(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128440
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】水路カバー及びそれを用いた水路カバー装置
(51)【国際特許分類】
E02B 5/00 20060101AFI20230907BHJP
E03F 5/04 20060101ALI20230907BHJP
E02B 13/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
E02B5/00 Z
E03F5/04 F
E02B13/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032785
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】香月 康彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄一
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CB06
2D063CB12
(57)【要約】
【課題】水路を覆うパネル材の開放操作及び管理が容易である水路カバー及びそれを用いた水路カバー装置を提供する。
【解決手段】水路Wの上部開口を覆う水路カバー100であって、水路Wに間隔をあけて架設された左右の支持部材10と、両支持部材10に前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材10に向けて突設された軸部材20と、支持部材10間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材30と、を備え、支持部材10はパネル材30とは反対側に天板部41と側板部42とを有するスペーサ40が配置され、軸部材20はスペーサ40の側板部42から支持部材10を貫通するボルト部材51に締結され、パネル材30は前後両端部に胴縁33を備え、前後の胴縁33は軸部材20にそれぞれ嵌合されるように構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路の上部開口を覆う水路カバーであって、
前記水路に間隔をあけて架設された左右一対の支持部材と、
前記両支持部材に前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材に向けて突設された軸部材と、
前記支持部材間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材と、を備え、
前記支持部材は、前記パネル材とは反対側に天板部と側板部とを有するスペーサが配置され、
前記軸部材は、前記スペーサの側板部から支持部材を貫通するボルト部材に締結され、
前記パネル材は、前後両端部に胴縁を備え、
前記前後の胴縁は、前記軸部材にそれぞれ嵌合されている
ことを特徴とする水路カバー。
【請求項2】
水路の上部開口を覆う水路カバーであって、
前記水路に間隔をあけて架設された左右一対の支持部材と、
前記支持部材間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材と、を備え、
前記支持部材は、前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材に向けて突設された軸部材及び補助軸部材を備え、
前記支持部材は、パネル材とは反対側に天板部と側板部とを有するスペーサが配置され、
前記軸部材は、前記スペーサの側板部から支持部材を貫通するボルト部材によって該支持部材に締結され、
前記パネル材は、前後に間隔をあけて配置された胴縁を備え、
前記前後の胴縁は、前記軸部材及び補助軸部材に嵌合されている
ことを特徴とする水路カバー。
【請求項3】
前記支持部材は、前後に前記軸部材が取付けられ、前記軸部材の間に2個の前記補助軸部材が取付けられ、前記支持部材の前側の軸部材及び補助軸部材に一の前記パネル材の前後の前記胴縁が嵌合され、前記支持部材の後側の軸部材及び補助軸部材に他の前記パネル材の前記胴縁がそれぞれ嵌合されている
ことを特徴とする請求項2に記載の水路カバー。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の水路カバーが左右に連設されていることを特徴とする水路カバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用水路や側溝等の水路をパネル材で被覆する水路カバー及びそれを用いた水路カバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路と並設された水路には、道路を走行する自転車や、道路を通行する通行人が誤って水路に転落しないような措置、又は、子供が水路内で遊ばないようにする装置が施されている。例えば、水路の幅が比較的狭くて浅い側溝は、コンクリート製の蓋やグレーチングで被覆されていることが多い。また、水路の幅が比較的広い場合は、道路と水路の境界に防護柵が設置されたり、水路をネットやパネル材で被覆されたりしていることが多い。
【0003】
ネットやパネル材等のカバー材で被覆する場合は、通行人や子供の水路内への侵入防止には効果的であるが、管理者等が水路内に入る必要があるときは、所定の箇所のみカバー材を外すことが困難であり、カバー材が被覆されていない上流側、又は下流側から水路内に入る必要があった。
【0004】
例えば、特許文献1には、道路の側部に設けられた側溝の上部開放部を被覆するための側溝用被覆材であって、被覆材本体としてメッシュ面状体を使用しているとともに、被覆材本体は、上記側溝の上部開放部を被覆した状態において側溝長さ方向から見て上面側が凸型となるアーチ状又は山形状に成形されており、メッシュ面状体の一端がヒンジにより回動可能に固定されている側溝用被覆材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記側溝用被覆材によれば、管理者が水路内に入る場合は、所定の場所のメッシュ面状体を操作して水路の上部解放部から中に入ることができるが、管理者以外でもメッシュ面状体を操作して水路内に入ることができる。例えば、ヒンジと反対側を錠で固定すれば簡単には外されないが、解錠するための鍵の管理や錠のメンテナンス等が煩雑であった。
【0007】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、水路を覆うパネル材の開放操作及び管理が容易である水路カバー及びそれを用いた水路カバー装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係る水路カバーは、水路の上部開口を覆う水路カバーであって、前記水路Wに間隔をあけて架設された左右一対の支持部材と、前記両支持部材に前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材に向けて突設された軸部材と、前記支持部材間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材と、を備え、前記支持部材は、前記パネル材とは反対側に天板部と側板部とを有するスペーサが配置され、前記軸部材は、前記スペーサの側板部から支持部材を貫通するボルト部材に締結され、前記パネル材は、前後両端部に胴縁を備え、前記前後の胴縁は、前記軸部材にそれぞれ嵌合されていることを特徴とするとするものである。
【0009】
また、本発明に係る水路カバーは、水路の上部開口を覆う水路カバーであって、前記水路に間隔をあけて架設された左右一対の支持部材と、前記支持部材間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材と、を備え、前記支持部材は、前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材に向けて突設された軸部材及び補助軸部材を備え、前記支持部材は、パネル材とは反対側に天板部と側板部とを有するスペーサが配置され、前記軸部材は、前記スペーサの側板部から支持部材を貫通するボルト部材によって該支持部材に締結され、前記パネル材は、前後に間隔をあけて配置された胴縁を備え、前記前後の胴縁は、前記軸部材及び補助軸部材に嵌合されていることを特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明に係る水路カバー装置は、前記水路カバーが左右に連設されていることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明に係る水路カバーにおいて、支持部材は、前後に前記軸部材が取付けられ、前記軸部材の間に2個の前記補助軸部材が取付けられ、前記支持部材の前側の軸部材及び補助軸部材に一の前記パネル材の前後の前記胴縁が嵌合され、前記支持部材の後側の軸部材及び補助軸部材に他の前記パネル材の前記胴縁がそれぞれ嵌合されているものでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る水路カバーによれば、管理者は、外観上は見えにくい位置にあるボルト材を外してパネル材を起こせば、その位置の上部開口から水路内に入ることが容易になされる。
【0013】
また本発明に係る水路カバー装置によれば、水路の必要な箇所に必要な長さに応じて水路カバー装置を設置し、任意のパネル材を開閉し、又は、取り外しすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る水路カバーの実施の一形態を示す平面図である。
【
図9】本発明に係る水路カバー装置において実施の一形態を示す平面図である。
【
図11】本発明に係る水路カバーの第二の実施形態を示す平面図である。
【
図14】
図11の水路カバーを用いた水路カバー装置の実施の一形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0016】
図面において、10は支持部材、20は支持部材10に取付けられた軸部材、30は支持部材10間に配置されたパネル材、40は支持部材10に対してパネル材30の反対側に配置されたスペーサである。
【0017】
図1は本発明に係る水路カバーの実施の一形態を示す平面図、
図2は
図1の正面図、
図3は
図1のA-A線拡大断面図、
図4は
図1の支持部材10付近の拡大図、
図5は
図4のB-B線拡大端面図、
図6は
図4のC-C線拡大端面図、
図7は
図4のD-D線拡大断面図、
図8は
図2のE-E線拡大断面図である。支持部材10は、水路Wの流れ方向に間隔をあけて左右一対で配置され、
図3に示すように、水路Wの側壁S、S間に架設される底板部11と底板部11から上方に立設する縦板部12とを有している。なお、水路カバー100の左右方向とは水路Wの長さ方向であり、前後方向とは水路Wの幅方向であって一方の側壁Sから他方の側壁Sに向かう方向であり、上下方向とは水路Wの深さ方向であって、以後このように説明する。
【0018】
左右の支持部材10間には、連結材13が架設されている。連結材13は、
図1、
図3に示すように、本形態では断面矩形状の角パイプ材であって、長手方向の一端が一方の支持部材10の底板部11に固定され、他端が他方の支持部材10の底板部11に固定されている。本形態では、前後方向に間隔をあけて2個取付けられている。これにより、左右の支持部材10、10が連結材13を介して連結される。本形態では、更に、支持部材10、10間の左右方向中間部に前後方向に配置されて、側壁S、S間に架設されるとともに、2個の連結材13、13に固定された中間材14を有している。
【0019】
底板部11は、位置調整部材15が前後に間隔をあけて2個取付けられている。位置調整部材15は、
図3、
図6に示すように、底板部11の上面に固定され、一端側が水路Wの底面に向けて延設された延設部15aを有しており、水路Wの幅寸法に合わせて延設部15aが側壁Sに当接、又は、近接する位置に取付可能であって、これにより水路Wの幅によらず支持部材10の前後方向の移動を規制することができる。
【0020】
支持部材10は、他方の支持部材10に向けて突設する軸部材20を有している。軸部材20は、
図3、
図7に示すように、円筒状であって開口方向が左右方向となるように、かつ、前後方向に間隔をあけて2個配置されている。
【0021】
パネル材30は、左右一対の支持部材10、10間に配置されて、水路Wの上部開口を覆って通行人や子供といった通行人が水路W内へ容易に侵入できないようにするものである。パネル材30は、本形態では、縦線材31と横線材32とが格子状に配置されたメッシュパネルであって、前述の侵入防止の効果に加えて、水路Wの外から水路W内を視認できる。
【0022】
パネル材30は、前後方向両端部に胴縁33、33を有している。胴縁33は、円筒状であって中空部34が左右方向に沿って形成されている。本形態では、
図7に示すように、縦線材31の前後両端部を円弧状に折り曲げて胴縁33を形成している。この胴縁33内に支持部材10の軸部材20が挿入されている。
【0023】
これにより、パネル材30は、水路Wの開口上部に固定された状態となり、通行人は容易には水路W内に入れなくなる。
【0024】
支持部材10において、パネル材30と反対側にはスペーサ40が配置されている。スペーサ40は、
図1、
図5に示すように、前後方向に形成された天板部41と、天板部41の左右両端から垂下された側板部42とを備えた断面倒コ字状に形成されており、側壁S、S間に架設されている。
【0025】
次に、支持部材10及び軸部材20の関係について説明する。
図4に示すように、支持部材10と軸部材20とはボルト部材51を介して締結されている。本形態では、軸部材20は有底であって、底部21は、厚さ方向である左右方向に貫通する雌ねじ部21aを有しており、支持部材10の縦板部12は、雌ねじ部21aに対応する位置に貫通孔12aを有している。
【0026】
パネル材30の胴縁33内には軸部材20が挿入されているので、例えば、前側の軸部材20を締結しているボルト部材51を外せば、軸部材20が支持部材10の縦板部12から外れて前側の胴縁33の固定状態が解除され、
図3中の矢印に示すように、後側の軸部材20を軸としてパネル材30が回動可能となる。これにより、管理者は、パネル材30の前側を持ち上げることで開いた水路Wの上部開口から水路W内に入ることができる。
【0027】
ボルト部材51の頭部53は、スペーサ40の左右の側板部42間に配置される。スペーサ40の側板部42は、
図8に示すように、雌ねじ部21aに対応する位置に下端から切り欠かれた切欠部42aを有している。スペーサ40の前後端部は開口しているので、その開口を通じて頭部53を治具で操作することが可能である。
【0028】
これにより、管理者は水路W内に入る必要がある場合や、パネル材30が破損して取り替えが必要な状態となった場合は、ボルト部材51を外してパネル材30を開閉し、又は、パネル材30を取り外すことができる。部外者である通行人からは、ボルト部材51の頭部53が視認しにくく、ボルト部材51を外すことは容易ではないため、通行人がパネル材30を開閉したり、取り外したりすることを防止することができる。なお、頭部53は、スペーサ40の天板部41に覆われた状態が好ましいが、そうするとボルト部材51の操作がしにくくなる。そこで、本形態では、平面視において、ボルト部材51の頭部53の一部が視認できるように、天板部41の前後端部を切り欠いている。
【0029】
図9は本発明に係る水路カバー装置において実施の一形態を示す平面図、
図10は
図9のF-F線拡大端面図である。水路Wには、左右の支持部材10間に固定されたパネル材30の間にスペーサ40が配置されてスペーサ40を共用した水路カバー100が左右に連設された水路カバー装置200が配置されている。具体的には、スペーサ40を挟んで隣合う支持部材10おいて、一方の支持部材10の縦板部12からスペーサ40の左右の側板部42、42を通って他方の支持部材10の縦板部12を貫通するボルト部材54と、ボルト部材54に螺合されるナット部材55によって、支持部材10、10同士を連結することができる。
【0030】
これにより、管理者は、水路Wの必要な箇所に必要な長さに応じて水路カバー装置200を設置して、通行人が水路W内に入ることを抑制することが可能となるとともに、水路カバー装置200の任意の場所のパネル材30を開閉し、又は、取り外しすることができる。
【0031】
水路カバー装置200を組立方法の一例としては、左右の支持部材10の間にパネル材30を取付けて水路Wに架設し、支持部材10の隣にスペーサ40を配置する。スペーサ40の側板部42は、
図8に示すように、切欠部42aを有しているので、軸部材20を固定するために縦板部12から側方に突出するボルト部材51の頭部53と干渉せずにスペーサ40を支持部材10と並べることができる。これにより、支持部材10、パネル材30及びスペーサ40を仮配置したあとに、前述のボルト部材54を用いた連結作業することができるので、施工性に優れたものとなる。
【0032】
以上のように、本実施形態の水路カバー100は、水路Wの上部開口を覆う水路カバー100であって、水路Wに間隔をあけて架設された左右一対の支持部材10と、両支持部材10に前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材10に向けて突設された軸部材20と、支持部材10間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材30と、を備え、支持部材10は、パネル材30とは反対側に天板部41と側板部42とを有するスペーサ40が配置され、軸部材20は、前記スペーサ40の側板部42から支持部材10を貫通するボルト部材51に固定され、パネル材30は、前後両端部に胴縁33を備え、前後の胴縁33は、軸部材20にそれぞれ嵌合されていることを特徴とするとするものである。
【0033】
これにより、管理者は、水路W内に入る必要がある場合や、パネル材30が破損して取り替えが必要な状態となった場合は、スペーサ40の前後方向の開口部からボルト部材51を操作して外して、パネル材30を開閉し、又は、パネル材30を取り外すことができる。また、通行人は、ボルト部材51が視認しにくいため、パネル材30を開けて水路W内に容易に侵入することを防止することができる。
【0034】
パネル材30の形態としては、図示しないが、例えば、透明樹脂板でもよいし、不透明板材に対して厚さ方向に貫通孔を多数あけた形態でもよい。要は、水路W内を視認可能であって、かつ、通行人等が水路W内に容易には入れないものであればよい。
【0035】
図11~
図13は本発明に係る水路カバーの第二の実施形態を示す説明図であって、
図11は平面図、
図12は
図11のG-G線拡大断面図、
図13は
図12の補助軸部材付近の拡大図である。本形態に係る水路カバー300は、
図1~
図10に示された水路カバー100と比べて、主にパネル材30の配置、支持部材10の形態が異なるものである。そのため、
図1~
図10に示された水路カバー100と異なる点を中心に説明し、それ以外で既に説明した内容と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0036】
左右の支持部材10は、それぞれの前後方向中間部から立設する補助支柱16と、補助支柱16の上端に前後方向に形成された縦板状の上板部17とを有しており、側面視略エ字状に形成されている。そして、上板部17は、前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の上板部17に向けて突設された補助軸部材60を備えている。なお、左右の上板部17間には連結材13が架設されている。
【0037】
支持部材10は、前後の軸部材20と、前後方向中間部の上方に2個の補助軸部材60とを有するものであって、支持部材10の前側の軸部材20及び補助軸部材60には一のパネル材30の前後2個の胴縁33、33が嵌合されており、支持部材10の後側の補助軸部材60及び軸部材20には他のパネル材30の前後2個の胴縁33、33が嵌合されており、2個のパネル材30は側面視山型に配置されている。
【0038】
これにより、管理者は、
図12中の矢印に示すように、前側の軸部材20を締結しているボルト部材51を外せば、前側の補助軸部材60を軸として一のパネル材30が回動可能となる。後側の他のパネル材30についても同様に回動可能となる。したがって、前後のパネル材30、30の一方のみを開閉することが可能となるので、
図1に示された水路カバー100と比べると、パネル材30の開閉操作の負荷が少なくなる。
【0039】
図14は水路カバー300を用いた水路カバー装置200の実施の一形態を示す平面図である。
図7に示された水路カバー100と同様に、水路Wに左右の支持部材10間に固定されたパネル材30の間にスペーサ40が配置されることによって、左右方向に水路カバー300が連設された水路カバー装置200を形成することができる。
【0040】
なお、
図13において、水路カバー300の一部を水路カバー100に置き換えて、水路カバー100、300を併用した水路カバー装置200としてもよい。
【0041】
以上のように、本実施形態の水路カバー300は、水路Wの上部開口を覆う水路カバー300であって、水路Wに間隔をあけて架設された左右一対の支持部材10と、支持部材10間に配置されて前記上部開口を覆うパネル材30と、を備え、支持部材10は、前後方向に間隔をあけて取付けられて他方の支持部材10に向けて突設された軸部材20及び補助軸部材60を備え、支持部材10は、パネル材30とは反対側に天板部41と側板部42とを有するスペーサ40が配置され、軸部材20は、スペーサ40の側板部42から支持部材10を貫通するボルト部材51によって該支持部材10に締結され、パネル材30は、前後に間隔をあけて配置された胴縁33を備え、前後の胴縁33は、前記軸部材20及び補助軸部材60に嵌合されていることを特徴とするものである。
【0042】
これにより、管理者は、水路W内に入る必要がある場合は、スペーサ40の前後方向の開口部からボルト部材51を外せば、軸部材20が支持部材10から外れるので、補助軸部材60を軸としてパネル材30を開閉することができる。一方、通行人は、スペーサ40の開口部内の視認が容易ではないため、ボルト部材51を外すことは容易ではなく、通行人が水路W内に容易に侵入することを防止することができる。
【0043】
また、本実施形態の水路カバー300は、支持部材10は、前後に軸部材20が取付けられ、軸部材20の間に2個の補助軸部材60が取付けられ、支持部材10の前側の軸部材20及び補助軸部材60に一のパネル材30の前後の胴縁33が嵌合され、支持部材10の後側の軸部材20及び補助軸部材60に他のパネル材30の胴縁33がそれぞれ嵌合されていることを特徴とするものである。
【0044】
これにより、前後のパネル材30、30の一方のみを開閉することが可能となるので、前後方向にわたってパネル材30を開閉する必要がなくなり、パネル材30の開閉操作の負荷が少なくなる。
【0045】
以上、本発明のフェンスについて、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 支持部材
11 底板部
12 縦板部
12a 貫通孔
13 連結材
14 中間材
15 位置調整部材
15a 延設部
16 補助支柱
17 上板部
20 軸部材
21 底部
21a 雌ねじ部
30 パネル材
31 縦線材
32 横線材
33 胴縁
34 中空部
40 スペーサ
41 天板部
42 側板部
42a 切欠部
51、54 ボルト部材
53 頭部
55 ナット部材
60 補助軸部材
100、300 水路カバー
200 水路カバー装置
S 側壁
W 水路