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特開2023-128407与信状況チェック装置、与信状況チェック方法および与信状況チェックプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128407
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】与信状況チェック装置、与信状況チェック方法および与信状況チェックプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20230907BHJP
   G06Q 20/40 20120101ALI20230907BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06Q20/40 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032737
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 剛史
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L055BB15
(57)【要約】
【課題】運送会社を選定する際に、運送会社に対する与信状況のチェックを行うことができる与信状況チェック装置、与信状況チェック方法および与信状況チェックプログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)受注データから、受注データ中の出荷指示状況が「未済」の運送会社および在庫金額を抽出して、配車検討入力の画面に表示し、(2)出荷データから、前記表示した運送会社と紐付く在庫金額のうち、売上状況が「未済」のものを取得し、(3)前記表示した在庫金額と前記取得した在庫金額を足すことにより、運送会社に対する与信残高を算出し、(4)運送会社マスタから、前記表示した運送会社と紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得し、(5)前記算出した与信残高と、前記取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送会社に対する与信状況をチェックすることができる、制御部および記憶部を備える与信状況チェック装置であって、
前記記憶部には、
運送会社を識別するための運送会社識別データと、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分と、を含む受注データと、
前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分と、を含む出荷データと、
前記運送会社識別データと、与信限度額および与信掛率の少なくとも一方と、を含む運送会社マスタと、
が格納されており、
前記制御部は、
前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示手段と、
前記出荷データから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得手段と、
前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得手段で取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出手段と、
前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得手段と、
前記与信残高算出手段で算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知手段と、
を備えること、
を特徴とする与信状況チェック装置。
【請求項2】
前記通知手段は、
前記与信残高算出手段で算出した与信残高が、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額を超えている場合、前記エラーを通知すること、
を特徴とする請求項1に記載の与信状況チェック装置。
【請求項3】
前記通知手段は、
前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額に対して前記与信残高算出手段で算出した与信残高が占める割合である与信充足率が、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信掛率に達している場合、前記警告を通知すること、
を特徴とする請求項1または2記載の与信状況チェック装置。
【請求項4】
前記記憶部には、
前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、出荷が完了したか否かを識別するための区分である出荷状況区分と、を含む出荷指示データが更に格納されており、
前記制御部は、
前記出荷指示データから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記出荷状況区分が、出荷が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷指示済未出荷取得手段を更に備え、
前記与信残高算出手段は、
前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得手段で取得した在庫金額と前記出荷指示済未出荷取得手段で取得した在庫金額を足すことにより、前記与信残高を算出すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の与信状況チェック装置。
【請求項5】
前記出荷指示済未出荷取得手段、前記出荷済未売上取得手段および前記限度額・掛率取得手段は、
前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データが、前記警告または前記エラーを通知されたオペレータによって別の運送会社識別データに変更された場合、当該変更された後の運送会社識別データと紐付く情報を取得すること、
を特徴とする請求項4に記載の与信状況チェック装置。
【請求項6】
運送会社に対する与信状況をチェックすることができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される与信状況チェック方法であって、
前記記憶部には、
運送会社を識別するための運送会社識別データと、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分と、を含む受注データと、
前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分と、を含む出荷データと、
前記運送会社識別データと、与信限度額および与信掛率の少なくとも一方と、を含む運送会社マスタと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示ステップと、
前記出荷データから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得ステップと、
前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得ステップで取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出ステップと、
前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得ステップと、
前記与信残高算出ステップで算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得ステップで取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知ステップと、
を含むこと、
を特徴とする与信状況チェック方法。
【請求項7】
運送会社に対する与信状況をチェックすることができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための与信状況チェックプログラムであって、
前記記憶部には、
運送会社を識別するための運送会社識別データと、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分と、を含む受注データと、
前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分と、を含む出荷データと、
前記運送会社識別データと、与信限度額および与信掛率の少なくとも一方と、を含む運送会社マスタと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示ステップと、
前記出荷データから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得ステップと、
前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得ステップで取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出ステップと、
前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得ステップと、
前記与信残高算出ステップで算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得ステップで取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知ステップと、
を含むこと、
を特徴とする与信状況チェックプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、与信状況チェック装置、与信状況チェック方法および与信状況チェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザにとって使いやすい求車求荷システムおよび求車求荷プログラムを記録した記録媒体が開示されている(特許文献1の0010段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-163481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来においては、商品を運送する際の与信管理は得意先に対して行っていたが、収益認識基準の変更等により、出荷から検収までの与信管理が必要となり、その結果、運送会社に対する与信管理が必要となった。
【0005】
運送会社に対する与信管理を行うためには、例えば、運送会社を選定する際に、ある運送会社に対する与信残高(既に運送を依頼した在庫の在庫金額とこれから運送を依頼する在庫の在庫金額の合計)が、例えば与信限度額を超えているか等のチェックを行う必要がある。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1も含め従来においては、運送会社を選定する際に、運送会社に対する与信状況のチェックを行うことはできなかった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、運送会社を選定する際に、運送会社に対する与信状況のチェックを行うことができる与信状況チェック装置、与信状況チェック方法および与信状況チェックプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る与信状況チェック装置においては、運送会社に対する与信状況をチェックすることができる、制御部および記憶部を備える与信状況チェック装置であって、前記記憶部には、運送会社を識別するための運送会社識別データと、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分と、を含む受注データと、前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分と、を含む出荷データと、前記運送会社識別データと、与信限度額および与信掛率の少なくとも一方と、を含む運送会社マスタと、が格納されており、前記制御部は、前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示手段と、前記出荷データから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得手段と、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得手段で取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出手段と、前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得手段と、前記与信残高算出手段で算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る与信状況チェック装置においては、前記通知手段は、前記与信残高算出手段で算出した与信残高が、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額を超えている場合、前記エラーを通知すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る与信状況チェック装置においては、前記通知手段は、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額に対して前記与信残高算出手段で算出した与信残高が占める割合である与信充足率が、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信掛率に達している場合、前記警告を通知すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る与信状況チェック装置においては、前記記憶部には、前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、出荷が完了したか否かを識別するための区分である出荷状況区分と、を含む出荷指示データが更に格納されており、前記制御部は、前記出荷指示データから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記出荷状況区分が、出荷が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷指示済未出荷取得手段を更に備え、前記与信残高算出手段は、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得手段で取得した在庫金額と前記出荷指示済未出荷取得手段で取得した在庫金額を足すことにより、前記与信残高を算出すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る与信状況チェック装置においては、前記出荷指示済未出荷取得手段、前記出荷済未売上取得手段および前記限度額・掛率取得手段は、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データが、前記警告または前記エラーを通知されたオペレータによって別の運送会社識別データに変更された場合、当該変更された後の運送会社識別データと紐付く情報を取得すること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る与信状況チェック方法においては、運送会社に対する与信状況をチェックすることができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される与信状況チェック方法であって、前記記憶部には、運送会社を識別するための運送会社識別データと、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分と、を含む受注データと、前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分と、を含む出荷データと、前記運送会社識別データと、与信限度額および与信掛率の少なくとも一方と、を含む運送会社マスタと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示ステップと、前記出荷データから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得ステップと、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得ステップで取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出ステップと、前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得ステップと、前記与信残高算出ステップで算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得ステップで取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る与信状況チェックプログラムにおいては、運送会社に対する与信状況をチェックすることができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための与信状況チェックプログラムであって、前記記憶部には、運送会社を識別するための運送会社識別データと、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分と、を含む受注データと、前記運送会社識別データと、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分と、を含む出荷データと、前記運送会社識別データと、与信限度額および与信掛率の少なくとも一方と、を含む運送会社マスタと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示ステップと、前記出荷データから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得ステップと、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得ステップで取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出ステップと、前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示ステップで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得ステップと、前記与信残高算出ステップで算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得ステップで取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、運送会社を選定する際に、運送会社に対する与信状況のチェックを行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、与信状況チェック装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における処理フローの一例を示す図である。
図3図3は、基本情報マスタメンテ画面の一例を示す図である。
図4図4は、運送会社マスタメンテ画面および運送会社マスタの一例を示す図である。
図5図5は、前提として存在する受注データ、出荷指示データ、出荷データおよび売上データの一例を示す図である。
図6図6は、受注番号:JU003の受注明細を新たに含む受注データの一例を示す図である。
図7図7は、受注番号:JU003の受注明細を表示した運送会社選定画面の一例を示す図である。
図8図8は、エラー表示の画面の一例を示す図である。
図9図9は、運送会社を変更した場合の運送会社選定画面の一例を示す図である。
図10図10は、警告表示の画面の一例を示す図である。
図11図11は、更新された受注データおよび更新された出荷指示データの一例を示す図である。
図12図12は、受注番号:JU004の受注明細を新たに含む受注データの一例を示す図である。
図13図13は、受注番号:JU004の受注明細を表示した運送会社選定画面の一例を示す図である。
図14図14は、エラー表示の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る与信状況チェック装置、与信状況チェック方法および与信状況チェックプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
従来においては、売上計上基準として出荷基準が認められていたため、出荷後は与信の管理が得意先に移り、得意先に対しての与信管理で問題がなかった。しかしながら、収益認識基準の変更もあり、出荷後から検収をもらうまでの管理が必要となり、その間の運送会社に対する与信管理が必要となった。
【0019】
そこで、本実施形態においては、例えば、得意先への出荷時に運送会社が管理する在庫金額に対して、運送会社別の与信限度額設定を可能とした。また、本実施形態においては、例えば、出荷済未売上の在庫金額について運送会社別に与信を設定可能とした。そして、本実施形態においては、例えば、運送会社に対して配車を検討する際に与信限度額のチェックを行うことで、与信限度額超過を防止することを可能とした。
【0020】
具体的には、運送会社マスタにて、運送会社毎に与信限度額および与信掛率の設定を可能とした。一方で、配車検討入力時に該当の運送会社に関して、出荷指示済未出荷分の在庫金額と出荷済未売上分の在庫金額と配車検討中の在庫金額を足し合わせたものを与信残高として算出できるようにした。そして、当該算出した与信残高と運送会社マスタに設定した与信限度額とを比較して、以下の与信状況チェックを行えるようにした。
【0021】
すなわち、算出した与信残高が与信限度額を超過した場合はエラーを通知できるようにした。一方で、算出した与信残高の与信限度額に対する充足率(与信残高÷与信限度額×100)が、与信掛率に達する場合は、警告を通知できるようにした。
【0022】
これにより、本実施形態においては、例えば、出荷時に運送会社を選定する配車検討において、運送会社の与信状況を確認して配車を行うことが可能となった。また、本実施形態においては、例えば、運送会社による在庫保管のリスクを低減することに成功した。
【0023】
以上をまとめると、本実施形態においては、輸送中の自社資産をどの運送会社がいくら保有しているかを踏まえて運送会社を選択することができる。言い換えると、本実施形態においては、与信リスクの管理と配車検討業務を、別々ではなく、組み合わせて同時に行うことができる。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る与信状況チェック装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、与信状況チェック装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
与信状況チェック装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、与信状況チェック装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
与信状況チェック装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。与信状況チェック装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、与信状況チェック装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、与信状況チェック装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0030】
記憶部106は、例えば、基本情報マスタ106aと、運送会社マスタ106bと、受注データ106cと、出荷指示データ106dと、出荷データ106eと、売上データ106fと、を備えている。
【0031】
基本情報マスタ106aは、運送会社に対する与信残高の算出の際に、出荷指示済未出荷分の在庫金額を含めるか否かを設定するマスタである。基本情報マスタ106aは、運送会社与信区分として、出荷済未売上分の在庫金額は与信残高に含めるが出荷指示済未出荷分の在庫金額は与信残高に含めないことを意味する区分である「0:出荷済未売上」、または、出荷済未売上分の在庫金額に加えて出荷指示済未出荷分の在庫金額も与信残高に含めることを意味する区分である「1:出荷指示済未出荷+出荷済未売上」を含む。
【0032】
「1:出荷指示済未出荷+出荷済未売上」の区分を選択すれば、出荷指示済未出荷分の在庫金額を考慮して与信状況のチェックを配車時に行うことが可能である。基本情報マスタ106aは、例えば、図3に示す基本情報マスタメンテ画面から設定することが可能である。
【0033】
運送会社マスタ106bは、図4に示すように、例えば、運送会社を識別するための運送会社識別データ(運送会社コードおよび運送会社名)と、与信限度額と、与信掛率と、等を含む。与信限度額は、各運送会社に対する与信の限度額である。与信掛率は、各運送会社の前記与信限度額に対して各運送会社の与信残高が占めることができる割合である。
【0034】
前記与信限度額および前記与信掛率は、運送会社毎に設定される。図4に示す運送会社マスタ106bにおいては、運送会社「〇〇運輸」に対しては、前記与信限度額1,000,000円および前記与信掛率90%が設定されており、一方で、運送会社「××運送」に対しては、前記与信限度額500,000円および前記与信掛率80%が設定されている。運送会社マスタ106bは、例えば、図4に示す運送会社マスタメンテ画面から設定することが可能である。
【0035】
受注データ106cは、図5等に示すように、例えば、受注識別データ(受注番号)と、同じ前記受注識別データ内における行番号(行)と、得意先識別データ(得意先)と、前記運送会社識別データ(運送会社)と、商品識別データ(商品)と、運送会社が管理する在庫についての在庫金額と、出荷指示が完了したか否かを識別するための区分である出荷指示状況区分(出荷指示状況)と、等を含む。前記出荷指示状況区分(出荷指示状況)は、出荷指示が完了していないことを示す区分である「未済」、または、出荷指示が完了したことを示す区分である「済」である。
【0036】
出荷指示データ106dは、図5等に示すように、例えば、出荷指示識別データ(出荷指示番号)と、同じ前記出荷指示識別データ内における行番号(行)と、前記受注識別データ(受注番号)と、同じ前記受注識別データ内における行番号(行)と、前記得意先識別データ(得意先)と、前記運送会社識別データ(運送会社)と、前記商品識別データ(商品)と、前記在庫金額と、出荷が完了したか否かを識別するための区分である出荷状況区分(出荷状況)と、等を含む。前記出荷状況区分(出荷状況)は、出荷が完了していないことを示す区分である「未済」、または、出荷が完了したことを示す区分である「済」である。
【0037】
出荷データ106eは、図5等に示すように、例えば、出荷識別データ(出荷番号)と、同じ前記出荷識別データ内における行番号(行)と、前記出荷指示識別データ(出荷指示番号)と、同じ前記出荷指示識別データ内における行番号(行)と、前記得意先識別データ(得意先)と、前記運送会社識別データ(運送会社)と、前記商品識別データ(商品)と、前記在庫金額と、売上計上が完了したか否かを識別するための区分である売上状況区分(売上状況)と、等を含む。前記売上状況区分(売上状況)は、売上計上が完了していないことを示す区分である「未済」、または、売上計上が完了したことを示す区分である「済」である。
【0038】
売上データ106fは、図5等に示すように、例えば、売上識別データ(売上番号)と、同じ前記売上識別データ内における行番号(行)と、前記出荷識別データ(出荷番号)と、同じ前記出荷識別データ内における行番号(行)と、前記得意先識別データ(得意先)と、前記運送会社識別データ(運送会社)と、前記商品識別データ(商品)と、売上金額(在庫金額)と、等を含む。
【0039】
制御部102は、与信状況チェック装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0040】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記受注データから、前記受注データ中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する受注済未出荷表示手段としての受注済未出荷表示手部102aと、(2)前記出荷指示データから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記出荷状況区分が、出荷が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷指示済未出荷取得手段としての出荷指示済未出荷取得部102bと、(3)前記出荷データから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分となっているものを取得する出荷済未売上取得手段としての出荷済未売上取得部102cと、(4)前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と前記出荷済未売上取得手段で取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する与信残高算出手段としての与信残高算出部102dと、(5)前記運送会社マスタから、前記受注済未出荷表示手段で前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する限度額・掛率取得手段としての限度額・掛率取得部102eと、(6)前記与信残高算出手段で算出した与信残高と、前記限度額・掛率取得手段で取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する通知手段としての通知部102fと、を備えている。
【0041】
受注済未出荷表示部102aは、受注データ106c中の前記出荷指示状況区分が、出荷指示が完了していないことを示す区分である「未済」となっている運送会社識別データおよび在庫金額を抽出し、当該抽出した運送会社識別データおよび在庫金額を、前記運送会社を選定するための画面である運送会社選定画面に表示する。
【0042】
出荷指示済未出荷取得部102bは、出荷指示データ106dから、受注済未出荷表示部102aで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記出荷状況区分が、出荷が完了していないことを示す区分である「未済」となっているものを取得する。
【0043】
出荷済未売上取得部102cは、出荷データ106eから、受注済未出荷表示部102aで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く在庫金額のうち、前記売上状況区分が、売上計上が完了していないことを示す区分である「未済」となっているものを取得する。
【0044】
与信残高算出部102dは、受注済未出荷表示部102aで前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と出荷済未売上取得部102cで取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する。つまり簡単にいうと、与信残高算出部102dは、受注分の在庫金額と出荷済未売上分の在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出する。
【0045】
与信残高算出部102dは、受注済未出荷表示部102aで前記運送会社選定画面に表示した在庫金額と出荷済未売上取得部102cで取得した在庫金額と出荷指示済未出荷取得部102bで取得した在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出してもよい。つまり簡単にいうと、与信残高算出部102dは、受注分の在庫金額と出荷済未売上分の在庫金額に加えて、出荷指示済未出荷分の在庫金額を足すことにより、前記運送会社に対する与信残高を算出してもよい。
【0046】
限度額・掛率取得部102eは、運送会社マスタ106bから、受注済未出荷表示部102aで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データと紐付く与信限度額および与信掛率の少なくとも一方を取得する。
【0047】
通知部102fは、与信残高算出部102dで算出した与信残高と、限度額・掛率取得部102eで取得した与信限度額または与信掛率と、に基づいて、エラーまたは警告を通知する。
【0048】
通知部102fは、与信残高算出部102dで算出した与信残高が、限度額・掛率取得部102eで取得した与信限度額を超えている場合、前記エラーを通知する。
【0049】
通知部102fは、限度額・掛率取得部102eで取得した与信限度額に対して与信残高算出部102dで算出した与信残高が占める割合である与信充足率が、限度額・掛率取得部102eで取得した与信掛率に達している場合、前記警告を通知する。
【0050】
なお、出荷指示済未出荷取得部102b、出荷済未売上取得部102cおよび限度額・掛率取得部102eは、受注済未出荷表示部102aで前記運送会社選定画面に表示した運送会社識別データが、前記警告または前記エラーを通知されたオペレータによって別の運送会社識別データに変更された場合、当該変更された後の運送会社識別データと紐付く情報を取得してもよい。
【0051】
[3.処理フロー]
本項目では、本実施形態に係る処理フローについて、図2を用いて説明する。
【0052】
まず、図2に示すように、基本情報マスタ106aおよび運送会社マスタ106bが登録される。運送会社マスタ106bにおいては、与信限度額および与信掛率が設定される。
【0053】
一方で、図2に示すように、受注入力により受注データ106cが登録され、配車検討入力により出荷指示データ106dが登録され、出荷入力により出荷データ106eが登録され、売上入力により売上データ106fが登録される。
【0054】
ここで、配車検討入力においては、与信チェックが行われる。与信チェックの際には、以下の留意点1~2が存在する。
1.図2において出荷データ106eから配車検討入力に伸びる矢印で示すように、与信チェックの際には少なくとも出荷データ106eが参照されるが、出荷データ106e中の売上済の在庫金額については与信チェックの対象外となる。
2.基本情報マスタ106a中の前記運送会社与信区分が「1:出荷指示済未出荷+出荷済未売上」の区分である場合には、図2において出荷指示データ106dから配車検討入力に伸びる矢印で示すように、与信チェックの際に出荷指示データ106dも参照される。
【0055】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。
【0056】
本項目では、運送会社マスタ106bは、図4に示す内容で予め登録されているものとする。また、本項目では、受注データ106c、出荷指示データ106d、出荷データ106eおよび売上データ106fは、図5示す内容で予め登録されているものとする。図5の例は、〇〇運輸について900,000円分の売上が既に計上されているという状況の例である。
【0057】
以下、〇〇運輸に対する配車検討でエラーが表示される場合、××運送に対する配車検討で警告が表示される場合、および、××運送に対する配車検討でエラーが表示される場合の3パターンに項目を分けて、処理を詳細に説明する。
【0058】
[4-1.〇〇運輸に対する配車検討でエラーが表示される場合]
図5に示すデータが予め存在しているという前提で、図6に示すように、新たな受注として、受注番号:JU003の受注を受けたとする。なお、新たな受注を受けた時点では、与信状況のチェックは行われない。
【0059】
担当者は、新たな受注を受けた後、運送会社選定画面において、出荷日を指定し、また、抽出対象として「未配車分」を指定する。
【0060】
「未配車分」が指定されると、受注済未出荷表示部102aは、図6の受注データ106cから、出荷指示状況が「未済」である、受注番号:JU003の受注明細を抽出する。そして、受注済未出荷表示部102aは、図7に示すように、当該抽出した受注番号:JU003の受注明細を運送会社選定画面に表示する。
【0061】
この状態で、図7の運送会社選定画面の画面下部の「F10:登録」が押下されると、以下のようにして、与信状況のチェックが行われる。
【0062】
まず、出荷済未売上取得部102cは、図5の出荷データ106eから、前記表示された受注番号:JU003の受注明細中の運送会社「〇〇運輸」と紐付く在庫金額のうち、売上状況が「未済」となっている700,000円を取得する。
【0063】
続けて、与信残高算出部102dは、前記表示された受注番号:JU003の受注明細中の〇〇運輸についての在庫金額400,000円と、出荷済未売上取得部102cで取得した〇〇運輸についての在庫金額700,000円と、を足すことにより、〇〇運輸に対する与信残高1,100,000円を算出する。在庫金額400,000円は、言い換えると、配車検討入力で入力した分の在庫金額であり、在庫金額700,000円は、言い換えると、出荷済未売上分の在庫金額である。
【0064】
一方で、限度額・掛率取得部102eは、図4の運送会社マスタ106bから、前記表示された受注番号:JU003の受注明細中の運送会社「〇〇運輸」と紐付く与信限度額1,000,000円および与信掛率90%を取得する。
【0065】
ここで、与信残高算出部102dで算出した〇〇運輸に対する与信残高1,100,000円は、限度額・掛率取得部102eで取得した〇〇運輸についての与信限度額1,000,000円を超えている。この場合、通知部102fは、図8に示すように、エラーを表示する。
【0066】
[4-2.××運送に対する配車検討で警告が表示される場合]
[4-1]で説明したようにエラーが表示されると、担当者は、呼び出した運送会社を別の運送会社に変更して与信状況のチェックを行うことができる。
【0067】
具体的には、運送会社選定画面中の「運送会社」の右横の空欄に変更後の運送会社を入力し、かつ、変更対象としたい受注明細について受注明細の左側の四角枠内にチェックを入れた状態で、「一括変更」のボタンが押下されると、以下のようにして、変更後の運送会社についての与信状況のチェックが行われる。本例では、図9に示すように、「1:〇〇運輸」が「2:××運送」に変更された上で、「一括変更」のボタンが押下されるものとする。
【0068】
「一括変更」のボタンが押下されると、受注済未出荷表示部102aは、[4-1]で表示されていた受注番号:JU003の受注明細中の運送会社「〇〇運輸」を、図9に示すように、「××運送」へと変更する。そして、受注済未出荷表示部102aは、図9に示すように、当該変更後の運送会社「××運送」を含む、受注番号:JU003の受注明細を運送会社選定画面に表示する。
【0069】
ここで、図5に示す出荷指示データ106dおよび出荷データ106eには、××運送の情報は含まれないため、××運送については、出荷指示済未出荷分の在庫金額および出荷済未売上分の在庫金額は存在しない。
【0070】
このため、与信残高算出部102dは、前記表示された受注番号:JU003の受注明細中の××運送についての在庫金額400,000円を、そのまま、××運送に対する与信残高とする。在庫金額400,000円は、言い換えると、配車検討入力で入力した分の在庫金額である。
【0071】
一方で、限度額・掛率取得部102eは、図4の運送会社マスタ106bから、前記表示された受注番号:JU003の受注明細中の運送会社「××運送」と紐付く与信限度額500,000円および与信掛率80%を取得する。
【0072】
ここで、限度額・掛率取得部102eで取得した××運送についての与信限度額500,000円に対して与信残高算出部102dで算出した××運送に対する与信残高400,000円が占める割合は、80%であるため、××運送についての与信充足率は80%となる。
【0073】
××運送についての与信充足率80%は、限度額・掛率取得部102eで取得した××運送についての与信掛率80%に達している。この場合、通知部102fは、図10に示すように、警告を表示する。
【0074】
警告の場合は、エラーの場合と異なり、警告の画面中の「OK」を押下げすることで、処理を続行することができる。本例においては、図10の警告の画面中の「OK」が押下されるものとする。この場合、受注データ106cおよび出荷指示データ106dは、図5に示す状態から図11に示す状態に更新される。
【0075】
[4-3.××運送に対する配車検討でエラーが表示される場合]
[4-2]で説明した処理に続けて、図12に示すように、新たな受注として、受注番号:JU004の受注を受けたとする。
【0076】
担当者は、新たな受注を受けた後、運送会社選定画面において、出荷日を指定し、また、抽出対象として「未配車分」を指定する。
【0077】
「未配車分」が指定されると、受注済未出荷表示部102aは、図12の受注データ106cから、出荷指示状況が「未済」である、受注番号:JU004の受注明細を抽出する。そして、受注済未出荷表示部102aは、図13に示すように、当該抽出した受注番号:JU004の受注明細を運送会社選定画面に表示する。
【0078】
この状態で、図13の運送会社選定画面の画面下部の「F10:登録」が押下されると、以下のようにして、与信状況のチェックが行われる。
【0079】
まず、出荷指示済未出荷取得部102bは、図11の出荷指示データ106dから、前記表示された受注番号:JU004の受注明細中の運送会社「××運送」と紐付く在庫金額のうち、出荷状況が「未済」となっている400,000円を取得する。
【0080】
続けて、与信残高算出部102dは、前記表示された受注番号:JU004の受注明細中の××運送についての在庫金額200,000円と、出荷指示済未出荷取得部102bで取得した××運送についての在庫金額400,000円と、を足すことにより、××運送に対する与信残高600,000円を算出する。在庫金額200,000円は、言い換えると、配車検討入力で入力した分の在庫金額であり、在庫金額400,000円は、言い換えると、出荷指示済未出荷分の在庫金額である。
【0081】
一方で、限度額・掛率取得部102eは、図4の運送会社マスタ106bから、前記表示された受注番号:JU004の受注明細中の運送会社「××運送」と紐付く与信限度額500,000円および与信掛率80%を取得する。
【0082】
ここで、与信残高算出部102dで算出した××運送に対する与信残高600,000円は、限度額・掛率取得部102eで取得した××運送についての与信限度額500,000円を超えている。この場合、通知部102fは、図14に示すように、エラーを表示する。
【0083】
[5.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る与信状況チェック装置100によれば、運送会社を選定する際に、運送会社に対する与信状況のチェックを行うことができる。具体的には、運送会社選定画面において配車検討入力により運送会社を選定する際に、与信残高が与信限度額を超えている場合はエラーを通知し、与信限度額に対して与信残高が占める割合である与信充足率が与信掛率に達している場合は警告を通知することができる。
【0084】
これにより、例えば、運送会社に対する与信状況を踏まえた上で配車検討を行うことができるようになる。また、例えば、運送会社が在庫を持ち逃げした場合の損失を軽減することができる。
【0085】
[6.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0088】
[7.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0089】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0090】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0091】
また、与信状況チェック装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0092】
例えば、与信状況チェック装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて与信状況チェック装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0093】
また、このコンピュータプログラムは、与信状況チェック装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0094】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0095】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0096】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0097】
また、与信状況チェック装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、与信状況チェック装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0098】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、例えば、在庫の運送を運送会社に依頼するあらゆる業界および業種において有用であるが、特に、鉄鋼業界においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0100】
100 与信状況チェック装置
102 制御部
102a 受注済未出荷表示部
102b 出荷指示済未出荷取得部
102c 出荷済未売上取得部
102d 与信残高算出部
102e 限度額・掛率取得部
102f 通知部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 基本情報マスタ
106b 運送会社マスタ
106c 受注データ
106d 出荷指示データ
106e 出荷データ
106f 売上データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14