(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128553
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E05B 15/02 20060101AFI20230907BHJP
E05C 7/02 20060101ALI20230907BHJP
E05C 17/46 20060101ALI20230907BHJP
E06B 7/04 20060101ALN20230907BHJP
【FI】
E05B15/02 B
E05C7/02 C
E05C17/46
E06B7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032960
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏典
(72)【発明者】
【氏名】松村 心互
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036JA03
2E036JC02
2E036KA08
2E036LA03
(57)【要約】
【課題】枠体に障子を建て込む作業を煩雑化することなく、障子を移動させる際にガイドとなる見込み面に係合部材を取り付けること。
【解決手段】ドア縦枠13に設けたロック操作部材41を障子20Aに設けた係合部材42に係合させることにより、ドア縦枠13,14に対する障子20Aの移動を制限するようにした建具であって、係合部材42と障子20Aにおいてドア縦枠13に対向する見込み面との間には、ドア縦枠13の延在方向に沿って移動することにより互いに係合し、係合部材42の先端部が見込み面から離隔する方向へ移動することを阻止する係合部42c,43eが設けられ、係合部材42には、障子20Aにおいて上枠11に対向する見込み面にネジ部材27aを螺合することにより固定される固定板部42bが設けられている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド枠材及び端部枠材を四周組することによって構成した枠体に対して前記ガイド枠材の長手に沿って障子が移動可能に配設され、前記ガイド枠材に設けたロック操作部材を前記障子に設けた係合部材に係合させることにより、前記ガイド枠材に対する前記障子の移動を制限するようにした建具であって、
前記係合部材と前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面との間には、前記見込み面の延在方向に沿って移動することにより互いに係合し、前記係合部材の先端部が前記見込み面から離隔する方向へ移動することを阻止する係合部が設けられ、
前記係合部材には、前記障子において前記端部枠材に対向する見込み面にネジ部材を螺合することにより固定される固定部が設けられていることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面には、前記係合部を構成する別体の取付板が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記障子には、前記ガイド枠材に向けて突出することにより前記障子の移動をガイドする別体の摺動片が設けられ、前記摺動片を固定するネジ部材によって前記係合部材の固定部が前記障子に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記係合部材は、前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面に沿って配置される係合基板部と、前記係合基板部の先端部に前記係合部として設けられた挿入片と、前記係合基板部の基端部に固定部として設けられ、前記係合基板部が前記見込み面に当接された場合に、前記障子において前記端部枠材に対向する見込み面に当接可能となる固定板部とを有し、
前記取付板には、前記挿入片が挿入可能となる挿入孔が前記係合部として設けられていることを特徴とする請求項2に記載の建具。
【請求項5】
前記取付板には、前記係合部材の基端部に係合する位置決め突起が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体に設けたロック操作部材を障子に設けた係合部材に係合させることにより、枠体に対する障子の移動を制限するようにした建具に関する。
【背景技術】
【0002】
上げ下げ窓や引き違い窓等のように、枠体を構成する枠材の長手に沿って障子が移動する建具では、枠体に設けられたロック操作部材を操作することで障子の開閉移動を制限するようにしたものがある。例えば、枠体に対して障子が縦枠の長手に沿って上下に移動する上げ下げ窓では、縦枠にロック操作部材が設けられているとともに、障子の縦框においてロック操作部材に対応する位置に係合部材が突出するように設けられており、ロック操作部材を係合部材に係合させることにより、枠体に対して障子が上下方向に移動することを制限することが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、枠体に対して障子を移動させる際にガイドとなる縦框の見込み面は、縦枠によって常時覆われた状態となる。従って、枠体に建て込まれた障子の縦框に対しては、見込み面にネジ部材を螺合することができず、係合部材を取り付けることも困難となる。このため、見込み面に係合部材を取り付けるには、枠体に障子を建て込む以前に実施しておく必要があり、その後に障子を枠体に建て込む作業が煩雑化する等の問題を招来するおそれがある。なお、上述の問題は、枠体に対して障子が左右に移動する建具においても、枠体に対して障子を移動させる際にガイドとなる横框の見込み面と横枠との間で同様に生じ得る。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、枠体に障子を建て込む作業を煩雑化することなく、障子を移動させる際にガイドとなる見込み面に係合部材を取り付けることのできる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、ガイド枠材及び端部枠材を四周組することによって構成した枠体に対して前記ガイド枠材の長手に沿って障子が移動可能に配設され、前記ガイド枠材に設けたロック操作部材を前記障子に設けた係合部材に係合させることにより、前記ガイド枠材に対する前記障子の移動を制限するようにした建具であって、前記係合部材と前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面との間には、前記見込み面の延在方向に沿って移動することにより互いに係合し、前記係合部材の先端部が前記見込み面から離隔する方向へ移動することを阻止する係合部が設けられ、前記係合部材には、前記障子において前記端部枠材に対向する見込み面にネジ部材を螺合することにより固定される固定部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、障子の端部からガイド枠材に対向する見込み面の延在方向に沿って係合部材を挿入することで係合部が係合し、その後、障子において端部枠材に対向する見込み面にネジ部材を螺合することで固定部が障子に固定され、障子に対する係合部材の相対移動が阻止される。これにより、枠体に障子を建て込んだ後であっても障子においてガイド枠材に対向する見込み面に係合部材を設けることが可能となる。従って、係合部材を取り付けた状態の障子を建て込む必要がなくなり、作業が煩雑化することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態である建具を室内側から見た姿図である。
【
図4】
図1に示した建具の枠体に障子を建て込む状態の横断面図である。
【
図5】
図1に示した建具の要部を示すもので、(a)は障子の縦框部分を示す縦断面図、(b)はその平面図、(c)はその横断面図である。
【
図6】
図1に示した建具に適用する係合部材を示すもので、(a)は室内側から見た正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図7】
図1に示した建具に適用する取付板を示すもので、(a)は室内側から見た正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図8】
図1に示した建具の縦枠と障子の縦框との間に係合部材を挿入する状態を示す要部縦断面図である。
【
図9】
図1に示した建具の障子に係合部材を取り付ける際の状態を示すもので、(a)は縦枠と障子の縦框との間から傾けた係合部材の挿入片を取付板の挿入孔に挿入した状態の要部縦断面図、(b)は摺動片を介して係合部材にネジ部材を螺合する状態の要部縦断面図である。
【
図10】
図1に示した建具の障子を示すもので、(a)は上框と縦框との連結部分を示す斜視図、(b)はその分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては便宜上、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる場合がある。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、下枠等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0010】
図1~
図5は、本発明の実施の形態である建具を示したものである。ここで例示する建具は、勝手口ドアとして用いられるもので、開口枠1及びドアパネル2を備えている。開口枠1は、開口上枠1A、開口下枠1B、左右の開口縦枠1Cを四周組みして構成したものである。ドアパネル2は、ドア枠体(枠体)10、2つの通風用障子20A,20Bを備えて構成したもので、ドア枠体10と一方の開口縦枠1Cとの間にヒンジ3を介在させることにより、開口枠1に対して開閉可能に支持してある。開口枠1を構成する開口上枠1A、開口下枠1B及び左右の開口縦枠1Cは、アルミニウム合金等の金属によって成形した金属開口枠部1mと、樹脂によって成形した樹脂開口枠部1pとを備えて構成した複合型のもので、金属開口枠部1mが室外側となる状態で躯体に取り付けてある。金属開口枠部1m及び樹脂開口枠部1pは、押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0011】
ドア枠体10は、ドア上枠(端部枠材)11、ドア下枠(端部枠材)12、左右のドア縦枠(ガイド枠材)13,14を四周枠組みすることによって構成したものである。これらのドア上枠11、ドア下枠12、ドア縦枠13,14は、アルミニウム合金等の金属によって成形した金属枠部と、樹脂によって成形した樹脂枠部とを備えた複合型のもので、金属枠部が室外側となる状態で開口枠1に支持してある。金属枠部及び樹脂枠部は、押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0012】
ドア上枠11の金属枠部11Aは、上ドア枠基部11A1及び上ドア支持壁部11A2を一体に成形したものである。上ドア枠基部11A1は、縦長の略長方形断面を有した中空状を成すものである。この上ドア枠基部11A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部11Bが取り付けてある。また、上ドア枠基部11A1及び樹脂枠部11Bの内周側となる見込み面には、樹脂によって成形した上枠見込み部材11Cが室内側に突出するように設けてある。上ドア支持壁部11A2は、上ドア枠基部11A1の室外に臨む見付け面において内周側となる部分から室外に向けてほぼ水平に延在した後、内周側に向けてほぼ直角に屈曲した薄板状を成すものである。
【0013】
ドア下枠12の金属枠部12Aは、下ドア枠基部12A1、下ドア境界壁部12A2、下ドア内周壁部12A3、下ドア支持壁部12A4を一体に成形したものである。下ドア枠基部12A1は、上ドア枠基部11A1と同様、縦長の略長方形断面を有した中空状を成すものである。下ドア枠基部12A1の見込み方向に沿った寸法及び見付け方向に沿った寸法は、上ドア枠基部11A1とほぼ同じである。この下ドア枠基部12A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部12Bが取り付けてある。下ドア境界壁部12A2は、下ドア枠基部12A1の内周側となる見込み面においてほぼ中央となる部分から内周に向けて突出した薄板状を成すものである。下ドア内周壁部12A3は、下ドア枠基部12A1の内周側において室内側の隅部から内周に向けて突出した後、室内に向けて屈曲し、さらに内周に向けて屈曲したものである。下ドア内周壁部12A3の外周側となる表面には、樹脂によって成形した下枠カバー部材12Cが装着してある。下ドア支持壁部12A4は、下ドア枠基部12A1の内周側において室外側の隅部から室外に向けて漸次下方となるように延在した薄板状を成すものである。下ドア支持壁部12A4の室外への突出寸法は、上ドア支持壁部11A2の室外への突出寸法とほぼ同じである。
【0014】
吊り元側となるドア縦枠13の金属枠部13Aは、互いに別体に成形した吊り元外周側部分13A1及び吊り元内周側部分13A2を有したものである。吊り元外周側部分13A1は、横長の略長方形断面を有した中空状を成している。この吊り元外周側部分13A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部13Bが取り付けてある。吊り元内周側部分13A2は、縦ドア見込み壁部13A2a、縦ドア内方見付け壁部13A2b、縦ドア外方見付け壁部13A2c、縦ドア境界壁部13A2dを一体に成形したものである。縦ドア見込み壁部13A2aは、見込み方向に沿ってほぼ鉛直に延在する平板状を成すものである。縦ドア内方見付け壁部13A2bは、縦ドア見込み壁部13A2aの室内側縁部から内周に向けて延在した薄板状を成すものである。縦ドア外方見付け壁部13A2cは、縦ドア見込み壁部13A2aの室外側縁部から内周に向けて延在した平板状を成すものである。縦ドア境界壁部13A2dは、縦ドア見込み壁部13A2aの内周側となる見込み面において縦ドア内方見付け壁部13A2b及び縦ドア外方見付け壁部13A2cからほぼ等距離となる部分において内周に向けて突出した薄板状を成すものである。縦ドア境界壁部13A2dの室内に臨む見付け面から縦ドア見込み壁部13A2aの内周側となる見込み面にわたる部分には、樹脂によって成形した縦枠内周カバー部材13Cが装着してある。また、縦ドア内方見付け壁部13A2bの室内に臨む見付け面から縦ドア見込み壁部13A2aの外周側となる見込み面にわたる部分には、樹脂によって成形した縦枠外周カバー部材13Dが装着してある。
【0015】
戸先側となるドア縦枠14の金属枠部14Aは、互いに別体に成形した戸先外周側部分14A1及び戸先内周側部分14A2を有したものである。戸先外周側部分14A1は、横長の略長方形断面を有した中空状を成すもので、吊り元外周側部分13A1とは煙返し部14A1aを有している点で異なっている。すなわち、戸先外周側部分14A1には、外周側において室外側の隅部から室外に向けて突出した後、外周側に向けて屈曲するように煙返し部14A1aが一体に設けてある。この戸先外周側部分14A1には、室内に臨む見付け面のほぼ全面を覆うように樹脂枠部14Bが取り付けてある。戸先内周側部分14A2は、吊り元内周側部分13A2と同様、縦ドア見込み壁部14A2a、縦ドア内方見付け壁部14A2b、縦ドア外方見付け壁部14A2c、縦ドア境界壁部14A2dを一体に成形したものである。縦枠内周カバー部材14C、縦枠外周カバー部材14Dを備える点についても、吊り元側のドア縦枠13と同様である。図中の符号15は、戸先側となるドア縦枠14に設けたドアハンドルである。また符号16は、開口枠1に対するドアパネル2の開閉を制限するドア用ロック装置である。
【0016】
2つの通風用障子20A,20Bは、ドア枠体10の内部において境界壁部12A2,13A2d,14A2dよりも室内側となる部分及び境界壁部12A2,13A2d,14A2dよりも室外側となる部分にそれぞれドア縦枠13,14の長手に沿って上下に移動可能に配設したものである。室内側の通風用障子(以下、区別する場合に内障子(障子)20Aという)は、長方形状を成す複層ガラス21Aの四周に上框22A、下框23A及び左右の縦框24Aを装着することによって構成したものである。室外側の通風用障子(以下、区別する場合に外障子20Bという)は、長方形状を成す複層ガラス21Bの四周に上框22B、下框23B及び左右の縦框24Bを装着することによって構成したものである。本実施の形態では、内障子20Aの上框22Aと外障子20Bの下框23Bとが互いに見込み方向に並設する状態で内障子20Aを下方に配置するとともに、外障子20Bを上方に配置した場合にドア枠体10の開口を閉塞することができるように、それぞれの通風用障子20A,20Bの寸法が設定してある。
【0017】
また、内障子20Aは、左右の縦框24Aの室内に臨む見付け面がそれぞれ縦ドア内方見付け壁部13A2b及び縦ドア内方見付け壁部14A2bによって同時に覆われる一方、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24Aの見込み面との間にそれぞれ左右ケンドンが可能となる隙間が確保できるように、左右に沿った寸法が設定してある。すなわち、例えば内障子20Aの一方の縦框24Aをドア縦枠13に近接させるように移動させた場合には、他方の縦框24Aをドア縦枠14の縦ドア内方見付け壁部14A2bから完全に外部に露出した状態に配置することが可能である。同様に、外障子20Bは、左右の縦框24Bの室外に臨む見付け面がそれぞれ縦ドア外方見付け壁部13A2c及び縦ドア外方見付け壁部14A2cによって同時に覆われる一方、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24Bの見込み面との間にそれぞれ左右ケンドンが可能となる隙間が確保できるように、左右に沿った寸法が設定してある。従って、例えば外障子20Bの一方の縦框24Bをドア縦枠13に近接させるように移動させた場合には、他方の縦框24Bをドア縦枠14の縦ドア外方見付け壁部14A2cから完全に外部に露出した状態に配置することが可能である。
【0018】
内障子20Aの上框22A、下框23A、左右の縦框24A及び外障子20Bの上框22B、左右の縦框24Bは、いずれもアルミニウム合金等の金属によって成形した金属框部25Mと、樹脂によって成形した樹脂框部25Pとを備えた複合型のもので、金属框部25Mが室外側となる状態で互いの間に複層ガラス21A,21Bを保持している。外障子20Bの下框23Bについては、室内に臨む部分がないためアルミニウム合金等の金属によって一体に成形してある。これら通風用障子20A,20Bを構成する框は、金属によって成形した部分及び樹脂によって成形した部分に限らず、いずれも押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。なお、図中の符号30は、網戸枠体31の内部にネット32及び横桟33を設けることによって構成した格子付き網戸であり、ドア枠体10の開口を覆うようにドアパネル2の室外に臨む表面に取り付けてある。
【0019】
通風用障子20A,20Bには、左右の縦框24A,24Bにおいてドア縦枠13,14に対向する外周側の見込み面にそれぞれガイド溝26が設けてあり、左右の縦框24A,24Bの上下両端となる部分には、それぞれ摺動片27,28が設けてある。ガイド溝26は、縦框24A,24Bの金属框部25Mに設けた凹所であり、上下両端面が開放しているとともに、縦框24A,24Bの外周側となる見込み面に開口したものである。図からも明らかなように、このガイド溝26は、両側の開口縁部にそれぞれ内方に向けて突出するガイド片26aを有しており、開口の幅が内部の幅に対して小さく構成してある。摺動片27,28は、樹脂によって成形したブロック状を成すもので、上述したドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aと縦框24A,24Bの見付け面との間の隙間を埋めるようにドア縦枠13,14に向けて外周側に突出する状態で設けてある。内障子20Aの上部に設ける摺動片27は、上框22Aの上面に対して上方からネジ部材27aを螺合することによって取り付けてある(
図9参照)。外障子20Bに設ける摺動片28についても、上框22Bの上方や下框23Bの下方からネジ部材(図示せず)を螺合することによって取り付けてある。図には明示していないが、これらの通風用障子20A,20Bは、ワイヤーによって互いに連係してある。ワイヤーは、ドア縦枠13,14に設けた滑車(図示せず)に巻き掛けたもので、例えば内障子20Aを上方に移動させた場合に外障子20Bが下方に移動するように通風用障子20A,20Bを相互に連係するものである。
【0020】
また、この建具には、閉じた際に下方となる内障子20Aの一方の縦框24Aと、対応する一方のドア縦枠13との間には、障子用ロック装置40が設けてある。障子用ロック装置40は、ドア縦枠13に設けたロック操作部材41と、縦框24Aに設けた係合部材42とを備えて構成したものである。本実施の形態では、吊り元側となるドア縦枠13と内障子20Aの縦框24Aとの間に障子用ロック装置40が設けてある。
【0021】
ロック操作部材41は、取付基部41aを介してドア縦枠13の13A2bに固定してあり、縦枠外周カバー部材13Dを介して室内に突出している。このロック操作部材41は、取付基部41aとの間に介在した図示せぬリターンスプリングのバネ力により、先端の嵌合部41bが常時室外に向けて突出するように付勢された状態にある。ロック操作部材41の室内に突出した部分を把持し、リターンスプリングのバネ力に抗して引き操作すれば、嵌合部41bを室内側に移動させることが可能である。この状態からロック操作部材41に対する操作力を除去すれば、リターンスプリングのバネ力によって再び嵌合部41bが元の位置に復帰する。
【0022】
係合部材42は、
図5、
図6に示すように、係合基板部42a、固定板部42b、挿入片(係合部)42c、係合板部42dを一体に成形したもので、取付板43を介して縦框24Aを構成する金属框部25Mの外周側となる見込み面に取り付けてある。係合基板部42aは、縦長四角形の平坦な薄板状を成すものである。係合基板部42aの上方部には、両側縁部に位置決め用切欠42eが設けてある。位置決め用切欠42eは、四角形状を成し、互いに同一の位置において側縁に開口している。固定板部42bは、係合基板部42aの上端からほぼ直角方向に延在した平坦な薄板状を成すものである。この固定板部42bには、上下に沿ってネジ挿通孔42fが形成してある。このネジ挿通孔42fは、縦框24Aの上端部及び上框22Aの上面に摺動片27を取り付けるためのネジ孔22Aaに対応する位置に設けてある。挿入片42cは、係合基板部42aの下縁部から下方に突出したもので、係合基板部42aよりも幅の小さい平板状を成している。係合板部42dは、係合基板部42aの一側縁から固定板部42bとは反対方向に向けてほぼ直角方向に延在した薄板状を成すもので、上下に沿った寸法が係合基板部42aよりも短く、位置決め用切欠42eの下縁となる位置よりも下方となる部分に設けてある。この係合板部42dには、ガイド傾斜部42g及び係合孔42hが設けてある。ガイド傾斜部42gは、係合板部42dの延在縁部において上下となる部分からそれぞれ突出した薄板状を成すもので、係合板部42dから離隔するに従って漸次室外側となるように傾斜している。係合孔42hは、ロック操作部材41の嵌合部41bが挿通可能となる寸法の正方形状を成す貫通孔であり、例えば係合板部42dの延在縁部に沿って上下に3つ形成してある。係合孔42hの数は、必ずしも3に限らない。これらのガイド傾斜部42g及び係合孔42hを設けた係合板部42dは、内障子20Aをドア枠体10に建て込んだ状態で係合基板部42a及び後述する取付板43を介して縦框24Aの外周側となる見込み面に係合部材42を取り付けた場合にロック操作部材41の嵌合部41bよりも室内側に位置するように構成してある。また、ガイド傾斜部42g及び係合孔42hは、係合板部42dにおいてロック操作部材41の嵌合部41bに対向可能となる位置に設けてある。最上位に設けた係合孔42hは、内障子20Aを閉じた位置に配置した場合にロック操作部材41の嵌合部41bが貫通する位置に設けてある。なお、図中の符号42iは、後述する取付基板部43aのネジ孔43bに対応する位置に形成したネジ挿通用切欠である。
【0023】
取付板43は、
図7に示すように、取付基板部43a、位置決め突起43c、底板部43dを一体に成形したものである。取付基板部43aは、上下に沿った寸法が係合部材42の係合板部42dよりもわずかに大きく、係合板部42dよりも幅の大きな縦長四角形の平坦な薄板状を成すものである。取付基板部43aの中間部及び下方部には、それぞれネジ孔43bが設けてある。位置決め突起43cは、取付基板部43aの上縁両側部分から前方に向けて突出したものである。位置決め突起43cの相互間には、係合基板部42aにおいて位置決め用切欠42eが形成された部分の幅よりもわずかに大きく、かつ係合基板部42aの幅よりも小さい間隙が確保してある。底板部43dは、取付基板部43aの下端から位置決め突起43cと同じ方向に屈曲したものである。この底板部43dには、係合部材42の挿入片42cが挿入可能、かつ係合基板部42aが挿入不可となる大きさの挿入孔(係合部)43eが形成してある。底板部43dと位置決め突起43cとの間には、挿入孔43eに挿入片42cを挿入した状態で、係合基板部42aにおいて位置決め用切欠42eから下端までの部分が配置可能となる寸法が設定してある。
【0024】
以下、内障子20Aに対する係合部材42の取付構造について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。まず、
図8に示すように、内障子20Aに係合部材42を取り付ける場合には、ドア枠体10に内障子20Aを建て込む以前に縦框24Aにおいてドア縦枠13に対向する外周側の見込み面に予め取付板43を取り付ける作業を行う。取付板43は、内障子20Aの上框22A、下框23A、縦框24Aを四周組する以前の状態で縦框24Aの金属框部25Mにおいて外周側となる見込み面に取付基板部43aを当接させ、金属框部25Mの内周側からネジ挿通孔25Maを介して取付基板部43aのネジ孔43bにネジ部材44を螺合すれば、縦框24Aに取り付けることが可能となる。金属框部25Mのネジ挿通孔25Maは、上框22Aの上面から位置決め突起43cまでの距離が、係合部材42の固定板部42bから位置決め用切欠42eまでの寸法に合致するように設定してある。
【0025】
縦框24Aに取付板43を取り付けた後においては、複層ガラス21Aの四周にそれぞれ上框22A、下框23A、縦框24Aを装着し、互いの間を連結することによって内障子20Aを構成する。上框22A、下框23A、縦框24Aを四周組した状態においても、摺動片27を取り付ける以前の状態としておけば、
図4に示すように、内障子20Aを左右ケンドンでドア枠体10に容易に建て込むことが可能である。
【0026】
ここで、ドア枠体10に内障子20Aを建て込んだ状態においては、左右の縦框24Aの外周側となる見込み面がそれぞれドア縦枠13,14によって覆われた状態になる。しかしながら、上框22Aの見込み面である上面及び下框23Aの見込み面である下面については、ドア枠体10に対して内障子20Aを適宜上下に移動させれば露出させることができる。従って、
図8に示すように、内障子20Aの上方側からドア縦枠13の縦枠内周カバー部材13Cと縦框24Aとの隙間に係合部材42を挿入し、挿入片42cを縦框24Aの延在方向に沿って移動させることで、取付板43の挿入孔43eに挿入する作業を行うことが可能である。このとき、ドア枠体10の内部において内障子20Aを反対側のドア縦枠14に向けて移動させれば、縦枠内周カバー部材13Cと縦框24Aとの隙間を拡大することができ、上述の作業を容易化することできる。また、
図9(a)に示すように、上端部が縦框24Aから離隔するように係合部材42を傾斜させれば、位置決め突起43cと係合基板部42aとが接触することがなく、挿入片42cを挿入孔43eに挿入する作業を容易に行うことができる。
【0027】
挿入片42cが挿入孔43eに挿入された後においては、
図9(b)に示すように、係合板部42dの上端部を縦框24Aに近接させれば、位置決め突起43cが位置決め用切欠42eに挿入されるとともに、固定板部42bが上框22Aの上面に当接した状態となる。従って、
図9、
図10に示すように、摺動片27及び固定板部42bのネジ挿通孔42fを介して上框22Aのネジ孔22Aaにネジ部材27aを螺合すれば、摺動片27とともに、係合板部42dが縦框24Aのガイド溝26から突出した状態で係合部材42を内障子20Aに固定することができる。この状態においては、位置決め突起43cが位置決め用切欠42eに挿入することで縦框24Aに対する係合部材42の見込み方向に沿った相対移動が阻止されるとともに、挿入片42cが挿入孔43eに挿入することで、縦框24Aに対する係合部材42の見込み方向に沿った相対移動及び縦框24Aの見込み面から離隔する方向の移動が阻止される。しかも、位置決め突起43cが位置決め用切欠42eに挿入した状態においては、縦框24Aに対する係合部材42の取付位置を正確に規定されることになる。これにより、例えば、ドア枠体10に対して内障子20Aを閉じた状態でロック操作部材41の嵌合部41bを係合孔42hに挿通させれば、係合部材42を介して内障子20Aの上方への移動が阻止されることになる。上述したように、内障子20A及び外障子20Bは、ワイヤーによって互いに連係されたものである。従って、ドア枠体10に対する内障子20Aの上方への移動が阻止された場合には、外障子20Bを下方へ移動させることもできない状態となり、ドア枠体10に対して通風用障子20A,20Bを施錠した状態とすることができる。
【0028】
因に、内障子20Aを少し上方に移動させ、中間の係合孔42hや下方の係合孔42hに嵌合部41bを挿通させれば、内障子20A及び外障子20Bが途中まで開いた状態でその上下に沿った移動を阻止することも可能となる。また、内障子20A及び外障子20Bが全開した状態から内障子20Aを下方に移動させると、係合部材42に設けたガイド傾斜部42gに嵌合部41bが当接し、ガイド傾斜部42gの傾斜作用によりリターンスプリングのバネ力に抗して嵌合部41bが室内側に移動することになる。その後、係合孔42hの位置が嵌合部41bに合致するまで内障子20Aが移動すると、リターンスプリングのバネ力により、嵌合部41bが係合孔42hに貫通した状態となる。従って、ロック操作部材41を操作することなく内障子20Aを閉じ操作すれば、その後に内障子20Aの移動を阻止した状態とすることが可能となる。
【0029】
なお、摺動片28については、例えば係合部材42を内障子20Aに取り付けた後の適宜のタイミングで内障子20A及び外障子20Bに取り付ければ良い。この場合においても、摺動片27と同様、上框22Bの上方や下框23Bの下方からネジ部材を螺合することで、ドア枠体10に建て込んだ状態の外障子20Bに対して摺動片28を容易に取り付けることが可能である。摺動片27,28を取り付けた後においては、ドア縦枠13,14の縦ドア見込み壁部13A2a,14A2aとの間の隙間が減少する。このため、ドア枠体10に対する通風用障子20A,20Bの左右に沿った移動が制限される。従って、通風用障子20A,20Bのいずれか一方の縦框24A,24Bを一方のドア縦枠13,14に近接させるように移動させた場合においても、他方の縦框24A,24Bが他方のドア縦枠13,14に覆われた状態のままとなり、ドア枠体10から通風用障子20A,20Bが不用意に脱落する事態が招来されるおそれがない。
【0030】
このように、上述した建具によれば、内障子20Aの端部から縦框24Aの延在方向に沿って係合部材42を挿入することで挿入片42cが挿入孔43eに挿入し、その後、内障子20Aの上面にネジ部材27aを螺合することで固定板部42bが内障子20Aに固定され、内障子20Aに対する係合部材42の相対移動が阻止される。これにより、ドア枠体10に内障子20Aを建て込んだ後においても内障子20Aの縦框24Aに係合部材42を設けることが可能となる。従って、係合部材42を取り付けた状態の内障子20Aを建て込む必要がなくなり、作業が煩雑化することを防止できる。
【0031】
なお、上述した実施の形態では、ドアパネル2に設けられるドア枠体10及び通風用障子20A,20Bを例示しているが、躯体に設けられる枠体及び障子にももちろん適用可能である。また、ドア枠体10を構成する枠及び障子20A,20Bを構成する框としてそれぞれ金属と樹脂とから成る複合型のものを例示しているが、本発明は枠及び框が金属のみによって成形されたものであっても樹脂のみによって成形されたものでも構わない。さらに、ドア枠体10に対して障子20A,20Bが上下に移動する建具を例示しているが、障子が左右に移動するものにも適用することが可能である。この場合には、上枠もしくは下枠にロック操作部材を設け、かつ上框もしくは下框に係合部材を設ければ良い。またさらに、枠体に対して障子を2つ設けた建具を例示しているが、障子は1つあれば十分である。
【0032】
また、上述した実施の形態では、取付板43を介して縦框24Aに係合部材42を取り付けるようにしているため、縦框24Aに係合部を設けるといった特別な加工を施す必要がない。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば縦框に直接係合部材を取り付けるための係合部を設けるようにしても良い。なお、摺動片27を取り付けるためのネジ部材27aを適用して係合部材42を取り付けるようにしているため、部品点数を削減することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0033】
さらに、上述した実施の形態では、係合部材42に設けた挿入片42cを障子側の挿入孔43eに挿入するようにしているが、係合部材に挿入孔を形成する一方、障子側に挿入片を設けることも可能である。また、係合部材42の固定板部42bを障子20Aの上框22Aに固定するようにしているが、下框23Aに固定しても良い。なお、固定部として板状を成す固定板部42bを例示しているが、必ずしも固定部が板状を成している必要はない。
【0034】
以上のように、本発明に係る建具は、ガイド枠材及び端部枠材を四周組することによって構成した枠体に対して前記ガイド枠材の長手に沿って障子が移動可能に配設され、前記ガイド枠材に設けたロック操作部材を前記障子に設けた係合部材に係合させることにより、前記ガイド枠材に対する前記障子の移動を制限するようにした建具であって、前記係合部材と前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面との間には、前記見込み面の延在方向に沿って移動することにより互いに係合し、前記係合部材の先端部が前記見込み面から離隔する方向へ移動することを阻止する係合部が設けられ、前記係合部材には、前記障子において前記端部枠材に対向する見込み面にネジ部材を螺合することにより固定される固定部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、障子の端部からガイド枠材に対向する見込み面の延在方向に沿って係合部材を挿入することで係合部が係合し、その後、障子において端部枠材に対向する見込み面にネジ部材を螺合することで固定部が障子に固定され、障子に対する係合部材の相対移動が阻止される。これにより、枠体に障子を建て込んだ後であっても障子においてガイド枠材に対向する見込み面に係合部材を設けることが可能となる。従って、係合部材を取り付けた状態の障子を建て込む必要がなくなり、作業が煩雑化することを防止できる。
【0035】
また本発明は、上述した建具において、前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面には、前記係合部を構成する別体の取付板が取り付けられていることを特徴としている。
この発明によれば、障子においてガイド枠材に対向する見込み面に直接加工を施して係合部を設ける必要がなく、製造作業が煩雑化するおそれもない。
【0036】
また本発明は、上述した建具において、前記障子には、前記ガイド枠材に向けて突出することにより前記障子の移動をガイドする別体の摺動片が設けられ、前記摺動片を固定するネジ部材によって前記係合部材の固定部が前記障子に固定されていることを特徴としている。
この発明によれば、取り扱う部品点数を低減することができるようになる。
【0037】
また本発明は、上述した建具において、前記係合部材は、前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面に沿って配置される係合基板部と、前記係合基板部の先端部に前記係合部として設けられた挿入片と、前記係合基板部の基端部に固定部として設けられ、前記係合基板部が前記見込み面に当接された場合に、前記障子において前記端部枠材に対向する見込み面に当接可能となる固定板部とを有し、前記取付板には、前記挿入片が挿入可能となる挿入孔が前記係合部として設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、障子においてガイド枠材に対向する見込み面に沿って係合部材を移動させることで挿入片が取付板の挿入孔に挿入され、係合部が係合される。
【0038】
また本発明は、上述した建具において、前記取付板には、前記係合部材の基端部に係合する位置決め突起が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、位置決め突起によって係合部材の基端部の取付位置を正確に規定することができる。
【0039】
また、本発明に係る建具の製造方法は、ガイド枠材及び端部枠材を四周組することによって構成した枠体に対して前記ガイド枠材の長手に沿って障子が移動可能に配設され、前記ガイド枠材に設けたロック操作部材を前記障子に設けた係合部材に係合させることにより、前記ガイド枠材に対する前記障子の移動を制限するようにした建具の製造方法であって、前記係合部材として、係合基板部と、前記係合基板部の先端部に設けられた挿入片と、前記係合基板部の基端部に設けられた固定板部とを有したものを適用し、前記障子において前記ガイド枠材に対向する見込み面に挿入孔が設けられた取付板を設ける工程と、前記ガイド枠材及び前記端部枠材を四周組みして枠体を構成した後、枠体の内部に前記障子を配置する工程と、前記障子に設けた前記取付板の挿入孔に前記係合部材の挿入片を挿入した後、固定板部を介して前記障子において前記端部枠材に対向する見込み面にネジ部材を螺合する工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、予め構成した枠体に障子を建て込むことで建具を構成することができるため、製造作業の容易化を図ることができるようになる。
【符号の説明】
【0040】
10 ドア枠体、11 ドア上枠、12 ドア下枠、13,14 ドア縦枠、20A 内障子、22A 上框、24A 縦框、27 摺動片、27a ネジ部材、41 ロック操作部材、42 係合部材、42a 係合基板部、42b 固定板部、42c 挿入片、43 取付板、43c 位置決め突起、43e 挿入孔