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特開2023-128583制御装置、プログラム、及び制御方法
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  • 特開-制御装置、プログラム、及び制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128583
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20230907BHJP
【FI】
H04M3/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033012
(22)【出願日】2022-03-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 理樹
(72)【発明者】
【氏名】神林 健太
(72)【発明者】
【氏名】尾関 昌宏
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BC25
5K201CB05
5K201CB16
5K201CC02
5K201CC03
5K201DC02
5K201DC04
5K201EA02
5K201EA07
5K201EC02
5K201FB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制御装置、プログラム及び制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置100は、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定部と、特定した第1規制対象の電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部と、を備える。特定部はまた、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定し、規制制御部はまた、、特定した第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記第1規制対象の電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの第1規制割合の呼について、音声通話確立をさせないように制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの前記第1規制割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するように交換機を制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの前記第1規制割合の呼について、当該呼の発呼側に対してビジートーン又はガイダンストーキーを出力させた後、当該呼を切断するように前記交換機を制御する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が前記第1規制閾値より多い第2規制閾値を上回った電話番号を前記第1規制対象としてさらに特定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が、前記第2規制閾値より多い第3規制閾値を上回った電話番号を第2規制対象としてさらに特定し、
前記規制制御部はさらに、前記第2規制対象の電話番号に対する呼のうち、第1規制割合よりも多い第2規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が、前記第3規制閾値よりも多い第4規制閾値を上回った電話番号を第3規制対象としてさらに特定し、
前記規制制御部はさらに、前記第3規制対象の電話番号に対する呼のうち、前記第2規制割合よりも多い第3規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記規制制御部は、前記第2規制対象の電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が前記第3規制閾値を下回った電話番号と、前記第3規制対象の電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が前記第4規制閾値を下回った電話番号の規制を緩和する、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記規制制御部は、前記第3規制対象の電話番号について、前記予め定められた期間の呼の数が前記第4規制閾値より少なく前記第3規制閾値より多い数となった場合に、規制する割合を前記第3規制割合から前記第2規制割合に変更し、前記予め定められた期間の呼の数が前記第3規制閾値より少なく前記第2規制閾値より多い数となった場合に、規制する割合を前記第3規制割合から前記第1規制割合に変更する、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記規制制御部は、前記特定部によって特定された電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が、予め定められた回数連続して予め定められた解除閾値を下回った電話番号の規制を解除する、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記解除閾値は、前記第1規制閾値と同一の値である、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記特定部は、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、予め定められた回数連続して予め定められた第1グループ規制閾値を上回ったグループを第1規制グループとして特定し、
前記規制制御部は、前記特定部によって特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する、請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記電話番号のグループは、市外局番毎のグループ、又は、市外局番及び市内局番毎のグループである、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
複数の電話番号のそれぞれに対する呼の発生日時を含む呼履歴情報を取得する呼履歴情報取得部と、
前記呼履歴情報に基づいて、基準時刻より過去の時刻から前記基準時刻までの予め定められた期間毎の呼の数を入力とし、前記基準時刻より未来の予め定められた期間の呼の数を出力とする学習モデルを機械学習によって生成する学習モデル生成部と
を更に備え、
前記特定部は、前記学習モデルによって出力された呼の数が、予め定められた規制閾値を上回った電話番号を前記第1規制対象として特定する、請求項1から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部と
を備える制御装置。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から15の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定段階と、
前記特定段階において特定された前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうち前記第1規制閾値に対応する割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するよう制御する規制制御段階と
を備える制御方法。
【請求項18】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定する特定段階と、
前記特定段階において特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼のうち前記第1グループ規制閾値に対応する割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するよう制御する規制制御段階と
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、プログラム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、大規模災害時やイベント時に起こる通話要求の急増に対して、多くの通話要求を満たすことができるようにする通話規制方法が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2001-186254号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、制御装置が提供される。制御装置は、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定部を備えてよい。制御装置は、前記特定部によって特定された前記第1規制対象の電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部を備えてよい。
【0004】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの第1規制割合の呼について、音声通話確立をさせないように制御してよい。前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの前記第1規制割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するように交換機を制御してよい。前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの前記第1規制割合の呼について、当該呼の発呼側に対してビジートーン又はガイダンストーキーを出力させた後、当該呼を切断するように前記交換機を制御してよい。前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が前記第1規制閾値より多い第2規制閾値を上回った電話番号を前記第1規制対象としてさらに特定してよい。前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が、前記第2規制閾値より多い第3規制閾値を上回った電話番号を第2規制対象としてさらに特定してよく、前記規制制御部はさらに、前記第2規制対象の電話番号に対する呼のうち、前記第1規制割合よりも多い第2規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が、前記第3規制閾値よりも多い第4規制閾値を上回った電話番号を第3規制対象としてさらに特定してよく、前記規制制御部はさらに、前記第3規制対象の電話番号に対する呼のうち、前記第3規制割合よりも多い第4規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。前記規制制御部は、前記第2規制対象の電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が前記第3規制閾値を下回った電話番号と、前記第3規制対象の電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が前記第4規制閾値を下回った電話番号の規制を緩和してよい。前記規制制御部は、前記第3規制対象の電話番号について、前記予め定められた期間の呼の数が前記第4規制閾値より少なく前記第3規制閾値より多い数となった場合に、規制する割合を前記第3規制割合から前記第2規制割合に変更し、前記予め定められた期間の呼の数が前記第3規制閾値より少なく前記第2規制閾値より多い数となった場合に、規制する割合を前記第3規制割合から前記第1規制割合に変更してよい。前記規制制御部は、前記特定部によって特定された電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が、予め定められた回数連続して予め定められた解除閾値を下回った電話番号の規制を解除してよい。前記解除閾値は、前記第1規制閾値と同一の値であってよい。前記特定部は、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、予め定められた回数連続して予め定められた第1グループ規制閾値を上回ったグループを第1規制グループとして特定してよく、前記規制制御部は、前記特定部によって特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御してよい。前記電話番号のグループは、市外局番毎のグループ、又は、市外局番及び市内局番毎のグループであってよい。前記制御装置は、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の発生日時を含む呼履歴情報を取得する呼履歴情報取得部と、前記呼履歴情報に基づいて、基準時刻より過去の時刻から前記基準時刻までの予め定められた期間毎の呼の数を入力とし、前記基準時刻より未来の予め定められた期間の呼の数を出力とする学習モデルを機械学習によって生成する学習モデル生成部とを更に備えてよく、前記特定部は、前記学習モデルによって出力された呼の数が、予め定められた規制閾値を上回った電話番号を前記第1規制対象として特定してよい。
【0005】
本発明の一実施態様によれば、制御装置が提供される。制御装置は、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定する特定部を備えてよい。制御装置は、前記特定部によって特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部を備えてよい。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、上記制御装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される制御方法が提供される。制御方法は、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定段階を備えてよい。制御方法は、前記特定段階において特定された前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうち前記第1規制閾値に対応する割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するよう制御する規制制御段階を備えてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される制御方法が提供される。制御方法は、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定する特定段階を備えてよい。制御方法は、前記特定段階において特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼のうち前記第1グループ規制閾値に対応する割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するよう制御する規制制御段階を備えてよい。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図3】閾値テーブル300の一例を概略的に示す。
図4】制御装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図5】制御装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例えば、テレビ番組における懸賞企画のように大量の発信を伴うイベントが行われ特定の電話番号に対して大量の呼が集中する場合がある。また、他の例としては、地震等の災害が発生した場合に災害発生地域の電話番号群に対して大量の呼が集中する場合もある。これらの例のように、大量の呼が集中すると交換機に輻輳が発生するおそれがある。呼の集中によって交換機に輻輳が発生すると、最悪の場合では、呼が集中している電話番号以外の電話番号の利用者も電話がつながりにくい状況が発生するおそれがあり、対策が必要である。従来、人手によって、交換機の状況の監視と、必要に応じた規制制御が実施されていたが、担当者の作業負荷が高く、上述した例をはじめ、呼の集中が発生するような事態は事前に予見することができず、対応が後手となるため通信品質の低下等が発生するおそれもあった。本実施形態に係るシステム10は、監視及び規制制御を自動化することによって、人的負荷の軽減と、通信品質低下の防止に貢献し得る技術を提供する。
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、制御装置100を備える。システム10は、モニタ装置200を更に備えてもよい。システム10は、交換機30を更に備えてもよい。
【0014】
制御装置100及びモニタ装置200は、電話網20に接続される。電話網20は、公衆交換電話網を含んでよい。電話網20は、移動体通信網を含んでよい。電話網20は、例えば、3G(3rd Generation)通信方式のコアネットワークを含む。電話網20は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)を用いるネットワークを含む。SIPネットワークは、例えば、4G(4G Generation)通信方式、5G(5th Generation)通信方式あるいは、それ以降の通信方式を用いる移動体通信網内に設置され、コアネットワークを介して提供されるものであってよい。また、SIPネットワークは、例えば、光ケーブルあるいは、メタルケーブルなどを用いるIP(Internet Protocol)網内に設置され、IPネットワークを介して提供されるものであってよい。
【0015】
電話網20には、複数の交換機30が配置されている。電話網20には、複数の電話機40が接続される。電話網20には、複数の無線基地局を介して、複数の携帯電話50が接続される。
【0016】
モニタ装置200は、公衆交換電話網及び移動体通信網に配置された複数の交換機30から、コールデータを収集する。コールデータには、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の情報である呼情報が含まれる。当該呼情報は、発呼側の電話番号、着呼側の電話番号、及び呼の発生日時を含んでよい。なお、モニタ装置200が収集するコールデータには、コールに関連する任意の情報が含まれてよく、これら以外の情報が含まれてもよい。また、モニタ装置200は、図示しない他のモニタ装置200からコールデータを収集してもよい。具体的には、例えば、システム10は、公衆交換電話網からコールデータを収集する第1のモニタ装置200と、移動体通信網からコールデータを収集する第2のモニタ装置200と、第1のモニタ装置200及び第2のモニタ装置200からコールデータを集約する第3のモニタ装置200とを備えてもよい。
【0017】
制御装置100は、モニタ装置200が収集した呼情報をモニタ装置200から取得することによって、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視する。モニタ装置200は、収集する毎に呼情報を制御装置100に送信してよく、予め定められた期間が経過するごとに、その期間内に収集した呼情報を制御装置100に送信してもよい。また、モニタ装置200は、収集した呼情報が所定の容量に達したときに、呼情報を制御装置100に送信してもよい。さらに、モニタ装置200は、制御装置100から呼情報の送信要求を受けたときに、収集した呼情報を制御装置100に送信してもよい。
【0018】
制御装置100は、例えば、複数の電話番号のそれぞれについて、予め定められた期間の呼の数を予め定められた閾値と比較し、比較結果に応じて、電話番号に対する呼による音声通話確立を制御する。例えば、制御装置100は、複数の電話番号のそれぞれについて、1分毎に、1分間の呼の数を閾値と比較し、呼の数が3回連続で閾値を上回った電話番号を、規制対象として特定する。そして、制御装置100は、規制対象として特定した電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するように、交換機30を制御する。
【0019】
なお、図1では、制御装置100とモニタ装置200とが別体である場合を例示しているが、これに限らない。制御装置100とモニタ装置200とは一体であってもよい。すなわち、制御装置100が、モニタ装置200の機能を備えてもよい。
【0020】
図2は、制御装置100の機能構成の一例を概略的に示す。制御装置100は、呼情報取得部102、記憶部104、特定部106、規制制御部108、呼履歴情報取得部110、及び学習モデル生成部112を備える。なお、制御装置100がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。
【0021】
呼情報取得部102は、呼情報を取得する。呼情報取得部102は、モニタ装置200から呼情報を取得してよい。制御装置100がモニタ装置200の機能を有する場合、制御装置100は、コールデータを収集する不図示の収集部を備えてよく、呼情報取得部102は、収集部から呼情報を取得してよい。当該収集部は、公衆交換電話網及び移動地通信網に配置された複数の交換機30から、コールデータを収集してよい。当該収集部は、電話網20内の公衆交換電話網及び移動体通信網のそれぞれに配置された各種モニタ装置からコールデータを収集してよい。記憶部104は、呼情報取得部102が取得した呼情報を記憶する。
【0022】
特定部106は、呼情報取得部102が取得する呼情報によって、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、予め定められた規制閾値を予め定められた回数上回った電話番号を規制対象として特定してよい。具体的には、例えば、予め定められた期間の呼の数が、規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を規制対象として特定してよい。
【0023】
規制制御部108は、特定部106によって特定された規制対象の電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するように制御する。例えば、規制対象の電話番号に対するこのうちの、予め定められた規制割合の呼について、音声通話を確立させないように制御する。
【0024】
本発明において、規制閾値は複数設定されてよい。以降、複数の規制閾値を区別して、第n規制閾値と表記する場合がある。また、本発明において、規制対象は、規制閾値及び予め定められた期間の呼の数が規制閾値を上回った回数に応じて設定されてよい。以降、複数の規制対象を区別して、第n規制対象と表記する場合がある。また、規制割合は、規制対象に対応して設定されてよい。以降、複数の規制割合を区別して、第n規制割合と表記する場合がある。
【0025】
予め定められた第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する。予め定められた期間は、例えば1分間等の任意の期間であってよい。予め定められた期間は、制御装置100のオペレータ等によって任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。予め定められた回数は、例えば3回等の任意の数であってよい。予め定められた回数は、制御装置100のオペレータ等によって任意に設定可能であってよく、変更可能であってよい。
【0026】
規制制御部108は、特定部106によって特定された第1規制対象の電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する。例えば、規制制御部108は、第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの、予め定められた第1規制割合の呼について、音声通話確立をさせないように制御する。
【0027】
規制制御部108は、第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの、予め定められた第1規制割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するように交換機30を制御してよい。規制制御部108は、第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの、第1規制割合の呼について、当該呼の発呼側に対してビジートーン又はガイダンストーキーを出力させた後、当該呼を切断するように交換機30を制御してよい。例えば、ガイダンストーキーは、「現在、電話が込み合っているのでしばらく経ってからお掛け直しください」のように発信者に対して混雑が発生している状況を伝える音声であってよい。規制制御部108は、着呼側の電話機を収容している交換機30を制御してよい。例えば、規制により所望の通話が成立しなかった発信者は、通話が成立しなかった理由を知ることができないため、時間を空けずにリダイヤルを行う場合が想定される。即時のリダイヤルが多発すると、交換機は多数の発信要求を継続して受け続けることになるため、規制が必要な状況が継続してしまう。このようなケースを防止するため、通話の切断前に所定の音声を出力することで、発信者によるリダイヤルを抑止できる場合がある。具体的には、例えば、ビジートーンを出力することで、着信側がオフフック状態である又は、話中状態であるなどの着信側の都合で着呼できない状況であることを発信者に対して通知することができる。また、例えば、ガイダンストーキーを出力することで、電話が混雑していること又は、着信側の携帯電話が圏外状態であることなど状況であることを発信者に対して通知することができる。ガイダンストーキーを用いることで、発信者に対して、着信側が通話できない状況であることを通知することができ、時間を置いてリダイヤルをするように促すことができるため、即時のリダイヤルを防止することができる。
【0028】
上述したように、制御装置100が自動的に、呼情報を収集して、呼が集中している電話番号を特定し、規制を実行することによって、自動輻輳制御を実現することができる。これにより、人的負荷の軽減と、通信品質低下の防止に貢献することができる。
【0029】
呼の集中度が高い場合、予め定められた回数連続して第1規制閾値を上回るまでの間に交換機の輻輳が発生し、呼が集中している電話番号以外の電話番号の利用者も電話がつながりにくい状況が発生する場合がある。
【0030】
これに対し、特定部106は、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値より多い第2規制閾値を1回でも上回った電話番号についても、第1規制対象として特定してよい。すなわち、特定部106は、予め定められた期間の呼の数が、第2規制閾値を上回った電話番号を、第1規制対象としてさらに特定してよい。これにより、第1規制閾値については、予め定められた回数連続して上回った場合に規制対象としつつ、第1規制閾値より多い第2規制閾値を1回でも上回った場合には、即座に規制対象とすることができる。
【0031】
また、さらに呼の集中度が高い場合においては、第1規制割合の呼を切断したとしても、依然として多くの呼が残ってしまい輻輳が発生もしくは継続する場合がある。
【0032】
これに対し、特定部106は、予め定められた期間の呼の数が、第2規制閾値より多い第3規制閾値を上回った電話番号を第2規制対象としてさらに特定してよい。規制制御部108はさらに、第2規制対象の電話番号に対する呼のうち、第1規制割合よりも多い第2規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。これにより、第2規制閾値よりも多い第3規制閾値を上回った場合に、より強く規制することができる。
【0033】
特定部106は、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値よりも多い第4規制閾値を上回った電話番号を第3規制対象として特定してよい。そして、規制制御部108はさらに、第3規制対象の電話番号に対する呼のうち、第2規制割合よりも多い第3規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。これにより、呼の集中度合が高いほど、規制率を高くすることができ、状況に応じた規制を実現することができる。
【0034】
特定部106は、予め定められた期間の呼の数が、第4規制閾値よりも多い第5規制閾値を上回った電話番号を第4規制対象として特定してよい。そして、規制制御部108はさらに、第4規制対象の電話番号に対する呼のうち、第3規制割合よりも多い第4規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。特定部106は、予め定められた期間の呼の数が、第5規制閾値よりも多い第6規制閾値を上回った電話番号を第5規制対象として特定してよい。そして、規制制御部108はさらに、第5規制対象の電話番号に対する呼のうち、第4規制割合よりも多い第5規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。
【0035】
ここで、規制を実施した結果、予め定められた期間の呼の数が減少傾向となった場合、そのまま高い規制割合を維持すると、過剰な規制となる場合がある。この場合、過剰に規制された呼の中には、適切な規制割合であれば接続できるはずだった呼が含まれる場合がある。具体的には、例えば、ある電話番号に対する呼が集中し、予め定められた期間の呼の数が8000であったため、90%の呼を規制対象とした後に、呼の数が減少し、予め定められた期間の呼の数が5000となった場合には、60%の規制が適切である。この場合、90%の規制割合は、適切な規制割合の60%と比較して30%の過剰な規制となる。すなわち、規制割合の差分30%には、本来接続できるはずの呼が含まれる可能性がある。
【0036】
規制制御部108は、第4規制対象の電話番号のうち、予め定められた期間の呼の数が、第5規制閾値を下回った電話番号の規制を緩和してよい。例えば、予め定められた期間の呼の数が、第5規制閾値より少なく、第4規制閾値より多い数となった電話番号について、特定部106は、当該電話番号を第3規制対象の電話番号とし、規制制御部108は、規制する割合を第4規制割合から第3規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の数が、第5規制閾値より少なく、第4規制閾値より多い数となった電話番号に対する呼のうち、第3規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。例えば、予め定められた期間の呼の数が、第4規制閾値より少なく、第3規制閾値より多い数となった電話番号について、特定部106は、当該電話番号を第2規制対象の電話番号とし、規制制御部108は、規制する割合を第4規制割合から第2規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の数が、第4規制閾値より少なく、第3規制閾値より多い数となった電話番号に対する呼のうち、第2規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。例えば、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値より少なく、第1規制閾値より多い数となった電話番号について、特定部106は、当該電話番号を第1規制対象の電話番号とし、規制制御部108は、規制する割合を第4規制割合から第1規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値より少なく、第1規制閾値より多い数となった電話番号に対する呼のうち、第1規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。
【0037】
規制制御部108は、第3規制対象の電話番号のうち、予め定められた期間の呼の数が、第4規制閾値を下回った電話番号の規制を緩和してよい。例えば、予め定められた期間の呼の数が、第4規制閾値より少なく、第3規制閾値より多い数となった電話番号について、特定部106は、当該電話番号を第2規制対象の電話番号とし、規制制御部108は、規制する割合を第3規制割合から第2規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の数が、第4規制閾値より少なく、第3規制閾値より多い数となった電話番号に対する呼のうち、第2規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。例えば、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値より少なく、第1規制閾値より多い数となった電話番号について、特定部106は、当該電話番号を第1規制対象の電話番号とし、規制制御部108は、規制する割合を第3規制割合から第1規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値より少なく、第1規制閾値より多い数となった電話番号に対する呼のうち、第1規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。
【0038】
規制制御部108は、第2規制対象の電話番号のうち、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値を下回った電話番号の規制を緩和してよい。例えば、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値より少なく、第1規制閾値より多い数となった電話番号について、特定部106は、当該電話番号を第1規制対象の電話番号とし、規制制御部108は、規制する割合を第2規制割合から第1規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の数が、第3規制閾値より少なく、第1規制閾値より多い数となった電話番号に対する呼のうち、第1規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。このようにすることで、多数の呼が流入し高い割合での規制が必要だった状況が好転し、呼の数が減少傾向となった場合、状況に追従する形で規制割合を緩和することで、柔軟な規制制御を行うことができる。
【0039】
規制制御部108は、特定部106によって特定された電話番号のうち、予め定められた期間の呼の数が、予め定められた回数連続して予め定められた解除閾値を下回った電話番号の規制を解除してよい。当該解除閾値は、第1規制閾値と同一の値であってよい。当該解除閾値は、第1規制閾値と異なる値であってもよい。
【0040】
予め定められた期間の呼の数が第1規制閾値を1回でも上回った場合に規制対象とし、解除閾値を1回でも下回った場合に規制を解除することとした場合、突発的な呼の増減に対して、規制と解除が頻繁に発生してしまうことになり得るが、予め定められた回数連続した場合に、規制や解除をするように構成することによって、このような事態が発生することを防止することができる。
【0041】
特定部106は、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、予め定められた回数連続して予め定められた第1グループ規制閾値を上回ったグループを第1規制グループとして特定してよい。規制制御部108は、特定部106によって特定された第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御してよい。規制制御部108は、第1規制グループの電話番号に対する呼のうちの、予め定められた割合(以下「第1グループ規制割合」ともいう。)の呼について、音声通話確立をさせないように制御してよい。規制制御部108は、第1規制グループの電話番号に対する呼のうちの、第1グループ規制割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するように交換機30を制御してよい。規制制御部108は、第1規制グループの電話番号に対する呼のうちの、第1グループ規制割合の呼について、当該呼の発呼側に対してビジートーン又はガイダンストーキーを出力させた後、当該呼を切断するように交換機30を制御してよい。電話番号のグループは、市外局番毎のグループであってよい。電話番号のグループは、市外局番及び市内局番毎のグループであってもよい。
【0042】
災害が発生した場合等には、特定の電話番号ではなく、災害が発生した地域全体の電話番号に呼が集中することになるが、このような場合にも規制を行うことが望ましい。しかし、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視しているのみでは、このような状況に対応することが難しい場合がある。それに対して、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視するように構成することによって、地域に対して呼が集中した場合であっても、その地域の電話番号を規制対象として特定することができ、規制を行えるようにできる。
【0043】
特定部106は、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値より多い第2グループ規制閾値を上回ったグループを、第1規制グループとしてさらに特定してよい。特定部106は、予め定められた期間の呼の合計数が、第2グループ規制閾値より多い第3グループ規制閾値を上回ったグループを第2規制グループとして特定してよい。規制制御部108は、第2規制グループの電話番号に対する呼のうち、第1グループ規制割合よりも多い第2グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。特定部106は、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値よりも多い第4グループ規制閾値を上回った電話番号を第3規制グループとして特定してよい。そして、規制制御部108はさらに、第3規制グループの電話番号に対する呼のうち、第2グループ規制割合よりも多い第3グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。特定部106は、予め定められた期間の呼の合計数が、第4グループ規制閾値よりも多い第5グループ規制閾値を上回った番号を第4規制グループとして特定してよい。そして、規制制御部108はさらに、第4規制グループの電話番号に対する呼のうち、第3グループ規制割合よりも多い第4グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。特定部106は、予め定められた期間の呼の合計数が、第5グループ規制閾値よりも多い第6グループ規制閾値を上回った番号を第5規制グループとして特定してよい。そして、規制制御部108はさらに、第5規制グループの電話番号に対する呼のうち、第4グループ規制割合よりも多い第5グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御してよい。
【0044】
規制制御部108は、第4規制グループのうち、予め定められた期間の呼の合計数が、第5グループ規制閾値を下回ったグループの規制を緩和してよい。例えば、予め定められた期間の呼の合計数が、第5グループ規制閾値より少なく、第4グループ規制閾値より多い数となったグループについて、特定部106は、当該グループを第3規制グループとし、規制制御部108は、規制する割合を第4グループ規制割合から第3グループ規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の合計数が、第5グループ規制閾値より少なく、第4グループ制閾値より多い数となったグループに対する呼のうち、第3グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。例えば、予め定められた期間の呼の合計数が、第4グループ規制閾値より少なく、第3グループ規制閾値より多い数となったグループについて、特定部106は、当該グループを第2規制グループとし、規制制御部108は、規制する割合を第4グループ規制割合から第2グループ規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の合計数が、第4グループ規制閾値より少なく、第3グループ規制閾値より多い数となったグループに対する呼のうち、第2グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。例えば、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値より少なく、第1グループ規制閾値より多い数となったグループについて、特定部106は、当該グループを第1規制グループとし、規制制御部108は、規制する割合を第4グループ規制割合から第1グループ規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値より少なく、第1グループ規制閾値より多い数となったグループに対する呼のうち、第1グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。
【0045】
規制制御部108は、第3規制グループのうち、予め定められた期間の呼の合計数が、第4グループ規制閾値を下回ったグループの規制を緩和してよい。例えば、予め定められた期間の呼の合計数が、第4グループ規制閾値より少なく、第3グループ規制閾値より多い数となったグループについて、特定部106は、当該グループを第2規制グループとし、規制制御部108は、規制する割合を第3グループ規制割合から第2グループ規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の合計数が、第4グループ規制閾値より少なく、第3グループ規制閾値より多い数となったグループに対する呼のうち、第2グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。例えば、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値より少なく、第1グループ規制閾値より多い数となったグループについて、特定部106は、当該グループを第1規制グループとし、規制制御部108は、規制する割合を第3グループ規制割合から第1グループ規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値より少なく、第1グループ規制閾値より多い数となったグループに対する呼のうち、第1グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。
【0046】
規制制御部108は、第2規制グループのうち、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値を下回ったグループの規制を緩和してよい。例えば、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値より少なく、第1グループ規制閾値より多い数となったグループについて、特定部106は、当該グループを第1規制グループとし、規制制御部108は、規制する割合を第2グループ規制割合から第1グループ規制割合に変更する。すなわち、規制制御部108は、予め定められた期間の呼の合計数が、第3グループ規制閾値より少なく、第1グループ規制閾値より多い数となったグループに対する呼のうち、第1グループ規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御するように変更する。
【0047】
規制制御部108は、特定部106によって特定されたグループのうち、予め定められた期間の呼の合計数が、予め定められた回数連続して予め定められたグループ解除閾値を下回ったグループの規制を解除してよい。当該グループ解除閾値は、第1グループ規制閾値と同一の値であってよい。当該グループ解除閾値は、第1グループ規制閾値と異なる値であってもよい。
【0048】
呼履歴情報取得部110は、記憶部104から、複数の電話番号のそれぞれに対する呼の発生日時を含む呼履歴情報を取得する。学習モデル生成部112は、呼履歴情報取得部110が取得した呼履歴情報に基づいて、基準時刻より過去の時刻から当該基準時刻までの予め定められた期間毎の呼の数を入力とし、当該基準時刻より未来の予め定められた期間の呼の数を出力とする学習モデルを機械学習によって生成する。学習モデル生成部112は、時系列分析を用いてよい。特定部106は、学習モデル生成部112が生成した学習モデルに対して、呼情報取得部102が取得した呼情報に含まれる呼の数を入力し、学習モデルによって出力された呼の数が、予め定められた規制閾値を上回った電話番号を第1規制対象として特定してよい。
【0049】
学習モデル生成部112は、例えば、予め定められた期間を1分間とし、直近10分間、直近20分間、又は直近30分間等の、直近の任意の期間における1分毎の呼の数を入力とし、3分後、5分後、又は10分後等の、未来の1分間の呼の数を出力とする学習モデルを機械学習によって生成する。これにより、直近の呼の数の変動傾向から、将来的に呼の数が増大し、規制閾値を上回る可能性が高い状況になったときに、事前に規制を実施することができ、輻輳の発生を未然に防いだり、輻輳の発生を遅らせたりすることができる。
【0050】
なお、学習モデル生成部112は、曜日、季節、平日か休日か等を学習に用いてもよい。これにより、学習モデルの精度を向上させることができ得る。
【0051】
図3は、閾値テーブル300の一例を概略的に示す。閾値テーブル300には、複数の閾値が登録される。特定部106は、閾値テーブル300を用いて、規制対象の電話番号を特定してよい。
【0052】
図3に例示する閾値テーブル300は、番号欄、閾値欄、条件欄、及び割合欄を含む。番号欄の番号によって閾値が識別管理されてよい。特定部106は、閾値欄の閾値及び条件欄の条件に従って、規制対象の電話番号を特定してよい。規制制御部108は、割合欄の割合に従って、音声通話確立を規制してよい。図3では、閾値テーブル300に6つの閾値が登録されている場合を例示しているが、登録数はこれに限らず、他の数であってもよい。
【0053】
図3に例示する閾値テーブル300において、番号1に対応する閾値及び割合は、第1規制閾値及び第1規制割合の一例であってよい。図3に示す例において、第1規制閾値は3000であり、第1規制割合は50%である。例えば、特定部106は、電話番号Aに対する呼の数が第1規制閾値である3000を3回連続で上回ったとき、規制対象の電話番号として特定してよく、規制制御部108は、電話番号Aに対する呼の50%を規制するように制御してよい。
【0054】
番号2に対応する閾値及び割合は、第2規制閾値及び第1規制割合の一例であってよい。図3に示す例において、第2規制閾値は4000であり、第1規制割合は50%である。番号3に対応する閾値及び割合は、第3規制閾値及び第2規制割合の一例であってよい。図3に示す例において、第3規制閾値は5000であり、第2規制割合は60%である。番号4に対応する閾値及び割合は、第4規制閾値及び第3規制割合の一例であってよい。図3に示す例において、第4規制閾値は6000であり、第3規制割合は70%である。番号5に対応する閾値及び割合は、第5規制閾値及び第4規制割合の一例であってよい。図3に示す例において、第5規制閾値は7000であり、第4規制割合は80%である。番号6に対応する閾値及び割合は、第6規制閾値及び第5規制割合の一例であってよい。図3に示す例において、第6規制閾値は7500であり、第5規制割合は90%である。
【0055】
例えば、特定部106は、電話番号Aに対する呼の数が第3規制閾値である5000を上回ったとき、第2規制対象の電話番号として特定してよく、規制制御部108は、電話番号Aに対する呼の60%を規制するように制御してよい。さらに、電話番号Aに対する呼の数が第5閾値である7000を上回ったとき、特定部106は、第4規制対象の電話番号として特定してよく、規制制御部108は、電話番号Aに対する呼の80%を規制するように制御してよい。その後、電話番号Aに対する呼の数が7000を下回ったときに、特定部106は、電話番号Aを他の規制対象に変更してよい。例えば、電話番号Aに対する呼の数が6000から7000の間となったときに、特定部106は、電話番号Aを第3規制対象に変更し、規制制御部108は、規制の割合を80%から70%に変更する。例えば、電話番号Aに対する呼の数が5000から6000の間となったときに、特定部106は、電話番号Aを第2規制対象に変更し、規制制御部108は、規制の割合を80%から60%に変更する。例えば、電話番号Aに対する呼の数が3000から5000の間となったときに、特定部106は、電話番号Aを第1規制対象に変更し、規制制御部108は、規制の割合を80%から50%に変更する。電話番号Aに対する呼の数が3000を3回連続で下回ったとき、特定部106は、電話番号Aを規制対象から除外してよく、規制制御部108は、電話番号Aの規制を解除してよい。
【0056】
なお、番号1に対応する閾値及び割合は、第1グループ規制閾値及び第1グループ規制割合の一例であってよい。番号2に対応する閾値及び割合は、第2グループ規制閾値及び第1グループ規制割合の一例であってよい。番号3に対応する閾値及び割合は、第3グループ規制閾値及び第2グループ規制割合の一例であってよい。番号4に対応する閾値及び割合は、第4グループ規制閾値及び第3グループ規制割合の一例であってよい。番号5に対応する閾値及び割合は、第5グループ規制閾値及び第4グループ規制割合の一例であってよい。番号6に対応する閾値及び割合は、第6グループ規制閾値及び第5グループ規制割合の一例であってよい。
【0057】
閾値テーブル300の各閾値は、変更可能であってよい。例えば、同時期に契約された電話番号群あるいは、連続する電話番号帯等の理由で、収容される交換機に偏りが生じる場合が想定される。具体的には、例えば、企業が一括契約し従業員に対して貸与している複数の携帯電話に対して、同時に多数の発信が行われる場合がある。このような場合、一つの電話番号当たりの呼量が呼の集中と比べて少数であっても、他の電話番号宛の通信品質が低下する場合がある。そのような場面を対象とする場合、例えば、番号1の閾値を250としたり、番号2の閾値を300としたりする等の変更が行われ得る。
【0058】
図4は、制御装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、制御装置100が電話番号毎の呼情報を監視する場合の処理の流れについて説明する。
【0059】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、呼情報取得部102が、呼情報を取得する。S104では、特定部106が、新たに規制対象とする電話番号が有るか否かを判定する。
【0060】
特定部106は、複数の電話番号のそれぞれについて、予め定められた期間毎の呼の数を、閾値テーブル300に登録されている閾値と比較することによって、新たに規制対象とする番号が有るか否かを判定する。有ると判定した場合、S106に進み、無いと判定した場合、S108に進む。S106では、規制制御部108が、特定部106によって新たな規制対象として特定された電話番号を、規制対象として追加し、規制制御を開始する。
【0061】
S108では、規制制御部108が、規制対象として管理している電話番号のうち、規制率を変更する電話番号が有るか否かを判定する。例えば、第1規制対象として管理している電話番号について、呼の数が第3規制閾値を超えた場合、当該電話番号を、規制率を変更する電話番号とする。また、例えば、第4規制対象として管理している電話番号について、呼の数が第3規制閾値と第4規制閾値との間の数になった場合、当該電話番号を、規制率を変更する電話番号とする。有ると判定した場合、S110に進み、無いと判定した場合、S112に進む。S110では、規制制御部108が、S108において規制率を変更すると判定した電話番号について、規制率を変更する。
【0062】
S112では、規制制御部108が、規制対象として管理している電話番号のうち、規制解除する電話番号が有るか否かを判定する。規制制御部108は、予め定められた回数連続して解除閾値を下回った電話番号を、規制解除する電話番号とする。有ると判定した場合S114に進み、無いと判定した場合、S116に進む。S114では、規制制御部108が、S112において規制解除すると判定した電話番号について、規制を解除する。
【0063】
S116では、制御装置100のオペレータから終了指示を受領しているか否かを判定する。受領していないと判定した場合、S102に戻り、受領していると判定した場合、処理を終了する。
【0064】
図5は、制御装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0065】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0066】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0067】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0068】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0069】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0070】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0071】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0072】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0073】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0074】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0075】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0076】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0077】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0079】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0080】
近年、通信ネットワークはライフラインとしての重要性を帯びてきている。本発明は、大規模災害時やイベント時に生じる通話要求の急増に対応し、信頼性の高い通信ネットワークの維持及び提供の実現に寄与する発明であるため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標16「平和と公正をすべての人に」の達成に貢献することができる。
【符号の説明】
【0081】
10 システム、20 電話網、30 交換機、40 電話機、50 携帯電話、100 制御装置、102 呼情報取得部、104 記憶部、106 特定部、108 規制制御部、110 呼履歴情報取得部、112 学習モデル生成部、200 モニタ装置、300 閾値テーブル、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記第1規制対象の電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの第1規制割合の呼について、音声通話確立をさせないように制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの前記第1規制割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するように交換機を制御する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記規制制御部は、前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうちの前記第1規制割合の呼について、当該呼の発呼側に対してビジートーン又はガイダンストーキーを出力させた後、当該呼を切断するように前記交換機を制御する、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が前記第1規制閾値より多い第2規制閾値を上回った電話番号を前記第1規制対象としてさらに特定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が、前記第2規制閾値より多い第3規制閾値を上回った電話番号を第2規制対象としてさらに特定し、
前記規制制御部はさらに、前記第2規制対象の電話番号に対する呼のうち、第1規制割合よりも多い第2規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御する、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記予め定められた期間の呼の数が、前記第3規制閾値よりも多い第4規制閾値を上回った電話番号を第3規制対象としてさらに特定し、
前記規制制御部はさらに、前記第3規制対象の電話番号に対する呼のうち、前記第2規制割合よりも多い第3規制割合の呼について、音声通話確立を規制するよう制御する、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記規制制御部は、前記第2規制対象の電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が前記第3規制閾値を下回った電話番号と、前記第3規制対象の電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が前記第4規制閾値を下回った電話番号の規制を緩和する、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記規制制御部は、前記第3規制対象の電話番号について、前記予め定められた期間の呼の数が前記第4規制閾値より少なく前記第3規制閾値より多い数となった場合に、規制する割合を前記第3規制割合から前記第2規制割合に変更し、前記予め定められた期間の呼の数が前記第3規制閾値より少なく前記第2規制閾値より多い数となった場合に、規制する割合を前記第3規制割合から前記第1規制割合に変更する、請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記規制制御部は、前記特定部によって特定された電話番号のうち、前記予め定められた期間の呼の数が、予め定められた回数連続して予め定められた解除閾値を下回った電話番号の規制を解除する、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記解除閾値は、前記第1規制閾値と同一の値である、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記特定部は、電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、予め定められた回数連続して予め定められた第1グループ規制閾値を上回ったグループを第1規制グループとして特定し、
前記規制制御部は、前記特定部によって特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する、請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記電話番号のグループは、市外局番毎のグループ、又は、市外局番及び市内局番毎のグループである、請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
複数の電話番号のそれぞれに対する呼の発生日時を含む呼履歴情報を取得する呼履歴情報取得部と、
前記呼履歴情報に基づいて、基準時刻より過去の時刻から前記基準時刻までの予め定められた期間毎の呼の数を入力とし、前記基準時刻より未来の予め定められた期間の呼の数を出力とする学習モデルを機械学習によって生成する学習モデル生成部と
を更に備え、
前記特定部は、前記学習モデルによって出力された呼の数が、予め定められた規制閾値を上回った電話番号を前記第1規制対象として特定する、請求項1から13のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項15】
電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定する特定部と、
前記特定部によって特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼による音声通話確立を規制するよう制御する規制制御部と
を備える制御装置。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から15のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
複数の電話番号のそれぞれに対する呼の数を監視し、予め定められた期間の呼の数が、第1規制閾値を予め定められた回数連続して上回った電話番号を第1規制対象として特定する特定段階と、
前記特定段階において特定された前記第1規制対象の電話番号に対する呼のうち前記第1規制閾値に対応する割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するよう制御する規制制御段階と
を備える制御方法。
【請求項18】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
電話番号のグループ毎に、グループに対する呼の合計数を監視し、予め定められた期間の呼の合計数が、第1グループ規制閾値を予め定められた回数連続して上回ったグループを第1規制グループとして特定する特定段階と、
前記特定段階において特定された前記第1規制グループの電話番号に対する呼のうち前記第1グループ規制閾値に対応する割合の呼について、着呼側の電話機を呼び出すことなく当該呼を切断するよう制御する規制制御段階と
を備える制御方法。