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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128598
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ハイスツール
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/02 20060101AFI20230907BHJP
   A47C 7/00 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
A47C9/02
A47C7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033035
(22)【出願日】2022-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】黒尾 智也
【テーマコード(参考)】
3B095
【Fターム(参考)】
3B095AC07
3B095AC08
3B095CA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】床面に対する移動の柔軟性に優れたハイスツールを提供する。
【解決手段】ハイスツールは、座Aと、座面mが600~800mmの高さに保持されるように座Aを支持する脚体Bとを備えてなり、脚体Bの下端部にキャスタQが設けられている。また、ハイスツールは、座Aよりも上に位置するとともに平面視において座Aにおける左右両側部及び後部に沿うように位置する座上フレーム体Cを備えている。かかる構成により、床面に対する移動の柔軟性に優れたハイスツールを提供し得るものとなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座と、座面が600~800mmの高さに保持されるように前記座を支持する脚体とを備えてなるハイスツールであって、
前記脚体の下端部にキャスタが設けられているハイスツール。
【請求項2】
前記座よりも上に位置するとともに平面視において前記座における左右両側部及び後部に沿うように位置する座上フレーム体を備えている請求項1記載のハイスツール。
【請求項3】
前記座上フレーム体が、平面視において前記座における左右両側部及び後部を取り囲むように一体的に連設されたものである請求項2記載のハイスツール。
【請求項4】
前記座上フレーム体と前記座との間に、使用者の手指を挿通可能な空間が設けられている請求項3記載のハイスツール。
【請求項5】
前記脚体が、上下方向に延びてなり下端部に前記キャスタが設けられた四本の脚本体と、これら四本の脚本体を繋ぐとともに前記座に係わり合う座受とを備えたものである請求項4記載のハイスツール。
【請求項6】
前記脚本体が、前記座受との連結部分よりも上方に延出した延出フレーム部を備えたものであり、この延出フレーム部の上端に前記座上フレーム体が連結されている請求項5記載のハイスツール。
【請求項7】
前記座上フレーム体が、左右に対をなし着座時において使用者が把持可能な部位をなすハンドルフレーム部と、これらハンドルフレーム部の後端部間を繋ぎ着座時において使用者の腰部が当接し得る腰当てフレーム部とを備えている請求項2、3、4、5又は6記載のハイスツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイスツールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、座と、座を支持する脚体とを備えてなる種々の椅子が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
近時、オフィス等においては、通常よりも天板の位置が高く設定されたハイテーブルやカウンターが設置する試みがなされている。そして、ハイテーブルやカウンターを利用した執務には、座が比較的高い位置に設定されたハイスツールが使用されるようになっている。
【0004】
ところが、従来のハイスツールは、床面に対して水平方向に動き難く構成されていたため、移動の柔軟性に欠けたものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-007745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたものであり、少なくとも、床面に対する移動の柔軟性に優れたハイスツールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に係る発明は、座と、座面が600~800mmの高さに保持されるように前記座を支持する脚体とを備えてなるハイスツールであって、
前記脚体の下端部にキャスタが設けられているハイスツールである。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記座よりも上に位置するとともに平面視において前記座における左右両側部及び後部に沿うように位置する座上フレーム体を備えている請求項1記載のハイスツールである。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記座上フレーム体が、平面視において前記座における左右両側部及び後部を取り囲むように一体的に連設されたものである請求項2記載のハイスツールである。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記座上フレーム体と前記座との間に、使用者の手指を挿通可能な空間が設けられている請求項3記載のハイスツールである。
【0012】
請求項5に係る発明は、前記脚体が、上下方向に延びてなり下端部に前記キャスタが設けられた四本の脚本体と、これら四本の脚本体を繋ぐとともに前記座に係わり合う座受とを備えたものである請求項4記載のハイスツールである。
【0013】
請求項6に係る発明は、前記脚本体が、前記座受との連結部分よりも上方に延出した延出フレーム部を備えたものであり、この延出フレーム部の上端に前記座上フレーム体が連結されている請求項5記載のハイスツールである。
【0014】
請求項7に係る発明は、前記座上フレーム体が、左右に対をなし着座時において使用者が把持可能な部位をなすハンドルフレーム部と、これらハンドルフレーム部の後端部間を繋ぎ着座時において使用者の腰部が当接し得る腰当てフレーム部とを備えている請求項2、3、4、5又は6記載のハイスツールである。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、床面に対する移動の柔軟性に優れたハイスツールを提供し得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における正面図。
図3】同実施形態における背面図。
図4】同実施形態における左側面図。
図5】同実施形態における平面図。
図6】同実施形態における底面図。
図7】同実施形態における分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図1~7を参照して説明する。
【0018】
この実施形態は、本発明を、一般的な椅子における座の高さ位置と比較して、床面Yからの座Aの位置が高く設定されたハイスツールに適用したものである。
【0019】
ハイスツールは、座Aと、座面mの位置が床面Yから600~800mmの高さ(W)に保持されるように座Aを支持する脚体Bと、脚体Bに支持された座上フレーム体Cとを備えたものである。脚体Bの下端部には、キャスタQが設けられている。
【0020】
以下、ハイスツールについて詳述する。
【0021】
<座A>
座Aは、上面である座面mが床面Yから600~800mmの高さ(W)に保持されるように脚体Bに支持されている。
【0022】
座Aは、詳しくは図示していないが、例えば、合成樹脂製の座板(図示せず)と、座板の上に配設されたモールドウレタン製の座クッション(図示せず)と、座板及び座クッションを被覆する座張地Hとを備えたものである。座Aは、図示しない連結具を介して座受Sに対して取り付けられている。
【0023】
座Aは、左右対称形状をなしている。座Aは、平面視において、全体として概略台形状をなしている。座Aは、平面視において、前の左右両角部及び後の左右両角部が丸く、すなわち、部分円弧状に形成されている。座Aは、左右方向に延びてなる前辺部分a1が左右方向に延びてなる後辺部分a2よりも長く設定されている。前辺部分a1及び後辺部分a2は外方に向かって凸をなすように湾曲している。座Aは、後辺部分a2の曲率の方が前辺部分a1の曲率よりも大きく設定されている。
【0024】
<脚体B>
脚体Bは、座面mが床面Yから600~800mmの高さ(W)に保持されるように座Aを支持し得るものである。
【0025】
脚体Bは、左右対称形状をなしている。脚体Bは、上下方向に延びてなり下端部にキャスタQが設けられた四本の脚本体である左右の前脚F及び左右の後脚Rと、左右の前脚F及び左右の後脚Rを繋ぐとともに座Aに係わり合う座受Sと、座受Sよりも下に配設され閉ループ状をなし左右の前脚F及び左右の後脚Rを繋ぐとともに着座者の足掛け部分を構成し得る連結部Gとを備えたものである。
【0026】
左右の前脚F及び左右の後脚Rは、パイプ材により作られている。
【0027】
左右の前脚Fは、上下方向に略直線状に延びてなる前主脚部1と、前主脚部1の上端から一体的に連設された前延出フレーム部2とを備えている。
【0028】
前主脚部1は、上から下に向かって漸次前方及び外側方に移動するように位置している。前主脚部1は、床面Y等の水平面に対して傾いた姿勢をなしている。前主脚部1の下端部にはキャスタQが取り付けられている。
【0029】
前延出フレーム部2は、左右の前脚Fにおける座受Sとの連結部分pよりも上方に延出した部分である。前延出フレーム部2は、下部分21と上部分22とによって構成されている。
【0030】
前延出フレーム部2の下部分21は、前主脚部1に連続して略直線状に延びている。前延出フレーム部2の上部分22は、上側に向かって漸次外側方及び後方に移動するように湾曲した形状をなしている。前延出フレーム部2における上部分22の上端は、座上フレーム体Cの前端に接続するようになっている。すなわち、前延出フレーム部2の上端に座上フレーム体Cが連結されている。
【0031】
左右の後脚Rは、略直線状に延びてなる後主脚部3と、後主脚部3の上端から一体的に連設された後延出フレーム部4とを備えている。
【0032】
後主脚部3は、上から下に向かって漸次後方及び外側方に移動するように位置している。後主脚部3は、床面Y等の水平面に対して傾いた姿勢をなしている。後主脚部3の下端部にはキャスタQが取り付けられている。
【0033】
後延出フレーム部4は、左右の後脚Rにおける座受Sとの連結部分pよりも上方に延出した部分である。後延出フレーム部4は、下部分41と上部分42とによって構成されている。
【0034】
後延出フレーム部4の下部分41は、後主脚部3に連続して略直線状に延びている。後延出フレーム部4の上部分42は、上側に向かって漸次外側方及び後方に移動するようになだらかに湾曲した形状をなしている。後延出フレーム部4における上部分42の上端は、座上フレーム体Cにおける後部の下面側に接続するようになっている。すなわち、後延出フレーム部4の上端に座上フレーム体Cが連結されている。
【0035】
座受Sは、座Aの下に配設されている。座受Sは、座Aを支持するものである。座受Sは、パイプ材により作られている。座受Sは、平面視又は底面視において略X字状をなすように左右の前脚F及び左右の後脚R間に架設されている。
【0036】
座受Sは、左の前脚Fと右の後脚Rとの間を略直線状に繋ぐ一方の直線形態部分5と右の前脚Fと左の後脚Rとの間を略直線状に繋ぐ他方の直線形態部分6とを有しており、一方及び他方の直線形態部分5、6が中央部tにおいて連結したものとなっている。
【0037】
連結部Gは、パイプ材により環状に形成されている。連結部Gは、左右の前脚Fにおける前主脚部1と左右の後脚Rにおける後主脚部3に接続している。連結部Gにおける左右の前主脚部1間の部分は、着座者が使用する足掛け部分の主要部をなしている。
【0038】
<座上フレーム体C>
座上フレーム体Cは、座Aよりも上に位置するとともに平面視において座Aにおける左右両側部及び後部に沿うように位置するものである。座上フレーム体Cは、平面視において前方に開放された略U字状をなしている。座上フレーム体Cは、パイプ材により作られている。
【0039】
座上フレーム体Cは、平面視において座Aにおける左右両側部及び後部を取り囲むように一体的に連設されたものである。この実施形態では、座上フレーム体Cと座Aとの間に、使用者の手指を挿通可能な空間spが設けられている。
【0040】
座上フレーム体Cは、平面視において、座Aの外周端縁よりも外側に離れて配設されている。
【0041】
座上フレーム体Cは、左右に対をなし着座時において使用者が把持可能な部位をなす左右のハンドルフレーム部7と、左右のハンドルフレーム部7の後端部間を繋ぎ着座時において使用者の腰部が当接し得る腰当てフレーム部8とを備えている。
【0042】
換言すれば、座上フレーム体Cは、平面視において座Aにおける左右両側部に沿うように位置する部位であるハンドルフレーム部7と、平面視において座Aにおける後部に沿うように位置する部位である腰当てフレーム部8とを備えている。
【0043】
以上説明したように、本実施形態に係るハイスツールは、座Aと、座面mが600~800mmの高さに保持されるように座Aを支持する脚体Bとを備えてなるものである。そして、ハイスツールは、脚体Bの下端部にキャスタQが設けられている。
【0044】
このため、本実施形態におけるハイスツールであれば、床面Yに対する移動の柔軟性に優れたものとなる。
【0045】
座Aよりも上に位置するとともに平面視において座Aにおける左右両側部及び後部に沿うように位置する座上フレーム体Cを備えている。
【0046】
このため、座上フレーム体Cは、着座者の左右両側部及び後部に沿って位置することによって、着座者に対して安心感を好適に与え得るものとなっている。
【0047】
座上フレーム体Cが、平面視において座Aにおける左右両側部及び後部を取り囲むように一体的に連設されたものである。
【0048】
このため、座上フレーム体Cは、着座者の左右両側部及び後部を取り囲むように一体的に連設されているため、着座者に対して優れた安心感を好適に与え得るものとなっている。
【0049】
座上フレーム体Cと座Aとの間に、使用者の手指を挿通可能な空間spが設けられている。
【0050】
このため、座上フレーム体Cは、空間spに手指を挿通することにより、好適に把持されるものとなっている。
【0051】
脚体Bが、上下方向に延びてなり下端部にキャスタQが設けられた四本の脚本体である左右の前脚F及び左右の後脚Rと、左右の前脚F及び左右の後脚Rを繋ぐとともに座Aに係わり合う座受Sとを備えたものである。
【0052】
このため、脚体Bは、座Aを支持し得る好適な構成をなしている。
【0053】
左右の前脚F及び左右の後脚Rが、座受Sとの連結部分pよりも上方に延出した延出フレーム部たる前延出フレーム部2及び後延出フレーム部4を備えたものであり、前延出フレーム部2及び後延出フレーム部4の上端に座上フレーム体Cが連結されている。
【0054】
このため、左右の前脚F及び左右の後脚Rは、座上フレーム体Cを支持し得るとともに座Aと座上フレーム体Cとの間に空間spを形成するための好適な構成をなしている。
【0055】
座上フレーム体Cが、左右に対をなし着座時において使用者が把持可能な部位をなすハンドルフレーム部7と、これらハンドルフレーム部7の後端部間を繋ぎ着座時において使用者の腰部が当接し得る腰当てフレーム部8とを備えている。
【0056】
このため、座上フレーム体Cは、使用者の把持し得る部位及び腰部が当接し得る部位を構成するものであるため、使用者の安定的かつ快適な着座に寄与し得るものとなっている。
【0057】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0058】
キャスタは、種々の構成のものを適用可能であることは言うまでもない。
【0059】
脚体は、座を支持し得るものであればよく、その具体的な構成は上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。例えば、脚体が単一の脚支柱を備えた構成のものであってもよい。
【0060】
座は、クッションタイプのものに限られるものではない。座は、樹脂シェルタイプのものや、枠体にメッシュ状の張り部材が張設されたメッシュタイプのものであってもよい。
【0061】
座は、座面が600~800mmの高さに保持され得るものであればよい。換言すれば、座は、座面が600~800mmの高さに保持され得るものであれば、脚体により上下方向に移動可能に支持されたものであってもよい。
【0062】
座上フレーム体は、座よりも上に位置するとともに平面視において座における左右両側部及び後部に沿うように位置するものであればどのようなものであってもよい。例えば、座上フレーム体において、座における左右両側部に沿うように位置する部分が、着座者の肘を支持し得る肘掛けフレーム部を構成したものであってもよい。また、座上フレーム体において、座における後部に沿うように位置する部分が、着座者の背中を支持し得る背凭れフレーム部を構成したものであってもよい。
【0063】
座上フレーム体は、平面視において座における左右両側部及び後部を取り囲むように一体的に連設されたものでなくてもよい。
【0064】
座上フレーム体と座との間に、使用者の手指を挿通可能な空間が設けられていないものであってもよい。
【0065】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
A…座
B…脚体
C…座上フレーム体
F…左右の前脚(脚本体)
R…左右の後脚(脚本体)
S…座受
Q…キャスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7