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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012842
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】接続ナット
(51)【国際特許分類】
   A47K 4/00 20060101AFI20230119BHJP
   F16B 37/00 20060101ALI20230119BHJP
   F16L 19/02 20060101ALI20230119BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20230119BHJP
   B05B 15/65 20180101ALI20230119BHJP
【FI】
A47K4/00
F16B37/00 A
F16B37/00 C
F16L19/02
B05B1/18 101
B05B15/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116559
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】国枝 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 喜好
【テーマコード(参考)】
2D132
3H014
4D073
4F033
【Fターム(参考)】
2D132GA00
3H014CA01
4D073AA10
4D073BB03
4D073CB07
4F033AA11
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033LA12
(57)【要約】
【課題】シャワーヘッドの雄ネジと、接続ナットの雌ネジとが、互いのネジ山がずれた状態で螺合することを抑制する。
【解決手段】接続ナット20は、ホースとシャワーヘッドとを接続する。軸方向の一端側にホースに固定される固定部を有するとともに、軸方向の他端側にシャワーヘッドに接続される接続部を有する。接続部は、シャワーヘッドが有する雄ネジに螺合する雌ネジ25を有しており、雌ネジ25におけるネジ山の開始点には、雄ネジと雌ネジ25とが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、雄ネジのネジ山が当接する当接部を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースとシャワーヘッドとを接続する接続ナットであって、
軸方向の一端側に前記ホースに固定される固定部を有するとともに、軸方向の他端側に前記シャワーヘッドに接続される接続部を有し、
前記接続部は、前記シャワーヘッドが有する雄ネジに螺合する雌ネジを有しており、
前記雌ネジにおけるネジ山の開始点には、前記雄ネジと前記雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、前記雄ネジのネジ山が当接する当接部を有していることを特徴とする接続ナット。
【請求項2】
前記当接部は、前記雌ネジにおけるネジ山の端面である請求項1に記載の接続ナット。
【請求項3】
前記接続ナットの内周面に対する前記端面の傾斜角度が、60度以上90度以下である請求項2に記載の接続ナット。
【請求項4】
前記雌ネジは金属製である請求項1~3のいずれか一項に記載の接続ナット。
【請求項5】
前記雌ネジは、前記シャワーヘッドの雄ネジよりも硬い材料で構成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の接続ナット。
【請求項6】
前記シャワーヘッドの雄ネジにおけるネジ山の開始点は、端面を有し、
前記雄ネジと前記雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、前記雌ネジのネジ山は、前記雄ネジの端面に当接する請求項1~5のいずれか一項に記載の接続ナット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続ナットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シャワーヘッドについて記載している。
シャワーヘッドは、ホース接続具としての接続ナットを有している。
図6に示すように、接続ナット70は、軸方向の一端側にホース(図示省略)が固定される。また、軸方向の他端側の内周面に雌ネジ71を有している。
【0003】
図7、8に示すように、接続ナット70とシャワーヘッド(図示省略)を接続する際には、接続ナット70の雌ネジ71と、シャワーヘッドが有する雄ネジ15とを、互いの軸方向が平行な状態で近づける。そして、接続ナット70の雌ネジ71と、シャワーヘッドの雄ネジ15とを螺合させることにより、接続ナット70とシャワーヘッドは接続される。これにより、シャワーヘッドとホースは接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-15431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図6に示すように、接続ナット70の雌ネジ71は、点Pにおいて、接続ナット70の内周面からネジ山が徐々に高くなるように形成されている。以下、接続ナット70の内周面からネジ山が徐々に高くなる箇所を不完全ネジ72というものとする。図6において破線で囲まれた領域が不完全ネジ72を意味する。不完全ネジ72を雌ネジ71の開始点とする。
【0006】
図9に示すように、接続ナット70の雌ネジ71と、シャワーヘッドの雄ネジ15とが、互いの軸方向が交差した状態で螺合されると、矢印Tで示した箇所において、不完全ネジ72のネジ山を雄ネジ15のネジ山が乗り越えやすい。これにより、雄ネジ15のネジ山が雌ネジ71の不完全ネジ72を乗り越えて、互いのネジ山がずれた状態で螺合する虞があった。
【0007】
なお、図7~9において、ドット表示した箇所が、雄ネジ15のネジ山と、雌ネジ71のネジ山とを意味する。主に雄ネジ15と雌ネジ71のネジ山のみを示し、それ以外の箇所を省略した展開図を示している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための接続ナットは、ホースとシャワーヘッドとを接続する接続ナットであって、軸方向の一端側に前記ホースに固定される固定部を有するとともに、軸方向の他端側に前記シャワーヘッドに接続される接続部を有し、前記接続部は、前記シャワーヘッドが有する雄ネジに螺合する雌ネジを有しており、前記雌ネジにおけるネジ山の開始点には、前記雄ネジと前記雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、前記雄ネジのネジ山が当接する当接部を有していることを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、雄ネジと雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、雄ネジのネジ山が当接部に当接することによって、それ以上進むことが抑制される。これにより、シャワーヘッドの雄ネジと接続ナットの雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合することを抑制することができる。
【0010】
上記接続ナットについて、前記当接部は、前記雌ネジにおけるネジ山の端面であることが好ましい。この構成によれば、雌ネジのネジ山の端面を有効に利用して、当接部を設けることができる。
【0011】
上記接続ナットについて、前記接続ナットの内周面に対する前記端面の傾斜角度が、60度以上90度以下であることが好ましい。この構成によれば、より確実に雄ネジのネジ山を当接させることができる。
【0012】
上記接続ナットについて、前記雌ネジは金属製であることが好ましい。この構成によれば、当接部の耐久性を向上させることができる。
上記接続ナットについて、前記雌ネジは、前記シャワーヘッドの雄ネジよりも硬い材料で構成されていることが好ましい。この構成によれば、雄ネジよりも当接部の耐久性を高くすることができる。
【0013】
上記接続ナットについて、前記シャワーヘッドの雄ネジにおけるネジ山の開始点は、端面を有し、前記雄ネジと前記雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、前記雌ネジのネジ山は、前記雄ネジの端面に当接することが好ましい。この構成によれば、雄ネジのネジ山が雌ネジの当接部に当接することに加えて、雌ネジのネジ山が雄ネジの端面に当接することによっても、それ以上進むことが抑制される。そのため、シャワーヘッドの雄ネジと接続ナットの雌ネジとが互いのネジ山がずれた状態で螺合することをより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の接続ナットによれば、シャワーヘッドの雄ネジと、接続ナットの雌ネジとが、互いのネジ山がずれた状態で螺合することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】シャワーヘッドユニットの斜視図である。
図2】シャワーヘッドユニットの分解斜視図である。
図3】シャワーヘッドユニットの部分断面図である。
図4】接続ナットを他端側から見た平面図である。
図5】接続ナットの雌ネジの斜視図である。
図6】従来技術の接続ナットの雌ネジの斜視図である。
図7】従来技術の接続ナットの雌ネジとシャワーヘッドの雄ネジを示す展開図である。
図8】従来技術の接続ナットの雌ネジとシャワーヘッドの雄ネジとが螺合した状態を示す展開図である。
図9】従来技術の接続ナットの雌ネジとシャワーヘッドの雄ネジとが、ネジ山がずれた状態で螺合した際の展開図である。
図10】変更例の接続ナットにおける雌ネジの展開図である。
図11】本発明の接続ナットの雌ネジとシャワーヘッドの雄ネジとが、ネジ山がずれた状態で螺合しようとした際の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
接続ナットの実施形態を説明する。
図1、2に示すように、シャワーヘッドユニット10は、シャワーヘッド11と、ホース16と、接続ナット20とを有する。また、シャワーヘッドユニット10は、口金30と、圧入リング40と、リップシール50と、オーリング60とを有する。
【0017】
接続ナット20の軸方向の一端側がホース16に固定されるとともに、接続ナット20の軸方向の他端側がシャワーヘッド11に接続されることによって、シャワーヘッド11とホース16は接続される。
【0018】
ホース16における接続ナット20側の端部とは反対側の端部が、図示を省略した水栓に接続されている。シャワーヘッドユニット10は、水栓からの吐水によって、シャワーヘッド11からシャワー吐水を行うことができるように構成されている。
【0019】
シャワーヘッドユニット10の構成部材について説明する。
<シャワーヘッド11について>
図2に示すように、シャワーヘッド11は、筒状の把持部12と、把持部12の先端部に円板状の吐水部13とを有している。シャワーヘッド11は、把持部12の内部に挿入固定された通水管14を有している。通水管14の一部は、把持部12の基端部から突出している。通水管14は、把持部12の基端部から突出した箇所の外周面に、雄ネジ15を有している。
【0020】
<接続ナット20について>
図3に示すように、接続ナット20は、軸方向の一端側の端部にホース16が挿入される開口部20aを有する。開口部20aよりも軸方向の他端側の内周に、開口部20aの内径よりも径が大きい第1拡径部21を有する。第1拡径部21よりも軸方向の他端側に、第1拡径部21よりも径が大きい第2拡径部22を有する。第2拡径部22よりも軸方向の他端側に、第2拡径部22よりも径が大きい第3拡径部23を有する。第3拡径部23には、オーリング60が係合する係合溝24と、係合溝24よりも他端側に雌ネジ25とを有する。
【0021】
開口部20a、第1拡径部21、第2拡径部22、及び第3拡径部23において、それぞれの境界には、径方向に沿って延びる段差部21a、22a、23aを有している。
図2に示すように、雌ネジ25におけるネジ山の開始点Pには、シャワーヘッド11の雄ネジ15のネジ山と互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、雄ネジ15のネジ山が当接する当接部としての端面Sを有する。当接部については、後述する。
【0022】
接続ナット20の材質は特に制限されない。接続ナット20は、金属製や樹脂製であってもよいが、金属製であると耐久性が向上するため好ましい。言い換えれば、雌ネジ25は金属製であることが好ましい。
【0023】
また、一般に、上記シャワーヘッド11の通水管14は樹脂製であり、雄ネジ15も樹脂製であることが多い。そのため、雌ネジ25が金属製であると、雄ネジ15に対する耐久性を向上させることができる。
【0024】
また、雌ネジ25は、上記シャワーヘッド11の雄ネジ15よりも硬い材料で構成されていることが好ましい。雌ネジ25と雄ネジ15とが共に樹脂製である場合、例えばロックウェル硬さによって両者の硬さを比較することができる。また、雌ネジ25と雄ネジ15とが共に金属製である場合、例えばビッカース硬さによって両者の硬さを比較することができる。
【0025】
<口金30について>
図2に示すように、口金30は、円筒状に構成されている。軸方向における中央部よりも一端側の2箇所に、全周に亘って径方向外側に突出した鍵状の突起30aを有する。
【0026】
口金30は、軸方向の中央部に、全周に亘って径方向外側に突出した第1フランジ部31を有する。また、軸方向の他端側の端部に、全周に亘って径方向外側に突出した第2フランジ部32を有する。第1フランジ部31と第2フランジ部32の外径は、接続ナット20の第1拡径部21よりも大きく、第2拡径部22よりも小さく構成されている。
【0027】
<圧入リング40、リップシール50、オーリング60について>
図2、3に示すように、圧入リング40は、円筒状に構成されている。リップシール50は環状に構成されており、断面形状がV字状に構成されている。オーリング60は環状に構成されている。
【0028】
<シャワーヘッドユニット10の構成部材の組付機構について>
図2、3に示すように、まず、接続ナット20の一端側の開口部20aから、ホース16の他端側を挿入し、接続ナット20の他端側からホース16の他端側を突出させる。この状態で、ホース16の他端側の外周に圧入リング40を挿通する。圧入リング40は、ホース16の他端側の端部よりも一端側に寄せておく。
【0029】
次に、ホース16の他端側の内周に、口金30の一端側を挿入する。口金30の一端側を挿入することにより、ホース16の他端側の外周が若干大きくなる。この状態で、圧入リング40をホース16の他端側の端部に移動させて、ホース16の他端側の端部が、圧入リング40の内周と口金30の鍵状の突起30aとで挟み込まれた状態とする。口金30の鍵状の突起30aがホース16の内周面に食い込むことにより、口金30はホース16に対して抜け止めされた状態となる。
【0030】
口金30の第1フランジ部31と第2フランジ部32の間にリップシール50を配置する。その後、ホース16を、接続ナット20の一端側に向かって移動させる。
図3に示すように、圧入リング40が接続ナット20の第1拡径部21に挿入される。また、口金30の第1フランジ部31と第2フランジ部32が、接続ナット20の第2拡径部22に挿入される。圧入リング40の一端側の端部が、段差部21aに当接することにより、それ以上、ホース16は接続ナット20の一端側へ移動せずに固定された状態となる。そのため、接続ナット20における段差部21aが形成された一端側は、ホース16に固定される固定部として機能する。
【0031】
さらに、接続ナット20の他端側から、接続ナット20における第3拡径部23の係合溝24にオーリング60を係合させる。係合溝24に係合した状態で、オーリング60の内径は、口金30の第2フランジ部32の外径よりも若干小さい。また、圧入リング40が段差部21aに当接した状態で、接続ナット20の軸方向において、オーリング60と口金30の第2フランジ部32との間にはクリアランスが設けられている。そのため、ホース16が接続ナット20の他端側に移動しようとすると、口金30の第2フランジ部32がオーリング60に当接することによって、それ以上の移動が規制される。なお、接続ナット20は、ホース16に対して回転自在となっている。
【0032】
接続ナット20の雌ネジ25に、シャワーヘッド11の雄ネジ15を螺合させて、接続ナット20とシャワーヘッド11とを接続させる。そのため、接続ナット20における雌ネジ25が形成された他端側は、シャワーヘッドに接続される接続部として機能する。
【0033】
以上の手順により、シャワーヘッドユニット10の各構成部材は組み付けられる。各構成部材の組み付け手順は上記手順に限定されず、適宜順番を入れ替えて組み付けを行ってもよい。
【0034】
図3に示すように、接続ナット20とシャワーヘッド11とが接続された状態において、接続ナット20と通水管14との間は、オーリング60でシールされる。また、接続ナット20と口金30との間は、リップシール50でシールされる。また、口金30とホース16との間は、圧縮されたホース16の弾性性能によりシールされる。
【0035】
<当接部について>
図4、5に示すように、雌ネジ25のネジ山の開始点P、言い換えれば、雌ネジ25において、接続ナット20の最も他端側に位置するネジ山には、端面Sが形成されている。この端面Sは、接続ナット20の内周面20bに対する傾斜角度αが、60度以上90度以下となるような平坦面で構成されている。この端面Sは、接続ナット20の軸方向に沿って延びている。
【0036】
具体的には、雌ネジ25の開始点Pにおいて、接続ナット20の内周面20bに接し、且つ接続ナット20の軸方向に直交する方向に延びる接線Lを引く。また、開始点Pから端面Sに沿って、且つ接続ナット20の軸方向に直交する方向に延びる線Mを引く。すると、接線Lに対する線Mの傾斜角度αが、60度以上90度以下になっている。
【0037】
傾斜角度αが60度以上であることにより、より確実に雄ネジ15のネジ山を当接させることができる。また、傾斜角度αが90度以下であることにより、端面Sを形成することが容易になる。
【0038】
本実施形態の作用について説明する。
図9に示すように、まず、雌ネジ71が不完全ネジ72を有する場合を説明する。接続ナット70の雌ネジ71と、シャワーヘッドの雄ネジ15とが、互いの軸方向が交差した状態で螺合しようとすると、不完全ネジ72はネジ山の高さが相対的に低いため、矢印Tで示した箇所において、雄ネジ15のネジ山が乗り越えやすい。さらに、雄ネジ15のネジ山にも不完全ネジ17を有する場合、矢印Uで示した箇所において、雌ネジ71のネジ山が不完全ネジ17のネジ山を乗り越えやすい。
【0039】
これに対し、図11に示すように、雌ネジ25が当接部としての端面Sを有する場合を説明する。接続ナット20の雌ネジ25と、シャワーヘッドの雄ネジ15とが、互いの軸方向が交差した状態で螺合しようとすると、雄ネジ15のネジ山が雌ネジ25の端面Sに当接することによって、それ以上進むことが抑制される。これにより、雄ネジ15のネジ山が、雌ネジ25のネジ山を乗り越えて螺合することが抑制される。
【0040】
本実施形態の効果について説明する。
(1)雄ネジ15と雌ネジ25とが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、雄ネジ15のネジ山が雌ネジ25の端面Sに当接することによって、それ以上進むことが抑制される。したがって、シャワーヘッド11の雄ネジ15と接続ナット20の雌ネジ25とが互いのネジ山がずれた状態で螺合することを抑制することができる。
【0041】
また、雌ネジ25の端面Sを当接部とすることにより、当接部を形成することが容易になる。
(2)接続ナット20の内周面20bに対する端面Sの傾斜角度が、60度以上90度以下である。したがって、より確実に雄ネジ15のネジ山を当接させることができる。また、端面Sを形成することが容易になる。
【0042】
(3)雌ネジ25は金属製である。したがって、端面Sの耐久性を向上させることができる。
(4)雌ネジ25は、シャワーヘッド11の雄ネジ15よりも硬い材料で構成されている。したがって、雄ネジ15よりも端面Sの耐久性を高くすることができる。
【0043】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態における、当接部としての端面Sの傾斜角度αは、60度以上90度以下に限定されない。端面Sの傾斜角度αは、本発明の効果が得られる範囲において適宜設定することができる。
【0044】
・本実施形態において、当接部は平坦な端面Sで構成されていたが、この態様に限定されない。端面Sは曲面を有していてもよい。端面Sが曲面を有する場合であっても、曲面の平均的な面から平坦面を想定した際に、その平坦面の傾斜角度αが、60度以上90度以下であることが好ましい。
【0045】
・本実施形態において、当接部としての端面Sは、接続ナット20の軸方向に沿って延びていたが、この態様に限定されない。端面Sは、接続ナット20の軸方向に対して交差する方向に延びていてもよい。交差する方向としては、例えば接続ナット20の軸方向に対して20度以内とすることが挙げられる。
【0046】
・当接部は、雌ネジ25におけるネジ山の端面Sである態様に限定されない。
図10に示すように、雌ネジ25の不完全ネジ26のネジ山に、接続ナット20径方向内側(図10の紙面手前側)に向かって突出する凸部26aを設け、この凸部26aを、雄ネジ15のネジ山が当接する当接部としてもよい。すなわち、不完全ネジ26に、部分的にネジ山が高くなった箇所を設け、これを当接部としてもよい。当接部は、不完全ネジ26のネジ山に設けられていてもよい。
【0047】
・本実施形態において、雄ネジ15は不完全ネジ17を有していたが、この態様に限定されない。雄ネジ15のネジ山の開始点も、雌ネジ25の開始点Pと同様に端面を有していてもよい。雄ネジ15と雌ネジ25とが互いのネジ山がずれた状態で螺合しようとした際に、雄ネジ15の端面も、雌ネジ25のネジ山に当接するように構成されていてもよい。シャワーヘッドユニット10の雄ネジ15と接続ナット20の雌ネジ25とが互いのネジ山がずれた状態で螺合することをより確実に抑制することができる。
【0048】
・本実施形態において、シャワーヘッドユニット10は、シャワーヘッド11と、ホース16と、接続ナット20と、口金30と、圧入リング40と、リップシール50と、オーリング60とを有していたが、この態様に限定されない。シャワーヘッドユニット10は、上記のうちホース16を除いた部材で構成されていてもよい。すなわち、シャワーヘッドユニット10は、ホース16を含まなくてもよい。
【符号の説明】
【0049】
11…シャワーヘッド、15…雄ネジ、16…ホース、20…接続ナット、25…雌ネジ(接続部)、P…開始点、S…端面(当接部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11