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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023128676
(43)【公開日】2023-09-14
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230907BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20230907BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230907BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06K7/00 004
G06K7/10 252
G06K7/10 436
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033198
(22)【出願日】2022-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(71)【出願人】
【識別番号】500352063
【氏名又は名称】株式会社デンソーエスアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】新海 直樹
(72)【発明者】
【氏名】藤本 直
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB27
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD34
3F522EE19
3F522FF04
3F522GG45
3F522HH02
3F522HH05
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】複数の無線タグが存在する場合でも、特定の無線タグを通信対象とすることができる構成を提供する。
【解決手段】固有のタグIDが記録される無線タグ12とともに容器10あるいは無線タグ12に付される情報コード13には、同じ容器10に付された無線タグ12のタグIDが記録される。無線タグ処理部30は、無線タグ12に書き込むべき収容情報(管理用情報)が取得されるとともに情報コード読取部40によって情報コード13からタグIDが読み取られると、当該タグIDの無線タグ12に対して管理用情報を書き込む処理を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有のタグIDが記録される無線タグと情報コードとが付された管理対象を管理する管理システムであって、
前記情報コードを光学的に読み取る処理を行う情報コード読取部と、
前記無線タグに対して所定の情報を書き込む処理を行う無線タグ処理部と、
を備え、
前記情報コードには、同じ前記管理対象に付された前記無線タグの前記タグIDが記録され、
前記無線タグ処理部は、無線タグに書き込むべき管理用情報が取得されるとともに前記情報コード読取部によって前記情報コードから前記タグIDが読み取られると、当該タグIDの前記無線タグに対して前記管理用情報を書き込む処理を行うことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記管理対象は、複数の物品が収容される容器であり、
前記管理用情報は、前記複数の物品に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
固有のタグIDが記録される無線タグと情報コードとが付された管理対象を管理する管理システムであって、
前記情報コードを光学的に読み取る処理を行う情報コード読取部と、
前記無線タグに記録される情報を読み取る処理を行う無線タグ処理部と、
を備え、
前記情報コードには、同じ前記管理対象に付された前記無線タグの前記タグIDが記録され、
前記無線タグ処理部は、前記情報コード読取部によって前記情報コードから前記タグIDが読み取られると、当該タグIDの前記無線タグに記録される情報を読み取る処理を行うことを特徴とする管理システム。
【請求項4】
前記管理対象は、複数の物品が収容される容器であり、
前記無線タグに記録される情報は、前記複数の物品に関する情報であることを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグが付された管理対象を管理する管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送物などの管理対象に対してそれぞれ無線タグを付してその無線タグに記録される情報を無線通信装置等にて読み書きすることで、各管理対象の状態や搬送段階等を管理する方法が知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されるID読取装置では、作業の効率化を図るために複数の無線タグを一括読み取りしており、読み取れなかったIDを適切に補完することで、その一括読み取りする際の読み取り漏れを抑制している。具体的には、梱包材に付された梱包用RFIDタグから読み取った梱包IDに基づいて読み取る予定の各物IDをそれぞれ読取属性が付与されるように取得されると、実際に読み取った各物IDについて読取属性ごとに算出された読取率と補完条件として記憶される最低読取率とが比較される。そして、補完条件を満たす比較結果が得られる場合には、実際に読み取れなかった物IDを読み取る予定の物IDで補完することで、複数の無線タグを一括読み取りする際の読み取り漏れが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-297086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、無線タグリーダライタ等を用いて複数の管理対象にそれぞれ付された無線タグの情報を一括して読み書きする作業を行う場合もあれば、個々に無線タグに対して読み書きする作業を行う場合もある。書き込むべき情報と書き込み対象となるタグIDとが事前に関連付けられる場合であれば一括書き込み作業を行うことができる。しかしながら、例えば、繰り返し使用される容器の無線タグに対してその容器に収容されている収容物に関する情報を書き込む場合には、書き込むべき情報とタグIDとを事前に関連付けすることができない。また、例えば、異なる企業間や異なる工場間など、部品や製品の製造、受入、出荷等の各段階においては、タグIDがクラウドサーバ等にて一括管理されていない限り、書き込むべき情報とタグIDとを事前に関連付けすることができない。このように、書き込むべき情報とタグIDとを事前に関連付けすることができない場合には、各無線タグに対して1つずつ書き込み作業を行う必要がある。
【0006】
1つずつ無線タグに対して書き込み作業を行う場合、複数の管理対象が積載されて密集しているような状態では、無線タグリーダライタ等を書き込み対象の無線タグに近づけたとしても、近くの他の無線タグに誤って書き込んでしまう可能性がある。このため、例えば、個別の書き込み時にはアンテナからの電波出力を極力抑えるように無線タグリーダライタ等を設定したとしても、各無線タグの配置状態や作業環境等によっては、目的の無線タグと異なる無線タグに誤って書き込まれてしまうおそれがある。このような問題は、1つずつ無線タグに対して書き込み作業を行う場合に限らず、1つずつ無線タグの読み取り作業を行う場合も同様である。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、複数の無線タグが存在する場合でも、特定の無線タグを通信対象とすることができる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
固有のタグIDが記録される無線タグ(12)と情報コード(13)とが付された管理対象(10)を管理する管理システム(1)であって、
前記情報コードを光学的に読み取る処理を行う情報コード読取部(40)と、
前記無線タグに対して所定の情報を書き込む処理を行う無線タグ処理部(30)と、
を備え、
前記情報コードには、同じ前記管理対象に付された前記無線タグの前記タグIDが記録され、
前記無線タグ処理部は、無線タグに書き込むべき管理用情報が取得されるとともに前記情報コード読取部によって前記情報コードから前記タグIDが読み取られると、当該タグIDの前記無線タグに対して前記管理用情報を書き込む処理を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、
固有のタグIDが記録される無線タグ(12)と情報コード(13)とが付された管理対象(10)を管理する管理システム(1)であって、
前記情報コードを光学的に読み取る処理を行う情報コード読取部(40)と、
前記無線タグに記録される情報を読み取る処理を行う無線タグ処理部(30)と、
を備え、
前記情報コードには、同じ前記管理対象に付された前記無線タグの前記タグIDが記録され、
前記無線タグ処理部は、前記情報コード読取部によって前記情報コードから前記タグIDが読み取られると、当該タグIDの前記無線タグに記録される情報を読み取る処理を行うことを特徴とする管理システム。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、固有のタグIDが記録される無線タグとともに管理対象に付される情報コードには、同じ管理対象に付された無線タグのタグIDが記録される。無線タグ処理部は、無線タグに書き込むべき管理用情報が取得されるとともに情報コード読取部によって情報コードからタグIDが読み取られると、当該タグIDの無線タグに対して管理用情報を書き込む処理を行う。
【0011】
これにより、複数の管理対象のうちの1つに対して管理用情報を書き込む場合でも、その1つの管理対象に付された情報コードを読み取ることで、同じ管理対象に付された無線タグのタグIDを取得できるので、書き込むべき無線タグに対して管理用情報を確実に書き込むことができる。したがって、複数の無線タグが密集等して存在する場合でも、特定の無線タグを書き込みの通信対象とすることができる。
【0012】
請求項2の発明では、無線タグ及び情報コードが付された管理対象は、複数の物品が収容される容器であり、管理用情報は、複数の物品に関する情報である。これにより、複数の容器がパレット上にて密集して載置されるような場合でも、対象となる容器に付された情報コードを読み取ることで、同じ容器に付された無線タグに対してその容器に収容される複数の物品に関する情報を確実に書き込むことができる。
【0013】
請求項3の発明では、固有のタグIDが記録される無線タグとともに管理対象に付される情報コードには、同じ管理対象に付された無線タグのタグIDが記録される。無線タグ処理部は、情報コード読取部によって情報コードからタグIDが読み取られると、当該タグIDの無線タグに記録される情報を読み取る処理を行う。
【0014】
これにより、複数の管理対象のうちの1つに付される無線タグの情報を読み取る場合でも、その1つの管理対象に付された情報コードを読み取ることで、同じ管理対象に付された無線タグのタグIDを取得できるので、読み取るべき管理対象に付された無線タグの情報を確実に読み取ることができる。したがって、複数の無線タグが密集等して存在する場合でも、特定の無線タグを読み取りの通信対象とすることができる。
【0015】
請求項4の発明では、無線タグ及び情報コードが付された管理対象は、複数の物品が収容される容器であり、無線タグに記録される情報は、複数の物品に関する情報である。これにより、複数の容器がパレット上にて密集して載置されるような場合でも、対象となる容器に付された情報コードを読み取ることで、同じ容器に付された無線タグから上記複数の物品に関する情報を確実に読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係る管理システムの概略構成を示す説明図である。
図2】容器に組み付けられるかんばんと無線タグ及び情報コードとの位置関係を説明する説明図である。
図3図3(A)は、図1の携帯端末の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(B)は、無線タグ処理部の電気的構成を例示するブロック図であり、図3(C)は、情報コード読取部の電気的構成を例示するブロック図である。
図4】第1実施形態において携帯端末にてなされる収容情報書込処理の流れを例示するフローチャートである。
図5】第2実施形態において携帯端末にてなされる収容情報読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る管理システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示す管理システム1は、複数の管理対象にそれぞれ付された無線タグを利用して各管理対象を管理するシステムとして構成されている。具体的には、本実施形態では、管理システム1は、所定の生産計画に従って部品等が収容された状態で工場から出荷される容器10を管理対象としており、出荷時に携帯端末20を利用して、容器10の無線タグ12に対して当該容器10に収容される部品等に関する情報(以下、収容情報ともいう)を書き込むシステムとして構成されている。
【0018】
図2に示すように、無線タグ12付される容器10の側面11には、上記所定の生産計画に従って作成される所定の識別票(以下、単に、かんばん50ともいう)が取り付けられている。このかんばん50には、上記収容情報を含めた生産計画等に関する文字情報が印字されるとともに、上記収容情報を記録した情報コード51が印字されている。なお、収容情報は、例えば、容器10に収容される部品の品番(種類)や数量、顧客情報などを含めた情報であり、無線タグ12に書き込むべき「管理用情報」の一例に相当し得る。
【0019】
無線タグ12は、RFタグであって、読み取り専用のUIIエリアに固有のタグID等が記録され、読み書き可能なUSERエリアに任意のデータを書き込めるように構成されている。本実施形態では、容器10の出荷時に携帯端末20を利用して無線タグ12のUSERエリアに上記収容情報を書き込む作業が行われる。
【0020】
また、容器10の側面11には、無線タグ12の直上近傍となる位置に、無線タグ12のタグIDが記録される情報コード13が付されている。例えば、タグIDが「0011」の無線タグ12とともに容器10に付される情報コード13には、同じ情報である「0011」が記録される。本実施形態では、情報コード13は、無線タグ12の直上近傍に位置する側面11に付されているが、これに限らず、例えば、無線タグ12を覆うように付されてもよいし、無線タグ12の表面に印字等されてもよい。また、情報コード13と無線タグ12とは、一方が側面11に付されて、他方が側面11に対向する反対側の面に付されるなど、容器10の異なる面にそれぞれ付されてもよい。
【0021】
このように構成される容器10は、再利用前提であって、収容される物品等に応じてかんばん50が差し替えられる。その一方で、無線タグ12及び情報コード13は、付け替えられることもない。このため、容器10が再利用されるごとに、無線タグ12のUSERエリアに書き込まれる収容情報の内容が変わることになる。なお、本実施形態では、情報コード13及び情報コード51としては、QRコード(登録商標)が採用されているが、これに限らず、他のコード種別の情報コード、例えば、バーコードが採用されてもよい。
【0022】
携帯端末20は、作業者(ユーザ)によって携帯されて様々な場所で用いられる携帯型の情報読取端末として構成されており、アンテナを介して送受信される電波を媒介として無線タグ12に記憶されている情報を読み書きする機能に加えて、情報コード13及び情報コード51だけでなくバーコードや二次元コードなどの情報コードを光学的に読み取る情報コードリーダとしての機能を兼ね備え、読み取りを二方式で行いうる構成となっている。
【0023】
図3(A)に示すように、携帯端末20の筐体内には、携帯端末20全体を制御する制御部21が設けられている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、半導体メモリ等からなる記憶部22とともに情報処理装置を構成している。この記憶部22には、後述する収容情報書込処理を実行するためのプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。また、制御部21には、図3(A)に示すように、表示部23、操作部24、バイブレータ25、ブザー26、外部インタフェース27などが接続されている。
【0024】
表示部23は、公知のタッチパネル型の表示装置として構成されており、液晶表示器等の公知の表示デバイスとして構成される表示部と、この表示部の表示画面に重ねられる透明性の操作パネルとを備え、制御部21によって表示内容が制御されるように構成される。操作部24は、上記操作パネルと筐体の側面等に設けられる複数のキーとを備え、その操作に応じた操作信号を制御部21に対して与える構成をなしており、制御部21は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。バイブレータ25およびブザー26は、制御部21によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部21からの指令を受けて動作する。外部インタフェース27は、上位端末等の外部機器との間での無線通信又は有線通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、筐体内には、図略の電源部が設けられており、この電源部やバッテリによって制御部21や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0025】
また、携帯端末20は、制御部21により制御されて外部の情報を読み取り可能な情報読取部として機能する無線タグ処理部30及び情報コード読取部40を備えている。
【0026】
まず、無線タグ処理部30について、図3(B)を用いて説明する。
無線タグ処理部30は、アンテナ34及び制御部21と協働して無線タグ12との間で電磁波による通信を行ない、無線タグ12に記憶されるデータの読取り、或いは無線タグ12に対するデータの書込みを行なうように機能するものである。この無線タグ処理部30は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図3(B)にて概略的に示すように、送信回路31、受信回路32、整合回路33などを有している。
【0027】
送信回路31は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定の周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部21に接続されており、当該制御部21より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路33を介してアンテナ34に出力している。このようにしてアンテナ34に送信信号が出力されると、その送信信号が送信電波として当該アンテナ34より外部に放射される。
【0028】
一方、アンテナ34によって受信された応答信号は、整合回路33を介して受信回路32に入力される。この受信回路32は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ34を介して受信された応答信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部21に出力している。
【0029】
次に、情報コード読取部40について、図3(C)を用いて説明する。
情報コード読取部40は、情報コードを光学的に読み取るように機能するもので、図3(C)に示すように、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部41、結像レンズ42、CCDエリアセンサからなる受光センサ43などを備えた構成をなしており、制御部21と協働して情報コード13及び情報コード51などを光学的に読み取るように機能する。
【0030】
この情報コード読取部40によって読み取りを行う場合、まず、制御部21によって指令を受けた照明部41から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口を通って情報コードが付される読取対象に照射される。そして、照明光Lfが情報コードにて反射した反射光Lrは読取口を通って筐体内に取り込まれ、結像レンズ42を通って受光センサ43に受光される。読取口と受光センサ43との間に配される結像レンズ42は、情報コードの像を受光センサ43上に結像させる構成をなしており、受光センサ43はこの情報コードの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ43から出力された受光信号は、画像データとして記憶部22に記憶され、情報コードに記録される情報を取得するためのデコード処理に用いられるようになっている。なお、情報コード読取部40には、受光センサ43からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0031】
次に、上述のように構成される管理システム1において、出荷場にて作業者が携帯端末20を利用して出荷予定の容器10の無線タグ12に上記収容情報を書き込む作業を行う際に、携帯端末20の制御部21にてなされる収容情報書込処理について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、取り付けられたかんばん50の指示通りに所定の物品等がそれぞれ容器10に収容されており、各容器10が図1のように複数積層されている状態で上記書き込み作業を行う場合について説明する。
【0032】
図1に例示するように、出荷すべき各容器10がパレットP上にて密集するように載置されて出荷場に搬送されてくると、携帯端末20を携帯する作業者がその操作部24に対して所定の操作を行うことで、制御部21にて収容情報書込処理が開始される。まず、図4のステップS101に示す読取処理がなされ、情報コード読取部40を利用してかんばん50の情報コード51を撮像して読み取るための処理がなされる。続いてステップS103に示す判定処理にて、上記読取処理によって収容情報が取得されているか否かについて判定され、読み取りに失敗しているか他の情報コードを読み取っている場合には、Noとの判定が繰り返される。
【0033】
作業者が読取口をかんばん50の情報コード51に向けていることから、この情報コード51の読み取りに成功して収容情報が取得されると(S103でYes)、ステップS105に示す読取処理がなされ、情報コード読取部40を利用して容器10に付される情報コード13を撮像して読み取るための処理がなされる。続いてステップS107に示す判定処理にてタグIDが読み取られたか否かについて判定され、読み取りに失敗しているか他の情報コードを読み取っている場合には、Noとの判定が繰り返される。
【0034】
作業者が情報コード51に向けていた読取口を容器10の情報コード13に向けたことから、この情報コード13に記録されるタグIDの読み取りに成功すると(S107でYes)、ステップS109に示す書込処理がなされる。この処理では、無線タグ処理部30を利用して、読み取りに成功したタグIDが記録される無線タグ12、すなわち、情報コード13と同じ容器10に付された無線タグ12に対して、上述のように情報コード51の読み取りによって取得した収容情報が書き込まれる。具体的には、携帯端末20では、まず、上述のように読み取ったタグIDを記録した無線タグ12に対して所定の指示が送信されることで、この送信に応じてその無線タグ12のUIIエリアに記録されるタグIDやUSERエリアの長さに関する情報等が無線タグ12から受信される。続いて、携帯端末20では、そのタグIDを記録した無線タグ12に対してそのUSERエリアに書き込むべき上記収容情報が送信され、無線タグ12では、受信した収容情報をUSERエリアに書き込むための処理がなされる。
【0035】
このとき、図1に示すように、書き込むべき無線タグ12の近くに他の複数の無線タグ12が配置されるような場合でも、上述のようにタグIDを特定して書き込むため、誤って近くの他の無線タグ12に収容情報が書き込まれることもない。
【0036】
そして、所定の終了操作等がなされないことから処理終了と判定されない場合には(S111でNo)、上記ステップS101からの処理が再びなされて、次の容器10の無線タグ12に新たに読み取られた収容情報を書き込むための処理が開始される。その後、全ての容器10の無線タグ12にそれぞれ収容情報を書き込むことで、所定の終了操作等がなされると(S111でYes)、本収容情報書込処理が終了する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、固有のタグIDが記録される無線タグ12とともに容器10に付される情報コード13には、同じ容器10に付された無線タグ12のタグIDが記録される。無線タグ処理部30は、無線タグ12に書き込むべき収容情報(管理用情報)が取得されるとともに情報コード読取部40によって情報コード13からタグIDが読み取られると、当該タグIDの無線タグ12に対して管理用情報を書き込む処理を行う。
【0038】
これにより、パレット上にて密集している複数の容器10のうちの1つに対して収容情報を書き込む場合でも、その1つの容器10に付された情報コード13を読み取ることで、同じ容器10に付された無線タグ12のタグIDを取得できるので、書き込むべき無線タグ12に対して収容情報を確実に書き込むことができる。したがって、複数の無線タグが密集等して存在する場合でも、特定の無線タグを書き込みの通信対象とすることができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る管理システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、無線タグ12のUSERエリアに記録される情報を容器10ごとに個別に読み取る点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
本実施形態では、読み取るべき所定の情報として、容器10に収容される部品の品番(種類)や数量、顧客情報等を含めた収容情報が採用され、この収容情報が前工程等にて無線タグ12のUSERエリアに対して既に書き込まれていることを前提とする。そして、携帯端末20を用いて、各容器10について個別に無線タグ12のUSERエリアに記録される収容情報を読み取るための作業を行う。
【0041】
以下、本実施形態において、作業者が携帯端末20を利用して各容器10の無線タグ12の収容情報を読み取る作業を行う際に、携帯端末20の制御部21にてなされる収容情報読取処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0042】
携帯端末20を携帯する作業者がその操作部24に対して所定の操作を行うことで、制御部21にて収容情報読取処理が開始されると、まず、図5のステップS201に示す情報コード読取処理がなされ、情報コード読取部40を利用して容器10に付される情報コード13を撮像して読み取るための処理がなされる。続いてステップS203に示す判定処理にてタグIDが読み取られたか否かについて判定され、読み取りに失敗しているか他の情報コードを読み取っている場合には、Noとの判定が繰り返される。
【0043】
作業者が読取口を容器10の情報コード13に向けたことから、この情報コード13に記録されるタグIDの読み取りに成功すると(S203でYes)、ステップS205に示すタグ読取処理がなされる。この処理では、無線タグ処理部30を利用して、読み取りに成功したタグIDが記録される無線タグ12、すなわち、情報コード13と同じ容器10に付された無線タグ12のUSERエリアに記録される収容情報が読み取られる。具体的には、携帯端末20では、まず、上述のように読み取ったタグIDを記録した無線タグ12に対して所定の指示が送信されることで、この送信に応じてその無線タグ12のUIIエリアに記録されるタグIDやUSERエリアの長さに関する情報等が無線タグ12から受信される。続いて、携帯端末20では、そのタグIDを記録した無線タグ12に対してそのUSERエリアに記録される情報を送信するための所定の指示が送信され、この指示を受信した無線タグ12では、そのUSERエリアに記録される情報(収容情報)を携帯端末20に対して送信するための処理がなされる。
【0044】
このとき、読み取る無線タグ12の近くに他の複数の無線タグ12が配置されるような場合でも、上述のようにタグIDを特定して読み取るため、誤って近くの他の無線タグ12に記録される情報が読み取られることもない。
【0045】
そして、所定の終了操作等がなされないことから処理終了と判定されない場合には(S207でNo)、上記ステップS201からの処理が再びなされて、次の容器10の無線タグ12のUSERエリアに記録される収容情報を読み取るための処理が開始される。その後、全ての容器10の無線タグ12のそれぞれから収容情報が読み取られることで、所定の終了操作等がなされると(S207でYes)、本収容情報読取処理が終了する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る管理システム1では、固有のタグIDが記録される無線タグ12とともに容器10に付される情報コード13には、同じ容器10に付された無線タグ12のタグIDが記録される。無線タグ処理部30は、情報コード読取部40によって情報コード13からタグIDが読み取られると、当該タグIDの無線タグ12に記録される収容情報を読み取る処理を行う。
【0047】
これにより、複数の容器10のうちの1つに付される無線タグ12の情報を読み取る場合でも、その1つの容器10に付された情報コード13を読み取ることで、同じ容器10に付された無線タグ12のタグIDを取得できるので、読み取るべき容器10に付された無線タグ12の情報を確実に読み取ることができる。したがって、複数の無線タグが密集等して存在する場合でも、特定の無線タグを読み取りの通信対象とすることができる。
【0048】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る管理システム1は、上述した容器10を管理対象とするシステムに採用されることに限らず、例えば、無線タグを付した製品等を管理対象とするシステムに採用されてもよい。このような場合、無線タグには、その製品等に関連付けて管理すべき情報、例えば、その製品等に関する品質情報等を記録することができる。
【0049】
(2)上記第1実施形態において、無線タグ12に書き込むべき収容情報は、かんばん50の情報コード51の読み取りによって取得されることに限らず、例えば、操作部24による手入力やかんばん50等に記載された文字情報の撮像画像から文字認識した結果などによって取得されてもよい。また、音声認識可能な携帯端末20であれば、ユーザ等が発する音声等に応じて無線タグ12に書き込むべき収容情報が取得されてもよい。
【0050】
(3)情報コード13を光学的に読み取るための情報コード読取部40と無線タグ12を読み書きするための無線タグ処理部30とは、上述したように携帯端末20の一機能として一体化されることに限らず、情報コード読取部40の機能を有する装置と無線タグ処理部30の機能を有する装置とで別体として構成されてもよい。
【0051】
1…管理システム
10…容器(管理対象)
12…無線タグ
13…情報コード
20…携帯端末
21…制御部
22…記憶部
30…無線タグ処理部
40…情報コード読取部
50…かんばん
51…情報コード
図1
図2
図3
図4
図5