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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128588
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】釣り具
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/02 20060101AFI20230907BHJP
   A01K 91/06 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A01K85/02
A01K91/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033024
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】522085552
【氏名又は名称】コトブキ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230117536
【弁護士】
【氏名又は名称】中 紀人
(74)【代理人】
【識別番号】230109737
【弁護士】
【氏名又は名称】森本 純
(74)【代理人】
【識別番号】100170025
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 一
(72)【発明者】
【氏名】鶴亀 寿徳
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307AB03
2B307AB05
2B307AB24
2B307BA35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】太刀魚等の魚の喰いつきに伴って、タイミングよく釣り針を飛び出させて、釣果を上げることが可能な釣り具を提供する。
【解決手段】外側に突出した針を内側に弾性的に変形させた状態で、内部シリンダー12を外部ケーシング10の内部に挿入することで、魚用釣り針14は、外部ケーシング10の下端部に収納され、固定機構15は、魚用釣り針14の針が外部ケーシング10の下端部に収納された状態で内部シリンダー12を外部ケーシングの内部で一時的に固定させ、ボタン16は、押下により、固定機構の固定を解除し、規制部17は外部ケーシング10の内部に挿入された内部シリンダー12が下方にスライドした際に内部シリンダー12の一部を規制する釣り具。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部が塞がれるとともに、釣り糸に接続され、下端部が開口された筒状の外部ケーシングと、
前記外部ケーシングの下端部の側面に固定され、釣り餌が取り付け可能な餌用釣り針と、
前記外部ケーシングの下端部から内部に向かってスライド可能に挿入される内部シリンダーと、
前記外部ケーシングの上端部の内面と、前記内部シリンダーの上端部の内面との間に挿入され、前記内部シリンダーを下方に付勢する弾性体と、
前記内部シリンダーの下端部に設けられ、外側に突出した針を内側に弾性的に変形させた状態で、前記内部シリンダーを前記外部ケーシングの内部に挿入することで、前記外部ケーシングの下端部に収納される魚用釣り針と、
前記魚用釣り針の針が前記外部ケーシングの下端部に収納された状態で、前記内部シリンダーを前記外部ケーシングの内部で一時的に固定させる固定機構と、
前記外部ケーシングの側面で、前記餌用釣り針の近傍に設けられ、押下により、前記固定機構の固定を解除するボタンと、
前記外部ケーシングの下端部に設けられ、前記外部ケーシングの内部に挿入された前記内部シリンダーが下方にスライドした際に、前記内部シリンダーの一部を規制する規制部と、
を備え、
前記ボタンが押下されると、前記弾性体により、前記内部シリンダーが下方にスライドされ、前記内側に弾性的に変形した魚用釣り針の針が外側に突出する、
釣り具。
【請求項2】
前記魚用釣り針は、平面視で、前記餌用釣り針に対して直角の位置に設けられる、
請求項1に記載の釣り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣り具に工夫を凝らして釣りを円滑にしたり釣果を向上させたりする技術は多く存在する。例えば、実用新案登録第3176180号公報(特許文献1)には、釣り糸に連結されて釣りに供されるルアーが開示されている。このルアーは、ルアー本体と、第1釣針と、保持部材と、を備える。ルアー本体は、内側に釣針収納部を有するとともに、釣り糸に連結される。第1釣針は、一端部に作用部を有し、他端部にフック部を有し、作用部がルアー本体から突出してフック部が釣針収納部に収納される収納位置と、作用部に対する魚の捕食動作によってフック部がルアー本体から突出される突出位置との間を、ルアー本体によって移動可能に支持される。保持部材は、第1釣針を収納位置に保持するとともに、魚の捕食動作により第1釣針の収納位置から突出位置への移動を許容する。これにより、保管箱等での保管時の保管スペースが少なくて済み、取り扱い時の第1釣針によるけがを防止し、取り扱い時や水面等への投入時や投入後の引き寄せ時等に第1釣針が近くの人や草木や水草や岩等に引っ掛かることを防止することが出来るとしている。
【0003】
又、特開2016-93105号公報(特許文献2)には、錘を先端に配し、その錘に、錘の後方に延び出す直線の胴を有する釣り針を取り付けた太刀魚用テンヤが開示されている。この太刀魚用テンヤは、ガイドパイプと、止め針と、吊り紐と、引き紐とと、回り止め部とを備える。ガイドパイプは、先端部を錘に固定してその錘の後方に直線的に延び出させたものであり、内部に釣り針の胴がスライド自在に挿入される。止め針は、ガイドパイプの外周に固定されたものであり、餌取り付け用である。吊り紐は、テンヤが水平に吊り下がる荷重バランス点において錘に接続されるものであり、伸縮可能な弾性体である。引き紐は、釣り針に直接又は間接的につながれる。回り止め部は、釣り針の回転を阻止する。そして、吊り紐と引き紐が道糸への連結具に接続され、釣り針を胴がガイドパイプから最大に抜け出す方向にスライドさせた状態でテンヤが吊り紐によって吊下げられ、その状態から吊り紐が引き伸ばされたときに、釣り針が引き紐によって錘側に引き動かされるようにしている。これにより、餌に喰いついた太刀魚に対する太刀魚用テンヤの針掛かりが効果的に起こるようにし、これにより釣り逃がしを減らして釣果を高められるとしている。
【0004】
又、特開2019-47762号公報(特許文献3)には、錘と、直線の胴を錘に取り付けて錘の後方に延び出させた釣り針を有する太刀魚用テンヤが開示されている。この太刀魚用テンヤは、釣り針は、針先側と錘に胴の先端が固定される側とに分割されて針先側が前部側に対して回動可能に結合され、その結合は、胴の長手方向に対して直角かつ水平なヒンジピンを用いて行なわれている。この太刀魚用テンヤは、止め針と、吊り紐と、引き紐と、ワイヤーと、ワイヤー戻り規制ストッパと、針先側復帰用弾性体と、回動角規制ストッパとを有する。止め針は、前部側の胴の上部外周に固定された餌を取り付け、吊り紐は、テンヤが水平に吊り下がる荷重バランス点において錘と道糸との間に介在されるもので、伸縮可能な弾性体である。引き紐は、上端が吊り紐の上端に繋がれ、吊り紐の自由長よりも長さの長く構成される。ワイヤーは、錘に設けたガイド孔に通されて後端が胴よりも下側において釣り針の針先側に連結されており、ワイヤー戻り規制ストッパは、ワイヤーの前端に設けられている。針先側復帰用弾性体は、釣り針の針先側を原位置に復帰させ、回動角規制ストッパは、釣り針の針先側がワイヤーに引かれて回動して針先が上向きとなった位置でワイヤーの動きを規制する。次に、ワイヤーの前端が引き紐の下端につながれており、ワイヤー戻り規制ストッパがワイヤーの戻りを規制して釣り針の針先側の復帰方向回動を阻止した位置で針先側が原位置に保持される。又、吊り紐が引き延ばされたときに引き紐がワイヤーを引っ張って釣り針の針先側が回動角規制ストッパによる回動規制を受けるところまで原位置から回動するように構成されている。これにより、喰いついた太刀魚に対する針掛かりが効果的に起こり、さらに、針掛り状態の保持も安定してなされるようにして釣果を高められようにするとともに、コストの引き下げも実現可能となすとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3176180号公報
【特許文献2】特開2016-93105号公報
【特許文献3】特開2019-47762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太刀魚釣りにおいて、太刀魚は釣り餌のキビナゴを咥えた状態で遊泳し、食する際に一気に餌を食い込む習性があるため、太刀魚に釣り針を引っ掛けるフッキングが難しく、太刀魚を取り逃がすことが多いという課題がある。
【0007】
ここで、特許文献1に記載の技術では、魚の捕食動作により第1釣針が突出されるため、フッキング率を高めることが出来るものの、魚の捕食動作に適切に対応して第1釣針が動作するかどうか不明である。
【0008】
又、特許文献2に記載の技術では、太刀魚が餌に喰いついた際に、吊り紐が引き延ばされて、釣り針の銅がスライドして、釣り針の針先が太刀魚に突き刺さる構成である。又、特許文献3に記載の技術では、太刀魚が餌に喰いついた際に、吊り紐が引き延ばされて、吊り紐の引きに伴って引き紐とワイヤーが引き動かされ、釣り針の針先が回動して太刀魚に突き刺さる構成である。これらの構成では、吊り紐が引き延ばされる必要があり、太刀魚の喰いつきのタイミングに合わせて釣り針を飛び出させることが出来ないという課題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、太刀魚等の魚の喰いつきに伴って、タイミングよく釣り針を飛び出させて、釣果を上げることが可能な釣り具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る釣り具は、外部ケーシングと、餌用釣り針と、内部シリンダーと、弾性体と、魚用釣り針と、固定機構と、ボタンと、規制部と、を備える。外部ケーシングは、上端部が塞がれるとともに、釣り糸に接続され、下端部が開口されており、筒状に構成される。餌用釣り針は、前記外部ケーシングの下端部の側面に固定され、釣り餌が取り付け可能である。内部シリンダーは、前記外部ケーシングの下端部から内部に向かってスライド可能に挿入される。弾性体は、前記外部ケーシングの上端部の内面と、前記内部シリンダーの上端部の内面との間に挿入され、前記内部シリンダーを下方に付勢する。魚用釣り針は、前記内部シリンダーの下端部に設けられ、外側に突出した針を内側に弾性的に変形させた状態で、前記内部シリンダーを前記外部ケーシングの内部に挿入することで、前記外部ケーシングの下端部に収納される。固定機構は、前記魚用釣り針の針が前記外部ケーシングの下端部に収納された状態で、前記内部シリンダーを前記外部ケーシングの内部で一時的に固定させる。ボタンは、前記外部ケーシングの側面で、前記餌用釣り針の近傍に設けられ、押下により、前記固定機構の固定を解除する。規制部は、前記外部ケーシングの下端部に設けられ、前記外部ケーシングの内部に挿入された前記内部シリンダーが下方にスライドした際に、前記内部シリンダーの一部を規制する。前記ボタンが押下されると、前記弾性体により、前記内部シリンダーが下方にスライドされ、前記内側に弾性的に変形した魚用釣り針の針が外側に突出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、太刀魚等の魚の喰いつきに伴って、タイミングよく釣り針を飛び出させて、釣果を上げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る外部ケーシングの一例を示す正面図と、右側面図と、右側面断面図と、平面図と、内部シリンダーの一例を示す正面図と、正面断面図と、右側面図と、右側面断面図と、平面図と、である。
図2】本発明に係る外部ケーシングと弾性体と内部シリンダーの一例を示す組立時の右側面図と、組立後の右側面図と、正面図と、平面図と、である。
図3】本発明に係る釣り具の餌用釣り針にキビナゴを付けた状態で太刀魚がキビナゴに喰いつく場合と喰いついた後の場合の一例を示す正面図である。
図4】本発明に係る釣り具のボタンを太刀魚のくちばしが押下した場合の一例を示す右側面断面図と、ボタンを太刀魚のくちばしが押下した後の一例を示す右側面断面図と、平面図と、である。
図5】本発明に係る釣り具の魚用釣り針の針が太刀魚に突き刺さった場合の一例を示す右側面断面図と、正面図と、である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0014】
本発明に係る釣り具1は、図1図2に示すように、外部ケーシング10と、餌用釣り針11と、内部シリンダー12と、弾性体13と、魚用釣り針14と、固定機構15と、ボタン16と、規制部17と、を備える。
【0015】
外部ケーシング10は、上端部10aが塞がれるとともに、釣り糸10bに接続され、下端部10cが開口されており、筒状に構成される。ここでは、外部ケーシング10は、円筒状に構成されている。
【0016】
又、餌用釣り針11は、外部ケーシング10の下端部10cの側面に固定され、釣り餌が取り付け可能である。ここでは、餌用釣り針11は、外部ケーシング10の左右の側面のそれぞれに設けられ、二つの餌用釣り針11が外部ケーシング10に設けられている。
【0017】
又、内部シリンダー12は、外部ケーシング10の下端部10cから内部に向かってスライド可能に挿入される。ここでは、内部シリンダー12は、円柱状に構成されている。
【0018】
又、弾性体13は、外部ケーシング10の上端部10aの内面10a1と、内部シリンダー12の上端部12aの内面12a1との間に挿入され、内部シリンダー12を下方に付勢する。ここでは、弾性体13は、例えば、コイルバネで構成され、内部シリンダー12の上端部12aの中心には、弾性体13のコイルバネに内部に挿通可能で、弾性体13を位置決め可能な小シリンダー12bが設けられている。
【0019】
又、魚用釣り針14は、内部シリンダー12の下端部12cに設けられ、外側に突出した針14aを内側に弾性的に変形させた状態で、内部シリンダー12を外部ケーシング10の内部に挿入することで、外部ケーシング10の下端部10cに収納される。ここでは、魚用釣り針14は、本体部14bをキックバネで構成し、両端部を針14aで構成し、針14aが弾性的に変形可能である。キックバネは、トーションバネ、コイルバネでも良い。又、魚用釣り針14の本体部14bは、内部シリンダー12の下端部12cに設けられた小ケーシング14cに収納され、針14aは、小ケーシング14cに予め設けられた挿通孔により外部に突出される。
【0020】
又、固定機構15は、魚用釣り針14の針14aが外部ケーシング10の下端部10cに収納された状態で、内部シリンダー12を外部ケーシング10の内部で一時的に固定させる。ここでは、固定機構15は、外部ケーシング10の側面で、餌用釣り針11の近傍に設けられた貫通孔15aと、内部シリンダー12の側面に設けられ、魚用釣り針14の針14aが外部ケーシング10の下端部10cに収納された状態で、外部ケーシング10の貫通孔15aに挿通可能な突起部15bと、を備えている。内部シリンダー12を外部ケーシング10の内部に挿通すると、内部シリンダー12の突起部15bが外部ケーシング10の貫通孔15aに挿通され、内部シリンダー12が外部ケーシング10に引っ掛かった状態となり、内部シリンダー12が外部ケーシング10の内部に一時的に固定される。
【0021】
又、ボタン16は、外部ケーシング10の側面で、餌用釣り針11の近傍に設けられ、押下により、固定機構15の固定を解除する。ここでは、ボタン16は、固定機構15における外部ケーシング10の貫通孔15aを覆うように、外部ケーシング10の側面に設けられ、ボタン16が押下されると、ボタン16の内側に存在し、外部ケーシング10の貫通孔15aに挿通された内部シリンダー12の突起部15bを内側に移動させて、内部シリンダー12の突起部15bを外部ケーシング10の貫通孔15aから解除するように構成される。
【0022】
又、規制部17は、外部ケーシング10の下端部10cに設けられ、外部ケーシング10の内部に挿入された内部シリンダー12が下方にスライドした際に、内部シリンダー12の一部を規制する。ここでは、規制部17は、外部ケーシング10の下端部10cに設けられた突出部17aで構成され、内部シリンダー12が下方にスライドした際に、内部シリンダー12の突起部15bが規制部17の突出部17aに引っ掛かり、内部シリンダー12の一部を規制する。
【0023】
さて、本発明に係る釣り具1の動作について説明する。図3に示すように、ユーザが、釣を行う際に、餌用釣り針11に釣り餌のキビナゴ20を装着する。ここでは、ボタン16が外部に露出されるように、キビナゴ20を二つの餌用釣り針11に装着している。
【0024】
そして、ユーザが、キビナゴ20が付いた餌用釣り針11の釣り具1を海へ投げ入れる。しばらくして、キビナゴ20に引き寄せられた魚の太刀魚21が、キビナゴ20を喰いついて咥えると、太刀魚21のくちばし21aがボタン16に直接押下するか、キビナゴ20を介して押下する。
【0025】
すると、太刀魚21の喰いつきによって、ボタン16が押下されることで、図4に示すように、固定機構15の固定が解除され、弾性体13により、内部シリンダー12が下方にスライドされる。ここで、内部シリンダー12の下端部12cが下方に移動すると、外部ケーシング10の下端部10cに収納されていた魚用釣り針14の針14aが外部に露出するため、内側に弾性的に変形した針14aが外側に突出する。
【0026】
すると、外側に突出した魚用釣り針14の針14aが、丁度、太刀魚21のくちばし21aの内側に突き刺さり、魚用釣り針14が太刀魚21をフッキングする。
【0027】
又、図5に示すように、内部シリンダー12が下方にスライドすると、内部シリンダー12の突起部15bが規制部17の突出部17aに引っ掛かり、内部シリンダー12の一部が規制され、内部シリンダー12が外部に飛び出すことを防止する。これにより、魚用釣り針14が太刀魚21をフッキングした状態で、内部シリンダー12を外部ケーシング10に固定させることが可能となる。このまま釣り具1を釣り上げることで、キビナゴ20を咥えた太刀魚21を釣り上げることが可能となる。
【0028】
このように、本発明では、太刀魚等の魚の喰いつきに伴って、タイミングよく魚用釣り針14を飛び出させることが出来るため、釣果を上げることが可能となる。又、本発明では、ボタン16を押下すると、機械的な動作により、魚用釣り針14を飛び出させる構成であるため、従来技術のように、吊り紐を引き延ばす作業が不要であり、太刀魚21を取り逃がす可能性を低下させ、フッキング率を上げて、釣果を飛躍的に高めることが出来る。
【0029】
又、太刀魚21のように、キビナゴ20を飲み込まずに咥えたまま遊泳する時間が長い魚では、電池で光る電気ウキを使用したとしても、フッキングのタイミングが難しいとされている。本発明では、魚の喰いつきのタイミングに合わせて魚用釣り針14が飛び出る構成であるため、フッキングのタイミングが最適であり、魚のフッキング率を確実に高めることが出来る。
【0030】
ここで、魚用釣り針14の配置位置に特に限定は無いが、例えば、図4に示すように、平面視で、餌用釣り針11に対して直角の位置に設けられると好ましい。これにより、太刀魚のように釣り餌を咥えて遊泳する魚では、釣り餌の軸方向に対して直角に喰いつくことから、餌用釣り針11に釣り餌を付けた場合、餌用釣り針11に対して直角の位置に魚用釣り針14が飛び出す構成とすることで、釣り餌を咥えた魚のくちばしに魚用釣り針14をタイミングよく引っ掛けることが可能となり、フッキング率を高めることが出来る。
【0031】
又、外部ケーシング10と、内部シリンダー12と、固定機構15と、ボタン16と、規制部17と、を構成する素材に特に限定は無く、合成樹脂や金属等を挙げることが出来る。
【0032】
又、外部ケーシング10の形状に特に限定は無く、円筒状の他に多角筒状等を挙げることが出来る。餌用釣り針11の数に特に限定は無く、二つに限らず一つでも三つ以上でも構わない。
【0033】
又、内部シリンダー12の形状は、外部ケーシング10の内部に挿入可能な形状であれば、特に限定は無く、円柱状の他に多角柱状等を挙げることが出来る。弾性体13の構成に特に限定は無く、コイルバネの他に、ゴム体やバネ体等を挙げることが出来る。
【0034】
又、魚用釣り針14は、外側に突出した針14aを内側に弾性的に変形可能な構成であれば、特に限定は無く、キックバネやトーションバネ、コイルバネに限らない。
【0035】
又、固定機構15の構成に特に限定は無く、上述では、固定機構15は、外部ケーシング10の貫通孔15aと、内部シリンダー12の突起部15bとで構成したが、他の構成でも構わない。又、ボタン16の構成に特に限定は無く、上述では、固定機構15の構成に対応して、内部シリンダー12の突起部15bの挿通を解除する構成としたが、他の構成でも構わない。
【0036】
又、規制部17の構成に特に限定は無く、上述では、規制部17は、外部ケーシング10の突出部17aで構成したが、他の構成でも構わない。
【0037】
又、本発明に係る釣り具1は、例えば、浮き釣へ利用することが出来るが、これに限らず、他の釣りの形態にも利用することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係る釣り具は、太刀魚の他に、釣り餌を咥える様々な魚への釣り具に有用であり、太刀魚等の魚の喰いつきに伴って、タイミングよく釣り針を飛び出させて、釣果を上げることが可能な釣り具として有効である。
【符号の説明】
【0039】
1 釣り具
10 外部ケーシング
11 餌用釣り針
12 内部シリンダー
13 弾性体
14 魚用釣り針
15 固定機構
16 ボタン
17 規制部
図1
図2
図3
図4
図5