(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128522
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】電力変換システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20230907BHJP
B60L 7/14 20060101ALI20230907BHJP
B60L 9/18 20060101ALI20230907BHJP
B60L 58/25 20190101ALI20230907BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20230907BHJP
【FI】
H02J7/34 J
B60L7/14
B60L9/18 A
B60L58/25
B60L3/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032901
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】熊切 有希
(72)【発明者】
【氏名】結城 和明
(72)【発明者】
【氏名】恩田 昇治
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503DA07
5G503DA08
5G503EA05
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA05
5H125AC02
5H125BB09
5H125BC06
5H125BC19
5H125CB03
5H125CD09
5H125EE12
5H125EE23
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】回生電力の利用効率を向上させることができる電力変換システムを提供する。
【解決手段】本開示の電力変換システムは、電動機の駆動回路と、電動機の回生運転中に回生失効が発生しているか否かを検出する回生失効検出部と、第1の直流電力または第2の直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する第1の電力変換回路と、第1の電力変換回路の出力側と並列に自己の出力側が接続される第2の電力変換回路と、第2の電力変換回路の入力側に接続される蓄電池と、蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、第1の電力変換回路から一定の交流電圧が出力されるように制御する第1の制御部と、第2の電力変換回路に所定の充放電電力が入出力されるように制御することによって、蓄電池の充放電を制御する第2の制御部と、回生失効が発生しているか否かおよび蓄電池の電圧に基づいて、第2の制御部の動作を制御する統括制御部とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給される第1の直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動するとともに、前記電動機の回生電力を第2の直流電力に変換する駆動回路と、
前記電動機の回生運転中に回生失効が発生しているか否かを検出する回生失効検出部と、
前記第1の直流電力または前記第2の直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する第1の電力変換回路と、
前記第1の電力変換回路の出力側と並列に自己の出力側が接続される第2の電力変換回路と、
前記第2の電力変換回路の入力側に接続される蓄電池と、
前記蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、
前記第1の電力変換回路から一定の交流電圧が出力されるように制御する第1の制御部と、
前記第2の電力変換回路に所定の充放電電力が入出力されるように制御することによって、前記蓄電池の充放電を制御する第2の制御部と、
前記回生失効が発生しているか否かおよび前記蓄電池の電圧に基づいて、前記第2の制御部の動作を制御する統括制御部と
を備える、電力変換システム。
【請求項2】
前記電力変換システムは、
前記第2の電力変換回路を介して、前記電動機の回生電力を前記蓄電池に充電する回生吸収モードと、
前記第2の電力変換回路を介して、前記蓄電池に蓄えられている電力を前記負荷に供給するアシスト放電モードと、
前記蓄電池の充電および放電のいずれも行わない待機モードと
を有し、
前記統括制御部は、前記回生失効が発生しているか否かおよび前記蓄電池の電圧に基づいて、前記回生吸収モード、前記アシスト放電モードまたは前記待機モードのいずれかを選択する、請求項1に記載の電力変換システム。
【請求項3】
前記統括制御部は、
前記回生失効が発生しており、かつ前記蓄電池の電圧が第1の電圧閾値未満である場合には、前記回生吸収モードを選択し、
前記回生失効が発生しておらず、かつ前記蓄電池の電圧が前記第1の電圧閾値よりも小さい第2の電圧閾値以上である場合には、前記アシスト放電モードを選択し、
前記回生失効が発生しており、かつ前記蓄電池の電圧が前記第1の電圧閾値以上である場合、または、前記回生失効が発生しておらず、かつ前記蓄電池の電圧が前記第2の電圧閾値未満である場合には、前記待機モードを選択する、請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記電力変換システムは、前記第2の電力変換回路を介して、前記第1の直流電力によって前記蓄電池を充電する昇圧充電モードをさらに有し、
前記統括制御部は、前記蓄電池の電圧が前記第2の電圧閾値よりも小さい第3の電圧閾値以下である場合には、前記蓄電池の電圧が前記第2の電圧閾値よりも大きい第4の電圧閾値を上回るまで、前記昇圧充電モードを選択し、該昇圧充電モードにおいて、前記第2の電力変換回路の出力側に無効電流が流れるように、前記第2の制御部を制御する、請求項3に記載の電力変換システム。
【請求項5】
前記無効電流は、該無効電流をId、前記負荷にかかる電圧をVCq、前記第2の電力変換回路が出力可能な最大電圧をVmax、前記第2の電力変換回路の出力電圧の角周波数をω、前記第2の電力変換回路の出力側の交流リアクトルのインダクタンス値をL、前記第2の電力変換回路の出力側を流れる有効電流をIqとして、以下の式:
【数1】
に従って定義される、請求項4に記載の電力変換システム。
【請求項6】
前記電力変換システムは、前記第2の電力変換回路を介して、前記蓄電池の充電と放電が一定期間毎に繰り返されることにより、前記蓄電池のセルの温度の低下を防止する暖機モードをさらに有し、
前記統括制御部は、前記回生失効が発生しておらず、かつ前記蓄電池の電圧が前記第2の電圧閾値未満であり、かつ前記蓄電池のセルの温度が第1の温度閾値以下である場合には、前記暖機モードを選択する、請求項3~5のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項7】
前記統括制御部は、前記回生吸収モードにおいて、前記第1の制御部から送信される前記第1の電力変換回路の出力電流に基づいて、前記第2の電力変換回路を介して前記蓄電池に供給される充電電力が制限されるように、前記第2の制御部を制御する、請求項3~6のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項8】
前記統括制御部は、前記第1の電力変換回路の出力電流が第1の電流閾値以上である場合には、前記第2の電力変換回路を介して前記蓄電池に供給される充電電力が0になるように、前記第2の制御部を制御する、請求項7に記載の電力変換システム。
【請求項9】
前記統括制御部は、前記アシスト放電モードにおいて、前記第1の制御部から送信される前記第1の電力変換回路の出力電流に基づいて、前記第2の電力変換回路を介して前記蓄電池から供給される放電電力が制限されるように、前記第2の制御部を制御する、請求項3~8のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項10】
前記統括制御部は、前記第1の電力変換回路の出力電流が第2の電流閾値未満である場合には、前記第2の電力変換回路を介して前記蓄電池から供給される放電電力が0になるように、前記第2の制御部を制御する、請求項9に記載の電力変換システム。
【請求項11】
前記電力変換回路は、
前記第1の電力変換回路の入力側と架線との間に直列に接続される逆流防止ダイオードと、
前記第1の電力変換回路の入力側の電圧を検知する第1の直流電圧センサーと
をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記第1の電力変換回路の入力側の電圧が規定値以上になったことが検知されると、前記第2の電力変換回路の電力出力の停止要求を前記第2の制御部に送信する、請求項1~10のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項12】
前記第1の制御部から前記第2の制御部への前記電力出力の停止要求の送信は、前記第1の電力変換回路から出力される交流電圧に所定の高周波信号を重畳させることによって行われる、請求項11に記載の電力変換システム。
【請求項13】
前記第1の制御部から前記第2の制御部への前記電力出力の停止要求の送信は、前記統括制御部を経由して行われる、請求項11に記載の電力変換システム。
【請求項14】
前記第1の制御部から前記第2の制御部への前記電力出力の停止要求の送信は、前記第1の制御部と前記第2の制御部との間に設けられた信号線を経由して行われる、請求項11に記載の電力変換システム。
【請求項15】
前記電力変換回路は、
前記第1の電力変換回路の入力側と架線との間に直列に接続される逆流防止ダイオードをさらに備え、
前記統括制御部は、前記第2の電力変換回路を介して前記蓄電池から供給される放電電力が前記負荷の消費電力の最小値未満になるように、前記第2の制御部を制御する、請求項1~10のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項16】
前記電力変換回路は、
前記第1の電力変換回路の入力側と架線との間に直列に接続される逆流防止ダイオードと、
前記第1の電力変換回路の入力側と架線との間に直列に接続される第1のスイッチと、
前記第1の電力変換回路の入力側の電圧を検知する第1の直流電圧センサーと
をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記第1の電力変換回路の入力側の電圧が規定値以上になったことが検知されると、前記第1のスイッチをオンにして前記第1の電力変換回路の入力側から前記架線に向けて電力が流れるようにする、請求項1~10のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【請求項17】
前記電力変換回路は、
前記第1の電力変換回路の入力側と架線との間に接続される逆流防止ダイオードと、
前記第1の電力変換回路の入力側の電源ラインに一端が接続される第2のスイッチと、
前記第2のスイッチの他端と前記第1の電力変換回路の入力側のGNDラインとの間に接続される放電用抵抗と、
前記第1の電力変換回路の入力側の電圧を検知する第1の直流電圧センサーと
をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記第1の電力変換回路の入力側の電圧が規定値以上になったことが検知されると、前記第2のスイッチをオンにする、請求項1~10のいずれか一項に記載の電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、並列接続された複数のインバータ回路を備える電力変換システムが知られている。特許文献1には、並列接続された複数のインバータ回路を備える電力変換システムにおいて、各インバータ回路が自己の動作モードとして、電圧制御モードと電流制御モードとを切り替え可能な構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、各インバータ回路が他のインバータ回路とは独立に自己の動作モードを切り替えている。そのため、例えばあるインバータ回路を介して電動機の回生電力を蓄電池に一時的に蓄え、必要に応じて放電させることにより、回生電力の有効利用をはかる場合には、各インバータ回路が独立に自己の動作モードを最適化しようとするために、不必要な電力損失ないし電力回生失効(回生や放電ができるのに、保護動作などにより、その機会を失う事)が発生し、回生電力の利用効率が低下してしまう。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためのものであり、回生電力の利用効率を向上させることができる電力変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る電力変換システムは、外部から供給される第1の直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動するとともに、前記電動機の回生電力を第2の直流電力に変換する駆動回路と、電動機の回生運転中に回生失効が発生しているか否かを検出する回生失効検出部と、第1の直流電力または第2の直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する第1の電力変換回路と、第1の電力変換回路の出力側と並列に自己の出力側が接続される第2の電力変換回路と、第2の電力変換回路の入力側に接続される蓄電池と、蓄電池の電圧を検出する電圧検出部と、第1の電力変換回路から一定の交流電圧が出力されるように制御する第1の制御部と、第2の電力変換回路に所定の充放電電力が入出力されるように制御することによって、蓄電池の充放電を制御する第2の制御部と、回生失効が発生しているか否かおよび蓄電池の電圧に基づいて、第2の制御部の動作を制御する統括制御部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図2】実施の形態1に係る統括制御部の内部の構成を示す図。
【
図3】実施の形態1に係るモード選択処理の詳細を説明するフローチャート。
【
図4】実施の形態2に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図5】実施の形態2に係る統括制御部の内部の構成を示す図。
【
図6】実施の形態2に係るモード選択処理の詳細を説明するフローチャート。
【
図8】実施の形態3に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図9】実施の形態3に係る統括制御部の内部の構成を示す図。
【
図10】実施の形態3に係るモード選択処理の詳細を説明するフローチャート。
【
図11】実施の形態4に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図12】実施の形態4に係る統括制御部の内部の構成を示す図。
【
図13】回生吸収モードにおける第1のインバータ回路の出力電流と係数との関係を示す図。
【
図14】実施の形態5に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図15】実施の形態5に係る統括制御部の内部の構成を示す図。
【
図16】アシスト放電モードにおける第1のインバータ回路の出力電流と係数との関係を示す図。
【
図17】実施の形態6に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図18】交流電圧に所定の高周波信号を重畳させてバンドパスフィルタに入力した様子を模式的に示す図。
【
図19】実施の形態7に係る電力変換システムの構成を示す図。
【
図20】実施の形態8に係る電力変換システムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以降の説明では、本開示に係る電力変換システムを電車に搭載した例に基づいて説明する。ただし、本開示に係る電力変換システムの適用可能な範囲は電車に限定されるものではない。また、図面において、同一または対応する要素には同じ参照符号を付して、詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る電力変換システム100の構成を示す図である。電力変換システム100は、電車の走行用の電動機1を駆動する可変電圧可変周波数制御型(VVVF制御型)の駆動回路10を備えている。電動機1の力行運転時には、駆動回路10は、架線2から供給される直流電力(以下、「第1の直流電力」という)を交流電力に変換して電動機1に供給する。一方、電動機1の回生運転時には、駆動回路10は、電動機1の回生電力を直流電力(以下、「第2の直流電力」という)に変換し、第1のインバータ回路11の入力側11aに供給する。また、駆動回路10は、電動機1の回生運転中に回生失効が発生しているか否かを検出する回生失効検出部としての機能を有している。
【0010】
第1のインバータ回路11は、電動機1の力行運転時には、架線2から供給される第1の直流電力を交流電力に変換して出力する。また、第1のインバータ回路11は、電動機1の回生運転時には、架線2から供給される第1の直流電力および駆動回路10から供給される第2の直流電力を交流電力に変換して出力する。第1のインバータ回路11の出力電力の一部またはすべては、変圧器12を介して負荷3に供給される。負荷3の種類は、特に限定されるものではないが、例えば電車内の蛍光灯や空調機等である。
【0011】
第1のインバータ回路11の入力側11aには、入力電圧を平滑化する第1の直流キャパシタ13が並列に接続されている。また、第1のインバータ回路11の入力側11aと架線2との間には、逆流防止ダイオード30が直列に接続されている。逆流防止ダイオード30は、第1のインバータ回路11から架線2に向けて電力が流れることを防止する。これにより、架線2からの電力供給が絶たれた場合でも、第1のインバータ回路11は、第1の直流キャパシタ13に蓄えられている電力によって、短時間であれば動作を継続することができる。一方、第1のインバータ回路11の出力側11bの変圧器12と負荷3との間には、第1の交流コンデンサ14が並列に接続されている。
【0012】
第1のインバータ回路11は、第1の制御部15によって制御される。第1の制御部15は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路、あるいはソフトウェアによって制御されるCPUによって構成することができる。第1の制御部15は、負荷3に一定の交流電圧が印加されるように、第1のインバータ回路11のスイッチング動作を制御する。第1の制御部15は、第1の直流電圧センサー16によって検出される第1のインバータ回路11の入力電圧と、第1の交流電圧センサー18によって検出される第1のインバータ回路11の出力電圧とに基づいて、負荷端(第1の交流電圧センサー18の検出点)で一定の交流電圧が出力されるように、第1のインバータ回路11のスイッチング動作を制御する。すなわち、第1のインバータ回路11は、第1の制御部15によって電圧制御される。
【0013】
また、電力変換システム100は、第1のインバータ回路11の出力側11bと並列に自己の出力側19bが接続される第2のインバータ回路19を備えている。第2のインバータ回路19の出力側19bと負荷3との間には、第2の交流コンデンサ20が並列に接続されるとともに、交流リアクトル21が直列に接続されている。第2のインバータ回路19の入力側19aには、第2の直流キャパシタ22および蓄電池23が並列に接続されている。
【0014】
第2のインバータ回路19は、第2の制御部24によって制御される。第2の制御部24は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路、あるいはソフトウェアによって制御されるCPUによって構成することができる。第2の制御部24は、第2の直流電圧センサー25によって検出される第2のインバータ回路19の入力電圧と、第2の交流電流センサー26によって検出される第2のインバータ回路19の出力電流と、第2の交流電圧センサー27によって検出される第2のインバータ回路19の出力電圧とに基づいて、第2のインバータ回路19のスイッチング動作を制御することによって、第2のインバータ回路19の出力電流を制御する。すなわち、第2のインバータ回路19は、第2の制御部24によって電流制御される。この際、第2の制御部24の出力電圧の位相は、負荷端(第2交流電圧センサー27の検出点)の電圧の位相と同期するようにPLL制御される。これにより、第2のインバータ回路19は、負荷端の電圧に対して、任意の位相差を有する交流電流を出力することができる。
【0015】
また、上述したように、負荷3にかかる電圧は第1のインバータ回路11によって一定値に保たれており、第2のインバータ回路19の出力側19bも負荷3に接続されている。そのため、第2のインバータ回路19の出力電流を制御することは、第2のインバータ回路19の入出力電力を制御することと等しい。すなわち、第2の制御部24は、第2のインバータ回路19の入出力電力を制御しているとも言える。
【0016】
さらに、電力変換システム100は、第2の制御部24の動作を制御する統括制御部28を備えている。統括制御部28は、駆動回路10から送信される回生失効信号と、監視部29によって検出される蓄電池23の電圧とに基づいて、第2の制御部24に充放電電力の指令値を送信する。ここで、駆動回路10から送信される回生失効信号は1または0の値をとり、電動機1の回生運転中に回生失効が発生している場合には1となり、そうでない場合には0となる。また、監視部29によって検出される蓄電池23の電圧は、より正確には蓄電池23の開回路電圧(OCV)である。周知のように、蓄電池23の開回路電圧と充電量との間には、正の相関関係が成立する。
【0017】
本実施の形態1に係る電力変換システム100は、「回生吸収モード」、「アシスト放電モード」および「待機モード」という、3つの動作モードを有しており、これら3つの動作モードの選択は、統括制御部28によって行われる。回生吸収モードでは、第2のインバータ回路19を介して、電動機1の回生電力によって蓄電池23が充電される。アシスト放電モードでは、第2のインバータ回路19を介して、蓄電池23に蓄えられている電力が負荷3に供給され、第1のインバータ回路11から負荷3への電力供給がアシストされる。待機モードでは、蓄電池23の充電および放電のいずれも行われない。
【0018】
図2は、統括制御部28の内部の構成を示す図である。統括制御部28は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路、あるいはソフトウェアによって制御されるCPUによって構成することができる。また、統括制御部28は、第1の制御部15または第2の制御部24の内部に設けられてもよい。統括制御部28は、モード選択部28aと、電力選択部28bとを含んでいる。モード選択部28aは、駆動回路10から送信される回生失効信号と、監視部29によって検出される蓄電池23の電圧とに基づいて、動作モードを選択する。電力選択部28bは、モード選択部28aによって選択された動作モードに基づいて、充放電電力の指令値を選択し、第2の制御部24に送信する。
【0019】
第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に充電電力が供給される回生吸収モードでは、充放電電力の指令値は負の値をとる。これは第2のインバータ回路19の出力側19bから入力側19aに向けて充電電力が流れることを意味している。本実施の形態1では、回生吸収モードにおける充放電電力の指令値は、-Pc[kW]で表される。一方、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23の放電が行われるアシスト放電モードでは、充放電電力の指令値は正の値をとる。これは第2のインバータ回路19の入力側19aから出力側19bに向けて放電電力が流れることを意味している。本実施の形態1では、アシスト放電モードにおける充放電電力の指令値は、+Pd[kW]で表される。また、蓄電池23の充電および放電のいずれも行われない待機モードでは、充放電電力の指令値は0kWとなる。
【0020】
図3は、統括制御部28のモード選択部28aにおけるモード選択処理の詳細を説明するフローチャートである。
図3のフローチャートに示されるように、モード選択部28aは、回生失効が発生しており(S101=YES)、かつ蓄電池23の電圧が第1の電圧閾値Vthr1未満(S102=YES)である場合には、回生吸収モードを選択する(S104)。ここで、第1の電圧閾値Vthr1は蓄電池23の仕様上の最大電圧よりも僅かに低く設定されている。蓄電池23の電圧がこの値未満である場合には、蓄電池23の充電量が上限に達しておらず、充電可能な余裕があることを意味している(
図3の右上の図解を参照)。
【0021】
回生吸収モードでは、第2のインバータ回路19を介して、電動機1の回生電力によって蓄電池23が充電される。詳細には、電動機1の回生電力が駆動回路10によって第2の直流電力に変換され、この第2の直流電力が第1のインバータ回路11によって交流電力に変換される。この交流電力が第2のインバータ回路19によって直流電力に変換され、この直流電力によって蓄電池23が充電される。この際、第2の制御部24は、第2のインバータ回路19から蓄電池23に向けて、統括制御部28から送信された充放電電力の指令値に等しい充電電力が流れるように、第2のインバータ回路19のスイッチング動作を制御する。回生吸収モードは、回生失効が発生しており(S101=YES)、かつ蓄電池23の電圧が第1の電圧閾値Vthr1未満(S102=YES)である間、継続される。
【0022】
また、モード選択部28aは、回生失効が発生しておらず(S101=NO)、かつ蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2以上(S103=YES)である場合には、アシスト放電モードを選択する(S106)。ここで、第2の電圧閾値Vthr2は、蓄電池23の仕様上の最小電圧よりも僅かに高く設定されている。蓄電池23の電圧がこの値以上である場合には、蓄電池23の充電量が下限に達しておらず、放電可能な余裕があることを意味している(
図3の右上の図解を参照)。
【0023】
アシスト放電モードでは、第2のインバータ回路19を介して、蓄電池23に蓄えられている電力が負荷3に供給される。詳細には、蓄電池23から放電された直流電力が第2のインバータ回路19によって交流電力に変換され、この交流電力が負荷3に供給されることによって、第1のインバータ回路11による負荷3への電力供給がアシストされる。この際、第2の制御部24は、蓄電池23から第2のインバータ回路19に向けて、統括制御部28から送信された充放電電力の指令値に等しい放電電力が流れるように、第2のインバータ回路19のスイッチング動作を制御する。アシスト放電モードは、回生失効が発生しておらず(S101=NO)、かつ蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2以上(S103=YES)である間、継続される。
【0024】
また、モード選択部28aは、回生失効が発生しており(S101=YES)、かつ蓄電池23の電圧が第1の電圧閾値Vthr1以上(S102=NO)である場合、すなわち回生失効中であるが、蓄電池23に充電可能な余裕がない場合には、蓄電池23の充電および放電のいずれも行わない待機モードを選択する(S105)。
【0025】
また、モード選択部28aは、回生失効が発生しておらず(S101=NO)、かつ蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2未満(S103=NO)である場合、すなわち回生失効中でないが、蓄電池23に放電可能な余裕がない場合には、蓄電池23の充電および放電のいずれも行わない待機モードを選択する(S105)。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態1に係る電力変換システム100は、並列接続された第1のインバータ回路11および第2のインバータ回路19を備えており、第2のインバータ回路19の入力側19aには蓄電池23が接続されている。第1の制御部15は、第1のインバータ回路11から一定の交流電圧が出力されるように制御する。第2の制御部24は、第2のインバータ回路19に所定の充放電電力が入出力されるように制御することによって、蓄電池23の充放電を制御する。そして、統括制御部28は、電動機1の回生運転中に回生失効が発生しているか否かおよび蓄電池23の電圧に基づいて、第2の制御部24の動作を制御する。
【0027】
上記の特徴により、本実施の形態1に係る電力変換システム100では、第1のインバータ回路11および第2のインバータ回路19の動作が全体として最適化され、電動機1の回生電力の利用効率が向上する。
【0028】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、第2のインバータ回路19の動作開始時に蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2以下である場合には、回生吸収モードによって蓄電池23の充電が行われるまでの間は、アシスト放電モードを選択することができない。
【0029】
上記の問題に対処するために、本実施の形態2では、第2のインバータ回路19の動作開始時に蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2以下である場合には、「昇圧充電モード」が選択される。昇圧充電モードでは、第2のインバータ回路19を介して、架線2から供給される第1の直流電力によって蓄電池23が充電される。
【0030】
図4は、本実施の形態2に係る電力変換システム200の構成を示す図である。電力変換システム200の統括制御部228は、実施の形態1と同様の充放電電力の指令値に加えて、第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる無効電流の指令値を第2の制御部24に送信する。
【0031】
図5は、統括制御部228の内部の構成を示す図である。統括制御部228は、モード選択部228aと、電力選択部228bと、無効電流選択部228cとを含んでいる。モード選択部228aは、駆動回路10から送信される回生失効信号と、監視部29によって検出される蓄電池23の電圧とに基づいて、動作モードを選択する。
【0032】
電力選択部228bは、モード選択部228aによって選択された動作モードに基づいて、充放電電力の指令値を選択し、第2の制御部24に送信する。本実施の形態2では、昇圧充電モードにおける充放電電力の指令値は、-Pu[kW]で表される。
【0033】
無効電流選択部228cは、モード選択部228aによって選択された動作モードに基づいて、無効電流の指令値を選択し、第2の制御部24に送信する。本実施の形態2では、昇圧充電モード以外の動作モードにおける無効電流の指令値は0Aである。また、昇圧充電モードにおける無効電流の指令値はIdであり、以下の式に従って定義される。
【0034】
【0035】
ただし、上式において、VCqは負荷3にかかる電圧、すなわち負荷電圧であり、Vmaxは第2のインバータ回路19の出力可能な最大電圧であり、ωは第2のインバータ回路19の出力電圧の角周波数であり、Lは交流リアクトル21のインダクタンス値であり、Iqは第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる有効電流、すなわち蓄電池23の充電電流に相応する電流である。
【0036】
図6は、統括制御部228のモード選択部228aにおけるモード選択処理の詳細を説明するフローチャートである。
図6のフローチャートに示されるように、モード選択部228aは、蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2よりも小さい第3の電圧閾値Vthr3以下(S207=NO)である場合には、蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2よりも大きい第4の電圧閾値Vthr4を上回るまで(S209=YES)、昇圧充電モードを選択する(S208)。
【0037】
昇圧充電モードでは、第2のインバータ回路19を介して、架線2から供給される第1の直流電力によって蓄電池23が充電される。詳細には、架線2から供給される第1の直流電力が第1のインバータ回路11によって交流電力に変換され、この交流電力が第2のインバータ回路19によって直流電力に変換され、この直流電力によって蓄電池23が充電される。
【0038】
この際、第2の制御部24は、第2のインバータ回路19から蓄電池23に向けて、統括制御部228から送信された充放電電力の指令値に等しい充電電力が流れるように、かつ第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる無効電流が統括制御部228から送信された無効電流の指令値Idに等しくなるように、第2のインバータ回路19のスイッチング動作を制御する。なお、第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる無効電流を制御するということは、具体的には第2のインバータ回路19の出力電圧と出力電流との位相差を制御するということである。
【0039】
図7Aは、第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる無効電流が0A、すなわち無効電流が流れない場合のベクトル図である。無効電流が流れない場合には、第2のインバータ回路19の出力電圧Vo2は、負荷電圧VCqと、有効電流Iqによるインピーダンス降下ωLIqとのベクトル和によって決定される。そのため、蓄電池23の充電電流に相応する第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる有効電流Iqを増加させようとすると、第2のインバータ回路19の出力電圧Vo2もそれに伴って増加する。
【0040】
しかしながら、第2のインバータ回路19の出力可能な最大電圧Vmaxは、蓄電池23の電圧によって制限される。それにもかかわらず、昇圧充電モードが選択されるのは、蓄電池23の電圧が低下している場合である。そのため、第2のインバータ回路19の出力側19bを流れる有効電流Iqに相応する蓄電池23の充電電流を増加させることが困難になる。
【0041】
これに対して、
図7Bは、第2のインバータ回路19の出力側19bに無効電流Idが流れる場合のベクトル図である。無効電流Idが流れる場合には、第2のインバータ回路19の出力電圧Vo2は、負荷電圧VCqから無効電流Idによるインピーダンス降下ωLIdを減算したベクトルと、有効電流Iqによるインピーダンス降下ωLIqとのベクトル和によって決定される。すなわち、無効電流Idが存在することにより、第2のインバータ回路19の出力電圧Vo2を抑えながら有効電流Iqに相応する蓄電池23の充電電流を増加させることができる。これにより、蓄電池23の電圧が低下している場合でも、昇圧充電に必要な充電電流を確保することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態2に係る電力変換システム200は、第2のインバータ回路19を介して、架線2から供給される第1の直流電力によって蓄電池23を充電する昇圧充電モードを有している。統括制御部228は、蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2よりも小さい第3の電圧閾値Vthr3以下である場合には、蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2よりも大きい第4の電圧閾値Vthr4を上回るまで、昇圧充電モードを選択する。
【0043】
上記の特徴により、本実施の形態2に係る電力変換システム200では、第2のインバータ回路19の動作が開始されてから、アシスト放電モードを選択可能になるまでに要する時間を短縮することができる。
【0044】
また、昇圧充電モードにおいて、統括制御部228は、第2のインバータ回路19の出力側19bに無効電流Idが流れるように、第2の制御部24を制御する。これにより、第2のインバータ回路19の出力電圧Vo2を抑えながら蓄電池23の充電電流を増加させることができるため、昇圧充電に必要な充電電流を確保することができる。
【0045】
(実施の形態3)
先述の実施の形態1では、回生失効中でないが、蓄電池23にアシスト放電可能な余裕がない場合には、蓄電池23の充電および放電のいずれも行わない待機モードが選択される。しかしながら、蓄電池23の充電も放電も行われない期間が長く続くと、蓄電池23のセルの温度が低下し、充電時の充電レートが悪化してしまう。
【0046】
上記の問題に対処するために、本実施の形態3では、回生失効中でなく、かつ蓄電池23にアシスト放電可能な余裕がない場合でも、蓄電池23のセルの温度が第1の温度閾値Tthr1以下である場合には、「暖気モード」が選択される。暖気モードでは、第2のインバータ回路19を介して、蓄電池23の充電と放電が一定期間毎に繰り返されることにより、蓄電池23のセルの温度の低下が防止される。
【0047】
図8は、本実施の形態3に係る電力変換システム300の構成を示す図である。電力変換システム300の統括制御部328は、実施の形態1と同様の回生失効信号および蓄電池23の電圧に加えて、監視部329によって検出される蓄電池23のセルの温度に基づいて、第2の制御部24に充放電電力の指令値を送信する。
【0048】
図9は、統括制御部328の内部の構成を示す図である。統括制御部328は、モード選択部328aと、電力選択部328bとを含んでいる。モード選択部328aは、駆動回路10から送信される回生失効信号と、監視部329によって検出される蓄電池23の電圧およびセルの温度に基づいて、動作モードを選択する。
【0049】
電力選択部328bは、モード選択部328aによって選択された動作モードに基づいて、充放電電力の指令値を選択し、第2の制御部24に送信する。本実施の形態3では、暖機モードにおける充放電電力の指令値は、一例として-Pm[kW]の充電電力と+Pm[kW]の放電電力とが5秒毎に切り替わる。すなわち、暖気モードにおける充電電力と放電電力とは、電力の流れる向きが反対であるだけで大きさは等しい。また、|Pm|<<|Pc|かつ|Pm|<<|Pd|である。
【0050】
図10は、統括制御部328のモード選択部328aにおけるモード選択処理の詳細を説明するフローチャートである。
図10のフローチャートに示されるように、モード選択部328aは、回生失効が発生しておらず(S101=NO)、かつ蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2未満であり(S103=NO)、かつ蓄電池23のセルの温度が第1の温度閾値Tthr1以下(S310=NO)である場合には、暖気モードを選択する(S311)。
【0051】
暖気モードでは、第2のインバータ回路19を介して、蓄電池23の充電と放電が一定期間毎に繰り返されることにより、蓄電池23のセルの温度の低下が防止される。この際、充電電力と放電電力の収支が等しくなるように充放電を繰り返すことにより、蓄電池23の充電量を大局的には変化させることなく、セルの温度の低下を防止することができる。これにより、蓄電池23の充電レートの悪化を防止することができる。暖機モードは、回生失効が発生しておらず(S101=NO)、かつ蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2未満であり(S103=NO)、かつ蓄電池23のセルの温度が第1の温度閾値Tthr1以下(S310=NO)である間、継続される。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態3に係る電力変換システム300は、第2のインバータ回路19を介して、蓄電池23の充電と放電が一定期間毎に繰り返されることにより、蓄電池23のセルの温度の低下を防止する暖機モードを有している。統括制御部328は、回生失効が発生しておらず、かつ蓄電池23の電圧が第2の電圧閾値Vthr2未満であり、かつ蓄電池23のセルの温度が第1の温度閾値Tthr1以下である場合には、暖機モードを選択する。
【0053】
上記の特徴により、本実施の形態2に係る電力変換システム300では、蓄電池23の充電量を大局的には変化させることなく、セルの温度の低下を防止し、充電レートの悪化を防止することができる。
【0054】
(実施の形態4)
先述の実施の形態1では、回生吸収モードにおいて、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に供給される充電電力が大きくなりすぎると、第1のインバータ回路11の出力電流が仕様上の最大値を超過し、第1のインバータ回路11が過負荷になってしまう可能性がある。
【0055】
上記の問題に対処するために、本実施の形態4に係る電力変換システム400では、回生吸収モードにおける第1のインバータ回路11の過負荷を防止するために、蓄電池23の充電電力を制限する機構を設ける。
【0056】
図11は、本実施の形態4に係る電力変換システム400の構成を示す図である。電力変換システム400の統括制御部428は、実施の形態1と同様の回生失効信号および蓄電池23の電圧に加えて、第1の制御部15から送信される第1のインバータ回路11の出力電流に基づいて、第2の制御部24に充放電電力の指令値を送信する。
【0057】
実施の形態1で述べたように、第1のインバータ回路11は負荷3に一定電圧を印加するように制御されている。そのため、第1のインバータ回路11の出力電流は、負荷3で消費される電力と、蓄電池23の充放電電力とによって決定される。
【0058】
図12は、統括制御部428の内部の構成を示す図である。統括制御部428は、モード選択部428aと、電力選択部428bと、電力制限部428dとを含んでいる。モード選択部428aは、駆動回路10から送信される回生失効信号と、監視部29によって検出される蓄電池23の電圧とに基づいて、動作モードを選択する。電力選択部428bは、モード選択部428aによって選択された動作モードに基づいて、充放電電力の指令値を選択する。
【0059】
電力制限部428dは、電力選択部428bによって選択された充放電電力の指令値に対して、第1のインバータ回路11の出力電流に依存する係数を乗じることにより、充放電電力の指令値に制限を課す。電力制限部428dは、制限を課された充放電電力の指令値を、第2の制御部24に送信する。
【0060】
図13は、回生吸収モードにおける第1のインバータ回路11の出力電流と係数との関係を示す図である。電力制限部428dは、第1のインバータ回路11の出力電流が第1の電流閾値Ithr1未満である場合には、電力選択部428bによって選択された充放電電力の指令値に対して、係数1.0を乗じる。すなわち、第1のインバータ回路11の出力電流が第1の電流閾値Ithr1未満である場合には、電力選択部428bによって選択された充放電電力の指令値がそのまま第2の制御部24に送信される。本実施の形態4では、第1の電流閾値Ithr1は、一例として、第1のインバータ回路11が出力可能な最大電流の90パーセントの値に設定される。
【0061】
これに対して、電力制限部428dは、第1のインバータ回路11の出力電流が第1の電流閾値Ithr1以上である場合には、電力選択部428bによって選択された充放電電力の指令値に対して、係数0を乗じる。すなわち、第1のインバータ回路11の出力電流が第1の電流閾値Ithr1以上である場合には、充放電電力の指令値として0kWが第2の制御部24に送信される。結果として、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に供給される充電電力が0になる。これにより、回生吸収モードにおいて、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に供給される充電電力が大きくなりすぎて、第1のインバータ回路11が過負荷になることが防止される。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態4に係る電力変換システム400の統括制御部428は、回生吸収モードにおいて、第1の制御部15から送信される第1のインバータ回路11の出力電流に基づいて、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に供給される充電電力を制限する。具体的には、統括制御部428は、第1のインバータ回路11の出力電流が第1の電流閾値Ithr1以上である場合には、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に供給される充電電力が0になるように、第2の制御部24を制御する。
【0063】
上記の特徴により、本実施の形態4に係る電力変換システム400では、回生吸収モードにおいて、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23に供給される充電電力が大きくなりすぎて、第1のインバータ回路11が過負荷になることが防止される。
【0064】
(実施の形態5)
先述の実施の形態1では、アシスト放電モードにおいて、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23から供給される放電電力が過度に大きくなり、負荷3で消費される電力を上回ると、第2のインバータ回路19の出力電力の一部が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れてしまう可能性がある。
【0065】
上記のような電力の流れが起こると、逆流防止ダイオード30が存在するために、第1の直流キャパシタ13が充電され、その電圧が上昇していく。そして、第1の直流キャパシタ13の電圧が規定値以上に達すると、第1のインバータ回路11を過電圧から保護するために、図示しない過電圧保護回路が動作して、第1のインバータ回路11が強制的に遮断され、動作停止してしまう。この問題に対処するために、本実施の形態5に係る電力変換システム500では、アシスト放電モードにおける第1のインバータ回路11の過電圧を防止するために、蓄電池23の放電電力を制限する機構を設ける。
【0066】
図14は、本実施の形態5に係る電力変換システム500の構成を示す図である。電力変換システム500の統括制御部528は、実施の形態1と同様の回生失効信号および蓄電池23の電圧に加えて、第1の制御部15から送信される第1のインバータ回路11の出力電流に基づいて、第2の制御部24に充放電電力の指令値を送信する。
【0067】
図15は、統括制御部528の内部の構成を示す図である。統括制御部528は、モード選択部528aと、電力選択部528bと、電力制限部528dとを含んでいる。モード選択部528aは、駆動回路10から送信される回生失効信号と、監視部29によって検出される蓄電池23の電圧とに基づいて、動作モードを選択する。電力選択部528bは、モード選択部528aによって選択された動作モードに基づいて、充放電電力の指令値を選択する。
【0068】
電力制限部528dは、電力選択部528bによって選択された充放電電力の指令値に対して、第1のインバータ回路11の出力電流に依存する係数を乗じることにより、充放電電力の指令値に制限を課す。電力制限部528dは、制限を課された充放電電力の指令値を、第2の制御部24に送信する。
【0069】
図16は、アシスト放電モードにおける第1のインバータ回路11の出力電流と係数との関係を示す図である。電力制限部528dは、第1のインバータ回路11の出力電流が第2の電流閾値Ithr2以上であり、かつ第3の電流閾値Ithr3未満である場合には、電力選択部528bによって選択された充放電電力の指令値に対して、第1のインバータ回路11の出力電流に比例した係数を乗じる。
【0070】
本実施の形態5では、第2の電流閾値Ithr2は、一例として、第2のインバータ回路19の充放電電力の指令値、すなわち+Pd[kW]と等しい電力を第1のインバータ回路11が出力する場合における、第1のインバータ回路11の出力電流の値に設定される。また、第3の電流閾値Ithr3は、一例として、第2の電流閾値Ithr2の2倍の値に設定される。
【0071】
また、電力制限部528dは、第1のインバータ回路11の出力電流が第3の電流閾値Ithr3以上である場合には、電力選択部528bによって選択された充放電電力の指令値に対して、係数1.0を乗じる。すなわち、第1のインバータ回路11の出力電流が第3の電流閾値Ithr3以上である場合には、電力選択部528bによって選択された充放電電力の指令値がそのまま第2の制御部24に送信される。
【0072】
これに対して、電力制限部528dは、第1のインバータ回路11の出力電流が第2の電流閾値Ithr2未満である場合には、電力選択部528bによって選択された充放電電力の指令値に対して、係数0を乗じる。すなわち、第1のインバータ回路11の出力電流が第2の電流閾値Ithr2未満である場合には、充放電電力の指令値として0kWが第2の制御部24に送信される。これにより、アシスト放電モードにおいて、第2のインバータ回路19の出力電力が過度に大きくなり、その一部が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れることが防止される。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態5に係る電力変換システム500の統括制御部528は、アシスト放電モードにおいて、第1の制御部15から送信される第1のインバータ回路11の出力電流に基づいて、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23から供給される放電電力を制限する。具体的には、統括制御部528は、第1のインバータ回路11の出力電流が第2の電流閾値Ithr2未満である場合には、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23から供給される放電電力が0になるように、第2の制御部24を制御する。
【0074】
上記のような特徴により、本実施の形態5に係る電力変換システム500では、アシスト放電モードにおいて、第2のインバータ回路19の出力電力が過度に大きくなり、その一部が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れることが防止される。したがって、アシスト放電モードにおける第1のインバータ回路11の過電圧が防止される。
【0075】
(実施の形態6)
先述の実施の形態1では、アシスト放電モードにおいて、負荷3が遮断されるか、あるいは負荷3の要求電力が極度に小さくなると、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23から供給される放電電力の行き先が失われてしまう。そのため、第2のインバータ回路19の出力電力が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れてしまう。
【0076】
上記の実施の形態5でも述べたように、このような電力の流れが起こると、逆流防止ダイオード30が存在するために、第1の直流キャパシタ13が充電され、その電圧が上昇していく。そして、第1の直流キャパシタ13の電圧、すなわち第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上に達すると、第1のインバータ回路11を過電圧から保護するために、図示しない過電圧保護回路が動作して、第1のインバータ回路11が強制的に遮断され、動作停止してしまう。
【0077】
上記の問題に対処するために、本実施の形態6では、第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が既定値以上になったことが検知されると、第1の制御部から第2の制御部に向けて、第2のインバータ回路19の電力出力の停止要求が送信される。
【0078】
図17は、本実施の形態6に係る電力変換システム600の構成を示す図である。電力変換システム600の第1の制御部615は、第1の直流電圧センサー16によって検出される第1の直流キャパシタ13の電圧、すなわち第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上になったことが検知されると、第1のインバータ回路11のスイッチング動作を制御することによって、
図18に模式的に示されるように、第1のインバータ回路11から出力される交流電圧に所定の高周波信号を重畳させる。
【0079】
第2の制御部624は、バンドパスフィルタ624aを含んでおり、第2の交流電圧センサー27によって検出される第1のインバータ回路11の出力電圧をバンドパスフィルタ624aに入力する。バンドパスフィルタ624aの周波数特定は、上記の高周波信号の周波数は透過するが、第1のインバータ回路11の出力する交流電圧の周波数は遮断するように設計されている。
【0080】
第2の制御部624は、バンドパスフィルタ624aの出力から上記の高周波信号の成分が検出されると、第1の制御部615から自身に向けて、第2のインバータ回路19の電力出力の停止要求が送信されたと判断し、第2のインバータ回路19からの電力出力を停止させる。これにより、第2のインバータ回路19の出力電力が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れることが防止される。
【0081】
以上説明したように、本実施の形態6に係る電力変換システム600では、第1の制御部615は、第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上になったことが検知されると、第2のインバータ回路19の電力出力の停止要求を第2の制御部624に送信する。詳細には、第1の制御部615から第2の制御部624への電力出力の停止要求の送信は、第1のインバータ回路11から出力される交流電圧に所定の高周波信号を重畳させることによって行われる。
【0082】
上記の特徴により、本実施の形態6に係る電力変換システム600では、アシスト放電モードにおいて、負荷3が遮断されるか、あるいは負荷3の要求電力が極度に小さくなった際に、第2のインバータ回路19の出力電力が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れることが防止される。したがって、第1のインバータ回路11の過電圧が防止される。
【0083】
なお、第1の制御部615から第2の制御部624への電力出力の停止要求を送信する手段は、第1のインバータ回路11から出力される交流電圧に所定の高周波信号を重畳させる方法に限定されるものではない。例えば、伝送に要する時間遅延を許容できる場合には、第1の制御部615から統括制御部28を経由して、第2の制御部624への送信を行ってもよい。また、時間遅延は許容できないが配線スペースに余裕がある場合には、第1の制御部615と第2の制御部624との間に専用の信号線を設けてもよい。これに対して、本実施の形態6に係る交流電圧に所定の高周波信号を重畳させる方法は、時間遅延を許容できず配線スペースに余裕がない場合であっても、適用することができる。
【0084】
また、上記の実施の形態6とは前提が異なるが、負荷3が遮断されることはなく、かつ負荷3の消費電力の最小値が予め分かっている場合には、統括制御部28は、第2のインバータ回路19を介して蓄電池23から供給される放電電力が、負荷3の消費電力の最小値未満になるように、第2の制御部24を制御してもよい。これにより、第2のインバータ回路19の出力電力のすべてが負荷3で消費され、第1のインバータ回路11の出力電力が常に0以上となることが保証されるため、第2のインバータ回路19の出力電力が第1のインバータ回路11の出力側11bに流入し、第1のインバータ回路11の出力側11bから入力側11aに向けて電力が流れることが防止される。したがって、第1のインバータ回路11の過電圧が防止される。
【0085】
(実施の形態7)
本実施の形態7では、上記の実施の形態6とは異なる方法によって、第1のインバータ回路11の過電圧を防止する。
【0086】
図19は、本実施の形態7に係る電力変換システム700の構成を示す図である。電力変換システム700は、スイッチとして機能する第1の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)732と、これと並列に接続される逆流防止ダイオード733とを備えている。詳細には、第1のIGBT732のコレクタ端子は第1のインバータ回路11の入力側11aに接続されており、第1のIGBT732のエミッタ端子は架線2の側に接続されている。第1のIGBT732は通常時はオフであり、第1のインバータ回路11の入力側11aから架線2に向けて電力が流れることを防止する。逆流防止ダイオード733は、実施の形態6の逆流防止ダイオード30と同様に機能する。
【0087】
第1の制御部715は、アシスト放電モードにおいて、負荷3が遮断されるか、あるいは負荷3の消費電力が極度に小さくなったことに起因して、第1の直流電圧センサー16によって検出される第1の直流キャパシタ13の電圧、すなわち第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上、例えば架線2の電圧以上になったことが検知されると、第1のIGBT732のゲート端子に電圧信号を印加することによって、第1のIGBT732をオンにする。第1のIGBT732がオンになると、第1のインバータ回路11の入力側11aから架線2に向けて電力が流れるようになり、第1の直流キャパシタ13の電圧、すなわち第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が下降する。これにより、図示しない過電圧保護回路が動作して、第1のインバータ回路11が強制的に遮断されることが防止される。
【0088】
以上説明したように、本実施の形態7に係る電力変換システム700は、第1のインバータ回路11の入力側11aと架線2との間に直列に接続されるスイッチとしての第1のIGBT732を備えている。第1の制御部715は、第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上になったことが検知されると、第1のIGBT732をオンにして、第1のインバータ回路11の入力側11aから架線2に向けて電力が流れるようにする。
【0089】
上記の特徴により、本実施の形態7に係る電力変換システム700では、アシスト放電モードにおいて、負荷3が遮断されるか、あるいは負荷3の消費電力が極度に小さくなった際に、第1のインバータ回路11が過電圧となることが防止される。
【0090】
(実施の形態8)
本実施の形態8では、上記の実施の形態6、7とはさらに異なる方法によって、第1のインバータ回路11の過電圧を防止する。
【0091】
図20は、本実施の形態8に係る電力変換システム800の構成を示す図である。電力変換システム800は、第1のインバータ回路11の入力側11aに第1の直流キャパシタ13と並列に接続される第2のIGBT834と、放電用抵抗835とを備えている。詳細には、第2のIGBT834のコレクタ端子は第1のインバータ回路11の入力側11aの電源ラインに接続されており、第2のIGBT834のエミッタ端子は放電用抵抗835の一端に接続されている。放電用抵抗835の他端は、第1のインバータ回路11の入力側11aのGNDラインに接続されている。第2のIGBT834は通常時はオフである。
【0092】
第1の制御部715は、アシスト放電モードにおいて、負荷3が遮断されるか、あるいは負荷3の消費電力が極度に小さくなったことに起因して、第1の直流電圧センサー16によって検出される第1の直流キャパシタ13の電圧、すなわち第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上、例えば架線2の電圧以上になったことが検知されると、第2のIGBT834のゲート端子に電圧信号を印加することによって、第2のIGBT834をオンにする。第2のIGBT834がオンになると、第1の直流キャパシタ13が放電用抵抗835を介して放電し、第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が下降する。これにより、図示しない過電圧保護回路が動作して、第1のインバータ回路11が強制的に遮断されることが防止される。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態8に係る電力変換システム800は、第1のインバータ回路11の入力側11aに第1の直流キャパシタ13と並列に接続される第2のIGBT834と、放電用抵抗835とを備えている。第1の制御部815は、第1の直流キャパシタ13の電圧、すなわち第1のインバータ回路11の入力側11aの電圧が規定値以上になったことが検知されると、第2のIGBT834をオンにして第1の直流キャパシタ13を放電させる。
【0094】
上記の特徴により、本実施の形態8に係る電力変換システム800では、アシスト放電モードにおいて、負荷3が遮断されるか、あるいは負荷3の消費電力が極度に小さくなった際に、第1のインバータ回路11が過電圧となることが防止される。
【0095】
なお、第1の制御部815は、第2のIGBT834をオンにするとともに、例えば先述の実施の形態6と同様の方法で第2のインバータ回路19からの電力出力を停止させてもよい。これにより、第1の直流キャパシタ13の電圧が規定値以上になり、第1の直流キャパシタ13が放電した後、僅かの時間の経過後には第2のインバータ回路19からの電力出力も停止される。そのため、第1の直流キャパシタ13の容量を過度に大きくする必要がなくなり、回路サイズの大型化を避けることができる。
【0096】
本開示の幾つかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない、これらの実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、これらの実施の形態は、自由に組み合わせることができる。これら実施の形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
1 電動機
2 架線
3 負荷
10 駆動回路(回生失効検出部)
11 第1のインバータ回路(第1の電力変換回路)
11a 入力側
11b 出力側
12 変圧器
13 直流キャパシタ
14 第1の交流コンデンサ
15 第1の制御部
16 第1の直流電圧センサー
17 第1の交流電流センサー
19 第2のインバータ回路(第2の電力変換回路)
20 第2の交流コンデンサ
21 交流リアクトル
22 第2の直流キャパシタ
23 蓄電池
24 第2の制御部
25 第2の直流電圧センサー
26 第2の交流電流センサー
27 第2の交流電圧センサー
28 統括制御部
28a モード選択部
28b 電力選択部
29 監視部
30 逆流防止ダイオード
100 電力変換システム
200 電力変換システム
228 統括制御部
228a モード選択部
228b 電力選択部
228c 無効電流選択部
300 電力変換システム
328 統括制御部
328a モード選択部
328b 電力選択部
400 電力変換システム
428 統括制御部
428a モード選択部
428b 電力選択部
428d 電力制限部
500 電力変換システム
528 統括制御部
528a モード選択部
528b 電力選択部
528d 電力制限部
600 電力変換システム
615 第1の制御部
624 第2の制御部
624a バンドパスフィルタ
700 電力変換システム
715 第1の制御部
732 第1のIGBT(第1のスイッチ)
733 逆流防止ダイオード
800 電力変換システム
815 第1の制御部
834 第2のIGBT(第2のスイッチ)
835 放電用抵抗