(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012859
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】エアカーテン形成装置
(51)【国際特許分類】
F24F 9/00 20060101AFI20230119BHJP
A62B 29/00 20060101ALI20230119BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
F24F9/00 A
A62B29/00
A62B18/08 Z
F24F9/00 K
F24F9/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116581
(22)【出願日】2021-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】390000804
【氏名又は名称】白山工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 茂男
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185CC80
(57)【要約】 (修正有)
【課題】気体吹出口から離れた位置であっても飛沫等の遮蔽効果があまり低下せず、所望の位置でその効果を保持するかまたは最大化することも可能な、エアカーテン形成装置を提供する。
【解決手段】1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第1気体吹出手段20と、1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第2気体吹出手段21と、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段に気体を供給可能な気体供給手段30と、を備えるエアカーテン形成装置10であって、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが交差可能に第1気体吹出手段と第2気体吹出手段とが配設されてなる、エアカーテン形成装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第1気体吹出手段と、
1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第2気体吹出手段と、
第1気体吹出手段および第2気体吹出手段に気体を供給可能な気体供給手段と、
を備えるエアカーテン形成装置であって、
第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが交差可能に第1気体吹出手段と第2気体吹出手段とが配設されてなる、
エアカーテン形成装置。
【請求項2】
第1気体吹出手段が、上向きの気流として気体を吹き出し可能に配設され、かつ、第2気体吹出手段が、上向きの気流として気体を吹き出し可能に配設される、請求項1に記載のエアカーテン形成装置。
【請求項3】
第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段が、棒筒状であり、その長手方向に複数の気体吹出口を備えている、請求項1または2に記載のエアカーテン形成装置。
【請求項4】
第1気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第1気体吸引手段、および/または第2気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第2気体吸引手段を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアカーテン形成装置。
【請求項5】
使用者の顔面に沿って、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段から気体を吹出可能な、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアカーテン形成装置を備えるマスク。
【請求項6】
第1気体吹出手段および第2気体吹出手段が、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが使用者の口と略水平方向において交差可能に配設される、請求項5に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアカーテン形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外気や塵埃の侵入防止だけでなく、インフルエンザウィルス、新型コロナウィルス(COVID-19)等のウィルスや、スギ、ヒノキ等の花粉、飛沫等(以下、これらを総称して、単に「飛沫等」ともいう。)を遮蔽する手段として、エアカーテン形成装置が着目されつつある。
【0003】
エアカーテン形成装置は、気流、または気流の層や幕を形成することにより、塵埃やウィルス等の通過を防止することができるものである。例えば、特許文献1では、エアカーテン形成装置がマスクとして応用されている。特許文献1に記載のエアカーテン形成装置は、気体吹出口から吹き出された気体が、気流、または気流の層や幕を形成するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、気体吹出口を2列以上とし、エアカーテンを重層枚積層することで、飛沫等を一層防止できる旨が開示されている。そこで、本発明者は、鉛直上方向に向かってエアカーテンを2層形成できるエアカーテン形成装置を製造し、気体吹出口からの距離と飛沫等の遮蔽効果を評価したところ、気体吹出口から離れるにしたがい、飛沫等の遮蔽効果がかなり顕著に低下することを見出した。
【0006】
したがって、本発明は、気体吹出口から離れた位置であっても飛沫等の遮蔽効果があまり低下せず、所望の位置でその効果を保持するかまたは最大化することも可能な、エアカーテン形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねたところ、本発明者は、意外にも、第1気体吹出手段から吹き出される気体と、第2気体吹出手段から吹き出される気体とを交差させることで、気体吹出口から離れた位置であっても飛沫等の遮蔽効果があまり低下せず、所望の位置でその効果を保持するかまたは最大化することも可能なエアカーテン形成装置を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
よって、本発明は、要旨、以下のものを提供する。
〔1〕 1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第1気体吹出手段と、
1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第2気体吹出手段と、
第1気体吹出手段および第2気体吹出手段に気体を供給可能な気体供給手段と、
を備えるエアカーテン形成装置であって、
第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが交差可能に第1気体吹出手段と第2気体吹出手段とが配設されてなる、
エアカーテン形成装置。
〔2〕 第1気体吹出手段が、上向きの気流として気体を吹き出し可能に配設され、かつ、第2気体吹出手段が、上向きの気流として気体を吹き出し可能に配設される、〔1〕に記載のエアカーテン形成装置。
〔3〕 第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段が、棒筒状であり、その長手方向に複数の気体吹出口を備えている、〔1〕または〔2〕に記載のエアカーテン形成装置。
〔4〕 第1気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第1気体吸引手段、および/または第2気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第2気体吸引手段を備える、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のエアカーテン形成装置。
〔5〕 使用者の顔面に沿って、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段から気体を吹出可能な、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のエアカーテン形成装置を備えるマスク。
〔6〕 第1気体吹出手段および第2気体吹出手段が、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが使用者の口と略水平方向において交差可能に配設される、〔5〕に記載のマスク。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、気体吹出口から離れた位置であっても飛沫等の遮蔽効果が顕著に低下することのない、エアカーテン形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第1の実施態様を示す。
【
図2】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第2の実施態様を示す。
【
図3】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第3の実施態様を示す。
【
図4】本発明の効果を奏さないエアカーテン形成装置の一例を示す。
【
図5】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第1の実施態様(
図1)と、本発明の効果を奏さないエアカーテン形成装置の一例(
図4)における、気体吹出口から吹き出される気体の気流の概念図を示す(右側:本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第1の実施態様、左側:本発明の効果を奏さないエアカーテン形成装置の一例)。
【
図6A】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を含むマスクの一例の正面図を示す。
【
図6B】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を含むマスクの一例の斜視図を示す。
【
図6C】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を含むマスクの使用例を示す。
【
図6D】本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を含むマスクの使用例(
図6C)の拡大図を示す。
【
図7】実施例1と比較例1における、気体吹出口から吹き出される気体の気流の概念図を示す(ただし、縦軸Xの値やX=0の位置は、試験例1および2に対応するものではない)。
【
図8A】試験例1において、実施例1および比較例1のエアカーテン形成装置の遮蔽効果を評価した結果を示す。
【
図8B】試験例1において、実施例1および比較例1のエアカーテン形成装置の遮蔽効果を評価した結果を示す。
【
図9A】試験例2において、実施例1~3のエアカーテン形成装置の遮蔽効果を評価した結果を示す。
【
図9B】試験例2において、実施例1~3のエアカーテン形成装置の遮蔽効果を評価した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の構成
【0012】
本発明の一実施態様では、
1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第1気体吹出手段と、
1つまたは複数の気体吹出口から気体を吹き出し可能な、第2気体吹出手段と、
第1気体吹出手段および第2気体吹出手段に気体を供給可能な気体供給手段と、
を備えるエアカーテン形成装置であって、
第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが交差可能に第1気体吹出手段と第2気体吹出手段とが配設されてなる、
エアカーテン形成装置を提供する。
【0013】
本明細書中に記載の「気体」とは、本発明の目的を達成できる気体である限り特段限定されるものではなく、ミストも含むものとする。気体としては、これらに限定されるものではないが、例えば、窒素ガス、酸素ガス、オゾンガス、水素ガス、二酸化炭素ガス、空気、またはこれら2種以上の混合気体などが挙げられる。
【0014】
本明細書中に記載の「気体吹出口」とは、気体を吹出可能な口(例えば、孔)であれば、特段限定されるものではなく、スリット状のものを含む。気体吹出口の形状は、本発明の目的を達成することができる限り特段限定されるものではなく、略円形上、略楕円形状、略三角形上、略四角形状、その他の多角形状、不定形状などが挙げられる。気体吹出口の大きさ(例えば、口径、孔径)としては、本発明の目的を達成することができる限り特段限定されるものではなく、後述する気体吹出手段の大きさや、エアカーテン形成装置の用途等を考慮して任意な大きさとすることができるが、例えば、約0.001mm~約1000mm、好ましくは約0.01mm~約100mm、より好ましくは、約0.1mm~約10mm、さらに好ましくは約1mm~約10mmである。
【0015】
本明細書中に記載の「気体吹出手段」とは、後述する気体供給手段から供給された気体を気体吹出口から吹き出し可能なものである限り特段限定されるものではない。気体吹出手段は、通常、内部に空洞を有する。気体吹出手段の形状としては、これらに限定されるものではないが、例えば、筒状(例えば、略棒筒状、円筒状)、略球状、略直方体状、略立方体状であってもよいし、底面または上面が略棒筒状で、それ以外の部分が異なる形状のものであってもよい。気体吹出手段としては、好ましくは、ノズルである。
【0016】
気体吹出手段に備えられている気体吹出口の数は、1つであっても複数であってもよく、例えば、1~約1000、好ましくは1~約500、より好ましくは約2~約100、さらに好ましくは約5~約50であってもよい。気体吹出手段に備えられている気体吹出口が複数の場合、任意の位置の気体吹出口を備えていてもよく、一列に並んでいてもよいし、複数列であってもよいし、ランダムに配置されていてもよい。気体吹出手段に備えられている気体吹出口が3つ以上の場合、各気体吹出口の距離は、等間隔であってもよいし、等間隔でなくてもよく、例えば、約0.1mm~約1000mm、好ましくは、約1mm~約100mm、より好ましくは約2mm~約50mm、さらに好ましくは約5mm~約15mmである。
【0017】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置に備えられている第1気体吹出手段と第2気体吹出手段は、異なる形状、大きさのものであってもよいし、同じ形状、大きさのものであってもよい。また、第1気体吹出手段と第2気体吹出手段は、1つまたは複数の気体吹出口を備えており、同じ数の気体吹出口を備えていてもよいし、異なる数の気体吹出口を備えていてもよく、それぞれが同じ形状、大きさの気体吹出口であってもよいし、異なる形状、大きさの気体吹出口であってもよい。
【0018】
第1気体吹出手段および第2気体吹出手段は、別部材であってもよいし、一体となって同一部材を形成してもよい。
【0019】
気体吹出手段の材質は、特段限定されるものではないが、例えば、鉄、銅、銀、アルミ、スチール等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、メタクリル、アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル・スチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリ乳酸等の合成もしくは天然樹脂、紙、布、天然もしくは合成ゴム、ガラス、またはこれらを2種以上組み合わせたものであってもよい。
【0020】
気体吹出手段に備えられている気体吹出口から吹き出される気体の風速は、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の用途等を考慮して適宜調整することができる。例えば、気体吹出口から吹き出される気体の平均風速としては、毎秒約0.5m~約50m、好ましくは毎秒約1m~約30m、より好ましくは毎秒約1m~約20mであってもよい。
【0021】
本明細書中に記載の「気体供給手段」とは、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段に気体を供給可能なものである限り、特段限定されるものではないが、例えば、エアポンプ、送風機、水を電気分解することにより水素ガスを発生させる水素発生装置、窒素等の気体発生装置、ガスボンベ等が挙げられる。気体供給手段と気体吹出手段は、例えば、ホース等で連結されていてもよい。あるいは、気体供給手段は、気体吹出手段の内部に配設されていてもよい。1つの気体供給手段が、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の両方に気体を供給してもよいし、2つの気体供給手段が、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段それぞれに気体を供給してもよいし、3つ以上の気体供給手段が、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段に気体を供給してもよい。
【0022】
気体供給手段から供給される気体の量、風速等は、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の用途等を考慮の上、適宜調節することができる。
【0023】
気体供給手段または気体吹出手段には、気体を冷却または加熱する温度調節機構や、湿度を調整する装置が備えられていてもよい。
【0024】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置において、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段は、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが交差可能に配設される。例えば、第1気体吹出手段から吹き出される気体および第2気体吹出手段から吹き出される気体が、いずれも上向きに吹き出される場合、第1気体吹出手段から吹き出される気体および第2気体吹出手段から吹き出される気体が平行にならないように、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の一方または両方が鉛直方向に対して傾くように、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段が配設されていてもよい。あるいは、第1気体吹出手段から吹き出される気体および第2気体吹出手段から吹き出される気体が、いずれも上向きに吹き出される場合、第1気体吹出手段から吹き出される気体および第2気体吹出手段から吹き出される気体が平行にならないように、第1気体吹出手段に備えられている気体吹出口および第2気体吹出手段に備えられている気体吹出口の一方または両方が鉛直方向に対して傾くように、第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段に備えられている気体吹出口の位置を調節してもよい。
【0025】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置は、第3気体吹出手段、第4気体吹出手段などの第n気体吹出手段(nは、3以上の整数を意味する)をさらに備えていてもよい。第n気体吹出手段は、第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段と同様の構成であってもよい。第n気体吹出手段は、第n気体吹出手段から吹き出される気体が、第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段から吹き出される気体と平行にならないように、すなわち、第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段から吹き出される気体の少なくとも一方と交差するように、配置されていてもよい。第n気体吹出手段は、第n気体吹出手段から吹き出される気体が第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体との交点付近において交差するように、配置されることが好ましい。
【0026】
本発明の一実施態様では、第1気体吹出手段が、上向きの気流として気体を吹き出し可能に配設され、かつ、第2気体吹出手段が、上向きの気流として気体を吹き出し可能に配設される、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を提供する。
【0027】
本発明の一実施態様では、第1気体吹出手段および/または第2気体吹出手段が、棒筒状であり、その長手方向に複数の気体吹出口を備えている、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を提供する。
【0028】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置は、第1気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第1気体吸引手段、および/または第2気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第2気体吸引手段を備えていてもよい。
【0029】
本明細書中に記載の「気体吸引手段」とは、気体吹出手段から吹き出される気体を吸引可能なものであれば、特段限定されるものではない。気体吸引手段を備えることで、気体吹出手段から吹き出される気体量が少ない場合や吹き出される気体の平均風速が遅い場合であっても、所望の遮蔽効果を示し得る。1つの気体吸引手段により、第1気体吹出手段から吹き出される気体および第2気体吹出手段から吹き出される気体の両方を吸引してもよいし(すなわち、第1気体吸引手段と第2気体吸引手段が同一であってもよいし)、2つの気体吸引手段により、第1気体吹出手段から吹き出される気体および第2気体吹出手段から吹き出される気体それぞれを吸引してもよいし、3つ以上の気体吸引手段により、気体を吸引してもよい。
【0030】
気体吸引手段の形状としては、これらに限定されるものではないが、例えば、筒状(例えば、略棒筒状、円筒状)、略球状、略直方体状、略立方体状であってもよい。
【0031】
気体吸引手段の材質は、特段限定されるものではないが、例えば、鉄、銅、銀、アルミ、スチール等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、メタクリル、アクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル・スチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリ乳酸等の合成もしくは天然樹脂、紙、布、天然もしくは合成ゴム、ガラス、またはこれらを2種以上組み合わせたものであってもよい。
【0032】
気体吸引手段は、気体吹出手段から吹き出される気体の気流の延長線上に配設されていてもよい。また、気体吸引手段は、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体との交点よりも遠方に配設されていてもよい。
【0033】
本発明の一実施態様では、第1気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第1気体吸引手段、および/または第2気体吹出手段から吹き出された気体を吸引可能な第2気体吸引手段を備える、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を提供する。
【0034】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の製造方法
【0035】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置は、例えば以下に記載の方法により製造することができる。
例えば、3Dプリンタまたは樹脂モールド成型等により、1つまたは複数の気体吹出口を備える第1気体吹出手段(例えば、内部に空洞を有するノズル)と、1つまたは複数の気体吹出口を備える第2気体吹出手段(例えば、内部に空洞を有するノズル)を製造し、これらを必要に応じて連結部材で連結してもよい。次に、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが交差可能に、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段を配設する(例えば、上向きに気体が吹き出される場合、第1気体吹出手段(に備えられている気体吹出口)および第2気体吹出手段(に備えられている気体吹出口)のうちの少なくとも一方を、鉛直方向に対して内側に所定の角度傾ける)。次に、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段を、ホース等を介してエアポンプ等の気体供給手段と連結するか、あるいは、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の内部に、気体吹出口から気体が吹き出されるようにエアポンプ等の気体供給手段を配設することで、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を得ることができる。
【0036】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の用途
【0037】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置は、例えば、飲食店等でのパーテーションに用いてもよいし、個人用のマスクとして用いてもよい。本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を個人用のマスクとして使用する場合、マスクには、使用者に固定可能な固定部材を設けてもよい。
【0038】
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を個人用マスクとして使用する場合、使用者の顔面に沿って(好ましくは、使用者の顔面に沿って上向きに)、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段から気体が吹き出されることが好ましい。
【0039】
本発明の一実施態様では、使用者の顔面に沿って、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段から気体を吹出可能な、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を備えるマスクを提供する。
【0040】
また、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を個人用マスクとして使用する場合、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段が、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが使用者の口と略水平方向において交差可能に配設されていてもよい。このような配置とすることで、外部(エアカーテンの外側)からの飛沫等に対して効率的に遮蔽し得るだけでなく、使用者から生じる飛沫等(例えば、使用者の呼気に含まれる飛沫等)が外部(エアカーテンの外側)に排出されることを効率的に防止し得る。
【0041】
本発明の一実施態様では、第1気体吹出手段および第2気体吹出手段が、第1気体吹出手段から吹き出される気体と第2気体吹出手段から吹き出される気体とが使用者の口と略水平方向において交差可能に配設される、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を備えるマスクを提供する。
【0042】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いてより詳細に説明する。
【0043】
図1は、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第1の実施態様の全体構成を説明する図面である。
【0044】
図1に記載のエアカーテン形成装置10は、以下の構成を有している。略下半分が略円形状であり、略上半分が略台形状の断面を有する、中空で細長い第1気体吹出手段20、および同様の形状の第2気体吹出手段が、連結部材50を介して、鉛直方向に対して約15°となるように、連結されている。第1気体吹出手段には、略円形状の気体吹出口201が16個、長手方向に向かって等間隔に配置されている。そして、気体吹出口201と第1気体吹出手段20の中空とは、連通している。同様に、第2気体吹出手段には、略円形状の気体吹出口211が16個、長手方向に向かって等間隔に配置されている。そして、気体吹出口211と第2気体吹出手段21の中空とは、連通している。気体供給手段30は、第1気体吹出手段の側面とホース31を介して連結している。同様に、気体供給手段30は、第2気体吹出手段の側面とホース31を介して連結している。気体供給手段30から供給された気体は、ホース31を介して第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の中空に流れ込み、中空に連通する気体吹出口201および気体吹出口211から吹き出される。16個の気体吹出口201から吹き出された気体71、および16個の気体吹出口211から吹き出された気体71は、エアカーテンを形成する。そして、気体吹出口201から吹き出された気体70と気体吹出口211から吹き出された気体71とは、交点72で交差する(
図1および
図5)。
【0045】
図2は、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第2の実施態様の全体構成を説明する図面である。
【0046】
図2に記載のエアカーテン形成装置10は、第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21が鉛直方向に対して約12°となるように連結されている以外、第1の実施態様と同様の構成を有する。第1の実施態様と同様に、気体供給手段30から供給された気体は、ホース31を介して第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の中空に流れ込み、中空に連通する気体吹出口201および気体吹出口211から吹き出される。16個の気体吹出口201から吹き出された気体71、および16個の気体吹出口211から吹き出された気体71は、エアカーテンを形成する。そして、気体吹出口201から吹き出された気体70と気体吹出口211から吹き出された気体71とは、交点72で交差する(
図2)。
【0047】
図3は、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置の第3の実施態様の全体構成を説明する図面である。
【0048】
図3に記載のエアカーテン形成装置10は、第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21が鉛直方向に対して約18°となるように連結されている以外、第1の実施態様と同様の構成を有する。第1の実施態様と同様に、気体供給手段30から供給された気体は、ホース31を介して第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の中空に流れ込み、中空に連通する気体吹出口201および気体吹出口211から吹き出される。16個の気体吹出口201から吹き出された気体71、および16個の気体吹出口211から吹き出された気体71は、エアカーテンを形成する。そして、気体吹出口201から吹き出された気体70と気体吹出口211から吹き出された気体71とは、交点72で交差する(
図3)。
【0049】
図4は、本発明の効果を奏さないエアカーテン形成装置の全体構成を説明する図面である。
【0050】
図4に記載のエアカーテン形成装置10は、第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21が鉛直方向に対して0°となるように(すなわち、気体が平行に吹き上がるように)連結されている以外、第1の実施態様と同様の構成を有する。第1の実施態様と同様に、気体供給手段30から供給された気体は、ホース31を介して第1気体吹出手段および第2気体吹出手段の中空に流れ込み、中空に連通する気体吹出口201および気体吹出口211から吹き出される。16個の気体吹出口201から吹き出された気体71、および16個の気体吹出口211から吹き出された気体71は、エアカーテンを形成する。しかし、気体吹出口201から吹き出された気体70と気体吹出口211から吹き出された気体71とは、交差しない(
図4および
図5)。
【0051】
図6Aおよび
図6Bは、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を備えるマスクの一例の全体構成を説明する図面である。
【0052】
図6Aおよび
図6Bに記載のマスク60は、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置10における第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21が半円弧状に湾曲している。第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21には、ホース31を介して気体供給手段30が接続されている。さらに、第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21のそれぞれの左右には、略U字状で、マスク60の使用者の頭部に固定可能な固定具61が脱着可能に接続されている。第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21は、第1気体吹出手段20から吹き出される気体70および第2気体吹出手段21から吹き出される気体71が使用者の顔面に沿って上向きに吹き出されるように配設されている。
【0053】
図6Cおよび
図6Dは、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置を備えるマスクの使用例を説明する図である。
【0054】
図6Cおよび
図6Dに記載のマスク60は、第1気体吹出手段20および第2気体吹出手段21が、第1気体吹出手段20から吹き出される気体70と第2気体吹出手段21から吹き出される気体71との交点72が使用者の口と略水平方向となるように配設されている。このような構成とすることで、マスク60の使用者から排出される飛沫等をより効率的に遮断することができると考えられる。なお、
図6Cでは、マスク60を装着する2名が、1つの気体供給手段30を共有しているが、各々異なる気体供給手段30を使用してもよい。
【実施例0055】
[実施例1:本明細書中に記載のエアカーテン形成装置1の製造]
3Dプリンタ(型番:UP300、TIERTIME製、材料:ABS)にて、対向する1組のノズル(それぞれのノズルは、略下半分が略円形状で略上半分が略台形状の断面を有し、全長200mm、外径15mm、中心には直径10mmの孔が長手方向に向かって連通しており、それぞれのノズルの上面には直径3mmの気体吹出口が長手方向に沿って10mm間隔で16個設けられ、各気体吹出口がノズルの中心に設けられている直径10mmの孔と連通している)を、ノズル間の距離が5mmとなるようにした。また、それぞれのノズルを連結する部材である連結部を15°傾けることによりノズル(または気体吹出口)の角度が鉛直方向に対して15°となるように構成した。それぞれのノズルの側面(直径10mmの孔)にエアポンプ(APN-215型、イワキ社製)を連結し、エアカーテン形成装置1を得た。実施例1のエアカーテン形成装置1におけるノズル(または気体吹出口)の角度およびノズル間の距離から、一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体と、もう一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体とは、ノズルの底面から約80mmの高さで交差すると考えられる。
【0056】
[実施例2:本明細書中に記載のエアカーテン形成装置2の製造]
実施例1のエアカーテン形成装置1において、ノズル間の距離を0.5mm、ノズルの角度が鉛直方向に対して12°となるように調整した以外、実施例1と同様の方法により製造し、実施例2のエアカーテン形成装置2を得た。実施例2のエアカーテン形成装置2におけるノズル(気体吹出口)の角度およびノズル間の距離から、一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体と、もう一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体とは、ノズルの底面から約80mmの高さで交差すると考えられる。
【0057】
[実施例3:本明細書中に記載のエアカーテン形成装置3の製造]
実施例1のエアカーテン形成装置1において、ノズル間の距離を9mm、ノズルの角度が鉛直方向に対して18°となるように調整した以外、実施例1と同様の方法により製造し、実施例3のエアカーテン形成装置3を得た。実施例3のエアカーテン形成装置3におけるノズル(気体吹出口)の角度およびノズル間の距離から、一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体と、もう一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体とは、ノズルの底面から約80mmの高さで交差すると考えられる。
【0058】
[比較例1:エアカーテン形成装置4の製造]
実施例1のエアカーテン形成装置1において、ノズルの角度が鉛直方向に対して0°となるように調整した以外、実施例1と同様の方法により製造し、比較例1のエアカーテン形成装置4を得た。比較例1のエアカーテン形成装置4におけるノズルの角度が鉛直方向に対して0°であることから、一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体と、もう一方のノズルに備えられている気体吹出口から吹き出される気体とは、交差しないと考えられる。
【0059】
[試験例1:遮蔽効果の評価]
噴霧器(型番:AD-P5、Deik社製、間欠運転モード)とPM2.5検出器(型番:WP6930S、IGERESS社製)を、噴霧器のミスト噴出部分とPM2.5検出器の検出部分とがおよそ同じ高さになるように(噴霧器のミスト噴出部分とPM2.5検出器の検出部分は、噴霧器およびPM2.5検出器の底面からの高さが約200mmになるように)、対抗する位置に配置し、噴霧器とPM2.5検出器の間(中間位置)に、上向きの気流として気体を吹出可能になるように実施例1または比較例1のエアカーテン形成装置を設置した。PM2.5検出器のミスト検出部分とエアカーテン形成装置の気体吹出口との距離(高さX)は、エアカーテン形成装置のノズル部分を支えるブロック(高さ25mm)の数を変え、5段階に変えて試験した。すなわち、ブロックが1個の場合、高さXは150mm、ブロックが2個の場合、高さXは125mm、ブロックが3個の場合、高さXは100mm、ブロックが4個の場合、高さXは75mm、ブロックの数が5個の場合、高さXは50mmとなる。なお、外気の影響を減らすため、試験装置全体またはその一部を、適宜、段ボール等で覆って試験した。
噴霧器から噴出されるミストは、PM2.5として検出されるため、PM2.5検出器で検出されたPM2.5の数値により、エアカーテン形成装置による遮蔽効果を評価した。測定結果(波形)から、ミストの平均値を求めた。なお、エアカーテン形成装置がない場合、PM2.5の数値は測定上限である1000を超える。
結果を、
図8Aおよび
図8Bに示す。
【0060】
[試験例2:ノズルの角度を変えた際の遮蔽効果の評価]
噴霧器(型番:AD-P5、Deik社製、間欠運転モード)とPM2.5検出器(型番:WP6930S、IGERESS社製)を、噴霧器のミスト噴出部分とPM2.5検出器の検出部分とがおよそ同じ高さになるように(噴霧器のミスト噴出部分とPM2.5検出器の検出部分は、噴霧器およびPM2.5検出器の底面からの高さが約200mmになるように)、対抗する位置に配置し、噴霧器とPM2.5検出器の間(中間位置)に、上向きの気流として気体を吹出可能になるように実施例1~3のエアカーテン形成装置を設置した。PM2.5検出器のミスト検出部分とエアカーテン形成装置の気体吹出口との距離(高さX)は、エアカーテン形成装置のノズル部分を支えるブロック(高さ25mm)の数を変えて5段階で試験した。すなわち、ブロックが1個の場合、高さXは150mm、ブロックが2個の場合、高さXは125mm、ブロックが3個の場合、高さXは100mm、ブロックが4個の場合、高さXは75mm、ブロックの数が5個の場合、高さXは50mmとなる。なお、外気の影響を減らすため、試験装置全体またはその一部を、適宜、段ボール等で覆って試験した。
噴霧器から噴出されるミストは、PM2.5として検出されるため、PM2.5検出器で検出されたPM2.5の数値により、エアカーテン形成装置による遮蔽効果を評価した。測定結果(波形)から、ミストの平均値を求めた。なお、エアカーテン形成装置がない場合、PM2.5の数値は測定上限である1000を超える。
結果を、
図9Aおよび
図9Bに示す。
【0061】
[結果]
試験例1の結果より、実施例1のエアカーテン形成装置1は、比較例1のエアカーテン形成装置4と比較し、PM2.5の検出量がいずれの距離であっても全体的に低かった(
図8Aおよび
図8B)。特に、PM2.5検出器とエアカーテン形成装置との距離(高さX)が約80mmを超えると、実施例1のエアカーテン形成装置1の方が比較例1のエアカーテン形成装置4よりPM2.5の検出量が顕著に少なくなった(
図8Aおよび
図8B)。本明細書中に記載のエアカーテン形成装置では、対向する気体吹出手段(例えば、ノズル)から吹き出される気体が交差すると考えられることから、気体が交差すると考えられる位置(例えば、実施例1の場合であれば、気体吹出口から約80mmの高さ)あたりで遮蔽効果が気体吹出口(例えば、ノズルの気体吹出口)付近と同程度か、それよりも却って大きくなりうる(
図8Aおよび
図8B)。そのため、本明細書中に記載のエアカーテン形成装置は、気体が交差すると考えられる位置より上部であっても、高い遮蔽効果が保持されると考えられる。
試験例2は、エアカーテン形成装置の一対のノズルの吹き出し角度が異なる(気体の交点Aの高さを同じとしているので、結果的に一対のノズル間の間隔が異なる)3種類の実施例1~3でのPM2.5の遮蔽効果の違いを比較したものである。具体的には、3種類の構成でエアカーテン形成装置からの気体の交点Aまでの距離はいずれもX=80mmであり、ここは
図9B中で「A」として示している。そして、エアカーテン形成装置の一対のノズルの間隔を実施例1では5mm、実施例2では0.5mm、実施例3では9mmとしている。これらの実験結果は、多少のばらつきはあるものの、気体の交点A(X=80mm)のあたりから遮蔽効果が上がっていき、その効果はX=140mm程度まで保持されうる。また、遮蔽効果は、実施例2のエアカーテン形成装置のノズルの鉛直方向からの傾きが12°で一対のノズルの間隔を0.5mmとした場合が最も高くなると考えられる(
図9Aおよび
図9B)。この実施例2は、実施例1および3と比較して、ノズルの鉛直方向からの傾きが最も小さい。そのため、出来るだけ鉛直方向に近いように気体を吹き出しながら、気体を交差させるように吹き出させると、この気体の交点Aから上方のある範囲内でエアカーテンとしての遮蔽効果が大きくできるということが分かる。(
図9Aおよび
図9B)。
本明細書中に記載のエアカーテン形成装置は、気体吹出口から離れた位置であっても飛沫等の遮蔽効果が顕著に低下することのないものであり、産業上十分に利用可能なものである。