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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128666
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】ノイズ除去装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/06 20060101AFI20230907BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20230907BHJP
   H01F 27/26 20060101ALI20230907BHJP
   H01F 27/33 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
H01F17/06 K
H01F17/06 D
H01F27/02 N
H01F27/26 130W
H01F27/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033181
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148840
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100191673
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 久典
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄太
(72)【発明者】
【氏名】原田 公樹
(72)【発明者】
【氏名】早坂 秀一
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 奈緒子
【テーマコード(参考)】
5E058
5E070
【Fターム(参考)】
5E058AA24
5E058AA27
5E070AA01
5E070AB10
5E070BA18
5E070CA07
5E070DA03
5E070DB06
(57)【要約】
【課題】上下に分割されたケース部材を備えると共に高い耐振動性を有する構造を備えるノイズ除去装置を提供する。
【解決手段】ノイズ除去装置は、磁性体コアと、ケース部材とを備えている。ケース部材は、第1ケース300と、第2ケースとを備えている。第1ケース300の右側下端部310と左側下端部320には、第1右側補強部と第1左側補強部322が夫々設けられている。第2ケースの右側上端部と左側上端部には、第2右側補強部と第2左側補強部が夫々設けられている。第1右側補強部と第2右側補強部の一方は、右側凹部であり、残りの一方は右側凸部である。第1左側補強部322と第2左側補強部の一方は、左側凹部322であり、残りの一方は左側凸部である。右側凸部は、上下方向と直交する水平面内において右側凹部に包囲されている。左側凸部は、水平面内において左側凹部322に包囲されている。
【選択図】図13

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる貫通孔を有する磁性体コアと、前記磁性体コアを収容するケース部材とを備え、前記貫通孔に導体を挿通して用いられるノイズ除去装置であって、
前記磁性体コアは、第1コアと第2コアとを備えており、
前記第1コアと前記第2コアの夫々は、前記前後方向と直交する垂直面内においてU字状の断面を有しており、
前記ケース部材は、前記第1コアを収容する第1ケースと、前記第2コアを収容すると共に前記前後方向と直交する上下方向において前記第1ケースと組み合わせられる第2ケースとを備えており、
前記第1ケースは、右側下端部と、左側下端部と、第1右側係合部と、第1左側係合部とを有しており、
前記右側下端部と前記左側下端部には、第1右側補強部と第1左側補強部が夫々設けられており、
前記第2ケースは、右側上端部と、左側上端部と、第2右側係合部と、第2左側係合部とを有しており、
前記右側上端部と前記左側上端部は、第1ケースと第2ケースとが組み合わせられたとき、前記右側下端部と前記左側下端部と夫々対向するものであり、
前記右側上端部と前記左側上端部には、第2右側補強部と第2左側補強部が夫々設けられており、
前記第1右側係合部と前記第2右側係合部は、右側のカンチレバースナップフィットを構成しており、
前記第1左側係合部と前記第2左側係合部は、左側のカンチレバースナップフィットを構成しており、
前記第1右側補強部と前記第2右側補強部の一方は、右側凹部であり、残りの一方は右側凸部であり、
前記第1左側補強部と前記第2左側補強部の一方は、左側凹部であり、残りの一方は左側凸部であり、
前記右側凸部は、前記上下方向と直交する水平面内において前記右側凹部に包囲されており、
前記右側凸部は、前記右側凹部に受容され、前記右側のカンチレバースナップフィットを補強しており、
前記左側凸部は、前記水平面内において前記左側凹部に包囲されており、
前記左側凸部は、前記左側凹部に受容され、前記左側のカンチレバースナップフィットを補強している
ノイズ除去装置。
【請求項2】
請求項1記載のノイズ除去装置であって、
前記左側凹部は、前記水平面内において閉じている
ノイズ除去装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のノイズ除去装置であって、
前記右側凸部及び前記左側凸部の夫々は、直方体状の凸部である
ノイズ除去装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のノイズ除去装置であって、
前記ケース部材には、固定部が設けられており、
前記固定部には、前記上下方向に貫通する貫通孔であって、当該ノイズ除去装置を対象物に固定する際に固定具を挿通する貫通孔が形成されている
ノイズ除去装置。
【請求項5】
請求項4記載のノイズ除去装置であって、
前記固定部は、前記第1ケースと前記第2ケースの一方のみを前記対象物に固定する
ノイズ除去装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のノイズ除去装置であって、
前記ケース部材は、周面を有しており、
前記固定部は、前記周面から前記水平面内に延びるように設けられており、
前記ケース部材には、前記周面から前記固定部にかけて延びるリブが形成されている
ノイズ除去装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載のノイズ除去装置であって、
前記右側のカンチレバースナップフィットと前記左側のカンチレバースナップフィットの夫々は、前記前後方向において互いに離れて位置する2つの係合構造を有しており、
前記係合構造の夫々は、弾性変形可能な板片部と前記板片部に支持された爪部とを有するフック部と、前記爪部が引っかかる被フック部とを有しており、
前記板片部は、前記上下方向において第1サイズを有していると共に前記上下方向と直交する方向において第2サイズを有しており、
前記第1サイズは、前記第2サイズより大きい
ノイズ除去装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のノイズ除去装置であって、
前記右側凸部の高さは、前記右側凹部の深さより小さく、
前記左側凸部の高さは、前記左側凹部の深さより小さい
ノイズ除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ除去装置に関し、特に車載用のノイズ除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のノイズ除去装置は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1のノイズ除去装置においては、磁性体コアが上下に分割されているだけではなく、磁性体コアを収容するケース部材も上下に分割されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6735971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車載用のノイズ除去装置に対しては耐熱性の要求が高くなってきている。そのような耐熱性に対する要求を満たす材料としては、一般的には硬い樹脂が選択される。そのため、磁性体コアを収容するケース部材としては、ヒンジを有する構造を採用することが困難であり、特許文献1のように上下に分割せざるを得ない。
【0005】
一方、車載用のノイズ除去装置は、かなり振動する状況下で使用される。従って、車載用のノイズ除去装置は、そのような状況下でも破損したり分解したりしない耐振動性が求められている。
【0006】
本発明は、上下に分割されたケース部材を備えると共に高い耐振動性を有する構造を備えるノイズ除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のノイズ除去装置として、
前後方向に延びる貫通孔を有する磁性体コアと、前記磁性体コアを収容するケース部材とを備え、前記貫通孔に導体を挿通して用いられるノイズ除去装置であって、
前記磁性体コアは、第1コアと第2コアとを備えており、
前記第1コアと前記第2コアの夫々は、前記前後方向と直交する垂直面内においてU字状の断面を有しており、
前記ケース部材は、前記第1コアを収容する第1ケースと、前記第2コアを収容すると共に前記前後方向と直交する上下方向において前記第1ケースと組み合わせられる第2ケースとを備えており、
前記第1ケースは、右側下端部と、左側下端部と、第1右側係合部と、第1左側係合部とを有しており、
前記右側下端部と前記左側下端部には、第1右側補強部と第1左側補強部が夫々設けられており、
前記第2ケースは、右側上端部と、左側上端部と、第2右側係合部と、第2左側係合部とを有しており、
前記右側上端部と前記左側上端部は、第1ケースと第2ケースとが組み合わせられたとき、前記右側下端部と前記左側下端部と夫々対向するものであり、
前記右側上端部と前記左側上端部には、第2右側補強部と第2左側補強部が夫々設けられており、
前記第1右側係合部と前記第2右側係合部は、右側のカンチレバースナップフィットを構成しており、
前記第1左側係合部と前記第2左側係合部は、左側のカンチレバースナップフィットを構成しており、
前記第1右側補強部と前記第2右側補強部の一方は、右側凹部であり、残りの一方は右側凸部であり、
前記第1左側補強部と前記第2左側補強部の一方は、左側凹部であり、残りの一方は左側凸部であり、
前記右側凸部は、前記上下方向と直交する水平面内において前記右側凹部に包囲されており、
前記右側凸部は、前記右側凹部に受容され、前記右側のカンチレバースナップフィットを補強しており、
前記左側凸部は、前記水平面内において前記左側凹部に包囲されており、
前記左側凸部は、前記左側凹部に受容され、前記左側のカンチレバースナップフィットを補強している
ノイズ除去装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のノイズ除去装置として、第1のノイズ除去装置であって、
前記左側凹部は、前記水平面内において閉じている
ノイズ除去装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のノイズ除去装置として、第1又は第2のノイズ除去装置であって、
前記右側凸部及び前記左側凸部の夫々は、直方体状の凸部である
ノイズ除去装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のノイズ除去装置として、第1から第3までのいずれかのノイズ除去装置であって、
前記ケース部材には、固定部が設けられており、
前記固定部には、前記上下方向に貫通する貫通孔であって、当該ノイズ除去装置を対象物に固定する際に固定具を挿通する貫通孔が形成されている
ノイズ除去装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のノイズ除去装置として、第4のノイズ除去装置であって、
前記固定部は、前記第1ケースと前記第2ケースの一方のみを前記対象物に固定する
ノイズ除去装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のノイズ除去装置として、第4又は第5のノイズ除去装置であって、
前記ケース部材は、周面を有しており、
前記固定部は、前記周面から前記水平面内に延びるように設けられており、
前記ケース部材には、前記周面から前記固定部にかけて延びるリブが形成されている
ノイズ除去装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のノイズ除去装置として、第1から第6までのいずれかのノイズ除去装置であって、
前記右側のカンチレバースナップフィットと前記左側のカンチレバースナップフィットの夫々は、前記前後方向において互いに離れて位置する2つの係合構造を有しており、
前記係合構造の夫々は、弾性変形可能な板片部と前記板片部に支持された爪部とを有するフック部と、前記爪部が引っかかる被フック部とを有しており、
前記板片部は、前記上下方向において第1サイズを有していると共に前記上下方向と直交する方向において第2サイズを有しており、
前記第1サイズは、前記第2サイズより大きい
ノイズ除去装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のノイズ除去装置として、第1から第7までのいずれかのノイズ除去装置であって、
前記右側凸部の高さは、前記右側凹部の深さより小さく、
前記左側凸部の高さは、前記左側凹部の深さより小さい
ノイズ除去装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のノイズ除去装置のケース部材は、上下に分割された第1ケースと第2ケースとからなる。第1ケースと第2ケースとは右側のカンチレバースナップフィットと左側のカンチレバースナップフィットで組み合わせられる。第1ケースと第2ケースの一方には、右側凹部が形成され、残りの一方には右側凸部が形成されている。また、第1ケースと第2ケースの一方には、左側凹部が形成され、残りの一方には左側凸部が形成されている。右側凸部は、水平面内において右側凹部に包囲されている。左側凸部は、水平面内において左側凹部に包囲されている。そのため、右側凹部に受容された右側凸部と左側凹部に受容された左側凸部は、水平面内での移動を規制されており、夫々、右側のカンチレバースナップフィットと左側のカンチレバースナップフィットに加わる応力を緩和し補強している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態によるノイズ除去装置を示す斜視図である。
図2図1のノイズ除去装置を示す正面図である。
図3図2のノイズ除去装置の一部分を示す断面図である。
図4図2のノイズ除去装置の別の部分を示す断面図である。
図5図1のノイズ除去装置を示す上面図である。
図6図1のノイズ除去装置を示す底面図である。
図7図1のノイズ除去装置を示す右側面図である。
図8図1のノイズ除去装置を示す左側面図である。
図9図1のノイズ除去装置を示す背面図である。
図10図1のノイズ除去装置を示す分解斜視図である。
図11図10のノイズ除去装置に含まれる第1ケースを示す正面図である。
図12図11の第1ケースを示す左側面図である。
図13図11の第1ケースを示す下側斜視図である。
図14図13の第1ケースの破線Aで囲まれた部分を示す拡大図である。
図15図11の第1ケースを示す別の下側斜視図である。
図16図15の第1ケースの破線Bで囲まれた部分を示す拡大図である。
図17図10のノイズ除去装置に含まれる第2ケースを示す斜視図である。
図18図17の第2ケースの破線Cで囲まれた部分を示す拡大図である。
図19図17の第2ケースの破線Dで囲まれた部分を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2及び図10を参照して、本発明の実施の形態によるノイズ除去装置100は、前後方向に延びる貫通孔705を有する磁性体コア700と、磁性体コア700を収容するケース部材200とを備えている。本実施の形態のノイズ除去装置100は、貫通孔705に導体(図示せず)を挿通して用いられるものである。本実施の形態において、前後方向はX方向である。ここで、前方を+X方向とし、後方を-X方向とする。
【0018】
図10に示されるように、本実施の形態の磁性体コア700は、第1コア710と第2コア720とを備えている。第1コア710と第2コア720とは、互いに別体である。
【0019】
図10を参照して、本実施の形態の第1コア710は、前後方向と直交する垂直面内においてU字状の断面を有している。本実施の形態において、垂直面は、YZ平面である。第1コア710は、前後方向と直交する上下方向において、第2コア720の上方に位置している。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。
【0020】
図10を参照して、本実施の形態の第2コア720は、前後方向と直交する垂直面内においてU字状の断面を有している。第2コア720は、上下方向において第1コア710の下方に位置している。
【0021】
図1に示されるように、ケース部材200は、周面210を有している。図2及び図7から図9までを参照して、周面210は、前面212と、後面214と、右側面216と、左側面218とを含んでいる。
【0022】
図2に示されるように、本実施の形態の前面212は、前後方向において前方に向いている。
【0023】
図9に示されるように、本実施の形態の後面214は、前後方向において後方に向いている。後面214は、前後方向において前面212の後方に位置している。
【0024】
図7に示されるように、本実施の形態の右側面216は、左右方向において右方に向いている。本実施の形態において、左右方向は、Y方向である。ここで、右方を+Y方向とし、左方を-Y方向とする。図5に示されるように、右側面216は、左右方向において左側面218の右方に位置している。右側面216は、前後方向において前面212と後面214との間に位置している。右側面216は、前後方向において前面212の後方に位置している。右側面216は、前後方向において後面214の前方に位置している。
【0025】
図8に示されるように、本実施の形態の左側面218は、左右方向において左方に向いている。図5に示されるように、左側面218は、左右方向において右側面216の左方に位置している。左側面218は、前後方向において前面212と後面214との間に位置している。左側面218は、前後方向において前面212の後方に位置している。左側面218は、前後方向において後面214の前方に位置している。
【0026】
図10に示されるように、本実施の形態のケース部材200は、第1ケース300と、第2ケース400とを備えている。
【0027】
図10を参照して、本実施の形態の第1ケース300は、第1コア710を収容している。第1ケース300は、上下方向において第2ケース400の上方に位置している。図13に示されるように、第1ケース300は、右側下端部310と、左側下端部320と、第1右側係合部330と、第1左側係合部340とを有している。
【0028】
図15に示されるように、本実施の形態の右側下端部310には、右側下面311を有している。
【0029】
図15に示されるように、本実施の形態の右側下面311は、上下方向において下方を向いている。右側下面311は、上下方向と直交する面である。
【0030】
図13及び図14から理解されるように、本実施の形態の右側下端部310には、第1右側補強部312が設けられている。
【0031】
図14に示されるように、本実施の形態の第1右側補強部312は、右側凹部312である。即ち、第1右側補強部312は、右側下面311から上下方向において上方に凹んでいる。図13及び図14を参照して、右側凹部312は、第1ケース300の左右方向における右端付近に位置している。なお、右側凹部312は、上下方向と直交する水平面内において、閉じてはいない。即ち、右側凹部312は、水平面内において部分的に開いている。右側凹部312は、左右方向において第1ケース300の外部と連通している。本実施の形態において、水平面は、XY平面である。
【0032】
図14に示されるように、右側凹部312は、右側上面3122と、周壁314とを有している。
【0033】
図14に示されるように、本実施の形態の右側上面3122は、上下方向において下方を向いている。右側上面3122は、右側凹部312の上下方向における上端を規定している。
【0034】
図14に示されるように、周壁314は、右側前面3123と、右側後面3124と、右側内面3125と、右側外面3126とを有している。
【0035】
図14に示されるように、本実施の形態の右側前面3123は、前後方向において後方を向いている。右側前面3123は、右側凹部312の前後方向における前端を規定している。右側前面3123は、右側内面3125と直接連結されている。右側前面3123は、右側外面3126と直接連結されていない。右側前面3123は、右側上面3122のみを介して右側外面3126と連結されている。
【0036】
図14に示されるように、本実施の形態の右側後面3124は、前後方向において前方を向いている。右側後面3124は、右側凹部312の前後方向における後端を規定している。右側後面3124は、右側内面3125と直接連結されている。右側後面3124は、右側外面3126と直接連結されていない。右側後面3124は、右側上面3122のみを介して右側外面3126と連結されている。
【0037】
図14に示されるように、本実施の形態の右側内面3125は、左右方向において右方を向いている。右側内面3125は、右側凹部312の左右方向における内端を規定している。右側内面3125は、右側凹部312の左右方向における左端を規定している。右側内面3125は、右側前面3123と直接連結されている。右側内面3125は、右側後面3124と直接連結されている。
【0038】
図14に示されるように、本実施の形態の右側外面3126は、左右方向において左方を向いている。右側外面3126は、右側凹部312の左右方向における外端を規定している。右側外面3126は、右側凹部312の左右方向における右端を規定している。右側外面3126は、右側前面3123と直接連結されていない。右側外面3126は、右側上面3122のみを介して右側前面3123と連結されている。右側外面3126は、右側後面3124と直接連結されていない。右側外面3126は、右側上面3122のみを介して右側後面3124と連結されている。
【0039】
図15に示されるように、本実施の形態の左側下端部320には、左側下面321を有している。
【0040】
図15に示されるように、本実施の形態の左側下面321は、上下方向において下方を向いている。左側下面321は、上下方向と直交する面である。
【0041】
図15及び図16から理解されるように、本実施の形態の左側下端部320には、第1左側補強部322が夫々設けられている。
【0042】
図16に示されるように、本実施の形態の第1左側補強部322は、左側凹部322である。即ち、第1左側補強部322は、左側下面321から上下方向において上方に凹んでいる。図15及び図16を参照して、左側凹部322は、第1ケース300の左右方向における左端付近に位置している。左側凹部322は、上下方向と直交する水平面内において、閉じている。
【0043】
図16に示されるように、左側凹部322は、左側上面3222と、周壁324とを有している。
【0044】
図16に示されるように、本実施の形態の左側上面3222は、上下方向において下方を向いている。左側上面3222は、左側凹部322の上下方向における上端を規定している。
【0045】
図16に示されるように、周壁324は、左側前面3223と、左側後面3224と、左側内面3225と、左側外面3226とを有している。
【0046】
図16に示されるように、本実施の形態の左側前面3223は、前後方向において後方を向いている。左側前面3223は、左側凹部322の前後方向における前端を規定している。左側前面3223は、左側内面3225と直接連結されている。左側前面3223は、左側外面3226と直接連結されている。
【0047】
図16に示されるように、本実施の形態の左側後面3224は、前後方向において前方を向いている。左側後面3224は、左側凹部322の前後方向における後端を規定している。左側後面3224は、左側内面3225と直接連結されている。左側後面3224は、左側外面3226と直接連結されている。
【0048】
図16に示されるように、本実施の形態の左側内面3225は、左右方向において左方を向いている。左側内面3225は、左側凹部322の左右方向における内端を規定している。左側内面3225は、左側凹部322の左右方向における右端を規定している。左側内面3225は、左側前面3223と直接連結されている。左側内面3225は、左側後面3224と直接連結されている。
【0049】
図16に示されるように、本実施の形態の左側外面3226は、左右方向において右方を向いている。左側外面3226は、左側凹部322の左右方向における外端を規定している。左側内面3225は、左側凹部322の左右方向における左端を規定している。左側外面3226は、左側前面3223と直接連結されている。左側外面3226は、左側後面3224と直接連結されている。
【0050】
上述のように、左側前面3223は、左側内面3225及び左側外面3226の双方と直接連結されており、左側後面3224は、左側内面3225及び左側外面3226の双方と直接連結されている。即ち、左側凹部322は、水平面内において全方位に周壁324を有している。
【0051】
図13に示されるように、本実施の形態の第1右側係合部330は、左右方向において右側下端部310の右端に位置している。
【0052】
図13に示されるように、本実施の形態の第1左側係合部340は、左右方向において左側下端部320の左端に位置している。第1右側係合部330と第1左側係合部340とは、左右方向に並んでいる。
【0053】
図10を参照して、本実施の形態の第2ケース400は、第2コア720を収容している。第2ケース400は、上下方向において第1ケース300の下方に位置している。図1及び図10を参照して、第2ケース400は、前後方向と直交する上下方向において第1ケース300と組み合わせられる。
【0054】
図6及び図17を参照して、第2ケース400は、右側上端部410と、左側上端部420と、第2右側係合部430と、第2左側係合部440とを有している。
【0055】
図17に示されるように、本実施の形態の右側上端部410は、左右方向において左側上端部420の右方に位置している。右側上端部410と左側上端部420とは、左右方向において並んでいる。右側上端部410は、第2ケース400の左右方向における右端を規定している。図7に示されるように、右側上端部410は、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側下端部310と対向する。
【0056】
図17に示されるように、右側上端部410は、右側上面411を有している。
【0057】
図17に示されるように、本実施の形態の右側上面411は、上下方向において上方を向いている。右側上面411は、上下方向と直交する面である。図3に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側上面411は、右側下面311と接している。
【0058】
図17及び図18を参照して、右側上端部410には、第2右側補強部412と、2つの右孔414とが設けられている。
【0059】
図18に示されるように、本実施の形態の第2右側補強部412は、右側凸部412である。即ち、第2右側補強部412は、右側上面411から上下方向において上方に突出している。右側凸部412は、右側上端部410の上下方向における上端を規定している。右側凸部412は、直方体状の凸部である。即ち、右側凸部412は、前後方向のサイズが、左右方向のサイズよりも大きい。図17に示されるように、右側凸部412は、第2ケース400の左右方向における右端付近に位置している。図3に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側凸部412は、右側凹部312に受容されている。右側凸部412の高さRHは、右側凹部312の深さRDより小さい。右側凸部412は、水平面内において右側凹部312に包囲されている。即ち、右側凸部412は、水平面内において周壁314に包囲されている。これにより、右側凹部312に受容された右側凸部412は、水平面内での移動を規制されている。より詳しくは、右側凹部312に受容された右側凸部412は、水平面内での全方位の移動を規制されている。図7に示されるように、ノイズ除去装置100を左右方向における右方から見た場合、右側凸部412の一部は視認可能となっている。
【0060】
上述のように、右側凹部312は、水平面内において閉じてはいない。しかしながら、本発明はこれに限定されず、右側凹部312が水平面内において閉じていてもよい。即ち、右側凹部312は、水平面内において全方位に周壁314を有していてもよい。右側凹部312がこのように構成されていることにより、右側凹部312に受容された右側凸部412の水平面内での全方位の移動をより強固に規制することができる。
【0061】
上述のように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、直方体状の凸部である右側凸部412が右側凹部312に受容されている。これにより、限られたスペースで右側凹部312と右側凸部412の対向する面の全表面積が大きく確保されている。
【0062】
図18に示されるように、右側凸部412は、右側上面4122と、右側前面4123と、右側後面4124と、右側内面4125と、右側外面4126と有している。
【0063】
図18に示されるように、本実施の形態の右側上面4122は、上下方向において上方を向いている。右側上面4122は、右側凸部412の上下方向における上端を規定している。図3に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側上面3122と右側上面4122とは、上下方向において互いに対向している。第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側上面4122は右側上面3122と接していない。
【0064】
図18に示されるように、本実施の形態の右側前面4123は、前後方向において前方を向いている。右側前面4123は、右側凸部412の前後方向における前端を規定している。図10図14及び図18を参照して、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側前面3123と右側前面4123とは、前後方向において互いに対向している。
【0065】
図18に示されるように、本実施の形態の右側後面4124は、前後方向において後方を向いている。右側後面4124は、右側凸部412の前後方向における後端を規定している。図10図14及び図18を参照して、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側後面3124と右側後面4124とは、前後方向において互いに対向している。
【0066】
図18に示されるように、本実施の形態の右側内面4125は、左右方向において左方を向いている。右側内面4125は、右側凸部412の左右方向における内端を規定している。右側内面4125は、右側凸部412の左右方向における左端を規定している。図3に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側内面3125と右側内面4125とは、左右方向において互いに対向している。
【0067】
図18に示されるように、本実施の形態の右側外面4126は、左右方向において右方を向いている。右側外面4126は、右側凸部412の左右方向における外端を規定している。右側外面4126は、右側凸部412の左右方向における右端を規定している。図3に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、右側外面3126と右側外面4126とは、左右方向において互いに対向している。
【0068】
図17に示されるように、本実施の形態の右孔414は、前後方向に並んでいる。図17及び図18を参照して、右側凸部412は、前後方向において2つの右孔414の間に位置している。右側凸部412は、左右方向において右孔414の内側に位置している。即ち、右側凸部412は、左右方向において右孔414の左方に位置している。
【0069】
図17に示されるように、本実施の形態の左側上端部420は、左右方向において右側上端部410の左方に位置している。左側上端部420は、第2ケース400の左右方向における左端を規定している。図8に示されるように、左側上端部420は、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側下端部320と対向する。
【0070】
図17に示されるように、左側上端部420は、左側上面421を有している。
【0071】
図17に示されるように、本実施の形態の左側上面421は、上下方向において上方を向いている。左側上面421は、上下方向と直交する面である。図4に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側上面421は、左側下面321と接している。
【0072】
図17及び図19に示されるように、左側上端部420には、第2左側補強部422と、2つの左孔424とが設けられている。
【0073】
図19に示されるように、本実施の形態の第2左側補強部422は、左側凸部422である。即ち、第2左側補強部422は、左側上面421から上下方向において上方に突出している。左側凸部422は、左側上端部420の上下方向における上端を規定している。左側凸部422は、直方体状の凸部である。即ち、左側凸部422は、前後方向のサイズが、左右方向のサイズよりも大きい。図17に示されるように、左側凸部422は、第2ケース400の左右方向における左端付近に位置している。図17から図19までを参照して、右側凸部412と左側凸部422とは、左右方向に並んでいる。図4を参照して、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側凸部422は、左側凹部322に受容されている。左側凸部422の高さLHは、左側凹部322の深さLDより小さい。左側凸部422は、水平面内において左側凹部322に包囲されている。即ち、左側凸部422は、水平面内において全方位に渡って周壁324に包囲されている。これにより、左側凹部322に受容された左側凸部422は、水平面内での移動を規制されている。より詳しくは、左側凹部322に受容された左側凸部422は、水平面内での全方位の移動を規制されている。図4及び図8を参照して、ノイズ除去装置100を左右方向における左方から見た場合、左側凸部422は視認できない。
【0074】
上述のように、左側凹部322は、水平面内において閉じている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。即ち、左側凹部322に受容された左側凸部422の水平面内での全方位の移動が規制される限り、左側凹部322は水平面内において部分的に開いていてもよく、左側凹部322が上下方向と直交する方向において第1ケース300の外部と連通していてもよい。換言すれば、左側凹部322に受容された左側凸部422の水平面内での全方位の移動が規制される限り、左側凹部322は、第1ケース300の外部と連通する開口部を有していてもよい。なお具体的には、水平面内において、この開口部のサイズは、左側凸部422のサイズよりも小さくなければならない。
【0075】
上述のように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、直方体状の凸部である左側凸部422が左側凹部322に受容されている。これにより、限られたスペースで左側凹部322と左側凸部422の対向する面の全表面積が大きく確保されている。
【0076】
図19に示されるように、左側凸部422は、左側上面4222と、左側前面4223と、左側後面4224と、左側内面4225と、左側外面4226と有している。
【0077】
図19に示されるように、本実施の形態の左側上面4222は、上下方向において上方を向いている。左側上面4222は、左側凸部422の上下方向における上端を規定している。図4に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側上面3222と左側上面4222とは、上下方向において互いに対向している。第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側上面4222は左側上面3222と接していない。
【0078】
図19に示されるように、本実施の形態の左側前面4223は、前後方向において前方を向いている。左側前面4223は、左側凸部422の前後方向における前端を規定している。図10図16及び図19を参照して、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側前面3223と左側前面4223とは、前後方向において互いに対向している。
【0079】
図19に示されるように、本実施の形態の左側後面4224は、前後方向において後方を向いている。左側後面4224は、左側凸部422の前後方向における後端を規定している。図10図16及び図19を参照して、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側後面3224と左側後面4224とは、前後方向において互いに対向している。
【0080】
図19に示されるように、本実施の形態の左側内面4225は、左右方向において右方を向いている。左側内面4225は、左側凸部422の左右方向における内端を規定している。左側内面4225は、左側凸部422の左右方向における右端を規定している。図4に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側内面3225と左側内面4225とは、左右方向において互いに対向している。
【0081】
図19に示されるように、本実施の形態の左側外面4226は、左右方向において左方を向いている。左側外面4226は、左側凸部422の左右方向における外端を規定している。左側内面4225は、左側凸部422の左右方向における左端を規定している。図4に示されるように、第1ケース300と第2ケース400とが組み合わせられたとき、左側外面3226と左側外面4226とは、左右方向において互いに対向している。
【0082】
図17に示されるように、本実施の形態の左孔424は、前後方向に並んでいる。図17及び図19を参照して、左側凸部422は、前後方向において2つの左孔424の間に位置している。左側凸部422は、左右方向において左孔424の内側に位置している。即ち、左側凸部422は、左右方向において左孔424の右方に位置している。
【0083】
図7に示されるように、本実施の形態の第2右側係合部430は、右側上端部410の右端に位置している。図6に示されるように、第2右側係合部430と第2左側係合部440とは、左右方向に並んでいる。第2右側係合部430は、左右方向において第1右側係合部330と同じ位置に位置している。図7を参照して、第1右側係合部330と第2右側係合部430は、右側のカンチレバースナップフィット510を構成している。上述のように、右側凸部412が右側凹部312に受容されることにより、右側のカンチレバースナップフィット510は補強されている。
【0084】
上述のように、右側凹部312に受容された右側凸部412は、水平面内での移動を規制されている。これにより、ノイズ除去装置100に水平面内での振動が加えられても、右側のカンチレバースナップフィット510に加わる応力が緩和されるため、右側のカンチレバースナップフィット510の破損が避けられている。
【0085】
図7に示されるように、右側のカンチレバースナップフィット510は、前後方向において互いに離れて位置する2つの係合構造520を有している。右側凸部412は、前後方向において2つの係合構造520の間に位置している。図7及び図17を参照して、係合構造520は、右孔414と夫々対応している。
【0086】
図7に示されるように、係合構造520の夫々は、フック部530と、被フック部540とを有している。
【0087】
図13に示されるように、本実施の形態のフック部530は、第1ケース300に設けられている。フック部530は、板片部532と、爪部534とを有している。
【0088】
図11及び図12を参照して、本実施の形態の板片部532は、弾性変形可能である。板片部532は、上下方向において第1サイズSR1を有していると共に上下方向と直交する方向において第2サイズSR2を有している。より詳しくは、板片部532は、上下方向において第1サイズSR1を有していると共に前後方向において第2サイズSR2を有している。また、第1サイズSR1は、第2サイズSR2より大きい。これにより、板片部532は、容易に弾性変形可能となっている。図7図13及び図17を参照して、係合構造520の夫々の板片部532は、対応する右孔414に収容されている。
【0089】
図11に示されるように、本実施の形態の爪部534は、フック部530の上下方向における下端を規定している。爪部534は、第1ケース300の上下方向における下端を規定している。爪部534は、左右方向における外側に突出している。即ち、爪部534は、左右方向における右方に突出している。爪部534は、板片部532に支持されている。
【0090】
図7に示されるように、本実施の形態の被フック部540は、第2ケース400に設けられている。被フック部540は、爪部534が引っかかる部分である。
【0091】
図6に示されるように、本実施の形態の第2左側係合部440は、左側上端部420の左端に位置している。図8に示されるように、第2左側係合部440は、左右方向において第1左側係合部340と同じ位置に位置している。第1左側係合部340と第2左側係合部440は、左側のカンチレバースナップフィット550を構成している。上述のように、左側凸部422が左側凹部322に受容されることにより、左側のカンチレバースナップフィット550は補強されている。
【0092】
上述のように、左側凹部322に受容された左側凸部422は、水平面内での移動を規制されている。これにより、ノイズ除去装置100に水平面内での振動が加えられても、左側のカンチレバースナップフィット550に加わる応力が緩和されるため、左側のカンチレバースナップフィット550の破損が避けられている。
【0093】
特に、本実施の形態においては、第2ケース400の右端付近に位置する右側凸部412は水平面内での移動を規制されており、第2ケース400の左端付近に位置する左側凸部422も水平面内での移動を規制されている。これにより、ノイズ除去装置100に水平面内での振動が加えられても、カンチレバースナップフィット510,550に加わる応力がより緩和されるため、カンチレバースナップフィット510,550の破損がより避けられている。
【0094】
図8に示されるように、左側のカンチレバースナップフィット550は、前後方向において互いに離れて位置する2つの係合構造560を有している。上述のように、右側のカンチレバースナップフィット510は2つの係合構造520を有していることから、ノイズ除去装置100は、4つの係合構造520,560を有している。図8図17及び図19を参照して、左側凸部422は、前後方向において2つの係合構造560の間に位置している。係合構造560は、左孔424と夫々対応している。
【0095】
図8に示されるように、係合構造560の夫々は、フック部570と、被フック部580とを有している。
【0096】
図12に示されるように、本実施の形態のフック部570は、第1ケース300に設けられている。フック部570は、板片部572と、爪部574とを有している。
【0097】
図11及び図12を参照して、本実施の形態の板片部572は、弾性変形可能である。板片部572は、上下方向において第1サイズSL1を有していると共に上下方向と直交する方向において第2サイズSL2を有している。より詳しくは、板片部572は、上下方向において第1サイズSL1を有していると共に前後方向において第2サイズSL2を有している。また、第1サイズSL1は、第2サイズSL2より大きい。これにより、板片部572は、容易に弾性変形可能となっている。図8図15及び図17を参照して、係合構造560の夫々の板片部572は、対応する左孔424に収容されている。
【0098】
上述のように、ノイズ除去装置100は、4つの係合構造520,560を有している。これにより、容易に弾性変形可能な板片部532,572の夫々に対して、負荷の集中が避けられている。
【0099】
図11に示されるように、本実施の形態の爪部574は、フック部570の上下方向における下端を規定している。爪部574は、左右方向における外側に突出している。即ち、爪部574は、左右方向における左方に突出している。爪部574は、板片部572に支持されている。
【0100】
図8に示されるように、本実施の形態の被フック部580は、第2ケース400に設けられている。被フック部580は、爪部574が引っかかる部分である。
【0101】
図1に示されるように、ケース部材200には、固定部600が設けられている。
【0102】
図5を参照して、本実施の形態の固定部600には、上下方向に貫通する貫通孔610であって、ノイズ除去装置100を対象物(図示せず)に固定する際に固定具(図示せず)を挿通する貫通孔610が形成されている。なお、固定具としては、例えばボルトが挙げられる。具体的には、貫通孔610に挿通されたボルトを、筐体等の対象物に設けられたネジ穴に締結することにより、ノイズ除去装置100は対象物に固定されることとなる。図10に示されるように、固定部600は、第1ケース300に設けられている。即ち、固定部600の夫々は、第1ケース300のみを対象物に固定するものである。なお、第2ケース400には固定部600は設けられていない。図5に示されるように、固定部600は、周面210から水平面内に延びるように設けられている。前側の固定部600は、前面212から前方に延びている。また、前側の固定部600は、左側面218から左方に延びている。後側の固定部600は、後面214から後方に延びている。また、後側の固定部600は、右側面216から右方に延びている。
【0103】
本実施の形態のノイズ除去装置100は、上述の固定部600により対象物に上下方向に沿って固定される。これにより、ノイズ除去装置100に上下方向の振動が加わった場合、カンチレバースナップフィット510,550に加わる応力は、固定部600により緩和されることになる。なお、ノイズ除去装置100に加わる水平面内の振動については、上述のように、右側凹部312と右側凸部412との組み合わせと、左側凹部322と左側凸部422との組み合わせとにより、カンチレバースナップフィット510,550に加わる応力が緩和される。即ち、本実施の形態のノイズ除去装置100において、右側凹部312及び右側凸部412の組み合わせが緩和する応力に対応する振動の方向と、固定部600が緩和する応力に対応する振動の方向とは、互いに直交している。換言すれば、右側凹部312及び右側凸部412の組み合わせと、固定部600とは、緩和する応力に対応する振動の方向が補完的な関係にある。同様に、本実施の形態のノイズ除去装置100において、左側凹部322及び左側凸部422の組み合わせが緩和する応力に対応する振動の方向と、固定部600が緩和する応力に対応する振動の方向とは、互いに直交している。換言すれば、左側凹部322及び左側凸部422の組み合わせと、固定部600とは、緩和する応力に対応する振動の方向が補完的な関係にある。
【0104】
図7に示されるように、ケース部材200には、リブ250が形成されている。
【0105】
図7に示されるように、本実施の形態のリブ250は、周面210から固定部600にかけて延びている。前側のリブ250は、前面212から前側の固定部600にかけて延びている。後側のリブ250は、後面214から後側の固定部600にかけて延びている。
【0106】
本実施の形態のノイズ除去装置100は、上述のリブ250により、ケース部材200の周面210と固定部600との連結部分が補強されている。これにより、ノイズ除去装置100に上下方向の振動が加わっても上記連結部分の破損が避けられている。
【0107】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0108】
上述の実施の形態において、第1右側補強部312が右側凹部312であり、第2右側補強部412が右側凸部412であったが、本発明はこれに限定されず、第1右側補強部312が右側凸部であり、第2右側補強部412が右側凹部であってもよい。即ち、第1右側補強部312と第2右側補強部412の一方が右側凹部であり、残りの一方が右側凸部であればよい。これにより、上述の実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【0109】
上述の実施の形態において、第1左側補強部322が左側凹部322であり、第2左側補強部422が左側凸部422であったが、本発明はこれに限定されず、第1左側補強部322が左側凸部であり、第2左側補強部422が左側凹部であってもよい。即ち、第1左側補強部322と第2左側補強部422の一方が左側凹部であり、残りの一方が左側凸部であればよい。これにより、上述の実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【0110】
上述の実施の形態において、フック部530,570は、第1ケース300に設けられており、被フック部540,580は、第2ケース400に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。即ち、被フック部540が第1ケース300に設けられており、フック部530が第2ケース400に設けられるように構成されていてもよい。同様に、被フック部580が第1ケース300に設けられており、フック部570が第2ケース400に設けられるように構成されていてもよい。
【0111】
上述の実施の形態の固定部600は、第1ケース300のみを対象物に固定するものであったが、本発明はこれに限定されず、固定部600が第2ケース400のみを対象物に固定するものであってもよい。即ち、固定部600は、第1ケース300と第2ケース400の一方のみを対象物に固定するものであればよい。この場合、仮に、第1右側補強部312、第1左側補強部322、第2右側補強部412及び第2左側補強部422を有さないノイズ除去装置100に対して水平面内の振動が加えられると、固定部600によって対象物に固定されない第1ケース300と第2ケース400の他方における応力が緩和されないことから、カンチレバースナップフィット510,550に上記応力が加わって破損する可能性がある。しかしながら、本実施の形態のノイズ除去装置100は、第1右側補強部312、第1左側補強部322、第2右側補強部412及び第2左側補強部422を有していることから、固定部600が第1ケース300と第2ケース400の一方のみを対象物に固定するものであっても、ノイズ除去装置100に加えられた水平面内の振動による第1ケース300と第2ケース400の他方における応力が緩和されるため、カンチレバースナップフィット510,550の破損が避けられ、上述の実施の形態と同様の効果を享受することができる。なお、ケース部材200に、第1ケース300と第2ケース400の一方のみを対象物に固定する固定部600を設けると共に、第1ケース300と第2ケース400の他方のみを対象物に固定する別の固定部を設けてもよい。この場合においても、上述の実施の形態と同様の効果を享受することができる。
【符号の説明】
【0112】
100 ノイズ除去装置
200 ケース部材
210 周面
212 前面
214 後面
216 右側面
218 左側面
250 リブ
300 第1ケース
310 右側下端部
311 右側下面
312 第1右側補強部(右側凹部)
3122 右側上面
3123 右側前面
3124 右側後面
3125 右側内面
3126 右側外面
314 周壁
320 左側下端部
321 左側下面
322 第1左側補強部(左側凹部)
3222 左側上面
3223 左側前面
3224 左側後面
3225 左側内面
3226 左側外面
324 周壁
330 第1右側係合部
340 第1左側係合部
400 第2ケース
411 右側上面
410 右側上端部
412 第2右側補強部(右側凸部)
4122 右側上面
4123 右側前面
4124 右側後面
4125 右側内面
4126 右側外面
414 右孔
420 左側上端部
421 左側上面
422 第2左側補強部(左側凸部)
4222 左側上面
4223 左側前面
4224 左側後面
4225 左側内面
4226 左側外面
424 左孔
430 第2右側係合部
440 第2左側係合部
510 右側のカンチレバースナップフィット
520 係合構造
530 フック部
532 板片部
534 爪部
540 被フック部
550 左側のカンチレバースナップフィット
560 係合構造
570 フック部
572 板片部
574 爪部
580 被フック部
600 固定部
610 貫通孔
700 磁性体コア
705 貫通孔
710 第1コア
720 第2コア
LD 深さ
LH 高さ
RD 深さ
RH 高さ
SL1 第1サイズ
SL2 第2サイズ
SR1 第1サイズ
SR2 第2サイズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19