(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128364
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】駅務端末、駅務処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230907BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20230907BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032667
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇津野 誠
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA25
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC17
5E555BD01
5E555CA02
5E555CB03
5E555CB33
5E555DA22
5E555DB20
5E555DB39
5E555DC13
5E555DC60
5E555DD06
5E555EA07
5E555FA00
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】駅務業務を円滑に遂行するための駅務端末、駅務処理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】実施形態に係る駅務端末は、一連の複数の処理業務からなる駅務業務を実行する駅務端末であって、前記駅務業務を遂行するための画面を表示する表示部と、外部から操作命令を受信するインターフェース部と、前記操作命令を処理する制御部とを備え、前記画面には、前記複数の処理業務を実行するためにそれぞれ割り当てられたボタン領域が表示され、前記制御部は、前記複数の処理業務に含まれる第1処理業務を実行するための第1ボタン領域を選択する第1操作命令を受信すると、前記複数の処理業務のうち1以上の第2処理業務の処理状態情報を前記画面に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の複数の処理業務からなる駅務業務を実行する駅務端末であって、
前記駅務業務を遂行するための画面を表示する表示部と、
外部から操作命令を受信するインターフェース部と、
前記操作命令を処理する制御部とを備え、
前記画面には、前記複数の処理業務を実行するためにそれぞれ割り当てられたボタン領域が表示され、
前記制御部は、前記複数の処理業務に含まれる第1処理業務を実行するための第1ボタン領域を選択する第1操作命令を受信すると、前記複数の処理業務のうち1以上の第2処理業務の処理状態情報を前記画面に表示させる駅務端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記ボタン領域のいずれかを起点とする吹出などの表示領域の中に前記処理状態情報を表示する請求項1に記載の駅務端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1操作命令を受信すると、前記第1処理業務の処理状態情報を、前記第1ボタン領域を起点とする第1表示領域に表示させる請求項2に記載の駅務端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1操作命令を受信すると、前記複数の処理業務のうち前記第1処理業務より前に実行すべき第3処理業務の処理状態情報を、前記表示領域に表示させる請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の駅務端末。
【請求項5】
前記制御部が前記第1操作命令を受信すると、前記処理状態情報を外部サーバから取得する端末通信部を備えた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の駅務端末。
【請求項6】
一連の複数の処理業務からなる駅務業務を実行する駅務端末であって、
前記駅務業務を遂行するための画面を表示する表示部と、
外部から操作命令を受信するインターフェース部と、
外部と通信を実行する端末通信部と、
前記操作命令を処理する端末制御部とを備え、
前記画面には、前記複数の処理業務を実行するためにそれぞれ割り当てられたボタン領域が表示される1以上の駅務端末と、
前記複数の処理業務の処理状態情報を格納するサーバ記憶部と、
外部と通信を実行するサーバ通信部とを備えた駅務機器統括サーバと、
を備えた駅務処理システムであって、
前記端末制御部は、前記複数の処理業務に含まれる第1処理業務を実行するための第1ボタン領域を選択する第1操作命令を受信すると、前記複数の処理業務のうち1以上の第2処理業務の処理状態情報を前記駅務機器統括サーバから取得し、前記取得した処理状態情報を前記画面に表示させる駅務処理システム。
【請求項7】
駅務端末のコンピュータに一連の複数の処理業務からなる駅務業務を実行させるためのプログラムであって、
前記駅務業務を遂行するための画面を表示する手順と、
外部から操作命令を受信する手順と、
前記操作命令を処理する手順と、
前記画面に前記複数の処理業務を実行するためにそれぞれ割り当てられたボタン領域を表示する手順と、
前記複数の処理業務に含まれる第1処理業務を実行するための第1ボタン領域を選択する第1操作命令を受信すると、前記複数の処理業務のうち1以上の第2処理業務の処理状態情報を前記画面に表示させる手順とを備えたプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、駅務業務に用いられる駅務端末、駅務処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道事業者の係員は、窓口処理機などの駅務機器を用いて各種駅務業務の処理をする。係員は、駅務端末を利用して、複数の駅務機器を制御する駅務機器統括サーバにアクセスし、データのやり取りなどを実施することで各種駅務業務を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一連の処理業務を含む駅務業務において、例えば、処理業務によって実行権限が設定されている場合に実行権限の異なるユーザの業務状況を見ることが出来なかったり、処理業務が複雑に関連していたりすることがあり、駅務業務が円滑に進まないことがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、駅務業務を円滑に遂行するための駅務端末、駅務処理システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る駅務端末は、一連の複数の処理業務からなる駅務業務を実行する駅務端末であって、前記駅務業務を遂行するための画面を表示する表示部と、外部から操作命令を受信するインターフェース部と、前記操作命令を処理する制御部とを備え、前記画面には、前記複数の処理業務を実行するためにそれぞれ割り当てられたボタン領域が表示され、前記制御部は、前記複数の処理業務に含まれる第1処理業務を実行するための第1ボタン領域を選択する第1操作命令を受信すると、前記複数の処理業務のうち1以上の第2処理業務の処理状態情報を前記画面に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る駅務処理システムの構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る駅務処理システムの運用フローの例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る駅務処理システムにおいて使用されるデータベースの例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る駅務端末が吹出の出力処理をするためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る駅務機器統括サーバが要求されたデータを出力するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る駅務端末に表示される画面の例を示す図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係る駅務端末に表示される画面の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態に係る駅務端末に表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態においては、駅務係員が、一連の処理業務を含む駅務業務を実施するための駅務処理システムの例について示す。
【0009】
本実施形態の駅務処理システムは、例えば、係員が駅の日計締切や終車締めなどの駅務業務を実行する際に、前段階での処理業務が未完了もしくは未承認であるため現段階の処理業務を行うことが出来ないといった場合に、係員の駅務端末に現段階もしくは前段階の処理業務のステータスや締切日時を通知する。駅務処理システムは、係員の駅務端末への通知の際に、例えば駅務端末の画面に処理業務を実行するためのボタンなどから吹出を出して、吹出の中に業務が出来ない理由を表示する。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る駅務処理システムの構成ブロック図であり、本処理システムは、複数の駅務端末1と駅務機器統括サーバ2を備える。
【0011】
駅務端末1A、1Bは、例えば、パソコン、ノートパッド、ノートパソコン、スマートフォンなどの端末であり、CPU、メモリなどを備えたコンピュータ、無線、有線の通信機能、画面操作可能なインターフェースなどを具備する。
図1における駅務端末1Bは、駅務端末1Aの機能の一部を含んだ構成として示すが、駅務端末1Aと同一であってもよい。駅務端末1A、1Bは、特に区別しない場合は、駅務端末1と総称する。
【0012】
駅務端末1は、係員(駅員)によって操作され、係員によって入力された操作命令などに基づいてデータを駅務機器統括サーバ2に送信したり、駅務機器統括サーバ2が送信したデータなどを受信したりするなど、駅務機器統括サーバ2とデータのやり取りをする。また、駅務端末1は、他の駅務端末1とデータのやり取りをする。
【0013】
端末制御部10A、10Bは、受信した操作命令などに基づいて、駅務端末1内の各種機能を操作する。操作命令は、例えば、係員によってI/F部103などから入力される。なお、
図1に示す端末制御部10Bは、端末制御部10Aの機能の一部を示しているが、端末制御部10Aの機能の全てを備えることでもよい。端末制御部10A、10Bは、特に区別しない場合は、端末制御部10と称する。端末制御部10の全ての機能もしくは機能の一部は、CPUなどで実行されるプログラムであってもよく、駅務処理をするためのアプリケーションソフトウェアに含まれることでもよい。
【0014】
画面表示部11A、11B(特に区別しない場合は、画面表示部11と称する)は、アプリケーションソフトウェアなどによる業務管理画面や端末制御部10による処理結果などを画面部101に表示させる。また画面表示部11は、吹出表示部13から受信した吹出情報に基づいて表示部101に吹出を表示させる。
【0015】
業務状況認識部12は、各処理業務の処理状況などを駅務機器統括サーバ2から取得する。業務状況認識部12は、取得した処理状況などの処理状況情報を吹出表示部13などに出力することでもよい。
【0016】
吹出表示部13は、画面上に表示させる吹出情報を生成し、生成した吹出情報を画面表示部11に出力する。吹出情報には、業務状況認識部12が取得した処理業務の処理状況情報や、吹出を画面上のどこに表示させるか、吹出の起点をどこにするかなどの情報が含まれる。
【0017】
承認願送受信部14A、14B(特に区別しない場合は、承認願送受信部14と称する)は、画面上に表示される承認願ボタンが押下されると、他の駅務端末1に承認願要求を出力する。また承認願送受信部14は、他の駅務端末1から承認願要求を受信した場合に、承認通知を出力する。本実施形態においては、駅務端末1Aを、より下位の権限を有する係員(係員Aと称する)が持つ駅務端末とし、駅務端末1Bを、より上位の権限を有する係員(係員Bと称する)が持つ駅務端末とする例について示す。すなわち駅務端末1Aは、承認願要求を送信し、駅務端末1Bは承認願要求を受信する。駅務端末1Bは、承認願要求を受信すると、駅務端末1Bの画面部101の業務画面に承認願要求が受信された旨を表示するなどし、係員Bにより例えば駅務端末1Bの画面部101の業務画面から「承認」ボタンが押されると、駅務端末1Aに承認通知を送信することでもよい。
【0018】
効果音生成部15は、画面表示部11が画面部101に吹出を表示するタイミングで、ユーザである係員に対して発する効果音を生成し、スピーカ部104に出力する。
【0019】
画面部101A、101B(特に区別しない場合は、画面部101と称する)は、例えばモニタである。
【0020】
通信部102A、102B(特に区別しない場合は、通信部102と称する)は、駅務端末1(例えば駅務端末A)が駅務機器統括サーバ2や他の駅務端末1(例えば駅務端末1B)などとデータやり取りをするための通信機能であり、ネットワーク4に接続可能な有線もしくは無線の任意の通信方式などを備える。
【0021】
I/F部103A、103B(特に区別しない場合は、I/F部103と称する)は、例えば、パソコンのマウスやキーボードなどの外部機器を接続し、外部機器から操作信号などを受信するためのインターフェースである。また、画面部101がタッチパネル機能を備える場合は、I/F部103は、タッチパネルからの制御情報を受信することでもよい。
【0022】
スピーカ部104は、音を発する機能を備えたスピーカなどであり、効果音生成部15から入力された効果音を音波として出力する。
【0023】
駅務機器統括サーバ2は、鉄道係員が実施する駅務業務を統括するサーバであり、CPU、メモリなどを備えたコンピュータ、通信機能などを具備してもよい。本実施形態の駅務機器統括サーバ2は、各処理業務の処理権限情報、処理状況などの処理業務情報を管理するデータベースを備え、駅務端末1からの要求に応じてデータベースからデータを取り出して、駅務端末1に提供する。また駅務機器統括サーバ2には、複数の駅務機器3が接続されており、駅務機器3から各種情報を取得したり、駅務機器3を制御したりする。
【0024】
駅務機器統括サーバ2は、駅務端末1(例えば駅務端末1A)と他の駅務端末1(例えば駅務端末1B)との通信を媒介するハブ機能を備えていてもよい。なお、駅務端末1(例えば駅務端末1A)と他の駅務端末1(例えば駅務端末1B)とは、ネットワーク4を介して直接データのやり取りをすることでもよい。また、駅務機器統括サーバ2は、必要に応じた機能を持っていれば、駅務端末1と同様の端末であってもよい。
【0025】
記憶部21は、メモリであり、処理業務情報などのデータベースが格納される。
【0026】
サーバ制御部22は、外部からの命令、要求に応じて駅務機器統括サーバ2内部の機能を制御する。
【0027】
通信部23は、駅務機器統括サーバ2が駅務端末1などとデータやり取りをするための通信機能であり、ネットワーク4に接続可能な有線もしくは無線の任意の通信方式などを備えることでもよい。
【0028】
駅務機器3A、3B(特に区別しない場合は、駅務機器3と総称する)は、鉄道係員が業務を実施するための駅務機器であり、例えば、自動改札機や乗車券売機、ICカード処理部、運賃検索など係員の業務に関わるさまざまな機能を備え、CPU、メモリなどを備えたコンピュータ、通信機能などを具備する。
【0029】
ネットワーク4は、1以上の駅務端末1や駅務機器統括サーバ2が接続されるネットワークを示し、任意の通信方式を備えた有線もしくは無線のネットワークである。
【0030】
図2は、第1の実施形態に係る駅務処理システムの運用フローの例を示す図であり、駅の駅務業務である締切の業務フローを示す。
【0031】
締切の駅務業務は、複数の処理業務で構成され、締切業務(ステップS11)、廃札業務(ステップS12)、データ入力業務(ステップS13)、収入確認業務(ステップS14)、確定処理業務(ステップS15)を含む。本実施形態においては、締切の駅務業務は、前の業務が終わっていないと次の業務が出来ないものとするが、必ずしもその制限によって限定されることはない。なお、「駅務業務としての締切」とステップS11の「締切業務」とを区別するために、「駅務業務としての締切」を示す場合は「締切駅務業務」と称する。
【0032】
ステップS11の締切業務においては、係員が駅務端末1から駅務機器統括サーバ2に締切命令を送信すると、駅務機器統括サーバ2は、駅内に設置してある駅務機器3から締切データを受信する。ステップS12の廃札業務においては、係員が駅務端末1から駅務機器統括サーバ2に締切命令を送信すると、駅務機器統括サーバ2は、係員の操作ミスなどで発券したものを無効にして記憶部21のデータベースを更新する。
【0033】
ステップS13のデータ入力業務においては、係員が駅務端末1から駅務機器統括サーバ2に「その他手入力せざるを得ない券種」などを入力すると、駅務機器統括サーバ2は、入力されたデータに基づいて記憶部21のデータベースを更新する。ステップS14の収入確認業務においては、係員が駅務端末1から駅務機器統括サーバ2の記憶部21のデータベースに格納されている締切現金の過不足などの確認を行う。
【0034】
ステップS15の確定処理業務においては、係員が駅務端末1から駅務機器統括サーバ2の記憶部21のデータベースに格納されている運輸収入日報の確認、締切確定を行う。
【0035】
図3は、第1の実施形態に係る駅務処理システムにおいて使用されるデータベースの例を示す図であり、
図2の業務に関わる処理業務情報の例である。
【0036】
データDT1は業務番号を示し、データDT2は同行の業務項目を示し、データDT3は同行の業務項目の処理内容を示し、データDT4は同行の業務項目を実行できる権限の情報を示し、データDT5は同行の業務項目を実行できる権限を持つ人の情報を示し、データDT6は同行の業務項目を実行できる日時を示す締切日時(または締切時刻)の情報を示し、データDT7は同行の業務項目の処理状況の情報を示す。データDT4の権限情報においては、レベルはA(上位権限)、B(中位権限)、C(下位権限)として示しており、データDT5の権限者情報においては、上位権限者が「aさん」であり、中位権限者が「bさん」であり、下位権限者が「cさん」、「dさん」であることを示している。データDT5の権限者情報には、メールアドレスやIPアドレス、MACアドレスなど各係員が保有する駅務端末1と通信を可能とするための情報(駅務端末情報と称する)を備えていてもよい。
【0037】
図3の情報は行ごとに紐づけられて示されており、例えば、業務番号「2」の業務項目「廃札」の処理内容は、権限が「C権限以上」であり、権限者が「aさん、bさん、cさん」であり、業務の締切日時が「2月2日23時15分」であり、処理状況が「承認待ち」であることを示している。なお、
図3に示したデータは一例であり、必ずしもデータベースに全てのデータを含める必要はない。また、
図3に図示していないデータ項目(データ列)もあるが、任意のデータ項目を追加してもよい。すなわち、記憶部21のデータベースには必要に応じたデータ項目を備えれば良い。
【0038】
図4は、第1の実施形態に係る駅務端末が吹出の出力処理をするためのフローチャートであり、例えばフローチャートを実行するプログラムは駅務端末1の端末制御部10に搭載されている。本フローチャートは、係員が処理業務のボタンをクリック(もしくは処理業務のボタンの上にカーソルを置く操作でもよい)してから、画面部101に吹出を出力するまでの処理動作について示し、権限の異なる任意の係員による任意の処理業務の処理動作が含まれる。より具体的な異なる権限を持つ係員の操作における処理動作の例については後述する。
【0039】
例えば、係員がインターフェース部103に接続されているマウスから駅務端末1の画面部101に表示されている処理業務のボタンをクリックすると、駅務端末1は、操作信号などを受信して処理業務のボタンが押下されたことを検知する(ステップS101)。駅務端末1において、業務状況認識部12は、クリックされた処理業務の処理状況の情報を駅務機器統括サーバ2から取得する(ステップS102)。ステップS102において、業務状況認識部12は、ステップS101でクリックされたボタンによって実行される処理業務の直前の処理業務の処理状況の情報のみを駅務機器統括サーバ2から取得してもよいし、駅務業務全ての処理業務の処理状況の情報を駅務機器統括サーバ2から取得してもよく、必要に応じて取得する情報を選択してもよい。
【0040】
業務状況認識部12は、取得した処理業務の処理状況の情報を確認し、クリックされた処理業務の一つ前の業務が終了していた場合は、吹出を表示しない(ステップS103のYes)。また業務状況認識部12は、クリックされた処理業務が、一連の業務のうち一番最初の処理業務(例えば
図2の締切業務の場合に相当)の場合は、吹出を表示しないようにすることでもよい。
【0041】
一方、業務状況認識部12は、クリックされた処理業務の処理状況の情報を確認し、クリックされた処理業務の一つ前の業務が終了していない場合は、取得した情報から一つ前の業務に締切日時があるか否かを確認する(ステップS104)。業務状況認識部12は、取得した情報から一つ前の業務に締切日時がないことを確認すると、ステップS105に進む(ステップS104のNo)。業務状況認識部12は、ステップS102で取得した情報から、一つ前の業務の実行権限を確認し、ステップ101を実行した係員の権限情報と比較する(ステップS105)。ステップS105において、ステップ101を実行した係員の権限情報は、ステップ101が実行された駅務端末1の記憶部105に予め格納されていることでもよい。
【0042】
業務状況認識部12は、ステップS105において、一つ前の業務がステップ101を実行した係員よりも上位の権限者でなくとも実行可能であることを確認した場合、吹出表示部13に対して、一つ前の業務の情報とともに吹出の表示命令を出力する(ステップS105のNo、ステップS106)。ステップS106が実行されると、吹出表示部13は、吹出の表示位置や吹出の中の内容を含む吹出情報を表示命令とともに画面表示部11に出力する。画面表示部11は、受信した吹出を受信した表示位置に出力する。
【0043】
一方、業務状況認識部12は、ステップS105において、一つ前の業務がステップ101を実行した係員よりも上位の権限者でないと実行できないことを確認した場合、一つ前の業務に対する承認願の送信状況の情報を承認願送受信部14から取得する(ステップS109)。承認願の送信状況の情報は、承認願送受信部14が過去に承認願いを送信した時に、記憶部105などに格納しておくことでもよい。
【0044】
業務状況認識部12は、取得した承認状況を確認し、すでに承認願を送信済みの場合は、ステップS106に進む(ステップS109のYes)。一方、業務状況認識部12は、取得した承認状況を確認し、承認願が送信済みでない場合は、吹出表示部13に対して、一つ前の業務の情報とともに承認願いを送信するボタンを含めた吹出の表示命令を出力する(ステップS109のNo、ステップS110)。
【0045】
ステップS104に戻り、業務状況認識部12は、取得した情報から一つ前の業務に締切日時があることを確認すると、駅務機器統括サーバ2から締切日時の情報を取得する(ステップS104のYes、ステップS107)。ステップS107において締切日時の情報を取得した場合は、例えばステップS106、S110において吹出の中に締切日時の情報を含めることでもよい。
【0046】
図5は、第1の実施形態に係る駅務機器統括サーバが要求されたデータを出力するためのフローチャートであり、例えば
図4のステップS102、S107、S108などにおいて、駅務端末1が駅務機器統括サーバ2に対してデータを要求した場合の駅務機器統括サーバ2の処理動作を示す。
【0047】
駅務機器統括サーバ2において、サーバ制御部22は、通信部23を介して駅務端末1からデータ要求を受信すると(ステップS201のYes)、要求されたデータを記憶部21から取得し(ステップS202)、取得したデータを駅務端末1に送信する(ステップS203)。
【0048】
図6は、第1の実施形態に係る駅務端末に表示される画面の例を示す図であり、例えば
図3のデータDT5に示した「cさん」が業務番号2の「廃札」を実行しようとして表示された吹出の例を示す(ただし、ここでは処理業務の締切日時はないものとする)。以下に、
図5のフローチャートを用いて、
図6が表示されるまでの駅務機器1の処理動作を説明する。
【0049】
cさんは、駅務端末1(駅務端末1Aの構成とする)の画面部101に締切管理画面5を表示させて、「廃札」の業務ボタン52にカーソル5011を合わせる(ステップS101)。駅務端末1の業務状況認識部12は、処理業務の処理状況の情報を取得する(ステップS102)。業務状況認識部12は、取得された処理状況の情報を確認し、処理業務「廃札」の一つ前の業務「締切」が終了していないことを確認し、取得した情報から一つ前の業務に締切日時があるか否かを確認する(ステップS104)。
【0050】
業務状況認識部12は、取得した情報から一つ前の業務に締切日時がないことを確認すると、ステップS105に進む(ステップS104のNo)。業務状況認識部12は、ステップS102で取得した情報から、一つ前の業務「締切」の実行権限を確認し、係員「cさん」の権限情報と比較する(ステップS105)。
【0051】
業務状況認識部12は、ステップS105において、一つ前の業務「締切」が係員「cさん」よりも上位の権限者である「aさん」、「bさん」でないと実行できないことを確認すると、一つ前の業務「締切」に対する承認願の送信状況を取得する(ステップS109)。
【0052】
業務状況認識部12は、取得した承認状況を確認し、すでに承認願を送信済みであることを確認すると、ステップS106に進む(ステップS110のYes)。なお、ステップS110において、業務状況認識部12は、ステップS102で取得したデータ(例えば
図3の業務番号1のデータDT7)に基づいて、業務「締切」の承認願いが送信済みであると判断することでもよい。
【0053】
ステップS106が実行され、吹出表示部13は、吹出の起点位置を実行中の業務ボタン52の上とし、吹出の中の内容を「締切が未完了の為業務を行うことが出来ません」とした吹出情報を表示命令とともに画面表示部11に出力する。画面表示部11は、受信した吹出情報に基づいて、吹出を画面部101に表示させる。以上の手順により、
図6の吹出5021が駅務業務画面5に表示される。
【0054】
本実施形態によると、駅務業務画面5において、処理業務のボタンを起点に吹出などが表示されることにより、係員は、業務の状況を把握することが容易である。これにより、業務の漏れなどを防ぐことが出来るばかりでなく、仕事の効率化にも繋がる。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、C(下位権限)権限者である係員「dさん」がデータ入力業務(
図3の業務番号3)を実行する際に、dさんの使用している駅務機器1に吹出を表示させる例を示す。
【0055】
本実施形態の駅務機器1(駅務機器1Aとする)は、C権限者のdさんがデータ入力業務を行う際、B権限者以上でないと承認することが出来ない締切業務が終わっていないことを確認し、承認願を送信するボタンを吹出に表示する。承認願は該当する業務を行うことが出来る最低権限の人に送信され、今回の場合はB権限を持つ人「bさん」に送信されることが望ましい。なお承認願の送信先は事前に決めた任意の人でもよい。承認願の通知は、bさんの駅務機器1(駅務機器1Bとする)にて受信され、bさんが次に駅務端末1Bを使用した際に画面部101Bに表示されることでもよいし、bさんが駅務端末1Bを使用中の場合には、ポップアップなどにより通知を画面部101Bに表示させることでもよい。以下に、
図5のフローチャートを用いて、
図7が表示されるまでの駅務機器1Aの処理動作を説明する。ただし、ここではステップS104に係る締切日時はないものとする。
【0056】
図7は、第2の実施形態に係る駅務端末に表示される画面の例を示す図である。
【0057】
dさんは、駅務端末1Aの画面部101Aに締切管理画面5を表示させて、「データ入力」の業務ボタン53にカーソル5011を合わせる(ステップS101)。駅務端末1Aの業務状況認識部12は、カーソル5011の置かれた処理業務の処理状況の情報を取得する(ステップS102)。業務状況認識部12は、取得された処理状況の情報を確認し、処理業務「データ入力」の前の業務「締切」が終了していないことを確認し、取得した情報から前の業務に締切日時があるか否かを確認する(ステップS104)。業務状況認識部12は、取得した情報から前の業務「締切」に締切日時がないことを確認すると、ステップS105に進む(ステップS104のNo)。業務状況認識部12は、ステップS102で取得した情報から、前の業務「締切」の実行権限を確認し、係員「dさん」の権限情報と比較する(ステップS105)。
【0058】
業務状況認識部12は、ステップS105において、前の業務「締切」がステップ101を実行した係員よりも上位の権限者でないと実行できないことを確認したため、業務「締切」に対する承認願の送信状況を取得する(ステップS109)。
【0059】
業務状況認識部12は、取得した承認状況を確認し、まだ承認願を送信していないことを確認したとする(ステップS109のNo)。業務状況認識部12は、吹出表示部13に対して、前の業務「締切」の情報とともに「承認願いを送信するボタン」を含めた吹出の表示命令を出力する(ステップS109のNo、ステップS110)。
【0060】
ステップS110が実行され、吹出表示部13は、吹出の起点位置を実行中の業務ボタン53の上とし、吹出の中の内容を「締切の承認が完了していません。承認願を送信しますか?」及び吹出の中に承認願を送信するための「送信ボタン」として吹出情報を画面表示部11に出力する。画面表示部11は、受信した吹出情報に基づいて、吹出を画面部101に表示させる。以上の手順により、
図7の吹出5022が駅務業務画面5に表示される。
【0061】
本実施形態によると、駅務業務画面5において、処理業務のボタン(
図7の業務ボタン53に相当)を起点に吹出が表示され、その中に未完了の業務を実行するボタン(
図7の吹出5023の送信ボタン)を表示することで、次のフローを実行することが容易である。
(第3の実施形態)
第3の実施形態においては、A(上位権限)権限者である係員「aさん」が確定処理業務(
図3の業務番号5)を実行する際に、aさんの使用している駅務機器1に吹出を表示させる例を示す。以下に、
図5のフローチャートを用いて、
図8が表示されるまでの駅務機器1の処理動作を説明する。
【0062】
図8は、第3の実施形態に係る駅務端末に表示される画面の例を示す図である。
【0063】
係員aさんがマウスから駅務端末1(駅務端末1Aの構成とする)の画面部101に表示されている処理業務「確定処理」のボタンをクリックする(ステップS101)。駅務端末1の業務状況認識部12は、処理業務の処理状況の情報を駅務機器統括サーバ2から取得する(ステップS102)。業務状況認識部12は、取得した処理業務の処理状況の情報を確認し、クリックされた処理業務の前の業務「収入確認」が終了していないため、取得した情報から前の業務「収入確認」に締切日時があるか否かを確認する(ステップ103のNo、ステップS104)。
【0064】
業務状況認識部12は、取得した情報から前の業務「収入確認」に締切日時があることを確認すると、駅務機器統括サーバ2から締切日時の情報を取得する(ステップS104のYes、ステップS107)。業務状況認識部12は、ステップS102で取得した情報から、前の業務「収入確認」の実行権限を確認し、係員「aさん」の権限情報と比較する(ステップS105)。業務状況認識部12は、ステップS105において、前の業務「収入確認」が係員「aさん」よりも上位の権限者でなくとも実行可能であることを確認し、吹出表示部13に対して、前の業務の情報とともに吹出の表示命令を出力する(ステップS105のNo、ステップS106)。
【0065】
ステップS106が実行されると、吹出表示部13は、吹出の起点位置をステップS101でクリックした業務ボタン55の上とし、吹出の中の内容を「収入確認が未完了のため業務を行うことが出来ません。」をとして吹出情報を画面表示部11に出力する。画面表示部11は、受信した吹出情報に基づいて、吹出を画面部101に表示させる。以上の手順により、
図8の吹出5024が駅務業務画面5に表示される。
【0066】
さらに本実施形態における吹出表示部13は、ステップS104において取得した締切日時の情報を含めて「YYYY/MM/DD/H:Mまでに業務を完了させてください。」を内容とし、吹出の起点位置を締切日時の情報の対象である業務ボタン54の上として吹出情報を画面表示部11に出力する。YYYY/MM/DD/H:Mは、年月日時刻を示す。画面表示部11は、受信した吹出情報に基づいて、吹出を画面部101に表示させる。
【0067】
以上の手順により、
図8の吹出5025が駅務業務画面5に表示される。駅務端末1を使用しているaさんは、吹出5024、5025を見ることで、直ちに前の業務「収入確認」が未完了であることを知り、実行することができる。
【0068】
本実施形態によると、駅務業務画面5において、未完了の処理業務のボタン(
図8の業務ボタン54に相当)を起点に吹出などが表示されることにより、どの業務が未完了なのか把握することが容易である。これにより、業務の漏れなどを防ぐことが出来るばかりでなく、仕事の効率化にも繋がる。
(変形例)
上記の実施形態においては、
図4のステップS101でクリックしたもしくはカーソルを当てた業務ボタンが実行する処理業務よりも前の処理業務の処理状況を吹出に示す例を示したが、以下のように任意の場合に実施形態を適用できる。
【0069】
例えば、
図4のステップS101でクリックもしくはカーソルを当てた業務ボタンが実行する処理業務の処理状況を、カーソルを当てた業務ボタンの領域を起点とする吹出に表示させてもよい。
図6の表示例でより具体的に示すと、例えば業務ボタン51の処理業務「締切」にカーソルを当てると、「締切が未完了」といった内容が含まれた吹出が業務ボタン51を起点として画面5に表示されるようにしてもよい。
【0070】
また例えば、
図4のステップS101でクリックもしくはカーソルを当てた業務ボタンが実行する処理業務よりも前の段階の処理業務全てまたは一部について、処理状況を吹出に表示させてもよい。
図6の表示例でより具体的に示すと、例えば業務ボタン55の処理業務「確定処理」にカーソルを当てると、業務ボタン51から業務ボタン54の各業務ボタンを起点に、それぞれの業務ボタンの処理状況の内容が含まれた吹出が画面5に表示されるようにしてもよい。すなわち、
図4のステップS101でクリックもしくはカーソルを当てる業務ボタンと、吹出を表示する起点となる業務ボタンが異なっていてもよい。
【0071】
また、表示される吹出の数も特に制限されることはなく、例えば、
図7の表示例において、業務ボタン51の処理業務が完了していない場合に、
図4のステップS101で業務ボタン55にカーソルを置いたときに、業務ボタン51から54の全ての業務ボタンを起点とした複数の吹出を表示させてもよいし、一番上位の処理業務の業務ボタン51を起点とする吹出のみを表示させることでもよい。
【0072】
以上に述べた少なくとも1つの実施形態、変形例によれば、駅務業務を円滑に遂行するための駅務端末、駅務処理システム及びプログラムを提供することができる。
【0073】
以上の実施形態、変形例に含まれる駅務端末1の特徴は以下のようにも示される。
【0074】
(A-1)駅務端末1上で業務ボタン(例えば、
図6の業務ボタン5011)を押下もしくはカーソルを合わせて選択した際、当該業務を行うことが出来ない場合は吹出(例えば、
図6の吹出5021)を出す。吹出の代わりにポップアップなどによる表示でもよいが、吹出の場合、ポップアップなどと違い起点により示す場所が明確化し対象箇所が分かりやすいメリットがある。
(A-2)吹出には業務を行うことが出来ない理由を表示する。例えば、吹出に「処理業務Aが未完了のため業務を行うことが出来ません。」のように表示をする(例えば、
図6の吹出5021など)。ここで処理業務Aとは、業務ボタンで選択された処理業務の前段階の処理業務を含む。
【0075】
(A-3)駅務端末1の操作者より上位権限を持ったユーザでないと前段階の処理業務の承認が行えない場合、吹出などに承認願を送信するボタンを表示させる(例えば、
図7の吹出5023)。
(A-4)未完了の前段階での業務に締切日時がある場合は、業務ボタンを押下した際に表示する吹出に加えて前段階での業務ボタンにも終了期限の吹出を表示する(例えば、
図8の吹出5025)。
【0076】
(A-5)吹出を出す際に端末操作者が分かりやすいよう、効果音を出しても良い。吹出以外にもポップアップを表示させても良い。
【0077】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、フローチャート、シーケンスチャートなどに示す処理は、ICチップ、デジタル信号処理プロセッサ(Digital Signal ProcessorまたはDSP)などのハードウェアもしくはマイクロコンピュータを含めたコンピュータなどで動作させるソフトウェア(プログラムなど)またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現してもよい。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1A…駅務端末、2…駅務機器統括サーバ、3A…駅務機器、4…ネットワーク、10A…制御部、11A…画面表示部、12…業務状況認識部、13…吹出表示部、14A…承認願送受信部、15…効果音生成部、21…記憶部、22…サーバ制御部、23…通信部、101A…画面部、102A…通信部、103A…I/F部。