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】庄司 幸広
(72)【発明者】
【氏名】原 昌之
(72)【発明者】
【氏名】河原 寛之
(72)【発明者】
【氏名】下口 保
【テーマコード(参考)】
3H069
【Fターム(参考)】
3H069AA01
3H069AA05
3H069BB02
3H069CC04
3H069DD42
3H069EE12
(57)【要約】
【課題】吸入側および吐出側の逆止弁の構造を簡素化することでコスト削減や構造の簡素化をすることができ、且つポンプの軸方向の全長を短くすることが可能な電磁駆動ポンプを提供する。
【解決手段】本発明にかかる電磁駆動ポンプは、電磁コイル、可動鉄心、およびシャフトを有するソレノイド部と、シャフトに押されて移動するピストンと、ピストンを収容するスリーブと、ピストンをソレノイド部に向かって付勢するリターンスプリングと、スリーブ内に形成されピストンが移動する空間であるポンプ室と、ポンプ室に配置され吸入側および吐出側の2つの弁体を有する1枚の弁板と、弁板とリターンスプリングの間に配置された第1シートと、を備え、第1シートは、吸入側の弁体より径が大きく、吸入側の弁体のストロークを許容する大径穴と、吐出側の弁体より径が小さく、吐出側の弁体の弁座となる小径穴とを有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁コイル、可動鉄心、およびシャフトを有するソレノイド部と、
前記シャフトに押されて移動するピストンと、
前記ピストンを収容するスリーブと、
前記ピストンを前記ソレノイド部に向かって付勢するリターンスプリングと、
前記スリーブ内に形成され前記ピストンが移動する空間であるポンプ室と、
前記ポンプ室に配置され吸入側および吐出側の2つの弁体を有する1枚の弁板と、
前記弁板と前記リターンスプリングの間に配置された第1シートと、
を備え、
前記第1シートは、
吸入側の弁体より径が大きく、該吸入側の弁体のストロークを許容する大径穴と、
前記吐出側の弁体より径が小さく、該吐出側の弁体の弁座となる小径穴とを有することを特徴とする電磁駆動ポンプ。
【請求項2】
前記第1シートは、前記大径穴のリターンスプリング側に形成された底面と、前記底面に形成され前記ポンプ室を連通する連通穴を有することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動ポンプ。
【請求項3】
前記第1シートは、
前記弁板側に配置されて前記大径穴および前記小径穴を有する内側プレートと、
前記リターンスプリング側に配置されて前記底面および前記連通穴を有する外側プレートと、
を含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の電磁駆動ポンプ。
【請求項4】
前記スリーブは、
前記吐出側の弁体より径が大きく、該吐出側の弁体のストロークを許容する吐出口と、
前記吸入側の弁体より径が小さく、該吸入側の弁体の弁座となる吸入口とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動ポンプ。
【請求項5】
前記弁板と前記スリーブとの間に配置された第2シートを備え、
前記第2シートは、
前記吐出側の弁体より径が大きく、該吐出側の弁体のストロークを許容する大径穴と、
前記吸入側の弁体より径が小さく、該吸入側の弁体の弁座となる小径穴とを有することを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動ポンプ。
【請求項6】
前記弁板と前記スリーブとの間に配置された補強板を備え、
前記補強板は、
前記吐出側の弁体より径が大きく、該吐出側の弁体のストロークを許容する大径穴と、
前記吸入側の弁体より径が小さく、該吸入側の弁体の弁座となる小径穴とを有し、
前記弁板の周縁を支持することを特徴とする請求項2に記載の電磁駆動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁コイルを動力として用いる電磁駆動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から流体を移送するポンプとして、電磁コイルを動力に用いる電磁駆動ポンプが知られている。電磁駆動ポンプは、ハウジングの内部をプランジャ(可動鉄心)が往復することにより流体を移送する。例えば特許文献1の電磁駆動ポンプは、ポンプ室へ吸入する方向の作動油の流れを許可し逆方向の流れを禁止する吸入用逆止弁、およびポンプ室から吐出する方向の作動油の流れを許可し逆方向の流れを禁止する吐出用逆止弁を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、吸入用逆止弁や吐出用逆止弁は、電磁駆動ポンプの軸方向に並んで配置されている。かかる構成であると、電磁駆動ポンプの全長が長くなってしまい、設計上、搭載可能な装置が制限されることがある。また特許文献1では吸入用逆止弁や吐出用逆止弁はそれぞれ、ボールと、ボールに付勢力を付与するコイルスプリングと、ボールの外径よりも小さな内径の中心孔を有するプラグといった複数の部品によって構成される。このため、装置コストが高くなったり、構造が複雑化したりすることが課題となっている。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、吸入側および吐出側の逆止弁の構造を簡素化することでコスト削減や構造の簡素化をすることができ、且つポンプの軸方向の全長を短くすることが可能な電磁駆動ポンプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電磁駆動ポンプの代表的な構成は、電磁コイル、可動鉄心、およびシャフトを有するソレノイド部と、シャフトに押されて移動するピストンと、ピストンを収容するスリーブと、ピストンをソレノイド部に向かって付勢するリターンスプリングと、スリーブ内に形成されピストンが移動する空間であるポンプ室と、ポンプ室に配置され吸入側および吐出側の2つの弁体を有する1枚の弁板と、弁板とリターンスプリングの間に配置された第1シートと、を備え、第1シートは、吸入側の弁体より径が大きく、吸入側の弁体のストロークを許容する大径穴と、吐出側の弁体より径が小さく、吐出側の弁体の弁座となる小径穴とを有することを特徴とする。
【0007】
上記第1シートは、大径穴のリターンスプリング側に形成された底面と、底面に形成されポンプ室を連通する連通穴を有するとよい。
【0008】
上記第1シートは、弁板側に配置されて大径穴および小径穴を有する内側プレートと、リターンスプリング側に配置されて底面および連通穴を有する外側プレートと、を含んで構成されるとよい。
【0009】
上記スリーブは、吐出側の弁体より径が大きく、吐出側の弁体のストロークを許容する吐出口と、吸入側の弁体より径が小さく、吸入側の弁体の弁座となる吸入口とが形成されているとよい。
【0010】
上記弁板とスリーブとの間に配置された第2シートを備え、第2シートは、吐出側の弁体より径が大きく、吐出側の弁体のストロークを許容する大径穴と、吸入側の弁体より径が小さく、吸入側の弁体の弁座となる小径穴とを有するとよい。
【0011】
上記弁板とスリーブとの間に配置された補強板を備え、補強板は、吐出側の弁体より径が大きく、吐出側の弁体のストロークを許容する大径穴と、吸入側の弁体より径が小さく、吸入側の弁体の弁座となる小径穴とを有し、弁板の周縁を支持するとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、吸入側および吐出側の逆止弁の構造を簡素化することでコスト削減やポンプ全体の構造の簡略化をすることができ、且つポンプの軸方向の全長を短くすることが可能な電磁駆動ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態にかかる電磁駆動ポンプを説明する図である。
【
図4】第1実施形態の電磁駆動ポンプの動作を説明する模式図である。
【
図5】第2実施形態にかかる電磁駆動ポンプである。
【
図6】第3実施形態にかかる電磁駆動ポンプを説明する図である。
【
図7】
図6(b)の第1シートおよび第2シートの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる電磁駆動ポンプ100を説明する図である。
図1に示すように第1実施形態の電磁駆動ポンプ100は、ソレノイド部100aおよびポンプ部100bから構成される。ソレノイド部100aは、ハウジング110を有し、かかるハウジングに電磁コイル120、固定鉄心130、可動鉄心140(プランジャとも称される)およびシャフト150が収容されている。またハウジング110内には、可動鉄心140が移動する空間である移動空間110aが形成されている。
【0016】
ポンプ部100bは、スリーブ160を有し、かかるスリーブ160には、シャフト150に押されて移動するピストン170、およびピストン170をソレノイド部100aに向かって付勢するリターンスプリング180が収容されている。またスリーブ160内には、ピストン170が移動する空間であるポンプ室110bが形成されている。
【0017】
図2は、電磁駆動ポンプ100の詳細を説明する図である。
図2(a)は、
図1の要部拡大図である。
図2(b)は、弁板200および第1シート210を説明する図である。
図1、
図2(a)に示すように第1実施形態の電磁駆動ポンプ100は、ポンプ室110bに配置された1枚の弁板200、および弁板200とリターンスプリング180の間に配置された第1シート210を有する。なお説明の便宜上、弁板200と第1シート210の間や弁板200とスリーブ160の間にわずかな隙間を設けて図示しているが、実際にはこれらは密着して取り付けられる。
【0018】
図3は、弁板200の詳細を説明する図である。
図3(a)は、弁板200の正面図である。
図3(b)は、弁板200の斜視図であって吐出側弁体206が変形した状態である。
図3(c)は、弁板200の断面図であって吐出側弁体206が変形した状態である。弁板200は、弾性を有する材質(例えばバネ鋼)で形成されている。そして
図3(a)および(b)に示すように弁板200には、渦巻状のスリット202が複数形成されている。なお
図3では渦巻状のスリット202を例示しているが、これに限定するものではなく、スリット202はC字状等の他の形状としてもよい。
【0019】
上記構成により、スリット202の内側の領域が他の領域と区画され、弁板において2つの弁体である吸入側弁体204(吸入側の弁体)および吐出側弁体206(吐出側の弁体)が形成される。
図3(b)および
図3(c)に示すように、弁体(図では吐出側弁体206を例示)は、圧力がかかると弾性変形して(ストローク)突出する。
【0020】
図2(b)に示すように第1シート210は、吸入側弁体204より径が大きい大径穴212、および吐出側弁体206より径が小さい小径穴214を有する。大径穴212は、吸入側弁体204のストロークを許容する空間として機能する。小径穴214は、吐出側弁体206のストロークを規制する弁座として機能する。
【0021】
また第1シート210は、大径穴212のリターンスプリング180側に形成された底面216を有する。これにより、吸入側弁体204がストロークした際に、塑性変形を生じてしまうほどの過度な吸入側弁体204の変形を規制することができる。大径穴212の底面216には、ポンプ室110bに連通する連通穴218が形成されている。これにより、大径穴212が底面216を有する場合であっても流体をポンプ室110bに好適に流入させることが可能となる。
【0022】
一方、
図1および
図2(a)に示すように第1実施形態の電磁駆動ポンプ100のスリーブ160には、吐出側弁体206より径が大きい吐出口162、および吸入側弁体204より径が小さい吸入口164が形成されている。吐出口162は、吐出側弁体206のストロークを許容する空間として機能する。吐出口162は、吸入側弁体204の弁座として機能する。
【0023】
図4は、第1実施形態の電磁駆動ポンプ100の動作を説明する模式図である。非通電時は電磁コイル120が非励磁状態であり、
図4(a)に示すようにピストン170は、リターンスプリング180によってソレノイド部100aに向かって付勢されていて、ポンプ室110b内においてソレノイド部100a側に位置する。このとき、ポンプ室110bでは流体の出入りはないため、吸入側弁体204および吐出側弁体206は閉状態となっている。
【0024】
通電時に電磁コイル120が励磁状態となって可動鉄心140が移動空間110a内を移動すると、
図4(b)に示すようにピストン170はシャフト150によって押されてポンプ室110b内を弁板200側に向かって移動する。これにより、吸入側弁体204および吐出側弁体206に対して圧力がかかる。
【0025】
このとき、吸入側弁体204のストロークは吸入口164によって規制されるため、吸入側弁体204は閉状態である。一方、吐出側弁体206はポンプ室110bから押し出された流体の圧力によって吐出口162内においてストロークし、開状態となる。これにより、ポンプ室110bからの流体が吐出口162を通じて外部に送出される。
【0026】
そして
図4(c)に示すように、ピストン170がシャフト150によって押されてポンプ室110b内を弁板200側に移動しきると、吸入側弁体204および吐出側弁体206に対する圧力が変動しなくなる。これにより、吸入側弁体204および吐出側弁体206がともに閉状態となる。その後、電磁コイル120が非励磁状態(非通電)となると、
図4(d)に示すようにピストン170は、リターンスプリング180によってソレノイド部100a側に付勢される。
【0027】
このとき、ポンプ室110bの圧力が低下することによって吸入側弁体204は大径穴212内においてストロークして開状態となり、吸入口164を通じて流体がポンプ室110bに流入する。一方、吐出側弁体206のストロークは、第1シート210の小径穴214(
図2参照)によって規制されるため、吐出側弁体206は閉状態である。そして
図4(a)-(d)を用いて説明した電磁コイル120の励磁/非励磁(電流のON/OFF)を交互に切り替えることにより、可動鉄心140が電磁コイル120の内側を往復駆動し、流体を移送することができる。
【0028】
上記説明した第1実施形態の電磁駆動ポンプ100では、1枚の弁板200に形成された吸入側弁体204および吐出側弁体206が、従来の電磁駆動ポンプにおいて用いられていた逆止弁として機能する。これにより、逆止弁の構造が簡素化されるため、コスト削減やポンプ構造の簡略化をすることができる。また第1実施形態の電磁駆動ポンプ100では、吸入側弁体204および吐出側弁体206が弁板200において電磁駆動ポンプ100の径方向に並んで配置されている。これにより、電磁駆動ポンプ100の軸方向の全長を短くすることができ、より多くの装置に適用することが可能となる。
【0029】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態にかかる電磁駆動ポンプ102であり、
図1の電磁駆動ポンプ100のポンプ部100bと構成が異なるポンプ部102bの近傍のみを図示している。なお以下の説明では、先に説明した実施形態の構成要素と異なる部品についてのみ説明し、実質的に同一の部材については共通の符号を付すことにより説明を省略する。
【0030】
図5に示すように第2実施形態の電磁駆動ポンプ102は、ポンプ部102bにおいて弁板200とスリーブ160との間に補強板220が配置されている。補強板220には、吐出側弁体206より径が大きい大径穴222と、吸入側弁体204より径が小さい小径穴224とが形成されている。大径穴222は、吐出側弁体206のストロークを許容する空間として機能する。小径穴224は、吸入側弁体204の弁座として機能する。
【0031】
第2実施形態の電磁駆動ポンプ102では、補強板220は弁板200の周縁208(
図5(b)参照)を支持する。これにより、弁板200、特に弁板200の吐出側弁体206の周囲の変形を好適に防ぐことができ、上述した効果を良好に得ることが可能となる。
【0032】
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態にかかる電磁駆動ポンプ104を説明する図である。
図6(a)は、電磁駆動ポンプ104のポンプ部104bの構造を説明する図である。
図6(b)は、弁板200、第1シート210および第2シート270の斜視図である。
【0033】
図6(a)に示すように第3実施形態の電磁駆動ポンプ104では、ポンプ部104bを構成するスリーブ260に吐出口262および吸入口264が形成されているが、これらの径は弁板200の吸入側弁体204および吐出側弁体206の径に合わせて設定する必要はなく、電磁駆動ポンプ104における流体の吐出量および吸入量に応じて任意に設定することができる。
【0034】
第3実施形態の電磁駆動ポンプ104の特徴として、弁板200とスリーブ260との間に第2シート270が配置されている。
図6(b)に示すように第2シート270には、吐出側弁体206より径が大きい大径穴272と、吸入側弁体204より径が小さい小径穴274とが形成されている。大径穴272は、吐出側弁体206のストロークを許容する空間として機能する。小径穴274は、吸入側弁体204の弁座として機能する。
【0035】
また第2シート270は、第1シート210と同様に底面276および連通穴278を有する。第2シート270では、底面276は、大径穴272のリターンスプリング180とは反対側に配置されていて、連通穴278は吐出口262と連通している。これにより、吐出側弁体206がストロークした際の過度な変形を防ぎつつ、大径穴272が底面276を有する場合であっても吐出口262を通じて流体を外部に吐出することが可能となる。
【0036】
上記説明した第3実施形態の電磁駆動ポンプ104によれば、弁板200とスリーブ260との間に配置した第2シート270が、第1実施形態のスリーブ160に形成された吐出口162および吸入口164と同様の機能を担うこととなる。したがって、多種の電磁駆動ポンプにおいてスリーブの共通化を図ることができ、資材コストの削減を図ることが可能となる。
【0037】
図7は、
図6(b)の第1シートおよび第2シートの変形例である。
図7に示すように、第1シート210aは、内側プレート280aおよび外側プレート290aを含んで構成される。内側プレート280aは、弁板200側に配置されていて、大径穴212および小径穴214を有する。外側プレート290は、リターンスプリング180側に配置されて、底面216および連通穴218を有する。同様に第2シート210bも、大径穴272および小径穴274を有する内側プレート280b、ならびに底面276および連通穴278を有する外側プレート290bを含んで構成される。
【0038】
上記構成によれば、第1実施形態の第1シート210および第3実施形態の第2シート270のように、底面を有する大径穴(いわゆるザグリ穴)を形成する場合に比して容易な加工(例えばプレス加工)によって同様の効果を得ることができる。したがって、部品の加工工程を簡略化することが可能となる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、電磁コイルを動力として用いる電磁駆動ポンプとして利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
100…電磁駆動ポンプ、100a…ソレノイド部、100b…ポンプ部、102…電磁駆動ポンプ、102b…ポンプ部、104…電磁駆動ポンプ、104b…ポンプ部、110…ハウジング、110a…移動空間、110b…ポンプ室、120…電磁コイル、130…固定鉄心、140…可動鉄心、150…シャフト、160…スリーブ、162…吐出口、164…吸入口、170…ピストン、180…リターンスプリング、200…弁板、202…スリット、204…吸入側弁体、206…吐出側弁体、208…周縁、210…第1シート、210a…第1シート、210b…第2シート、212…大径穴、214…小径穴、216…底面、218…連通穴、220…補強板、222…大径穴、224…小径穴、260…スリーブ、262…吐出口、264…吸入口、270…第2シート、272…大径穴、274…小径穴、276…底面、278…連通穴、280a…内側プレート、280b…内側プレート、290a…外側プレート、290b…外側プレート