IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東杜シーテック株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社レイティストシステムの特許一覧 ▶ 株式会社シー・テックの特許一覧

特開2023-128563魚選別システム、振分装置、及び、整列装置
<>
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図1
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図2
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図3
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図4
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図5
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図6
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図7
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図8
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図9
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図10
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図11
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図12
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図13
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図14
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図15
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図16
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図17
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図18
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図19
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図20
  • 特開-魚選別システム、振分装置、及び、整列装置 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128563
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】魚選別システム、振分装置、及び、整列装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 25/04 20060101AFI20230907BHJP
   B65G 47/06 20060101ALI20230907BHJP
   B07C 5/04 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A22C25/04
B65G47/06
B07C5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022032976
(22)【出願日】2022-03-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月23日に集会にて発表 令和3年3月23日にウェブサイトに掲載 令和4年2月10日に刊行物を発行 令和3年7月26日~令和3年8月3日に試験を実施 令和3年10月23日~令和3年11月4日に試験を実施 令和3年11月28日~令和3年12月3日に試験を実施
(71)【出願人】
【識別番号】511312469
【氏名又は名称】東杜シーテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518042707
【氏名又は名称】株式会社レイティストシステム
(71)【出願人】
【識別番号】518041331
【氏名又は名称】株式会社シー・テック
(74)【代理人】
【識別番号】100131428
【弁理士】
【氏名又は名称】若山 剛
(72)【発明者】
【氏名】関口 尚大
(72)【発明者】
【氏名】本田 光正
(72)【発明者】
【氏名】菅原 道晴
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 政行
【テーマコード(参考)】
3F079
3F080
4B011
【Fターム(参考)】
3F079AC02
3F079BA13
3F079CA18
3F079CC04
3F079DA06
3F080AA46
3F080BC01
3F080BD02
3F080CF01
3F080CG14
4B011KA01
4B011KB06
4B011KC02
4B011KC09
4B011KD07
(57)【要約】
【課題】魚の損傷を抑制するとともに、魚を高い精度にて選別することが可能な魚選別システムを提供すること。
【解決手段】魚選別システム1は、魚FSを選別する。魚選別システム1は、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚を整列させる整列装置10と、整列させられた魚FSが載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚FSを搬送方向へ搬送する搬送装置21,31と、搬送面の上方にて搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である押出方向へ壁面を移動させることにより、壁面が魚FSを搬送面の外へ押し出す振分装置30と、選別の基礎となる選別基礎情報を魚FSから取得し、取得された選別基礎情報に基づいて振分装置を制御する制御装置20と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚を選別する魚選別システムであって、
前記魚の頭尾方向が搬送方向に沿うように前記魚を整列させる整列装置と、
前記整列させられた魚が載置される搬送面を有するとともに、前記搬送面上の魚を前記搬送方向へ搬送する搬送装置と、
前記搬送面の上方にて前記搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、前記搬送面に沿った方向であるとともに前記搬送方向に直交する方向である押出方向へ前記壁面を移動させることにより、前記壁面が前記魚を前記搬送面の外へ押し出す振分装置と、
前記選別の基礎となる選別基礎情報を前記魚から取得し、前記取得された選別基礎情報に基づいて前記振分装置を制御する制御装置と、
を備える、魚選別システム。
【請求項2】
請求項1に記載の魚選別システムであって、
前記選別基礎情報は、前記魚の頭尾方向における長さを表す体長情報を含み、
前記制御装置は、前記取得された体長情報に基づいて、前記魚の頭尾方向における中心が、前記搬送方向に沿った方向にて前記壁面の中央部に到達するタイミングにて前記壁面が移動するように前記振分装置を制御する、魚選別システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の魚選別システムであって、
前記振分装置は、
前記搬送面の上方にて、前記搬送面と対向する部分である対向部分を有するとともに、循環可能に支持され、且つ、循環することにより前記対向部分が前記押出方向へ移動する環状体と、
前記環状体の外方へ突出するように前記環状体に固定されるとともに、前記対向部分の下方に位置する状態において前記壁面を構成し、且つ、前記環状体に沿って互いに所定の間隔にて隔てられた複数の位置をそれぞれ有する複数の突出体と、
前記環状体を前記間隔だけ循環させることにより前記壁面を前記押出方向へ移動させる駆動部と、
を備える、魚選別システム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の魚選別システムであって、
前記整列装置は、
前記魚が載置される搬送面を有するとともに、前記搬送面上の魚を前記搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記搬送面の上方において、前記搬送方向に沿った方向にて延在する通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する1対の側壁体と、
を備え、
前記1対の側壁体のうちの、一方が他方に対して前記搬送方向に沿った方向にて移動するように、前記1対の側壁体の少なくとも一方を前記搬送方向に沿った方向にて往復移動させる、魚選別システム。
【請求項5】
請求項4に記載の魚選別システムであって、
前記整列装置は、
前記1対の側壁体を複数対備えることにより前記通路を複数形成し、
前記複数の通路のうちの、互いに隣接する2つの通路に挟まれる2つの側壁体を支持する支持体を備え、
前記2つの側壁体は、前記搬送方向の逆方向における端部において、前記2つの側壁体がそれぞれ有する2つの側壁面が、前記魚を前記2つの通路にそれぞれ案内するように、前記2つの側壁面の、前記搬送面に沿った方向であって前記搬送方向に直交する方向である幅方向における距離が前記搬送方向の逆方向へ向かうにつれて短くなるとともに、前記2つの側壁面の前記幅方向における距離が変更可能に前記支持体に固定される、魚選別システム。
【請求項6】
搬送方向へ搬送されている搬送面上の魚を振り分ける振分装置であって、
前記搬送面の上方にて前記搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、前記搬送面に沿った方向であるとともに前記搬送方向に直交する方向である押出方向へ前記壁面を移動させることにより、前記壁面が前記搬送されている魚を前記搬送面の外へ押し出す、振分装置。
【請求項7】
魚が載置される搬送面を有するとともに、前記搬送面上の魚を搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記搬送面の上方において、前記搬送方向に沿った方向にて延在する通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する1対の側壁体と、
を備え、
前記1対の側壁体のうちの、一方が他方に対して前記搬送方向に沿った方向にて移動するように、前記1対の側壁体の少なくとも一方を前記搬送方向に沿った方向にて往復移動させる、整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚選別システム、振分装置、及び、整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
魚を選別する魚選別システムが知られている。例えば、特許文献1に記載の魚選別システムは、魚の頭尾方向が搬送方向に直交するように魚を整列させ、整列させられた魚を搬送面に載置し、搬送面上の魚を搬送方向へ搬送し、搬送されている魚を搬送面の外へ押し出すことにより魚を選別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭53-58399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、魚の頭及び尾は、比較的尖っている。このため、魚の頭尾方向にて魚を押し出した場合、魚が損傷しやすい。また、押し出す力が魚に働く位置が変動した場合、押し出された魚が進行する方向が比較的大きく変動しやすい。
このように、上記魚選別システムにおいては、魚が損傷する虞、又は、魚を高い精度にて選別できない虞があった。
【0005】
本発明の目的の一つは、魚の損傷を抑制するとともに、魚を高い精度にて選別することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面では、魚選別システムは、魚を選別する。
魚選別システムは、
魚の頭尾方向が搬送方向に沿うように魚を整列させる整列装置と、
整列させられた魚が載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚を搬送方向へ搬送する搬送装置と、
搬送面の上方にて搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である押出方向へ壁面を移動させることにより、壁面が魚を搬送面の外へ押し出す振分装置と、
選別の基礎となる選別基礎情報を魚から取得し、取得された選別基礎情報に基づいて振分装置を制御する制御装置と、
を備える。
【0007】
他の一つの側面では、振分装置は、搬送方向へ搬送されている搬送面上の魚を振り分ける。
振分装置は、
搬送面の上方にて搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である押出方向へ壁面を移動させることにより、壁面が搬送されている魚を搬送面の外へ押し出す。
【0008】
他の一つの側面では、整列装置は、
魚が載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚を搬送方向へ搬送する搬送部と、
搬送面の上方において、搬送方向に沿った方向にて延在する通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する1対の側壁体と、
1対の側壁体のうちの、一方が他方に対して搬送方向に沿った方向にて移動するように、1対の側壁体の少なくとも一方を搬送方向に沿った方向にて往復移動させる駆動部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
魚の損傷を抑制するとともに、魚を高い精度にて選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の魚選別システムの斜視図である。
図2】第1実施形態の魚選別システムの斜視図である。
図3】第1実施形態の魚選別システムの平面図である。
図4】第1実施形態の魚選別システムの側面図である。
図5】第1実施形態の整列装置の斜視図である。
図6】第1実施形態の整列装置の斜視図である。
図7】第1実施形態の整列装置の平面図である。
図8】第1実施形態の整列装置の側面図である。
図9】第1実施形態の整列装置の正面図である。
図10】第1実施形態の整列装置の動作を表す説明図である。
図11】第1実施形態の制御装置の斜視図である。
図12】第1実施形態の制御装置の斜視図である。
図13】第1実施形態の制御装置の、遮蔽体が除かれた状態における斜視図である。
図14】第1実施形態の制御部の構成を表すブロック図である。
図15】第1実施形態の振分装置の斜視図である。
図16】第1実施形態の振分装置の斜視図である。
図17】第1実施形態の振分装置の平面図である。
図18】第1実施形態の振分装置の側面図である。
図19】第1実施形態の振分部の斜視図である。
図20】第1実施形態の振分部の動作を表す説明図である。
図21】第1実施形態の魚選別システムの動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の、魚選別システム、振分装置、及び、整列装置に関する各実施形態について図1乃至図21を参照しながら説明する。
【0012】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の魚選別システムは、魚を選別する。魚選別システムは、整列装置と、搬送装置と、振分装置と、制御装置と、を備える。
整列装置は、魚の頭尾方向が搬送方向に沿うように魚を整列させる。
搬送装置は、整列させられた魚が載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚を搬送方向へ搬送する。
振分装置は、搬送面の上方にて搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である押出方向へ壁面を移動させることにより、壁面が魚を搬送面の外へ押し出す。
制御装置は、選別の基礎となる選別基礎情報を魚から取得し、取得された選別基礎情報に基づいて振分装置を制御する。
【0013】
これによれば、魚の頭尾方向に直交する方向にて魚が押し出されるので、魚の頭尾方向にて魚が押し出される場合よりも、魚が損傷することを抑制できる。また、魚の背及び腹は、魚の頭及び尾よりも丸みを有する。従って、壁面が魚と接する位置の変動に対する、押し出された魚が進行する方向の変動を抑制できる。この結果、魚を高い精度にて押出方向へ押し出すことができる。
このように、上記魚選別システムによれば、魚の損傷を抑制するとともに、魚を高い精度にて選別することができる。
次に、第1実施形態の魚選別システムについて、図1乃至図21を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
(構成:魚選別システム)
図1乃至図4に表されるように、第1実施形態の魚選別システム1は、魚FSを選別する。魚選別システム1は、第1搬送部11を含む整列装置10と、第2搬送部21と、制御装置20と、第3搬送部31と、振分装置30と、を備える。本例では、魚選別システム1を構成する各装置及び各搬送部は、図示されない支持部により支持される。
【0015】
以下、x軸、y軸、及び、z軸を有する右手系の直交座標系を用いて、魚選別システム1を説明する。
本例では、x軸方向、y軸方向、及び、z軸方向は、魚選別システム1の左右方向、魚選別システム1の前後方向、及び、魚選別システム1の上下方向とそれぞれ表されてもよい。また、本例では、x軸の正方向、x軸の負方向、y軸の正方向、y軸の負方向、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、魚選別システム1の右方向、魚選別システム1の左方向、魚選別システム1の前方向、魚選別システム1の後方向、魚選別システム1の上方向、及び、魚選別システム1の下方向とそれぞれ表されてもよい。
【0016】
本例では、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、鉛直上方向(換言すると、上方向)、及び、鉛直下方向(換言すると、下方向)にそれぞれ一致する。
【0017】
図1は、魚選別システム1の右方であり、魚選別システム1の前方であり、且つ、魚選別システム1の上方である位置から、魚選別システム1を見た図(換言すると、右前上方斜視図)である。図2は、魚選別システム1の右方であり、魚選別システム1の後方であり、且つ、魚選別システム1の上方である位置から、魚選別システム1を見た図(換言すると、右後上方斜視図)である。図3は、魚選別システム1の上方から魚選別システム1を見た図(換言すると、平面図)である。図4は、魚選別システム1の右方から魚選別システム1を見た図(換言すると、右側面図)である。
【0018】
第1搬送部11、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれは、z軸の正方向における端部において、所定の幅を有するとともに、y軸方向にて延在する搬送面を有する。第1搬送部11、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれは、搬送面を所定の搬送方向(本例では、搬送面に沿うとともにy軸の正方向へ向かう方向)へ移動させる。これにより、第1搬送部11、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれは、搬送面に載置された物体(本例では、魚FS)を搬送方向へ移動させる(換言すると、搬送する)。
【0019】
本例では、第1搬送部11の搬送面が移動する速度(換言すると、搬送面に載置された物体が移動する速度)である搬送速度は、0.1[m/s]である。なお、第1搬送部11の搬送速度は、0.01[m/s]乃至0.4[m/s]の速度であってもよい。
【0020】
第2搬送部21の搬送速度は、第1搬送部11の搬送速度よりも大きい。本例では、第2搬送部21の搬送速度は、0.5[m/s]である。なお、第2搬送部21の搬送速度は、0.2[m/s]乃至1.5[m/s]の速度であってもよい。
【0021】
第3搬送部31の搬送速度は、第2搬送部21の搬送速度と等しい。なお、第3搬送部31の搬送速度は、第2搬送部21の搬送速度と異なっていてもよい。例えば、第3搬送部31の搬送速度は、第2搬送部21の搬送速度よりも大きくてもよい。本例では、第3搬送部31の搬送速度は、0.5[m/s]である。なお、第3搬送部31の搬送速度は、0.2[m/s]乃至1.5[m/s]の速度であってもよい。
【0022】
本例では、第1搬送部11、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれは、ベルト式のコンベヤを含む。なお、第1搬送部11、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれは、ベルト式以外のコンベヤ(例えば、チェーン式又はローラ式のコンベヤ)を含んでいてもよい。
本例では、搬送方向の逆方向、及び、搬送方向は、上流方向、及び、下流方向とそれぞれ表されてもよい。
【0023】
第1搬送部11、第2搬送部21、及び、第3搬送部31は、搬送方向へ連続するように位置する。換言すると、第1搬送部11の下流方向における端部と、第2搬送部21の上流方向における端部と、が互いに隣接し、且つ、第2搬送部21の下流方向における端部と、第3搬送部31の上流方向における端部と、が互いに隣接する。
本例では、第2搬送部21及び第3搬送部31は、搬送装置に対応する。
【0024】
本例では、第1搬送部11の搬送面は、下流方向における端部が、上流方向における端部よりも鉛直上方に位置するように、水平面に対して傾斜する。本例では、第1搬送部11の搬送面が水平面に対して傾斜する角度である傾斜角度は、3度である。なお、第1搬送部11の傾斜角度は、0.1度乃至10度の角度であってもよい。本例では、第1搬送部11は、傾斜角度を変更可能である。なお、第1搬送部11の搬送面は、水平面と平行であってもよい。
【0025】
本例では、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれの搬送面は、水平面と平行である。なお、第2搬送部21、及び、第3搬送部31のそれぞれの搬送面は、水平面に対して傾斜していてもよい。
【0026】
本例では、第2搬送部21の搬送面の摩擦係数は、第1搬送部11及び第3搬送部31のそれぞれの搬送面の摩擦係数よりも高い。本例では、第2搬送部21の搬送面の、光に対する反射率は、第1搬送部11及び第3搬送部31のそれぞれの、光に対する反射率よりも低い。
【0027】
本例では、第2搬送部21の搬送面は、黒色であるとともに、凹凸を有する。なお、第2搬送部21の搬送面は、平滑であってもよい。本例では、第1搬送部11及び第3搬送部31のそれぞれの搬送面は、平滑である。
【0028】
整列装置10は、魚選別システム1のうちの、上流方向における端部を構成する。整列装置10は、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚FSを整列させる。頭尾方向は、魚FSの頭と魚FSの尾とを結ぶ方向である。
本例では、整列装置10は、搬送方向に沿った、複数の列(本例では、3列)を形成するように魚FSを列毎に整列させる。これにより、第2搬送部21及び第3搬送部31は、複数の列を形成するとともに、各列において魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように整列させられた魚FSを搬送方向へ搬送する。
【0029】
本例では、整列装置10によって形成される3列のうちの、x軸の負方向における端の列は、第1列と表され、x軸方向における中央の列は、第2列と表され、且つ、x軸の正方向における端の列は、第3列と表される。
整列装置10の詳細については後述される。
【0030】
制御装置20は、第2搬送部21の搬送面にて搬送されている魚FSから、選別の基礎となる選別基礎情報を取得し、取得された選別基礎情報に基づいて振分装置30を制御する。制御装置20は、制御部22を含む。
制御装置20の詳細については後述される。
【0031】
振分装置30は、制御装置20による制御に従って、第3搬送部31の搬送面にて搬送されている魚FSを振り分ける。
振分装置30の詳細については後述される。
【0032】
(構成:整列装置)
次に、整列装置10の詳細について説明を加える。
図5乃至図10に表されるように、整列装置10は、外壁部12と、第1移動体部13と、第2移動体部14と、を備える。
図5は、整列装置10の右前上方斜視図である。図6は、整列装置10の右後上方斜視図である。図7は、整列装置10の平面図である。図8は、整列装置10の右側面図である。図9は、整列装置10の前方から整列装置10を見た図(換言すると、正面図)である。図10は、整列装置10の第1移動体部13及び第2移動体部14の動作を表す平面図である。
【0033】
外壁部12は、搬送面に対して立設される、一対の外壁体を有する。本例では、一対の外壁体のそれぞれは、平板状である。一対の外壁体は、第1搬送部11の搬送方向に沿うとともに、第1搬送部11の上流方向における端部から第1搬送部11の下流方向における端部まで延在する。
【0034】
一対の外壁体は、第1搬送部11のうちの、幅方向(本例では、x軸方向)における両端部において、第1搬送部11の搬送面の外方にて第1搬送部11に隣接するように、それぞれ位置する。幅方向は、第1搬送部11の搬送面に沿った方向であって搬送方向に直交する方向である。外壁部12は、第1搬送部11に対して移動不能に固定される。
【0035】
このような構成により、一対の外壁体は、第1搬送部11の搬送面上の空間を挟むように対向する。
【0036】
第1移動体部13、及び、第2移動体部14のそれぞれは、第1搬送部11の搬送面の上方にて、第1搬送部11の下流方向における端部を含む位置を有する。第1移動体部13は、第1側壁体131と、第2側壁体132と、第3側壁体133と、支持体134と、を備える。第2移動体部14は、第1側壁体141と、第2側壁体142と、第3側壁体143と、支持体144と、を備える。
【0037】
第1側壁体131、第2側壁体132、第3側壁体133、第1側壁体141、第2側壁体142、及び、第3側壁体143は、側壁体群131~133,141~143とも表される。
【0038】
側壁体群131~133,141~143のそれぞれは、搬送面に対して立設される。本例では、側壁体群131~133,141~143のそれぞれは、平板状である。側壁体群131~133,141~143のそれぞれは、搬送方向に沿った方向にて延在する。
【0039】
本例では、側壁体群131~133,141~143のそれぞれの搬送方向における長さは、第1搬送部11の搬送方向における長さの30%乃至50%の長さである。なお、側壁体群131~133,141~143のそれぞれの搬送方向における長さは、第1搬送部11の搬送方向における長さの50%乃至100%の長さであってもよい。
【0040】
側壁体群131~133のそれぞれは、第1搬送部11の搬送面の上方にて、搬送面と所定の間隙が隔てられるように支持体134により支持される。側壁体群141~143のそれぞれは、第1搬送部11の搬送面の上方にて、搬送面と所定の間隙が隔てられるように支持体144により支持される。
【0041】
側壁体群131~133,141~143は、幅方向において互いに隔てられる位置を有する。本例では、側壁体群131~133,141~143は、搬送方向に沿った方向にて延在する通路を、複数(本例では、3つ)形成する。なお、整列装置10が形成する通路は、1つ、2つ、又は、4つ以上であってもよい。
【0042】
第1側壁体131は、第1搬送部11の搬送面のうちの、幅方向における一方の端部(本例では、x軸の負方向における端部)の近傍に位置する。第3側壁体143は、第1搬送部11の搬送面のうちの、幅方向における他方の端部(本例では、x軸の正方向における端部)の近傍に位置する。
【0043】
第1側壁体141は、第1側壁体131と対向する位置を有する。従って、第1側壁体131のうちの、x軸の正方向における端面である側壁面と、第1側壁体141のうちの、x軸の負方向における端面である側壁面と、は、第1通路を形成する。換言すると、第1側壁体131、及び、第1側壁体141は、第1通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する。
【0044】
第2側壁体132と第2側壁体142とは、幅方向における中央を挟むように互いに対向する位置を有する。本例では、第2側壁体142のうちの、x軸の正方向における端面である側壁面と、第2側壁体132のうちの、x軸の負方向における端面である側壁面と、は、第2通路を形成する。換言すると、第2側壁体132、及び、第2側壁体142は、第2通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する。
【0045】
第3側壁体133は、第3側壁体143と対向する位置を有する。従って、第3側壁体133のうちの、x軸の正方向における端面である側壁面と、第3側壁体143のうちの、x軸の負方向における端面である側壁面と、は、第3通路を形成する。換言すると、第3側壁体133、及び、第3側壁体143は、第3通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する。
【0046】
第2側壁体132及び第3側壁体133は、上流方向における端部において、第2側壁体132及び第3側壁体133がそれぞれ有する2つの側壁面が、魚FSを第2通路及び第3通路にそれぞれ案内するように、当該2つの側壁面の、幅方向における距離が上流方向へ向かうにつれて短くなる。
【0047】
本例では、第2側壁体132及び第3側壁体133のそれぞれは、上流方向における端部が、第1搬送部11の搬送面に直交する方向にて揺動の中心軸が延在するように揺動可能である。更に、第2側壁体132及び第3側壁体133の上流方向における先端部は、第1搬送部11の搬送面に直交する方向にて揺動の中心軸が延在するように互いに揺動可能に連結される。
【0048】
第2側壁体132、及び、第3側壁体133のそれぞれは、幅方向における位置を変更可能に支持体134に固定される。従って、第2側壁体132及び第3側壁体133は、第2側壁体132及び第3側壁体133がそれぞれ有する2つの側壁面の幅方向における距離が変更可能である。換言すると、第2側壁体132、及び、第3側壁体133の幅方向における位置を変更することにより、第2通路、及び、第3通路の幅方向における長さがそれぞれ変更される。
【0049】
第2側壁体132、及び、第3側壁体133は、上流方向における端部において、案内部1321、及び、案内部1331をそれぞれ有する。
図6図7、及び、図9に表されるように、案内部1321は、中心が第2側壁体132の側壁面よりもx軸の負方向に位置する円弧状の湾曲面を有する。本例では、案内部1321の曲率は、下流方向へ向かうにつれて小さくなる。案内部1331は、中心が第3側壁体133の側壁面よりもx軸の正方向に位置する円弧状の湾曲面を有する。本例では、案内部1331の曲率は、下流方向へ向かうにつれて小さくなる。
【0050】
これによれば、背腹方向が鉛直方向に沿った姿勢を有する魚FSが案内部1321及び案内部1331に当接することにより、当該魚FSの姿勢を、背腹方向が水平方向に沿った姿勢に変化させることができる。魚FSの背腹方向は、魚FSの背及び腹を結ぶ方向である。これにより、各列において整列させられた魚FS同士が、搬送方向に沿った方向において互いに重なることを抑制できる。
【0051】
第1側壁体141及び第2側壁体142は、上流方向における端部において、第1側壁体141及び第2側壁体142がそれぞれ有する2つの側壁面が、魚FSを第1通路及び第2通路にそれぞれ案内するように、当該2つの側壁面の、幅方向における距離が上流方向へ向かうにつれて短くなる。
【0052】
本例では、第1側壁体141及び第2側壁体142のそれぞれは、上流方向における端部が、第1搬送部11の搬送面に直交する方向にて揺動の中心軸が延在するように揺動可能である。更に、第1側壁体141及び第2側壁体142の上流方向における先端部は、第1搬送部11の搬送面に直交する方向にて揺動の中心軸が延在するように互いに揺動可能に連結される。
【0053】
第1側壁体141及び第2側壁体142のそれぞれは、幅方向における位置を変更可能に支持体144に固定される。従って、第1側壁体141及び第2側壁体142は、第1側壁体141及び第2側壁体142がそれぞれ有する2つの側壁面の幅方向における距離が変更可能である。換言すると、第1側壁体141及び第2側壁体142の幅方向における位置を変更することにより、第1通路、及び、第2通路の幅方向における長さがそれぞれ変更される。
【0054】
第1側壁体141及び第2側壁体142は、上流方向における端部において、案内部1411、及び、案内部1421をそれぞれ有する。
図6図7、及び、図9に表されるように、案内部1411は、中心が第1側壁体141の側壁面よりもx軸の負方向に位置する円弧状の湾曲面を有する。本例では、案内部1411の曲率は、下流方向へ向かうにつれて小さくなる。案内部1421は、中心が第2側壁体142の側壁面よりもx軸の正方向に位置する円弧状の湾曲面を有する。本例では、案内部1421の曲率は、下流方向へ向かうにつれて小さくなる。
【0055】
これによれば、背腹方向が鉛直方向に沿った姿勢を有する魚FSが案内部1411及び案内部1421に当接することにより、当該魚FSの姿勢を、背腹方向が水平方向に沿った姿勢に変化させることができる。これにより、各列において整列させられた魚FS同士が、搬送方向に沿った方向において互いに重なることを抑制できる。
【0056】
支持体134は、第1側壁体131、第2側壁体132、及び、第3側壁体133を一体に連結するように支持する。従って、支持体134は、互いに隣接する2つの通路である第2通路及び第3通路に挟まれる第2側壁体132及び第3側壁体133を支持する。
【0057】
支持体144は、第1側壁体141、第2側壁体142、及び、第3側壁体143を一体に連結するように支持する。従って、支持体144は、互いに隣接する2つの通路である第1通路及び第2通路に挟まれる第1側壁体141及び第2側壁体142を支持する。
【0058】
図10に表されるように、整列装置10は、図示されない駆動部を備え、駆動部が、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を搬送方向に沿った方向にて繰り返して往復移動させる。
本例では、整列装置10において、移動期間と停止期間とが交互に到来する。移動期間において、整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を移動させる。停止期間において、整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を停止させる。
【0059】
本例では、移動期間の長さは、1秒である。なお、移動期間の長さは、0.5秒乃至2秒の時間であってもよい。本例では、停止期間の長さは、移動期間の長さと等しい。なお、停止期間の長さは、移動期間の長さと異なっていてもよい。例えば、停止期間の長さは、0.5秒乃至2秒の時間であってよい。
【0060】
整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を互いに逆の方向へ移動させる。従って、図10の(A)に表されるように、第1移動期間において、整列装置10は、第1移動体部13を、搬送方向AR1へ移動させるとともに、第2移動体部14を搬送方向の逆方向AR2へ移動させる。
【0061】
これにより、第1通路を形成する側壁面を有する第1側壁体131は、搬送方向へ移動するとともに、第1通路を形成する側壁面を有する第1側壁体141は、搬送方向の逆方向へ移動する。
また、第2通路を形成する側壁面を有する第2側壁体132は、搬送方向へ移動するとともに、第2通路を形成する側壁面を有する第2側壁体142は、搬送方向の逆方向へ移動する。
また、第3通路を形成する側壁面を有する第3側壁体133は、搬送方向へ移動するとともに、第3通路を形成する側壁面を有する第3側壁体143は、搬送方向の逆方向へ移動する。
【0062】
第1移動期間に後続する第1停止期間において、整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を停止させる。
【0063】
第1停止期間に後続する第2移動期間において、図10の(B)に表されるように、整列装置10は、第1移動体部13を、搬送方向の逆方向AR3へ移動させるとともに、第2移動体部14を搬送方向AR4へ移動させる。
【0064】
これにより、第1通路を形成する側壁面を有する第1側壁体131は、搬送方向の逆方向へ移動するとともに、第1通路を形成する側壁面を有する第1側壁体141は、搬送方向へ移動する。
また、第2通路を形成する側壁面を有する第2側壁体132は、搬送方向の逆方向へ移動するとともに、第2通路を形成する側壁面を有する第2側壁体142は、搬送方向へ移動する。
また、第3通路を形成する側壁面を有する第3側壁体133は、搬送方向の逆方向へ移動するとともに、第3通路を形成する側壁面を有する第3側壁体143は、搬送方向へ移動する。
【0065】
第2移動期間に後続する第2停止期間において、整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を停止させる。
整列装置10は、第1移動期間、第1停止期間、第2移動期間、及び、第2停止期間を繰り返す。
【0066】
このようにして、整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を搬送方向に沿った方向にて繰り返して往復移動させる。これにより、整列装置10は、搬送方向に沿った、複数の列(本例では、3列)を形成するように列毎に、且つ、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように、魚FSを整列させる。
【0067】
本例では、整列装置10は、通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する1対の側壁体の両方を往復移動させる。ところで、第1実施形態の変形例において、整列装置10は、通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する1対の側壁体のうちの一方のみを往復移動させてもよい。また、第1実施形態の変形例において、整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を移動させることなく、魚FSを整列させてもよい。
【0068】
(構成:制御装置)
次に、制御装置20の詳細について説明を加える。
図11乃至図13に表されるように、制御装置20は、遮蔽体23と、複数(本例では、3)対の光源部24と、第1撮影部25と、第2撮影部26と、を備える。なお、制御装置20が備える光源部の数は、3対以外の数であってもよい。また、制御装置20が備える、第1撮影部、及び、第2撮影部のそれぞれの数は、2つ以上であってもよい。
また、制御装置20は、整列装置10によって形成される複数の列のそれぞれに対応する、光源部24、第1撮影部25、及び、第2撮影部26を備えていてもよい。
【0069】
図11は、制御装置20の右前上方斜視図である。図12は、制御装置20の右後上方斜視図である。図13は、遮蔽体23が除かれた状態における制御装置20の右前上方斜視図である。
【0070】
遮蔽体23は、第2搬送部21の搬送面の上方において、当該搬送面の幅方向にて当該搬送面の全体を覆うとともに、当該搬送面の搬送方向に沿った方向における両端部以外の部分を覆う。遮蔽体23は、光を遮断する外壁を有する。例えば、外壁の少なくとも一部は、光を遮断する板又は布により構成されていてもよい。本例では、遮蔽体23は、搬送方向にて延在する四角柱状である。
【0071】
遮蔽体23は、第2搬送部21の搬送面とともに内部空間を形成する。遮蔽体23は、内部空間と遮蔽体23の外部とを連通する入口部及び出口部を有する。入口部は、遮蔽体23のうちの上流方向における端部を構成する。入口部は、遮蔽体23のうちの鉛直下方における端部において上流方向へ延出する。出口部は、遮蔽体23のうちの下流方向における端部を構成する。出口部は、遮蔽体23のうちの鉛直下方における端部において下流方向へ延出する。入口部、及び、出口部のそれぞれの高さは、遮蔽体23の搬送方向における中央部の高さよりも低い。
【0072】
このような構成により、遮蔽体23は、第2搬送部21の搬送面にて搬送される魚FS、第1撮影部25、及び、第2撮影部26を収容する内部空間を形成するように、魚FS、第1撮影部25、及び、第2撮影部26を遮蔽する。
【0073】
図13に表されるように、光源部24は、遮蔽体23、及び、第2搬送部21の搬送面により形成される内部空間にて光を発生する。本例では、光源部24は、直線状の配列を有する、複数のLED(Light Emitting Diode)と、魚FSを均一に照明するように光を拡散させる拡散板と、を含む。本例では、光源部24は、第2搬送部21の搬送面の上方であり、且つ、鉛直方向において第1撮影部25及び第2撮影部26よりも下方である領域に位置する。
このような構成により、光源部24は、第2搬送部21の搬送面にて搬送される魚FSを照明する。
【0074】
第1撮影部25は、魚FSを撮影し、撮影された魚FSを表す可視光画像を取得する。可視光画像は、複数の画素のそれぞれに対して、魚FSにより反射された可視光の強度を表す画像である。
本例では、可視光画像に含まれる複数の画素は、格子状の配列を有する。
【0075】
本例では、第1撮影部25は、カラーカメラ、又は、RGB(Red Green Blue)カメラを含む。なお、第1撮影部25は、白黒カメラであってもよい。第1撮影部25は、第2搬送部21の搬送面の鉛直上方に位置する。
本例では、第1撮影部25は、静止画像を取得する。なお、第1撮影部25は、静止画像に代えて、又は、静止画像に加えて、動画像を取得してもよい。
【0076】
第2撮影部26は、魚FSを撮影し、撮影された魚FSを表す距離画像を取得する。距離画像は、複数の画素のそれぞれに対して、基準面と魚FSとの間の距離を表す画像である。本例では、基準面は、水平面を形成する。換言すると、本例では、基準面は、鉛直方向に直交する平面である。なお、基準面は、水平面に対して傾斜していてもよい。
本例では、距離画像に含まれる複数の画素は、格子状の配列を有する。
【0077】
本例では、第2撮影部26は、TOF(Time Of Flight)カメラを含む。なお、第2撮影部26は、TOFカメラに代えて、ステレオカメラを用いることにより距離画像を取得してもよい。また、第2撮影部26は、直線状の配列を有する複数の画素のそれぞれに対して、基準面と魚FSとの間の距離を測定する測距センサを備え、魚FSが所定の距離だけ移動する毎に測定された距離に基づいて距離画像を取得してもよい。
【0078】
第2撮影部26は、第2搬送部21の搬送面の鉛直上方に位置する。本例では、第2撮影部26は、静止画像を取得する。なお、第2撮影部26は、静止画像に代えて、又は、静止画像に加えて、動画像を取得してもよい。
【0079】
図14に表されるように、制御部22は、処理装置221と、記憶装置222と、を備える。本例では、制御部22の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)回路により構成される。なお、制御部22の少なくとも一部は、プログラム可能な論理回路(例えば、PLD(Programmable Logic Device)、又は、FPGA(Field-Programmable Gate Array))により構成されてもよい。また、制御部22は、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、又は、スマートフォン等を含んでいてもよい。
【0080】
制御部22は、記憶装置222に記憶されているプログラムを処理装置221が実行することにより、魚選別システム1の各部を制御する。本例では、制御部22による制御は、制御部22が魚選別システム1の各部との間で信号を送受することにより行われる。本例では、制御部22には、第1撮影部25、第2撮影部26、後述の第1通過センサ34L、後述の第2通過センサ34C、後述の第3通過センサ34R、後述の第1振分部321L~324L、後述の第2振分部325C~327C、後述の第3振分部321R~324R、及び、後述の第4振分部33が、信号を送受するための信号線により接続されている。
これにより、制御部22は、後述する機能を実現する。
【0081】
処理装置221は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)を含んでもよい。また、記憶装置222は、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、有機メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)を含んでもよい。
【0082】
(構成:振分装置)
次に、振分装置30の詳細について説明を加える。
図15乃至図20に表されるように、振分装置30は、複数(本例では、4つ)の第1振分部321L~324Lと、複数(本例では、3つ)の第2振分部325C~327Cと、複数(本例では、4つ)の第3振分部321R~324Rと、第4振分部33と、第1通過センサ34Lと、第2通過センサ34Cと、第3通過センサ34Rと、を備える。
【0083】
なお、振分装置30が備える、第1振分部、及び、第3振分部のそれぞれの数は、3つ以下、又は、5つ以上であってもよい。また、振分装置30が備える第2振分部の数は、2つ以下、又は、4つ以上であってもよい。例えば、振分装置30が備える振分部の数は、振り分けられる魚FSの分類数に応じて決定されてよい。
【0084】
図15は、振分装置30の右前上方斜視図である。図16は、振分装置30の右後上方斜視図である。図17は、振分装置30の平面図である。図18は、振分装置30の右側面図である。図19は、第2振分部325Cの右前上方斜視図である。図20は、第2振分部325Cの動作の概要を表す説明図である。
【0085】
複数の第1振分部321L~324Lは、振分装置30のうちの、上流方向における端部を含む位置を有する。複数の第1振分部321L~324Lのそれぞれは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSのうちの、整列装置10によって形成される第1列にて整列させられた魚FSを振り分ける。
【0086】
複数の第2振分部325C~327C、及び、第4振分部33は、振分装置30のうちの、複数の第1振分部321L~324Lよりも下流方向における位置を有する。第4振分部33は、複数の第2振分部325C~327Cよりも下流方向における位置を有する。複数の第2振分部325C~327C、及び、第4振分部33のそれぞれは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSのうちの、整列装置10によって形成される第2列にて整列させられた魚FSを振り分ける。
【0087】
複数の第3振分部321R~324Rは、振分装置30のうちの、上流方向における端部を含む位置を有する。複数の第3振分部321R~324Rのそれぞれは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSのうちの、整列装置10によって形成される第3列にて整列させられた魚FSを振り分ける。
本例では、複数の第1振分部321L~324Lと、複数の第3振分部321R~324Rと、は、幅方向(本例では、x軸方向)において対向するように位置する。幅方向は、第3搬送部31の搬送面に沿った方向であって搬送方向に直交する方向である。
【0088】
図16及び図17に表されるように、第1通過センサ34Lは、複数の第1振分部321L~324Lよりも上流方向における位置であるとともに、複数の第1振分部321L~324Lに隣接する位置を有する。第1通過センサ34Lは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSのうちの、整列装置10によって形成される第1列にて整列させられた魚FSの通過(本例では、魚FSの搬送方向における先端の通過)を検出する。
【0089】
第2通過センサ34Cは、複数の第2振分部325C~327Cよりも上流方向における位置であるとともに、複数の第2振分部325C~327Cに隣接する位置を有する。第2通過センサ34Cは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSのうちの、整列装置10によって形成される第2列にて整列させられた魚FSの通過(本例では、魚FSの搬送方向における先端の通過)を検出する。
【0090】
第3通過センサ34Rは、複数の第3振分部321R~324Rよりも上流方向における位置であるとともに、複数の第3振分部321R~324Rに隣接する位置を有する。第3通過センサ34Rは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSのうちの、整列装置10によって形成される第3列にて整列させられた魚FSの通過(本例では、魚FSの搬送方向における先端の通過)を検出する。
本例では、第1通過センサ34L、第2通過センサ34C、及び、第3通過センサ34Rのそれぞれは、赤外線を用いて魚FSの通過を検出する。
【0091】
図19に表されるように、第2振分部325Cは、複数(本例では、3つ)の回転部3211と、複数(本例では、2つ)の環状体3212と、複数(本例では、3つ)の突出体3213と、傾斜部3221と、収容部3222と、を備える。
【0092】
複数の回転部3211のそれぞれは、第3搬送部31の搬送面の上方において、回転の中心軸が搬送方向に沿った方向にて延在するように回転可能に支持される。複数の回転部3211のそれぞれは、搬送方向に沿った方向における両端部に一対の円盤部をそれぞれ有する。一対の円盤部は、幅方向において、所定の間隔だけ互いに隔てられた位置を有する。
【0093】
複数の回転部3211のうちの2つの回転部3211は、第3搬送部31の搬送面と対向するとともに、幅方向において、所定の間隔だけ互いに隔てられる位置を有する。複数の回転部3211のうちの他の回転部3211は、当該2つの回転部3211よりも上方に位置する。本例では、搬送方向に沿った方向にて第2振分部325Cを見た場合において、3つの回転部3211の回転の中心軸は、底辺が第3搬送部31の搬送面に平行である正三角形の頂点にそれぞれ位置する。
【0094】
複数の環状体3212は、複数の回転部3211の一対の円盤部にそれぞれ巻回される。これにより、複数の環状体3212は、第3搬送部31の搬送面の上方にて、当該搬送面と対向する部分である対向部分を有するように、複数の回転部3211によって循環可能に支持される。換言すると、対向部分は、第3搬送部31の搬送面と平行に延在する。
【0095】
本例では、回転部3211の円盤部は、スプロケットであり、且つ、環状体3212は、ローラーチェーンである。なお、回転部3211の円盤部は、プーリーであり、且つ、環状体3212は、ベルトであってもよい。
【0096】
複数の突出体3213のそれぞれは、長方形を有する平板状である。複数の突出体3213のそれぞれは、搬送方向に沿った方向にて、複数の環状体3212に亘って延在する。換言すると、複数の突出体3213のそれぞれは、搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有する。
【0097】
複数の突出体3213は、複数の環状体3212の外方へ突出するように、複数の環状体3212に固定される。本例では、複数の突出体3213のそれぞれは、搬送方向へ向かって第2振分部325Cを見た場合において、複数の環状体3212の外表面のうちの、当該突出体3213が固定されている部分の法線方向にて延在する。
【0098】
従って、突出体3213は、複数の環状体3212のうちの、当該突出体3213が固定されている部分が対向部分である状態において、当該対向部分から下方へ延出する。突出体3213は、複数の環状体3212のうちの、当該突出体3213が固定されている部分が対向部分である状態において、第3搬送部31の搬送面から所定の間隙だけ隔てられるように、当該搬送面の上方に位置する。
【0099】
複数の突出体3213は、複数の環状体3212に沿って互いに所定の間隔にて隔てられた複数の位置をそれぞれ有する。換言すると、複数の突出体3213は、複数の環状体3212に沿って等間隔に位置する。
【0100】
図20に表されるように、第2振分部325Cは、図示されない駆動部を備え、制御部22からの駆動指示信号に従って、駆動部が、複数の回転部3211のうちの1つを駆動期間に亘って回転させる。第2振分部325Cの回転部3211が回転する方向は、搬送方向へ向かって第2振分部325Cを見た場合において、反時計方向である。
【0101】
駆動期間は、複数の環状体3212に沿った突出体3213間の間隔だけ、複数の環状体3212を循環させる期間である。本例では、駆動期間の長さは、0.6[s]である。本例では、突出体3213が移動する速度は、0.76[m/s]である。なお、駆動期間の長さは、0.2[s]乃至1.2[s]の長さであってもよい。また、突出体3213が移動する速度は、0.3[m/s]乃至1.5[m/s]であってもよい。
【0102】
これにより、複数の環状体3212は、回転部3211の回転に伴って、搬送方向へ向かって第2振分部325Cを見た場合における反時計方向へ循環する。従って、複数の回転部3211のうちの、駆動部によって回転させられた回転部3211以外の回転部3211も、従動回転する。
【0103】
これにより、複数の環状体3212のうちの、第3搬送部31の搬送面と対向する部分である対向部分は、押出方向へ移動する。押出方向は、第3搬送部31の搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である。本例では、第2振分部325Cに対する押出方向は、x軸の正方向である。
【0104】
従って、図20の(A)に表されるように、複数の環状体3212の対向部分のうちの、x軸の負方向における端部(換言すると、待機位置)に位置する突出体3213は、複数の環状体3212の循環に伴って押出方向へ移動する。
【0105】
その後、突出体3213は、搬送面上の魚FSに当接し、図20の(B)に表されるように、搬送面上の魚FSを押出方向へ押す。これにより、搬送面上の魚FSは、搬送面の外へ押し出される。搬送面の外へ押し出された魚FSは、傾斜部3221を滑り落ちることにより、収容部3222に収容される。
【0106】
その後、駆動期間が終了することにより、複数の回転部3211、及び、複数の環状体3212が停止する。この時点では、図20の(C)に表されるように、複数の突出体3213は、前回の駆動期間が開始する前の状態(換言すると、図20の(A)に表される状態)と同じ位置を有する。
【0107】
このように、第2振分部325Cは、複数の環状体3212の対向部分の下方に位置する突出体3213を押出方向へ移動させることにより、当該突出体3213が、第3搬送部31の搬送面上の魚FSを当該搬送面の外へ押し出す。本例では、複数の環状体3212の対向部分の下方に位置する突出体3213のうちの、x軸の正方向における端面は、魚FSを搬送面の外へ押し出す壁面に対応する。
【0108】
上述のように、第2振分部325Cが備える回転部3211の数は、3つである。ところで、第2振分部325Cが備える回転部3211の数は、2つであってもよい。この場合、2つの回転部3211は、第3搬送部31の搬送面と対向するとともに、幅方向において、所定の間隔だけ互いに隔てられる位置を有してよい。また、第2振分部325Cが備える回転部3211の数は、4つ以上であってもよい。
【0109】
第2振分部327Cは、搬送方向における位置が異なる点を除いて、第2振分部325Cと同様の構成を有する。第2振分部326Cは、搬送方向における位置が異なる点、及び、搬送方向に直交する平面に対して第2振分部325Cと面対称に構成される点を除いて、第2振分部325Cと同様の構成を有する。従って、第2振分部326Cに対する押出方向は、x軸の負方向である。
【0110】
第1振分部321L~324Lのそれぞれは、第1列にて整列させられた魚FSを振り分けるように構成される点、搬送方向における位置が異なる点、及び、搬送方向に直交する平面に対して第2振分部325Cと面対称に構成される点を除いて、第2振分部325Cと同様の構成を有する。従って、第1振分部321L~324Lのそれぞれに対する押出方向は、x軸の負方向である。
【0111】
第3振分部321R~324Rのそれぞれは、第3列にて整列させられた魚FSを振り分けるように構成される点、及び、搬送方向における位置が異なる点を除いて、第2振分部325Cと同様の構成を有する。従って、第3振分部321R~324Rのそれぞれに対する押出方向は、x軸の正方向である。
【0112】
第4振分部33は、第3搬送部31の搬送面の上方であって、第3搬送部31のうちの搬送方向における端部に位置する。第4振分部33は、鉛直方向にて延在するとともに搬送方向に沿った方向にて延在する平板状である。第4振分部33は、揺動の中心軸が鉛直方向にて延在するように揺動可能に支持される。
【0113】
第4振分部33は、揺動することによって、第3搬送部31の搬送面上の魚FSを、傾斜部3301Lと傾斜部3301Rとに振り分ける。傾斜部3301Lは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSを収容部3302Lへ案内する。傾斜部3301Rは、第3搬送部31の搬送面上の魚FSを収容部3302Rへ案内する。
【0114】
(機能)
次に、制御部22の機能を図14を参照しながら説明する。
制御部22は、第1撮影部25によって撮影された魚FSを表す可視光画像を取得する。更に、制御部22は、第2撮影部26によって撮影された魚FSを表す距離画像を取得する。
【0115】
制御部22は、取得された距離画像及び可視光画像に基づいて、選別の基礎となる選別基礎情報を取得する。本例では、選別基礎情報は、体長情報と、魚種情報と、を含む。体長情報は、魚FSの頭尾方向における長さ(換言すると、体長)を表す。魚種情報は、生物学又は魚類学における魚FSの種類(換言すると、魚種)を表す。
【0116】
なお、選別基礎情報は、魚種情報に加えて、又は、魚種情報に代えて、雌雄情報、脂肪情報、重量情報、及び、抱卵情報のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。雌雄情報は、雌、及び、雄のいずれであるかを表す。脂肪情報は、魚FSの重量に対する、魚FSに含まれる脂肪の重量の割合である脂肪率を表す。重量情報は、魚FSの重量を表す。抱卵情報は、魚FSが卵を有するか否かを表す。
【0117】
本例では、制御部22は、学習済みモデルを用いて、魚FS毎に選別基礎情報を取得する。
学習済みモデルは、距離画像及び可視光画像の特徴を表す特徴情報を取得し、当該取得された特徴情報に基づいて魚FSの選別基礎情報を推定するモデルである。学習済みモデルは、ニューラルネットワークを含む。本例では、学習済みモデルは、畳み込みニューラルネットワークを含む。例えば、畳み込みニューラルネットワークは、畳み込み層(Convolution Layer)と、プーリング層(Pooling Layer)と、全結合層(Fully Connected Layer)と、を含む。
【0118】
なお、制御部22は、畳み込みニューラルネットワーク以外のニューラルネットワークを用いて、魚FSの選別基礎情報の推定を行ってもよい。また、制御部22は、ニューラルネットワーク以外の機械学習を用いて、魚FSの選別基礎情報の推定を行ってもよい。
【0119】
本例では、学習済みモデルは、魚FSを表す距離画像及び可視光画像と、当該魚FSの実際の選別基礎情報と、を学習することにより、ニューラルネットワークの重み付け係数が予め決定される。例えば、学習済みモデルは、VGG16、VGG19、ResNet、MobileNet、又は、DenseNetと呼ばれる学習済みモデルを含んでいてもよい。
【0120】
また、制御部22は、機械学習を用いることなく、魚FSの選別基礎情報を取得してもよい。例えば、制御装置20は、近赤外分光法を用いて魚FSの脂肪情報を取得してもよい。また、制御装置20は、魚FSの重量を検出する重量センサを備え、重量センサを用いて魚FSの重量情報を取得してもよい。
【0121】
制御部22は、魚FS毎に取得された選別基礎情報に基づいて、魚FS毎に、振分装置30を制御する。
本例では、制御部22は、魚FS毎に、当該魚FSを振り分けるために駆動される振分部である駆動振分部と、駆動待機時間と、を決定する。
【0122】
駆動振分部は、第1列にて整列させられた魚FSに対して、第1振分部321L~324Lの中から選択され、第2列にて整列させられた魚FSに対して、第2振分部325C~327C、及び、第4振分部33の中から選択され、且つ、第3列にて整列させられた魚FSに対して、第3振分部321R~324Rの中から選択される。
本例では、制御部22は、魚FSに対して取得された魚種情報が表す魚種と予め対応付けられた振分部を駆動振分部として決定する。
【0123】
駆動待機時間は、通過センサ(本例では、第1通過センサ34L、第2通過センサ34C、又は、第3通過センサ34R)により、魚FSの搬送方向における先端の通過が検出されてから、当該魚FSに対して決定された駆動振分部が駆動される(本例では、駆動期間が開始する)までの時間である。
【0124】
本例では、駆動待機時間は、魚FS毎に、当該魚FSに対して取得された体長情報に基づいて、当該魚FSの頭尾方向における中心が、搬送方向に沿った方向にて、突出体3213の中央部に到達するタイミングにて突出体3213が移動するように決定される。
本例では、駆動待機時間Tは、通過センサから駆動振分部の突出体3213の搬送方向に沿った方向における中央部までの距離Dと、体長Lと、第3搬送部31の搬送面の搬送速度Sと、に基づいて決定される。例えば、駆動待機時間Tは、数式1に基づいて決定されてよい。
【数1】
【0125】
なお、魚選別システム1は、魚FSの大きさに応じて魚FSを選別する選別機(例えば、ローラー式の選別機等)を備え、当該選別機によって選別された魚FSが整列装置10に供給されるように構成されていてもよい。
【0126】
(動作)
次に、第1実施形態の魚選別システム1の動作について図21を参照しながら説明する。
先ず、整列装置10のうちの上流方向における端部から魚FSが供給される。魚FSは、第1搬送部11の搬送面上を搬送方向へ搬送される。
【0127】
整列装置10は、第1移動体部13、及び、第2移動体部14を搬送方向に沿った方向にて繰り返して往復移動させる。これにより、整列装置10は、搬送方向に沿った、複数の列(本例では、3列)を形成するように列毎に、且つ、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように、魚FSを整列させる。
【0128】
次いで、整列させられた魚FSが、制御装置20の上流方向における端部から供給される。魚FSは、第2搬送部21の搬送面上を搬送方向へ搬送される。
制御装置20は、第1撮影部25により可視光画像を取得する(図21のステップS201)。次いで、制御装置20は、第2撮影部26により距離画像を取得する(図21のステップS102)。なお、ステップS101及びステップS102は、図21と逆の順序で実行されてもよいし、並列に実行されてもよい。
【0129】
次いで、制御装置20は、取得された可視光画像及び距離画像に基づいて、魚FS毎に選別基礎情報を取得する(図21のステップS103)。次いで、制御装置20は、魚FS毎に、取得された選別基礎情報に基づいて駆動振分部及び駆動待機時間を決定する(図21のステップS104)。
【0130】
その後、整列させられた魚FSが、振分装置30の上流方向における端部から供給される。魚FSは、第3搬送部31の搬送面上を搬送方向へ搬送される。次いで、振分装置30は、魚FS毎に、当該魚FSが通過センサを通過してから、当該魚FSに対して決定された駆動待機時間が経過した時点にて、当該魚FSに対して決定された駆動振分部において駆動期間が開始するように駆動振分部を駆動する(本例では、回転部3211を回転させる)(図21のステップS105)。
【0131】
従って、駆動振分部において、突出体3213が押出方向へ移動する。これにより、突出体3213は、搬送面上の魚FSに当接し、搬送面上の魚FSを押出方向へ押す。この結果、搬送面上の魚FSは、搬送面の外へ押し出される。搬送面の外へ押し出された魚FSは、傾斜部3221を滑り落ちることにより、収容部3222に収容される。
このようにして、振分装置30は、魚FS毎に、当該魚FSに対して決定された駆動振分部において当該魚FSを振り分ける。
次いで、魚選別システム1は、ステップS101~ステップS105の処理を繰り返し実行する。
以上により、第1実施形態の魚選別システム1は、魚FSを選別する。
【0132】
以上、説明したように、第1実施形態の魚選別システム1は、魚FSを選別する。魚選別システム1は、整列装置10と、搬送装置(本例では、第2搬送部21及び第3搬送部31)と、振分装置30と、制御装置20と、を備える。
整列装置10は、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚FSを整列させる。
搬送装置21,31は、整列させられた魚FSが載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚を搬送方向へ搬送する。
振分装置30は、搬送面の上方にて搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である押出方向へ壁面を移動させることにより、壁面が魚FSを搬送面の外へ押し出す。
制御装置20は、選別の基礎となる選別基礎情報を魚FSから取得し、取得された選別基礎情報に基づいて振分装置30を制御する。
【0133】
これによれば、魚FSの頭尾方向に直交する方向にて魚FSが押し出されるので、魚FSの頭尾方向にて魚FSが押し出される場合よりも、魚FSが損傷することを抑制できる。また、魚FSの背及び腹は、魚FSの頭及び尾よりも丸みを有する。従って、壁面が魚FSと接する位置の変動に対する、押し出された魚FSが進行する方向の変動を抑制できる。この結果、魚FSを高い精度にて押出方向へ押し出すことができる。
このように、魚選別システム1によれば、魚FSの損傷を抑制するとともに、魚FSを高い精度にて選別することができる。
【0134】
更に、第1実施形態の魚選別システム1において、選別基礎情報は、魚FSの頭尾方向における長さを表す体長情報を含む。制御装置20は、取得された体長情報に基づいて、魚FSの頭尾方向における中心が、搬送方向に沿った方向にて壁面の中央部に到達するタイミングにて壁面が移動するように振分装置30を制御する。
【0135】
これによれば、壁面が魚FSと接する位置を魚FSの重心に十分に近づけることができる。この結果、魚FSを高い精度にて搬送面の外へ押し出すことができる。
【0136】
更に、第1実施形態の魚選別システム1において、振分装置30は、環状体3212と、複数の突出体3213と、駆動部と、を備える。
環状体3212は、搬送面の上方にて、搬送面と対向する部分である対向部分を有するとともに、循環可能に支持され、且つ、循環することにより対向部分が押出方向へ移動する。
複数の突出体3213は、環状体3212の外方へ突出するように環状体3212に固定されるとともに、対向部分の下方に位置する状態において壁面を構成し、且つ、環状体3212に沿って互いに所定の間隔にて隔てられた複数の位置をそれぞれ有する。
駆動部は、環状体3212を、突出体3213間の間隔だけ循環させることにより壁面を押出方向へ移動させる。
【0137】
例えば、壁面を有する壁体を待機位置から押出方向へ移動させた後に、当該壁体を押出方向の逆方向へ移動させることにより待機位置に戻す場合、魚FSが搬送される空間を壁体が横断するため、後続して搬送されてくる魚FSが壁体に衝突する虞がある。従って、この場合、連続して搬送される魚FSが振分装置に到達するまでの時間間隔は、比較的長い時間に設定される。このため、魚FSを迅速に選別できない。
【0138】
これに対し、魚選別システム1によれば、壁面を構成する突出体3213が待機位置から押出方向へ移動することにより、後続する突出体3213が待機位置に到着する。従って、連続して搬送される魚FSを連続して押し出すことが可能な時間間隔を短縮できる。この結果、魚FSを迅速に選別できる。また、突出体3213が魚FSを押し出した後に、魚FSが搬送される空間を突出体3213が横断することを回避できる。従って、後続して搬送されてくる魚FSが突出体3213に衝突することを回避できる。
【0139】
更に、第1実施形態の魚選別システム1において、整列装置10は、第1搬送部11と、1対の側壁体(例えば、第1側壁体131及び第1側壁体141)と、を備える。
第1搬送部11は、魚FSが載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚FSを搬送方向へ搬送する。
1対の側壁体は、搬送面の上方において、搬送方向に沿った方向にて延在する通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する。
整列装置10は、1対の側壁体のうちの、一方が他方に対して搬送方向に沿った方向にて移動するように、1対の側壁体の少なくとも一方を搬送方向に沿った方向にて往復移動させる。
【0140】
これによれば、魚FSを1匹ずつ分離しながら、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚FSを高い精度にて整列させることができる。本例では、各列において整列させられた魚FS同士が、搬送方向に沿った方向において互いに重なることを抑制できる。従って、制御装置20が選別基礎情報を高い精度にて取得できる。また、振分装置30は、魚FSを高い精度にて振り分けることができる。
また、整列装置10が占める空間を比較的小さくすることができる。
【0141】
更に、第1実施形態の魚選別システム1において、第1搬送部11の搬送面は、搬送方向における端部が、搬送方向の逆方向における端部よりも鉛直上方に位置するように、水平面に対して傾斜するとともに、平滑である。
【0142】
これによれば、魚FSを1匹ずつ分離しながら、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚FSを高い精度にて整列させることができる。本例では、各列において整列させられた魚FS同士が、搬送方向に沿った方向にて互いに重なることを抑制できる。
【0143】
更に、第1実施形態の魚選別システム1において、搬送装置(本例では、第2搬送部21及び第3搬送部31)の搬送速度は、第1搬送部11の搬送速度よりも大きい。
【0144】
これによれば、搬送方向に沿った方向における魚FS間の距離は、魚FSが第1搬送部11の搬送面から搬送装置の搬送面へ乗り移ることにより拡大する。従って、第1搬送部11の搬送面において、魚FS同士が、搬送方向に沿った方向にて互いに重なっている場合であっても、搬送装置の搬送面において、魚FS同士が、搬送方向に沿った方向にて互いに重なることを抑制できる。従って、制御装置20が選別基礎情報を高い精度にて取得できる。また、振分装置30は、魚FSを高い精度にて振り分けることができる。
【0145】
更に、第1実施形態の魚選別システム1において、整列装置10は、1対の側壁体を複数対備えることにより通路を複数形成し、複数の通路のうちの、互いに隣接する2つの通路(例えば、第2通路、及び、第3通路)に挟まれる2つの側壁体(例えば、第2側壁体132、及び、第3側壁体133)を支持する支持体(例えば、支持体134)を備える。
【0146】
2つの側壁体は、搬送方向の逆方向における端部において、2つの側壁体がそれぞれ有する2つの側壁面が、魚FSを2つの通路にそれぞれ案内するように、2つの側壁面の、搬送面に沿った方向であって搬送方向に直交する方向である幅方向における距離が搬送方向の逆方向へ向かうにつれて短くなるとともに、2つの側壁面の幅方向における距離が変更可能に支持体に固定される。
【0147】
これによれば、魚FSを複数の列のそれぞれにて整列できる。これにより、魚FSを迅速に選別できる。また、2つの側壁体を一括して駆動できるので、側壁体を駆動する駆動装置の数を削減できる。また、選別の対象となる魚FSの大きさに応じて、2つの側壁面の幅方向における距離を変更できる。従って、魚FSを1匹ずつ分離しながら、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚FSを高い精度にて整列させることができる。
【0148】
また、第1実施形態の振分装置30は、搬送方向へ搬送されている搬送面上の魚FSを振り分ける。振分装置30は、搬送面の上方にて搬送方向に沿った方向にて延在する壁面を有し、搬送面に沿った方向であるとともに搬送方向に直交する方向である押出方向へ壁面を移動させることにより、壁面が搬送されている魚FSを搬送面の外へ押し出す。
【0149】
これによれば、搬送面上の魚FSが、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように整列されている場合、魚FSの頭尾方向に直交する方向にて魚FSが押し出される。従って、魚FSの頭尾方向にて魚FSが押し出される場合よりも、魚FSが損傷することを抑制できる。また、魚FSの背及び腹は、魚FSの頭及び尾よりも丸みを有する。従って、壁面が魚FSと接する位置の変動に対する、押し出された魚FSが進行する方向の変動を抑制できる。この結果、魚FSを高い精度にて押出方向へ押し出すことができる。
【0150】
また、第1実施形態の整列装置10は、魚FSが載置される搬送面を有するとともに、搬送面上の魚FSを搬送方向へ搬送する第1搬送部11と、搬送面の上方において、搬送方向に沿った方向にて延在する通路を形成する1対の側壁面をそれぞれ有する1対の側壁体と、を備える。整列装置10は、1対の側壁体のうちの、一方が他方に対して搬送方向に沿った方向にて移動するように、1対の側壁体の少なくとも一方を搬送方向に沿った方向にて往復移動させる。
【0151】
これによれば、魚FSを1匹ずつ分離しながら、魚FSの頭尾方向が搬送方向に沿うように魚FSを高い精度にて整列させることができる。本例では、各列において整列させられた魚FS同士が、搬送方向に沿った方向において互いに重なることを抑制できる。
また、整列装置10が占める空間を比較的小さくすることができる。
【0152】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【符号の説明】
【0153】
1 魚選別システム
10 整列装置
11 第1搬送部
12 外壁部
13 第1移動体部
131 第1側壁体
132 第2側壁体
1321 案内部
133 第3側壁体
1331 案内部
134 支持体
14 第2移動体部
141 第1側壁体
1411 案内部
142 第2側壁体
1421 案内部
143 第3側壁体
144 支持体
20 制御装置
21 第2搬送部
22 制御部
221 処理装置
222 記憶装置
23 遮蔽体
24 光源部
25 第1撮影部
26 第2撮影部
30 振分装置
31 第3搬送部
321L~324L 第1振分部
325C~327C 第2振分部
321R~324R 第3振分部
3211 回転部
3212 環状体
3213 突出体
3221 傾斜部
3222 収容部
33 第4振分部
3301L 傾斜部
3301R 傾斜部
3302L 収容部
3302R 収容部
34L 第1通過センサ
34C 第2通過センサ
34R 第3通過センサ
FS 魚

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21