(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128659
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】倉庫作業管理システム、倉庫作業管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20230907BHJP
G06Q 10/087 20230101ALI20230907BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033172
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】中安 良二
(72)【発明者】
【氏名】舘内 直
(72)【発明者】
【氏名】藤原 考輝
(72)【発明者】
【氏名】小牟田 治
(72)【発明者】
【氏名】石山 圭
(72)【発明者】
【氏名】糸谷 昌博
(72)【発明者】
【氏名】森尾 直弥
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】作業計画及び実際の作業の評価を、次回の作業計画に活用することを可能にする。
【解決手段】倉庫業務の作業実績を検証する倉庫作業管理システム1は、一日の作業完了後、作業の実績情報を取得し、取得した実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出し、算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較し、作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成し、前記代替プランをシミュレートし、代替プランに基づく利益を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫業務の作業実績を検証する倉庫作業管理システムであって、
一日の作業完了後、作業の実績情報を取得する取得部と、
取得した前記実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出する算出部と、
算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較する比較部と、
作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成する作成部と、
前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するシミュレータと、を備える倉庫作業管理システム。
【請求項2】
前記比較部は、算出した利益と、予め作成した計画値とを工程毎に比較する請求項1に記載の倉庫作業管理システム。
【請求項3】
前記作成部は、複数の前記代替プランを作成し、
前記シミュレータは、前記複数の代替プランをシミュレートし、各代替プランに基づく一日分の作業全体の利益及び作業効率を其々算出する請求項1に記載の倉庫作業管理システム。
【請求項4】
優先条件を受け付ける優先条件受付部と、
シミュレートした前記複数の代替プランによる結果を、前記優先条件に従ってソートして出力する出力部と、を更に備える請求項3に記載の倉庫作業管理システム。
【請求項5】
ソート結果の第一位を、前記優先条件におけるベストプランとして決定する決定部を更に備える請求項4に記載の倉庫作業管理システム。
【請求項6】
前記優先条件は、一日分の作業全体の作業効率、利益、作業終了時刻、作業者属性、人数のいずれかである請求項4に記載の倉庫作業管理システム。
【請求項7】
倉庫業務の作業実績を検証するコンピュータが実行する倉庫作業管理方法であって、
一日の作業完了後、作業の実績情報を取得するステップと、
取得した前記実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出するステップと、
算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較するステップと、
作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成するステップと、
前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するステップと、
を備える倉庫作業管理方法。
【請求項8】
倉庫業務の作業実績を検証するコンピュータに、
一日の作業完了後、作業の実績情報を取得するステップ、
取得した前記実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出するステップ、
算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較するステップ、
作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成するステップ、
前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫作業の事後最適化に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫作業を最適化するためのシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、複数の出荷オーダに応じた作業を、リソースの割り当ても含め全体の作業計画を立案し、最適化することが可能な作業計画システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、倉庫作業の作業計画を立てても、当日、体調不良等により、出勤できない作業者が現れ、倉庫作業の作業人員に変更が生じたり、緊急対応が必要な出荷オーダが発生し、作業量の変更等が生じたりして、予定していた倉庫の作業計画が当日になって崩れることがある。
このような場合、当初の作業計画を変更して出荷オーダに対応することが要求されるが、当日の倉庫作業における利益が、当初の作業計画と大きく乖離しないことも求められる。
そのため、倉庫作業の作業計画を立てて倉庫作業を完了した後に、この作業計画が最良であったかどうかを検証する必要がある。
そこで、本発明者らは、倉庫作業の完了を把握して、どのように作業計画を変更すれば一日の倉庫作業全体の利益が最大になるかをシミュレートして提供する仕組みに着目した。
【0005】
本発明は、作業計画及び実際の作業の評価を、次回の作業計画に活用することを可能にする倉庫作業管理システム、倉庫作業管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、倉庫業務の作業実績を検証する倉庫作業管理システムであって、
一日の作業完了後、作業の実績情報を取得する取得部と、
取得した前記情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出する算出部と、
算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較する比較部と、
作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成する作成部と、
前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するシミュレータと、を備える倉庫作業管理システムを提供する。
【0007】
本発明は、更に、前記比較部が、算出した利益と、予め作成した計画値とを工程毎に比較する。
【0008】
本発明は、更に、前記作成部が、複数の前記代替プランを作成し、前記シミュレータが、前記複数の代替プランをシミュレートし、各代替プランに基づく一日分の作業全体の利益及び作業効率を其々算出する。
【0009】
本発明は、更に、優先条件を受け付ける優先条件受付部と、
シミュレートした前記複数の代替プランによる結果を、前記優先条件に従ってソートして出力する出力部と、を備える。
【0010】
本発明は、更に、ソート結果の第一位を、前記優先条件におけるベストプランとして決定する決定部と、を備える。
【0011】
本発明は、更に、前記優先条件が、一日分の作業全体の作業効率、利益、作業終了時刻、作業者属性、人数のいずれかである。
【0012】
本発明によれば、その日の作業実績に基づく利益及び作業効率と、代替プランに基づく利益及び作業効率を算出又はシミュレートし、比較するので、その日の作業実績がベストであったか、改善可能であったかを検証できる。
【0013】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業計画及び実際の作業の評価を、次回の作業計画に活用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】倉庫作業管理システム1の概要を説明する図である。
【
図2】倉庫作業管理システム1の機能構成を示す図である。
【
図3】倉庫作業管理システム1が実行する出荷オーダ取得処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】倉庫作業管理システム1が実行する作業計画取得処理のフローチャートを示す図である。
【
図5】倉庫作業管理システム1が実行するシフトデータ取得処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】倉庫作業管理システム1が実行する比較結果通知処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】比較結果60の一例を模式的に示した図である。
【
図8】比較結果60の一例を模式的に示した図である。
【
図9】倉庫作業管理システム1が実行する代替プラン作成処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】管理者端末40が表示する変更入力用UI70の一例を模式的に示した図である。
【
図11】管理者端末40が表示する変更入力用UI70の一例を模式的に示した図である。
【
図12】管理者端末40が表示する変更入力用UI80の一例を模式的に示した図である。
【
図13】管理者端末40が表示する変更入力用UI86の一例を模式的に示した図である。
【
図14】倉庫作業管理システム1が実行するベストプラン決定処理のフローチャートを示す図である。
【
図15】シミュレート結果の一例を模式的に示した図である。
【
図16】並び替えを行ったシミュレート結果の一例を模式的に示した図である。
【
図17】並び替えを行ったシミュレート結果の一例を模式的に示した図である。
【
図18】管理者端末40に出力するシミュレート結果90の一例を模式的に示した図である。
【
図19】管理者端末40に出力するシミュレート結果90の一例を模式的に示した図である。
【
図20】管理者端末40に出力するシミュレート結果90の一例を模式的に示した図である。
【
図21】管理者端末40に出力するシミュレート結果90の一例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0017】
[基本概念/基本構成]
図1は、倉庫作業管理システム1の概要を説明するための図である。倉庫作業管理システム1は、少なくともコンピュータ10を備える倉庫業務の各工程における作業人員と出荷オーダとに基づく作業量を管理するシステムである。
本実施形態では、倉庫作業管理システム1は、コンピュータ10と、出荷オーダを管理するWMS(Warehouse Management System)20、作業計画を作成し、それに従って各リソース機器に作業指示を送信するRCS(Resource Control System)30、作業者や作業内容を管理する管理者が所持する管理者端末40、作業者毎の出勤、労働時間、遅刻、早退、休憩、欠勤等の就業状況をシフトデータ等により管理する勤怠管理システムであるシフト管理システム50と、データ通信可能に接続されるシステムである。
【0018】
本実施形態は、前提として、予め当日分の作業計画が作成又は保存されており、この作業計画を用いるものである。なお、作業計画は、RCS30により自動で作成され、コンピュータ10に自動で出力されるのが望ましいが、その態様に限定されるものではない。また、倉庫作業における工程として、入荷、入庫、ピッキング、流通加工、梱包、出荷を想定しているが、工程に関してもこれらに限定されるものではない。また、本明細書において、利益とは、単純な粗利だけでなく、売上、支出、収支、利益率を含むものである。
【0019】
倉庫作業管理システム1が、作業人員及び/又は作業内容の変更に基づく一日分の作業全体の利益を算出する場合についての処理ステップの概要について、
図1に基づいて説明する。
【0020】
コンピュータ10は、当日分の出荷オーダ情報及び作業計画を取得する(ステップS0)。
出荷オーダ情報は、例えば、複数の出荷オーダ情報を、納品先、納品時間、梱包単位等で組み替え、必要な項目を追加した情報であり、商品ID、出荷量、締切日時が含まれるデータである。作業計画は、例えば、倉庫作業における各工程の作業者の作業人員数及び作業内容(例えば、作業時間、作業量)である。
WMS20は、顧客から、出荷オーダ情報の入力を受け付ける。出荷オーダ情報の受付は随時であり、対象の顧客は単独/複数いずれの場合もある。WMS20は、受け付けた出荷オーダ情報の内、当日分の出荷オーダ情報を、コンピュータ10に送信する。なお、WMS20は、出荷オーダ情報を、顧客が管理する顧客システムから取得した出荷オーダ情報を、コンピュータ10に送信する構成であっても良い。また、コンピュータ10は、出荷オーダ情報を、RCS30から取得しても良い。
RCS30は、作成、又は保存済の作業計画の内、当日分の作業計画を、コンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、WMS20又はRCS30から、これらの出荷オーダ情報及び作業計画を受信することにより、当日分の出荷オーダ情報及び作業計画を取得する。
【0021】
コンピュータ10は、その日の営業終了後、完了情報を取得して、リソースの実績情報を取得する(ステップS1)。
コンピュータ10は、一日の営業が終了した後、この日における倉庫全体の作業工程の完了情報を取得する。
例えば、RCS30がリソース機器の逐次の作業状態を取得し、作業指示に対する完了状態を得ると、一日の倉庫作業の各作業工程の完了情報として、コンピュータ10に送信する。倉庫作業の終了時刻が決まっている場合は、その時刻に自動で完了情報を得ても良いし、管理者が営業終了を判断した任意の時間に入力を受け付け、完了情報を送信しても良い。
コンピュータ10は、この完了情報を受信することにより、完了情報を取得する。これにより、コンピュータ10は、リソースの実績情報を取得する。
【0022】
コンピュータ10は、取得した実績情報に基づいて、一日分の作業全体の利益及び生産性の実績値を算出する(ステップS2)。
コンピュータ10は、リソースの実績情報をもとに、工程毎の生産性(単位人員における単位時間当たりの作業量)、作業所要時間を算出する。また、コンピュータ10は、一日分の作業全体の売上及び経費を算出する。コンピュータ10は、算出した売上から経費を減算し、収支を算出する。コンピュータ10は、これらの計算を行うことにより、利益を算出する。本明細書において、利益と収支は同義のものとして扱う。ここで、コンピュータ10は、各工程における収支についても、同様の計算により算出する。
【0023】
コンピュータ10は、算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較する(ステップS3)。
コンピュータ10は、算出した各工程における実績値と、収支計画における各工程における利益とを比較する。コンピュータ10は、各工程の利益が計画未達であるかどうか、各工程の作業実績が収支計画と乖離していないかどうか等の実際の作業実績と、収支計画との乖離が所定の条件を満たすかどうかを確認する。
【0024】
コンピュータ10は、作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを工程毎に作成する(ステップS4)。
コンピュータ10は、実績とは異なる作業人員及び/又は作業内容とした代替プランを作成する。代替プランは、具体的には、例えば、乖離が発生した作業内容を他の作業人員に配置変更するプラン、一日を午前と午後で二分割し、午前中は乖離が発生したとなった点を除いて当初割り当てられた作業内容の配置を維持するが、午後に乖離が発生した作業内容を別途補填して配置変更するプラン、当初複数人に割り当てられた作業内容の内、人数が減っても問題が無い又は問題が少ない作業内容を抽出し、そこから作業人員を乖離が発生した作業内容に割り当てて配置変更するプラン、又は翌日以降に行っても問題ない作業内容を抽出してその分を翌日以降に変更し、現在の作業人員により行える作業内容に集約して作業内容を再作成して配置変更するプラン、等である。この代替プランも工程毎に作成される。
【0025】
コンピュータ10は、作成した代替プランをシミュレートし、一日分の作業全体の利益を算出する(ステップS5)。
コンピュータ10は、作成した代替プランをシミュレートし、代替プランにおける生産性、作業時間、又は、売上を算出する。コンピュータ10は、算出した売上から経費を減算し、収支を算出する。コンピュータ10は、これらの計算を行い、利益(収支)を算出する。更に、コンピュータ10は、代替プランにおける作業効率(総所要時間、カットタイム余裕時間、余裕率、超過人時)を算出する。
総所要時間は、シミュレーションを採用してその分の作業全体をこなすのにかかる時間(実際に、この代替プランにより倉庫作業を行った場合にかかる時間)であり、作業開始時刻から、作業終了時刻までに必要な時間である。カットタイムは、出荷する荷物毎に設定される締切時間である。カットタイム余裕時間は、カットタイムから総所要時間を減算した時間(作業終了時刻から、カットタイムの時刻までの間の時間)である。余裕率は、このカットタイムに対するカットタイム余裕時間の割合である。超過人時は、カットタイム余裕時間がマイナスの場合に必要な単位時間当たりの人数である。
【0026】
コンピュータ10は、このようにして得られた代替プランに基づいて、ベストプランを決定する。なお、ベストプランがその日の作業実績と同一となった場合には、その作業実績が最適であったということになる。
RCS30又はコンピュータ10は、ベストプランを次回の作業計画に活用する。
なお、ここでは、コンピュータ10が取得した作業計画に対し作業人員が変更を受け付けた場合の例で説明したが、作業量が変更となった場合においても同様である。コンピュータ10は、作業量の変更を管理者端末40に通知し、予定作業時間内に作業完了できるかどうか、更に好ましくは利益を算出して当初プランとの乖離(利益損失)を管理者端末40に通知する。
【0027】
このような倉庫作業管理システム1によれば、作業計画及び実際の作業の評価を、次回の作業計画に活用することが可能となる。また、前日に予測した人員計画及び作業計画と、当日の出荷オーダ情報とが異なる場合、予測した人員計画及び作業計画を、どのように変更していれば、出荷オーダ情報に間に合ったかをレコメンドしたり、その際の収支シミュレーションを行ったりすることも可能となる。
【0028】
[機能構成]
図2に基づいて、倉庫作業管理システム1の機能構成について説明する。
倉庫作業管理システム1は、少なくともコンピュータ10を備え、コンピュータ10が、出荷オーダ情報を管理するWMS20、作業計画を管理するRCS30、作業者や作業内容を管理する管理者が所持する管理者端末40、作業者毎の就業状況をシフトデータ等により管理する勤怠管理システムであるシフト管理システム50と、公衆回線網やイントラネット等のネットワーク9を介して、データ通信可能に接続される。
倉庫作業管理システム1は、コンピュータ10に加えて、WMS20、RCS30、管理者端末40、シフト管理システム50、その他の端末や装置類等が含まれていても良い。この場合、倉庫作業管理システム1は、後述する処理を、含まれる端末や装置やシステム等の何れか又は複数の組み合わせにより実行する。また、WMS20は、顧客毎に構築され、複数荷主の管理を行う場合には、荷主の数と同数、接続される。
【0029】
コンピュータ10は、サーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等であり、倉庫業務の各工程における作業人員と出荷オーダ情報とに基づく作業量を管理するものである。
コンピュータ10は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。
【0030】
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、一日の倉庫作業の完了情報を取得する取得部11等を備える。
また、コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出する算出部12、算出結果と収支計画値とを比較する比較部13、作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成する作成部14、代替プランのシミュレート及び利益を算出するシミュレータ15等を備える。
【0031】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、出荷オーダ情報取得モジュール、作業計画取得モジュール、シフトデータ取得モジュール、完了情報取得モジュール、変更受付モジュール、優先条件受付モジュール、出力モジュール、選択受付モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、出荷オーダ情報記憶モジュール、作業計画記憶モジュール、シフトデータ記憶モジュール、ベストプラン記憶モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、作業全体利益算出モジュール、作業全体作業効率算出モジュール、比較モジュール、比較結果作成モジュール、代替プラン作成モジュール、シミュレートモジュール、プラン利益算出モジュール、プラン作業効率算出モジュール、シミュレート結果作成モジュール、並べ替えモジュール、ベストプラン決定モジュールを実現する。
【0032】
WMS20は、在庫管理システム又は販売管理システム等汎用的な倉庫の入出庫等を管理するシステムであれば良く、その詳細な説明は省略する。
RCS30は、汎用的な倉庫設備を管理するシステムであれば良く、その詳細は省略する。
管理者端末40は、管理者が所持する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等の端末であり、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、コンピュータ10と通信可能にするためのデバイス等を備え、入出力部として、画面やデータ等の入出力を実行する各種デバイス等を備える。
シフト管理システム50は、汎用的な作業者の就業状況等を管理するシステムであれば良く、その詳細は省略する。
【0033】
以下、倉庫作業管理システム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本実施形態では、倉庫作業における工程として、入荷、入庫、ピッキング、流通加工、梱包、出荷等を想定しており、利益とは、単純な粗利だけでなく、売上、支出、収支、利益率を含むものである。
【0034】
[コンピュータ10が実行する出荷オーダ情報取得処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する出荷オーダ情報取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する出荷オーダ情報取得処理のフローチャートを示す図である。出荷オーダ情報取得処理とは、上述した出荷オーダ情報及び作業計画を取得する処理(ステップS0)のうち、出荷オーダ情報の取得処理に係るフローの詳細である。
【0035】
出荷オーダ情報取得モジュールは、当日分の出荷オーダ情報を取得する(ステップS10)。
出荷オーダ情報は、上述した通り、複数の出荷オーダ情報を組み替え、必要な項目を追加した情報であり、商品ID、出荷量、締切日時等が含まれるデータである。
WMS20は、顧客から、出荷オーダ情報の入力を受け付ける。なお、WMS20は、出荷オーダ情報を、顧客が管理する顧客システムから取得する構成も可能である。
WMS20は、この出荷オーダ情報を受信し、自身の記憶部等に記憶する。WMS20は、記憶した出荷オーダ情報の内、当日分の出荷オーダ情報を抽出してコンピュータ10に送信する。
出荷オーダ取得モジュールは、この出荷オーダ情報を受信することにより、当日分の出荷オーダ情報を取得する。なお、コンピュータ10は、出荷オーダ情報をRCS30から取得しても良い。
【0036】
出荷オーダ情報記憶モジュールは、取得した出荷オーダ情報を記憶する(ステップS11)。
出荷オーダ情報記憶モジュールは、取得した出荷オーダ情報と、この出荷オーダ情報の識別子(名称、ID、管理番号、整理番号等)とを紐付けて記憶する。
【0037】
以上が、出荷オーダ情報取得処理である。
出荷オーダ情報取得処理は、一日の倉庫作業の完了時点において、行われる処理である。コンピュータ10は、上述した出荷オーダ情報取得処理により取得した出荷オーダ情報を用いて、後述する処理を実行する。
なお、コンピュータ10は、出荷オーダ情報取得処理において、出荷オーダ情報を記憶せずに、後述する処理を実行する構成も可能であり、この場合、後述する処理において、取得した出荷オーダ情報をそのまま用いればよい。
【0038】
[コンピュータ10が実行する作業計画取得処理]
図4に基づいて、コンピュータ10が実行する作業計画取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する作業計画取得処理のフローチャートを示す図である。作業計画取得処理とは、上述した出荷オーダ情報及び作業計画を取得する処理(ステップS0)のうち、作業計画の取得処理に係るフローの詳細である。
【0039】
作業計画取得モジュールは、当日分の作業計画を取得する(ステップS20)。
作業計画は、上述した通り、倉庫作業における各工程の作業者の作業人員数及び作業内容(例えば、作業時間、作業量)、作業工程等である。
RCS30は、予め作成した作業計画の内、当日分の作業計画を抽出してコンピュータ10に送信する。
作業計画取得モジュールは、この作業計画を受信することにより、当日分の作業計画を取得する。なお、作業計画の取得元は、RCS30に限定されるものではない。
【0040】
作業計画記憶モジュールは、取得した作業計画を記憶する(ステップS21)。
作業計画記憶モジュールは、取得した作業計画と、この作業計画の識別子(名称、ID、管理番号、整理番号等)とを紐付けて記憶する。
【0041】
以上が、作業計画取得処理である。
作業計画取得処理は、一日の倉庫作業の完了時点において、行われる処理である。コンピュータ10は、上述した作業計画取得処理により取得した作業計画を用いて、後述する処理を実行する。
なお、コンピュータ10は、作業計画取得処理において、作業計画を記憶せずに、後述する処理を実行する構成も可能であり、この場合、後述する処理において、取得した作業計画をそのまま用いればよい。
【0042】
[コンピュータ10が実行するシフトデータ取得処理]
図5に基づいて、コンピュータ10が実行するシフトデータ取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するシフトデータ取得処理のフローチャートを示す図である。
【0043】
シフトデータ取得モジュールは、当日分のシフトデータを取得する(ステップS30)。
シフト管理システム50は、当日分のシフトデータを抽出してコンピュータ10に送信する。
シフトデータ取得モジュールは、このシフトデータを受信することにより、当日分のシフトデータを取得する。
【0044】
シフトデータ記憶モジュールは、取得したシフトデータを記憶する(ステップS31)。
シフトデータ記憶モジュールは、取得したシフトデータと、このシフトデータの識別子(名称、ID、管理番号、整理番号等)とを紐付けて記憶する。
【0045】
以上が、シフトデータ取得処理である。
シフトデータ取得処理は、一日の倉庫作業の完了時点において、行われる処理である。コンピュータ10は、上述したシフトデータ取得処理により取得したシフトデータを用いて、後述する処理を実行する。
なお、コンピュータ10は、シフトデータ取得処理において、シフトデータを記憶せずに、後述する処理を実行する構成も可能であり、この場合、後述する処理において、取得したシフトデータをそのまま用いればよい。
【0046】
以上が、シフトデータ取得処理である。
【0047】
[コンピュータ10が実行する比較処理]
図6に基づいて、コンピュータ10が実行する比較処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する比較処理のフローチャートを示す図である。比較処理は、上述した倉庫作業の完了情報を取得し、リソースの実績情報を取得する取得処理(ステップS1)、工程毎に実績情報を算出し、集計して一日分の倉庫業務全体の実績値を算出し、その日の作業全体の利益及び生産性を算出する算出処理(ステップS2)、算出結果と収支計画値とを工程毎に比較する比較処理(ステップS3)の詳細である。
【0048】
完了情報取得モジュールは、その日の営業終了後、一日の倉庫作業の完了情報を取得し、リソースの実績情報を取得する(ステップS40)。
完了情報は、一日の倉庫作業において完了した作業工程の内容、完了した時間、作業時間等が含まれるものである。
完了情報取得モジュールは、一日の倉庫作業の完了時点において、倉庫全体の各作業工程について、其々、完了情報を取得する。
RCS30は、この完了情報を、コンピュータ10に送信する。
完了情報取得モジュールは、この完了情報を受信することにより、一日の倉庫作業の完了情報を取得し、リソースの実績情報を取得する。
【0049】
作業全体利益算出モジュールは、取得した実績情報に基づいて、一日分の作業全体の利益を算出する(ステップS41)。
作業全体利益算出モジュールは、取得した実績情報と、上述した作業計画取得処理により取得した作業計画、上述した出荷オーダ取得処理により取得した出荷オーダ情報及び上述したシフトデータ取得処理により取得したシフトデータとに基づいて、一日分の作業全体の利益を算出する。
作業全体利益算出モジュールは、一日分の作業における各工程において、売上、支出、収支を算出する。ここで、支出は、経費と同義であり、収支は、利益と同義であり、売上から、支出を減算したものが、収支となる。ここでの各工程における売上は、荷主から支払われる配送費や予め各工程に割り振られたものを各工程に割り振ったものである。また、支出は、各工程に割り当てられた作業人員の人件費である。
作業全体利益算出モジュールは、入荷、入庫、ピッキング、流通加工、梱包、出荷の各工程について、売上、支出、収支を、其々算出する。作業全体利益算出モジュールは、この各工程における売上の和、支出の和、収支の和を、其々算出する。作業全体利益算出モジュールは、収支の和を、売上の和で除算し、算出した値を100分率で表したものを利益率として算出する。作業全体利益算出モジュールは、これらの計算結果に基づいて、収支総合として、一日分の作業全体の、売上、支出、収支、利益率を、其々算出する。
なお、作業全体利益算出モジュールが算出する利益の内容は、上述した例に限られるものではない。
【0050】
作業全体作業効率算出モジュールは、取得した完了情報に基づいて、一日分の作業全体の作業効率を算出する(ステップS42)。生産性とは、上述した通り、単位人員における単位時間当たりの作業量を意味するものである。
作業全体作業効率算出モジュールが算出する作業効率は、作業全体における作業完了率、作業量、確定分作業量、未確定分作業量や、各工程における作業計画に対する作業完了率、作業内容、作業時間等である。
作業全体作業効率算出モジュールは、取得した完了情報と、上述した作業計画取得処理により取得した作業計画、上述した出荷オーダ取得処理により取得した出荷オーダ情報及び上述したシフトデータ取得処理により取得したシフトデータとに基づいて、一日分の作業全体の作業効率を算出する。
作業全体作業効率算出モジュールは、入荷、入庫、ピッキング、流通加工、梱包、出荷の各工程について、作業計画に対する作業完了率を其々算出する。
なお、作業全体作業効率算出モジュールが算出する作業効率の内容は、上述した例に限られるものではない。
【0051】
比較モジュールは、算出結果と、予め作成した収支計画とを比較する(ステップS43)。
比較モジュールは、算出した各工程における利益と、予め作成した収支計画における各工程における利益とを比較するとともに、算出した一日分の作業全体の利益と、予め作成した収支計画における一日分の作業全体の利益とを比較する。更に、比較モジュールは、算出した各工程における作業効率と、予め作成した収支計画における作業効率とを比較する。
ここでの利益は、上述した売上、支出、収支、利益率である。また、ここでの作業効率は、上述した作業量、生産性、作業時間である。
比較モジュールは、各工程の利益が計画未達ではないか、各工程の作業実績が予め作成した収支計画と乖離していないか等の実際に行われた倉庫作業と、予め作成した収支計画とが乖離していないかどうかの確認を行う。
【0052】
比較結果作成モジュールは、比較結果を作成する(ステップS44)。
比較結果作成モジュールは、算出結果と、収支計画値とを比較した結果をまとめたものを比較結果として作成する。比較結果作成モジュールは、比較結果として、一日の作業全体の総合進捗、処理能力、人員配置等の利益や作業効率の其々を、グラフ等により視覚化したものと、一日の作業全体の利益に関するものをテーブル等により視覚化したものと、一日の作業全体の作業効率に関するものをテーブル等により視覚化したものとをまとめたものを比較結果として作成する(
図7及び
図8参照)。
【0053】
図7及び
図8に基づいて、比較結果作成モジュールが作成する比較結果について説明する。これらの図は、比較結果作成モジュールが作成する比較結果の一例を模式的に示した図である。
図7において、比較結果作成モジュールは、比較結果60として、算出した利益や作業効率の内容として、総合進捗、処理能力、人員配置をグラフとしてまとめた比較結果グラフ61と、算出した一日の作業全体の収支(売上、支出、収支、利益率)及び各工程における収支(売上、支出、収支、利益率)とをテーブルとしてまとめた利益比較結果テーブル62とが示されている。
図8において、比較結果作成モジュールは、比較結果60として、上述した比較結果グラフ61と、算出した一日の作業全体の作業効率及び各工程における作業効率をテーブルとしてまとめた作業効率比較結果テーブル63とが示されている。作業効率比較結果テーブル63における作業効率は、収支計画に対する実際に行われた作業の作業完了率、作業量である。
なお、これらの配置や表示態様(算出した利益の表示態様、算出した作業効率の表示態様)については、適宜変更可能である。
また、比較結果60は、これらの一部、例えば、利益比較結果テーブル62又は作業効率比較結果テーブル63のみを含むものであっても良い。また、比較結果60は、これらに加えて、それ以外の内容が含まれていても良い。
【0054】
以上が、比較処理である。
【0055】
[コンピュータ10が実行する代替プラン作成処理]
図9に基づいて、コンピュータ10が実行する代替プラン作成処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する代替プラン作成処理のフローチャートを示す図である。代替プラン作成処理は、上述した代替プランの作成処理(ステップS4)の詳細であり、上述した比較処理の後に実行される処理である。
【0056】
変更受付モジュールは、作業人員及び/又は作業内容の変更を受け付ける(ステップS50)。
管理者端末40は、その日の営業終了後、工程毎の比較結果を閲覧した管理者から、作業人員及び/又は作業内容の変更の入力を受け付ける。
すなわち、乖離が発生している作業内容を他の作業人員に配置変更する内容、一日を午前と午後で二分割し、午前中は乖離が発生している点を除いて当初割り当てられた作業内容の配置を維持するが、午後に乖離が発生している作業内容を別途補填して配置変更する内容、当初複数人に割り当てられた作業内容の内、人数が減っても問題が無い又は問題が少ない作業内容を抽出し、そこから作業人員を乖離が発生している作業内容に割り当てて配置変更する内容、又は翌日以降に行っても問題ない作業内容を抽出してその分を翌日以降に変更し、現在の作業人員により行える作業内容に集約して作業内容を再作成して配置変更する内容等である。また、これらの他に、予測よりも出荷オーダがかなり多かった場合、翌日出荷分の作業内容を中止し、当日出荷分の作業内容に変更する内容、自動作業の作業人員を減らし、手動作業の作業人員を増やす内容、予測よりも手動で作業しなければならない出荷オーダが多かった場合、自動作業の作業人員を減らし、手動作業の人員を増やす内容、予測よりもカットタイムが早い出荷オーダが多かった場合、作業が早めに終わるように、カットタイムが遅い出荷オーダから、この出荷オーダに作業人員を集中して増やす内容等である。
管理者端末40は、このような変更プランを、1案ずつ入力を受付けるものでも良いし、複数プランを入力できるものでも良い。
【0057】
変更受付モジュールが受け付ける変更内容について説明する。
管理者端末40は、出荷オーダ引当順を入れ替えたプランを自動又は手動で生成し、出荷オーダを、前倒しする入力を受け付ける(
図10、
図11参照)。ここでは、管理者端末40が、梱包の出荷オーダを前倒しにする場合を例について説明する。
管理者端末40は、この出荷オーダの変更に併せて、作業人員の配置変更及び作業内容の変更の入力を併せて受け付ける。
管理者端末40は、ピッキングの作業人員の内の所定の人数(例えば、1名)を、梱包に変更する代替プランの入力を受け付ける(
図12参照)。また、管理者端末40は、翌日以降出荷分の作業量を減少させた代替プランの入力を受け付ける(
図13参照)。
【0058】
図10及び
図11に基づいて、管理者端末40が、出荷オーダ引当順の変更の入力を受け付ける際のUI(User Interface)について説明する。これらの図は、管理者端末40が出荷オーダ引当順の変更の入力を受け付ける際に表示する変更入力用UIの一例を模式的に示した図である。
管理者端末40は、変更入力用UI70を自身の表示部に表示し、管理者からの入力を受け付ける。
図10において、管理者端末40は、囲み線71で囲われた出荷オーダの内、下線が引かれた3つの出荷オーダ72の順番を、前倒しする入力を受け付ける。管理者端末40が入力を受け付けた後、
図11における変更入力用UI70において、3つの出荷オーダ72を前倒しした状態が示されている。
なお、この変更入力用UIは、あくまでも一例に過ぎず表示内容、表示順、入力内容等は、
図10及び
図11で示すUIに限定されるものではない。例えば、それ以外の表示内容、表示順、入力内容等も可能である。
【0059】
図12に基づいて、管理者端末40が作業人員の変更の入力を受け付ける際のUIについて説明する。同図は、管理者端末40が作業人員の変更の入力を受け付ける際に表示する変更入力用UIの一例を模式的に示した図である。
管理者端末40は、変更入力用UI80を自身の表示部に表示し、管理者からの入力を受け付ける。
管理者端末40は、作業員入力欄81において、作業人員の割り当て元となる作業員の識別子の入力を受け付ける。ここで、管理者端末40は、アイコン84に対する入力を受け付け、プルダウンメニューにより、作業員の選択入力を受け付ける。
管理者端末40は、プロセス入力欄82において、作業人員の割当先となる工程(プロセス)の入力を受け付ける。ここで、管理者端末40は、アイコン84に対する入力を受け付け、プルダウンメニューにより、工程の選択入力を受け付ける。
管理者端末40は、時間入力欄83において、作業人員の割当期間の入力を受け付ける。ここで、管理者端末40は、アイコン84に対する入力を受け付け、プルダウンメニューにより、期間の開始時時間及び終了時間の選択入力を受け付ける。
なお、この変更入力用UIは、あくまでも一例に過ぎず表示内容、表示順、入力内容等は、
図12で示すUIに限定されるものではない。例えば、アイコン84によるプルダウンメニューでなくとも良いし、それ以外の表示内容、表示順、入力内容等も可能である。
【0060】
図13に基づいて、管理者端末40が作業内容の変更の入力を受け付ける際のUIについて説明する。同図は、管理者端末40が作業内容の変更の入力を受け付ける際に表示する変更入力用UIの一例を模式的に示した図である。
管理者端末40は、変更入力用UI86を自身の表示部に表示し、管理者からの入力を受け付ける。この変更入力用UI86は、作成した出荷オーダに基づいたものである。
管理者端末40は、翌日以降の出荷オーダの内、作業量を減少させる出荷オーダに対して、入力を受け付ける。具体的には、変更入力用UI86に表示中の出荷オーダの内、管理者が所望した出荷オーダに対する選択入力等を受け付けることにより、減少させる出荷オーダの入力を受け付ける。管理者端末40は、変更入力用UI86において、入力を受け付けた出荷オーダの日付欄87におけるボックスに、チェックマークを付与することにより、入力を受け付けたことを明示する。
なお、この変更入力用UIは、あくまでも一例に過ぎず表示内容、表示順、入力内容等は、
図13で示すUIに限定されるものではない。例えば、チェックマークを付与しなくとも良いし、それ以外の表示内容、表示順、入力内容等も可能である。
【0061】
図9に戻り、代替プラン作成処理におけるステップS50の処理の続きを説明する。
管理者端末40は、入力を受け付けた変更内容を、コンピュータ10に送信する。
変更受付モジュールは、この変更内容を受信することにより、作業人員及び/又は作業内容の変更を受け付ける。
なお、変更受付モジュールは、管理者端末40から、一の変更内容のみを受け付けた場合には、この一の変更内容のみ、後述する処理を行う。変更受付モジュールが複数の変更内容を受け付けた場合、変更内容毎に、後述する処理を実行する。また、優先順位とともに変更内容を受け付けた場合は、その順位に従って処理を実行する。
また、変更受付モジュールは、管理者端末40により、変更内容を受け付けている構成として説明しているが、変更受付モジュールが、直接、変更内容を受け付ける構成であっても良い。例えば、作業内容と作業人員との相関関係を学習し、学習結果に基づいて、乖離が発生した場合の作業人員及び/又は作業内容の変更を受け付けても良い。また、変更受付モジュールは、乖離が発生した場合、予め設定された作業人員及び/又は作業内容に基づいて、作業人員及び/又は作業内容の変更を受け付けても良い。
【0062】
代替プラン作成モジュールは、受け付けた変更内容に基づいて、作業計画に対する代替プランを作成する(ステップS51)。
代替プラン作成モジュールは、受け付けた変更内容を、一日分の作業計画に反映させた代替プランを作成する。すなわち、代替プラン作成モジュールが作成する代替プランは、一日分の作業計画に、変更を受け付けた作業人員及び/又は作業内容を反映させたものである。
代替プラン作成モジュールは、受け付けた変更内容が、一つのみである場合、この一の変更内容に基づいた一の代替プランを作成し、複数の変更内容を受け付けた場合、其々の変更内容に基づいた複数の代替プランを作成する。
以下の説明において、代替プラン作成モジュールは、流通加工の作業人員を1名、ピッキングに変更したものを代替プラン1として作成し、流通加工の作業人員を1名及び梱包の作業人員を1名、午後から、ピッキングに変更したものを代替プラン2として作成し、翌日以降出荷分の作業量を削減したものを代替プラン3として作成したものとして説明する。
なお、代替プランは、上述した個数に限らず、それ以上の個数でもそれ以下の個数でも良く、受け付けた作業人員及び/又は作業内容の個数に応じて、適宜作成されるものである。
また、代替プラン作成モジュールが、代替プランを作成する構成として説明しているが、管理者が作成した代替プランを取得する構成であっても良い。例えば、管理者端末40は、管理者が作成した代替プランの入力を受け付ける、又は、管理者端末40は、入力を受け付けた変更内容に基づいて代替プランを作成する等を行い、この代替プランをコンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この代替プランを受信することにより、代替プランを作成するものとみなす構成も可能である。
【0063】
代替プラン記憶モジュールは、作成した代替プランを記憶する(ステップS52)。
代替プラン記憶モジュールは、作成した代替プランと、この代替プランの識別子(名称、ID、管理番号、整理番号等)とを紐付けて記憶する。代替プラン記憶モジュールは、代替プラン1、代替プラン2、代替プラン3を記憶する。
【0064】
以上が、代替プラン作成処理である。
コンピュータ10は、代替プラン作成処理により作成した代替プランを用いて、後述する処理を実行する。
なお、コンピュータ10は、代替プラン作成処理において、代替プランを記憶せずに、後述する処理を実行する構成も可能であり、この場合、後述する処理において、作成した代替プランをそのまま用いればよい。
【0065】
[コンピュータ10が実行するベストプラン決定処理]
図14に基づいて、コンピュータ10が実行するベストプラン決定処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するベストプラン決定処理のフローチャートを示す図である。ベストプラン決定処理は、一日分の作業全体の利益の算出処理(ステップS5)の詳細であり、上述した代替プラン作成処理の後に行われる処理である。
【0066】
シミュレートモジュールは、作成した代替プランのシミュレートを実行する(ステップS60)。
シミュレートモジュールは、上述した代替プラン作成処理により作成した代替プランのシミュレートを実行する。シミュレートモジュールが実行するシミュレートの内容は、作成した代替プランにおける作業人員が行う各工程を模擬的に再現するものであれば良い。シミュレートモジュールは、代替プラン1、代替プラン2及び代替プラン3を同時にシミュレートする。
シミュレートモジュールは、一の代替プランのみを作成していた場合、この一の代替プランをシミュレートし、複数の代替プランを作成していた場合、複数の代替プランを同時にシミュレートする。
【0067】
プラン利益算出モジュールは、代替プランに基づく一日分の作業全体の利益を算出する(ステップS61)。
プラン利益算出モジュールは、代替プランにおける各工程において、売上、支出、収支を算出する。ここで、支出は、経費と同義であり、収支は、利益と同義であり、売上から、支出を減算したものが、収支となる。ここでの各工程における売上は、荷主から支払われる配送費や予め各工程に割り振られたものを各工程に割り振ったものである。また、支出は、各工程に割り当てられた作業人員の人件費である。
プラン利益算出モジュールは、入荷、入庫、ピッキング、流通加工、梱包、出荷の各工程について、売上、支出、収支を、其々算出する。プラン利益算出モジュールは、この各工程における売上の和、支出の和、収支の和を、其々算出する。プラン利益算出モジュールは、収支の和を、売上の和で除算し、算出した値を100分率で表したものを利益率として算出する。プラン利益算出モジュールは、これらの計算結果に基づいて、収支総合として、代替プランに基づく一日分の作業全体の、売上、支出、収支、利益率を、其々算出する。
プラン利益算出モジュールは、代替プラン1に基づく一日分の作業全体における売上を420,000円、支出を383,040円、収支を36,960円、利益率を8.8%と算出し、代替プラン2に基づく一日分の作業全体における売上を450,000円、支出を390,600円、収支を59,400円、利益率を13.2%と算出し、代替プラン3に基づく一日分の作業全体における売上を434,786円、支出を382,354円、収支を52,432円、利益率を12.1%と算出したものとして、以下の処理を説明する。
なお、各項目における数字は、出荷オーダや作業計画や受け付けた作業人員及び/又は作業内容等に伴って適宜算出されるものである。
【0068】
プラン作業効率算出モジュールは、代替プランに基づく一日分の作業全体の作業効率を算出する(ステップS62)。
プラン作業効率算出モジュールが算出する作業効率は、総所要時間、カットタイム余裕時間、余裕率、超過人時である。
プラン作業効率算出モジュールは、入荷、入庫、ピッキング、流通加工、梱包、出荷の各工程について、作業量を算出する。プラン作業効率算出モジュールは、シミュレーション結果のかかった時間(実際に、この代替プランにより倉庫作業を行った場合にかかる時間)に基づいて、総所要時間を算出する。カットタイムは、出荷する荷物毎に設定される締切時間であり、作業開始時刻から、作業終了時刻までに必要な時間である。プラン作業効率算出モジュールは、カットタイムから総所要時間を減算した時間に基づいて、カットタイム余裕時間を算出する。また、プラン作業効率算出モジュールは、カットタイムに対するカットタイム余裕時間の割合を、余裕率として算出する。カットタイム余裕時間がプラスの値である場合、作業時間に余裕が有ることを意味し、カットタイム余裕時間がマイナスの値である場合、作業時間が足りていないことを意味する。プラン作業効率算出モジュールは、超過人時を、カットタイム余裕時間がマイナスの場合に必要な単位時間当たりの人数として算出する。
本実施形態において、プラン作業効率算出モジュールは、代替プラン1に基づく一日分の作業全体における総所要時間を12h7m(12時間7分)、カットタイム余裕時間を-4:07(マイナス4時間7分)、余裕率を-17.5%、超過人時を13人時と算出し、代替プラン2に基づく一日分の作業全体における総所要時間を9h14m(9時間14分)、カットタイム余裕時間を-1:14(マイナス1時間14分)、余裕率を-13.4%、超過人時を6人時と算出し、代替プラン3に基づく一日分の作業全体における総所要時間を7h57m(7時間57分)、カットタイム余裕時間を0:03(0時間3分)、余裕率を0.6%、超過人時を0人時と算出したものとして、以下の処理を説明する。
なお、各項目における数字は、出荷オーダや作業計画や受け付けた作業人員及び/又は作業内容等に伴って適宜算出されるものである。
【0069】
シミュレート結果作成モジュールは、シミュレート結果を作成する(ステップS63)。
シミュレート結果作成モジュールは、上述したステップS61及びS62の処理により算出した代替プラン毎の利益及び作業効率を、代替プラン毎にまとめたシミュレート結果を作成する。シミュレート結果作成モジュールは、各代替プランの識別子と、この代替プランにおける作業人員及び/又は作業内容の変更内容と、この代替プランにおける算出した一日分の売上、支出、収支及び利益率(各工程における売上、支出及び収支を含む)と、この代替プランにおける算出した一日分の総所要時間、カットタイム余裕時間、余裕率、超過人時と、総合進捗(各工程における作業量、生産性等)、処理能力、人員配置等の各代替プランのシミュレート内容をグラフや表等により視覚化したものをまとめたシミュレート内容と、をまとめたものをシミュレート結果として作成する(
図15参照)。
図15において、シミュレート結果作成モジュールは、各代替プランの名称と、変更内容と、この代替プランにおける一日分の作業全体における作業効率及び利益率と、その他の内容に紐付けられた詳細アイコン88と、をまとめたものをシミュレート結果として作成している。
なお、シミュレート結果作成モジュールが作成するシミュレート結果は、
図15で示したものに限らず、それ以外の内容が含まれていても良いし、これらの内の何れか又は複数の組み合わせが含まれていても良い。また、詳細アイコン88として表示するのではなく、その他の内容そのものを表示する構成であっても良い。
【0070】
図14に戻り、ベストプラン決定処理の続きを説明する。
並び替えモジュールは、作成したシミュレート結果における代替プラン及びその日に実施した実績内容を、所定の順序に並び替える(ステップS64)。
所定の順序は、利益及び/又は作業効率に基づいた順序であり。具体的には、利益の場合、一日分の作業全体の利益が大きい(利益率が大きい)順序である。また、作業効率の場合、作業効率が最適となる順序であり、最適な総所要時間順序、最適なカットタイム余裕時間順序、最適な超過人時順序、最適な余裕率順序の何れか又は複数の組み合わせである。また、管理者による優先順位とともに複数の変更内容が受け付けられた場合は、その優先順位に従って並び替える。
並び替えモジュールが実行する並び替えの例について説明する。
並び替えモジュールは、各代替プランにおいて算出した利益に基づいて、一日分の作業全体の利益が大きい順序に、作成したシミュレート結果における代替プランの順序の並び替えを実行する(
図16参照)。
図16において、並び替えモジュールは、
図15で示したシミュレート結果における代替プランの順序を、代替プラン2、代替プラン3、代替プラン1の利益率が大きい順序に並び替えを行っている。
また、並び替えモジュールは、各代替プランにおいて算出したカットタイム余裕時間に基づいて、最適なカットタイム余裕時間の順序に、作成したシミュレート結果における代替プランの順序の並び替えを実行する(
図17参照)。
図17において、並び替えモジュールは、
図15で示したシミュレート結果における代替プランの順序を、代替プラン3、代替プラン2、代替プラン1のカットタイム余裕時間が最適な順序に並び替えを行っている。
並び替えモジュールは、他の作業効率の内容も同様に、各代替プランにおいて算出した作業効率の内容に基づいて、最適な作業効率の内容の順序に、作成したシミュレート結果における代替プランの順序の並び替えを実行可能である。
なお、並び替えモジュールは、一の内容のみに基づいて、作成したシミュレート結果における代替プランの順序の並び替えを実行するだけでなく、複数の内容の組み合わせに基づいて、この代替プランの順序の並び替えを実行する構成も可能である。例えば、並び替えモジュールは、利益が大きい順序、且つ、最適なカットタイム余裕時間順序により、この代替プランの順序の並び変えを実行する構成も可能である。このような複数の内容により、代替プランの順序の並び変えを実行する場合、内容毎に、優先順位や閾値等を設定しておき、優先順位や閾値等に基づいて、並び替えを実行する等を行えばよい。
【0071】
並び替えモジュールが実行する並び替えの別の例について説明する。
優先条件受付モジュールは、シミュレートした複数の代替プランによる結果を並び替える優先条件を受け付ける。優先条件は、一日分の作業全体の作業効率、利益、作業終了時刻、作業者属性、人数のいずれかである。
並び替えモジュールは、各代替プランにおいて受け付けた優先条件の内容に基づいて、作成したシミュレート結果における代替プラン及び実績内容の順序の並び変えを実行する。例えば、受け付けた優先条件の内容が、一日分の作業全体の作業効率である場合、並び替えモジュールは、各代替プランにおいて算出した一日分の作業全体の作業効率が大きい順序に、作成したシミュレート結果における代替プラン及び実績内容の順序の並び替えを実行する。また、並び替えモジュールは、他の優先条件の内容についても同様に、利益が大きい順序、作業終了時刻が適切な順序、作業属性が適切な順序、人数が適切な順序のいずれかに、作成したシミュレート結果における代替プラン及び実績内容の順序の並び替えを実行する。
【0072】
図14に戻り、ベストプラン決定処理の続きを説明する。
出力モジュールは、シミュレートした代替プラン及び実績値を出力する(ステップS65)。
出力モジュールは、上述した所定の順序(一日分の作業全体の利益が大きい順序、一日分の作業全体の作業効率が最適な順序等)に並び替えを行ったシミュレート結果を、管理者端末40に送信する。本実施形態では、代替プラン出力モジュールが、
図17で示したカットタイム余裕時間順に並び替えを行ったものを、管理者端末40に送信するものとして説明する。
管理者端末40は、このソート結果を受信し、自身の表示部等に表示する(
図18参照)。
出力モジュールは、このソート結果を管理者端末40に表示させることにより、シミュレートした代替プラン及び実績値を出力する。
【0073】
図18に基づいて、管理者端末40が表示する出力結果について説明する。同図は、管理者端末40が表示する出力結果の一例を模式的に示した図である。
管理者端末40は、受信した出力結果に基づいて、シミュレート結果90を、自身の表示部に表示する。管理者端末40は、詳細アイコン91に対するタップ操作等の入力を受け付け、詳細アイコン91に紐付けられた内容である、総合進捗、処理能力、人員配置等のグラフ、全体の進捗や各工程の進捗、全体の収支や各工程の収支等のシミュレート内容を示す画面に遷移する(
図19及び
図20参照)。
図19は、シミュレート内容を示す画面の一例を模式的に示した図である。同図において、管理者端末40は、シミュレート結果90として、代替プランの識別子と、この代替プランにおける作業人員及び/又は作業内容の変更内容と、この代替プランにおける算出した一日分の利益率と、この代替プランにおける算出した一日分の総所要時間、カットタイム余裕時間、余裕率、超過人時と、総合進捗(各工程における作業量、生産性等)、処理能力、人員配置等の各代替プランのシミュレート内容をグラフや表等により視覚化したものを表示する。また、管理者端末40は、所定の入力を受け付けることにより、シミュレート結果90に表示する内容を
図20で示す内容に変更する。また、管理者端末40は、所定の入力を受け付けることにより、シミュレート結果90に表示する内容を
図18で示す内容に変更する。
図20は、シミュレート内容を示す画面の一例を模式的に示した図である。同図において、管理者端末40は、シミュレート結果90として、代替プランの識別子と、この代替プランにおける作業人員及び/又は作業内容の変更内容と、この代替プランにおける算出した一日分の売上、支出、収支及び利益率(各工程における売上、支出及び収支を含む)と、この代替プランにおける算出した一日分の総所要時間、カットタイム余裕時間、余裕率、超過人時と、総合進捗、処理能力、人員配置等の各代替プランのシミュレート内容をグラフや表等により視覚化したものをまとめたものを表示する。また、管理者端末40は、所定の入力を受け付けることにより、シミュレート結果90に表示する内容を
図19で示す内容に変更する。また、管理者端末40は、所定の入力を受け付けることにより、シミュレート結果90に表示する内容を
図18で示す内容に変更する。
【0074】
なお、上述した説明において、コンピュータ10は、シミュレートした全ての代替プランを出力する構成としているが、当日中に、その日の倉庫全体の作業工程が完了する代替プランを出力する構成であっても良い。具体的には、代替プラン出力モジュールは、シミュレートした代替プランの内、算出されたカットタイム余裕時間が、0分以上の時間の代替プランのみを、シミュレート結果から抽出し、抽出した代替プランのみのシミュレート結果を、管理者端末40に出力すれば良い。本実施形態の場合では、代替プラン出力モジュールは、シミュレート結果から代替プラン3のみを抽出し、この代替プラン3のみのシミュレート結果を、管理者端末40に出力する(
図21参照)。
【0075】
図14に戻り、ベストプラン決定処理の続きを説明する。
選択受付モジュールは、出力した代替プランに対する選択を受け付ける(ステップS66)。
管理者端末40は、自身に表示したシミュレート結果の内、管理者が所望した代替プランに対する選択入力を受け付け、受け付けた代替プランを、コンピュータ10に送信する。管理者端末40は、
図18で示したシミュレート結果90における、代替プランに対する選択入力を受け付け、受け付けた代替プランを、コンピュータ10に送信する。
選択受付モジュールは、この代替プランを受信することにより、出力した代替プランに対する選択を受け付ける。
【0076】
ベストプラン最適決定モジュールは、受け付けた内容を、ベストプランに決定する(ステップS67)。
ベストプラン決定モジュールは、受け付けた代替プラン又は実績値における、作業人員及び作業内容を、ベストプランに決定する。
なお、ベストプラン決定モジュールは、管理者からの選択入力の如何に関わらず、出力したソート結果における第一位を、優先条件におけるベストプランとして決定しても良い。
【0077】
以上が、ベストプラン決定処理である。
コンピュータ10は、決定した作業計画を、作業者や管理者に通知等することにより、作業者や管理者に新たな作業計画を周知させても良いし、決定した作業計画に基づいて、倉庫作業に関連する機器類の動作の調整等に関連する処理を実行しても良い。
以上のように、本発明によれば、代替プランのシミュレーションにおいて、その日の実績値に基づいて計算結果を得るので、より確度の高いシミュレートが可能になる。また、代替プランの識別子と、この代替プランにおける作業人員及び/又は作業内容の変更内容と、各代替プランのシミュレート内容を、実績値と対比して表示することにより、管理者は、どのような改善が可能であったかを、変更内容と効率改善幅とを紐づけながら把握することができるようになる。
【0078】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。また、コンピュータ10は、各処理において、説明したタイミング以外のタイミングであっても、その処理を実行する構成も可能である。
【0079】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0080】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0081】
(1)倉庫業務の作業実績を検証する倉庫作業管理システムであって、一日の作業完了後、作業の実績情報を取得する取得部と、取得した前記実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出する算出部と、算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較する比較部と、作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成する作成部と、前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するシミュレータと、を備える倉庫作業管理システム。
【0082】
(2) 前記比較部は、算出した利益と、予め作成した計画値とを工程毎に比較する(1)に記載の倉庫作業管理システム。
【0083】
(3) 前記作成部は、複数の前記代替プランを作成し、
前記シミュレータは、前記複数の代替プランをシミュレートし、各代替プランに基づく一日分の作業全体の利益及び作業効率を其々算出する(1)に記載の倉庫作業管理システム。
【0084】
(4) 優先条件を受け付ける優先条件受付部と、シミュレートした前記複数の代替プランによる結果を、前記優先条件に従ってソートして出力する出力部と、を更に備える(3)に記載の倉庫作業管理システム。
【0085】
(5)ソート結果の第一位を、前記優先条件におけるベストプランとして決定する決定部を更に備える(4)に記載の倉庫作業管理システム。
の乖離を防止できる。
【0086】
(6) 前記優先条件は、一日分の作業全体の作業効率、利益、作業終了時刻、作業者属性、人数のいずれかである(4)に記載の倉庫作業管理システム。
【0087】
(7) 倉庫業務の作業実績を検証するコンピュータが実行する倉庫作業管理方法であって、
一日の作業完了後、作業の実績情報を取得するステップと、
取得した前記実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出するステップと、算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較するステップと、作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成するステップと、前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するステップと、を備える倉庫作業管理方法。
【0088】
(8) 倉庫業務の作業実績を検証するコンピュータに、一日の作業完了後、作業の実績情報を取得するステップ、取得した前記実績情報に基づいて、一日分の利益及び作業効率の実績値を算出するステップ、算出結果と、予め作成した収支計画値とを比較するステップ、作業人員及び/又は作業内容を変更した代替プランを作成するステップ、前記代替プランをシミュレートし、前記代替プランに基づく利益を算出するステップ、を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【符号の説明】
【0089】
1 倉庫作業管理システム
9 ネットワーク
10 コンピュータ
20 WMS
30 RCS
40 管理者端末
50 シフト管理システム
60 比較結果
61 比較結果グラフ
62 利益比較結果テーブル
63 作業効率比較結果テーブル
70 変更入力用UI
71 囲み線
72 出荷オーダ
80,86 変更入力用UI
81 作業員入力欄
82 プロセス入力欄
83 時間入力欄
84 アイコン
87 日付欄
88 詳細アイコン
90 シミュレート結果
91 詳細アイコン